JP5137599B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物の空調システムに係り、二重床の床下空間を冷暖房と換気の給気経路として利用しながら、1台の空調機で全居室を個別に温度制御することができ、冬期には床暖房効果を有するものに関する。
二重床の床下空間を冷暖房や換気等の給気経路とした床吹出し空調システムにおける各居室への給気方式は、各居室の二重床に開口を設けて、この開口に、居室への給気開口となるグリル等を嵌め込むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この応用として、巾木に空気流通用の開口を設けて二重床と居室を連通させる方式も見られる。また、当該開口のグリルの通風面積を手動調節する機構を設けて、各居室への給気量を変更可能とする方式も見られる。さらに、当該開口に自動開閉ダンパーを設け、それと一対でルームサーモリモコンを設け、ルームサーモリモコンにおける検出温度と設定温度との偏差の正負に応じて当該自動開閉ダンパーを二位置で自動に開閉制御する方式も見られる。
なお、床下空間を冷暖房や換気の給気経路とし、自動に開閉制御する機構を有する床吹出し口を組み合わせて構築される空調システムは実用に供されていない。
特開2003−213901号公報
ところで、特許文献1に記載の床に開口を設ける方式では、各居室への空調給気量が床下空間と居室との差圧に基づいて成り行きで決定されるため、複数の居室別で設定温度を制御したり、居室別に空調を発停したりすることが難しく、また、住戸内の南北の居室間に室温差が発生し、快適に空調できない場合がある。
一方、グリルの通風面積を手動調節する機構を設ける方式によると開口面積を調整できるため、居住者により各居室の気温調節ができるが、手動によるため調節が容易でなく、また手間を要する場合がある。
また、ルームサーモリモコンにおける検出温度と設定温度との偏差の正負に応じて自動開閉ダンパーを二位置で自動に開閉制御する方式によると、複数の居室別に室温設定ができ、また居室別に空調発停の制御が可能である。しかしながら、暖房運転時に、ルームサーモリモコンでの検出温度が設定温度に近づいて室内が暖かくなると、自動開閉ダンパーは閉状態となり、ルームサーモリモコンでの検出温度が設定温度よりも低くなって室内が寒くなると、自動開閉ダンパーは開状態となるが、このように自動開閉ダンパーの開/閉が繰り返されると、床下空間への平均的な給気温度を高めることができなくなる場合があり、これに起因して二重床の温度を高めることができない現象が発生し、床暖房効果が低減するという問題がある。
本発明の課題は、上記事情に鑑みてなされたものであり、全居室を個別に温度制御することができ、冬期には床暖房効果を有する空調システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図6,図8に示すように、建物1内の各居室10,11,12,13の下部に形成された二重床2の床下空間が給気経路2aとされており、空調ユニット3によって空調された空気が、前記給気経路2aを通って、前記各居室10,11,12,13の床にそれぞれ設けられた床吹出しユニット4の吹出し口41から室内に吹出され、これら各居室10,11,12,13から前記空調ユニット3に環気する空調システムであって、
前記各居室10,11,12,13の床吹出しユニット4に取り付けられるとともに、これら床吹出しユニット4の吹出し口41を開閉する開閉ダンパー50および24時間換気の給気用の換気開口52とで構成するダンパーユニット5と、
前記各居室10,11,12,13にそれぞれ設けられるとともに、これら各居室10,11,12,13の室内温度を検出し、この検出した室内温度と設定温度との偏差に基づいて、前記開閉ダンパー50の開度を、全開から全閉までの間で多段階に開閉制御することによって給気風量を多段階に調節するための温度調節器6とを備えており、
前記各居室10,11,12,13の床には、これら各居室10,11,12,13の端部であって外壁(例えば壁10a等)や窓の近傍に、これら外壁や窓の幅方向に沿って直線状かつ長尺な開口部2bが形成されており、
前記床吹出しユニット4は、前記開口部2bから前記給気経路2a内に落とし込まれるようにして前記各居室10,11,12,13の床に設置されるとともに、前記開口部2bの長さに相当する長さであって直線状に、かつ上部が開放した箱状に形成されて、前記給気経路2aと前記各居室10,11,12,13との間における該給気経路2aから延長された補助給気経路として機能するピット40と、
このピット40の壁面のうち、このピット40の長手側かつ建物1中央側の壁面40bに、前記ダンパーユニット5が取り付けられて形成される前記吹出し口41と、
前記ピット40の上部開放部を覆うようにして設けられるとともに、上面が前記各居室10,11,12,13の床と連続する高さとなる蓋部材43とを備えており、
前記ピット40の長手寸法は、前記ダンパーユニット5が前記壁面40bに取り付けられた状態で、少なくとも当該壁面40bの長手方向に、前記ダンパーユニット5自体の他に、前記ダンパーユニット5の幅寸法と同程度以上のスペースが残る程度の寸法に設定されており、
前記蓋部材43は、前記ピット40内と前記各居室10,11,12,13とを連通する給気口44aを有するグリル44と、前記ピット40の上部開放部を塞ぐカバープレート45とを有していることを特徴とする。
