JP3737734B2 - 修飾プライマーを使用する増幅 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分子生物学及び核酸化学の分野に関連する。より詳しくは、本発明は核酸増幅反応を改良するための方法及び試薬に関する。従って、本発明は核酸増幅の使用されるあらゆる分野において有用である。
【0002】
【従来の技術】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の発明は核酸配列のin vitro増幅を可能にした。PCRは米国特許第4,683,195号;4,683,202号;及び4,965,188号;Saikiら1985, Science 230 : 1350-1354; Mullisら1986, Cold Springs Harbor Symp. Quant. Biol. 51 : 263-273;及びMullis and Faloona, 1987, Methods Enzymol. 155 : 335-350 に記載されている(各々、引用することで本明細書に組入れる)。PCRの開発及び用途は論文において相当に発表されている。例えば、一連のPCR関連トピックスがPCR Technology-principles and applications for DNA amplification, 1989, (ed. H.A. Erlich) Stockton Press, New York; PCR Protocols; A guide to methods and applications, 1990, (ed. M.A. Innisら)Academic Press, San Diego;及びPCR Strategies, 1995, (ed, M.A. Innisら)Academic Press, San Diego; において論ぜられている(各々、引用することで本明細書に組入れる)。小売業者、例えばApplied Biosystems (Foster City, CA )はPCR試薬を市販し、且つPCRプロトコールを公開している。
【0003】
核酸増幅の最初の公開以来、様々なプライマーベース核酸増幅方法、例えば限定することなく、ストランド置換アッセイ(Walkerら1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 : 392-396, Walkerら1992, Nucleic Acids Res. 20 : 1691-1696及び米国特許第5,455,166号)並びに転写ベース増幅システム、例えば米国特許第5,437,990号;5,409,818号;及び5,399,491号に記載の方法;転写増幅システム(TAS)(Kwohら1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 : 1173-1177);並びに自立式配列複製(3SR)(Guatelliら1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 : 1874-1878及びWO92/08800)が発表されている(上記の文献は全て引用することで本明細書に組入れる)。増幅システムの概説は引用することで本明細書に組入れるAbramson and Myers, 1993, Current Opinion in Biotechnology 4 : 41〜47 において示されている。
【0004】
プライマーベース増幅反応の特異性はプライマーのハイブリダイゼーション及び伸長に大きく依存する。典型的な増幅において利用される高い温度では、プライマーは目的の標的配列にだけハイブリダイズする。しかしながら、増幅反応混合物は一般に、プライマーハイブリダイゼーションの特異性を確保するのに必要とされる温度よりも十分に低い室温において作製される。このような低いストリンジェント条件下では、プライマーはその他の部分的にのみ相補性な核酸配列又はその他のプライマーに対して非特異的に結合して、所望されない伸長生成物の合成を開始させてしまうことがある。このような伸長生成物は標的配列と一緒に増幅してしまいうる。非特異的なプライマー伸長生成物の増幅は所望の標的配列の増幅と競合し得、そして所望の配列の増幅の効率を著しく下げてしまいうる。
【0005】
よく認められるタイプの非特異的増幅生成物は「プライマーダイマー」と称される増幅反応の鋳型非依存性アーチファクトである。プライマーダイマーは二本鎖フラグメントであり、その長さは一般に2本のプライマーの長さの合計に近く、そして一方のプライマーが他方のプライマーの上に伸長したときに起こるようである。その結果としての伸長生成物は所望されない鋳型を形成し、それはその短い長さのため、効率よく増幅されてしまう。
【0006】
非特異的な増幅は反応の開始前のプライマー伸長生成物の形成を抑えることによって抑えることができる。「ホットスタート」プロトコールと称される一の方法では、必要とされるハイブリダイゼーション特異性を供するのに十分に温度が上昇するまで1又は複数種の試薬を反応混合物に入れないでおいている。初期高温インキュベーション工程の後に反応チューブを開封し、そして欠落している試薬を添加する手動式ホットスタート方法はめんどうであり、しかも反応混合物の汚染の危険性が高まる。他方、引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,411,876号及び引用することで本明細書に組入れるChouら1992, Nucl. Acids Res. 20 (7) : 1717-1723 に記載のように、感熱材料、例えばワックスを独立又は隔離成分として使用できる。このような方法では、高温プレ反応インキュベーションが感熱材料を溶融させ、試薬の混合を可能にする。
【0007】
反応の開始前でのプライマー伸長生成物の形成を抑えるための別の方法はDNAポリメラーゼの熱可逆性不活化を頼りとする。共に引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,773,258号及び5,677,152号には、修飾基の共有結合により可逆的に修飾されたDNAポリメラーゼが記載されている。高温でのこの不活化DNAポリメラーゼのインキュベーションは修飾基−酵素結合を切断し、これにより酵素は再活性化される。
【0008】
DNAポリメラーゼ特異的抗体によるDNAポリメラーゼの非共有可逆性阻害が引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,338,671号に記載されている。
【0009】
