JP3743560B2 - 透明導電性フィルム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンスパネル - Google Patents

透明導電性フィルム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンスパネル Download PDF

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芳治 森原
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムを用いた透明導電性フィルム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンス(以後、ELと略す)パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルム上に透明かつ低抵抗な化合物薄膜を形成した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイといったフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など電気、電子分野の用途に広く使用される。
【0003】
透明導電性薄膜としては、一般的には、酸化スズ、酸化インジウム、インジウム−スズ複合酸化物、酸化亜鉛などが代表的なものであり、基板としては、ポリエチレンテレフタレートをはじめとする各種のプラスチックフィルムが用いられている。
【0004】
近年、携帯電話や携帯情報端末などの普及により、これらの液晶ディスプレイのバックライトとして、ELパネルが注目されている。また、ELパネルは発光時の消費電力が少ないため、携帯機器の光源に適している。さらに、表示部の拡大、高精細化に伴い、ELパネルの高輝度化及び外観欠点の低減に関する要望が強くなりつつある。
【0005】
従来、ELパネルは、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上に、EL発光層、誘電体層、背面電極層、絶縁層を順次印刷していく工程により作製される。また、透明導電性薄膜と背面電極の間に、400Hz程度の交流電圧を印加することで、発光層に電圧印加して発光させる。この印加電圧を上げるほど、発光輝度は高くなる。また、透明導電性フィルムの光線透過率が高いほど、ELパネルの輝度が向上するのはいうまでもない。
【0006】
このような要求に対し、従来から使用されていた透明導電性フィルムは次のような課題を有していた。
【0007】
一般に、ポリエステルフィルム中には、滑り性を良好にするために粒子が含有される。しかしながら、これらの粒子をポリエステルフィルムに含有させると、ポリエステルフィルムの光線透過率を阻害する傾向にある。さらに、ポリエステルフィルム中に粒子を含有させないか、または光線透過率を阻害しない程度に少量しか粒子を含有させない場合には、一般に、塗布層中に粒子を含有させ、滑り性を改善する必要がある。その際、透明性を確保するために、可視光線の波長以下の極めて平均粒径が小さい微粒子を用いる必要がある。しかし、このような平均粒径の小さい微粒子のみでは、透明性は良好であるものの、滑り性が不十分となる。そのため、コーティング加工工程等の後工程において接触するロールによってフィルム表面に傷がつきやすくなる。
【0008】
また、ELパネルの生産時には、回路加工等の印刷工程で120〜150℃の加熱処理を行うことが必要である。しかしながら、従来の二軸配向ポリエステルフィルムを基材とした透明導電性フィルムは、前記加熱処理後に、ヘイズ値の上昇や白色状の外観欠点が発生するという問題があった。これらは、ELパネルの視認性や品位の低下になるため、前記問題点の改善が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来の問題点を解決しようとするものであり、その第一の目的は光線透過率が高く、耐スクラッチ性に優れ、かつ後加工時の加熱処理後も透明性の変化が小さい透明導電性フィルムを提供することにある。また、第二の目的は白化などの外観欠点が極めて少なく視認性に優れるELパネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた透明導電性フィルム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンスパネルとは、以下の通りである。
【0011】
即ち、本発明の第1の発明は、塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの片面に透明導電性薄膜が積層された透明導電性フィルムであって、前記の塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムを基材フィルムとし、該基材フィルムの少なくとも片面に樹脂組成物から構成される塗布層が形成され、基材フィルムには粒子を含有させずに、塗布層中に粒子を含有させてなり、全光線透過率が90%以上で、かつ塗布層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SRa)が0.002〜0.010μmであり、さらに透明導電性フィルムを150℃で3時間加熱処理した時の加熱処理前後のヘイズ値上昇が2.0%以下であることを特徴とする透明導電性フィルムである。
【0012】
第2の発明は、前記透明導電性フィルムを150℃で2時間加熱処理した時の加熱処理前後のヘイズ値上昇が0.5%以下であることを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0013】
第3の発明は、前記透明導電性フィルムの全光線透過率が84%以上であることを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0014】
第4の発明は、前記塗布層を構成する樹脂組成物が共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂を含むことを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0015】
第5の発明は、前記塗布層を構成する樹脂組成物が分岐したグリコール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂及びブロック型イソシアネート基を含有する樹脂を含むことを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0016】
第6の発明は、前記二軸延伸ポリエステルフィルム中の環状3量体の含有量が5000ppm以下であることを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0017】
第7の発明は、前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を形成していない表面に、架橋型樹脂からなる薄膜層を設けることを特徴とする第1の発明に記載のポリエステルフィルムである。
【0018】
第8の発明は、第7の発明に記載の架橋型樹脂が、イソシアネート系樹脂および/またはエポキシ系樹脂からなることを特徴とする透明導電性フィルムである。
【0019】
第9の発明は、前記透明導電性薄膜の厚みが80nm以上であることを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0020】
第10の発明は、第9の発明に記載の透明導電性フィルムを150℃、3時間加熱した際の30mm×30mmのサイズにおける反り量が2mm以下であることを特徴とする透明導電性フィルムである。
【0021】
第11の発明は、150℃で3時間熱処理したときの熱収縮率が0.2%以下であることを特徴とする第9の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0022】
第12の発明は、前記透明導電性フィルムが450〜600nmの波長範囲内で光線透過率が最高値を有し、かつこの最高値が80〜97%であることを特徴とする第9の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0023】
第13の発明は、表面抵抗率が10〜100Ω/□であることを特徴とする第12の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0024】
第14の発明は、前記透明導電性薄膜の上に誘電体薄膜を積層したことを特徴とする第12の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0025】
第15の発明は、第1〜14の発明に記載の透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上に、発光層、誘電体層、背面電極層、絶縁層の順に積層したことを特徴とするエレクトロルミネッセンスパネルである。
【0026】
第16の発明は、前記発光層の発光波長λEと第12の発明に記載の透明導電性フィルムの光線透過率が最高値を有する波長λIが、下記式を満足することを特徴とするエレクトロルミネッセンスパネルである。
λI −50nm ≦ λE ≦ λI+50nm
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0028】
本発明において、塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムは透明導電性フィルムの基材として用いられる。二軸配向ポリエステルフィルムの原料樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体が挙げられるが、なかでもポリエチレンテレフタレートが特に好適である。
【0029】
二軸配向ポリエステルフィルムを形成する樹脂として、ポリエステル共重合体を用いる場合、ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット酸等の多官能カルボン酸等が用いられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸グリコール;p−キシレングリコール等の芳香族グリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコール等が用いられる。好ましい共重合体の比率は20%未満である。20%以上ではフィルム強度、透明性、耐熱性が劣る場合がある。また、上記ポリエステル系樹脂には、各種の添加剤が含有されていても良い。添加剤として、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙げられる。また、前記の二軸配向ポリエステルフィルムには、透明性の点から粒子を含有させないことが好ましい。
【0030】
