JP3744352B2 - 障害物位置計測方法および障害物位置計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両周囲に存在する物体までの距離を計測する距離計測装置に関し、特に、手前の物体の背後に物体が隠れているかどうかを判断することができる障害物位置計測方法および障害物位置計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の障害物位置計測方法としては、例えば特開平11−316275号公報に記載された方法が報告されている。
この方法は、車両にスキャニングレーザレーダを搭載しておき、追従中の前方物体の観測ベクトルを求め、複数の目標物体の軌跡を推定することで、その物体に追従しながら物体までの距離を計測するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では、複数の物体を検知しているにも関わらず、複数の物体が互いに隠れ合っている状態が考慮されていないため、物体の一部が他物体に隠れると、隠れた物体の大きさを求められないといった問題があった。
また、物体の一部が他の物体の背後に隠れることで計測対象物体の大きさが変化するため、物体への追従判断を誤るといった問題があった。さらに、物体の一部が隠れることでその物体の中心位置が変化するため、物体の軌跡ベクトルが正しく求められなくなるといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、手前の物体の背後に物体が隠れているかどうかを判断することができる障害物位置計測方法および障害物位置計測装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、車両の周囲に送信波を所定の検知角度で走査しながら前記送信波の反射波を受信して前方物体までの距離と方位を計測する障害物位置計測方法において、前記物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測する計測手順と、計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断する隠れ判断手順と、計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断する同一物体判断手順と、同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測する動きベクトル計測手順と、計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、背後の物体の一部が隠れていることを示すフラグを前記計測結果に付加するフラグ付加手順と、手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断する狭物体判断手順と、を有することを要旨とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、車両周囲の所定の範囲内に送信波を送信する送信手段と、前記送信波の反射波を受信する受信手段と、前記所定の範囲内に存在する物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測する計測手段と、計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断する隠れ判断手段と、計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断する同一物体判断手段と、同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測する動きベクトル計測手段と、計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、背後の物体の一部が隠れていることを示すフラグを前記計測結果に付加するフラグ付加手段と、手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断する狭物体判断手段と、を有することを要旨とする。
【0011】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、検知領域内に存在する物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測しておき、計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断し、計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断し、同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測し、計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、物体の一部が隠れていることを示すフラグを付加し、手