JP3744242B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボンネットヒンジによって後端部が車体に支持されたボンネットを有する車両の前部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平9−315266号公報に示されるように、車両の前端部が被衝突体に衝突したことを検出する衝突検出手段と、車体の前部に設けられたボンネットの後端部を持ち上げるとともに、その持ち上げ位置にてボンネットの後端部を保持する持ち上げ保持手段と、上記衝突検出手段からの出力に応じて上記持ち上げ駆動手段を作動させる制御手段とを備え、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記持ち上げ駆動手段によってボンネットの後部を持ち上げ、このボンネットとエンジン等との間に所定の間隙を形成した状態に保持することにより、上記被衝突体がボンネットに衝突した際の衝撃を効果的に吸収できるようにすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ボンネットの後部を持ち上げるように構成した場合には、被衝突体の高さが大きいと、この被衝突体の上端部がフロントガラス側に倒れることを防止することができず、フロントガラスが損傷するのを防ぐことが困難であるという問題がある。特に、空力特性を向上させるための車両の前端部の高さが低く設定されたいわゆるローノーズタイプの車両では、立ち木等からる被衝突体の下端部近傍に車両の前端部が当接し、この被衝突体の上端部が、フロントガラス側に倒れ易いという問題があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、被衝突体の上端部がフロントガラス側に倒れるのを効果的に防止できる車両の前部構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、後端部に設けられたボンネットヒンジによって車体に支持されたボンネットを有する車両の前部構造であって、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記ボンネットの前端部を上方に変位させる駆動手段を備えたものである。
【0006】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記駆動手段によってボンネットの前端部が上方に変位するように駆動されることにより、上記被衝突体に対するボンネットの前端部の当接位置が上方に移動し、被衝突体の上端部がフロントガラス側に倒れることが効果的に防止される。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の車両の前部構造において、上記駆動手段をエアバッグ装置によって構成したものである。
【0008】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記エアバック装置が作動してボンネットの前端部が迅速に持ち上げられることにより、このボンネットの前端部が被衝突体の下端部近傍に当接することが確実に防止される。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2記載の車両の前部構造において、上記駆動手段をサスペンションタワーの上方に配設したものである。
【0010】
上記構成によれば、剛性の高いサスペンションタワーの上方に上記駆動手段が配設されているため、この駆動手段が安定して支持されることになる。
【0011】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ボンネットの前端部に設けられたロック機構のロック状態を解除するロック解除手段を備えたものである。
【0012】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記ロック機構のロック状態がロック解除手段によって解除されることにより、ボンネットの前端部の上方変位が上記ロック機構によって阻止されることが確実に防止される。
【0013】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、ボンネットの前端部の上方変位時に、ボンネットの前端部と車体前端部との間を覆うカバーを備えたものである。
【0014】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ボンネットの前端部が上方に変位した際に、上記カバーによってボンネットの前端部と車体前端部との間が覆われることにより、この間に被衝突体が進入することが効果的に防止される。
【0015】
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ボンネットの前部を変形させる脆弱部を設けたものである。
【0016】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記脆弱部を基点にしてボンネットの前部が変形することにより、衝突エネルギーが効果的に吸収されることになる。
【0017】
