JP3744138B2 - 床暖房装置及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、床暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、新築時に施工される床暖房装置として、例えば図11に示すように、根太50間にグラスウール等の断熱材51を設け、根太50の上に12mm厚程度の合板を捨て貼り床52として取付け、その後、発熱体を内蔵した床暖房パネル53を木ねじ、接着剤等で捨て貼り床52に固定し、さらに壁56側の段差は床暖房パネル53と同じ厚さの段差調整板54を取付けて、床全体を面一にした後に、木質の耐熱フローリング材55をゴム系或いはエポキシ系の接着剤で全面直貼りを行っていた。なお、壁際の伸縮は、後で幅木57を取付けて吸収するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の床暖房装置にあっては、新築時に取付け施工されるものであり、後付けで壁から壁まで床全面を床暖房にフローリング仕上げするのは、大掛りなリフォーム工事が必要となり敬遠されていた。しかも、従来の床暖房は、フローリング材55に床暖房時の熱膨張や、吸湿乾燥による伸縮による目隙きや突き上げが発生しないように、フローリング材55を接着剤で全面直貼りをするのが普通であり、このような作業は相当な熟練を要するものであり、且つ相当な施工時間を必要とするので、コスト高となっていた。さらに、全面直貼りの場合には、仮りに接着剤のバラツキ等によって接着力がアンバランスになっていると、フローリング材55の伸縮の影響が接着力の弱い部分に集中する傾向があり、そのために従来では目隙き、突き上げ、歪みなどの発生を完全に防止することができなくなり、そのうえ部分的にフローリング材55に傷が付いた場合や、発熱体の故障などの場合には、床全面を張り替えるという大掛りな工事が必要であった。
【0004】
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、床暖房下地材への仕上げ床材の取り付け、取り替えが容易となり、しかも仕上げ床材の取付け位置に自由度を持たせることができ、簡単に且つ短時間で施工できると共に、仕上げ床材の目隙き、突き上げ、歪みなどの発生を完全に防止できるようにした床暖房装置を提供することを課題とし、また、専門的な技術を必要とせず、素人でも床工事が可能な床暖房装置の施工方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、断熱材1の表面に発熱体2と均熱シート3とを順次積層して床暖房下地材4が構成され、この床暖房下地材4の表面に仕上げ床材5が積層された床暖房装置において、床暖房下地材4の均熱シート3の表面に、仕上げ床材5の裏面と対面する領域の略全面に亘って下側の面係合部材6を取着すると共に、仕上げ床材5の水平方向の動きを止めるための面状補強部材8を該表面と略平行な方向に配設し、この面状補強部材8の上面から該下側の面係合部材6を突出し、仕上げ床材5の裏面の周辺領域に該下側の面係合部材6に係合する上側の面係合部材7を取着し、上下の面係合部材6,7を互いに係合させることにより、床暖房下地材4の表面に仕上げ床材5が固定されて成ることを特徴としており、このように構成することで、床暖房下地材4への仕上げ床材5の取り付け、取り替えが容易となり、施工を簡単に且つ短時間で行うことができる。また、下側の面係合部材6は床暖房下地材4の表面略全体に取着されているので、仕上げ床材5を床暖房下地材4のどの位置にも自由に取付けることができ、仕上げ床材5の取付け位置に自由度を持たせることができ、一方、上側の面係合部材7は仕上げ床材5の裏面の周辺領域に取着されているので、下側の面係合部材6との係合力に偏りが発生することがなくなり、仕上げ床材5の目隙き、突き上げ、歪みなどの発生をより完全に防止できると同時に、仕上げ床材5を剥がし易くすることができ、リフォーム工事も簡単に行うことができる。しかも、床暖房下地材4の表面に面状補強部材8を設けたから、床暖房下地材4の下面がフェルトのような弾性材であっても、仕上げ床材5の水平方向の動きを止めることができるようになり、そのうえ面状補強部材8によって断熱材1の厚みを確保して防音性能を高めることができるようになり、施工後の床の歩行感を向上させることができる。