非特異的な増幅は、引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,418,149号に記載の方法を利用して、反応開始前に形成された伸長生成物を酵素分解させることによっても抑えることができる。新たに合成された伸長生成物の分解は反応混合物の中にdUTP及びUNGを入れ、そしてこの反応混合物を増幅反応の実施前に45〜60℃でインキュベーションすることによって成し遂げられる。プライマー伸長はウラシル含有DNAの形成をもたらし、それはプレ増幅条件のもとでUNGにより分解される。この方法の欠点は伸長生成物の分解が伸長生成物の形成と競合し、また非特異的プライマー伸長生成物の消失があまり完璧でないことがある点にある。この方法の長所は先行の反応からの夾雑物として反応混合物に導入されるウラシル含有DNAも分解される点にあり、かくしてこの方法は先行の反応に由来する増幅核酸によるPCRの夾雑の問題をも軽減する。
【0010】
反応開始前のプライマー伸長生成物の形成を抑える別の方法は、引用することで本明細書に組入れる米国特許第6,001,611号に記載の通り、環外への成分の付加により3’末端又はその近傍において修飾されたプライマーの利用を頼りとする。
【0011】
当業者の技術常識の範囲内にある分子生物学及び核酸化学の慣用の技術は論文において詳しく説明されている。例えば、Sambrookら1989, Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York; Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait, ed., 1984); Nucleic Acid Hybridization (B.D. Hames and S.J. Higgins. eds., 1984); PCR Technology-principles and applications for DNA amplification, 1989, (ed, H.A. Erlich) Stockton Press, New York; PCR Protocols; A guide to methods and applications, 1990, (ed, M.A. Innis et al.) Academic Press, San Diego;及びPCR Strategies, 1995, (ed. M.A. Innis et al.) Academic Press, San Diego(全て、引用することで本明細書に組入れる)を参照のこと。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非特異的な増幅の問題の解決を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は非特異的な増幅の問題の簡便且つ経済的な解決を図る、プライマーベース増幅反応を利用する核酸配列のin vitro増幅のための方法及び試薬を提供する。この方法は3’末端又はその近傍において糖−リン酸骨格への特定の修飾を含むオリゴヌクレオチドプライマーの利用を包含する。
【0014】
一の態様において、当該方法は3つの3’末端ヌクレオチドのうちの少なくとも1つが2’−O−メチル−ヌクレオチド類、2’−アミノ−ヌクレオチド類、及び2’−フルオロ−ヌクレオチド類から成る群から選ばれる修飾ヌクレオチドであるといったオリゴヌクレオチドから本質的に成る修飾されたプライマーの利用を包含する。
【0015】
別の態様において、当該方法は3つの3’末端ヌクレオチドのうちの少なくとも1つがアラビノースを含む修飾ヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドから本質的に成る修飾されたプライマーの利用を包含する。
【0016】
本発明の一の観点はプライマーベース増幅反応を利用する核酸配列のin vitro増幅のためのキットに関連し、このキットは少なくとも一つの修飾されたプライマー、好ましくは目的とする標的各々について二つの修飾されたプライマーを含んで成る。キットは典型的には1又は複数種の試薬、例えば核酸ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、又は適当なバッファーを含んで成るであろう。任意的に、キットは追加の成分、例えば増幅生成物の検出のための手段を含んで成ってよい。
【0017】
本発明の別の観点は、少なくとも一の修飾されたプライマーを利用してプライマーベース核酸増幅反応を実施することを含んで成る核酸を増幅するための方法に関連する。従って、本発明はサンプル中に含まれている標的核酸を増幅するための方法を提供し、この方法は:
(a)標的核酸及び一組のプライマーペアーを含んで成る増幅反応混合物を用意し、ここでこのプライマーペアーの一方又は双方の構成員は修飾されたプライマーであり;そして
(b)工程(a)の反応混合物を核酸の増幅のために適当な条件下で処理する;
ことを含んで成る。
【0018】
本発明の好適な態様において、この増幅反応はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、少なくとも一のプライマー、そして好ましくは全てのプライマーが修飾されている。
【0019】
本発明の別の観点は少なくとも一の修飾されたプライマーを含む増幅反応混合物に関連する。好適な態様において、この増幅反応混合物はPCRを実施するための一組の修飾されたオリゴヌクレオチドのペアーを含む。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の理解を助けるうえで、いくつかの用語を以下に定義する。
【0021】
「核酸」及び「オリゴヌクレオチド」とはポリデオキシリボヌクレオチド(2’−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、並びにプリン又はピリミジン塩基のNグリコシドである任意のその他のタイプのポリヌクレオチドを意味する。「核酸」と「オリゴヌクレオチド」との間で長さにおいて意図する区別はなく、これらの用語は同義で用いることがある。これらの用語は分子の一次構造体のみに言及している。従って、これらの用語は二本鎖及び一本鎖DNA、並びに二本鎖及び一本鎖RNAを含む。本発明において利用する場合、オリゴヌクレオチドは非プリン又は非ピリミジン系ヌクレオチド類似体も含みうる。
【0022】
オリゴヌクレオチドは任意の適当な方法、例えばNarangら1979, Meth. Enzymol. 68 : 90-99 のホスホトリエステル法;Brownら1979, Meth. Enzymol. 68 : 109-151のホスホジエステル法;Beaucage 1981, Tetrahedron Lett. 22 : 1859-1862のジエチルホスホラミジット法;及び米国特許第4,458,066号の固相法の如き方法による直接化学合成等によって調製できる(各々、引用することで本明細書に組入れる)。オリゴヌクレオチド及び修飾ヌクレオチドのコンジュゲートの合成方法については引用することで本明細書に組入れるGoodchild, 1990, Bioconjugate Chemistry 1 (3) : 165-187 を参照のこと。
【0023】