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、車両の走行速度を検出する車速検出手段と、この車速検出手段によって検出された車両の走行速度が予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネットの前端部の上方変位を禁止するように上記駆動手段を制御する衝突制御手段とを備えたものである。
【0018】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、車両の走行速度が予め設定された基準値よりも小さく、被衝突体がフロントガラス側に倒れる可能性が低いことが確認された場合には、ボンネットの前端部の上方変位が禁止されることになる。
【0019】
請求項8に係る発明は、上記請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、被衝突体の高さを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段によって検出された被衝突体の高さが予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネットの前端部の上方変位を禁止するように上記駆動手段を制御する衝突制御手段とを備えたものである。
【0020】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、被衝突体の高さが予め設定された基準値よりも小さく、被衝突体がフロントガラス側に倒れる可能性が低いことが確認された場合には、ボンネットの前端部の上方変位が禁止されることになる。
【0021】
請求項9に係る発明は、上記請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、被衝突体の高さを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段によって検出された被衝突体の高さに応じてボンネットの前端部の上方変位量を変化させるように駆動手段を制御する衝突制御手段とを備えたものである。
【0022】
上記構成によれば、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記駆動手段によって駆動されるボンネットの前端部の上方変位量が、上記被衝突体の高さに応じて制御されることにより、この被衝突体の上端部がフロントガラス側に倒れることが、さらに効果的に防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明に係る車両の前部車体構造の実施形態を示している。この前部車体構造は、ボンネットヒンジ1によって後端部が車体に支持されたボンネット2と、車両の前端部が立ち木または道路標識等の被衝突体Mに衝突した時に、上記ボンネット2の前端部を上方に変位させる駆動手段3とを備えている。上記ボンネット2の前端部には、通常時にボンネット2を閉止位置に係止するロック機構4と、ボンネット2の前端部の上方変位時に、ボンネット2の前端部と車体前端部との間を覆うカバー5とが設けられている。
【0026】
上記駆動手段3は、前部車体に設けられた前輪用のサスペンションタワー6の上方に配設されたエアバック装置からなっている。このエアバッグ装置は、発火手段及びガス発生剤を有するインフレータ7と、ガスの充填により膨張するエアバッグ8とを有し、このエアバッグ8を膨張させて上記ボンネット2の左右両側辺部を押し上げることにより、ボンネット2の前端部を所定高さに上昇させるように構成されている。
【0027】
また、上記ボンネット2のロック機構4は、図3及び図4に示すように、車両の前端部上方に設けられたシュラウドアッパー9等からなる車体側部材に取り付けられたロック機構本体10と、ボンネット2の前端部下面に取り付けられたストライカ11とを有している。
【0028】
上記ロック機構本体10は、ストライカ11が導入される切欠が形成された上端部にベースプレート12と、このベースプレート12に突設された支持軸13と、この支持軸13を支点にして揺動自在に支持されたロックレバー14と、このロックレバー14をロック解除方向に付勢する引張りばね15と、この引張りばね15の付勢力に抗して上記ロックレバー14をロック位置に係止する係止レバー16と、この係止レバー16を揺動自在に支持する支持軸17と、この支持軸17を支点に係止レバー16を図の反時計方向に付勢して上記ロックレバー14の係止位置に付勢する引張りばね18と、上記ストライカ11の浮上がりを規制する手動レバー19と、この手動レバー19をストライカ11の浮上がり規制位置に付勢する引張りばね20とを有している。
【0029】
そして、図3に示すように上方の開放位置にあるボンネット2の前端部を下降させ、手動レバー19の浮上がり規制部を乗り越えさせて下方の閉止位置にストライカ11を移行させると、上記ロックレバー14に形成されたロック溝内にストライカ11が挿入され、このストライカ11によりロックレバー14が押されて回転することにより、図4に示すロック位置にロックレバー14が移動する。これによって上記ロックレバー14に形成された凹部と、係止レバー16に設けられた突部とが係合され、上記ストライカ11とロックレバー14とがロック位置に係止されてボンネット2が下方の閉止位置にロックされる。