ここで、例えば、前記各居室10,11,12,13の床に給気口44a等を設けることによって、前記吹出し口41から吹出される空気を、前記各居室10,11,12,13内に、確実に給気できるようになっている。
一方、前記開閉ダンパー50は、例えば、この開閉ダンパー50を開閉させる動力となるモーターと、このモーターの駆動を制御するモーター駆動制御機器等によって開閉するようになっている。
請求項1に記載の発明によれば、前記温度調節器によって、前記開閉ダンパーの開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御するので、前記空調ユニットにおける冷暖房は、この空調ユニットのメインスイッチを操作することによって発停・制御されるだけでなく、前記温度調節器によって検出した室内温度と設定温度との偏差に基づく前記開閉ダンパーの作動状況によって発停・制御できることとなる。また、前記開閉ダンパー閉鎖時においても前記換気開口から各居室へ給気がなされる。
これによって、建物内の各居室に、前記床吹出しユニットおよびダンパーユニットと、前記温度調節器とを設けることによって、1台の空調ユニットによって全居室を個別に、任意の温度に設定し、任意に空調できる、すなわち、多室制御を行うことができる。特に、前記温度調節器によって、前記開閉ダンパーの開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御できるので、従来に比して、より綿密な温度管理が可能となる。
しかも、従来のように前記開閉ダンパーを、開/閉二位置制御を行うと、前記開閉ダンパーの閉時に床下空間へ暖房給気がなされない時間帯があったのに対して、このように前記開閉ダンパーの開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御することによって、少風量であっても暖房空気が継続的に給気される作用が生まれ、床下空間の気温を高く維持することが可能となった。これによって、暖房対象となる居室の床表面温度を高く維持することが可能となるため、高い床暖房効果が得られる快適な居住環境を形成できる空調システムとなる。また、このような床暖房効果は、全居室にて任意に得ることができるようになる。さらには、この床暖房効果についても居室別に制御できる効果が生まれる。また、前記ダンパーユニットに換気開口を備えたことで、全居室で、もしくは居室別に冷暖房が停止され、前記開閉ダンパーが閉鎖した折にも、所定量の給気を常時床下空間から各居室へ供給できるので、24時間換気システムとの連接が可能となる。
また、前記給気経路内に落とし込まれるようにして前記各居室の床に設置されたピットの壁面に、前記吹出し口が形成されているので、前記ピット自体が、前記給気経路から延長された補助給気経路として機能することとなる。したがって、前記グリルとカバープレートを任意に位置交換しても、前記開閉ダンパーで調節された所要風量の空調給気が、前記ピット内およびグリルを通じて前記各居室へと給気される作用がある。これによって、前記各居室内の家具のレイアウト変更等の要望に応じて、前記グリルおよびカバープレートの配置変更を可能としながら、前記開閉ダンパーおよび温度調節器による各居室の快適な空調効果を維持することができる。
また、前記ダンパーユニットが、前記ピットの建物中央側の壁面に取り付けられているので、これら吹出し口および開閉ダンパーが、前記給気経路に面することとなる。これによって、前記吹出し口および開閉ダンパーが前記ピットの建物中央側とは反対側の壁面に設けられる場合に比して、前記給気経路内を通る空気を、前記ピット内に取り入れやすくなり、空調された空気を効果的に各居室内に給気することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図3,図4に示すように、請求項1に記載の空調システムにおいて、
前記蓋部材43は、前記ピット40の長手方向に沿って複数並んで配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、例えば図3〜図6に示すように、請求項1または2に記載の空調システムにおいて、
前記ダンパーユニット5は、前記ピット40の底面40aよりも高い位置に取り付けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、各居室の床からピットに落ちる液体や粉塵・くずは、まず、ピットの底面に落ちることになるので、前記ダンパーユニットが、前記ピットの底面よりも高い位置に取り付けられていることで、前記二重床の床下空間へ液体や粉塵・くずが侵入しにくい構造となるとともに、前記ダンパーユニットへ液体が達することを防止することができ、床下空間の汚染防止と機器の耐久性向上が図れる作用がある。
また、液体、粉塵・くず等は床下空間ではなく、前記ピットの底面に堆積する構造になり、居住者による清掃が容易になる。
本発明によれば、建物内の各居室に、床吹出しユニットおよびダンパーユニットと、温度調節器とを設けることによって、1台の空調ユニットによって全居室を個別に、任意の温度に設定し、任意に空調できる、すなわち、多室制御を行うことができる。特に、温度調節器によって、開閉ダンパーの開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御できるので、従来に比して、より綿密な温度管理が可能となる。