「プライマー」とは、核酸鎖に対して相補性なプライマー伸長生成物の合成が誘導される条件下、即ち、適当なバッファー中の4種類のヌクレオシド三リン酸及び伸長剤(例えばDNAポリメラーゼ又は逆転写酵素)の存在下、且つ適当な温度においてDNAの開始点として作用できるオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは好ましくは一本鎖DNAである。プライマーの適当な長さはプライマーの用途に依存するが、典型的には10〜50ヌクレオチド、好ましくは15〜35ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は一般に鋳型と十分に安定なハイブリド複合体を形成するのに低めの温度を要する。プライマーは鋳型核酸の厳密な配列を反映する必要はないが、鋳型とハイブリダイズするよう十分に相補性でなければならない。一定の標的配列の増幅のために適当なプライマーのデザインは当業者に周知であり、そして例えば本明細書において引用する文献に記載されている。
【0024】
プライマーは、DNA合成の開始点として働くプライマーの基本的な特性を変えることなくその検出又は固定化を可能にする追加の特徴を含んでよい。例えば、プライマーは標的核酸にハイブリダイズしないが増幅生成物のクローニングを助長する追加の核酸配列を5’末端に含んでよい。ハイブリダイズすべき鋳型に対して十分に相補性なプライマーの領域をここではハイブリダイズ領域と称する。
【0025】
本明細書において用いる「修飾されたプライマー」又は「修飾プライマー」とは、天然のDNA及びRNAにおいて見い出せる慣用の2’−デオキシ−D−リボース又はD−リボース以外の糖を含む少なくとも1個のヌクレオチドを含むプライマーを意味する。同様に、本明細書において用いる「修飾されたヌクレオチド」又は「修飾ヌクレオチド」とは、天然のDNA及びRNAにおいて見い出せる慣用の2’−デオキシ−D−リボース又はD−リボース以外の糖を含むヌクレオチドを意味し、そして糖が側鎖の付加もしくは置換により修飾されたヌクレオチド、又は糖が天然のDNA及びRNAにおいて見い出せる慣用の2’−デオキシ−D−リボースもしくはD−リボースの立体異性体であるヌクレオチド、又はその両者を包含する。この用語は修飾されたプライマー又はヌクレオチドが修飾過程の産物であることを示すために用いているのではなく、天然のDNA又はRNAと比較してオリゴヌクレオチド骨格において相違が存在することを示すために用いている。詳しくは、本発明のプライマーは好ましくは修飾されたヌクレオチドを含むように合成されたものであるが、慣用のヌクレオチドだけを当初から含むプライマーの化学修飾がそれに代わる合成法を担ってよい。
【0026】
「標的」、「標的配列」、「標的領域」及び「標的核酸」とは、増幅すべき核酸の領域又はサブ配列を意味する。
【0027】
「ハイブリダイゼーション」とは、相補性塩基対合に基づく二本の一本鎖核酸による二量体構造の形成を意味する。ハイブリダイゼーションは完全に相補性な核酸鎖同志、又はわずかな誤対合領域を含む「実質的に相補性」な核酸鎖同志で起こりうる。完全に相補性な核酸鎖同志のみがハイブリダイズする条件を「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」又は「配列特異性ハイブリダイゼーション条件」と称する。実質的に相補性な配列同志の安定な二量化は低ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で達成されうる:誤対合の度合いはハイブリダイゼーション条件の適当な調節によりコントロールされうる。核酸技術の当業者は当業界において紹介されている指針に従い、オリゴヌクレオチドの長さ及び塩基対合濃度、イオン強度、金属陽イオン、並びに誤対合塩基対合の発生率等の数多くの変動要因を考慮したうえで経験的に二量体安定性を決定できる(例えば、Sambrookら1989, Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York;及びWetmur, 1991, Critical Review in Biochem. and Mol. Biol. 26 (3/4) : 227-259 を参照のこと;共に引用することで本明細書に組入れる)。
【0028】
本明細書において、プライマーは、十分にストリンジェントな条件下の増幅反応において用いたときに、標的核酸にハイブリダイズした場合にのみ伸長しうるなら、その標的核酸に対して「特異的」であるといえる。典型的には、プライマーは、プライマーと標的との二量体の安定性が、特にプライマーの3’末端領域において、プライマーとサンプル中に見い出せる任意のその他の配列との間で形成される二量体の安定性よりも高いなら、標的配列に対して特異的である。当業者は様々な要因、例えばプライマーの塩基組成及び誤対合の位置がプライマーの特異性に影響を及ぼし、従ってプライマー特異性の慣用の実験的確認がほとんどの場合において必要であろうことを認識しているであろう。標的−特異的プライマーが標的配列にハイブリダイズしたときにのみ伸長可能であるハイブリダイゼーション条件は慣用の方法で実験的に決定できうる。かくして、適当にストリンジェントな条件下での標的−特異的プライマーの利用は、標的プライマー結合部位を含む標的配列の特異的な増幅を可能にする。配列−特異的増幅条件の利用は、厳密に相補性なプライマー結合部位を含む標的配列の特異的な増幅を可能にする。
【0029】
「非特異的な増幅」とは、標的配列以外の核酸配列の増幅を意味し、それは標的配列以外の配列に対するプライマーのハイブリダイズに由来し、そしてそれはプライマー伸長のための基質を担ってしまう。非標的配列に対するプライマーのハイブリダイゼーションは「非特異的ハイブリダイゼーション」を意味し、そして低温、低ストリンジェンシーなプレ増幅条件で起こりうる。当業者は、極めて不安定な二量体さえも、平衡状態ではめったにはないが、過渡的に形成されうることを認識しているであろう。
【0030】
本明細書でいう「プライマーダイマー」は、一般に鋳型非依存性非特異的増幅生成物を包含する。プライマーダイマーの起源はよくわかってはいないが、プライマーダイマーは別のプライマーが鋳型を担ってしまうプライマー伸長に由来するものと信じられている。得られる増幅生成物は一般に2本のプライマーのコンカテマー、即ちダイマーにほぼ相当するようであるが、2本より多くのプライマーのコンカテマーも生ずる。
【0031】
「反応混合物」とは、所定の反応を実施するのに必要な試薬を含む溶液を意味する。増幅反応を実施するために必要な試薬を含む溶液を意味する「増幅反応混合物」は一般にオリゴヌクレオチドプライマー及び核酸ポリメラーゼを適当なバッファー内に含んでいる。「PCR反応混合物」は一般にオリゴヌクレオチドプライマー、DNAポリメラーゼ(最も一般的には熱安定性DNAポリメラーゼ)、dNTP及び二価の金属陽イオンを適当なバッファー内に含む。反応混合物はそれが反応を可能にするのに必要な試薬を全て含むなら完全といい、そして必要な試薬のサブセットのみを含むなら不完全という。便宜上、貯蔵安定性のため、又は成分濃度の用途依存式調節を可能にするため、反応成分は通常別々の溶液として貯蔵され、各々が全成分のサブセットを含むようにされていることが、また反応成分を反応の前に組合せて完全な反応混合物が作られることが当業者により理解されているであろう。更に、商品化のために反応成分は個別に包装され、また本発明の有用な商品キットは本発明の修飾されたプライマーを含む反応成分の任意のサブセットを含みうることが当業者により理解されるであろう。
