JP3743929B2 - 可変容量型ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のパワーステアリング装置等に用いられる可変容量型ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のパワーステアリング装置等で用いられる可変容量型ポンプとして、特開平9-14155号公報に記載の如く、ポンプケーシングに配設されて回転駆動されるロータに対して偏心するカムリングを有し、カムリングとロータの外周部との間にポンプ室を形成し、ポンプの低速回転時には、ロータに対するカムリングの偏心量を大きくすることによりポンプ室の容積を大きくして作動油の吐出量を増加し、ポンプの高速回転時には、ロータに対するカムリングの偏心量を小さくすることによりポンプ室の容積を小さくして作動油の吐出量を低減するものがある。
【0003】
そして、上述の従来技術では、可変容量型ベーンポンプの圧力脈動と、これによって誘起される振動・騒音を低減させるために、カムリングとロータで囲まれるポンプ室のうち、下死点において吸込みポートと吐出しポートを締め切る第1閉じ込み部と、上死点において吐出しポートと吸込みポートとを締め切る第2閉じ込み部の2つの閉じ込み部の空間を、カムリングの最大偏心状態下で、いずれもロータの回転中心を中心とした同心円で囲まれた空間としている(換言すれば、ベーンの動半径を一定にしている)。この従来技術では、閉じ込み部におけるロータとカムリングの間の距離が一定であるためにポンプ室の容積変化に基づく過剰予圧縮(オーバーコンプレッション)は発生せず、その結果、ベーンの離間に基づく脈動現象を防止できるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、ポンプが低速回転時にあるカムリングの最大偏心時に、閉じ込み部におけるロータとカムリングの距離が一定となる(即ち、同心である)ようにしているだけであり、高速回転時に偏心量が小さくなるとカムリングの内周とロータの外周は同心ではなくなり、ベーンの離間は防止できず、ベーン先端の隙間漏れの増大による大きな圧力脈動が発生してしまう。また、従来技術では、ベーンの離間は閉じ込み室内の過剰予圧縮(オーバコンプレッション)によって引き起こされると考えているが、正しくは以下に説明するように、ベーンの離間は主として閉じ込み区間にあるベーンの前面と背面に作用する圧力のアンバランスに基づく偏荷重に起因するものである。
【0005】
即ち、図14において、ロータ1の溝に収容されたベーン2が背圧力Pdと遠心力により遠心方向の力を受けてカムリング3の内周に接し、このベーン2がロータ1の回転とともに回転していく状態下で、1つのベーン2Aが吸込みポート4の終点に達するまでの吸込み区間にあるときには、ベーン2Aの正面と背面には同じ吸込み圧力が作用するために円周方向には偏荷重は働かず、ベーン2Aの先端は背圧力Pdと遠心力によりカムリング3の内周に押し付けられて、カムリング3の内周から離間しない。ベーン2がロータ1の回転とともに更に回転し、ベーン2Aが吸込み区間を経た後、吐出しポート5の始点に未だつながらない第1閉じ込み区間にあるときには、ベーン2Aの正面には吐出しポート5の側の高圧が、背面には吸込みポート4の側の低圧が作用するため、ベーン2Aには円周方向に偏荷重が働き、ベーン2Aはロータ1の溝に収容される根本で傾いて引っかかり、ベーン2Aは背圧力Pdと遠心力によってもカムリング3の内周に押し当て不能になってカムリング3の内周から離間することとなり、離間したベーンの先端隙間を通って吐出しポート5から吸込みポート4の側へ前述の大きな漏れが発生してしまう。また、第2閉じ込み区間でも同様な現象が発生する。
【0006】
以下、従来技術の問題点を詳細に指摘する。従来技術では最大偏心状態下(低速回転時)で、第1閉じ込み部と第2閉じ込み部のカムリングの内周をロータの回転中心と同心円をなすような形状にしている。そのため、低速回転時には閉じ込み区間にあるベーンの動半径は一定であるためベーンの離間は起こらず(図15A、図16A)、離間による大きな圧力脈動の発生を防止できる。しかし、最小偏心状態下(高速回転時)では、第1閉じ込み部と第2閉じ込み部とともに、カムリングの内周はロータの回転中心とは同心円ではなくなり、正面と背面の圧力のアンバランスに基づく偏荷重を受けてベーンが引っかかりを起こすとベーンの先端はカムリングの内面から離れ(即ち、離間し)、大きな圧力脈動が発生してしまう。
【0007】
即ち、図15は横軸にロータの回転角度を、縦軸にロータの回転中心に対するベーンの突出半径である動半径をとって、第1閉じ込み部におけるベーン先端の挙動を示したものであり、実線はロータの回転中心と同心円となるカムリングに対するもの、破線は真円形状のカムリングに対するものである。この場合、図15(A)の第1閉じ込み部での低速回転時には、ロータとカムリングの距離が図17(A)に示す如く、Ha=Hb=Hcで一定であるため、ベーンの離間は起こりにくい。図15(B)の第1閉じ込み部での高速回転時には、カムリングが最小偏心状態になり、ロータとカムリングの距離は、図17(B)に示す如く、第1閉じ込み部の中央(Hb)で短く、その両側(Ha、Hc)で長くなるので、ベーンは第1閉じ込み部の前半では求心方向に押し込まれて離間しないものの、後半では動半径は正の傾き(正勾配)となるためベーンに偏荷重が働きベーンが引っかかりを起こすと、ベーンは離間してしまう。
【0008】
また、図16は横軸にロータの回転角度を、縦軸にロータの中心に対するベーンの突出半径である動半径をとって、第2閉じ込み部におけるおけるベーン先端の挙動を示したものであり、実線はロータの回転中心と同心円となるカムリングに対するもの、破線は真円形状のカムリングに対するものである。この場合、図16(A)の第2閉じ込み部での低速回転時には、ロータとカムリングの距離は図17(A)に示す如く、Hd=He=Hfで一定であるため、ベーンの離間は起こりにくい。しかし、高速回転時にカムリングが最小偏心状態となると、ロータとカムリングの距離は、図17(B)に示す如く、第2閉じ込み部の中央(He)で長く、その両側(Hd、Hf)で短くなるため、ベーンは第2閉じ込み部の前半で離間を起こしてしまう。
【0009】
