JP3742533B2 - 製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は製缶加工用素材として、特に、絞りしごき加工、溶接性、耐食性、フィルム密着性に優れたラミネート容器用鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲料や食品に用いられる金属容器は、2ピース缶と3ピース缶に大別される。DI缶に代表される2ピース缶は、絞りしごき加工が行われた後、缶内面側に塗装が、缶外面側には塗装及び印刷が行われる。3ピース缶は、缶内面に相当する面に塗装が、缶外面側に相当する面に印刷が行われた後缶胴部の溶接が行われる。何れの缶種においても、製缶前後に塗装工程が不可欠な工程である。塗装には、溶剤系もしくは水系の塗料が使用され、その後、焼付けが行われるが、この塗装工程において、塗料に起因する廃棄物(廃溶剤等)が産業廃棄物として排出され、排ガス(主に炭酸ガス)が大気に放出されている。近年、地球環境保全を目的とし、これら産業廃棄物や排ガスを低減しようとする取組みが行われている。この中で、塗装に代わるものとしてフィルムをラミネートする技術が注目され、急速に広まってきた。
【0003】
これまでに、2ピース缶においては、フィルムをラミネートし製缶する缶の製造方法やこれに関連する発明が多数提供されている。例えば、「絞りしごき罐の製造方法(特許第1571783号)」、「絞りしごき罐(特許第1670957号)」、「薄肉化深絞り缶の製造方法(特開平2−263523号公報)」、「絞りしごき罐用被覆鋼板(特許第1601937号)」が挙げられる。
また、3ピース缶においては、「スリーピース缶用フィルム積層鋼帯およびその製造方法(特開平3−236954号公報)」、「ストライプ状の多層有機被膜を有するスリーピース缶用鋼板(特開平5−111979号公報)」、「3ピース缶ストライプラミネート鋼板の製造方法(特開平5−147181号公報)」が挙げられる。
【0004】
これらの、ラミネート缶のフィルムの下地に用いられる鋼板には、多くの場合、電解クロメート処理を施したクロメート被膜が用いられている。クロメート被膜は、2層構造を有し、金属Cr層の上層に水和酸化Cr層が存在している。従って、ラミネートフィルム(接着剤付きのフィルムであれば接着層)はクロメート被膜の水和酸化Cr層を介して鋼板との密着性を確保している。この密着発現の機構については詳細は明らかにされていないが、水和酸化Crの水酸基とラミネートフィルムのカルボニル基あるいはエステル基などの官能基との水素結合であると言われている。
また、電解クロメート処理を行わない被膜として、「金属材料の表面にフィルムラミネート用下地皮膜を形成させた被覆金属材料およびその製造方法(特開平10−46101号公報)」が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の発明は、確かに、地球環境の保全を大きく前進せしめる効果が得られるが、その一方で、近年、飲料容器市場では、PETボトル、瓶、紙等の素材とのコスト並びに品質競争が激化しており、上記のラミネート容器用鋼板に対しても、従来以上により優れた製缶加工性、特にフィルム密着性、加工フィルム密着性、耐食性などが求められるようになった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、クロメート被膜に代わる新たな被膜として無機物質又は有機樹脂を活用した被膜を鋭意検討した結果、無機物質又は有機樹脂を活用した被膜はその被膜の上層に施されるラミネートフィルムと非常に極力な共有結合を形成し、従来のクロメート被膜以上の優れた製缶加工性が得られることを知見し本発明に至ったものである。
【0007】
即ち本発明は、
(1)少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Feの1種以上を含む表面処理層を有し、その上に、金属量で0.2〜300mg/m 2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含むエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂の中から1種以上選択される有機樹脂から成る被膜を1〜500nm付与することを特徴とした製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
【0008】
(2)少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Feの1種以上を含む表面処理層の上に、電解処理によりCrまたは水和酸化Crを付与した前記(1)に記載の製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
【0009】
(3)少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crの1種以上を含む表面処理層を有し、その上に、金属量で0.2〜300mg/m2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含むリン酸系化合物、有機ケイ素化合物、硫酸系化合物、ハロゲン化合物、塩素酸系化合物、硝酸系化合物の中から1種以上選択される無機系化合物およびエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂の中から1種以上選択される有機樹脂から構成される無機−有機樹脂から成る被膜を1〜500nm付与することを特徴とした前記(1)または前記(2)に記載の製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