【0032】
本明細書において引用する文献、特許、特許出願は全て本明細書の中に組込まれる。
【0033】
修飾されたプライマー
本発明の修飾された増幅用プライマーは3’末端又はその近傍において糖−リン酸骨格への特定の修飾を含む。一の態様において、この修飾されたプライマーは3つの3’末端ヌクレオチドのうちの少なくとも1つが2’−O−メチル−ヌクレオチド類、2’−アミノ−ヌクレオチド類及び2’−フルオロ−ヌクレオチド類から成る群から選ばれる修飾されたヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドから本質的に成る。好適な態様において、この修飾されたプライマーは3つの3’末端ヌクレオチドのうちの少なくとも1つが2’−O−メチル−リボヌクレオチド類、2’−デオキシ−2’−アミノ−ヌクレオチド類及び2’−デオキシ−2’−フルオロ−ヌクレオチド類から成る群から選ばれる修飾されたヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドから本質的に成る。このような修飾には、2’OHへの成分の付加、又は2’OHの別の成分による置換が挙げられる。
【0034】
別の態様において、この修飾されたプライマーは3つの3’末端ヌクレオチドのうちの少なくとも1つがアラビノースを含む修飾されたヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドから本質的に成る。アラビノースはリボースの立体異性体であり、C−2を中心とする形態においてのみ相違する。アラビノースの2’位が2’OHへの成分の付加又は2’−OHの別の成分による置換により修飾された態様が本発明の方法において有用であろうことが期待されている。好適な態様において、この修飾されたプライマーは3つの3’末端ヌクレオチドのうちの少なくとも1つが未修飾アラビノースを含むオリゴヌクレオチドから本質的に成る。
【0035】
一般の増幅プライマーのデザイン及び利用は当業界において周知である。本発明のプライマーはプライマー配列への特定の修飾されたヌクレオチドの合体により区別される。プライマーのその他の観点、例えば全長及び配列はプライマーデザインの標準的な経験に従って選定される。
【0036】
一般に、プライマーは一本鎖のデオキシリボヌクレオチド(DNA)から成り、そして慣用の塩基、即ち、2種類のプリン塩基であるアデニン及びグアニン、並びに2種類のピリミジン塩基であるシトシン及びチミンを含む。しかしながら、本発明は慣用の塩基だけから成るプライマーに限定されない。例えばプライマー−標的二量体のハイブリダイゼーション安定性を改変するために塩基類似体を利用してよい。未修飾増幅プライマーにおいて利用できる任意の塩基類似体が本発明のプライマーにおいて利用できうる。慣用でない塩基とも称される塩基類似体の例には、3−メチルアデニン、7−メチルグアニン、3−メチルグアニン、5−メチルシトシン及び5−ヒドロキシメチルシトシンが挙げられる。
【0037】
操作の理論
プライマーベース増幅は、まずプライマーを標的核酸にハイブリダイズさせ、次いで酵素的に伸長させるといった反復プライマー伸長を包含する。増幅の特異性はプライマーハイブリダイゼーションの特異性に依存する。一の仮説は、非特異的な増幅が、プライマーと非標的分子、考えられるものとしては他方のプライマーとの間で不安定で過渡的なハイブリダイゼーション二量体が形成されたときに起こることであり、それにおいてはプライマーの3’末端が別の分子内の相補性塩基と瞬間的に対合してしまう。一次プライマー伸長は相補性配列の形成をもたらし、それは二量体を安定にし、そして更なる伸長を可能にする。
【0038】
理論に拘束されるわけではないが、本発明の修飾されたプライマーは一次プライマー伸長が起こるのに必要な時間を長くすることによって非特異的な増幅を抑えるものと信じられている。骨格の修飾はおそらくは、プライマー−標的二量体を伸長のための鋳型としてあまり好ましくないものにしてしまうことにより一次伸長を遅らせる。一次伸長の遅延は、例えばプレ反応条件下でのプライマー同志間の不安定な過渡的ハイブリダイゼーション二量体がプライマー伸長を可能にするのに十分な時間存在している傾向を低める。
【0039】
対照的に、プライマー−標的ハイブリダイゼーション二量体は増幅において利用されるプライマーハイブリダイゼーション条件下では十分に安定であり、かくして必要とされる追加の時間は伸長を妨げない。従って、このモデルのもとでは、修飾は増幅条件下でのプライマー伸長を有意に阻害しないが、プレ増幅条件下で非標的配列との間で形成される不安定な過渡的二量体が関与するプライマーの伸長の確率は下げる。
【0040】
一般のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーと比べ、2’−O−メチル−リボヌクレオチド類、2’−デオキシ−2’−アミノ−ヌクレオチド類及び2’−デオキシ−2’−フルオロ−ヌクレオチド類は、糖のC−2に結合したバルキーな側鎖を含む。この側鎖はプライマー−標的二量体への酵素の結合を立体的に妨害するようであるが、伸長を妨げるほどではない。このことは、似たようなかさ高さのその他の側鎖が似たような効果を奏し、そして本発明の方法において利用できうることをも示唆する。
【0041】
アラビノース含有ヌクレオチドは、糖のC−2に結合したH及びOH側鎖の方向を変えることにより、酵素との相互作用を改変する。その他の立体異性体も伸長を阻害はするが消失はさせないことがあり、そしてこのような化合物は本発明の方法において有用であると期待される。
【0042】
修飾されたプライマーの合成
修飾されたプライマーの合成は当業界周知の標準化学手段、例えばBeaucageら、1981, Tetrahedron Lett. 22 : 1859-1862のジエチルホスホラミジット法、及び米国特許第4,458,066号の固相法を利用して実施する(各々、引用することで本明細書に組入れる)。
【0043】
好ましくは、この合成反応は商業的に入手できる自動DNA合成装置(例えばApplied Biosystems, Foster City, CA 由来のABI 374 DNAシンセサイザー)で、商業的に入手できるホスホラミジット(例えば、Applied Biosystems, Foster City, CA 由来のもの)を利用して実施する。本発明において利用する修飾されたヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを合成するために適当なヌクレオチドホスホラミジット及び支持体は例えばGlen Research (Sterling, VA )より商業的に入手できる。