しかも、従来のように前記開閉ダンパーを、開/閉二位置制御を行うと、開閉ダンパーの閉時に床下空間へ暖房給気がなされない時間帯があったのに対して、このように開閉ダンパーの開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御することによって、少風量であっても暖房空気が継続的に給気される作用が生まれ、床下空間の気温を高く維持することが可能となった。これによって、暖房対象となる居室の床表面温度を高く維持することが可能となるため、高い床暖房効果が得られる快適な居住環境を形成できる空調システムとなる。また、このような床暖房効果は、全居室にて任意に得ることができるようになる。さらには、この床暖房効果についても居室別に制御できる効果が生まれる。
また、前記ダンパーユニットに換気開口を備えたことで、全居室で、もしくは居室別に冷暖房が停止され、前記開閉ダンパーが閉鎖した折にも、所定量の給気を常時床下空間から各居室へ供給できるので、24時間換気システムとの連接が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態における空調システムは、図1および図2に示すように、建物1内の各居室10,11,12,13の下部に形成された二重床2の床下空間が給気経路2aとされており、空調ユニット3によって空調された空気が、前記給気経路2aを通って、前記各居室10,11,12,13の床にそれぞれ設けられた床吹出しユニット4の吹出し口41から室内に吹出され、これら各居室10,11,12,13から前記空調ユニット3に環気するものであり、
前記各居室10,11,12,13の床吹出しユニット4に取り付けられるとともに、これら床吹出しユニット4の吹出し口41を開閉する開閉ダンパー50および24時間換気の給気用の換気開口52とで構成し、前記吹出し口41を開閉する機能とダンパー閉鎖時にも居室10,11,12,13への給気を行う機能を有したダンパーユニット5と、
前記各居室10,11,12,13にそれぞれ設けられるとともに、これら各居室10,11,12,13の室内温度を検出し、この検出した室内温度と設定温度との偏差に基づいて、前記開閉ダンパー50の開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御する温度調節器6とを備えている。
ここで、本実施の形態の建物1は、例えば鉄筋コンクリート造りのマンション等の建物の住戸とされており、この住戸に、本実施の形態の空調システムが適用されている。
この住戸内の各居室10,11,12,13の下部には二重床2が形成されており、この二重床2は、コンクリートスラブ等の床下地20と、この床下地20上に等間隔に並設される複数の支持脚21と、これら複数の支持脚21上に敷設される床材22とを備えている。
そして、このような二重床2の床下空間である前記床下地21と床材22との間が、仕切りの無い前記給気経路2aとされている。
なお、住戸内の各居室10,11,12,13の下部に二重床2が形成されているとしたが、これら各居室10,11,12,13同士を連絡する廊下14や、これら各居室10,11,12,13や廊下14等に隣接して配置される水回り室15の下部にも二重床2が形成されていることは言うまでもない。すなわち、住戸の床の略全体は、二重床構造となっている。
一方、前記空調ユニット3は、図1および図2に示すように、例えばヒートポンプ方式等によって冷暖房を行うエアコン設備30と、換気を行う換気設備35とからなる。これらエアコン設備30および換気設備35は、主リモコン3bおよび子リモコン3cに接続されて、スイッチのON・OFF等の各種操作を行うことができるようになっている。
前記エアコン設備30は、室内機31、室外機32、給気ダクト33、吸込グリル34を備えている。
前記室内機31は、例えば天井裏16内に設けられるとともに、熱交換器31aとファン31bとを備えており、室外機32との協働によって、熱交換器31aを介して空気を加温または冷却するものである。また、加温または冷却された空気はファン31bによって、前記給気ダクト33に排出されるようになっている。
前記給気ダクト33は、図1に示すように、例えば前記廊下14の壁14a内に設けられるとともに、先端部が前記給気経路2a内に連通しており、前記室内機から排出された空調された空気を前記給気経路2aに送り込むことが可能となっている。
前記吸込グリル34は、図2に示すように、前記天井裏16に設けられており、環気口34aを備えるとともに、前記室内機31に連通しており、住戸内の各居室10,11,12,13や廊下14、水回り室15等の空気が前記室内機31へと環気される際の空気の経路となっている。
また、この吸込グリル34の環気口34aには、図示はしないが、空気から埃や塵等を取り除くフィルターが設けられている。
前記換気設備35は、給気ファン36、外気フィルター37、排気ファン38を備えている。
前記給気ファン36は、図2に示すように、前記天井裏16に設けられており、この給気ファン36の回転によって、屋外からの空気を取り込むことができる。また、この給気ファン36は、前記吸込グリル34に連通しており、給気ファン36によって取り込まれた外気を、前記吸込グリル34の環気口34aを通過させてから、前記室内機31に送り込むことができるようになっている。
前記外気フィルター37は、前記給気ファン36に連通しており、この給気ファン36に取り込まれる外気から埃や塵等を取り除くことが可能となっている。
なお、この外気フィルター37と、前記吸込グリル34、給気ファン36は、屋外と前記室内機31とを連通する給気管3aによって連通されている。すなわち、前記室内機31、吸込グリル34、給気ファン36、外気フィルター37は、この給気管3aによって連通し、かつ前記天井裏16にて連続的に配置されていることとなる。
