JP3742486B2 - 共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2,6―ナフタレンジカルボン酸成分を用いたポリエチレンテレフタレート(PETと略記する)に関し、更に詳しくはガスバリア性が改良され、しかも紫外線遮断性能がありボトル用ポリマーとして、色相及び透明性に優れた共重合PETの製造法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(以下PENと略記する)はPETに比べて耐熱性、ガスバリアー性、耐薬品性等の基本物性が優れていることから、ボトル(容器)やシート材等の包装材料として有用であることは予測されており、PETとのブレンド使用、両成分の共重合ポリマーの利用、又は単独使用による数多くの提案が行われている。包装材の中でも、ジュースなどの飲料用ボトルに使用される材料については、商品価値の点より、色相及び透明性に優れた材料が要求されている。PENは基本的にはPETと同様な触媒系で反応させることができ、特に色相面から重合触媒として、二酸化ゲルマニウムを用いると有効であることが予測されている。
【0003】
一方、本発明のような2,6―ナフタレンジカルボン酸成分をPETに共重合するような技術文献として、特開平7―223623号公報が開示されている。ところが、共重合PETは、同じエステル交換法で製造されたPENと比べてボトル成形時におけるブロー延伸等で白化が起きやすく、ボトル(製品)の透明性の面で充分満足し得るものが得られない。
【0004】
解析の結果、この白化要因は触媒に起因する触媒析出物による内部ヘーズとその触媒析出粒子が誘発する結晶化とによるものと推定される。
【0005】
特に特開平7―223623号公報で使用されているような有機酸カルシウム系のエステル交換(以下EIと略記する)触媒を用いた場合ポリマー本来の色相は良好であるものの、析出粒子が大きく、しかも多量に発生する傾向があり、ボトルのブロー成形時に白化を抑制することは困難である。
【0006】
PET成分の多い共重合ポリマーの場合、ホモPENに較べて、結晶化速度が全体的に速く、通常ボトル用のホモPENで使用可能であったような触媒系はPEN成分の少ない共重合PETポリマーには使用できない。EI触媒を添加せずにポリマーを製造できれば好ましいが可能性は低い。これに代る手段として類似ポリマーを得る方法としてエステル化法(直重方法)でPETを、EI方法でPENを別々に製造して、後に溶融ブレンドによって同等なポリマーが得られることが開示されている(特開平4―331255号公報)。しかし、ブレンド法でポリマーを造るとそのブレンド技術のコントロールや透明化が難しいうえに、ブレンド工程が加わり生産コストからも不利となる。そこで本発明者らはEI法と直接エステル化法とを併用する手段を講ずることにより、これらの問題を解消できるとの知見を得、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、テレフタル酸成分/2,6―ナフレンジカルボン酸成分のモル比が80〜95/20〜5であり、しかもグリコール成分をエチレングリコールとする共重合ポリエステルの製造において、原料として、テレフタル酸成分にテレフタル酸、また2,6―ナフタレンジカルボン酸成分に2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルをそれぞれ選択し、先ずポリエチレンテレフタレートを直接エステル化重合法で製造し、該ポリエチレンテレフタレートの平均重合度が10以下である間に2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを添加し、しかる後更に重合を進めて、共重合ポリマー中の残存金属量が下記式を満足することを特徴とする2,6―ナフタレンジカルボン酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタレートの製造方法である。
M≦10m mol%
3≦P≦20m mol%
(但し、Mはポリエステルを構成する二塩基酸成分に対する周期率表の第3、4周期の第I、II、VII 又はVIII族に属する金属化合物の含有量であり、またPは燐化合物の含有量である。)
以下に本発明を説明する。
【0008】