【0007】
上記仕上げ床材5を平面視で四角形状とし、仕上げ床材5の裏面に仕上げ床材5の一辺に沿って複数の凹溝9を互いに平行に形成するのが好ましく、この場合、凹溝9によって仕上げ床材5の伸縮の吸収を確実に行えるようになる。
上記床暖房下地材4に取着される下側の面係合部材6をループ状に形成し、仕上げ床材5に取着される上側の面係合部材7をフック状に形成するのが好ましく、この場合、軟らかいループ状の面係合部材6を床暖房下地材4の表面に大きな面積で取付けることによって、施工時に床暖房下地材4上を歩くときの歩行感がよくなる。
【0008】
また本発明は、断熱材1の表面に発熱体2と均熱シート3とを順次積層して床暖房下地材4を構成し、この床暖房下地材4の表面に仕上げ床材5を積層するようにした床暖房装置の施工方法において、床暖房下地材4の均熱シート3の表面に、仕上げ床材5の裏面と対面する領域の略全面に亘って下側の面係合部材6を取着すると共に、仕上げ床材5の水平方向の動きを止めるための面状補強部材8を該表面と略平行な方向に配設し、この面状補強部材8の上面から該下側の面係合部材6を突出し、仕上げ床材5の裏面の周辺領域に該下側の面係合部材6に係合する上側の面係合部材7を取着し、上下の面係合部材6,7間に施工シート10を介在させた状態で仕上げ床材5上に仕上げ床材5を載置して仕上げ床材5を位置調整した後に、施工シート10を抜き取って上下の面係合部材6,7を互いに係合させることにより、床暖房下地材4の表面に仕上げ床材5を固定するようにしたことを特徴としている。従って、面係合部材6,7を係合させる前に施工シート10を床暖房下地材4と仕上げ床材5との間に挟むことにより、仕上げ床材5を施工シート10上を滑らせながら位置調整して接合精度を高めることができるので、専門的な技術を必要とせず、素人でも床工事が可能となる。しかも、床暖房下地材4の表面に面状補強部材8を設けたから、床暖房下地材4の下面がフェルトのような弾性材であっても、仕上げ床材5の水平方向の動きを止めることができるようになり、そのうえ面状補強部材8によって断熱材1の厚みを確保して防音性能を高めることができるようになり、施工後の床の歩行感を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を説明する。
本実施形態の床暖房装置Aは、図2に示すように、フェルト等の断熱材1の表面に、電熱ヒータ線からなる発熱体2と、均熱シート3と、多数のループ状の面係合部材6を備えた面ファスナー11とが順次積層されて接着された床暖房下地材4と、裏面にフック状の面係合部材7を備えた面ファスナー12が取着された仕上げ床材5とで構成されている。尚、発熱体2は電熱ヒータ線に限られず、例えば温水チューブを均熱シート3の下面側に配設するようにしてもよいものである。
【0010】
ここで、床暖房下地材4の均熱シート3の表面に取着される下側の面係合部材6は、仕上げ床材5の裏面と対面する領域の略全面に亘って配置されている。面係合部材6は多数の軟らかいループ状に形成されている。また、床暖房下地材4の表面には、ガラスクロス等のような薄くて強靱な面状補強部材8(シート層)が積層されている。この面状補強部材8は床暖房下地材4の表面と略平行な方向(水平方向)にシート状に形成されており、面状補強部材8の上面から上記各ループ状の面係合部材6がそれぞれ突出している。面状補強部材8は、仕上げ床材5の水平方向(図1の左右方向)の動きを止める働きをする。尚、面状補強部材8は、後述するスペーサマット13の表面にも同様に取着されている。図2中の10は施工シートである。この施工シート10は、上下の面係合部材6,7の係合前に面係合部材6,7間に介在され、後述の木質フローリング材5aの位置調整後に抜き取られるものであって、木質フローリング材5aよりも一回り大きいサイズに形成されており、木質フローリング材5aとの接合精度を高める働きをする。
【0011】
一方、仕上げ床材5は、図1に示すように、平面視で長方形状に形成された複数の耐熱性の木質フローリング材5aから成る。各木質フローリング材5aの裏面の周辺領域には、図3(c)に示すように、帯状の面ファスナー12が略ロ字状に取着されている。この面ファスナー12には、フック状の硬い突起から成る面係合部材7(図2)が多数突設されている。
【0012】