本発明の課題は、可変容量型ベーンポンプにおいて、ポンプ回転速度の広い範囲に亘って、換言すればカムリングの広い偏心域に亘って、ベーンの離間発生を防止して圧力脈動及びこれに伴う振動・騒音を低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ポンプケーシングと、ポンプケーシングに配設されて回転駆動される真円状のロータと、ロータの周囲に配設され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ロータに対して偏心可能とされるカムリングと、ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室に吸い込む吸込みポートと、ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室から吐出する吐出しポートと、ロータの溝に収容されて半径方向に移動可能に突出し、先端がカムリングの内周に接する複数のベーンとを有し、吸込みポートから吸い込まれる作動油を相隣るベーンの間の空間に挟み込み、この作動油をロータの回転により運搬して吐出しポートから吐出し、ロータに対するカムリングの偏心量を大きくすることによって作動油の吐出量を増加する可変容量型ポンプにおいて、カムリングの内周は、吸込みポートから作動油を吸込む吸込み区間の形状、吸込みポートから吸込んだ作動油を吐出しポートへ予圧縮して移送する下死点における第1閉じ込み区間の形状、吐出しポートから作動油を吐出する吐出し区間の形状、上死点において相隣るベーンの間の空間に挟みこんだ作動油を吸込みポートへ移送する第2閉じ込み区間の形状より構成され、前記吸込み区間と吐出し区間におけるカムリングの内周は、真円曲線と過渡曲線から構成され、前記閉じ込み区間におけるカムリングの内周は、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線から構成されているようにしたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記カムリングの形状を、第1閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線で構成するようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記カムリングの形状を、第2閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線で構成するようにしたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記カムリングの形状を、吸込み区間又は吐出し区間の両端部と、第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間との接続部では、吸込み区間又は吐出し区間の真円曲線を第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間の負勾配曲線に滑らかにつなぐ過渡曲線を高次曲線としたものである。
【0014】
請求項5の発明は、ポンプケーシングと、ポンプケーシングに配設されて回転駆動される真円状のロータと、ロータの周囲に配設され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ロータに対して偏心可能とされるカムリングと、ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室に吸い込む吸込みポートと、ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室から吐出する吐出しポートと、ロータの溝に収容されて半径方向に移動可能に突出し、先端がカムリングの内周に接する複数のベーンとを有し、吸込みポートから吸い込まれる作動油を相隣るベーンの間の空間に挟み込み、この作動油をロータの回転により運搬して吐出しポートから吐出し、ロータに対するカムリングの偏心量を大きくすることによって作動油の吐出量を増加する可変容量型ポンプにおいて、カムリングの内周は、吸込みポートから作動油を吸込む吸込み区間の形状、吸込みポートから吸込んだ作動油を吐出しポートへ予圧縮してと移送する下死点における第1閉じ込み区間の形状、吐出しポートから作動油を吐出する吐出し区間の形状、上死点において相隣るベーンの間の空間に挟みこんだ作動油を吸込みポートへ移送する第2閉じ込み区間より構成され、前記吸込み区間と吐出し区間におけるカムリングの内周は、真円曲線と過渡曲線から構成され、前記閉じ込み空間におけるカムリングの内周は、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する複数の負勾配曲線から構成されているようにしたものである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の発明において更に、前記カムリングの形状を、第1閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する複数の負勾配曲線で構成するようにしたものである。
【0016】
請求項7の発明は、請求項5の発明において更に、前記カムリングの形状を、第2閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する複数の負勾配曲線で構成するようにしたものである。
【0017】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかの発明において更に、前記カムリングの形状を、吸込み区間又は吐出し区間の両端部と、第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間との接続部では、吸込み区間又は吐出し区間の真円曲線を第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間の負勾配曲線に滑らかにつなぐ過渡曲線を高次曲線としたものである。
【0018】
【作用】
請求項1、2の発明によれば、下記▲1▼の作用がある。
▲1▼ベーンが第1閉じ込み区間にあるとき、ベーンは正面には吐出しポートの側の高圧が、背面には吸込みポートの側の低圧が作用するため、ベーンは円周方向に偏荷重を受け、ロータの溝に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーンはこの第1閉じ込み区間で、カムリングの内周の負勾配曲線に常に接してロータの溝に入る求心運動を付与される。即ち、ベーンはカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、真円カムリングにおいて発生するベーンの離間に起因する大きな圧力脈動を防止でき、これに起因する振動・騒音も著しく低減できる。
【0019】
請求項1、3の発明によれば、下記▲2▼の作用がある。