【0030】
また、ボンネット23を開放する際に、上記ロック機構4によるボンネット2のロック状態を解除する場合には、上記係止レバー16に連結されたケーブル21を図外の解除レバーによって引張り、上記引張りばね18の付勢力に抗して係止レバー16を係止解除方向に揺動操作することにより、上記ロックレバー14の凹部と、係止レバー16の突部との係合状態を解除する。これによって上記係止レバー16によるロックレバー14の係止状態が解放され、上記引張りばね15の付勢力に応じてロックレバー14がロック解除方向に回動変位し、上記ストライカ11が手動レバー19による浮上がり規制位置まで上昇する。この結果、上記手動レバー19を回動操作してストライカ11の規制解除位置まで変位させることにより、ボンネット2を開放操作することが可能となる。
【0031】
また、車体の前端部には、上記ケーブル21を駆動して係止レバー16をロックレバー14の係止解除方向に駆動するソレノイド22が設けられるとともに、上記手動レバー19を駆動してストライカ11の規制解除位置に変位させる第2ソレノイド23が設けられている。そして、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記第1,第2ソレノイド22,23からなるロック解除手段により、上記ロック機構4のロック状態が強制的に解除されるように構成されている。
【0032】
上記カバー5は、図5に示すように、下端部がシュラウドアッパー9に固定された断面ハット型の支持部材24の後方側に配設され、通常時には、ボンネット2の開放操作の邪魔にならないよう蛇腹状に折畳まれた状態で格納されている。また、上記ボンネット2の前端部には、ロック用ソレノイド25が取り付けられるとともに、上記カバー5及び支持部材24の上端部に形成された貫通孔からなる係合孔に対向するように、上記ロック用ソレノイド25のロッド26が配設されている。
【0033】
そして、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ロック用ソレノイド25のロッド26が上記係合孔に挿入されてカバー5及び支持部材24の上端部に係合されることにより、図6に示すように、上記ボンネット2の前端部の上方変位に応じてカバー5及び支持部材24の上端部が上方に付勢されるようになっている。この結果、上記支持部材24の所定の位置に設けられた薄肉部等からなる脆弱部24aにおいて支持部材24が破断されるとともに、上記カバー5が引き伸ばされることにより、上記ボンネット2の前端部と、車体前端部つまりシュラウドアッパー9との間が上記カバー5によって覆われることになる。
【0034】
また、上記ボンネット2の下面には、図7に示すように、凹部、ビードまたは切欠等からなる脆弱部27aが所定の位置に設けられたレインフォースメント27が取り付けられ、これによって車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記脆弱部27aを基点にして図8に示すように、ボンネット2の前端部が変形するように構成されている。
【0035】
上記車両には、図9に示すように、車両の前端部が被衝突体Mに衝突したことを検出する衝突検出手段28と、この衝突検出手段28によって車両の前端部が被衝突体Mに衝突したことが検出された場合に、上記第1,第2ソレノイド22,23からなるロック解除手段29に作動指令信号を出力してロック機構4のロック状態を解除するとともに、上記エアバック装置のインフレータ7に発火指令信号を出力する衝突制御手段30と、車速センサ等からなる車速検出手段31と、上記衝突時に被衝突体Mの高さを検出する光センサまたは超音波センサ等からなる高さ検出手段32とが設けられている。
【0036】
また、上記衝突制御手段30は、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記車速検出手段31の検出信号に応じて衝突時の車速が予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合及び上記高さ検出手段32の検出信号に応じて被衝突体Mの高さが予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネット2の前端部の上方変位を禁止し、それ以外の場合に、ロック解除手段29に作動指令信号を出力するとともに、インフレータ7に発火指令信号を出力してボンネット2の前端部を上方変位させるように構成されている。
【0037】
さらに、上記衝突制御手段30は、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記高さ検出手段32の検出信号に応じて被衝突体Mの高さが中程度であるか、それよりも大きいか判定し、被衝突体Mの高さが中程度であることが確認された場合には、上記インフレータ7に設けられたガス発生剤を半分だけ発火させることにより、上記ボンネット2の前端部の上方変位量を中程度に設定し、被衝突体Mの高さが大きいことが確認された場合には、上記インフレータ7に設けられた全てのガス発生剤を発火させることにより、上記ボンネット2の前端部の上方変位量を最大値に設定するように構成されている。