【0044】
標準のオリゴヌクレオチド合成はヌクレオシドモノマーの成長鎖への段階的添加により実施する。各添加は、ヌクレオシドモノマーの反応性3’リン基を、固相支持体に結合した別のヌクレオシドの5’ヒドロキシルにカップリングさせることを包含する。最終ヌクレオシドの添加後、このオリゴヌクレオチドを支持体から切断し、保護基を塩基から除去し、そしてこのオリゴヌクレオチドを使用のために精製する。
【0045】
標準の合成方法を利用して、最終オリゴヌクレオチドにおける3’末端ヌクレオチドを固相支持体に最初から結合したヌクレオシドから誘導する。このようにして、3’末端修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの合成を、修飾されたヌクレオシドを含む固相支持体で実施する。内部修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの合成は適当なヌクレオシドホスホラミジットモノマーを利用して実施する。
【0046】
2’−O−メチルリボヌクレオシド類はホスホラミジットとして、及び合成支持体に予め結合されたものとして、商業的に入手できる。その他の修飾されたヌクレオチド類はホスホラミジットのみとして容易に入手できる。修飾されたヌクレオシドモノマーのホスホラミジットを利用する3’末端修飾ヌクレオチドによるオリゴヌクレオチドの合成を可能にするその他の合成支持体が入手できる。例えば、万能支持体、例えばAvecia Ltd. のライセンスのもとでGlen Research (Sterling, VA )より市販されているものは固相支持体からの合成オリゴヌクレオチドの第一と第二3’モノマーとの間で切断を可能にする。3’末端ヌクレオシドにすべき修飾されたヌクレオシドを第一モノマー添加において加え、これにより成長鎖の第二モノマーとなる。最後の添加の後、支持体に当初から結合していた3’末端ヌクレオシドは最終切断工程の際に排除され、所望の末端修飾ヌクレオチドが残る。
【0047】
修飾されたプライマーを利用する増幅
本発明の方法はプライマーベース増幅を実施することを含んで成り、ここでこのプライマーの少なくとも一方は本発明の修飾されたプライマーである。一般に、この修飾されたプライマーは本明細書における指針に従い増幅反応条件における慣用の改良だけで、プライマーベース増幅において同一のヌクレオチド配列を含む未修飾プライマーの代わりに用いることができる。
【0048】
好適な態様において、本発明の修飾されたプライマーは米国特許第4,683,195号;4,683,202号;及び4,965,188号;Saikiら1985, Science 230 : 1350-1354; Mullisら1986, Cold Springs Harbor Symp. Quant. Biol. 51 : 263-273;及びMullis and Faloona, 1987, Methods Enzymol. 155 : 335-350 (各々は、引用することで本明細書に組入れる)に記載のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において利用される。しかしながら、本発明は任意の特定の増幅系に制限されない。プライマーダイマー又は非特異的増幅生成物が形成されるその他のプライマーベース増幅方法において当該修飾されたプライマーの利用が有用であると期待される。プライマーベース増幅方法の例には、ストランド置換アッセイ(Walkerら1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 : 392-396, Walkerら1992, Nucleic Acids Res. 20 : 1691-1696及び米国特許第5,455,166号)並びに転写ベース増幅方法、例えば米国特許第5,437,990号;5,409,818号;及び5,399,491号に記載の方法;転写増幅システム(TAS)(Kwohら1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 : 1173-1177);及び自立配列複製(3SR)(Guatelliら1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 : 1874-1878及びWO92/08800)が挙げられる。上記の文献は全て引用することで本明細書に組入れる。増幅システムの概要は、引用することで本明細書に組入れるAbramson and Myers, 1993, Current Opinion in Biotechnology 4 : 41〜47 に記載されている。
【0049】
上記の核酸増幅方法において利用するための酵素は当業界において周知である。例えば、PCRの様々な増幅のために有用なDNAポリメラーゼ及びその突然変異体は米国特許第4,889,818号;同5,079,352号;同5,352,600号;同5,374,553号;同5,405,774号;同5,420,029号;同5,455,170号;同5,466,591号;同5,491,086号;同5,618,711号;同5,624,833号;同5,674,738号;同5,677,152号;同5,773,258号;同5,789,224号;同5,795,762号;同5,939,292号;同5,968,799号;ヨーロッパ特許公報第892,058号;同823,479号;同0 902,035号;及び同時係属中米国出願第09/146,631号に記載されている(各々、引用することで本明細書に組入れる)。その他の核酸増幅方法において利用するためのその他の酵素も当業界において周知であり、そして例えば増幅反応について述べている上述の文献に記載されている。
【0050】
当業者は、修飾されたプライマーの効果の程度が選定の特定の増幅反応及び反応条件に依存するであろうことを理解する。この効果の程度は本実施における教示に従って実験的に決定できる。
【0051】
DNAポリメラーゼは触媒活性のために二価の陽イオンを必要とする。熱活性又は熱安定性DNAポリメラーゼ及びDNA鋳型を利用する伸長反応の場合、好適な二価陽イオンはMg+2であるが、その他の陽イオン、例えばMn+2又はCo+2がDNAポリメラーゼを活性化しうる。RNA鋳型を利用する伸長方法、即ち、逆転写の効率を高めるためのMn+2の利用は米国特許第5,310,652号;同5,322,770号;同5,407,800号;同5,561,058号;同5,641,864号;及び同5,693,517号に記載されている(全て引用することで本明細書に組入れる)。Mn+2の利用は、RNA又はDNA鋳型のいずれを利用したときでも、増幅の精度をも低める。一般に、Mn+2の利用は、Mg+2を利用して実施する増幅と比べ、修飾されたプライマーの利用に由来する鋳型増幅の遅延を小さくする。
【0052】