また、木質フローリング材5aの裏面にはその一辺に沿って複数の凹溝9が形成されている。図3(c)に示す実施形態では、凹溝9は木質フローリング材5aの長辺側の一辺と直交する方向Fに沿って互いに平行に形成されている。これら凹溝9は木質フローリング材5aの膨張、伸縮、ねじれなどの変形を防止する働きをする。
【0013】
また、各木質フローリング材5aの四辺には、凹凸の接合実部16が形成されている。この接合実部16は、図4に示すように、木質フローリング材5aの膨張、伸縮に対して遊びを作り、過剰な伸縮を吸収できるような形状としてある。つまり、木質フローリング材5aの接合時に、雌実15の下側凸部15aが雄実14の下面14aに当たることによって、遊びdを持った状態で接合されており、これにより、施工後において過剰に伸長した場合には、雄実14の下面14aが雌実15の下側凸部15aを下方向に押し下げるようにして木質フローリング材5a同士が接近することで、突き上げ等が生じないものであり、また、過剰に収縮した場合には、雄実14と雌実15との左右の重なりLで縮みを吸収して、既存の床17が見えるのを防止できるようになっている。なお、収縮時に目隙きが目立たないようにするために、雄実14の上面14bには木質フローリング材5aの表面色と同じか類似した色に着色されているのが望ましい。
【0014】
次に、床暖房装置を施工するにあたっては、先ず、フェルト等の断熱材1上に、電熱ヒータ線、均熱シート3、ループ状の面係合部材6を順次積層して接着してシート層状の床暖房下地材4を作製する。その後、図5に示すように、ロール状に巻いた床暖房下地材4を既存の床17の上に広げて敷きつめていく。このとき両面テープ80で床暖房下地材4の下面を既存の床17に接着する。また、床暖房下地材4のない床部分には、電熱ヒータ線、均熱シートのないスペーサマット13を敷設する。このスペーサマット13は床暖房下地材4と同じ厚みに形成されており、床暖房下地材4のない部分にスペーサマット13を敷きつめて施工することにより、壁際までの施工を面一に行うことができるようになっている。このスペーサマット13の表面には、床暖房下地材4の表面と同様、全面に亘ってループ状の面係合部材6(図2)を備えた面ファスナーが取着されている。
【0015】
その後、床暖房下地材4及びスペーサマット13の上に、図6に示すように、多数枚の木質フローリング材5aを順に敷き詰めていく。このとき、図7(a)のように1枚の木質フローリング材5aより一回り大きい薄い施工シート10を床暖房下地材4上に載置し、裏面に上側の面係合部材7が取着されている木質フローリング材5aを施工シート10上に載置し、図7(a)の矢印A,Bで示す方向に木質フローリング材5aを滑らせて、接合実部16による接合が正確に行われるように木質フローリング材5aの位置調整を行う。その後、図2、図7の矢印Cで示す方向に施工シート10を引張って抜き取る。これにより、はじめて上下の面係合部材6,7が互いに係合でき、床暖房下地材4上に木質フローリング材5aを簡単に固定することができる。このような方法で多数の木質フローリング材5aを千鳥状となるように長さ方向にずらした状態で順に施工していく。木質フローリング材5aを千鳥状に配置することで、伸縮による微小な寸法変化を各木質フローリング材5aで均等に吸収して、目隙きや突き上げが目立たないようにすることができると共に、伸縮性等の変形を防止できるようになる。
【0016】
上記のように、仕上げ床材5を、従来の接着剤の全面直貼りではなく、着脱自在な面係合部材6,7を用いて床暖房下地材4上に固定することによって、床暖房下地材4に対する仕上げ床材5の取り付け、取り替えが容易となり、簡単な施工で木質フローリング仕上げが可能となり、また、施工を短時間で行うことができるようになり、従って、新築時に床暖房装置を簡単に施工できるだけでなく、後付けで壁から壁まで床全面をフローリング仕上げする場合においても簡単に施工できる。
【0017】