▲2▼ベーンが第2閉じ込み区間にあるとき、ベーンの背面には吐出しポートの側の高圧が、正面には吸込みポートの側の低圧が作用するため、ベーンは円周方向に偏荷重を受け、ロータの溝に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーンはこの第2閉じ込み区間で、カムリングの内周の負勾配曲線に常に接してロータの溝に入る求心方向の力を付与される。即ち、ベーンはカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、ベーンの離間に起因する大きな圧力脈動の発生を防止できる。
【0020】
請求項4の発明によれば、下記▲3▼の作用がある。
▲3▼第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間の負勾配曲線と吐出し区間又は吸込み区間の真円曲線を高次曲線で滑らかにつなぐことにより、接続区間でのベーンの速度変化が緩やかになり(加速度が小さくなり)、ベーンの慣性力による起振力を低減できるため、カムリング内周の形状変更に起因するポンプの振動・騒音を防止できる。
【0021】
請求項5、6の発明によれば、下記▲4▼、▲5▼の作用がある。
▲4▼ベーンが第1閉じ込み区間にあるとき、ベーンは正面には吐出しポートの側の高圧が、背面には吸込みポートの側の低圧が作用するため、ベーンは円周方向に偏荷重を受け、ロータの溝に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーンはこの第1閉じ込み区間で、カムリングの内周の負勾配曲線、高次曲線に常に接してロータの溝に入る求心運動を付与される。即ち、ベーンはカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、真円カムリングにおいて発生するベーンの離間に起因する大きな圧力脈動を防止でき、これに起因する振動・騒音も著しく低減できる。
【0022】
▲5▼第1閉じ込み区間で、カムリングの内周形状を構成する複数の負勾配曲線の勾配を異にする(具体的には、第1閉じ込み区間の前半を勾配の小さい負勾配曲線で構成し、後半を勾配の大きい負勾配曲線で構成すること)ものとすれば、ポンプの低速回転時(カムリングの最大偏心時)〜高速回転時(最小偏心時)の広い運転域(カムリングの広い偏心域)で、第1閉じ込み区間におけるベーンの離間を防止でき、結果として、圧力脈動及びこれに起因するポンプの振動・騒音を著しく低減できる。
【0023】
請求項5、7の発明によれば、下記▲6▼、▲7▼の作用がある。
▲6▼ベーンが第2閉じ込み区間にあるとき、ベーンの背面には吐出しポートの側の高圧が、正面には吸込みポートの側の低圧が作用するため、ベーンは円周方向に偏荷重を受け、ロータの溝に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーンはこの第2閉じ込み区間で、カムリングの内周の負勾配曲線に常に接してロータの溝に入る求心方向の力を付与される。即ち、ベーンはカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、ベーンの離間に起因する大きな圧力脈動の発生を防止できる。
【0024】
▲7▼第2閉じ込み区間で、カムリングの内周形状を構成する複数の負勾配曲線の勾配を異にする(具体的には例えば第2閉じ込み区間の前半を真円曲線又はこれに近い負勾配曲線で構成し、後半を傾きの比較的小さい負勾配曲線で構成すること)ものとすれば、ポンプの低速回転時(カムリングの最大偏心時)〜高速回転時(カムリングの最小偏心時)の広い運転域(カムリングの広い偏心域)に亘って、第2閉じ込み区間におけるベーンの離間を防止できるため、圧力脈動を著しく低減できる。
【0025】
▲8▼第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間の負勾配曲線と吐出し区間又は吸込み区間の真円曲線を高次曲線で滑らかにつなぐことにより、接続区間でのベーンの速度変化が緩やかになり(加速度が小さくなり)、ベーンの慣性力による起振力を低減できるため、カムリング内周の形状変更に起因するポンプの振動・騒音を防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は可変容量型ポンプを示す断面図、図2は図1のII-II 線に沿う断面図、図3は図1のIII-III 線に沿う断面図、図4は図2のIV-IV 線に沿う断面図、図5はカムリングを示す模式図、図6は第1実施形態のカムリングの全周に渡るベーンの半径(動半径)の変化を示す線図、図7は第1実施形態の動半径における第1閉じ込み区間の拡大線図、図8は第1実施形態の動半径における第2閉じ込み区間の拡大線図、図9は第2実施形態のカムリングの全周に渡るベーンの半径(動半径)の変化を示す線図、図10は第2実施形態の動半径における第1閉じ込み区間の拡大線図、図11は第2実施形態の動半径における第2閉じ込み区間の拡大線図、図12は第2実施形態の第1閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間防止効果を示す線図、図13は第2実施形態の第2閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間防止効果を示す線図、図14は第1閉じ込み区間におけるベーンの引っかかり現象を示す模式図、図15は従来のカムリングの第1閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間状態を示す線図、図16は従来のカムリングの第2閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間状態を示す線図、図17は低速回転時と高速回転時のカムリングの偏心状態を示す模式図である。
【0027】
可変容量型ポンプ10は、自動車の油圧パワーステアリング装置の油圧発生源となるベーンポンプであり、図1〜図3に示す如く、ポンプケーシング11に挿入されるポンプ軸12にセレーションにより固定されて回転駆動されるロータ13を有している。ポンプケーシング11は、ポンプハウジング11Aとカバー11Bをボルト14で一体化して構成され、軸受15A〜15Cを介してポンプ軸12を支持している。ポンプ軸12は、自動車のエンジンで直接回転駆動可能とされている。
【0028】
ロータ13は周方向の多数位置のそれぞれに設けた溝16にベーン17を収容し、各ベーン17を溝16に沿う半径方向に移動可能に突出している。
【0029】
ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aの嵌装孔20には、プレッシャプレート18、アダプタリング19が積層状態で嵌着され、これらは後述する支点ピン21によって周方向に位置決めされた状態でカバー11Bにより側方から固定保持されている。支点ピン21の一端はカバー11Bに装着固定されている。
【0030】
ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aに固定されている上述のアダプタリング19にはカムリング22が嵌装されている。カムリング22は、ロータ13とある偏心量をもってロータ13を囲み、プレッシャプレート18とカバー11Bの間で、ロータ13の外周部との間にポンプ室23を形成する。そして、ポンプ室23のロータ回転方向上流側の吸込領域には、カバー11Bに設けた吸込みポート24が開口し、この吸込みポート24にはハウジング11A、カバー11Bに設けた吸込み通路25A、25Bを介してポンプ10の吸込口26が連通せしめられている。他方、ポンプ室23のロータ回転方向下流側の吐出領域には、プレッシャプレート18に設けた吐出しポート27が開口し、この吐出しポート27にはハウジング11Aに設けた高圧力室28A、吐出通路28Bを介してポンプ10の吐出口29が連通せしめられている。
【0031】
これにより、可変容量型ポンプ10にあっては、ポンプ軸12によってロータ13を回転駆動し、ロータ13のベーン17が遠心力と背圧力でカムリング22に押し付けられて回転するとき、ポンプ室23のロータ回転方向上流側の吸込み区間では隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲む容積を回転とともに拡大して作動流体を吸込みポート24から吸込み、この作動油を相隣るベーン17の間の空間に挟んでロータ13の回転により運搬し、ポンプ室23のロータ回転方向下流側の吐出し区間で隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲む容積を回転とともに減縮して作動流体を吐出しポート27から吐出する。
【0032】
しかるに、可変容量型ポンプ10は、下記(A) の如くの吐出流量制御装置40と、下記(B) の如くのベーン加圧装置60とを有している。
【0033】
(A)吐出流量制御装置40
吐出流量制御装置40は、ポンプケーシング11に固定されている上述のアダプタリング19の鉛直最下部に前述の支点ピン21を載置し、カムリング22の鉛直最下部をこの支点ピン21に支持し、カムリング22をアダプタリング19内で揺動変位可能としている。
【0034】
そして、吐出流量制御装置40は、ポンプケーシング11を構成するポンプハウジング11Aに設けたばね室41に納めたスプリング42を、アダプタリング19に設けたばね孔19Aに貫通させてカムリング22の外周部に圧接せしめることにより、ポンプ室23の容積が最大となるような付勢力をカムリング22に付与可能としている。スプリング42は、ばね室41の開口部に螺着されるキャップ41Aによりバックアップされる。尚、アダプタリング19は後述する第2流体圧室44Bを形成する内周部の一部にカムリング移動規制ストッパ19Bを凸状形成され、後述するようにポンプ室23の容積を最小とするカムリング22の移動限(最小偏心位置)を規制可能としている。また、アダプタリング19は後述する第1流体圧室44Aを形成する内周部の一部にカムリング移動規制ストッパ19Cを凸状形成され、後述するようにポンプ室23の容積を最大とするカムリング22の移動限(最大偏心位置)を規制可能としている。
【0035】
また、吐出流量制御装置40は、カムリング22とアダプタリング19との間に第1と第2の流体圧室44A、44Bを分割形成している。即ち、第1流体圧室44Aと第2流体圧室44Bは、カムリング22とアダプタリング19の間で、支点ピン21と、その軸対称位置に設けたシール材45とで分割される。このとき、第1と第2の流体圧室44A、44Bは、カムリング22とアダプタリング19の間の両側方をカバー11Bとプレッシャプレート18により区画され、アダプタリング19の前述したカムリング移動規制ストッパ19B、19Cにカムリング22が衝合したときに、ストッパ19Cの両側に分離される第1流体圧室44A同士を連絡する連絡溝18A、ストッパ19Bの両側に分離される第2流体圧室44B同士を連絡する連絡溝18Bをプレッシャプレート18に備える。
【0036】
ここで、前述したポンプ10の吐出経路において、ポンプ室23から吐出されてプレッシャプレート18の吐出しポート27からポンプハウジング11Aの高圧力室28Aに送出された圧力流体は、プレッシャプレート18に穿設したメータリングオリフィス46から上述の第2の流体圧室44B、アダプタリング19を貫通している前述のばね室41、更にポンプハウジング11Aの嵌装孔20に切欠形成される吐出連絡孔100を介して吐出通路28Bに圧送されるようになっている。
【0037】
吐出流量制御装置40は、上述のポンプ10の吐出経路で、第2流体圧室44Bに開口するメータリングオリフィス46の開口面積をカムリング22の側壁で増減させ、可変メータリングオリフィスを形成している。即ち、オリフィス46はカムリング22の移動変位に伴ってその側壁で開度調整せしめられる。そして、吐出流量制御装置40は、▲1▼オリフィス46通過前の高圧力室28Aの高流体圧を第1流体圧供給路47A(図4)、切換弁装置48、ポンプハウジング11A、アダプタリング19に穿設した連通路49を介して第1流体圧室44Aに導き、▲2▼オリフィス46通過後の減圧圧力を前述の如く第2流体圧室44Bに導き、両流体圧室44A、44Bに作用する圧力の差圧によりカムリング22を前述のスプリング42の付勢力に抗して移動させ、ポンプ室23の容積を変化させてポンプ10の吐出流量を制御可能としている。
【0038】
尚、切換弁装置48は、ポンプハウジング11Aに穿設した弁格納孔51にスプリング52、切換弁53を収容し、スプリング52で付勢される切換弁53をポンプハウジング11Aに螺着したキャップ54で担持している。切換弁53は、切換弁体55A、弁体55Bを備え、切換弁体55Aの一端側に設けた加圧室56Aに第1流体圧供給路47Aを連通し、弁体55Bの他端側に設けたスプリング52が格納されている背圧室56Bにポンプハウジング11A、アダプタリング19に穿設した連通路57を介して第2流体圧室44Bを連通している。また、切換弁体55Aと弁体55Bの間の中間室56Cには前述した吸込み通路(ドレン通路)25Aが貫通して形成され、タンクに連絡される。切換弁体55Aは、ポンプハウジング11A、アダプタリング19に穿設した前述の連通路49を開閉可能としている。即ち、ポンプ10の吐出圧力が低い低速回転域では、スプリング52の付勢力により切換弁53を図2に示す原位置に設定し、切換弁体55Aにより第1流体圧室44Aとの連通路49を閉じ、ポンプ10の中高速回転域では加圧室56Aに加えられる高圧流体により切換弁53を移動させて連通路49を開き、この高圧流体を第1流体圧室44Aに導くことを可能とする。
【0039】
