JP2000226676A - ラミネート溶接缶用鋼板 - Google Patents

ラミネート溶接缶用鋼板

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JP2000226676A
JP2000226676A JP11030227A JP3022799A JP2000226676A JP 2000226676 A JP2000226676 A JP 2000226676A JP 11030227 A JP11030227 A JP 11030227A JP 3022799 A JP3022799 A JP 3022799A JP 2000226676 A JP2000226676 A JP 2000226676A
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layer
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plating
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Shigeru Hirano
茂 平野
Hiroichi Yokoya
博一 横矢
Kazunari Hasegawa
和成 長谷川
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は製缶加工用素材として、特に、溶接
性、耐食性、フィルム密着性に優れたラミネート溶接缶
用鋼板を提供すること。 【解決手段】 少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側か
ら順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系め
っき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜1500
mg/m2 の望ましくは島状の金属Snめっき層を有
し、その上にPとして0.1mg/m2 以上のリン酸系
化合物を含む1〜500nmのフェノール系樹脂からな
る被膜層を有することを特徴とした製缶加工性に優れた
ラミネート溶接缶用鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製缶加工用素材とし
て、特に、溶接性、耐食性、フィルム密着性に優れたラ
ミネート溶接缶用鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料や食品に用いられる金属容器は、2
ピース缶と3ピース缶に大別される。DI缶に代表され
る2ピース缶は、絞りしごき加工が行われた後、缶内面
側に塗装が、缶外面側には塗装及び印刷が行われる。3
ピース缶は、缶内面に相当する面に塗装が、缶外面側に
相当する面に印刷が行われた後、缶胴部の溶接が行われ
る。何れの缶種においても、製缶前後に塗装工程が不可
欠な工程である。塗装には、溶剤系もしくは水系の塗料
が使用され、その後、焼付けが行われるが、この塗装工
程において、塗料に起因する廃棄物(廃溶剤等)が産業
廃棄物として排出され、排ガス(主に炭酸ガス)が大気
に放出されている。近年、地球環境保全を目的とし、こ
れら産業廃棄物や排ガスを低減しようとする取組みが行
われている。この中で、塗装に代わるものとしてフィル
ムをラミネートする技術が注目され、急速に広まってき
た。
【0003】3ピース缶においては、「3ピース缶用フ
ィルム積層鋼帯およびその製造方法(特開平3−236
954号公報)」、「ストライプ状の多層有機皮膜を有
する3ピース缶用鋼板(特開平5−111979号公
報)」、「3ピース缶ストライプラミネート鋼板の製造
方法(特開平5−147181号公報)」が挙げられ
る。 これらの、ラミネート缶のフィルムの下地に用い
られる鋼板には、多くの場合、電解クロメート処理を施
したクロメート被膜が用いられている。クロメート被膜
は、2層構造を有し、金属Cr層の上層に水和酸化Cr
層が存在している。従って、ラミネートフィルム(接着
剤付きのフィルムであれば接着層)はクロメート被膜の
水和酸化Cr層を介して鋼板との密着性を確保してい
る。この密着発現の機構については詳細は明らかにされ
ていないが、水和酸化Crの水酸基とラミネートフィル
ムのカルボニル基あるいはエステル基などの官能基との
水素結合であると言われている。また、電解クロメート
処理を行わない被膜として、「金属材料の表面にフィル
ムラミネート用下地皮膜を形成させた被覆金属材料およ
びその製造方法(特開平10−46101号公報)」が
挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の発明は、確か
に、地球環境の保全を大きく前進せしめる効果が得られ
るが、その一方で、近年、3ピース缶市場では、PET
ボトル、瓶、紙等の素材とのコスト並びに品質競争が激
化しており、上記のラミネート容器用鋼板に対しても、
従来より優れた溶接性、フィルム密着性、耐食性などが
求められるようになった。
【課題を解決するための手段】
【0005】本発明者等は、これらの課題を解決するた
め、鋼板表面にNi系めっき層、島状Snめっき層、そ
の上層にクロメート被膜に代わる新たな被膜として有機
樹脂を活用した被膜を鋭意検討した。その結果、有機樹