また、二軸配向ポリエステルフィルムの出発原料であるポリエステル樹脂の固有粘度は、0.45〜0.70dl/gの範囲が好ましい。固有粘度が0.45dl/g未満であると、ポリエステルフィルム延伸時に破断が多発しやすくなる。一方、固有粘度が0.70dl/gを超えると、濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難となりやすい。
【0031】
二軸配向ポリエステルフィルムは、その少なくとも片面に塗布層を設ける必要がある。前記塗布層は、未延伸または一軸延伸後のポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けられ、その後少なくとも一軸方向に延伸・熱固定処理するインラインコート法により積層することが好ましい。インラインコート法により積層された塗布層中に適切な粒径の微粒子を含有させ、滑り性を改善することで、良好な巻き取り性、耐スクラッチ性を付与することができる。このため、二軸配向ポリエステルフィルム中に微粒子を含有させる必要がなく、高透明性を保持することができる。
【0032】
前記塗布層を構成する樹脂組成物は、共重合ポリエステル系樹脂(A)及びポリウレタン系樹脂(B)を含有していることが好ましい。共重合ポリエステル系樹脂単独では、ポリエステルフィルムとの接着性は十分であるが、ハードコートに用いられるアクリル系樹脂との接着性が不十分になりやすい。また、ポリウレタン系樹脂単独ではアクリル系樹脂との接着性には優れるが、ポリエステルフィルムとの接着性が不十分になりやすい。
【0033】
前記共重合ポリエステル系樹脂(A)は、ジカルボン酸成分と分岐したグリコール成分を構成成分とすることが特に好ましい。前記の分岐したグリコール成分とは、例えば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0034】
上記の分岐したグリコール成分は、全グリコール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合で、さらに好ましくは20モル%以上の割合で含有される。上記化合物以外のグリコール成分としては、エチレングリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いても良い。
【0035】
また、共重合ポリエステル系樹脂(A)の他の構成成分である、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。前記ジカルボン酸成分の他に、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフタル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好ましく、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジカルボン酸および5−(4−スルフォフェノキシ)イソフタル酸及びその塩類等を挙げることができる。
【0036】
前記ポリウレタン系樹脂(B)は、例えば、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂であって、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以後、ブロックと略す)した、熱反応型の水溶性ウレタンなどが挙げられる。上記イソシアネート基のブロック化剤としては、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノール類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性メチレン化合物類等が挙げられる。
【0037】
ブロック化されたイソシアネート基は、ウレタンプレポリマーを親水化あるいは水溶化する。フィルムへの塗布後、乾燥工程あるいは熱固定処理工程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロック化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹脂は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエステル樹脂を固定化するとともに、上記樹脂の末端基等とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完了すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。
【0038】
上記ブロック化剤のうち、熱処理温度、熱処理時間が適当で、工業的に広く用いられるものとして、重亜硫酸塩類が最も好ましい。
【0039】
上記ポリウレタン系樹脂(B)において使用される、ウレタンプレポリマーの化学組成としては、(a)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは分子内に少なくとも2個の活性水素原子を有する分子量が200〜20,000の化合物、(b)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは、(c)分子内に少なくとも2個活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得られる、末端イソシアネート基を有する化合物が好適である。
【0040】
上記(a)の化合物として一般に知られているのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。
【0041】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド及び、プロピレンオキシド等アルキレンオキシド類、あるいはスチレンオキシドおよびエピクロルヒドリン等を重合した化合物、あるいはそれらのランダム重合、ブロック重合あるいは多価アルコールへの付加重合を行って得られた化合物がある。
【0042】
ポリエステルポリオール及びポリエーテルエステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは分岐状の化合物が挙げられる。コハク酸、アジピン酸、フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和あるいは不飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれらアルコール類の混合物とを縮合することにより得ることができる。
【0043】
さらに、ポリエステルポリオールとしては、ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステル類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド等を付加せしめたポリエーテルエステル類も使用することができる。
【0044】
上記(b)の有機ポリイソシアネートとしては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネート類が挙げられる。
【0045】
上記(c)の少なくとも2個の活性水素を有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノアルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリコール類、あるいは水が挙げられる。
【0046】
ウレタンプレポリマーを合成するには通常、上記鎖伸長剤を用いた一段式あるいは多段式イソシアネート重付加方法により、150℃以下、好ましくは70〜120℃の温度において、5分ないし数時間反応させる。活性水素原子に対するイソシアネート基の比は、1以上であれば自由に選べるが、得られるウレタンプレポリマー中に遊離のイソシアネート基が残存することが必要である。さらに、遊離のイソシアネート基の含有量は10重量%以下であればよいが、ブロック化された後のウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、7重量%以下であることが好ましい。
【0047】
得られた上記ウレタンプレポリマーは、好ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化を行う。重亜硫酸塩水溶液と混合し、約5分〜1時間、よく攪拌しながら反応を進行させる。反応温度は60℃以下とするのが好ましい。その後、水で希釈して適当な濃度にして、熱反応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用する際、適当な濃度および粘度に調製するが、通常80〜200℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が解離し、活性なイソシアネート基が再生するために、プレポリマーの分子内あるいは分子間で起こる重付加反応によってポリウレタン重合体が生成したり、また他の官能基への付加を起こす性質を有するようになる。
【0048】
上記で説明したブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B´)の1例としては、第一工業製薬(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネート基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水性を有する、カルバモイルスルホネート基が存在するため、水溶性となっている。
【0049】
本発明で使用される、分岐したグリコール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(A´)およびブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B´)を混合して塗布液を調製する場合、樹脂(A´)と樹脂(B´)の重量比は(A´):(B´)=90:10〜10:90が好ましく、更に好ましくは(A´):(B´)=80:20〜20:80の範囲である。固形分重量に対する上記樹脂(A´)の割合が10重量%未満では、基材フィルムへの塗布性が不良で、表面層と該フィルムとの間の接着性が不十分となる。固形分重量に対する上記樹脂(B´)の割合が10重量%未満の場合には、UV硬化タイプのハードコートにおいては実用性のある接着性が得られない。
【0050】
本発明において、塗布層形成のための塗布液として、水性塗布液を用いるのが好ましい。水性塗布液の組成物には、接着性を阻害しない範囲で、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、有機フィラーおよび潤滑剤等の種々の添加剤を混合してもよい。さらに、塗布液が水性であるため、接着性を阻害しない範囲で、他の水溶性樹脂、水分散性樹脂およびエマルジョン等を塗布液に添加してもよい。
【0051】