従って、吐出流量制御装置40を備えたポンプ10の吐出流量特性は以下の如くである。
【0040】
(1)ポンプ10の回転数が低い自動車の低速走行域では、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置48の加圧室56Aに及ぶ流体の圧力が未だ低く、切換弁53は原位置に位置し、カムリング22はスプリング42により付勢された原状態(最大偏心位置)を維持する。このため、ポンプ10の吐出流量は、回転数に比例して増加する。
【0041】
(2)ポンプ10の回転数の増加により、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置48の加圧室56Aに及ぶ流体の圧力が高くなると、切換弁装置48はスプリング52の付勢力に抗して切換弁53を移動させて連通路49を開き、この高圧流体を第1流体圧室44Aに導く。これにより、カムリング22は第1流体圧室44Aと第2流体圧室44Bとに作用する圧力の差圧により移動し、ポンプ室23の容積を徐々に減縮していく。従って、ポンプ10の吐出流量は、回転数の増加に対し、回転数の増加による流量増加分と、ポンプ室23の容積減縮による流量減少分とを相殺し、一定の大流量を維持させることができる。
【0042】
(3)ポンプ10の回転数が継続して更に増加し、カムリング22が更に移動することにより、カムリング22がスプリング42を一定量超えて押動すると、このカムリング22の側壁がポンプ室23からの吐出経路の中間部のオリフィス46の開口面積を絞り始める。従って、ポンプ10の吐出通路28Bに圧送される吐出流量は、このオリフィス46の絞り量に比例して低減する。
【0043】
(4)ポンプ10の回転数が一定値を超える自動車の高速運転域に達すると、カムリング22がアダプタリング19のストッパ19Bに衝合する移動限(最小偏心位置)に達し、カムリング22の側壁によるオリフィス46の絞り量も最大となり、ポンプ10の吐出流量は一定の小流量を維持する。
【0044】
尚、吐出流量制御装置40において、切換弁装置48の加圧室56Aを第1流体圧室44Aに導く連通路49に絞り49Aを設け、第2流体圧室44Bを切換弁装置48の背圧室56Bに導く連通路57に絞り57Aを設けてある。
【0045】
(B)ベーン加圧装置60
ベーン加圧装置60は、ロータ13のベーン17を収容している溝16の基部16Aの両側に対応する、プレッシャプレート18、サイドプレート20の溝16との摺接面にリング状油溝61、62を設けてある。そして、ポンプハウジング11Aに設けてあるポンプ室23の高圧力室28Aを、プレッシャプレート18に設けた油孔63を介して上述の油溝61に連通している。これにより、ポンプ室23から高圧力室28Aに吐出した圧力流体をプレッシャプレート18、サイドプレート20の油溝61、62を介して、ロータ13の周方向の全てのベーン17のための溝16の基部に導いてベーン17に対する背圧力Pdとし(図13)、各ベーン17をカムリング22に向けて加圧可能とするものである。
【0046】
これにより、ポンプ10にあっては、回転の始めは遠心力によりベーン17をカムリング22に押し付けるものの、吐出圧力が生じた後には、ベーン加圧装置60が付与する背圧力Pdによってベーン17とカムリング22との接触圧を増大させ、圧力流体の逆流を防止可能とする。
【0047】
尚、ポンプ10にあっては、高圧力室28Aと吸込み通路(ドレン通路)25Aとの間に、ポンプ吐出し側での過大流体圧をリリーフするリリーフ弁70を切換弁53に内蔵させて有している。リリーフ弁70は、切換弁53そのものからなる主弁71に内臓された直動型にて構成されている。また、ポンプ10は、吸込み通路25Bからポンプ軸12の軸受15Cに向かう潤滑油供給路121をカバー11Bに穿設し、ポンプ軸12の軸受15Bまわりから吸込み通路25Aに戻る潤滑油戻り路122をポンプハウジング11Aに穿設してある。
【0048】
即ち、ポンプ10にあっては、ポンプ室23のうち、吸込みポート24から作動油を吸込む吸込み区間と、吐出しポート27から作動油を吐出する吐出し区間との間の、吸込みポート24から吸込んだ作動油を吐出しポート27へと予圧縮して移送する第1閉じ込み区間23A、及び吐出し区間と吸込み区間を締め切る第2閉じ込み区間23Bにおいて、広い回転速度域に亘ってベーンの離間を防止し圧力脈動を低減するための下記の構成を具備する。
【0049】
(第1実施形態)(図5〜8)
カムリング22の内周形状を下記(1)〜(5)の如くに設定した。図5において、カムリング22は最大偏心状態であり、O1はロータ13の中心位置、O2はカムリング22の内周真円部の中心位置、Eはカムリング22の最大偏心量を示す。
【0050】
(1)カムリング22の最大偏心状態下におけるロータ13の回転方向で、ベーンが吸込みポートに位置する範囲の吸込み区間と、ベーンが吐出しポートに位置する範囲の吐出し区間では、カムリング22の内周形状を真円曲線H〜A、D〜E、(中心O2)、により構成する。
【0051】
(2)吸込み区間と吐出し区間に挟まれ、相隣るベーン17、17の間の空間が吸込みポート24にも吐出しポート27にもつながらない第1閉じ込み区間23Aでは、カムリング22の内周形状を、偏心量Eの如何にかかわらずベーン17の先端に常に接し、該ベーン17をロータ13の溝16に沿って入る求心方向へ押し込み可能とするように、該ベーン17のロータ13の中心O1に対する突出半径(動半径)がロータ13の回転角度の増大とともに漸次減少する求心運動を付与し得る曲線(ロータ13の回転方向に沿って曲率半径が減少する曲率半径減少曲線)(以下、負勾配曲線と記す)B〜Cより構成する。
【0052】
(3)吸込み区間又は吐出し区間が第1閉じ込み区間23Aにつながる接続部では、カムリング22の内周形状を、第1閉じ込み区間23Aの負勾配曲線B〜Cと吸込み区間又は吐出し区間の真円曲線D〜E、H〜Aとを滑らかにつなぐ2次以上の高次曲線A〜B、C〜D(過渡曲線)により構成する。
【0053】
(4)吸込み区間と吐出し区間に挟まれ、相隣るベーン17、17の間の空間が吸込みポート24にも吐出しポート27にもつながらない第2閉じ込み区間23Bでは、カムリング22の内周形状を、偏心量Eの如何にかかわらずベーン17の先端に常に接し、該ベーン17をそのロータ13の溝16に沿って入る求心方向へ押し込み可能とするように、該ベーン17のロータ13の中心O1に対する動半径がロータ13の回転角度の増大とともに漸次減少する求心方向運動を付与し得る負勾配曲線F〜G(ロータ13の回転方向に沿って曲率半径が減少する曲率半径減少曲線)より構成する。
【0054】
(5)吸込み区間又は吐出し区間が第2閉じ込み区間23Bにつながる接続部では、カムリング22の内周形状を、第2閉じ込み区間23Bの負勾配曲線F〜Gと吸込み区間又は吐出し区間の真円曲線D〜E、H〜Aとを滑らかにつなぐ2次以上の高次曲線E〜F、G〜H(過渡曲線)により構成する。