前記排気ファン38は、図1および図2に示すように、例えば前記水回り室15の上部に位置する天井裏16に設けられている。
この排気ファン38は、住戸内の各居室10,11,12,13や廊下14、水回り室15等の空気を屋外に排出するためのものである。
一方、前記床吹出しユニット4は、ピット40、吹出し口41、枠42、蓋部材43を備えている。なお、この床吹出しユニット4は、前記各居室10,11,12,13内の床にそれぞれ設けられており、例えば建物1の外壁や窓の近傍に配置されている。
前記ピット40は、図3および図4に示すように、前記給気経路2a内に落とし込まれるようにして前記各居室10,11,12,13の床に設置されるとともに、上部が開放して形成された箱状のものである。
また、このピット40の上端部周囲には、外側に向かって突出するフランジ40cが形成されている。すなわち、前記各居室10,11,12,13の二重床2の床材22には、このピット40が落とし込まれる開口部2bが形成されており、この開口部2bには、この開口部2bの周縁に沿って、前記枠42が取付固定されており、この枠42の内周面には、内側に向かって突出する第1の突条部42aが形成されている。そして、前記ピット40が前記開口部2bに落とし込まれるようにして設置される際は、前記突条部42aの上面に、前記ピット40のフランジ40cが載せられ、前記突条部42aによって前記ピット40を支持できるようになっている。
なお、本実施の形態のピット40は樹脂製や金属製のものとするが、図6に示すように、木製のものでもよく、前記二重床2との収まりには様々に応用が考えられる。例えば木製のものであれば、このピット40の周囲の二重床2の床材22等と結合しやすいので、設置状態に優れる。
また、前記吹出し口41は、このピット40の壁面に形成されており、この吹出し口41を介して前記給気経路2aとピット40内とが連通している。つまり、前記ピット40自体が、前記給気経路2aから延長された補助給気経路として機能することとなる。
なお、この吹出し口41に対応する位置に、前記ダンパーユニット5が取り付けられることとなる。
前記蓋部材43は、前記ピット40の上部開放部を覆うようにして設けられるとともに、上面が前記各居室10,11,12,13の床と連続する高さとなるものである。なお、前記枠42の内周面には、前記第1の突条部42aよりも上方に位置するとともに、内側に向かって突出する第2の突条部42bが形成されており、前記蓋部材43が前記ピット40の上部開放部を覆うようにして設けられる際は、この蓋部材43の周縁部を、前記第2の突条部42bに載せるようにして設けられている。
また、この蓋部材43は、図3(a),(b)に示すように、前記ピット40内と居室10,11,12,13とを連通する給気口44aを有するグリル44と、前記ピット40の上部開放部を塞ぐカバープレート45とを有している。
したがって、前記グリル44とカバープレート45を任意に位置交換しても、前記開閉ダンパー5で調節された所要風量の空調給気が、前記ピット40内およびグリル44を通じて前記各居室10,11,12,13へと給気される作用がある。これによって、前記各居室10,11,12,13内の家具のレイアウト変更等の要望に応じて、前記グリル44およびカバープレート45の配置変更を可能としながら、前記開閉ダンパー5および温度調節器6による各居室の快適な空調効果を確保することができる。
なお、本実施の形態においては、2枚の前記カバープレート45間に1枚の前記グリル44を配置しているが、並びや枚数は、これに限られるものではない。
また、図3(a)に示すグリル44の給気口44aは、このグリル44の幅方向に沿って並列するスリットであり、図3(b)に示すグリル44の給気口44aは、グリル44の幅方向に沿う孔と、幅方向に直交する方向に沿う孔とを交互に連続させた構造となっている。
一方、前記ダンパーユニット5は、図3〜図6に示すように、前記吹出し口41を開閉する開閉ダンパー50と、この開閉ダンパー50を開閉させる動力となるモーター(図示せず)と、前記モーターの駆動を制御するモーター駆動制御機器(図示せず)と、換気開口52とを備えている。つまり、このモーター駆動制御機器は、前記モーターを駆動させる際に、前記温度調節機6からの制御信号を受けるとともに、この制御信号に応じた動作をとるように前記モーターを制御できるようになっている。
なお、前記モーターおよびモーター駆動制御機器は、前記開閉ダンパー50と隣接して設けられるモーターボックス51に内蔵されている。
なお、前記換気開口52は、前記給気経路2aから前記ピット40内にかけて貫通するものであり、図5に示すように、ダンパーユニット5の長さ方向に沿って前記開閉ダンパー50と隣り合って設けられている。
ここで、このダンパーユニット5は、図3、図4および図6に示すように、前記ピット40の底面40aよりも高い位置に取り付けられている。
つまり、各居室10,11,12,13の床から前記ピット40に落ちる液体や粉塵・くずは、まず、前記ピット40の底面40aに落ちることになるので、前記ダンパーユニット5が、前記ピット40の底面40aよりも高い位置に取り付けられていることで、前記二重床2の床下空間へ液体や粉塵・くずが侵入しにくい構造となるとともに、前記ダンパーユニット5へ液体が達することを防止することができ、床下空間の汚染防止と機器の耐久性向上が図れる作用がある。
また、液体、粉塵・くず等は床下空間ではなく、前記ピット40の底面40aに堆積する構造になり、居住者による清掃が容易になる。