前記水性塗布液には、熱架橋反応を促進させるために、触媒を添加しても良く、例えば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用いられる。また水溶液のpHを調節するために、アルカリ性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。
【0052】
上記水性塗布液を基材フィルム表面に塗布する際には、前記フィルムへの濡れ性を向上させ、塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン性活性剤およびノニオン性の界面活性剤を必要量添加することが好ましい。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコール等のアルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未満となるまで混合してもよい。
【0053】
さらに、10重量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類とその他の有機溶剤との合計量は、50重量%未満とすることが好ましい。有機溶剤の添加量が50重量%未満であれば、塗布後の乾燥性が向上するとともに、水のみの場合と比較して塗布層の外観が良好となる。50重量%以上では、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液の濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下するために、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらには火災などの危険性も考えられる。
【0054】
また、塗布量(フィルム単位面積当りの固形分重量)は、0.05〜0.50g/m2が好ましい。塗布量が0.05g/m2未満であると、接着性が不十分となる。塗布量が0.50g/m2を超えると、全光線透過率が低下し、好ましくない。
【0055】
塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムは、全光線透過率が90%以上である必要があり、91%以上が好ましく、特に好ましくは92%以上である。全光線透過率が90%未満であると、透明導電性フィルムとしての全光線透過率が不十分であり、好ましくない。
【0056】
塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの全光線透過率を90%以上にするためには、基材フィルム中に粒子を含有させないことが好ましい。基材フィルム中に粒子を含有しない場合、塗布層に耐スクラッチ性、フィルムの巻き上げ性を向上させるために、塗布層中に適切な粒子を含有させることが好ましい。
【0057】
かかる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、ガラスフィラー、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、二硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シリコン樹脂粒子シュウ酸カルシウム、等の有機粒子を挙げることができる。なかでもシリカ粒子はポリエステル樹脂と屈折率が比較的近く、高透明のフィルムを得やすいため最も好適である。
【0058】
塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの塗布層中には、2種類の粒子(粒子A及び粒子B)を含有させることが好ましい。粒子Aの平均粒径は20〜300nmが好ましく、さらに好ましくは30〜100nmである。粒子Aの平均粒径が20nm未満であると、耐スクラッチ性が悪化する傾向がある。一方、粒子Aの平均粒径が300nmを超えると、全光線透過率が低くなる傾向がある。
【0059】
本発明では、粒子Aに粒子Bを併用することで、耐スクラッチ性をさらに向上させることができる。粒子Bの平均粒径は300〜1000nmが好ましく、さらに好ましくは400〜800nmである。粒子Bの平均粒径が300nm未満であると、耐スクラッチ性が悪化する傾向がある。一方、粒子Bの平均粒径が1000nmを超えると、全光線透過率が低くなる傾向がある。また、粒子Bは一次粒子が凝集した凝集粒子であることが好ましい。粒子Bの凝集状態での平均粒径と一次粒子との平均粒径の比を6倍以上とすることは、耐スクラッチ性の点から特に好ましい。
【0060】
さらに、塗布層中の粒子Aと粒子Bの含有量比(A/B)を5〜30とし、かつ粒子Bの含有量を塗布層の固形分に対し0.1〜1重量%とすることは、塗布層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SRa)を0.002〜0.010μmとするのに好適であり、上記範囲になるようそれぞれの粒子含有量を設定することが必要である。 特に、塗布層の樹脂組成物に対し、粒子Bの含有量が1重量%を超えると、全光線透過率の低下が著しい。上記に記載した塗布層の樹脂組成物とは、樹脂A、樹脂B、粒子A、及び粒子Bからなる固形分を意味する。
【0061】
さらに、塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの全光線透過率を90%以上にするためには、塗布液及び基材ポリエステルフィルム中の異物の除去、及び未延伸シート作成時のシート全体(特に、チルロールに接触しない面)を急冷することが有効である。
【0062】
塗布液を精密濾過するための濾材は、濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が25μm以下であることが好ましい。濾過粒子サイズが25μmを超えると、粗大凝集物の除去が不十分となりやすい。そのため、濾過で除去できなかった粗大凝集物は、塗布乾燥後の一軸延伸又は二軸延伸工程での延伸応力により広がって、100μm以上の凝集物として認識され、フィルムの全光線透過率を低下させる原因となる。
【0063】
塗布液を精密濾過するための濾材のタイプは、上記性能を有していれば特に限定はなく、例えば、フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。塗布液を精密濾過するための濾材の材質は、上記性能を有しかつ塗布液に悪影響を及ばさない限り特に限定はなく、例えば、ステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
【0064】
基材ポリエステルフィルムについても、原料ポリエステル樹脂中に含まれている異物を除去するために、溶融押出しの際に溶融ポリエステル樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で、高精度濾過を行う。溶融ポリエステル樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物(触媒やコンタミ起因)及び高融点ポリエステルの除去性能に優れ好適である。溶融ポリエステル樹脂の高精度濾過に用いられる濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)は15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやすい。濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が15μm以下の濾材を使用して溶融ポリエステル樹脂の高精度濾過を行うことにより生産性が低下する場合があるが、全光線透過率の高い二軸配向ポリエステルフィルムを得るには極めて好適である。
【0065】
前記高精度濾過において濾材を通過する微細な異物であっても、未延伸ポリエステルシート製造時の冷却過程で異物の周囲で結晶化が進み、これが延伸工程において延伸の不均一性を引き起こし、微小な厚みの差異を生じせしめレンズ状態となる。ここでは光はレンズがあるかの様に屈折又は散乱し、肉眼で観察した時には実際の異物より大きく見える様になる。この微小な厚みの差は、凸部の高さと凹部の深さの差として観測することができ、凸部の高さが1μm以上で、凸部に隣接する凹部の深さが0.5μm以上であると、レンズ効果により、大きさが20μmの形状の物でも肉眼的には50μm以上の大きさとして認識され、さらには100μm以上の大きさの光学欠点として認識される場合もある。高透明なフィルムを得るためには、基材フィルム中に易滑性を付与するための粒子を含有させない方が望ましいが、粒子添加量が少なく透明性が高い程、微小な凹凸による光学欠点はより鮮明となる傾向にある。また、厚手のフィルムの表面は薄手のフィルムより急冷となりにくく、結晶化が進む傾向にあるため、未延伸シート作成時フィルム全体を急冷することが必要となる。未延伸シートを冷却する方法としては、溶融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート上に押し出し、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させながら、急冷してシートとする公知の方法が適用できる。このシート状物のエア面(冷却ドラムと接触する面との反対面)を冷却する方法としては、高速気流を吹きつけて冷却する方法が有効である。
【0066】
次に、本発明の透明導電性フィルムの基材として用いる塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)を例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
【0067】
粒子を実質的に含有していないPET樹脂ペレットを十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押出しし、冷却固化せしめて未延伸PETシートを製膜する。この際、溶融樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために前記高精度濾過を行う。
【0068】
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向あるいは長手方向に1〜12%の弛緩処理を施してもよい。
【0069】
この工程中の任意の段階で、PETフィルムの片面もしくは両面に、前記の共重合ポリエステル及びポリウレタン樹脂の水溶液を塗布する。上記水性塗布液を塗布するには、公知の任意の方法で行うことができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法およびカーテン・コート法などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
【0070】
上記水性塗布液を塗布する工程は、通常の塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材PETフィルムに塗布する工程でもよいが、PETフィルムの製造工程中に塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好ましくは、結晶配向が完了する前の基材PETフィルムに塗布する。