特定の突然変異DNAポリメラーゼが本発明において有用でありうる。引用することで本明細書に組入れる同時係属米国出願第60/198,336号には特定の突然変異DNAポリメラーゼの利用が記載されており、それは共に引用することで本明細書に組入れるヨーロッパ特許公報第0,902,035号及び同時係属米国出願第09/146,631号に記載され、より効率的な高温逆転写及びRNA増幅反応、特にMg+2活性化反応を達成せしめる。実施例に記載の通り、この特殊な突然変異は、本発明の方法において用いたとき、標的増幅に対する修飾されたプライマーの遅延効果を小さくする傾向にある。上記の特許に記載のサーマトガ・マリチマ(Thermatoga maritima )に由来するDNAポリメラーゼが、本発明において利用したときに似かよった利点を供し得る。
【0053】
適切なプライマー修飾、酵素、陽イオン、並びにその他の試薬及び条件の選定は増幅に依存するであろう。ある用途においては、プライマーダイマーを最少限にすることが、標的増幅の効率よりも重要なことがある。その他の用途では、標的増幅効率を可能な限り維持し、しかもプライマーダイマーを減らすことが所望されうる。当業者は、一般に適当な反応条件、並びに特定の酵素及び二価陽イオンが、本明細書に記載の指針及び実施例に従い、慣用の実験方法を利用して任意の特定の用途のために経験的に選択できることを理解しているであろう。
【0054】
本発明は、例えば前述の文献に記載されているようなその他の非特異的増幅方法に適合可能である。例えば、本発明は各々引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,677,152号及び5,773,258号に記載の可逆的に不活化された酵素を利用して実施する増幅において利用できうる。高温反応条件下で再活性化される可逆的に不活化された酵素の利用は、反応開始前の任意の修飾されたプライマーのプライマー伸長を阻害することによって非特異的な増幅を更に抑制する。Hoffmann-La Roche (Nutley, NJ )により製造開発され、そしてApplied Biosystems (Foster City, CA )により販売されている可逆的に不活化された熱安定性DNAポリメラーゼは引用することで本明細書に組入れるBirchら1996, Nature 381 (6581); 445〜446に記載されている。
【0055】
本発明は更に、引用することで本明細書に組入れる米国特許第6,001,611号に記載の修飾されたプライマーと一緒に利用してよい。本明細書に記載の通り、プライマーは3’末端又はその近傍のヌクレオチドの環外アミンへの修飾基の共有結合により修飾されうる。環外アミンへの基の結合は、本明細書において示す通り、3’末端又はその近傍の修飾されたヌクレオチドの利用を妨げない。特定の標的及び反応条件に利用するための複数のプライマー修飾の適当な組合せは下記の実施例に記載の通りの慣用の実験により選定されうる。
【0056】
増幅反応のために適当なサンプル調製方法は当業界において周知であり、そして本明細書において引用する文献に完全に記載されている。使用する特定の方法は本発明の本質的な部分ではない。当業者は、公知のサンプル調製方法に利用するための反応条件の最適化を図ることができる。
【0057】
増幅された核酸を分析する方法は当業界において周知であり、そして本明細書において引用する文献に記載されている。使用する特定の方法は本発明の本質的な部分ではない。当業者は用途に応じて適当な分析方法を選択できる。
【0058】
増幅反応を分析するための好適な方法はHiguchiら1992, Bio/Technology 10 : 413-417; Higuchiら1993, Bio/Technology 11 : 1026-1030; Higuchi and Watson, 1999, PCR Applications (Innis et al., eds.) Chapter 16, Academic Press, San Diego ;米国特許第5,994,056号;及びヨーロッパ特許公報487,218及び512,334(各々は引用することで本明細書に組入れる)に記載の通り、反応混合物中の二本鎖DNAの総量の増大を追跡することによる。「カイネチック(動力学)PCR」と本明細書では称するこの方法において、二本鎖DNAの検出はエチジウムブロミド(EtBr)及びその他のDNA結合性ラベルが二本鎖DNAに結合したときに示す蛍光の増大を頼りとする。この増幅はラベルの存在下で実施する。標的配列の合成に由来する二本鎖DNAの増大は、二本鎖DNAに結合したラベルの量及びそれに付随する検出可能な蛍光の上昇をもたらし、それは増幅の際に追跡される。従って、この方法は増幅反応の進行の追跡を可能にする。
【0059】
カイネチックPCRにおいて、測定される蛍光は、非特異的増幅に由来しようとも、標的配列の増幅に由来しようとも、存在する二本鎖DNAの総量に依存する。蛍光の追跡は二本鎖DNAの総量の増大の測定を可能にするが、標的配列の増幅に由来する増大は非特異的な増幅生成物に由来する増大と独立して測定されるものではない。本発明の修飾されたプライマーはカイネチックPCRにおいて極めて有用であり、なぜならそれらは形成されるプライマーダイマーの量を抑えるだけでなく、検出可能な量のプライマーダイマーの形成も遅らせるからである。標的配列の有意義な増大が起きる後までプライマーダイマーの形成を遅らせることは、標的配列の増幅の独立した追跡を可能にし、しかもプライマーダイマーに由来する妨害を最少限にする。
【0060】
キット
本発明は更にキット、典型的には本発明の方法を実施するための有用な成分を含んで成るマルチコンテナーユニットに関連する。有用なキットは核酸増幅のためのプライマーを含み、その少なくとも一つは本明細書に記載の通りに修飾されている。このキットのその他の任意的な成分には、例えばプライマー伸長生成物の合成を触媒する試薬、基質ヌクレオシド三リン酸、適当な反応バッファー、及び本発明を実施するための仕様書が挙げられる。
【0061】
【実施例】
実施例1
修飾されたプライマーを試験するために用いたプロトコール
プライマーダイマーの形成に対する様々な修飾プライマーの効果を、修飾された又は未修飾のプライマーを利用して実施する増幅を比較することによって試験した。この比較は以下に本質的に記載されたプロトコールを利用して実施した。プロトコールに変更がなされているとき、その変更は実験の説明において示している。
【0062】
標的核酸
gag遺伝子に由来するHIV−1サブタイプO DNAのセグメントを含むプラスミドを標的として用いた。
【0063】
プライマー
増幅を修飾された及び未修飾のプライマーの両者を用いて実施した。プライマーのヌクレオチド配列は以下に示す通りであり、5’から3’の方向で並んでいる。これらのプライマーはHIV−1配列由来のgag遺伝子の一部を増幅する。
【0064】