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断することで、この物体が自車両の走行を妨げるような障害物ではないことを判断することができる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、車両周囲の所定の範囲内に送信波を送信し、送信波の反射波を受信し、次に、所定の範囲内に存在する物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測しておき、計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断し、計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断し、同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測し、計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、物体の一部が隠れていることを示すフラグを付加し、手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断することで、この物体が自車両の走行を妨げるような障害物ではないことを判断することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る障害物位置計測方法および障害物位置計測装置を適用可能な障害物位置計測装置11の構成を示す図である。
スキャニングレーザレーダ13は、車両前方の走行方向に対して垂直かつ路面に平行な1次元方向を所定の検知角度でスキャニングしながらレーザレーダ(送信波)をパルス信号として照射し、出射したレーザレーダが車両前方に存在する物体により反射された反射波を受信して受信信号を出力する。
【0018】
距離・位置・大きさ計測部15は、スキャニングレーザレーダ13が照射したパルス信号と受信した受信信号に基づいて、レーザレーダの出射から車両前方に存在する物体による反射波の入射までの伝搬遅延時間を検出して検知角度内に存在する全ての物体までの距離を計測し、さらに、方位を計測する。さらに、計測した距離と方位に基づいて、前方車両に対する自車両の角度を算出し、さらに、この角度に基づいて、当該前方車両までの距離、位置および物体の大きさを算出する。また、距離・位置・大きさ計測部15は、同じ物体と判断される部分にグルーピング処理を実行する。
【0019】
追従判断部17は、距離・位置・大きさ計測部15で実行されたグルーピング処理の結果位置が時間的に小さな距離しか移動しない場合、かつ、グルーピング処理時に動き計測部19で計測される動きベクトルが時間的に連続している場合に、物体への追従を行うことと判断する。
動き計測部19は、検出物体の左右端点の座標を求め、その左右端点の時間的動きを動きベクトルとして繋ぐことで時間的に連続して計測している物体の軌跡を求める。
物***置関係判断部21は、スキャニングレーザレーダの位置と二つの別の物体の位置関係に基づいて、物体の背後に他の物体の一部が隠れているかを判断し、物体の一部が隠れているときに隠れフラグと、その物体の距離、位置、大きさ、動きベクトルを物体の計測結果として出力する。
【0020】
なお、上述した距離・位置・大きさ計測部15、追従判断部17、動き計測部19、物***置関係判断部21を制御プログラムにより実行される機能モジュールとしてもよく、この場合、CPU23の内部ROMに記憶されている制御プログラムに従って実行される。
また、作用装置25は、物***置関係判断部21から出力された物体の距離、位置、大きさ、動きベクトル、隠れフラグに基づいて、車両に設けられたブレーキやスロットルバルブなどに接続されているアクチュエータを制御して車両制御を行う。
【0021】
図2(a),(b)は、車両に搭載されたスキャニングレーザレーダ13の位置とそれぞれの基準座標系を示す図である。
図2(a),(b)に示すように、自車両29に搭載されたスキャニングレーザレーダ13のスキャニングの中心軸(Z)は、それぞれ自車両29の幅方向(X)の中心位置に直進方向(Z)に平行な方向に取り付けられており、それぞれの基準座標系の原点が路面に鉛直方向(Y)に同じ位置に取り付けられている。
【0022】
自車両29に対する検知物体の位置は、原点をスキャニングレーザレーダ13の中心点、そのZ軸(物体までの距離を表す)をスキャニングレーザレーダ13の中心軸方向、X軸(物体の横位置を表す)をスキャニング面に平行な方向、Y軸をスキャニング面に対して垂直な方向とした座標系を基準にしている。
以下、説明のためスキャニングレーザレーダ13の出射面の中心を原点とした基準座標系を用いて説明する。ただし、この発明は、中心軸が直進方向でない場合や、その取り付け位置が自車両29の中心軸からずれている場合でも、その角度、位置を幾何学計算時に考慮すれば、全て以下の説明で成り立つものである。
【0023】