脂を活用した被膜はその被膜の上層に施されるラミネー
トフィルムと非常に強力な共有結合を形成し、従来のク
ロメート被膜以上の優れた密着性を示し、更に、クロメ
ート処理層が有ればより優れた密着性、耐食性が得られ
ることを知見し本発明に至ったものである。
【0006】即ち本発明の要旨は、 (1)少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側から順に、
金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系めっき層を
有し、Sn系合金層を有し、100〜1500mg/m
2 の金属Snめっき層を有し、その上にPとして0.1
mg/m2 以上のリン酸系化合物を含む1〜500nm
のフェノール系樹脂から成る被覆層を有することを特徴
とした製缶加工性に優れたラミネート溶接缶用鋼板。
【0007】(2)少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い
側から順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi
系めっき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜15
00mg/m2 の島状の金属Snめっき層を有し、その
上にPとして0.1mg/m2以上のリン酸系化合物を
含む1〜500nmのフェノール系樹脂から成る被膜層
を有することを特徴とした製缶加工性に優れたラミネー
ト溶接缶用鋼板。
【0008】(3)少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い
側から順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi
系めっき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜15
00mg/m2 の島状の金属Snめっき層を有し、その
上に、金属Cr量で、4〜40g/m2 のクロメート層
を付与し、更にその上にPとして0.1〜200mg/
2 のリン酸系化合物を含むフェノール系樹脂から成る
被膜を1〜500nm有することを特徴とした製缶加工
性に優れたラミネート溶接缶用鋼板。
【0009】(4)少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い
側から順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi
系めっき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜15
00mg/m2 の島状の金属Snめっき層を有し、その
上にPとして0.1mg/m 2 以上のリン酸系化合物を
含み、更に、金属量で0.2〜300mg/m2 のTi
またはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含む1〜
500nmのフェノール系樹脂から成る被膜層を有する
ことを特徴とした製缶加工性に優れたラミネート溶接缶
用鋼板。
【0010】(5)少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い
側から順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi
系めっき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜15
00mg/m2 の島状の金属Snめっき層を施し、その
上に、金属Cr量で、4〜40g/m2 のクロメート層
を有し、その上にPとして0.1〜200mg/m2
リン酸系化合物を含み、更に、金属量で0.2〜300
mg/m2 のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1
種以上を含むフェノール系樹脂から成る被膜を1〜50
0nm有することを特徴とした製缶加工性に優れたラミ
ネート溶接缶用鋼板。
【0011】(6)島状Snの面積率は、40〜95%
であることを特徴とする前記(2)〜(5)記載の製缶
加工性に優れたラミネート溶接缶用鋼板。 (7)クロメート層中に、少なくとも水和酸化Crを金
属Cr量で2mg/m2以上含むことを特徴とする前記
(3)または(5)記載の製缶加工性に優れたラミネー
ト溶接缶用鋼板にある。
【0012】以下に、本発明の作用である製缶加工性に
優れたラミネート容器用鋼板について詳細に説明する。
本発明で用いられる原板は特に規制されるものではな
く、通常、容器材料として使用される鋼板を用いる。こ
の原板の製造法、材質なども特に規制されるものではな
く、通常の鋼片製造工程から熱間圧延、酸洗、冷間圧延
等の工程を経て製造される。この原板に、Ni系めっき
が施されるNi系めっきとしては、Niめっき、Fe−
Ni合金めっき、Ni拡散めっきなどが挙げられるが、
NiめっきやFe−Ni合金めっきは公知の電気めっき
法により行えば良い。また、Ni拡散めっきは、Niめ
っきした後、600〜1000℃の熱処理を行い、Ni
拡散層を付与すれば良い。また、Ni拡散層を付与した
後、調質圧延を行っても、本発明の本質とから逸脱する
ものでない。
【0013】Ni系めっき層の役割は、Ni金属自体の