【0010】
(4)少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crの1種以上を含む表面処理層を有し、その上に、金属量で0.2〜300mg/m 2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含み、更に、Pとして0.1mg/m 2 以上のリン酸系化合物、Siとして0.1mg/m 2 以上の有機ケイ素化合物の1種以上を含むエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂の中から1種以上選択される有機樹脂から成る被膜を1〜500nm付与することを特徴とした前記(1)または(2)記載の製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板にある。
【0011】
以下に、本発明の作用である製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板について詳細に説明する。
本発明で用いられる原板は特に限定されるものではなく、通常、容器材料として使用される鋼板を用いる。この原板の製造法、材質なども特に規制されるものではなく、通常の鋼片製造工程から熱間圧延、酸洗、冷間圧延等の工程を経て製造される。この原板に、Sn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crを含む表面処理層を付与する方法については特に限定するものでは無く、例えば、電気めっき法や真空蒸着法やスパッタリング法などの公知技術を用いれば良く、拡散層を付与するための加熱処理を組み合わせても良い。
【0012】
こうして付与されたSn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crの1種以上を含む表面処理層において、Snは金属Snとして80〜6000mg/m2 、Niは金属Niとして10〜800mg/m2 、Feは金属Feとして10〜800mg/m2 、Cr及び水和酸化Crは金属Crとして2〜200mg/m2 が好ましい。
【0013】
Snは優れた加工性、溶接性を発揮する。この効果が発現するのは金属Snとして80mg/m2 以上が望ましい。十分な溶接性を確保するためには200mg/m2 以上、十分な加工性を確保するためには、1000mg/m2 以上付与する事が更に望ましい、Sn付着量の増加伴い、Snの優れた加工性、溶接性の向上効果は増加するが、6000mg/m2 以上ではその向上効果が飽和するため経済的に不利である。従って、Snの付着量は金属Snとして6000mg/m2 以下が望ましい。
【0014】
Ni、Feは、フィルム密着性、耐食性、溶接性にその効果を発揮し、その為には、金属NiあるいはFeとして、10mg/m2 以上のNiあるいはFeが付着していることが望ましい。Ni、Feの付着量の増加に伴い、Ni、Feの優れたフィルム密着性、耐食性、溶接性の向上効果は増加するが、800mg/m2 以上ではその向上効果が飽和するため経済的に不利である。従って、Ni、Feの付着量は金属NiあるいはFeとして10mg/m2 以上、800mg/m2 以下が望ましい。
【0015】
更に、優れたフィルム密着性、耐食性を発揮するCr及び水和酸化Crは金属Crとして2〜200mg/m2 が望ましい。即ち、Cr及び水和酸化Crの付着量が金属Crとして2mg/m2 を下回る密着性の点で不十分である。従って、Cr及び水和酸化Crの付着量は金属Crとして2mg/m2 以上が望ましい。Cr及び水和酸化Crの付着量が増加する程、フィルム密着性、耐食性の向上効果は増加するが、200mg/m2 を越えると溶接性が劣化する傾向がある事から、Cr及び水和酸化Crの付着量は金属Crとして200mg/m2 以下にするのが望ましい。
Sn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crの1種以上を含む表面処理層を付与した後に、本発明の本質とする処の有機樹脂または無機−有機樹脂が付与される。
【0016】
本発明で付与される有機樹脂被膜は、前述の如く、ラミネートされるフィルムあるいは接着層と共有結合を発生し、高い密着性を確保せしめる効果を発揮する。この効果が得られる樹脂には、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられるが、特に優れた性能を発揮する樹脂として、フェノール系樹脂が挙げられる。フェノール系樹脂は常法に製造可能で、例えば、フェノール化合物、ナフトール化合物またはビスフェノール類とホルムアルデヒドを重縮合し、作製される。
【0017】
本発明の有機樹脂においては、種々の樹脂と混合されてもその効果を発揮するが、フェノール系樹脂の優れた特性を発揮するためには、フェノール樹脂分が70%以上含有することが望ましい。
また、この樹脂中に含まれる場合の無機系の化合物はフィルム密着性や耐食性を大幅に向上せしめる効果がある。この無機系化合物には、リン酸系化合物、有機ケイ素化合物、硫酸系化合物、ハロゲン化合物、塩素酸系化合物、硝酸系化合物などが挙げられるが、特に、高いフィルム密着性や耐食性の向上効果が認められる物として、リン酸系化合物、有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0018】
これらの向上効果が認められるリン酸系化合物としては、リン酸もしくはその塩、縮合リン酸もしくはその塩、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン等が挙げられる。塩としてはアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。