次に、図3に示す自車両前方の状況を参照して、障害物位置計測装置11の基本的な動作を説明する。図3は、自車両29の前方正面に車両31が走行中であり、その背後の左斜前方に他の車両33が存在する状況において、それぞれの車両の配置と自車両29に搭載したスキャニングレーザレーダ13での計測結果の様子を示した図である。
スキャニングレーザレーダ13のビームは、それぞれの検知角度においてレーザレーダから一番近い位置に存在する反射面までの距離を計測し、かつ、その前方に反射面がある場合でも、その面とレーザレーダの間にビームの到達を防げる物体が存在する場合は、反射面までの距離は計測ができなくなる。
【0024】
図3に示す状況の場合、正面の車両31上に存在する左右の反射面と、左斜め前方に存在する車両33の左側の反射面までの距離は計測できるが、車両33の右側の反射面は、車両31の背後に隠れる位置にあるため、距離の計測ができない。この結果、スキャニングレーザレーダ13のみで計測が可能である部分は、図3に示す○印の位置だけである。
そこで、車両31の背後に計測された車両33が、車両幅A(m)の車両であると仮定した場合、その車両33の一部が手前の車両31により隠れる位置にあるかどうかを判断するには、自車両29に搭載したスキャニングレーザレーダ13の位置と二つの車両31,33の位置関係に基づいて、物***置関係判断部21により幾何学的に計算できる。特に、図3に示すように、車両31の背後に物体の一部が隠れていると判断された場合は、物***置関係判断部21は、物体(車両33)の一部が隠れている可能性があることを示す隠れフラグと、その物体の距離、位置、大きさ、動きベクトルを物体の計測結果とする。
【0025】
従って、物***置関係判断部21からの出力結果に基づいて、車両31の背後にある物体(車両33)が大きな障害物であることも考慮にいれた車両制御を作用装置25に行わせることができるようになる。例えば、通常運転における運転手の判断では、前方障害物が小さい物体である場合は、速度は変えずにハンドル操作による微小な進路変更だけで走行し、前方に停止車両などの大きな障害物がある場合は停止するなどの車両制御を作用装置25に行わせる。また、前方に障害物が存在するがそれが何であるか判らない場合は、その物体により近づくまでは速度を緩めながら近づき、急ブレーキにも対応できるような前準備をすることが多い。このような場合でも、何であるかわからないが障害物となる可能性のある物体が存在するということを隠れフラグとして与えることができるため、物体の種類がわかるまでは、ブレーキにも対処できるように、予め速度を落としておくなどの運転者による車両操作と同等な車両制御を作用装置25に行わせることができる。
【0026】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、障害物位置計測装置11の動作を説明する。
まず、ステップS10では、スキャニングレーザレーダ13で距離計測を行わせ、距離・位置・大きさ計測部15で同じ物体と判断される部分にグルーピング処理を実行することで、自車両29前方に存在する計測領域内の物体を発見し、その物体までの距離、位置、大きさを求める。このグルーピング処理は、図5,図6に示すように、同じ距離に位置し、時間的に連続して同じ方向に動くものを同じ物体と判断することで行える。
【0027】
ここで、図5(a)に示す離脱車両の軌跡を参照して、距離・位置・大きさ計測部15によるグルーピング処理について説明する。図5(a)は、先行車(離脱車両41)より先の正面から少し左寄り前方に停止した車両43が存在し、かつ、自車両29の正面に走行中の先行車(離脱車両41)が離脱する場合の自車両29に搭載されたスキャニングレーザレーダ13で計測した結果の軌跡を示している。先行車は右前方に離脱して離脱車両41となるため、その軌跡は、徐々に右斜め前に移動するように観測される。
【0028】
次に、ステップS20では、上述したグルーピング処理の結果位置が時間的に小さな距離しか移動しない場合、かつ、グルーピング処理時に動き計測部19で計測される動きベクトルが時間的に連続している場合に、追従判断部17は物体への追従を行うことと判断する。
次に、ステップS30では、検出された物体の中から、幅が狭い物体を選択し、その物体がその物体より手前の物体により一部が隠れている可能性があるかどうかを判断する。
【0029】
この判断処理は、例えば図7に示すように、自車両29に近い物体51までの距離がz1 、物体51よりも遠い物体53までの距離がz2 であり、物体51の左右端の座標が(x11,z11)、(xr1,zr1)とする。このとき、物体53の検出位置は、物体51の左奥であることから、物体53の検出点は、物体53の左端点であると判断し、その座標を(x12,z12)とする。
【0030】
さらに、隠れる可能性のある部分は、図6に示すように、物体53の右端点であることから、物体53の物体幅をAと仮定し、物体53の右端点を(x12+A,z12)とする。ただし、これらの座標はすべて、図2に示した基準座標系上の点とする。
【0031】
ここで、このようにして求めた点を用いて隠れ判断処理を実行する。