優れた耐食性を利用し、本発明鋼板の耐食性を確保する
事である。Niめっき量が5mg/m2 を下回ると、N
i金属自体の優れた耐食性が発揮されないため、Niめ
っき量は、5mg/m2 以上必要である。Niめっき量
が増加すると耐食性は向上するが、Niめっき量が50
0mg/m2 を越えるとその向上効果が飽和するため経
済的に不利である。従って、Ni付着量は5mg/m2
以上、500mg/m2 以下に規制される。
【0014】次に、溶接性を確保するためSnめっきが
施される。Snは、柔らかい金属である事からシーム溶
接で電極に挟まれた時、後述するクロメート層あるいは
フェノール樹脂層が破壊され良好な通電域を確保する事
ができる。そのため、本発明鋼板は良好な溶接が確保さ
れる。Snをめっきする方法は、電気Snめっきなど公
知の方法で行えば良く、特に規制するものではない。
【0015】優れた溶接性を発揮させるためには、Sn
のめっき量は100mg/m2 以上必要である。これ
は、Snめっき量が100mg/m2 を下回ると、工業
生産に必要な高速溶接性が劣化することから、Snのめ
っき量は100mg/m2 以上必要である。本発明鋼板
の溶接性はSnめっき量が増加すると向上するが、Sn
めっき量が1500mg/m2 を越えると、その向上効
果が飽和するため、それ以上、Snをめっきすることは
経済的に不利益である。従って、Snめっき量は、10
0〜1500mg/m2 に規制される。
【0016】Snめっきに引き続き、溶融溶錫処理が行
われ、Sn系合金層、その上に島状Snめっき層が付与
される。溶融溶錫処理を行う目的は2つある。1つは、
先にめっきしたNi系めっき層とSnを合金化させ耐食
性を向上させることと、もう1つは、島状Snを形成さ
せ、フィルムの高温密着性を向上させることである。溶
接部近傍では、Snの融点以上に温度が上昇するため、
Snは液化しSn上のフィルム密着性は、極めて低くな
る。そこで、高温でもフィルム密着性を確保するため、
Snを島状化し、高融点のNi系めっき層とSnとの合
金層を表面露出させる必要がある。
【0017】従って、高温でのフィルム密着性を確保す
るため、島状化するSn面積率は、95%以下に規制さ
れる。Sn面積率が95%を越えると、Snの露出が過
大となり高温でのフィルム密着性が劣化するため、Sn
の面積率は95%以下にする必要がある。Snの面積率
を低下させれば高温でのフィルム密着性の向上効果は増
加するが、Snの面積率が40%を下回るとSn金属の
有する優れた溶接性が劣化するため、Snの面積率は4
0%以上にする必要がある。Snを島状化する方法は特
に規制するものでは無く、通電加熱あるいは誘導加熱に
よりSnめっきした鋼板をSnの融点以上に加熱すれば
良い。その際、極めて低濃度のフラックスまたはフラッ
クスの代りに水を使用する事により、島状化が促進され
ることから、フラックス濃度を制御し目的の面積率の島
状Snを作製する事が出来る。
【0018】Snめっきに引き続いて、更に、より優れ
たフィルム密着性、耐食性を発揮させるため、クロメー
ト層が付与されることが望ましい。クロメート層の構成
は水和酸化Cr、または、水和酸化Crと金属Crから
なるが、その付着量は金属Crとして、少なくとも水和
酸化Crを2mg/m2 以上含み、また、クロメート層
全体として、金属Crとして4〜40mg/m2 にする
必要がある。これは、優れた密着性を確保するために
は、水和酸化Crが不可欠であることに起因している。
水和酸化Crの付着量は、金属Crで2mg/m2 以上
で、密着性向上効果が発揮される。また、優れた耐食性
を確保するためには、金属Crとして4mg/m2 のク
ロメート層が存在することが望ましい。これは、クロメ
ート層が4mg/m2 を下回ると、Crの優れた耐食性
が発揮されず、十分な耐食性が確保されにくいためであ
る。
【0019】クロメート付着量が増加すると、耐食性の
向上効果も増加するが、クロメート層は電気的に絶縁被
膜である事から、金属Cr量で40mg/m2 を越える
と溶接性が急激に劣化する。従って、クロメート層は、
金属Crとして4〜40mg/m2 が望ましい。クロメ
ート層を付与する方法は特に規制するものでは無く、例
えば、Cr酸溶液、Cr酸−硫酸溶液、或いはCr酸−
フッ酸溶液中で電解処理、または浸漬処理を行えば良
い。
【0020】Snめっき層あるいはクロメート層を付与
した後に、本発明の本質とする処のPとして0.1mg
/m2 以上のリン酸系化合物を含むフェノール系樹脂か
ら成る被膜を1〜500nm付与されるのが望ましい。
本発明で付与されるフェノール樹脂系被膜は、前述の如
く、ラミネートされるフィルムあるいは接着層と共有結
合を発生し、高い密着性を確保せしめる効果を発揮す
る。フェノール系樹脂は公知の方法で製造可能で、例え
ば、フェノール化合物、ナフトール化合物またはビスフ
ェノール類とホルムアルデヒドを重縮合し作製される。
【0021】このフェノール系樹脂に含まれるリン酸系
化合物にはフィルム密着性や耐食性を大幅に向上せしめ
る効果があり、本発明には不可欠である。これらの向上
効果が認められるリン酸系化合物としては、リン酸もし
くはその塩、縮合リン酸もしくはその塩、リン酸ジルコ
ニウム、リン酸チタン等が挙げられる。塩としてはアン
モニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩が挙げられる。リン酸系化合物がフェノール系樹脂