なお、図示はしないが、前記吹出し口41の上端部に、この吹出し口41の長さ方向に沿って水切り部材を設けることが好ましい。この水切り部材は、前記吹出し口41の上端部から前記ピット40内に向かって斜め下方に突出する庇状のものであり、その突出寸法は、前記吹出し口41からの給気を妨げない程度とする。このような水切り部材を設けることによって、前記各居室10,11,12,13の床面から前記ピット40内に流れてくる液体が前記水切り部材の上面を流れて、前記ピット40の底面40aに直接落ちるようになるので、前記開閉ダンパー5へ液体が達することを、より確実に防止することが可能となる。
また、前記ダンパーユニット5は、図3〜図6に示すように、前記ピット40の建物1中央側の壁面40bに取り付けられている。
すなわち、前記ダンパーユニット5が、前記ピット40の建物中央側の壁面40bに取り付けられているので、これによって、これら吹出し口41およびダンパーユニット5が、前記給気経路2aに面することとなる。これによって、前記吹出し口41およびダンパーユニット5が前記ピット40の建物中央側とは反対側の壁面に設けられる場合に比して、前記給気経路2a内を通る空気を、前記ピット40内に取り入れやすくなり、空調された空気を効果的に各居室10,11,12,13内に給気することができる。
なお、空調システムの稼働中において、前記ダンパーユニット5は、前記温度調節器6で検出した室内温度と設定温度の偏差比較に基づく演算結果により開閉制御されるものである。
一方、前記温度調節器6は、前記各居室10,11,12,13の室内温度を検出する温度センサー(図示せず)と、設定温度を選択するための温度設定部(図示せず)と、検出した室内温度と設定温度との偏差に基づいて前記開閉ダンパー5の開度を制御する開度制御機器(図示せず)とを備えている。なお、本実施の形態の温度調節器6は、メインリモコン6aに接続されて、スイッチのON・OFF等の各種操作を行うことができるようになっている。
そして、前記開度制御機器から発せられる制御信号は、前記ダンパーユニット5のモーター制御機器に送られるようになっている。当該演算や制御信号出力は、空調ユニット3でなされることもある。
また、上述のように、この温度調節器6によって、前記ダンパーユニット5内の開閉ダンパー50の開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御するので前記空調ユニット3における冷暖房は、この空調ユニット3のメインスイッチを操作することによって発停・制御されるだけでなく、前記温度調節器6によって検出した室内温度と設定温度との偏差に基づき制御される前記ダンパーユニット5の作動状況によって発停・制御される。
なお、本実施の形態の温度調節器6は、市販される気温センサーを前記温度センサーとして内包した壁付け型の温度調節器6としてもよい。また、前記吹出し口41に前記温度センサーとして放射温度センサーを取り付けて、居室の天井表面温度を検知する温度調整器6としてもよく、後者は建築・設備工事の手間を大きく低減できるメリットを有する。
次に、上記構成の空調システムの作動・制御について説明する。
なお、図1および図2において矢印は空気の流れを示している。また、この空調システムを構成する空調ユニット3やダンパーユニット5、温度調節器6等は全て稼動しているものとする。
前記室内機31と前記室外機32との協働によって、熱交換器31aを介して空気を加温または冷却し、加温または冷却された空気を前記ファン31bによって、前記給気ダクト33に排出する。
また、屋外から取り込まれる外気は、前記給気ファン36によって取り込まれ、前記給気管3a内を通って前記室内機31へと送られる。この時、屋外から取り込まれた空気を、前記外気フィルター37を通過させて埃等を取り除いた後、前記吸込グリル34で環気と混合される。
そして、前記給気ダクト33に排出された空調された空気は、前記二重床2の床下空間の給気経路2aに排出され、この排出された空気が、前記給気経路2a内を通過して、前記各居室10,11,12,13の床に設けられた床吹出しユニット4に送られる。
一方、前記各居室10,11,12,13では、それぞれ前記温度調節器6の温度設定部を操作して設定温度を選択する。この時、前記温度調節器6の温度センサーによって前記各居室10,11,12,13の室内温度を検出し、この検出した室内温度と設定温度との偏差に基づいて前記開度制御機器によって前記ダンパーユニット5の開度を制御する。
前記ダンパーユニット5の開度を制御する際は、前記開度制御機器から前記ダンパーユニット5のモーター駆動制御機器へと制御信号が送られ、この制御信号を受けたモーター駆動制御機器によって、この制御信号に応じた動作をとるようにして前記モーターを駆動させて、このモーターによって前記開閉ダンパー50を開閉させる。
なお、前記ダンパーユニット5の開度とは、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御される。ここで言う多段階とは、少なくとも全開、半開、全閉の3段階以上であり、例えば開度0%(全閉)から開度100%(全開)までを、1%や5%、10%ずつ等に段階分けするなど、段階数は限定されない。
そして、このように前記開閉ダンパー5の開度を制御することによって、前記各居室10,11,12,13内に、所定の風量の空調された空気が、前記二重床2の床下空間の給気経路2aから、前記床吹出しユニット4を通過して給気されることとなる。したがって、各居室10,11,12,13を個別に、任意の温度に設定し、任意に空調できることとなる。また、前記ダンパーユニット5の開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御できるので、綿密な温度管理が可能となる。