【0071】
水性塗布液中の固形分濃度は、30重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは10重量%以下である。該水性塗布液が塗布されたPETフィルムは、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そこで加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、積層PETフィルムとなる。さらに、塗布層上に他の層を積層する際、他の層と良好な密着性を得るためには、PETフィルムへの塗布量が0.05g/m2以上であって、100℃、1分以上の熱処理が必要である。
【0072】
塗布層を有する二軸配向PETフィルムの塗布層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SRa)は、0.002〜0.010μmである必要があり、0.0025〜0.0080μmが好ましく、0.0030〜0.0060μmが特に好ましい。SRaが0.002μm未満の平滑な表面では耐スクラッチ性が悪化し、好ましくない。一方、SRaが0.010μmを超えると、全光線透過率が低下し透明性が悪化するため、透明導電性フィルムの基材として好ましくない。
【0073】
粒子Aと粒子Bの含有量及びその比率、さらに塗布量を前記範囲内にすることは、本発明で規定したSRa及び全光線透過率の範囲内にするのに好適であり、透明性と耐スクラッチ性を両立させるのに有効である。
【0074】
このようにして得られた塗布層を有する二軸配向PETフィルムは、透明性、接着性に優れ、かつ後加工の工程において耐スクラッチ性に優れるという特徴を有している。そのため、以下に述べるような透明導電性薄膜の基材フィルムとして好適である。
【0075】
二軸配向PETフィルムの厚みは、10μmを越え、300μm以下の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは70〜260μmの範囲である。前記フィルムの厚みが10μm以下の場合、フィルムの腰(スティッフネス)が不十分となり、耐久性が劣る傾向がある。一方、300μmを越えると、光線透過率が高くなり好ましくない。また、軽量というフィルムの特徴がいかせなくなる。
【0076】
二軸配向PETフィルムは、本発明の目的を損なわない程度に、コロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処理を行なってもよい。
【0077】
塗布層を有する二軸延伸PETフィルムを基材として用いた透明導電性フィルムは、ELパネルの透明電極として用いる際に、回路加工等の印刷工程で100〜150℃の加熱処理が行なわれる。この加熱処理により、ヘイズ値の上昇や白色状の外観欠点が発生することがある。
【0078】
そこで、本発明者らは、二軸配向PETフィルムの加熱処理後におけるヘイズ値の上昇と白色状欠点の主要因が、オリゴマーの主成分である環状3量体であることに着目し、鋭意検討の結果、原料となるPET樹脂中に含まれる環状3量体の含有量とPETフィルム製膜工程でのキャスティングまでの滞留時間が、フィルム中の環状3量体の含有量に最も影響することを解明した。
【0079】
その結果、フィルム中に含まれる環状3量体の含有量を5000ppm以下に、さらに好ましくは4500ppm以下にすることで、加熱処理後のヘイズ値の上昇を抑制できることが分かった。
【0080】
環状3量体に代表されるオリゴマーの量を低減するために、まず原料のPET樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気下、特定の加圧及び温度範囲で特定時間の低オリゴマー化処理を行なうことが好ましい。
【0081】
加圧条件は1気圧より高く2気圧以下が好ましく、1気圧より高く1.4気圧以下が特に好ましい。また、加熱温度は180℃以上250℃以下が好ましく、200℃以上230℃以下が特に好ましい。さらに、処理時間は12時間以上36時間以下が好ましい。
【0082】
このとき、雰囲気下に酸素が存在すると酸化反応による着色などの問題が発生し、水蒸気が存在すると加水分解反応によって、PETの重合度が低下し、フィルムの強度が低下するなどの問題が発生する。不活性ガス雰囲気下における気圧が1気圧より低い場合には、外気とともに酸素や水蒸気が侵入しないよう特別に設計された装置が必要となる。一方、不活性ガス雰囲気下における気圧を2気圧より高くしても、オリゴマーの低減効果は変わらない。
【0083】
低オリゴマー化処理の温度が250℃より高い場合、PET樹脂の融着や溶融、変色などの問題が発生しやすくなる。一方、前記温度が180℃より低い場合、オリゴマーの低減効果が不十分となりやすい。また、処理時間が12時間より短い場合には、オリゴマーの低減効果が不十分となりやすい。一方、処理時間を36時間より長くしても、フィルムの熱処理によるヘイズ値上昇に及ぼす効果は変わらない。
【0084】
PET樹脂の低オリゴマー化処理に引き続き、触媒活性を低下させる失活処理を併用することが好ましい。例えば、酸化、還元、水和などの化学処理、および/または音波、電磁波照射などの物理処理により、触媒活性を低下または失わせる処理を行っても良い。また、PETのアルコール末端に例えばエーテル化などの化学修飾を施して環状3量体などのオリゴマー再生反応を抑止しても良い。
【0085】
このような触媒の失活処理やオリゴマー再生抑止処理を行わない場合、フィルムの製造の際に原料PET樹脂を再溶融すると、時間の経過とともにオリゴマーが再生する。従って、PET樹脂を再溶融してから押し出し冷却するまでの滞留時間を20分以内、より好ましくは12分以内に制御することにより、二軸配向PETフィルム中の環状3量体の含有量を5000ppm以下に抑制し、加熱後のヘイズ値の上昇が少ないフィルムを製造することができる。
【0086】
また、フィルム製膜時の熱固定処理により、フィルム表面にオリゴマーが偏析することがあるが、この表面オリゴマー量を0.5mg/m2以下にすることで、回路加工等の印刷工程の加熱処理によるヘイズ値の上昇や白色状の外観欠点の発生をより少なくすることができる。表面オリゴマー量を0.5mg/m2以下とするためには、フィルム製膜時の熱固定処理温度を235℃以下にすることが好ましく、230℃以下にすることが特に好ましい。
【0087】
さらに、加熱処理によるヘイズ値の上昇を抑えるためには、透明導電性フィルムの透明導電層を形成していない表面に、架橋型樹脂からなる薄膜層を設けておくことも有効な手段である。この架橋型樹脂からなる薄膜層により、加熱によりフィルム中から析出してくるオリゴマーをブロックすることが可能となり、回路加工等の印刷工程の加熱処理によるヘイズ値の上昇や白色状の外観欠点が発生することがなくなる。このように低分子量であるオリゴマーをブロックするためには、架橋型樹脂の架橋網目構造がオリゴマーよりも小さくする必要がある。このような網目構造を得るためには、架橋型樹脂に架橋点が多く、かつ、分子量の低い架橋型樹脂が好ましい。すなわち、この架橋型樹脂からなる薄膜層は3官能以上の多官能架橋型樹脂からなり、さらに該官能基同士および/または該官能基と該薄膜層にあらかじめ添加された2官能性樹脂や水との反応の結果生成される。
【0088】
前記架橋型樹脂からなる薄膜層は、主な多官能架橋型樹脂成分として、多官能イソシアネート系樹脂および/または多官能エポキシ系樹脂を含有させることが好ましい。
【0089】
架橋型樹脂からなる薄膜層に使用される多官能イソシアネート系樹脂や多官能エポキシ系樹脂としては、初期分子量が3官能基あたり2000以下の樹脂が好ましい。より好ましくは1500以下、特に好ましくは1000以下の樹脂である。また、官能基間の化学結合数の最小値が50以下の樹脂も好ましい。より好ましくは30以下、特に好ましくは20以下の樹脂である。
【0090】
初期分子量や官能基間の化学結合数が多すぎる場合には、反応により形成される架橋網目構造の網目が大きくなり過ぎ、白化抑制効果が不十分になる傾向があり好ましくない。
【0091】
多官能性イソシアネート系樹脂としては、低分子または高分子の芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートが挙げられる。
【0092】
3価以上のポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート化合物の3量体がある。さらに、これらのイソシアネート化合物の過剰量と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物、またはポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類などの高分子活性水素化合物とを反応させて得られる、末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0093】
多官能性エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0094】
一方、官能基間の化学結合数が7以下の場合には、生成した架橋型樹脂からなる薄膜層を曲げた際に亀裂が入りやすくなったり、カールが発生しやすくなる場合がある。これを緩和するために他の樹脂を混合しても構わない。他の樹脂の混合量は、イソシアネート系樹脂および/またはエポキシ樹脂からなる架橋型樹脂に対して、70重量%以下が好ましい。70重量%を越える混合量では、架橋の網目が大きくなってしまい、加熱時の白化抑制効果が不十分となってしまう。
【0095】
前記の架橋型樹脂に混合する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらのなかで、共重合ポリエステル系樹脂が最も好ましい。この共重合ポリエステル系樹脂は、グリコール成分とジカルボン酸成分とから構成される。
【0096】
グリコール成分としては、エチレングリコールが最も好ましい。ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを含有しても良い。
【0097】
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。
【0098】
さらに、架橋型樹脂からなる薄膜層の厚さは、オリゴマー析出防止のために、0.05〜3.0μmが好ましい。特に好ましくは、0.1〜2.0μmである。薄膜層の厚さが、3.0μmを超えると、耐屈曲性が不十分となり、0.05μm未満ではオリゴマー析出防止効果が不十分となる。
【0099】
架橋型樹脂からなる薄膜層を塗布層を有する二軸配向PETフィルム上に積層する方法としては、コーティング法が好ましい。また、架橋型樹脂を含む塗布液には、熱架橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例えば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用いられる。