しかも、仕上げ床材5を構成する多数の木質フローリング材5aを凹凸の接合実部16で接合することによって、木質フローリング材5aの伸縮を凹凸の接合実部16で分散して吸収できるようになる。つまり、従来の接着剤による固着方法にあっては、接着のバラツキによって接着力の弱い部分に仕上げ床材の伸縮が集中したり、或いは床暖房による熱膨張や、吸湿乾燥による仕上げ床材の目隙きや突き上げ現象が発生することがあったが、本発明では、接着剤なしで木質フローリング材5aを施工できると同時に、図4のように木質フローリング材5aの伸縮を凹凸の接合実部16で分散して吸収できるようにしてあるので、木質フローリング材5aの目隙きや突き上げ現象の発生を確実に防止できるようになる。つまり、接合実部16に目地ボンド等の接着剤を入れたりしないので、接合実部16は施工後もある程度の自由度を有することとなり、木質フローリング材5aの寸法伸縮を各接合実部16で分散吸収できるようになる。
【0018】
さらに、仕上げ床材5を平面視で四角形状とし、仕上げ床材5を構成する各木質フローリング材5aの裏面に木質フローリング材5aの一辺に沿って複数の凹溝9を互いに平行に形成してあるので、各凹溝9によって木質フローリング材5aの伸縮の吸収を確実に行うことができ、目隙き、突き上げ、ねじれなどの変形防止を図ることができ、特に木質フローリング材5aが長方形に形成されている場合には、凹溝9を長辺方向と直交する方向に凹溝9を形成することによって、伸縮等の変形防止に一層効果的となる。さらに、図3(d)のようにフック状の面係合部材7を設けた帯状の面ファスナー12を複数の凹溝9の上を横切るように取着してあるので、面ファスナー12により木質フローリング材5aの上下の変形を防止できるようになり、フローリングの取り扱い強度を十分に維持できるようになる。
【0019】
また、木質フローリング材5aの施工時において、ループ状の面係合部材6が床暖房下地材4の表面略全体に取着されているので、木質フローリング材5aを床暖房下地材4のどの位置にも自由に取付けることができ、木質フローリング材5aの取付け位置に自由度を持たせることができる。その一方で、フック状の面係合部材7は木質フローリング材5aの裏面の周辺領域に取着されているので、上側の面係合部材7がバランス良く配置され、下側の面係合部材6との係合力に偏りが発生することがなくなり、木質フローリング材5aの目隙き、突き上げ、歪みなどの発生をより完全に防止できると同時に、木質フローリング材5aの中央部分は床暖房下地材4に固定されていないので、木質フローリング材5aを剥がし易くすることができる。また釘などを使わないので、床暖房下地材4を傷付けたりする心配もなくなる。仮りに、床暖房装置が故障したり、仕上げ床材5に傷付いたりした場合でも、床暖房装置の取り替え、仕上げ床材5の取り替えを簡単に行うことができ、リフォーム時の作業性を大幅に向上させることができる。さらに面係合部材6,7を備えた面ファスナー11,12は再利用が可能であるので、一層の低コスト化を図ることができる。
【0020】
しかも、床暖房下地材4に取着される下側の面係合部材6をループ状に形成したから、軟らかいループ状の面係合部材6を床暖房下地材4の表面に大きな面積で取付けることによって、施工時に床暖房下地材4上を歩くときの歩行感がよく、しかもループ状の面係合部材6はフック状の面係合部材7と比較して潰れ難いので、安心して作業ができるようになる。しかも、床暖房下地材4の表面にガラスクロス等の薄くて強靱な面状補強部材8を設けたから、床暖房下地材4の下面がフェルトのような弾性材であっても、木質フローリング材5aの水平方向の動きを止めることができるようになり、そのうえ面状補強部材8によって断熱材1の厚みを確保して防音性能を高めることができるようになり、断熱材1をフェルトで形成したこととあいまって、防音効果が高まり、施工後の床の歩行感を向上させることができる。
【0021】
また、木質フローリング材5aの位置調整時において、薄い施工シート10を床暖房下地材4と木質フローリング材5aとの間に挟むことにより、木質フローリング材5aを施工シート10上を滑らせながら位置調整して、接合精度を高めることができるので、専門的な技術を必要とせず、素人でも床工事が可能となり、施工時間を短縮化でき、低コスト化を実現できる。さらに、床暖房下地材4が敷かれない場所に、床暖房下地材4と同じ厚みのスペーサマット13を敷設することによって、壁際までの施工を面一に行うことができ、仕上げ床材5を壁から壁まで床全体に敷き詰めることができるようになり、敷き詰め型の床暖房の施工を簡単に行うことができるものである。また、床暖房下地材4のない部分にスペーサマット13を敷きつめることで床全面を木質フローリング材5aで連設することができるようになり、この場合、床の強度は床暖房下地材4ではなく、既存の床17全体で維持されることとなり、従って、床暖房下地材4は既存の床17に両面テープ80で仮固定する程度でよく、既存の床17を傷つけることもなくなる。またスペーサマット13には、電熱ヒータ線や均熱シート3が設けられていないので、現場サイズに合わせて容易にカットでき、部屋の大きさの制約もなく、仕上がりも良好なものとなる。