また、このように空調された空気が前記給気経路2aを通過して各居室10,11,12,13内に継続的に給気されることで、例えば冬期であれば暖かい空気によって、前記二重床2の床下空間を暖めることができる。つまり、暖房対象となる各居室10,11,12,13の床表面温度を高く維持し、高い床暖房効果が得られる。
なお、図8は、このような床暖房効果を表すグラフであり、前記ダンパーユニット5を開閉制御して、床吹出し風量を変風量方式とした本実施の形態の空調システムと、開閉ダンパーを開/閉の二位置制御とした従来方式の空調システムとを実際の集合住宅において暖房運転した際の、室温、床(フローリング)表面温度、床吹出し給気温の実測結果である。図8(a)が、本実施の形態の空調システムであり、図8(b)が、従来方式の空調システムである。
この図によると、従来方式での床表面温度と室温とはほぼ合致して推移するのに対して、本実施の形態の空調システム方式では床表面温度が室温より2℃程度高く推移し、足元から暖かく床暖房効果のある快適な居室環境を形成できている。
なお、図8(a),(b)中の実線は居室気温を示しており、破線は居室床表面温度を示しており、一点鎖線は吹出し口から居室へと吹出される空気の温度を示している。
一方、各居室10,11,12,13内に給気された空気は、例えば扉の下端部の隙間や欄間等を通じて室外から廊下等へ排出され、前記天井裏16に設けられた吸込グリル34および排気ファン38に取り込まれることとなる。
前記吸込グリル34に取り込まれた空気は、この吸込グリル34のフィルターによって埃や塵等が取り除かれるとともに、屋外から取り込まれた空気と混ざり合い、前記室内機31へと環気されることとなる。また、前記排気ファン38に取り込まれた空気は、屋外へと排出される。
以上のようにして、本実施の形態の空調システムは、1台の空調ユニット3で全居室10,11,12,13を個別に温度制御することができ、冬期には床暖房効果を有することとなる。
次に、図面を参照して、本実施の形態の空調システムを構成する給気経路となる二重床2の構造について、図6,図7にて、より詳細に説明する。
本実施の形態の二重床2は、上述のようにコンクリートスラブ等の床下地20と、この床下地20上に等間隔に並設される複数の支持脚21と、これら複数の支持脚21上に敷設される床材22とを備えており、床下空間は、前記給気経路2aとされている。
そして、前記複数の支持脚21は、前記床材22を支持する支持脚本体21aを備えており、前記支持脚本体21aの下端部には、下階への遮音のためと、この支持脚本体21aの立設状態を向上させるために円錐台状または角錐台状に形成された錐体ゴム21bが設けられている。
また、前記支持脚本体21aの上面と、前記床材22との間には、両者の固定のための台座21dが設けられている。
なお、本実施の形態においては、図3および図4、また図6および図7に示すように、前記支持脚21とともに補助用の支持脚が用いられている。これら補助用の支持脚を、本実施の形態においては補助支持脚21A,21Bと記載する。なお、これら補助支持脚21A,21Bの代わりに、前記支持脚21を用いるようにしてよい。
また、前記床下地20の上面には、図3および図4、図6および図7に示すように、断熱材20aが敷設されており、この断熱材20aによって、前記給気経路2a内を通る空気の熱を、前記床下地20側に逃がさないようにすることができる。これによって、前記空調ユニット3によって空調された空気の温度を確実に維持したまま、前記各居室10,11,12,13に給気できる。
また、このように、空調された空気の温度を確実に維持したまま、前記各居室に給気できるので、床下空間の気温を高く維持することが可能となる。これによって、暖房対象となる居室の床表面温度の高さを、効率良く維持することが可能となるため、高い床暖房効果が得られ、より快適な居住環境を形成することができる。
なお、本実施の形態の断熱材20aとして、図3,図4,図6および図7に示すものは、例えば樹脂繊維系であってボード状の断熱材である。
ところで、一般的に当該部位に設けられる断熱材にはグラスウール繊維のマット状の断熱材や樹脂発砲系のボード状の断熱材が用いられている。前者は、廉価で床下地20の上面になじみやすいため施工性に優れる長所があるが、二重床の支持脚に位置する部分の現場での切り欠き加工が必要であり、その加工の際に繊維粉塵が発生し床下空間に残存し、当繊維粉塵が居室へ流入、飛散する可能性があり健康被害等に結びつきうる問題があった。後者は、二重床の支持脚に位置する部分の打抜き加工が必要であるため、断熱材20aの施工作業に労力を要し、品質の確保が容易でなかった。
したがって、前記断熱材20aを、前記床下地20の上面に敷設する際は、前記断熱材20aの寸法を、前記複数の支持脚21間と同一とし、これら複数の支持脚21に密接するようにして断熱材20aを敷設することによって、上記問題を解決することができる。
ところが、本実施の形態での樹脂繊維系であってボード状の断熱材20aの場合、この断熱材20aを、前記複数の支持脚21間に、これら複数の支持脚21に密接するようにして敷設すると、この断熱材20aの端部が、前記支持脚本体21aの下端部に設けられた錐体ゴム21bに沿って上方に浮いてしまう場合があり、二重床2の床下空間の給気経路2aを閉塞してしまうことがある。