3種の上流プライマーは同一のプライマーの変異体であり、各々は標的配列に対して完全に相補性であるが、末端ヌクレオチドにおいて相違する(A,T又はG)。これは末端ヌクレオチドの修飾の効果の比較を可能にし、しかもプライマー配列の相違の効果を最少限にする。
【表1】
Figure 0003737734
【0065】
これらの修飾されたプライマーは同一のヌクレオチド配列から成るが、3’末端ヌクレオチドの1又は複数が修飾されたヌクレオチドとなっている。以下の略語をヌクレオチドの表示に用いている。
【表2】
Figure 0003737734
【0066】
上記の各プライマーは3’末端ヌクレオチドで相違するため、プライマーは実施例において末端ヌクレオチドにより表示する。追加の上流修飾ヌクレオチドを含むプライマーの場合、適宜末端の2又は3個のヌクレオチドを示している。従って、例えば2’omeGと表示した上流プライマーは配列SK 145+G(SEQ ID NO:3)を有するプライマーを意味し、ここで3’末端ヌクレオチドは2’−O−メチル−グアノシンである。同様に、2’omeA−dAと表示した上流プライマーは配列SK 145−T(SEQ ID NO:1)を有するプライマーを意味し、ここで3’末端から2番目のヌクレオチドは2’−O−メチルーアデノシンであり、そして3’末端ヌクレオチドは未修飾アデノシンである。
【0067】
プライマーをABI 394 DNAシンセサイザー(Perkin Elmer, Applied Biosystems Division, Foster City, CA)で合成した。修飾されたヌクレオシドホスホラミジットは例えばGlen Research (Sterling, VA )から入手した。慣用の合成条件を、本質的に製造者により推奨の通りにして利用した。
【0068】
粗プライマーをRainin HPLCシステム(Rainin Instrument Co, Woburn MA )上のRainin Pure−DNAカラムを用い、標準のDMT On/Off HPLCにより精製した。これらのオリゴヌクレオチドをABIキャピラリー電気泳動システム(Applied Biosystems, Foster City, CA )を用いて、又はDionex Nucleopakカラム(Dionex Corp, Sunnyvale, CA)上での変性陰イオン交換HPLCクロマトグラフィーにより分析した。
【0069】
DNAポリメラーゼ
増幅は、引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,455,170号及び5,674,738号に記載のサーマス(Thermus)種ZO5由来の熱安定性DNAポリメラーゼを用いて実施した。
【0070】
増幅は、サーマス・サーモフィルス(T. thermophilus)(Tth)由来のDNAポリメラーゼの2つの突然変異形態を用いて実施もした。Tthは引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,618,711号に記載されている。
【0071】
本明細書においてCE31と表示する突然変異Tth DNAポリメラーゼは点突然変異Q682K及びE683Kを含む(ここで、番号は突然変異のアミノ酸位置を示し、接頭文字は天然酵素のアミノ酸の標準一文字コードであり、そして接尾文字は突然変異酵素のアミノ酸の標準一文字コードである。E683K突然変異はDNAポリメラーゼの、引用することで本明細書に組入れるヨーロッパ特許公報第0,902,035号及び同時係属米国出願第09/146,631号に記載のフルオレセイン及びシアニン科色素でラベルされたデオキシヌクレオチド(dNTP)及びヌクレオチド類似体、例えばジデオキシヌクレオチド(ddNTP)等のヌクレオチド類を組込む能力を高める。引用することで本明細書に組入れる同時係属米国出願第60/198,336号は、より効率的な高温逆転写及びRNA増幅反応、特にMg+2活性化反応の利用を述べる。
【0072】
本明細書においてCE18と表示するその他の突然変異Tth DNAポリメラーゼは点突然変異Q682K,E683K及びG46Eを含む。G46E突然変異は引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,446,591号に記載の通り、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を本質的に消失させる。CE18はCE31とは、G46E突然変異の存在だけで相違する。酵素の5’→3’エキソヌクレアーゼドメイン内でのこの点突然変異の有無は酵素の修飾されたプライマーを伸長する能力に対して影響を及ぼさないものと予想される。
【0073】
増幅条件
増幅は、特にことわりのない限り、以下の試薬を含む100μlの反応容量で実施した:
標的なし(陰性コントロール)又は104 〜106 コピーのHIV鋳型DNA
0.5μMづつの各プライマー(50pmole )
5〜50ユニットのDNAポリメラーゼ
50mMのトリシン(pH8.3)
120mMのKOAc
300μMづつのdATP,dCTP及びdGTP
600μMのdUTP
3mMのMnOAc
8.5%のグリセロール
10ユニットのUNG*
10μg/mlのエチジウムブロミド
* Hoffmann-La Roche により製造開発され、そしてApplied Biosystems (Foster City, CA )より販売
【0074】
各反応の熱サイクルは、引用することで本明細書に組入れるHiguchi and Watson, 1999, PCR Applications (Innis ら編)第16章、Academic Press, San Diego に記載の通り、反応中のエチジウムブロミドの蛍光の追跡を助長するために改良されたGeneAmp(登録商標)PCRシステム9600サーマルサイクラー(Applied Biosystems, Foster City, CA )で実施した。他方、反応は、異なり合う色素を利用するために検出波長の選択が可能なABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems, Foster City, CA )又はSYBR(登録商標)Green I(Molecular Probes, Eugene, OR)を利用すべき予め設定された検出波長をもつようにデザインされたGeneAmp(登録商標)5700配列検出システム(Applied Biosystems, Foster City, CA )で実施できる。熱サイクルは、特にことわりのない限り、下記の温度プロファイルを利用して実施した:
Figure 0003737734
【0075】
プレ反応インキュベーションは、引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,418,149号に記載の通り、低温反応設定の際に形成される任意のdU含有プライマー伸長生成物の分解をUNGが助長できるようにする。温度サイクルはほとんどの反応で60サイクルにわたり実施したが、一部の反応は早めのサイクルで停止させた。
【0076】