【0022】
さらに、床暖房下地材4には均熱シート3層が形成されているので、万一、水をこぼした場合でも、既存の床17まで水が達する恐れがなく、防水性を高めることができる。なお、スペーサマット13に均熱シート3を入れるようにすれば、床全体の防水性を容易に高めることができるようになる。また、断熱材1はフェルトで形成されているので、木質フローリング材5aの伸縮を断熱材1によっても吸収でき、伸縮の吸収を維持した状態に保つことができるようになる。また、ループ状の面係合部材6を床暖房下地材4の表面に一体に取付けたことによって、床暖房下地材4を巻いた状態で面係合部材を梱包することができるという利点もある。
【0023】
一方、壁際の始末は、木質フローリング材5aと既存の壁56側の幅木57と間に5〜10mm程度の隙間が形成されるように、木質フローリング材5a等の寸法をカットし、その後、図8(a)又は図8(b)に示す見切り縁20を取付ける。見切り縁20は、木質フローリング材5aの上から貼り付けられている。図8(a)は見切り縁20がPVCの押し出し品からなり、その端部に伸縮自在な略半円状の膨出部21′を取付けた場合を示しており、図8(b)は見切り縁20に弾性を有するつば部21を一体形成した場合を示している。いずれの場合も、伸縮可能なつば部21,21′によって、床暖房による加熱膨張や、湿乾による壁際での突き上げ現象の発生を防止できるようになり、既存の壁56、或いは幅木57との取り合いを精度良く加工する必要がないようにすることができる。また見切り縁20を壁際に別部品として設けることによって、壁際の寸法に合わせて仕上げ床材5の寸法を正確にカットする必要がなくなる。
【0024】
図10は床暖房下地材4の電源供給部25を示している。この電源供給部25は、本体部30と、接続部31の間に折り曲げ可能な幅狭部32が設けられており、幅狭部32に連設されている接続部ケース33を壁際に立てかけて設置することにより、床暖房下地材4への電源供給部25の外観を幅木のような形状に仕上げることができるものである。図中の2は発熱体(電熱ヒータ線)、2aは折り曲げ部である。このように壁際に設けられる幅木の形状とし、ヒータ線を壁際で立ち上がるようにすることで、接続部31を本体部30に設ける必要がなくなり、本体部30を薄くすることが可能となる。従って、防音性や断熱性能を維持しながら、所謂バリアフリー住宅の基準である、床段差15mm以内の薄さを実現できるようになり、床につまずいたり、ドアの開閉に支障ができることも少なくなる。また、電源供給部25を壁際に設けたことによって、木質フローリング材5aを剥がさなくても、床暖房下地材4の電気性能の点検が可能となる。さらに、図9に示すように、接続ケース33に隣接して配線ダクト22を設けるようにすれば、デザイン的にもすっきりさせることができる。図9中の22は配線ダクト、23は電源コード、24はコントローラーである。
【0025】
【実施例】
先ず、ポリエステル繊維よりなる断熱フェルト(目付500g/m2 、厚み5mm)の上面に、7.5mmW/mの発熱能力のヒータ線をピッチ30mm毎に、アルミシート(厚み30μm)の均熱シートに配線し、さらに、ピッチ5mm×5mm(目付500g/m2 )のガラスネットと、ポリエステルをループ状にトリコット網みした面ファスナー(目付50g/m2 )とを順次積層して、各層間にホットメルトフィルムを挟んで、ホットプレスにより一体化して、2畳サイズの床暖房下地材を得る。
【0026】
一方、壁際の段差を吸収するためのスペーサマットは、アルミ箔とヒータ線のない前述の材料(フェルト等)で作製する。
木質フローリング材は、厚み9mm×10cm×90cmを1単位とし、表面には突き板を貼り、裏面には幅1mm×深さ5mmの凹溝を12mm毎に形成する。この木質フローリング材の裏面に、ポリエステルシート(厚み1mm)にフック状の突起を10mm角で20本設けた幅20mmの帯状の面ファスナーを、10cm幅の木質フローリング材の両サイドに、接着剤で90cmの長さで貼着し、さらにタッカーで補強する。