Mに含まれる金属の具体例としては、Na、K、Mg、Ca、Mn、Co等が挙げられ、その酢酸塩は良好なエスル交換触媒(EI触媒)としてポリエステルの製造に使用されている。もっとも、これらのEI触媒はポリマー中に残留して触媒析出粒子の原因となり、PET系のボトルの白化や曇りを惹起する。そのため、これらの金属化合物量はポリエステルを構成する二塩基酸成分に対して10mmol%(ミリモル%)以下にする必要がある。更に、具体的に説明すると、2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルのEI触媒として、前記Mに含まれる金属化合物を使用しない事が好ましい。但し、これで、コバルト化合物や、その他の染料・顔料としてポリマーの着色を目的として、添加されている有機金属化合物はボトルとしての透明性を著しく損わない限り、少量(ポリエステルを構成する二塩基酸成分に対して10mmol%)の添加は支障がない。
【0009】
析出粒子の少ない傾向にあるEI活性能をもつ触媒としてTi系触媒が知られているが、Ti系触媒により製造したポリマーは黄色味があってボトル用には不向きであった。この場合黄色の着色が、顕著に現れない低固有粘度のプレポリマーから固相重合によって目標の固有粘度をもつポリマーを製造する方法がある。もっとも、このポリマーは共重合体であるから、その融点は低く、通常のホモポリマーに較べ固相重合温度も低温で反応させざるをえず、低固有粘度例えば0.4〜0.5の固有粘度のプレポリマーをボトル用のポリマーの固有粘度(0.70〜0.95)にするのに固相重合時間が長くなり不利(非効率)である。
【0010】
ポリエステルの熱安定性を高める目的で燐化合物も添加することは周知である。特にEI方法で作られるポリマーには、通常EI触媒と等モルかそれに近いモル比で燐化合物が添加される。
【0011】
耐熱性の悪いポリマーは乾燥時や再溶融時にポリマーの分解やアセトアルデヒド等の副生成物が生じ、EI触媒が極少量の場合や一切添加しない場合でも熱安定性を確保するため少なくとも全酸成分に対して3mmol%の添加は必要である。逆に添加量が多くなりすぎて、全酸成分に対して20mmol%を超えると、熱安定性が悪くなる傾向が現れ好ましくない。
【0012】
燐化合物としては正燐酸、燐酸トリメチル、燐酸モノメチル又は燐酸ジメチルがよい。特に入手の容易さ、コスト面で正燐酸と燐酸トリメチルとが好ましい。ところで、本発明の、ガスバリア性が良好で紫外線遮断性能のあるボトル用ポリマーの組成としてテレフタル成分/2,6―ナフタレンジカルボン酸成分のモル比を80〜90/20〜5にする必要がある。
【0013】
2,6―ナフタレンジカルボン酸成分の共重合割合を5モル%以下にするとガスバリア性や紫外線遮断能の満足できるボトルは得られない。
【0014】
一方、2,6―ナフタレンジカルボン酸の共重合割合を20モル%以上にすると、ガスバリア性及び紫外線遮断能は一層向上する傾向を示すものの、ボトル成形時に固相重合等の乾燥工程でペレットが融着を起こし、ハンドリンングに問題を生じたりするので固相重合温度を高温度に設定できない。勿論固相重合温度が低いことから、生産性の低下等の問題が起こる。
【0015】
なお、本発明においては、テレフタル酸成分、2,6―ナフタレンジカルボン酸成分、エチレングリコールの他に、全酸成分に対して15モル%を超えない範囲で、その一部を他の酸成分やグリコール成分に置換してもよい。具体的な例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;またはテレフタル酸、イソフタル酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン―4,4′―ジカルボン酸、ジフェニルスルホン―4,4′―ジカルボン酸、ジフェニルエーテル―4,4′―ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、デカリンジカルボン酸、テレラリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;グリコール酸、p―オキシ安息香酸などのオキシ酸などが挙げられる。また例えばテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスヒドロキシエトキシビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAなど、芳香族ジオールなどで置き換えてもよい。
【0016】
さらに本発明におけるには実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。
【0017】