【0100】
コーティング法としては、エアドクタコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、正回転ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ビードコート法、スリットオリフェスコート法、キャストコート法などが用いられる。
【0101】
この後、架橋構造を付与するために、コーティング後に、加熱、紫外線、または電子線照射によりエネルギーを印加する。
【0102】
また、架橋型樹脂を含む塗布液をフィルムに塗布する際、さらに密着性を上げるために、予めフィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処理を行なってもよい。
【0103】
本発明における透明導電性薄膜としては、透明性及び導電性をあわせもつ材料であれば特に制限はないが、代表的なものとしては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物等の薄膜が挙げられる。これらの化合物薄膜は、適切な作成条件で製造することで、透明性と導電性をあわせもつ透明導電性薄膜となることが知られている。
【0104】
透明導電性薄膜の作成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、上記材料の種類および必要膜厚に応じて、適宜公知の方法を用いることができる。
【0105】
例えば、スパッタリング法の場合、化合物を用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。蒸着法、CVD法などの他の作成方法においても同様である。
【0106】
透明導電性薄膜の表面抵抗率を低くするためには、一般的には透明導電性薄膜の膜厚を厚くすればよいが、逆に光線透過率が低下するという問題がある。さらに、透明導電性薄膜の膜厚を厚くしすぎると、ELパネル作成時の加熱処理により、カールが発生しやすくなり、その結果著しく生産性が低下する恐れもある。
【0107】
しかしながら、本発明者らは、透明導電性薄膜の膜厚をある程度厚くすると、光線透過率が向上することを見い出した。例えば、インジウム−スズ複合酸化物薄膜の場合、80nm以上の膜厚にすると光線透過率が向上してくる。これは、透明導電性薄膜の表面での反射光と、二軸配向PETフィルムと透明導電性薄膜との界面での反射光とが干渉して打ち消しあうことで反射光が減り、この反射光の減少分により透過光が増えることになり、光線透過率が向上するためと考えられる。すなわち、透明導電性薄膜の屈折率をN、透明導電性薄膜の膜厚をD、光線透過率を最高にしたい波長をλとすると、
N×D=(λ/2)×n
を満足するように、透明導電性薄膜の膜厚を調整すればよい。ここで、nは1以上の整数である。
【0108】
例えば、550nmでの光線透過率を最高にしたい場合には、屈折率が2であるインジウム−スズ複合酸化物薄膜を用いた場合、膜厚を137.5nm、275.0nm、412.5nm(n=1、2、3に対応する)などとすればよい。
【0109】
光線透過率が最高になる波長は、450nm以上600nm以下であることが好ましい。450nmよりも低波長では、可視光の波長よりも短いために、ELパネルに用いた際に発光輝度が向上しない。また、600nmよりも長波長で設計すると、500nm程度の波長の透過率が不十分となり、結果的にはやはりELパネルに用いた際に発光輝度が向上しない。
【0110】
また、設計波長での透過率は80%以上97%以下であることが好ましい。光線透過率を高いものにするためには、前述の通り反射光は干渉効果により最小値となるように設計してあるので、透明導電性薄膜での吸収を小さくしなければならない。そのためには、透明導電性薄膜の酸化度をできるだけ高くしたほうがよい。しかしながら、光線透過率が97%を越えるほど酸化度を高めてしまうと、表面抵抗率が非常に高くなりすぎ、ELパネルの透明電極として適さない。
【0111】
透明導電性フィルムの表面抵抗率は、10〜100Ω/□の範囲内であることが好ましい。表面抵抗率を10Ω/□よりも低くするためには、透明導電性薄膜の膜厚を非常に厚くする必要があるため、曲げ加工などの特性が不十分となり、さらに製造コストも非常に高くなる。一方、表面抵抗率が100Ω/□よりも高い場合、ELパネルに用いた際に発光輝度の向上が不十分となる。
【0112】
また、単に透明導電性薄膜の膜厚を80nm以上と厚くしただけでは、後工程での印刷工程において加熱処理した際にカールが生じやすくなる。そのため、工程通過性が悪くなり、生産性の低下を招くことがある。このため、透明導電性フィルムの150℃で3時間の熱処理した際の30mm×30mmのサイズにおける反り量を2mm以下とすることが好ましい。反り量を2mm以下にするためには、透明導電性フィルムの寸法収縮率を、150℃で3時間熱処理した後で、0.2%以下とすることが好ましい。150℃で3時間熱処理した後の寸法収縮率が0.2%を超えると、ELパネル製造時の印刷工程において、カールが発生しやすくなる。そのため、工程通過性を悪くし、生産性が低下する傾向がある。熱処理による寸法変化を小さくするためには、透明導電性フィルムに予め熱処理を行なっておくことや前記の架橋型樹脂からなる薄膜層を設けることが好ましい。
【0113】
透明導電性フィルムの熱処理を行う工程は、透明導電性薄膜を形成する前の塗布層を有する二軸配向PETフィルム製造後でもよいし、塗布層を有する二軸配向PETフィルムの製造時でもよい。生産性の観点からは、後者のほうが好ましい。
【0114】
塗布層を有する二軸配向PETフィルムに熱処理を行なうには、二軸配向PETフィルム製造時の熱固定処理工程で、200〜240℃程度の加熱処理を行う、インライン処理が好ましい。熱固定温度が200℃よりも低温では、後加工時の熱処理後の寸法収縮率を低減する効果が不十分である。一方、240℃を越える高温では、塗布層を有する二軸配向PETフィルムを安定して製膜することが難しくなる。
【0115】
また、オフラインで塗布層を有する二軸配向PETフィルム上に前記の架橋型樹脂を含むコーティング剤を塗布し、このコーティング剤を乾燥、硬化させるために熱処理を施し、この熱により低収縮処理も同時に行ってもよい。
【0116】
架橋型樹脂からなる薄膜層の乾燥、硬化および透明導電性フィルムの寸法収縮率低減のためには、乾燥炉の温度を120〜240℃とすることが好ましい。120℃よりも低温では熱処理後の寸法収縮率を低減する効果が不十分である。一方、240℃を越える高温では塗布層を有する二軸配向PETフィルムの平面性が低下しやすくなる。
【0117】
本発明の透明導電性フィルムは、透明導電性薄膜上に誘電体薄膜を積層することで、ELパネルの透明電極に用いた際の透明導電性フィルムの黒変を抑制することが可能となる。この黒変のメカニズムは、ELパネルに用いた際に発光層に印加する電圧による電子移動により、透明導電性薄膜が還元され黒変するためと考えられる。誘電体薄膜を積層することで透明導電性薄膜への電子移動が抑制され、黒変が発生しにくくなる。
【0118】
本発明で好適に用いられる誘電性材料としては、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化ハフニウム、酸化タリウム、酸化タングステン、酸化白金、酸化ビスマス、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硫酸鉛、炭化シリコン、硫酸ストロンチウム、硫化亜鉛、窒化シリコン、臭化銀、塩化銀などが挙げられ、これら単体もしくは二種類以上の混合物でもよい。
【0119】
これらの材料の中で、酸化チタンが好適に用いられる。酸化チタンは非誘電率が170と非常に大きく、酸化チタン薄膜を積層した本発明の透明導電性フィルムをELパネルに用いた場合、印加電圧を効率的に発光層に印加できるため、発光輝度の低下がほとんど生じない。
【0120】
前記誘電体薄膜を製膜するには、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、上記材料の種類および必要膜厚に応じて、適宜公知の方法を用いることができる。
【0121】
例えば、スパッタリング法の場合、化合物を用いた通常のスパッタリング法、あるいは金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。さらに、必要に応じて、基板を加熱もしくは冷却してもよい。蒸着法、CVD法などの他の作成方法においても同様である。
【0122】
誘電体薄膜の膜厚は1〜300nmの範囲であることが好ましい。膜厚が1nmよりも薄い場合には、透明導電性薄膜の黒変を抑制する効果が不十分である。一方、300nmよりも厚い場合には、透明導電性薄膜の光線透過率を高める光学設計に影響を与えるために、好ましくない。
【0123】
本発明の透明導電性フィルムを用いたELパネルは、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上に、発光層、誘電体層、平面電極層、絶縁層をこの順に積層して作製する。各々の層は、蒸着やスパッタリングなどのドライプロセス法を用いてもよいし、ウェットコートである印刷法を用いてもよいが、製造コストの観点から、印刷法が好ましい。
【0124】
発光層はバインダー樹脂中に発光体粉体を分散させたものである。バインダー樹脂は、発光体粉体を水分から守るために防湿性に優れた樹脂であることが必要であることから、フッ素エラストマーを用いるのが好適である。フッ素エラストマーはフッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、四フッ化エチレン、パーフロロメチルビニルエーテルなどの単体もしくは共重合したものが好ましい。さらに、透明導電性薄膜や誘電体層との付着力を強くするために、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、メタクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコーン系樹脂などをブレンドしてもよい。
【0125】
発光体粉体はZnSを主成分としたものが好ましく、添加する不純物により、可視光領域内で発光波長を選択的に得ることができる。添加する不純物としては、Cu、Ag、Cl、I、Al、Mn、PrF3、NdF3、SmF3、EuF3、TbF3、DyF3、HoF3、ErF3、TmF3、YbF3などから選ぶのが好ましい。
【0126】
これらの発光体粉末の発光波長λEと透明電極に用いた本発明の透明導電性フィルムの光線透過率が最高値を有する波長λIが、
λI−50nm ≦ λE ≦ λI+50nm
の関係式を満足するように設計することで、発光輝度の非常に高いエレクトロルミネッセンスパネルを提供することができる。λEとλIの差が50nmよりも大きくなると、発光輝度の向上が不十分となりやすい。
【0127】