まず、隠れている物体53の右端点(x12+A,z12)とスキャニングレーザレーダ13の中心点を結ぶ直線の式を求める。スキャニングレーザレーダ13の中心点は基準座標系の原点としているため、物体53の右端点とレーザレーダの中心点を結ぶ直線の式は、(1)式となる。
【0032】
【数1】
x=((x12+A)/z12×z)×2 …(1)
物体53の右端点が他の物体により隠れる位置にあるかどうかを判断するには、それより手前に検知されている物体の間に存在することを調べればよい。すなわち、図6において、物体51の左右端の座標(x11,z11)、(xr1,zr1)を結ぶ線分と(1)式が交わることを調べることに相当するため、
【数2】
x11≦((x12+A)/z12)×z11
かつ
((x12+A)/z12)×z11≦xr1 …(2)
(2)式が成り立つ場合、物体53の右端が51により隠れていると判断することができるので、ステップS40に進む。一方、(2)式が成り立たない場合、ステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0033】
ステップS40では、最後の結果の出力では、検知された物体のすべての距離、位置、大きさなどを出力する。この結果の出力の際、前述の判断により、幅が狭くかつ手前の物体により物体の一部が隠れている可能性があると判断された場合、物体の一部が隠れている可能性があることを示す隠れフラグを付加する。
【0034】
さらに、ステップS50では、物***置関係判断部21は、検知物体の距離、横位置、動き、大きさ、隠れフラグを出力する。
【0035】
次に、前方の先行車が離脱するときにおけるその先の物体の隠れ可能性の判断処理について説明する。
前方の物体の位置検出は、図5を参照して説明したグルーピング処理により行える。また、時間的に連続して計測している物体の軌跡は、図7に示すように、検出物体の左右端点の座標を求め、その左右端点の時間的動きを図5,図6(a)に示すような方法を用い、動きベクトルで繋ぐことで求めることができる。
【0036】
このようにして、軌跡を求めた先行車が離脱するとわかった場合、その先行車の先に物体があるときには、その先の物体は、図5(a)に示すように、離脱開始時点では物体の端だけが観測され、先行車が離脱するにつれ、徐々に物体の全体が見えるようになる。
つまり、離脱開始時点では、その奥に検知される物体の一部が隠れるため幅が狭い物体として観測される。例えば、図5(a)に示すように、離脱開始時点では、離脱車両の背後に検知される物体の一部が幅の狭い物体(車両)として観測される。
【0037】
しかし、図5(a)に示すように、離脱車両41の背後に車両の一部が隠れているので、この車両の実際の大きさは、この時点ではわからない。このため、離脱車両41の背後に物体(車両43)を検知した場合は、その物体の検知開始時では、まず、物体の一部が隠れていることを示す隠れフラグを離脱した物体の距離・位置の結果に付加して出力する。この際、検出された幅の狭い物体(車両)の一部が手前の物体(離脱車両)により隠れていることは、上述した図6に示す方法を用いて判断することができる。
【0038】
次に、先行車が離脱後に前方に小さい物体が存在する場合について説明する。
【0039】
上述したように、図5(a)に示すように、離脱車両41が離脱を開始した時点では、離脱車両41の背後の物体(車両43)は一部しか検知できていないため、背後の物体は幅の狭い物体として検知される。しかし、離脱車両41が離脱後は、背後の物体(車両43)の全体が見える。このため、例えば、図6(b)に示すように、仮に設けた離脱車両の背後の物体の右端端が見える位置になった後も、右端が検知される位置から何も検知されなかった場合、離脱車両の背後の物体は細い物体47であると判断することができる。この判断処理は、(2)式が成立しない位置関係になることから判断することができる。
【0040】
次に、先行車によって背後に隠れている位置を判断する場合の基準値を車両幅とする例を説明する。
これは、上述したように仮に設けておいた物体幅A(m)を通常の平均的な車両幅にとればよい。また、走行中の道路によって、例えば、大型優先の車線走行中においては、物体幅A(m)を大型車両の車両幅にとるなどして、適用される値を可変にしてもよい。
【0041】
先行車が離脱する前に、図7、(1)式および(2)式により、離脱車両の背後に物体の一部が隠れていると判断された場合には、仮に設けておいた物体幅Aを加味した位置とし、例えば、図7に示すような場合は、予想される点(x12+A,z12)の動きを物体53の右端点の動きとすればよい。このようにして、物体51の背後に物体53が隠れていると判断されている間、時間的に連続して物体の予想される右端の点(x12+A,z12)を求めておく。
【0042】
このように、先行車の軌跡を求めておき、先行車が離脱途中で離脱車両となり、この離脱車両の背後の一部が隠れる位置に物体があると検知された場合は、さらに、離脱中の追従車両の軌道算出と同じ原理で、離脱車両の前方に検知された物体の軌道を求めることもできる。
【0043】