また、有機ケイ素化合物としては、ビニルエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メラクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0019】
リン酸系化合物あるいは有機ケイ素化合物の1種以上が有機樹脂中に存在する事により、高いフィルム密着性や耐食性の向上が発揮されるが、その効果の発現には、Pとして0.1mg/m2 以上のリン酸系化合物、または、Siとして0.1mg/m2 以上の有機ケイ素化合物が存在することが望ましい。しかし、樹脂中のリン酸系化合物あるいは有機ケイ素化合物の含有量が増加すると、経済的に不利益を被るため、樹脂中のリン酸系化合物あるいは有機ケイ素化合物の含有量は、PあるいはSiとして、200mg/m2 以下にすることが好ましい。
【0020】
更に本発明においては、無機−有機樹脂中にTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含ませる事により、より優れたフィルム密着性、耐食性を発揮させることが出来る。また、Ti、Zrは被膜中のPあるいはSiと結合しても本発明の効果は失われない。無機−有機樹脂中に含有されるTiまたはZrまたはそれらの化合物の含有量はTiまたはZrとして0.2〜300mg/m2 が望ましい。TiまたはZrの含有量が0.2mg/m2 を下回るとフィルム密着性、耐食性の向上効果が小さく、また、300mg/m2 を越えると経済的に不利になるため、無機−有機樹脂中に含有されるTiまたはZrまたはそれらの化合物の含有量は、TiまたはZrとして0.2〜300mg/m2 が望ましい。
【0021】
無機−有機樹脂中にTiまたはZrまたはそれらの化合物を含有させる方法は、特に規制しない。後述する処理液中にTi化合物またはZr化合物を含有させ、その中に鋼板を浸漬する事により可能である。Ti化合物は特に規制しないが、実用上あるいは性能上からもTi塩が望ましい。Ti塩としては、例えば、リン酸チタン、チタン弗化水素酸及びそのリチウム、ナトリウム、アンモニウム等の塩、硫酸チタン、硫酸チタニル等が挙げられる。
【0022】
また、Zr化合物も特に規制しないが、実用上あるいは性能上からもZr塩が望ましい。Zr塩としては、例えば、リン酸ジルコニウム、ジルコニウム弗化水素酸及びそのリチウム、ナトリウム、アンモニウム等の塩、硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硝酸ジルコニル等が挙げられる。
以上述べた無機−有機樹脂を付与する方法は特に規制しない。例えば、上述の有機樹脂(エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂)と上述のリン酸系化合物、有機ケイ素化合物あるいはTi化合物、Zr化合物を混合した処理液に浸漬し、リンガーロール等で絞り、乾燥させて得る事が出来る。
【0023】
【実施例】
以下に本発明の実施例及び比較例について述べ、その結果を表1に示す。
以下の処理法(1)〜(7)の方法を用いて鋼板上に表面処理層を付与した。(処理法1)
冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板にフェロスタン浴を用いてSnめっきを施し、その上に必要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
(処理法2)
冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板にワット浴を用いてNiめっきを施し、その上に必要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
【0024】
(処理法3)
冷間圧延後、ワット浴を用いてNiめっきを施し、焼鈍時にNi拡散層を形成させ、その後、必要に応じて、クロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
(処理法4)
冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板に硫酸−塩酸浴を用いてFeめっきを施し、その上に必要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
【0025】
(処理法5)
冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板に、クロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
(処理法6)
冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板に硫酸−塩酸浴を用いてFe−Ni合金めっきを施し、引き続き、フェロスタン浴を用いてSnめっきを施し、加熱処理により、Snめっき層を一部合金化させ、その上に必要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
【0026】
(処理法7)
冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板に硫酸−塩酸浴を用いてSn−Ni合金を施し、その上に必要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いCrまたは水和酸化Crを付与した。
上記の処理により表面処理層を付与した後、以下の処理法(8)〜(13)で無機−有機樹脂からなる被膜を付与した。