発光体粉体の耐湿性を向上するために、表面に酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化シリコン、酸化マグネシウムなどの防湿性被膜を形成させることが好適である。
【0128】
また、発光層のバインダー樹脂1gに対し、発光体粉体を0.1〜100gの比率で分散させるのが好ましい。0.1g未満では発光輝度が不十分であり、100gよりも多いとバインダーによる接着の効果が不足する。
【0129】
発光層の厚さは1〜100μmの範囲であることが好ましい。1μm未満の厚さではやはり発光輝度が不十分であり、100μmよりも厚い場合は1回の工程で印刷が難しく、生産性の観点から好ましくない。
【0130】
誘電体層は発光層と同様のフッ素エラストマー中に酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどの高誘電率を有する粉体を分散させたものを積層する。誘電体層の厚さは1〜100μmの範囲であることが好ましい。1μm未満の厚さでは背面電極から発光層へのリーク電流が多くなり、発光輝度が低下してしまう。100μmよりも厚い場合は1回の工程で印刷が難しく、生産性の観点から好ましくない。
【0131】
背面電極はポリエステル樹脂中にカーボンおよび/または銀の粉体を分散させたものを印刷する。印刷層の厚さは1〜100μmの範囲であることが好ましい。1μm未満の厚さでは背面電極の表面抵抗率が高くなりすぎ、やはり発光輝度が不十分であり、100μmよりも厚い場合は1回の工程で印刷が難しく、生産性の観点から好ましくない。背面電極の表面抵抗率は0.1〜500Ω/□が好適である。0.1Ω/□未満とするためには、背面電極の厚さをかなり厚くしなければならず、生産性の点から好ましくない。一方、500Ω/□よりも高表面抵抗率では、印加電圧を効率良く発光層に印加することができず発光輝度が低下してしまう。
【0132】
絶縁層はポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、メタクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコーン系樹脂などを主成分としたものを1〜100μmの範囲で印刷することが好ましい。1μm未満の厚さでは絶縁の効果が不十分であり、100μmよりも厚い場合は1回の工程で印刷が難しく、生産性の点から好ましくない。
【0133】
また、本発明においては、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を形成していない表面に、ELパネル作製時の工程で発生する擦り傷等を防止するために、ハードコート処理層を設けたり、LCDと密着した際のニュートンリング発生を抑制するために凹凸処理層を設けたり、透明導電性フィルムの光線透過率をさらに高めるために反射防止処理層を設けたりしてもよい。
【0134】
ハードコート処理層としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの硬化性樹脂を、単体もしくは混合した架橋性樹脂硬化物層が好ましい。
【0135】
ハードコート処理層の厚さは3〜50μmの範囲が好ましく、特に好ましくは4〜30μmの範囲である。厚さが3μmより薄い場合は、ハードコート処理の機能が十分発現しない。一方、50μmを超える厚さとするためには、前記硬化性樹脂を含む塗布液を透明導電性フィルムに塗布する速度を著しく遅くしなければならず、生産性の点から好ましくない。
【0136】
ハードコート処理層を積層する方法としては、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を設けた面の反対側の面に、上記の硬化性樹脂を含む塗布液をグラビア方式、リバース方式、ダイ方式などにより、透明導電性フィルムにコーティングした後、熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加して硬化させる。
【0137】
凹凸処理層は、硬化性樹脂をコーティング、乾燥後にエンボスロール、エンボスフィルムなどでコーティング層表面に凹凸を形成し、この後熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加することで、硬化させる。硬化性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの単体もしくは混合したものが好ましい。または、樹脂中に無機または/および有機フィラーを混合しても良い。
【0138】
反射防止処理層には、二軸配向PETフィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単層もしくは2層以上積層することが好ましい。単層構造の場合、二軸配向PETフィルムよりも小さな屈折率を有する材料を用いるのがよい。また、2層以上の多層構造とする場合は、二軸配向PETフィルムと隣接する層は、二軸配向PETフィルムよりも大きな屈折率を有する材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶのがよい。このような反射防止処理層を構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定されないが、例えば、CaF2、MgF2、NaAlF4、SiO2、ThF4、ZrO2、Nd23、SnO2、TiO2、CeO2、ZnS、In23、などの誘電体を用いるのが好ましい。
【0139】
この反射防止処理層を積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセスでもよい。
【0140】
さらに、このハードコート処理層、凹凸処理層、反射防止処理層の積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の処理を施してもよい。
【0141】
本発明の透明導電性フィルムは、特にエレクトロルミネッセンスパネルに好適であるが、タッチパネルの部材としても使用することができる。タッチパネルとは、透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるものである。このタッチパネルは、透明導電性フィルム側より、ペンにより文字入力したときに、ペンからの押圧により、対向した透明導電性薄膜同士が接触し、電気的にONになり、ペンのタッチパネル上での位置を検出するものである。この透明導電性薄膜を有する一対のパネル板の一方もしくは両方に、本発明の透明導電性フィルムを用いることで、光線透過率が高く、かつ加熱処理による外観欠点の少ないタッチパネルを作製することができる。
【0142】
【実施例】
次に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で、各特性の評価に用いた測定方法は以下の通りである。
【0143】
(1)ポリエステルの固有粘度
フェノール60重量%と1,1,2,2,−テトラクロロエタン40重量%の混合溶媒に、ポリエステルを溶解し、固形分を実質的に濾過した後、30℃にて測定した。
【0144】
(2)ポリエステルの環状3量体の含有量
試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム混合液に溶解し、さらにクロロホルムを加えて希釈する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルホルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレート単位から構成される環状3量体を定量した。
【0145】
(3)接着性
二軸配向ポリエステルフィルムの塗布面に、#8ワイヤバーを用いてハードコート剤(大日精化社製、セイカビームEXF01(B))を塗布し、70℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、高圧水銀灯で200mJ/cm2、照射距離15cm、走行速度5m/分の条件下で、厚み3μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準じた試験方法で接着性を求めた。具体的には、易接着層を貫通して基材フィルムに達する100個の升目状の切り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405番;24mm幅)を升目状の切り傷面に張り付け、消しゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がして目視により下記の式から接着性を求めた。
接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100
【0146】
(4)耐スクラッチ性
透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を積層していない面を、幅1000mmにスリットしたフィルムを、直径220mm、回転抵抗1kgのハードクロムメッキ処理されたフリーロール(表面粗度Ra:100nm)上を走行させる。この時の走行条件は、走行速度を10m/分、巻き付け角を60゜、走行張力を10kgとした。この処理によりフィルム表面に入った傷を、白金蒸着し、顕微鏡で観察した。幅3μm以上でかつ長さ500μm以上の傷の本数を面積1m2あたりカウントし、下記のような基準で判定した。
【0147】
◎:10本未満
○:10本以上20本未満(実用的には使用可能)
×:20本以上
【0148】
(5)全光線透過率、ヘイズ値
JIS−K7105に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH−1001DP)を用いて、全光線透過率およびヘイズ値を測定した。
【0149】
(6)三次元中心面平均表面粗さ(SRa)
触針式三次元表面粗さ計(小坂研究所社製、ET−30HK)および三次元粗さ解析装置(小坂研究所社製、SPA−11)を用い、フィルムの塗布層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SRa)を測定した。測定条件は下記の通りである。
【0150】
1)触針先端半径:2μm、2)触針荷重:20mg、3)カットオフ値:80μm、4)X方向測定長さ:1mm、5)X方向送り速さ:100μm/秒、6)X方向サンプルピッチ:0.4μm、7)Y方向送りピッチ:2μm、8)Y方向ライン数:100、9)Z方向倍率:5万倍
【0151】
(7)150℃における熱収縮率
一辺が50mmの正方形に切ったフィルムの対角線の交点を中心に、直径30mmの円を描き、150±3℃に加熱した熱風乾燥機中に、無荷重の状態で一定温度下2時間または3時間放置した。その後フィルムを取り出し、平坦なガラス板に室温で30分間放置した後、デジタイザーによって寸法変化を読み取り、対角線の交点を通る収縮の最大位置の長さB(mm)から下式により求めた。なお、上記手順での測定を3回行ない、その平均値を使用した。
150℃における熱収縮率(%)=(50−B)/50×100
【0152】
(8)表面抵抗率