【0038】
上記衝突制御手段30による制御動作を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、上記衝突検出手段28の検出信号に応じて車両の前端部が被衝突体Mに衝突したか否かを上記衝突制御手段30において判定し(ステップS1)、YESと判定された時点で、上記車速検出手段31の検出信号に応じて衝突時の車速Vが基準値V1よりも小さいか否かを判定する(ステップS2)。このステップS2でYESと判定された場合には、上記駆動手段3を作動させることなく、制御動作を終了することにより、上記ボンネット2の前端部の上方変位を禁止する。
【0039】
上記ステップS2でNOと判定されて衝突時の車速Vが基準値V1以上であることが確認された場合には、上記高さ検出手段32の検出信号に応じて被衝突体Mの高さHが第1基準値H1よりも小さいか否かを上記衝突制御手段30において判定し(ステップS3)、YESと判定された場合には、上記駆動手段3を作動させることなく、制御動作を終了する。
【0040】
上記ステップS3でNOと判定されて被衝突体Mの高さHが第1基準値H1よりも大きいことが確認された場合には、上記被衝突体Mの高さHが、第1基準値H1よりも大きな値に設定された第2基準値H2よりも小さいか否かを判定する(ステップS4)。
【0041】
上記ステップS4でYESと判定されて被衝突体Mの高さHが、上記第1基準値H1以上で第2基準値H2未満の中程度であることが確認された場合には、上記ロック解除手段29を作動させる制御信号を上記衝突制御手段30からロック解除手段29に出力するとともに(ステップS5)、上記インフレータ7に設けられたガス発生剤を半分だけ発火させる制御信号を上記衝突制御手段30から駆動手段3のインフレータ7に出力することにより、ボンネット2の前端部を小さく上方変位させる(ステップS6)。
【0042】
また、上記ステップS4でNOと判定されて被衝突体Mの高さHが第2基準値H2以上であることが確認された場合には、上記ロック解除手段28を作動させる制御信号を出力するとともに(ステップS7)、上記インフレータ7に設けられたガス発生剤を全て発火させる制御信号を上記衝突制御手段30から駆動手段3のインフレータ7に出力することにより、ボンネット2の前端部を大きく上方変位させる(ステップS8)。
【0043】
このようにボンネットヒンジ1によって後端部が車体に支持されたボンネット2を有する車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記エアバック装置からなる駆動手段3によりボンネット2の前端部を上方に変位させるように構成したため、上記被衝突体Mに対するボンネット2の前端部の当接位置を上方に移動させることができる。したがって、ボンネット2の前端部が、図2の仮想線で示すように、立ち木または道路標識等からなる被衝突体Mの下端部近傍に当たってこの被衝突体Mの上端部がフロントガラスF上に落下するという事態の発生を効果的に防止し、所定の弾力性を有するボンネット2上に上記被衝突体Mの上端部を落下させて衝撃荷重を効果的に吸収することができるとともに、上記フロントガラスFの損傷を防止することができる。
【0044】
また、上記エアバック装置からなる駆動手段3に代え、図11に示すように、駆動シリンダまたは駆動ソレノイド等の往復駆動手段3aにより、ボンネット2の前端部を上方に変位させるように構成することもできるが、上記実施形態に示すようにエアバッグ装置によって駆動手段3を構成した場合には、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記エアバック装置の駆動力によりボンネット2の前端部を迅速かつ確実に持ち上げることができるという利点がある。
【0045】
また、上記エアバック装置等からなる駆動手段3の設置位置は必ずしも限定されるものではないが、上記実施形態に示すように、剛性の高い上記サスペンションタワー6の上方に駆動手段3を配設した場合には、特別な補強部材等を設けることなく、上記駆動手段3を安定して支持することができるとともに、この駆動手段3によりボンネット2の前端部を上昇させる方向に確実に駆動することができるという利点がある。
【0046】
また、上記実施形態に示すように、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、ボンネット2の前端部に設けられたロック機構4のロック状態を、上記第1,第2ソレノイド22,23からなるロック解除手段によって解除するように構成した場合には、車両の衝突時に、上記ロック機構4によりボンネット2の上方変位が規制されるのを防止して、上記駆動手段3によりボンネット2の前端部を確実に上方変位させることができる。
【0047】