本ポリマーの重合方法に関連して、現時点では高純度2,6―ナフタレンジカルボン酸の合成が企業化されていない。従って、出発原料には2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルを使わざるを得ない。そして、前述の理由からEI触媒の使用量を極力少量とする必要がある。
【0018】
本発明は、ボトル用PETの製造方法の1つであるテレフタル酸(TA)とエチレングリコール(EG)とからエステル交換を経ずにPETを製造するエステル化重合方法を改良した色相かつ透明性の良好な共重合PETを得る手段である。直接重合PETの製造方法はTAとEGのスラリーを常圧又は加圧反応にて重合度が、2〜15程度のオリゴマーを製造して重合触媒の添加のもと、真空条件下、260〜320℃の温度で、更に重合度をあげてポリマーとするものである。本発明はこの際2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルを添加するが、その添加時期はPETのオリゴマーの平均重合度(DP)が10以下である間に反応系に添加される。好ましくは、反応系が、真空重合条件に移行する前に添加されるのがよく、DP≧10での添加の場合、2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルのEI反応を助けるカルボキシル末端基の数が少なくなり、メチル基を多く残したままのオリゴマーが真空重合工程に進む事になる。その結果、重合反応がかなり長くなり生産性を低下させたり、仮に溶融重合反応が無事終了しても次の固相重合の段階で固相重合速度の低下を惹起し易い。ジメチル2,6―ナフタレンジカルボキシレートはジメチルテレフタレートよりEI反応性は乏しいため、この添加の時期は重要なポイントとなる。もちろん、ジメチル2,6―ナフタレンカルボキシレートは、TA/EGの仕込段階で同時に添加されても支障ない。本発明の製造方法に使用される触媒は、Sb系、Ge系の金属化合物が好ましく、具体的には、二酸化アンチモン、酢酸アンチモン、二酸化ゲルマニウムが挙げられ、2種以上を併用してもかまわない。
【0019】
特に、色相の面から二酸化ゲルマニウムを用いるのが好ましく、その中でも結晶形態を有してない、非晶性二酸化ゲルマニウムを用いたとき、通常の結晶形態を有したものに較べてポリマーの析出粒子が少なく、より透明性の高いものが得られる。ここで非晶性とはラマンスペクトルにおいて実質的にピークを有さないものをいう。非晶性二酸化ゲルマニウムの添加量としては、少なすぎると重合反応性が低くなって生産性が悪く、逆に多すぎると熱安定性が劣って成形時の物性低下および色相悪化をまねくことから、実質的にポリマーに、全酸成分に対して20〜50mmol%がよい。
【0020】
これらの触媒の添加時期に関して説明すると、真空溶融重合反応に移行する前の段階であれば何時添加してもかまわないが、設備や反応条件によっては、TAに起因するカルボン酸触媒のみではジメチル2,6―ナフタレンジカルボキシレートのEI反応が充分満足のいくレベルに達しない場合がある。このときは、ジメチル2,6―ナフタレンジカルボキシレートの添加と触媒の添加時期をエステル化反応の早い時期にする事が好ましい。Sb系やGe系の触媒は230℃程度以上比較的高温域で触媒活性を示す事から160〜230℃の温度域でEI反応を実施するEI触媒として使用するには適さない。しかし直重法のエステル化反応は230〜280℃の温度域で実施するため、その温度領域でジメチル2,6―ナフタレンジカルボキシレートとSb系又はGe系触媒が同時に存在すればEI反応を進める事が可能である。
【0021】
上記反応で得られるポリマーはプレポリマーとして、その後固相重合を実施して固有粘度0.70〜0.95(dl/g)の範囲にして使用する。
【0022】
固相重合前(溶融重合終了時点)のプレポリマーの固有粘度範囲は特に限定はされないが、生産効率や品質から0.50〜0.67(dl/g)の固有粘度のものが好ましい。
【0023】
上記反応のポリマーでも溶融重合のみによって通常ボトル用に使用できる。もっとも、0.70dl/gを超える固有粘度の範囲まで溶融重合によって高めると、ポリマーの着色が大きくなったり、溶融重合が高すぎて設備への負担が大きくなり進められない。ポリマー中のアルデヒド類も多量であることからボトル用のポリマーとしては極めて品質の悪いものしか得られない。
本ポリマーを固相重合せずに、フィルムや繊維等々の用途に使用することもできる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例での「部」は重量部を意味する。また実施例での各特性値の測定は下記の方法による。