【0027】
木質フローリング材は、縦横とも接合用の実加工が施してあるが、伸縮の大きい長手方向の接合部(短辺)は、特に図4に示すような形状にして、より伸縮を吸収しやすくする。
そして、複数の木質フローリング材を長さ方向に45cmずらして交互に千鳥状にして、床暖房下地材上に敷設する。このとき、シリコン含浸を施した厚み150μmの施工シート(紙)を床暖房下地材上に敷いて、ループ状の面係合部材が設けられた面ファスナーを覆い、その上で木質フローリング材を滑らせて、木質フローリング材の実部を接合調整をしながら位置調整して、施工シートを抜取り、上部から木質フローリング材を加圧して面係合部材を互いに係合させる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、断熱材の表面に発熱体と均熱シートとを順次積層して床暖房下地材が構成され、この床暖房下地材の表面に仕上げ床材が積層された床暖房装置において、床暖房下地材における均熱シートの表面に、仕上げ床材の裏面と対面する領域の略全面に亘って下側の面係合部材を取着すると共に、仕上げ床材の水平方向の動きを止めるための面状補強部材を該表面と略平行な方向に配設し、この面状補強部材の上面から該下側の面係合部材を突出し、仕上げ床材の裏面の周辺領域に該下側の面係合部材に係合する上側の面係合部材を取着し、上下の面係合部材を互いに係合させることにより、床暖房下地材の表面に仕上げ床材が固定されて成るから、従来の接着剤の全面直貼りではなく、着脱自在な面係合部材を用いることによって、床暖房下地材への仕上げ床材の取り付け、取り替えが容易となり、簡単に且つ短時間で施工することができる。従って、新築時に床暖房装置を簡単に施工できるだけでなく、後付けで壁から壁まで床全面をフローリング仕上げする場合においても簡単に施工できる。しかも下側の面係合部材は床暖房下地材の表面略全体に取着されているので、仕上げ床材を床暖房下地材のどの位置にも自由に取付けることができ、仕上げ床材の取付け位置に自由度を持たせることができる。一方、上側の面係合部材は仕上げ床材の裏面の周辺領域に取着されているので、下側の面係合部材との係合力に偏りが発生することがなくなり、仕上げ床材の目隙き、突き上げ、歪みなどの発生をより完全に防止できると同時に、仕上げ床材の中央部分は床暖房下地材に固定されていないので、仕上げ床材を剥がし易くすることができる。また釘などを使わないので、床暖房下地材を傷付けたりする心配もなくなる。また仮りに、床暖房装置が故障したり、仕上げ床材に傷付いたりした場合でも、床暖房装置の取り替え、仕上げ床材の取り替えを簡単に行うことができ、リフォーム時の作業性を大幅に向上させることができる。さらに面係合部材は再利用ができるので、一層の低コスト化を図ることができるものである。また、床暖房下地材の表面側を面状補強部材で補強することができ、仮りに床暖房下地材の下面側がフェルトのような断熱材であっても、仕上げ床材の水平方向の動きを止めることができ、歩行時などに仕上げ床材が横方向に動く恐れをなくすことができ、床の歩行感を向上させることができる。
【0030】
また請求項2記載の発明は、請求項1において、仕上げ床材を平面視で四角形状とし、仕上げ床材の裏面に仕上げ床材の一辺に沿って複数の凹溝を互いに平行に形成したから、請求項1記載の効果に加えて、凹溝によって仕上げ床材の伸縮の吸収を確実に行うことができ、目隙き、突き上げ、ねじれなどの変形防止を図ることができる。
【0031】
また請求項3記載の発明は、請求項1において、床暖房下地材に取着される下側の面係合部材をループ状に形成し、仕上げ床材に取着される上側の面係合部材をフック状に形成したから、請求項1記載の効果に加えて、軟らかいループ状の面係合部材を床暖房下地材の表面に大きな面積で取付けることによって、施工時に床暖房下地材上を歩くときの歩行感がよく、しかもループ状の面係合部材はフック状の面係合部材と比較して潰れ難いので、安心して作業ができる。
【0032】