なお、上記第1,第2ソレノイド22,23からなるロック解除手段に代え、上記ストライカ11をボンネット2に取り付ける取付部材または上記ロック機構4の支持部等に脆弱部を設け、上記駆動手段3の駆動力等に応じて上記脆弱部を破断させることにより、ロック機構4によるボンネット2のロック状態を自動的に解除するように構成してもよい。また、上記ストライカの取付部材等に設けられた脆弱部をソレノイド等からなる駆動手段によって破断することにより、ロック機構4によるボンネット2のロック状態を強制的に解除するように構成してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、ボンネット2の前端部の上方変位時に、ボンネット2の前端部と車体前端部との間を覆うカバー5を設けたため、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、この被衝突体Mがボンネット2の前端部と車体前端部との間に進入するのを上記カバー5によって効果的に防止することができる。
【0049】
特に、上記実施形態では、通常時に支持部材24の後方側に上記カバー5を蛇腹状に折畳んだ状態で配設するとともに、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、ロック用ソレノイド25のロッド26を上記カバー5及び支持部材24の上端部に係合することにより、この支持部材24に設けられた脆弱部24aを破断させて上記カバー5を引き伸ばすように構成したため、通常時における外観を悪化させることなく、衝突時にボンネット2の前端部と車体前端部との間を上記カバー5により確実に覆うことができるという利点がある。
【0050】
また、上記実施形態に示すように、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、ボンネット2の前部を変形させる脆弱部27aを設けた場合には、図8に示すように、上記脆弱部27aを基点にしてボンネット2の前部を変形させることにより、衝突エネルギーを効果的に吸収して被衝突体Mの損傷を軽減することができる。
【0051】
また、上記実施形態では、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、車両の走行速度を検出する車速検出手段31を設け、この車速検出手段31によって検出された車両の走行速度が予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネット2の前端部の上方変位を禁止するように構成したため、上記衝突時に、車両の走行速度が予め設定された基準値よりも小さく、被衝突体MがフロントガラスF側に倒れる可能性が低いにも拘らず、上記駆動手段3が作動してインフレータ7のガス発生剤が消費されるという事態の発生を防止することができる。
【0052】
さらに、上記実施形態では、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、被衝突体Mの高さを検出する高さ検出手段32を設け、この高さ検出手段32によって検出された被衝突体Mの高さが予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネット2の前端部の上方変位を禁止するように構成したため、上記衝突時に、被衝突体Mの高さが予め設定された基準値よりも小さく、被衝突体MがフロントガラスF側に倒れる可能性が低いにも拘らず、上記駆動手段3が作動状態となるという事態の発生を防止することができる。
【0053】
また、上記実施形態に示すように、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記高さ検出手段32によって検出された被衝突体Mの高さに応じ、上記衝突制御手段30によりボンネット2の前端部の上方変位量を変化させるように構成した場合には、上記衝突時に、所定の弾力性を有するボンネット2上に被衝突体Mの上端部を落下させて衝撃荷重を吸収できるように、被衝突体Mに対する上記ボンネット2の前端部の当接位置を適正に制御することができる。なお、上記ボンネット2の前端部の上方変位量は、二段階に限られず、種々の変更可能であり、被衝突体Mの高さに応じてリニアに変化させるように構成してもよい。
【0054】
また、ボンネット2の後端部を支持するボンネットヒンジ1として、図12に示すように、下方側に凹入するように湾曲したいわゆるスワンヒンジタイプのものを使用した場合には、上記ボンネット2の前端部の上方変位に応じてボンネット2の後端部もある程度上方に変位させることができる。このため、上記衝突時にボンネット2と、その下方に位置する車体側部材との間に所定の間隙を形成し、被衝突体Mの上端部が上記ボンネット2上に落下した場合における衝撃吸収作用を効果的に向上させることができる。
【0055】