(処理法8)
フェノール樹脂、リン酸、必要に応じてリン酸チタンアンモニウム塩を溶解させた処理液に上記鋼板を浸漬後、乾燥し、無機−有機樹脂からなる被膜を付与した。
【0027】
(処理法9)
ウレタン樹脂、ミノプロピルトリエトキシシラン、必要に応じて硫酸ジルコニウムを溶解させた処理液に上記鋼板を浸漬後、乾燥し、無機−有機樹脂からなる被膜を付与した。
(処理法10)
85%フェノール樹脂−15%エポキシ樹脂、リン酸ナトリウム、必要に応じて硫酸チタンまたは硫酸ジルコニウムを溶解させた処理液に上記鋼板を浸漬後、乾燥し、無機−有機樹脂からなる被膜を付与した。
【0028】
(処理法11)
フェノール樹脂、フッ化チタンを溶解させた処理液に上記鋼板を浸漬後、乾燥し、無機−有機樹脂からなる被膜を付与した。
(処理法12)
85%フェノール樹脂−15%エポキシ樹脂を溶解させた処理液に上記鋼板を浸漬後、乾燥し、有機樹脂からなる被膜を付与した。
【0029】
上記処理材について、厚さ20nmのポリエチレンフィルムを200℃でラミネートし試験材を作製し、以下に示す(A)〜(D)の各項目について性能評価を行った。
(A)成形性
試験材に絞り加工としごき加工を段階的に行い、成型を4段階(◎:非常に良い、〇:良い、△:疵が認められる、×:破断し加工不能)で評価した。
【0030】
(B)溶接性
ワイヤーシーム溶接性を用いて、溶接ワイヤースピード80m/minの条件で、電流を変更して溶接を実施し、十分な溶接強度が得られる最小電流値とチリ及び溶接スパッタなどの溶接欠陥が目立ち始める最大電流値からなる適正電流範囲の広さから総合的に判断し、4段階(◎:非常に広い、〇:良い、△:劣る、×:溶接不能)で溶接性を評価した。
【0031】
(C)フィルム密着性
絞りしごき加工を行った試験材に125℃、30minのレトルト処理を行い、フィルムの剥離状況を、4段階(◎:全く剥離無し、〇:実用上問題無い程度の極僅かな剥離有り、△:僅かな剥離有り、×:大部分で剥離)で評価した。
【0032】
(D)耐食性
試験材に絞りしごき加工を行い、缶を作製し、1.5%クエン酸−1.5%食塩混合液からなる試験液を充填し、蓋を取付け、55℃、1ヶ月間、恒温室に安置し、缶内面の腐食状況を4段階(◎:腐食が認められない、〇:実用上問題無い程度の僅かな腐食が認められる、△:微小な腐食が認められる、×:激しい腐食が認められる)で判断して評価した。
【0033】
【表1】
Figure 0003742533
【0034】
【発明の効果】
表1に示すように、本特許により製造された製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板は、優れた成形性、溶接性、フィルム密着性、耐食性を有することが明らかになった。

Claims (4)

  1. 少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Feの1種以上を含む表面処理層を有し、その上に、金属量で0.2〜300mg/m 2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含むエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂の中から1種以上選択される有機樹脂から成る被膜を1〜500nm付与することを特徴とした製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
  2. 少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Feの1種以上を含む表面処理層の上に、電解処理によりCrまたは水和酸化Crを付与した請求項1に記載の製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
  3. 少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crの1種以上を含む表面処理層を有し、その上に、金属量で0.2〜300mg/m2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含むリン酸系化合物、有機ケイ素化合物、硫酸系化合物、ハロゲン化合物、塩素酸系化合物、硝酸系化合物の中から1種以上選択される無機系化合物およびエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂の中から1種以上選択される有機樹脂から構成される無機−有機樹脂から成る被膜を1〜500nm付与することを特徴とした請求項1または請求項2記載の製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
  4. 少なくとも鋼板片面に、Sn、Ni、Fe、Cr、水和酸化Crの1種以上を含む表面処理層を有し、その上に、金属量で0.2〜300mg/m 2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含み、更に、Pとして0.1mg/m 2 以上のリン酸系化合物、Siとして0.1mg/m 2 以上の有機ケイ素化合物の1種以上を含むエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、スチレン系樹脂の中から1種以上選択される有機樹脂から成る被膜を1〜500nm付与することを特徴とした請求項1または請求項2記載の製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板。
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