この物体は、離脱車両の背後にあるためその一部が隠れる位置にあるので、左右端の位置から軌跡を求めることはできないが、検知されている部分の軌跡を求めるだけでもその動きは求めることはできる。
例えば、図5に示すように、左斜め前の車両が停止車両である場合、連続して検知されているこの左端の部分により、自車両29の速度ベクトルと同じ長さで近づく軌跡ベクトルを得ることができるため、この車両が停止していることと判断することができる。この結果、先行車の離脱に先立って停止障害物があることを事前に検知することができ、停止障害物への衝突を回避するため、作用装置25による車両制御にも利用することができる。
さらに、この検知情報を、車両前方の死角部分や運転席から見難い外界環境を監視するための視覚補助用のディスプレーなどに表示するシステムにも応用可能である。
【0044】
以下、本実施の形態における効果を説明する。
検知領域内に存在する物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測しておき、計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断し、計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れていると判断された場合に、当該物体の一部が隠れていることを示す隠れフラグを前記計測結果に付加することで、この隠れフラグの有無により手前の物体の背後に物体が隠れているかどうかを判断することができる。
【0045】
また、計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断し、同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測し、計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、物体の一部が隠れていることを示す隠れフラグを付加することで、この隠れフラグの有無により計測中の物体が正面から横方向に移動した直後でも、正面に新にた物体が現れたかどうかを判断することができる。
【0046】
さらに、手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断することで、この物体が自車両の走行を妨げるような障害物ではないことを判断することができる。
【0047】
以下、本実施の形態における効果を具体的に説明する。
図5(a)に示すように、左前方に位置する計測中の障害物(車両43)は、先行車が自車両29の正面に位置する場合は、幅の狭い物体のように観測されるが、離脱車両41が離脱後には、左斜め前の車両43の全体が自車両29から見える位置関係になるので、車両43の全体の位置が計測されるようになり、かつ、この車両43が停止している場合、この車両43までの距離は徐々に近づくように観測される。先行車(離脱車両41)の動きの軌跡は、距離計測中の物体で距離が同じ位置にある点をグルーピング処理し、その結果、全体が常に同じ方向に移動するものを計測するので、その移動の方向(図5に示す矢印)から、先行車(離脱車両41)の動きを計測することができる。
【0048】
この方法により、先行車の軌跡を求め、離脱しようとする車両の背後に幅の狭い物体が検知された場合は、上述したように、離脱しようとする先行車によって一部が隠れている可能性があることを示す隠れフラグを先行車の背後にある物体の位置、距離に付加した計測結果とする。
【0049】
また、図5(a)に示すように、自車両29の前方に検知している先行車の動きを求め、先行車が自車両29の進路上から離脱する場合に、図5(b)に示すように、先行車が離脱する過程で背後にある物体を検知したときには、自車両29の進行方向上に障害物となる可能性のある物体があることを知らせるため、障害物の一部が離脱車両によって隠れている可能性があることを示す隠れフラグを距離・位置・大きさなどに付加して出力するので、先行車との車間距離の変化に応じて車間距離に対応して自車両の制御を行う場合でも、先行車の離脱により前方の進路が空いたために自車両の前方に障害物があるにも拘わらず、自車両が速度を上昇するような危険な速度制御を回避することができるようになる。
【0050】
さらに、通常の運転者の判断による運転操作の場合、追従中の先行車が離脱した場合には、直ぐには速度を上昇させず、まず、その離脱車両の背後に障害物や速度の遅い車両の存在を疑い、自車両の走行の妨げになるものがないと判断したときには速度を上昇させる。一方、何かの障害物を発見した場合には、それが何であるかを判断した後に、自車両29の制御を求めるという操作を行う。
【0051】
本実施の形態によれば、離脱車両の背後に物体の存在を検知した際には、まず、物体の一部が離脱車両で隠れているため、物体の大きさ・種類がわからないが、何かが存在するという隠れフラグを付加して出力するため、通常の運転者に近い運転制御ができるようになる。
【0052】