【0025】
▲1▼ 固有粘度[η]
フェノール/テトラクロロエタン(成分比:3/2)溶媒を用い、35℃で測定した溶融粘度から算出する。
【0026】
▲2▼ Colb(色相):
固相重合で結晶化されたポリマーを、カラーマシン社製CM―7500型カラーマシンで測定する。
【0027】
▲3▼ 成形品ヘーズ:
ポリマーを160℃で7時間乾燥した後、名機製作所製の射出成形機ダイナメルターM―100DMを用い、シリンダー温度300℃において50gのプリフォームを成形し、これをブロー延伸して、内容積1.5リットル、胴部肉厚0.2mmのボトルとした。この直胴部を切取り、ヘーズメーター(日本電色工業モデル1001DP)を用いヘーズを測定する。
【0028】
▲4▼ 析出粒子
▲3▼で得られたボトルの直胴部を光学顕微鏡400倍にて観察して、触媒起因の析出粒子の量を観察する。◎析出量が極めて少ない、○少ない、△やや多い
▲5▼ 色相(目視)
▲3▼の方法によって造られたボトルの外観を目視によって観察する。◎は良好、○良
▲6▼ HS―AA
▲3▼の方法で成形したボトルを15分間冷却し、20秒間N2 パージをした後、キャップで密栓して22℃±5℃で1日放置する。その後ボトル内部のガスをガスクロマトグラフィー分析して、アセトアルデヒド(AA)の量を求める。
【0029】
[実施例1]
テレフタル酸89部とジメチル2,2―ナフタレンジカルボキシレート12部とエチレングリコール54部と非晶性GeOの0.0213部(酸成分に対して35mmol%)を反応槽に添加して通常の直重方法で、エステル化反応(2,6―ナフタレンジカルボキシレートとしてはエステル交換反応)を250℃で実施した。平均重合度(以下DPと略記する)がほぼ10になった時点で、トリメチルフォスフェート0.013部(酸成分に対して15mmol%)を添加した後、高温真空条件下の重合反応に移行させた。まず、40分間で、真空度を30mmHg、重合温度280℃にまで昇温し、ついでその重合温度280℃のまま、真空度を1.5mmHgまで下げて、固有粘度が0.62dl/gになるまで、溶融重合反応を行った。この際、真空をひきはじめてから反応終了までに要し時間を重合時間とする。ポリマーは、ストランドの形で流水中に吐出され、ペレタイザによってチップ化した。そのチップを160℃において5hr乾燥後、N雰囲気下0.5mmHgの真空下205℃で固相重合して固有粘度0.82dl/gのポリマーを得た。
得られたポリマー中の触媒に起因する金属量は重合工程中に多少飛散するため表1中の残存量として蛍光X線分析で観測したものである。
【0030】
[実施例2]
酢酸コバルト4水和物0.004部(酸成分に対して3mmol%)を非晶性ゲルマニウムと同様の時期に添加する以外は、実施例1と同様の実験を行った。この得られたポリマーの品質、評価結果については表2に示した。
【0031】
[実施例3]
テレフタル酸89部とエチレングリコール54部をスラリーとして反応槽に供給し、通常の直重方法で、エステル化反応を250℃で実施した。DPがほぼ8になったオリゴマーにジメチル2,6―ナフタレンジカルボキシレート12.5部を一度に溶融添加し、ついで、その直後に非晶性GeOの0.0213部を添加し、DPが約10になるまで更に250℃でエステル化反応を続けた。DPが10にほぼ到達した時点で、トリメチルフォスフェートを0.013部添加し、その後は実施例1と同様の手順で重合反応を行った。
この得られたポリマーの品質、評価結果については表2に示した。
【0032】
[比較例1]
テレフタル酸89部とエチレングリコール54部をスラリーとして反応槽に供給し、実施例1の直重方法で、エステル化反応を250℃で実施した。DPがほぼ8になったオリゴマーに非晶性GeOの0.0213部を添加し、DPが約20に達するまで更に250℃で反応を続けた。DPがほぼ20になった時点で、ジメチル2,6―ナフタレンカルボキシレート12部を添加して、ついでその直後にトリメチルフォスフェートを0.013部添加してから高温真空条件下の重合反応に移行させた。その後は実施例1と同様の手順で重合反応を行った。
この得られたポリマーの品質、評価結果については表2に示した。
【0033】
[比較例2,3]
トリメチルフォスフェートの添加量を0.024部(酸成分に対して28mmol%:比較例2)、但し(比較例3)とする以外は実施例1と同様の実験を行った。
これら得られたポリマーの品質評価結果については表2に示した。
【0034】
[比較例4]