JIS−K−7194に準拠し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)製のLotest AMCP-T400を用いた。
【0153】
(9)150℃で3時間の熱処理による反り量
30mm×30mmサイズのフィルムを150±3℃で3時間加熱処理し、平坦なガラス板に室温で30分間放置した後、ガラス板上からのフィルムの反り量をノギスで0.1mm刻みで測定する。測定はフィルムの四隅について行ない、その最大値を使用した。単位はmmである。
【0154】
(10)分光光線透過率測定による最高光線透過率とその波長
分光光度計((株)日立製:U-3500)を用いて、300〜800nmの波長の光線透過率を測定し、この範囲内の最高光線透過率とその波長を測定した。
【0155】
(11)ELパネルの発光輝度
透明導電性薄膜と背面電極の間に、100Vrms、400Hzの正弦波を印加して、このパネルの輝度を色彩色度計(ミノルタ製:CS−100)を用いて測定した。
【0156】
(12)ELパネルの寿命時間
ELパネルを発光させたまま、温度50℃、湿度90%RHに管理された恒温恒湿槽中に放置し、直径1mm以上の黒点が発生した時点までの発光時間を寿命時間(Hr)とした。
【0157】
(13)ELパネルの印刷ズレ
ELパネルの印刷ズレをノギスで0.1mm刻みで測定し、下記基準で判定した。○は実用上使用可能レベルである。また、×は上下電極の短絡等を発生する可能性があり、実用上使用することができない。
○:0.3mm未満
×:0.3mm以上
【0158】
(14)ELパネルの外観欠点検査
透明導電性フィルム表面の白化を、ELパネルの点灯及び非点灯の状態で目視観察し、下記基準で判定した。
○:ELパネルが点灯時でも白化が見られない
△:ELパネルが点灯時に白化が見られる
×:ELパネルが非点灯時でも白化が見られる
【0159】
実施例1
(1)塗布液の調整
本発明に用いる塗布液を以下の方法に従って調製した。ジメチルテレフタレート95重量部、ジメチルイソフタレート95重量部、エチレングリコール35重量部、ネオペンチルグリコール145重量部、酢酸亜鉛0.1重量部および三酸化アンチモン0.1重量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。
【0160】
次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6.0重量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)で2時間かけて重縮合反応を行い、分子量19500、軟化点60℃のポリエステル樹脂を得た。
【0161】
得られたポリエステル樹脂(A)の30重量%水分散液を6.7重量部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(B)の20重量%水溶液(第一工業製薬製:商品名 エラストロンH−3)を40重量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:商品名 Cat64)を0.5重量部、水を44.3重量部およびイソプロピルアルコールを5重量部、それぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤の10重量%水溶液を0.6重量部、粒子A(日産化学工業社製:スノーテックスOL、平均粒径40nm)の20重量%水分散液を1.8重量部、粒子B(日本アエロジル社製;アエロジルOX50、平均粒径500nm、平均一次粒径40nm)の4重量%水分散液を1.1重量部添加し塗布液とした。
【0162】
(2)フィルムの製膜
粒子を含有していないポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂ペレットを1.1気圧の窒素気流下、220℃で24時間熱処理し、固有粘度が0.64dl/g、環状3量体の含有量が3000ppmのPET樹脂ペレットを得た。このペレットをPETフィルムの原料樹脂とし、265℃で再溶融して滞留時間6分でスリットダイから押し出し、30℃のロールに接触、冷却固化し、厚さ1750μmの未延伸フィルムを得た。この際、溶融PET樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用いた。
【0163】
次に、この未延伸フィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後、周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。
【0164】
次いで、前記塗布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)25μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で一軸配向PETフィルムの片面に塗布し、乾燥した。この時の粒子Aと粒子Bの含有量比は8であり、粒子Bの含有量は塗布層の樹脂組成物に対し0.42重量%であった。また、得られたフィルムの乾燥後の塗布量は、0.10g/m2であった。塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持して130℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に4.0倍に延伸したのち、230℃の熱固定を施し、厚さ188μmの片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。
【0165】
(3)透明導電性薄膜の製膜
上記の片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムの非塗布面に、インジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を下記方法により製膜した。
【0166】
スズ10重量%含有したインジウム合金をターゲット(三井金属鉱業(株)製)に用いて、2W/cm2のDC電力を印加した。また、Arを130sccm、O2を70sccm流し、0.4Paの雰囲気下で、DCマグネトロンスパッタリング法で製膜した。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、+20Vの5μs幅のパルスを50kHz周期で印加した。また、−10℃の冷却ロールでフィルムを冷却しながら、スパッタリングを行なった。また、膜厚を精度よく制御するために、プラマ発光分析を行ない、特にインジウムの発光である452nmの強度を常時モニターした。この発光強度がインジウム−スズ複合酸化物薄膜の堆積速度に比例するため、発光強度をフィルムの送り速度にフィートバックし、膜厚の制御を行なった。また、雰囲気の酸素分圧をスパッタプロセスモニター(伯東(株)製:SPM200)にて常時観測して、インジウム−スズ複合酸化物薄膜中の酸化度が一定になるように、酸素ガスの流量計およびDC電源にフィードバックした。以上のようにして、インジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を堆積して、透明導電性フィルムを得た。
【0167】
(4)ELパネルの作製
ELパネルを組むための発光層を次のように準備した。
メチルエチルケトン100gに対して、20gのフッ素エラストマー(ダイキン工業(株)製:ダイエル)を溶解させ、さらに200gの硫化亜鉛発光体粉体(オスラム・シルバニア社製:カプセルタイプ#30)を分散させた。この発光体粉体の発光波長は520nmである。これを200メッシュの刷版を用いて、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上にスクリーン印刷した。この後、150℃で60分間乾燥した。乾燥後の厚さは30μmであった。このとき、透明導電性薄膜の電極取出部は塗布せず残しておいた。
【0168】
さらに、誘電層材料としてフッ素エラストマー中にチタン酸バリウム粉体を分散したペースト(藤倉化成(株)製:ドータイト FEL−615)を用い、200メッシュの刷版を用いて発光層上にスクリーン印刷した。この後、150℃で60分間乾燥した。乾燥後の厚さは30μmであった。さらに、背面電極としてカーボンペースト(東洋紡績(株)製:DY−152H−30)を250メッシュの刷版を用いて誘電体層上にスクリーン印刷した。この後、150℃で30分間乾燥した。乾燥後の厚さは20μmであった。また絶縁層として、レジスト(藤倉化成(株)製:ドータイ XB−101G)を200メッシュの刷版を用いて、背面電極層上にスクリーン印刷した。この後、150℃で30分間乾燥した。乾燥後の厚さは20μmであった。以上のようにして、5cm×10cmのサイズのELパネルを組み立てた。
【0169】
実施例2
塗布液の調整において、粒子Aと粒子Bの含有量比を20、粒子Bの含有量を塗布層の樹脂組成物に対して0.17重量%とした以外は、実施例1と同様の方法で片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。なお、塗布液中の固形分濃度は実施例1と同様になるよう、水及びイソプロピルアルコールの添加量を両者の添加量比を一定にしながら調整した。また、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を堆積して、透明導電性フィルムを得た。また、実施例1と同様にしてELパネルを組み立てた。
【0170】
実施例3
滞留時間が12分であること以外は実施例1と同様にして片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。さらに、実施例1と同様に透明導電性薄膜層を設けて、透明導電性フィルムを得た。また、実施例1と同様にしてELパネルを組み立てた。
【0171】
実施例4
1.1気圧の窒素気流下、220℃で24時間熱処理したPET樹脂ペレットの代わりに、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)処理を行なったPET樹脂ペレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。
【0172】
(架橋型樹脂塗液の作製)
3官能イソシアネート系樹脂(日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートL)を用い、架橋のための触媒としてジブチル錫ジラウレート(共同薬品(株)製:KS−1260)を用いた。これらをメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンからなる混合溶剤を表1に記載の比率で溶解し、固形分濃度5重量%の塗布液を作製した。
【0173】
(架橋型樹脂からなる薄膜層の形成)
実施例1と同様にして作製した二軸延伸PETフィルムの塗布面に、上記の塗布液を用い、リバースコート法にて塗工した。この際、メタリングロールとアプリケーターロールとのギャップを50μmとし、180℃で30秒間加熱し、乾燥、架橋を行なった。このときのライン速度は20m/分とした。形成した架橋型樹脂からなる薄膜層の厚さは0.5μmであった。