なお、図13に示すように、ボンネットヒンジ1によって後端部が車体に支持されたボンネット2を有する車両の前部構造において、このボンネット2の前端部下方に、エアバック装置からなる突出部材33を設け、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、ボンネット2の前端部に設けられた開閉蓋34を上記突出部材33により強制的に開放して上記突出部材33の上端部をボンネット2の前端部から上方に突出させるように構成してもよい。このように構成した場合には、車両の前端部が被衝突体Mに衝突した時に、上記突出部材33をボンネット2の前端部から上方に突出させて、この突出部材33によって被衝突体Mを支持することにより、この被衝突体Mの上端部がフロントガラスF側に倒れるのを効果的に防止することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ボンネットヒンジにより後端部が車体に支持されたボンネットを有する車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記ボンネットの前端部を上方に変位させる駆動手段を設けたため、上記被衝突体に対するボンネットの前端部の当接位置を上方に移動させることにより、ボンネットの前端部が、立ち木または道路標識等からなる被衝突体の下端部近傍に当たってこの被衝突体の上端部がフロントガラス上に落下するという事態の発生を効果的に防止し、所定の弾力性を有するボンネット上に上記被衝突体の上端部を落下させて衝撃荷重を効果的に吸収できるとともに、上記フロントガラスの損傷を防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の前部構造の実施形態を示す説明図である。
【図2】ボンネットの閉止状態を示す説明図である。
【図3】ロック機構の具体的構成を示す説明図である。
【図4】ボンネットのロック状態を示す説明図である。
【図5】カバーの格納状態を示す説明図である。
【図6】カバーの展開状態を示す説明図である。
【図7】レインフォースメントの具体的構成を示す斜視図である。
【図8】ボンネットの変形状態を示す説明図である。
【図9】制御部の具体的構成を示すブロック図である。
【図10】衝突時の制御動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の別の実施形態を示す説明図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態を示す説明図である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボンネットヒンジ
2 ボンネット
3 駆動手段
4 ロック機構
5 カバー
6 サスペンションタワー
21,22 ソレノイド(ロック解除手段)
27a 脆弱部
28 衝突検出手段
29 ロック解除手段
30 衝突制御手段
31 車速検出手段
32 高さ検出手段
33 突出部材

Claims (9)

  1. ボンネットヒンジによって後端部が車体に支持されたボンネットを有する車両の前部構造であって、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、上記ボンネットの前端部を上方に変位させる駆動手段を備えたことを特徴とする車両の前部構造。
  2. 請求項1記載の車両の前部構造において、上記駆動手段をエアバッグ装置によって構成したことを特徴とする車両の前部構造。
  3. 請求項1または2記載の車両の前部構造において、上記駆動手段をサスペンションタワーの上方に配設したことを特徴とする車両の前部構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ボンネットの前端部に設けられたロック機構のロック状態を解除するロック解除手段を備えたことを特徴とする車両の前部構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、ボンネットの前端部の上方変位時に、ボンネットの前端部と車体前端部との間を覆うカバーを備えたことを特徴とする車両の前部構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、ボンネットの前部を変形させる脆弱部を設けたことを特徴とする車両の前部構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、車両の走行速度を検出する車速検出手段と、この車速検出手段によって検出された車両の走行速度が予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネットの前端部の上方変位を禁止するように上記駆動手段を制御する衝突制御手段とを備えたことを特徴とする車両の前部構造。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、被衝突体の高さを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段によって検出された被衝突体の高さが予め設定された基準値よりも小さいことが確認された場合に、ボンネットの前端部の上方変位を禁止するように上記駆動手段を制御する衝突制御手段とを備えたことを特徴とする車両の前部構造。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、車両の前端部が被衝突体に衝突した時に、被衝突体の高さを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段によって検出された被衝突体の高さに応じてボンネットの前端部の上方変位量を変化させるように上記制御手段を制御する衝突制御手段とを備えたことを特徴とする車両の前部構造。
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