ジメチルテレフタレート90部、ジメチル2,2―ナフタレンジカルボキシレート10部、エチレングリコール63部に対して、酢酸カルシウム水和物0.053(酸成分に対して60mmol%)をエステル交換触媒として添加し、エステル交換反応の常法に従って、エステル化反応を行い、メタノールの溜出が理論量の90%に達した時点で、トリメチルフォスフェート0.047部(酸成分に対して67mmol%)を添加して、実質的にエステル交換反応を終了せしめた。尚、この時の最終反応温度は240℃であった。トリメチルフォスフェートを添加して5分後に非晶性GeOの0.0185部(酸成分に対して35mmol%)を添加し、10分間常圧で撹拌してから真空重合反応に移行した。
まず、40分間で、真空度を30mmHg、重合温度を280℃にまで昇温し、ついでその重合温度280℃のまま真空度を1.5mmHg以下まで下げて固有粘度が0.62dl/gになるまで溶融重合反応を行った。
この得られたポリマーの品質、評価結果については表2に示した。
【0035】
[比較例5]
エステル交換触媒として、酢酸コバルト4水和物0.004部(酸成分に対して3mmol%)、酢酸マグネシウム4水和物0.064部(酸成分に対して60mmol%)を添加する以外は比較例4と同様の実験を行った。
これら得られたポリマーの品質評価結果については表1に示した。
【0036】
[比較例6]
テレフルタ酸73部、ジメチル2,6―ナフタレンジカルボキシレート36部に添加量を変更する以外は[実施例1]と同様の実験を行った。
この得られたポリマーの品質、評価結果については表2に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0003742486
【0038】
【表2】
Figure 0003742486
【0039】
【発明の効果】
本発明の共重合PETは2,6―ナフタレンジカルボン酸成分を少量共重合して、成形品(容器)のガスバリア性を改良せしめると共に紫外線遮断性能を付与し、更に色相や透明性に優れ、しかもブロー成形時や延伸工程での白化[くもり]が小さく、高透明のボトルが得られる効果がある。

Claims (5)

  1. テレフタル酸成分/2,6―ナフレンジカルボン酸成分のモル比が80〜95/20〜5であり、しかもグリコール成分をエチレングリコールとする共重合ポリエステルの製造において、原料として、テレフタル酸成分にテレフタル酸、また2,6―ナフタレンジカルボン酸成分に2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルをそれぞれ選択し、ポリエチレンテレフタレートを直接エステル化重合法で製造するに際し、該ポリエチレンテレフタレートの平均重合度が10以下である間に2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを添加し、しかる後更に重合を進めて、共重合ポリマー中の残存金属量が下記式を満足することを特徴とする共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法。
    M≦10m mol%
    3≦P≦20m mol%
    (但し、Mはポリエステルを構成する二塩基酸成分に対する周期率表の第3、4周期の第I、II、VII 又はVIII族に属する金属化合物の含有量であり、またPは燐化合物の含有量である。)
  2. 直接重合法において用いる触媒がアンチモン化合物又はゲルマニウム化合物である請求項1に記載の共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルと請求項2に記載の触媒との添加時期が溶融重合において真空段階に移行する前であることを特徴とする請求項2に記載の共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  4. 周期率表の第3、4周期の第I、II、VII 又はVIII族に属する金属化合物を2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルのエステル交換反応触媒として使用した請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  5. 溶融重合後更に固相重合を施し、固有粘度を0.70乃至0.95とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合ポリエチレンテレフタレートの製造方法。
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