【0174】
架橋型樹脂からなる薄膜層を形成していない二軸延伸PETフィルム面に、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を形成し、透明導電性フィルムを得た。また、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、ELパネルを作製した。
【0175】
実施例5
3官能エポキシ系樹脂(大日本インキ化学工業(株):CR−5L)を用いて、表1のような固形分濃度5重量%の塗布液を作製した。この塗布液を実施例4と同様に塗工した。また、架橋型樹脂からなる薄膜層の厚さは0.5μmとした。
【0176】
架橋型樹脂からなる薄膜層を形成していない二軸延伸PETフィルム面に、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を形成し、透明導電性フィルムを得た。また、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、ELパネルを作製した。
【0177】
実施例6
3官能イソシアネート系樹脂(日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートL)及び共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製:バイロン200)を用いて、表1のような固形分濃度5重量%の塗布液を作製した。この塗布液を実施例4と同様に塗工した。また、架橋型樹脂からなる薄膜層の厚さは0.5μmとした。
【0178】
前記二軸延伸PETフィルムの架橋型樹脂からなる薄膜層を形成していない面に、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を形成し、透明導電性フィルムを得た。また、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、ELパネルを作製した。
【0179】
実施例7
実施例4と同様にして作製した、架橋型樹脂からなる薄膜層/二軸延伸PETフィルム(塗布層/基材PET層)/透明導電性薄膜からなる積層体の透明導電性薄膜上に、誘電体薄膜として酸化チタン薄膜を製膜した。このとき、ターゲットとしてはチタンを用い、印加電力を8W/cm2とした。また、Arを500sccm、O2を80sccm流し、0.4Paの雰囲気下で、DCマグネトロンスパッタリング法で製膜した。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、+20Vの5μs幅のパルスを100kHz周期で印加した。また、−10℃の冷却ロールにフィルムを巻き、フィルムの冷却を行いながらスパッタリングを行なった。この時、酸化チタンの膜厚は10nmとした。
【0180】
さらに、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてELパネルを組み立てた。
【0181】
比較例1
塗布液の調整において、粒子Aとして平均粒径1400nm(富士シリシア社製:サイリシア310)の凝集体シリカ粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。この時の粒子Aと粒子Bの含有量比は8、粒子Bの含有量は塗布層の固形分に対して0.42重量%であった。なお、塗布液中の固形分濃度は実施例1と同様になるよう、水及びイソプロピルアルコールの添加量を両者の添加量比を一定にしながら調整した。さらに、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を形成し、透明導電性フィルムを得た。この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてELパネルを作製した。
【0182】
比較例2
実施例1において、低オリゴマー処理(1.1気圧の窒素気流下、220℃で24時間熱処理)したPET樹脂を使用せず、135℃で6時間の減圧乾燥(1Torr)処理を行なったPET樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。さらに、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を形成し、透明導電性フィルムを得た。この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてエレクトロルミネッセンスパネルを作製した。
【0183】
比較例3
滞留時間が25分であること以外は実施例1と同様にして、片面に塗布層を有する二軸配向PETフィルムを得た。さらに、実施例1と同様にして透明導電性薄膜を形成し、透明導電性フィルムを得た。この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてELパネルを作製した。
【0184】
比較例4
3官能イソシアネート系樹脂と共重合ポリエステル樹脂を表1に示す比率に変えた以外は実施例6と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。また、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてELパネルを作製した。
【0185】
以上の実施例および比較例について、塗布層を有する二軸延伸PETフィルムの特性を表2に示した。また、透明導電性フィルムの特性を表3及び表4に示した。さらに、これらの透明導電性フィルムを用いて作製したELパネルの特性を表5に示した。
【0186】
【表1】
Figure 0003743560
【0187】
【表2】
Figure 0003743560
【0188】
【表3】
Figure 0003743560
【0189】
【表4】
Figure 0003743560
【0190】
【表5】
Figure 0003743560
【0191】
【発明の効果】
本発明の透明導電性フィルムは、少なくとも片面に塗布層を有する透明性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを基材として使用し、かつ後加工時の加熱処理後も透明性の変化が小さいため、ELパネルに使用した際に、白化などの外観欠点が極めて少なく視認性に優れている。また、本発明の透明導電性フィルムを150℃で3時間加熱処理した際の反り値を2mm以下と小さくすることにより、ELパネル製造時の印刷ズレが極めて少なくなる。さらに、透明導電性フィルムを450〜600nmの可視光領域で光線透過率が極大値を有し、この波長での光線透過率を80〜97%とし、さらに表面抵抗率を低くすることにより、発光輝度に優れたELパネルが得られる。

Claims (16)

  1. 塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの片面に透明導電性薄膜が積層された透明導電性フィルムであって、前記の塗布層を有する二軸配向ポリエステルフィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムを基材フィルムとし、該基材フィルムの少なくとも片面に樹脂組成物から構成される塗布層が形成され、基材フィルムには粒子を含有させずに、塗布層中に粒子を含有させてなり、全光線透過率が90%以上で、かつ塗布層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SRa)が0.002〜0.010μmであり、さらに透明導電性フィルムを150℃で3時間加熱処理した時の加熱処理前後のヘイズ値上昇が2.0%以下であることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記透明導電性フィルムを150℃で2時間加熱処理した時の加熱処理前後のヘイズ値上昇が0.5%以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電性フィルムの全光線透過率が84%以上であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記塗布層を構成する樹脂組成物が共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記塗布層を構成する樹脂組成物が分岐したグリコール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂及びブロック型イソシアネート基を含有する樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記二軸延伸ポリエステルフィルム中の環状3量体の含有量が5000ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を形成していない表面に、架橋型樹脂からなる薄膜層を設けることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
  8. 請求項7記載の架橋型樹脂が、イソシアネート系樹脂および/またはエポキシ系樹脂からなることを特徴とする透明導電性フィルム。
  9. 前記透明導電性薄膜の厚みが80nm以上であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  10. 請求項9記載の透明導電性フィルムを150℃、3時間加熱した際の30mm×30mmのサイズにおける反り量が2mm以下であることを特徴とする透明導電性フィルム。
  11. 150℃で3時間熱処理したときの熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とする請求項9記載の透明導電性フィルム。
  12. 前記透明導電性フィルムが450〜600nmの波長範囲内で光線透過率が最高値を有し、かつこの最高値が80〜97%であることを特徴とする請求項9記載の透明導電性フィルム。
  13. 表面抵抗率が10〜100Ω/□であることを特徴とする請求項12記載の透明導電性フィルム。
  14. 前記透明導電性薄膜の上に誘電体薄膜を積層したことを特徴とする請求項12記載の透明導電性フィルム。
  15. 請求項1〜14記載の透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上に、発光層、誘電体層、背面電極層、絶縁層の順に積層したことを特徴とするエレクトロルミネッセンスパネル。
  16. 前記発光層の発光波長λEと請求項12記載の透明導電性フィルムの光線透過率が最高値を有する波長λIが、下記式を満足することを特徴とするエレクトロルミネッセンスパネル。
    λI−50nm≦λE≦λI+50nm
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