中に存在する事により、高いフィルム密着性や耐食性の
向上が発揮されるが、その効果の発現には、Pとして
0.1mg/m2 以上のリン酸系化合物があることが望
ましい。しかし、樹脂中のリン酸系化合物の含有量が増
加すると、経済的に不利益を被るため、樹脂中のリン酸
系化合物の含有量は、Pとして、200mg/m2 以下
が望ましい。
【0022】更に本発明においては、フェノール系樹脂
中にTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を
含ませる事により、より優れたフィルム密着性、耐食性
を発揮させることが出来る。また、Ti、Zrは被膜中
のPと結合しても本発明の効果は失われない。フェノー
ル系樹脂中に含有されるTiまたはZrまたはそれらの
化合物の含有量は、TiまたはZrとして0.2〜30
0mg/m2 にするのが望ましい。TiまたはZrの含
有量が0.2mg/m2 を下回るとフィルム密着性、耐
食性の向上効果が認められず、また、300mg/m2
を越えると経済的に不利になるため、無機−有機樹脂中
に含有されるTiまたはZrまたはそれらの化合物の含
有量は、TiまたはZrとして0.2〜300mg/m
2 が望ましい。
【0023】フェノール系樹脂中にTiまたはZrまた
はそれらの化合物を含有させる方法は、特に規制しな
い。後述する処理液中にTi化合物またはZr化合物を
含有させ、その中に鋼板を浸漬する事により可能であ
る。Ti化合物は特に規制しないが、実用上あるいは性
能上からもTi塩が望ましい。Ti塩としては、例え
ば、リン酸チタン、チタン弗化水素酸及びそのリチウ
ム、ナトリウム、アンモニウム等の塩、硫酸チタン、硫
酸チタニル等が挙げられる。
【0024】また、Zr化合物も特に規制しないが、実
用上あるいは性能上からもZr塩が望ましい。Zr塩と
しては、例えば、リン酸ジルコニウム、ジルコニウム弗
化水素酸及びそのリチウム、ナトリウム、アンモニウム
等の塩、硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硝酸ジル
コニル等が挙げられる。以上述べたフェノール系樹脂を
付与する方法は特に規制しない。例えば、フェノール系
樹脂と上述のリン酸系化合物あるいはTi化合物、Zr
化合物を混合した処理液に浸漬し、リンガーロール等で
絞り、乾燥させて得る事が出来る。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例について述
べ、その結果を表1に示す。以下の処理法(1)〜
(2)の方法を用いて鋼板上に表面処理層を付与した
後、処理法(3)でフェノール系樹脂を付与した。 試験材作製方法 (処理法1)冷間圧延後、焼鈍、調圧された原板に電気
めっきによりFe−Ni合金めっきを施し、フェロスタ
ン浴を用いてSnをめっきし、低濃度のフラックスを使
用し、加熱処理を行い、島状Snを作製し、その後、必
要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解処理を行いクロ
メート層を付与した。
【0026】(処理法2)冷間圧延後、電気めっきによ
りNiめっきを施し、焼鈍、調圧後、ハロゲン浴を用い
てSnをめっきし、加熱処理を行い、島状Snを作製
し、その後、必要に応じてクロム酸−硫酸溶液中で電解
処理を行いクロメート層を付与した。 (処理法3)フェノール樹脂、リン酸、必要に応じてリ
ン酸チタンアンモニウム塩を溶解させた処理液に上記鋼
板を浸漬後、乾燥し、フェノール系樹脂を付与した。
【0027】試験材評価方法 上記処理材について、厚さ20nmのポリエチレンフィ
ルムを200℃でラミネートし試験材を作製し、以下に
示す(A)〜(D)の各項目について性能評価を行っ
た。 (A)溶接性 ワイヤーシーム溶接性を用いて、溶接ワイヤースピード
80m/minの条件で、電流を変更して溶接を実施
し、十分な溶接強度が得られる最小電流値とチリ及び溶
接スパッタなどの溶接欠陥が目立ち始める最大電流値か
らなる適正電流範囲の広さから総合的に判断し、4段階
(◎:非常に広い、〇:良い、△:劣る、×:溶接不
能)で溶接性を評価した。
【0028】(B)フィルム溶接性 10%の延び加工を行った試験材に125℃、30mi
nのレトルト処理を行い、フィルムの剥離状況を、4段
階(◎:全く剥離無し、〇:実用上問題無い程度の極僅
かな剥離有り、△:僅かな剥離有り、×:大部分で剥
離)で評価した。 (C)高温フィルム密着性 試験材に地鉄に達する深さのクロスカットを入れ、25
0℃まで急速に加熱し、クロスカットの中心部に、5気
圧の空気を吹き込みフィルムの剥離状況を、4段階
(◎:全く剥離無し、〇:実用上問題無い程度の極僅か
な剥離有り、△:僅かな剥離有り、×:大部分で剥離)
で評価した。
【0029】(D)耐食性 溶接缶を作製し、1.5%クエン酸−1.5%食塩混合
液からなる試験液を充填し、蓋を取付け、55℃、1ヶ
月間、恒温室に安置し、缶内面の腐食状況を4段階
(◎:腐食が認められない、〇:実用上問題無い程度の
僅かな腐食が認められる、△:微小な腐食が認められ
る、×:激しい腐食が認められる)で判断して評価し
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】表1に示すように、本発明により製造さ