さらに、請求項4記載の発明は、断熱材の表面に発熱体と均熱シートとを順次積層して床暖房下地材を構成し、この床暖房下地材の表面に仕上げ床材を積層するようにした床暖房装置の施工方法において、床暖房下地材の表面に、仕上げ床材の裏面と対面する領域の略全面に亘って下側の面係合部材を取着すると共に、仕上げ床材の水平方向の動きを止めるための面状補強部材を該表面と略平行な方向に配設し、この面状補強部材の上面から該下側の面係合部材を突出し、仕上げ床材の裏面の周辺領域に該下側の面係合部材に係合する上側の面係合部材を取着し、上下の面係合部材間に施工シートを介在させた状態で仕上げ床材上に仕上げ床材を載置して仕上げ床材を位置調整した後に、施工シートを抜き取って上下の面係合部材を互いに係合させることにより、床暖房下地材の表面に仕上げ床材を固定するようにしたから、上下の面係合部材を係合させる前に施工シートを床暖房下地材と仕上げ床材との間に挟むことにより、仕上げ床材を施工シート上を滑らせながら位置調整して接合精度を高めることができるので、専門的な技術を必要とせず、熟練者でなくても床工事が可能となり、施工時間の短縮化及び低コスト化を実現できる。また、床暖房下地材の表面側を面状補強部材で補強することができ、仮りに床暖房下地材の下面側がフェルトのような断熱材であっても、仕上げ床材の水平方向の動きを止めることができ、歩行時などに仕上げ床材が横方向に動く恐れをなくすことができ、床の歩行感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】同上の床暖房装置の分解側面図である。
【図3】(a)は同上の仕上げ床材の平面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は断面図である。
【図4】同上の仕上げ床材の接合実部の説明図である。
【図5】同上の床暖房下地材の施工時の説明図である。
【図6】同上の仕上げ床材の施工時の説明図である。
【図7】(a)(b)は同上の施工シートを用いた仕上げ床材の施工時の説明図である。
【図8】(a)(b)は同上の見切り縁の説明図である。
【図9】同上の床暖房装置の一部破断斜視図である。
【図10】(a)(b)は同上の床暖房下地材の接続部の説明図である。
【図11】従来の床暖房装置の説明図である。
【符号の説明】
1 断熱材
2 発熱体
3 均熱シート
4 床暖房下地材
5 仕上げ床材
6 下側の面係合部材
7 上側の面係合部材
8 面状補強部材
9 凹溝
10 施工シート
Claims (4)
- 断熱材の表面に発熱体と均熱シートとを順次積層して床暖房下地材が構成され、この床暖房下地材の表面に仕上げ床材が積層された床暖房装置において、床暖房下地材の均熱シートの表面に、仕上げ床材の裏面と対面する領域の略全面に亘って下側の面係合部材を取着すると共に、仕上げ床材の水平方向の動きを止めるための面状補強部材を該表面と略平行な方向に配設し、この面状補強部材の上面から該下側の面係合部材を突出し、仕上げ床材の裏面の周辺領域に該下側の面係合部材に係合する上側の面係合部材を取着し、上下の面係合部材を互いに係合させることにより、床暖房下地材の表面に仕上げ床材が固定されて成ることを特徴とする床暖房装置。
- 仕上げ床材を平面視で四角形状とし、仕上げ床材の裏面に仕上げ床材の一辺に沿って複数の凹溝を互いに平行に形成したことを特徴とする請求項1記載の床暖房装置。
- 床暖房下地材に取着される下側の面係合部材をループ状に形成し、仕上げ床材に取着される上側の面係合部材をフック状に形成したことを特徴とする請求項1記載の床暖房装置。
- 断熱材の表面に発熱体と均熱シートとを順次積層して床暖房下地材を構成し、この床暖房下地材の表面に仕上げ床材を積層するようにした床暖房装置の施工方法において、床暖房下地材の均熱シートの表面に、仕上げ床材の裏面と対面する領域の略全面に亘って下側の面係合部材を取着すると共に、仕上げ床材の水平方向の動きを止めるための面状補強部材を該表面と略平行な方向に配設し、この面状補強部材の上面から該下側の面係合部材を突出し、仕上げ床材の裏面の周辺領域に該下側の面係合部材に係合する上側の面係合部材を取着し、上下の面係合部材間に施工シートを介在させた状態で仕上げ床材上に仕上げ床材を載置して仕上げ床材を位置調整した後に、施工シートを抜き取って上下の面係合部材を互いに係合させることにより、床暖房下地材の表面に仕上げ床材を固定するようにしたことを特徴とする床暖房装置の施工方法。
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