【0055】
図6〜8の実線は、カムリング22の最大偏心時(ポンプ10の低速回転時)に、カムリング22の周方向の各角度位置でベーン17の先端が該カムリング22の内周に接し続けられる、該ベーン17のロータ13の中心O1に対する突出半径(動半径)の大きさを示し、A〜Bは高次曲線、B〜Cは負勾配曲線、C〜Dは高次曲線、D〜Eは真円曲線、E〜Fは高次曲線、F〜Gは負勾配曲線、G〜Hは互いに接続された複数の高次曲線、H〜Aは真円曲線である。尚、図6〜図8の破線は全周を真円曲線により構成したカムリングの場合を示すものである。
【0056】
(第1閉じ込み区間23Aでの作用)
▲1▼ベーン17が第1閉じ込み区間23Aにあるとき、ベーン17は正面には吐出しポート27の側の高圧が、背面には吸込みポート24の側の低圧が作用するため、ベーンは円周方向に偏荷重を受け、ロータ13の溝16に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーン17はこの第1閉じ込み区間23Aで、カムリングの内周の負勾配曲線B〜Cに常に接してロータ13の溝16に入る求心運動を付与される。即ち、ベーン17はカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、真円カムリングにおいて発生するベーンの離間に起因する大きな圧力脈動を防止でき、これに起因する振動・騒音も著しく低減できる。
【0057】
▲2▼第1閉じ込み区間23Aの負勾配曲線B〜Cと吐出し区間又は吸込み区間の真円曲線H〜A、D〜Eを高次曲線A〜B、C〜Dで滑らかにつなぐことにより、接続区間でのベーンの速度変化が緩やかになり(加速度が小さくなり)ベーンの慣性力による起振力を低減できるため、カムリング内周の形状変更に起因するポンプの振動・騒音を防止できる。
【0058】
(第2閉じ込み区間23Bでの作用)
▲1▼ベーン17が第2閉じ込み区間23Bにあるとき、ベーン17の背面には吐出しポート27の側の高圧が、正面には吸込みポート24の側の低圧が作用するため、ベーン17は円周方向に偏荷重を受け、ロータ13の溝16に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーン17はこの第2閉じ込み区間23Bで、カムリングの内周の負勾配曲線F〜Gに常に接してロータ13の溝16に入る求心方向の力を付与される。即ち、ベーン17はカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、ベーン17の離間に起因する大きな圧力脈動の発生を防止できる。
【0059】
(第2実施形態)(図5、図9〜図13)
請求項5〜8に記載の実施形態の詳細と本発明のカムリング形状のベーン離間防止作用は以下の如くである。
【0060】
カムリング22の内周形状を下記(1)〜(5)の如くに設定した。図5において、O1はロータ13の中心位置、O2はカムリング22の内周真円部の中心位置、Eはカムリング22の最大偏心量を示す。
【0061】
(1)カムリング22の最大偏心状態下におけるロータ13の回転方向で、ベーンが吸込みポート24に位置する範囲の吸込み区間と、ベーンが吐出しポート27に位置する範囲の吐出し区間では、カムリング22の内周形状を真円曲線F〜G、K〜A(中心O2)により構成する。
【0062】
(2)吸込み区間と吐出し区間に挟まれ、相隣るベーン17、17の間の空間が吸込みポート24にも吐出しポート27にもつながらない下死点における第1閉じ込み区間23Aでは、カムリング22の内周形状を、偏心量Eの如何にかかわらずベーン17の先端に常に接し、該ベーン17をロータ13の溝16に沿って入る求心方向へ押し込み可能とするように、該ベーン17のロータ13の中心O1に対する突出半径(動半径)がロータ13の回転角度の増大とともに漸次減少する求心運動を付与し得る2つの曲線(ロータ13の回転方向に沿って曲率半径が減少する曲率半径減少曲線)(以下、負勾配曲線と記す)B〜C及びD〜Eと、負勾配曲線B〜CとD〜Eを滑らかにつなぐ2次以上の高次曲線C〜D(過渡曲線)とにより構成する。
【0063】
尚、高速回転域で偏心量Eが小さくなってもベーンに求心運動を付与し得るために、第1閉じ込み区間23Aの後半を構成する負勾配曲線D〜Eは前半を構成する負勾配曲線B〜Cよりも勾配を大きくする。
【0064】
(3)吸込み区間と第1閉じ込み区間23Aにつながる接続部では、カムリング22の内周形状を、第1閉じ込み区間23Aの負勾配曲線B〜Cと吸込み区間の真円曲線K〜Aとを滑らかにつなぐ2次以上の高次曲線A〜B(過渡曲線)により構成する。また、第1閉じ込み区間23Aの負勾配曲線D〜Eと吸込み区間の真円曲線F〜Gとを滑らかにつなぐ2次以上の高次曲線E〜F(過渡曲線)により構成する
【0065】
(4)吸込み区間と吐出し区間に挟まれ、相隣るベーン17、17の間の空間が吸込みポート24にも吐出しポート27にもつながらない上死点における第2閉じ込み区間23Bでは、カムリング22の内周形状を、偏心量Eの如何にかかわらずベーン17の先端に常に接し、該ベーン17をそのロータ13の溝16に沿って入る求心方向へ押し込み可能とするように、該ベーン17のロータ13の中心O1に対する動半径がロータ13の回転角度の増大とともに漸次減少する求心方向運動を付与し得る2つの負勾配曲線G〜H及びI〜J(ロータ13の回転方向に沿って曲率半径が減少する曲率半径減少曲線)と、これらの負勾配曲線G〜HとI〜Jとを滑らかにつなぐ2次以上の高次曲線H〜I(過渡曲線)とにより構成する。
【0066】
尚、第2閉じ込み区間23Bの前半を構成する負勾配曲線G〜Hは真円曲線であっても良く、また、後半を構成する負勾配曲線I〜Jの勾配は僅かで良い。
【0067】
(5)吸込み区間の端部に位置し、第2閉じ込み区間23Bにつながる接続部では、カムリング22の内周形状を、第2閉じ込み区間23Bの負勾配曲線I〜Jと吸込み区間の真円曲線K〜Aとを滑らかにつなぐ複数の2次以上の高次曲線J〜K(過渡曲線)により構成する。但し、この高次曲線は、第2閉じ込み区間23Bの外にあるのでベーンには偏荷重は作用せず、勾配が正であってもベーンの離間は起こらない。
【0068】
図9〜図11の実線は、カムリング22の最大偏心時(ポンプ10の低速回転時)に、ロータ13の周方向の各角度位置でベーン17の先端が該カムリング22の内周に接し続けられる、該ベーン17のロータ13の中心O1に対する突出半径(動半径)の大きさを示し、A〜Bは高次曲線、B〜Cは負勾配曲線、C〜Dは高次曲線、D〜Eは負勾配曲線、E〜Fは高次曲線、F〜Gは真円曲線、G〜Hは負勾配曲線、H〜Iは高次曲線、I〜Jは負勾配曲線、J〜Kは複数の高次曲線、K〜Aは真円曲線である。尚、図9〜図11の破線は全周を真円曲線により構成したカムリングの場合を示すものである。