れた製缶加工性に優れたラミネート容器用鋼板は、優れ
た成形性、溶接性、フィルム密着性、耐食性を有するこ
とが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 和成 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4F100 AB03A AB16B AB21C AB21D AB31C AH08E AK33E BA05 BA07 BA10A BA10E DA01 EH71B EH71D GB16 JB02 JL00 JL11 4K044 AA02 AB02 BA06 BA10 BA15 BA17 BA21 BB05 BC02 BC04 BC05 BC08 CA12 CA16 CA18 CA62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側か
    ら順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系め
    っき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜1500
    mg/m2 の金属Snめっき層を有し、その上にPとし
    て0.1mg/m2 以上のリン酸系化合物を含む1〜5
    00nmのフェノール系樹脂から成る被覆層を有するこ
    とを特徴とした製缶加工性に優れたラミネート溶接缶用
    鋼板。
  2. 【請求項2】 少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側か
    ら順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系め
    っき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜1500
    mg/m2 の島状の金属Snめっき層を有し、その上に
    Pとして0.1mg/m2 以上のリン酸系化合物を含む
    1〜500nmのフェノール系樹脂から成る被膜層を有
    することを特徴とした製缶加工性に優れたラミネート溶
    接缶用鋼板。
  3. 【請求項3】 少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側か
    ら順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系め
    っき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜1500
    mg/m2 の島状の金属Snめっき層を有し、その上
    に、金属Cr量で、4〜40g/m2 のクロメート層を
    付与し、更にその上にPとして0.1〜200mg/m
    2 のリン酸系化合物を含むフェノール系樹脂から成る被
    膜を1〜500nm有することを特徴とした製缶加工性
    に優れたラミネート溶接缶用鋼板。
  4. 【請求項4】 少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側か
    ら順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系め
    っき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜1500
    mg/m2 の島状の金属Snめっき層を有し、その上に
    Pとして0.1mg/m2 以上のリン酸系化合物を含
    み、更に、金属量で0.2〜300mg/m2 のTiま
    たはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含む1〜5
    00nmのフェノール系樹脂から成る被膜層を有するこ
    とを特徴とした製缶加工性に優れたラミネート溶接缶用
    鋼板。
  5. 【請求項5】 少なくとも鋼板片面に、鋼板に近い側か
    ら順に、金属Ni量で5〜500mg/m2 のNi系め
    っき層を有し、Sn系合金層を有し、100〜1500
    mg/m2 の島状の金属Snめっき層を施し、その上
    に、金属Cr量で、4〜40g/m2 のクロメート層を
    有し、その上にPとして0.1〜200mg/m2 のリ
    ン酸系化合物を含み、更に、金属量で0.2〜300m
    g/m2のTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種
    以上を含むフェノール系樹脂から成る被膜を1〜500
    nm有することを特徴とした製缶加工性に優れたラミネ
    ート溶接缶用鋼板。
  6. 【請求項6】 島状Snの面積率は、40〜95%であ
    ることを特徴とする請求項2〜5記載の製缶加工性に優
    れたラミネート溶接缶用鋼板。
  7. 【請求項7】 クロメート層中に、少なくとも水和酸化
    Crを金属Cr量で2mg/m2 以上含むことを特徴と
    する請求項3または5記載の製缶加工性に優れたラミネ
    ート溶接缶用鋼板。
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