このような場合、前記支持脚本体21aに対して、この支持脚本体21aに密接する前記断熱材20aの端部の上面を押さえ付けるフランジ部21cを取り付けるようにすることが望ましい。これによって、前記複数の断熱材20aを、前記床下地20の上面に敷設する際は、これら複数の断熱材20aの端部を、単に、前記複数の支持脚21のフランジ部21cの下方に差し入れるようにして、前記床下地20の上面に敷設するだけで済むこととなる。さらに、このように、前記複数の断熱材20aの端部を、前記複数の支持脚21のフランジ部21cの下方に差し入れることで、前記床下地20の上面に敷設することができるので、前記複数の断熱材20aの端部を、前記複数の支持脚21の形状に応じて現場にて切り欠き加工する必要もなく、前記複数の断熱材20aを、前記床下地20の上面に手早く敷設することができる。また、現場で切り欠き加工する必要がないので、この断熱材20aの繊維粉塵が発生することがなく、床下空間を清浄に保ちながら短工期に高品質で断熱材20aが敷設できる作用がある。
さらに、このように断熱材20aの繊維粉塵が発生しないので、この繊維粉塵が前記各居室10,11,12,13内に流入飛散して、居住者が吸引してしまうことによる健康被害を確実に防ぐことができる。
一方、前記床材22は、図6および図7に示すように、前記複数の支持脚21上に敷設される下地板材22aと、この下地板材22aの上面に敷設されるとともに、凸状の雄実部23と凹状の雌実部24とによる実矧ぎによって互いに接合される複数の床板材22bとを備えている。
なお、これら複数の床板材22bは、例えばホットメルト等の熱可塑性樹脂接着剤によって、前記下地板材22aに接着されている。
また、前記複数の床板材22bのうち、前記各居室10,11,12,13の壁際(壁10a,11a,12a,13a)に沿って敷設される一方の床板材22bは、壁10a,11a,12a,13a側に位置する側面とは反対の側面に前記雄実部23が位置するようにして前記下地板材22aの上面に敷設されている。
そして、この一方の床板材22bに隣接する他方の床板材22bは、この他方の板材22bの雌実部24を形成する上部突出部24aと下部突出部24bのうち、下部突出部24bを切り欠いた状態で前記下地板材22aの上面に敷設されている。
したがって、前記一方の床板材22bの雄実部23の突出部の下方に、前記他方の床板材22bの雌実部24の下部突出部24bを切り欠いた部分に、隙間が形成されることとなる。
なお、本実施の形態の床板材22bは、例えば矩形状に形成された長尺な板材であり、この床板材22bの長さ方向に沿う一方の側面に前記雄実部23が形成されるとともに、他方の側面に前記雌実部24が形成されており、前記床板材22bの長さ方向に直交する一方の側面に前記雄実部23が形成されるとともに、他方の側面に前記雌実部24が形成されている。
すなわち、上述のように、前記一方の床板材22bに隣接する他方の床板材22bは、この他方の板材22bの雌実部24を形成する上部突出部24aと下部突出部24bのうち、下部突出部24bを切り欠いた状態で前記下地板材22aの上面に敷設されているとしたが、前記一方の床板材22bに隣接する他方の床板材22bとは、前記一方の床板材22bの長さ方向に沿う一方の側面の側に隣接配置される床板材22bと、前記一方の床板材22bの長さ方向に直交する一方の側面の側に隣接配置される床板材22bとが該当することとなる。
このような隙間は、前記雄実部23の突出部23aのための可動域となるので、前記一方の床板材22bを前記下地板材22aから剥離させる際に、この一方の床板材22bを傾けることが可能となり、この一方の床板材22bを取り外しやすくなる。
また、前記複数の床板材22bは、熱可塑性樹脂接着剤によって、前記下地板材22aに接着されているので、前記床板材22bの表面から電磁エネルギー他により加熱して、熱可塑性樹脂接着剤を溶融させることで、前記床板材22bを、前記下地板材22aおよび床板材22bの双方を損傷させることなく、前記下地板材22aから剥離することができる。
これによって、例えば、前記二重床2の床下空間の点検や清掃、修繕等が必要となった際に、前記複数の床板材22bの再利用を可能としながら、さらには工事中に粉塵他を発生させることなく、前記床板材22bの下地板材22aからの剥離と、これら床板材22bの再施工が可能となる。
さらに、前記床材22は、図7に示すように、この床材22の前記居室10,11,12,13の壁10a,11a,12a,13a側に位置する側面と、前記居室10,11,12,13の壁10a,11a,12a,13aとの間に若干の隙間を形成するようにして、前記複数の支持脚21上に敷設されている。
これによって、前記床材22の振動や衝撃音等が前記居室10,11,12,13の壁10a,11a,12a,13aを伝って他の階の住戸や隣接する住戸に伝達されることを防ぐことができる。
また、前記各居室10,11,12,13の壁10a,11a,12a,13aには、前記一方の床板材22bとの間に若干の隙間を形成するようにして巾木25が取り付けられている。
これによって、この隙間が、前記一方の床板材22bのための可動域となる。したがって、前記一方の床板材22bを前記下地板材22aから剥離させる際に、この一方の床板材22bを傾けることが可能となるので、前記巾木25を壁10a,11a,12a,13aから剥離しなくとも、この一方の床板材22bをさらに取り外しやすくなる。