【0069】
従って、本第2実施形態によれば、以下の作用がある(図12〜図14)
(第1閉じ込み区間23Aでの作用)
▲1▼ベーン17が第1閉じ込み区間23Aにあるとき、ベーン17は正面には吐出しポート27の側の高圧が、背面には吸込みポート24の側の低圧が作用するため、ベーンは円周方向に偏荷重を受け、ロータ13の溝16に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーン17はこの第1閉じ込み区間23Aで、カムリングの内周の負勾配曲線B〜C、D〜E、高次曲線C〜Dに常に接してロータ13の溝16に入る求心運動を付与される。即ち、ベーン17はカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、真円カムリングにおいて発生するベーンの離間に起因する大きな圧力脈動を防止でき、これに起因する振動・騒音も著しく低減できる。
【0070】
▲2▼第1閉じ込み区間23Aの負勾配曲線B〜C、D〜Eと吐出し区間又は吸込み区間の真円曲線K〜A、F〜Gを高次曲線A〜B、E〜Fで滑らかにつなぐことにより、接続区間でのベーンの速度変化が緩やかになり(加速度が小さくなり)ベーンの慣性力による起振力を低減できるため、カムリング内周の形状変更に起因するポンプの振動・騒音を防止できる。
【0071】
▲3▼第1閉じ込み区間23Aで、カムリングの内周形状を構成する2つの負勾配曲線B〜CとD〜Eの勾配を異にすること(具体的には、第1閉じ込み区間23Aの前半を勾配の小さい負勾配曲線B〜Cで構成し、後半を勾配の大きい負勾配曲線D〜Eで構成すること)により、ポンプ10の低速回転時(カムリングの最大偏心時)〜高速回転時(最小偏心時)の広い運転域(カムリングの広い偏心域)で、第1閉じ込み区間23Aにおけるベーン17の離間を防止でき、結果として、圧力脈動及びこれに起因するポンプの振動・騒音を著しく低減できる。
【0072】
図12は第1閉じ込み区間23Aにおける、本発明の負勾配曲線を備えるカムリングのベーン離間防止効果を示すものであり、(A)はポンプ10の低速回転時(カムリング22の最大偏心時)にベーン17が第1閉じ込み区間23Aの前半〜後半の全域で離間を生じないことを示し、(B)はポンプ10の高速回転時(カムリング22の最小偏心時)にも該カムリングはベーンの動半径がロータの回転とともに漸次減少する形状を維持し、第1閉じ込み区間23Aの前半〜後半の全域で離間を生じないことを示している。
【0073】
(第2閉じ込み区間23Bでの作用)
▲1▼ベーン17が第2閉じ込み区間23Bにあるとき、ベーン17の背面には吐出しポート27の側の高圧が、正面には吸込みポート24の側の低圧が作用するため、ベーン17は円周方向に偏荷重を受け、ロータ13の溝16に収容される根本で傾いて引っかかりを起こす。しかるに、ベーン17はこの第2閉じ込み区間23Bで、カムリングの内周の負勾配曲線G〜H、I〜Jに常に接してロータ13の溝16に入る求心方向の力を付与される。即ち、ベーン17はカムリングの内周との接触によって常に求心方向へと押し込まれ、カムリングの内周から離間することがなく、結果として、ベーン17の離間に起因する大きな圧力脈動の発生を防止できる。
【0074】
▲2▼第2閉じ込み区間23Bで、カムリングの内周形状を構成する2つの負勾配曲線G〜HとI〜Jの勾配を異にすること(具体的には例えば第2閉じ込み区間23Bの前半を真円曲線又はこれに近い負勾配曲線G〜Hで構成し、後半を傾きの比較的小さい負勾配曲線I〜Jで構成すること)により、ポンプ10の低速回転時(カムリングの最大偏心時)〜高速回転時(カムリングの最小偏心時)の広い運転域(カムリングの広い偏心域)に亘って、第2閉じ込み区間23Bにおけるベーン17の離間を防止できるため、圧力脈動を著しく低減できる。
【0075】
図13は第2閉じ込み区間23Bにおけるベーン17の離間防止作用を示すものであり、(A)はポンプ10の低速回転時(カムリング22の最大偏心時)にベーン17が第2閉じ込み区間23Bの前半〜後半の全域で離間を生じないことを示し、(B)はポンプ10の高速回転時(カムリング22の最小偏心時)にも、該カムリングはベーンの動半径がロータの回転とともに漸次減少する形状を維持し、第2閉じ込み区間23Bの前半〜後半の全域で離間を生じないことを示している。
【0076】
尚、図12、図13で、実線は本実施形態のカムリング22を使用した場合のロータ回転角と動半径の関係を、破線は真円曲線のカムリング22を使用した場合のロータ回転角と動半径の関係を示すものである。
【0077】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ベーンが偏荷重を受ける閉じ込み区間(第1閉じ込み区間と第2閉じ込み区間)では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずベーンの先端は常にカムリング内周に押し付けられるためにベーンの離間は発生せず、可変容量型ベーンポンプの広い作動範囲に亘って、ベーン先端隙間からの間欠的な漏れによって誘起される圧力脈動及びこれに伴う振動・騒音を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は可変容量型ポンプを示す断面図である。
【図2】図2は図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図3は図1のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図4は図2のIV-IV 線に沿う断面図である。
【図5】図5はカムリングを示す模式図である。
【図6】図6は第1実施形態のカムリングの全周に渡るベーンの半径(動半径)の変化を示す線図である。
【図7】図7は第1実施形態の動半径における第1閉じ込み区間の拡大線図である。
【図8】図8は第1実施形態の動半径における第2閉じ込み区間の拡大線図である。
【図9】図9は第2実施形態のカムリングの全周に渡るベーンの半径(動半径)の変化を示す線図である。
【図10】図10は第2実施形態の動半径における第1閉じ込み区間の拡大線図である。
【図11】図11は第2実施形態の動半径における第2閉じ込み区間の拡大線図である。
【図12】図12は第2実施形態の第1閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間防止効果を示す線図である。
【図13】図13は第2実施形態の第2閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間防止効果を示す線図である。