また、離脱車両の背後に検知した物体の動きの軌跡をも計測することで、例えば、離脱車両の背後の物体が停止物体であれば、ブレーキ操作の準備を行うことができる。また、この物体の速度が遅い場合、ブレーキ操作による減速の準備を行うことができる。さらに、新たに検知された物体の自車両29との相対速度が0に近い場合には、自車両の速度を維持するなどの敏速な速度調整判断もできるようになる。
【0053】
また、図6(b)に示すように、先行車が離脱した後も、検知されている物体が幅の狭い物体47として検知されている場合には、その物体に付加していた隠れフラグを取り除くようにしたため、離脱車両の背後にある物体が小さく、走行の妨げにはならない物体であることを瞬時に判断できるようになるため、スムーズな速度制御が可能となる。例えば、幅の狭い停止物体であると判断された場合、ブレーキの準備に入るが、それが、標識など、自車両29の走行の妨げにはならない停止物体であるとわかった場合には、即時にブレーキ制御の準備を止め、通常走行に戻せるようになる。このように、安全走行への対応を取りながら無駄な加減速を少なくするスムーズな車両制御を作用装置25により行う。
【0054】
さらに、検知物体が他の物体に隠れている可能性があることを判断する際に、この幅の基準を通常の車両幅とするようにしたため、スキャニングレーザレーダが検知し路上に存在する物体の中で最も利用数の多い車両への判断ができるようになるため、利用可能な場面が多くなる。また、走行車線によって、例えば、大型専用車線やバス優先車線などでは、その車両幅を大型車両の車両幅に設定することで、実用に適した対応も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る障害物位置計測方法および障害物位置計測装置を適用可能な障害物位置計測装置11の構成を示す図である。
【図2】車両に搭載されたスキャニングレーザレーダ13の位置とそれぞれの基準座標系を示す側面透視図(a),上面透視図(b)である。
【図3】正面の物体とその物体に一部が隠れる位置にもう1つの物体が存在するときのスキャニングレーザレーダの検知結果を示す図である。
【図4】障害物位置計測装置11の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】離脱開始時の先行車に対するグルーピング処理の様子を示す図(a)と、先行車が離脱後に現れる車両の様子を示す図(b)である。
【図6】離脱開始時の先行車に対するグルーピング処理の様子を示す図(a)と、先行車が離脱後に現れる物体の様子を示す図(b)である。
【図7】物***置の算出方法について説明するための図である。
【符号の説明】
11 障害物位置計測装置
13 スキャニングレーザレーダ
15 距離・位置・大きさ計測部
17 追従判断部
19 動き計測部
21 物***置関係判断部
23 CPU
25 作用装置
Claims (2)
- 車両の周囲に送信波を所定の検知角度で走査しながら前記送信波の反射波を受信して前方物体までの距離と方位を計測する障害物位置計測方法において、
前記物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測する計測手順と、
計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断する隠れ判断手順と、
計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断する同一物体判断手順と、
同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測する動きベクトル計測手順と、
計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、背後の物体の一部が隠れていることを示すフラグを前記計測結果に付加するフラグ付加手順と、
手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断する狭物体判断手順と、
を有することを特徴とする障害物位置計測方法。 - 車両周囲の所定の範囲内に送信波を送信する送信手段と、
前記送信波の反射波を受信する受信手段と、
前記所定の範囲内に存在する物体までの距離と方位とその物体の大きさを計測する計測手段と、
計測した物体の一部が手前の物体の背後に隠れているかどうかを判断する隠れ判断手段と、
計測中の物体が前回の時点で計測した物体と同一物体であるかどうか判断する同一物体判断手段と、
同一距離に位置する物体の連続的な動きを表す動きベクトルを計測する動きベクトル計測手段と、
計測中の物体が正面から横方向に移動した場合に、その物体の移動後に背後に別の物体を計測したときには、背後の物体の一部が隠れていることを示すフラグを前記計測結果に付加するフラグ付加手段と、
手前の物体が背後の物体を隠さない位置まで移動した後も、現われてきた当該物体の大きさが隠れていた時点のままである場合は、幅の狭い物体が存在することと判断する狭物体判断手段と、
を有することを特徴とする障害物位置計測装置。
Priority Applications (1)
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