そして、この巾木25の下端部には、前記床材22と居室10,11,12,13の壁10a,11a,12a,13aとの間に形成される隙間と、前記一方の床板材22bと巾木25との間に形成される隙間の双方を閉塞するとともに、弾性を有する気密材25aが取り付けられており、前記二重床2の床下空間から居室10,11,12,13への空調空気の漏気を防ぐことができる。
本実施の形態によれば、建物1内の各居室10,11,12,13に、前記床吹出しユニット4およびダンパーユニット5と、温度調節器6とを設けることによって、1台の空調ユニット3によって全居室10,11,12,13を個別に、任意の温度に設定し、任意に空調できる、すなわち、多室制御を行うことができる。特に、前記温度調節器6によって、前記開閉ダンパー5の開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御できるので、従来に比して、より綿密な温度管理が可能となる。
しかも、従来のように前記開閉ダンパーを、開/閉二位置制御を行うと、この開閉ダンパーの閉時に床下空間へ暖房給気がなされない時間帯があったのに対して、このように開閉ダンパー5の開度を、全開状態および全閉状態の間で多段階に開閉制御することによって、少風量であっても暖房空気が継続的に給気される作用が生まれ、床下空間の気温を高く維持することが可能となった。これによって、暖房対象となる居室10,11,12,13の床表面温度を高く維持することが可能となるため、高い床暖房効果が得られる快適な居住環境を形成できる空調システムとなる。また、このような床暖房効果は、全居室10,11,12,13にて任意に得ることができるようになる。さらには、この床暖房効果についても居室別に制御できる効果が生まれる。
また、前記ダンパーユニット5に換気開口52を備えたことで、全居室10,11,12,13で、もしくは居室10,11,12,13別に冷暖房が停止され、前記開閉ダンパー50が閉鎖した折にも、所定量の給気を常時床下空間から各居室10,11,12,13へ供給できるので、24時間換気システムとの連接が可能となる。
本発明の空調システムの一例を示す概要図である。 図1の空調システムを示す系統図である。 床吹出しユニットの一例を示しており、(a)は三面図であり、(b)はグリルの他の一例を示すものである。 図3の床吹出しユニットを示す拡大断面図である。 開閉ダンパーの一例を示す斜視図である。 床吹出し口付近の二重床の構造の一例を示す断面図である。 居室の壁際付近の二重床の構造の一例を示す断面図である。 (a)は本発明の空調システムによる実測結果を示すグラフであり、(b)従来方式の空調システムによる実測結果を示すグラフである。
符号の説明
1 建物
2 二重床
2a 給気経路
3 空調ユニット
4 床吹出しユニット
5 開閉ダンパー
6 温度調節器
10〜13 居室
20 床下地
21 支持脚
22 床材
30 エアコン設備
35 換気設備
40 ピット
41 吹出し口
43 蓋部材
44 グリル
45 カバープレート

Claims (3)

  1. 建物内の各居室の下部に形成された二重床の床下空間が給気経路とされており、空調ユニットによって空調された空気が、前記給気経路を通って、前記各居室の床にそれぞれ設けられた床吹出しユニットの吹出し口から室内に吹出され、これら各居室から前記空調ユニットに環気する空調システムであって、
    前記各居室の床吹出しユニットに取り付けられるとともに、これら床吹出しユニットの吹出し口を開閉する開閉ダンパーおよび24時間換気の給気用の換気開口とで構成するダンパーユニットと、
    前記各居室にそれぞれ設けられるとともに、これら各居室の室内温度を検出し、この検出した室内温度と設定温度との偏差に基づいて、前記開閉ダンパーの開度を、全開から全閉までの間で多段階に開閉制御することによって給気風量を多段階に調節するための温度調節器とを備えており、
    前記各居室の床には、これら各居室の端部であって外壁や窓の近傍に、これら外壁や窓の幅方向に沿って直線状かつ長尺な開口部が形成されており、
    前記床吹出しユニットは、前記開口部から前記給気経路内に落とし込まれるようにして前記各居室の床に設置されるとともに、前記開口部の長さに相当する長さであって直線状に、かつ上部が開放した箱状に形成されて、前記給気経路と前記各居室との間における該給気経路から延長された補助給気経路として機能するピットと、
    このピットの壁面のうち、このピットの長手側かつ建物中央側の壁面に、前記ダンパーユニットが取り付けられて形成される前記吹出し口と、
    前記ピットの上部開放部を覆うようにして設けられるとともに、上面が前記各居室の床と連続する高さとなる蓋部材とを備えており、
    前記ピットの長手寸法は、前記ダンパーユニットが前記壁面に取り付けられた状態で、少なくとも当該壁面の長手方向に、前記ダンパーユニット自体の他に、前記ダンパーユニットの幅寸法と同程度以上のスペースが残る程度の寸法に設定されており、
    前記蓋部材は、前記ピット内と前記各居室とを連通する給気口を有するグリルと、前記ピットの上部開放部を塞ぐカバープレートとを有していることを特徴とする空調システム。
  2. 前記蓋部材は、前記ピットの長手方向に沿って複数並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記ダンパーユニットは、前記ピットの底面よりも高い位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
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