【図14】図14は第1閉じ込み区間におけるベーンの引っかかり現象を示す模式図である。
【図15】図15は従来のカムリングの第1閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間状態を示す線図である。
【図16】図16は従来のカムリングの第2閉じ込み区間における低速回転時と高速回転時のベーン離間状態を示す線図である。
【図17】図17は低速回転時と高速回転時のカムリングの偏心状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 可変容量型ポンプ
11 ポンプケーシング
13 ロータ
16 溝
17 ベーン
22 カムリング
23 ポンプ室
23A 第1閉じ込み区間
23B 第2閉じ込み区間
24 吸込みポート
27 吐出しポート
81A 負勾配曲線
81B、81C 高次曲線

Claims (8)

  1. ポンプケーシングと、
    ポンプケーシングに配設されて回転駆動される真円状のロータと、
    ロータの周囲に配設され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ロータに対して偏心可能とされるカムリングと、
    ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室に吸い込む吸込みポートと、
    ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室から吐出する吐出しポートと、
    ロータの溝に収容されて半径方向に移動可能に突出し、先端がカムリングの内周に接する複数のベーンとを有し、
    吸込みポートから吸い込まれる作動油を相隣るベーンの間の空間に挟み込み、この作動油をロータの回転により運搬して吐出しポートから吐出し、
    ロータに対するカムリングの偏心量を大きくすることによって作動油の吐出量を増加する可変容量型ポンプにおいて、
    カムリングの内周は、吸込みポートから作動油を吸込む吸込み区間の形状、吸込みポートから吸込んだ作動油を吐出しポートへ予圧縮して移送する下死点における第1閉じ込み区間の形状、吐出しポートから作動油を吐出する吐出し区間の形状、上死点において相隣るベーンの間の空間に挟みこんだ作動油を吸込みポートへ移送する第2閉じ込み区間の形状より構成され、
    前記吸込み区間と吐出し区間におけるカムリングの内周は、真円曲線と過渡曲線から構成され、
    前記閉じ込み区間におけるカムリングの内周は、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線から構成されていることを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  2. 前記カムリングの形状を、第1閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線で構成する請求項1記載の可変容量型ポンプ。
  3. 前記カムリングの形状を、第2閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線で構成する請求項1記載の可変容量型ポンプ。
  4. 前記カムリングの形状を、吸込み区間又は吐出し区間の両端部と、第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間との接続部では、吸込み区間又は吐出し区間の真円曲線を第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間の負勾配曲線に滑らかにつなぐ過渡曲線を高次曲線とした請求項1〜3のいずれかに記載の可変容量型ベーンポンプ。
  5. ポンプケーシングと、
    ポンプケーシングに配設されて回転駆動される真円状のロータと、
    ロータの周囲に配設され、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ロータに対して偏心可能とされるカムリングと、
    ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室に吸い込む吸込みポートと、
    ポンプケーシングに配設され、作動油をポンプ室から吐出する吐出しポートと、
    ロータの溝に収容されて半径方向に移動可能に突出し、先端がカムリングの内周に接する複数のベーンとを有し、
    吸込みポートから吸い込まれる作動油を相隣るベーンの間の空間に挟み込み、この作動油をロータの回転により運搬して吐出しポートから吐出し、
    ロータに対するカムリングの偏心量を大きくすることによって作動油の吐出量を増加する可変容量型ポンプにおいて、
    カムリングの内周は、吸込みポートから作動油を吸込む吸込み区間の形状、吸込みポートから吸込んだ作動油を吐出しポートへ予圧縮してと移送する下死点における第1閉じ込み区間の形状、吐出しポートから作動油を吐出する吐出し区間の形状、上死点において相隣るベーンの間の空間に挟みこんだ作動油を吸込みポートへ移送する第2閉じ込み区間より構成され、
    前記吸込み区間と吐出し区間におけるカムリングの内周は、真円曲線と過渡曲線から構成され、
    前記閉じ込み空間におけるカムリングの内周は、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する複数の負勾配曲線から構成されていることを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  6. 前記カムリングの形状を、第1閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する複数の負勾配曲線で構成する請求項5記載の可変容量型ポンプ。
  7. 前記カムリングの形状を、第2閉じ込み区間では、カムリングの偏心量の如何にかかわらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する複数の負勾配曲線で構成する請求項5記載の可変容量型ポンプ。
  8. 前記カムリングの形状を、吸込み区間又は吐出し区間の両端部と、第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間との接続部では、吸込み区間又は吐出し区間の真円曲線を第1閉じ込み区間又は第2閉じ込み区間の負勾配曲線に滑らかにつなぐ過渡曲線を高次曲線とした請求項5〜7のいずれかに記載の可変容量型ベーンポンプ。
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