増幅された生成物の検出
増幅された生成物の蓄積量は、上記のカイネチックPCR法を利用して反応中の各サイクルにて測定した。二本鎖DNAの中にインターカレーションしたときにより強く蛍光を発する反応混合物中のエチジウムブロミドの蛍光を追跡して、増幅の際の二本鎖DNAの増大を測定した。反応は各サイクルにおける反応混合物の蛍光の測定により追跡した。
【0077】
蛍光測定値を、サイクル間の蛍光測定値が比較的一定の間、即ち、反応生成物の検出可能な増大がある前の反応の初期のサイクルの際に得られる初期蛍光測定値で除することにより標準化した。この初期蛍光測定値について選定したサイクル数は比較した反応全てについて同じであり、従って全ての測定値は同じ反応サイクル回数に関する増大を示す。
【0078】
反応の際の反応生成物の増大を、標準化蛍光値が任意の蛍光レベル(AFL)を超えるまで増幅サイクル回数として測定した。AFLは、基底蛍光レベルに近いが、測定蛍光値におけるランダムな変動の範囲を超えるように選び、増幅の幾何学的な成長段階の際の反応速度が測定されるようにした。後半のサイクルでは、増幅生成物の蓄積が反応を阻害し、最終的には反応をプラトーへと導いてしまう。
【0079】
全ての反応について1.2のAFLを選んだ。PCR増幅は不連続のサイクルから成るため、そして蛍光測定は一サイクルにつき一回行うため、測定蛍光値は一般に一回のサイクルでAFLより低い値からAFLより高い値へと上昇する。測定の精度を高めるため、本明細書においてCT 値と称するAFL域値に達するまでの「正確」なサイクル数は、サイクル間に蛍光測定値を外挿することにより算出した。
【0080】
カイネチックPCR法は二本鎖DNAの総量の増大だけを測定するため、非特異的な増幅生成物は目的の増幅生成物と独立して測定されない。鋳型非依存性、非特異的増幅生成物(プライマーダイマー)の産生を測定するため、反応混合物中に鋳型核酸の入っていない別の反応を実施した。かかる鋳型フリー反応では、二本鎖DNAの任意の増大は鋳型非依存性非特異的増幅生成物、即ち、「プライマーダイマー」の形成に原因する。
【0081】
ほとんどの反応で、十分な増幅サイクルを実施すると、プライマーダイマーは究極的に形成されてしまい、そして一旦形成されると、プライマーダイマーはそのサイズの小ささを理由に効率的に増幅されてしまう。しかしながら、プライマーダイマーの生成は、標的増幅のCT を十分に経た後にプライマーダイマーが検出できない限り、標的増幅により観察されるCT に影響を及ぼすことはない。好ましくは、プライマーダイマーの形成は遅延し、従ってこの反応に利用するサイクル回数では形成されない。
【0082】
標的増幅と比べ、プライマーダイマーの形成はわずかに遅れただけで反応において有意な利点を供しうる。PCRの幾何学的成長段階の際の増幅生成物の急速な蓄積を理由に(各サイクルは増幅生成物の量のほぼ二倍化をもたらす)、標的増幅と比較してのプライマーダイマーの形成の遅延のサイクルは毎回、標的の量と比べ存在するプライマーダイマーの量をほぼ半分にする。プライマーダイマーの相対量のこの低下は標的CT に対するプライマーダイマー形成の任意の作用を最少限にするのに役立つ。
【0083】
修飾されたプライマーは一般に所望の増幅生成物の形成に対していくつかの効果、通常は遅延効果を有する。好ましくは、この遅延は、プライマーダイマーの形成の遅延が大きくなるにつれ、小さくなる。標的の増幅において得られる絶対CT は初期標的濃度に依存するため、標的鋳型を含む反応に由来する結果は、修飾されたプライマーを利用する反応と未修飾プライマーを利用する匹敵の反応との間でのΔCT と表示する得られるCT 値の差を比較することによって分析した。このようにして、好適な修飾されたプライマーは標的増幅のCT に最少限の変化を供し、且つ非標的増幅のCT の最大限の増大を供するものである。
【0084】
実施例2
未修飾プライマーを利用した結果
修飾されたプライマーを利用して得られる改善を評価するために利用できるプライマーダイマーの形成の尺度を供するため、プライマーSK 145(SEQID NO:2)及びGAG152(SEQ ID NO:4)の未修飾バージョンを利用して標的鋳型抜きで増幅を実施した。これらの反応は一連のDNAポリメラーゼ濃度で実施した。鋳型フリー反応から観察される代表的なCT 値を下記の表に示す。
【表3】
Figure 0003737734
【0085】
双方のDNAポリメラーゼに関し、プライマーダイマーは高めの酵素濃度において早めに形成されがちであった。一般に、CE31 DNAポリメラーゼを利用する反応はZO5 DNAポリメラーゼを利用するものよりも早く(低いCT 値)プライマーダイマーをもたらした。
【0086】
3種の上流プライマーの未修飾形態を利用し、反応におけるプライマーダイマー形成を比較する増幅を実施した(データーは示さない)。これら3つの上流プライマーを用いてほぼ同じ結果が得られた。このため、下記の未修飾プライマーに対する修飾されたプライマーの比較において、3つの考えられる未修飾プライマーは交互に使用した。
【0087】
鋳型フリー反応に由来するCT 値は鋳型の増幅に由来するCT 値よりも変動し易いようである。これはおそらくは、いくつかの反応においては生じないことのある、一次プライマーダイマー鋳型を形成するための時間における無秩序さを反映する。一旦形成されると、プライマーダイマーはそのサイズの小ささのために効率的に増幅される。以下に示す通り、プライマーダイマーは複製反応において通常ほぼ同じサイクル回数において検出可能となりはじめるが、反応によってはプライマーダイマーは有意に遅延するか、又は一の複製において全く形成されないことがある。
【0088】
実施例3
2’−O−メチル修飾プライマーを利用した結果
様々な修飾されたプライマーの組合せを利用した増幅の結果を以下の表に報告する。各反応において用いるプライマーの修飾、酵素、及び酵素濃度を以下の表に示す。
【0089】
目的の増幅生成物(「Amplicon」)を生み出す標的鋳型の増幅に由来する結果を、表示の修飾されたプライマーで実施した反応と、未修飾プライマーを用いる反応との間のCT の差(ΔCT )として報告する。増幅は一般にデュプリケートで実施し、そして平均した結果を以下の表において報告する。
【0090】
いずれにしてもプライマーダイマーしか生み出さない鋳型フリー反応を利用した増幅に由来する結果をCT として報告する。ほとんどの場合、報告する結果はデュプリケート反応の平均である。プライマーダイマーが有意に異なるサイクル回数で検出されはじめるようなデュプリケート反応、即ち、CT 値がかなり相違する場合(例えば、プライマーダイマーが一方の複製で形成されなかったとき)、両方の値を別々に報告する。蛍光測定を行った最後のサイクルによりプライマーダイマーの検出されなかった反応では、最終反応サイクルを報告し、そして結果に星印を付けた。
【0091】
I.3’末端2’−O−Me修飾プライマー
3’末端位置において修飾されたヌクレオチドを含むプライマーを利用して実施した増幅の結果を以下の表に示す。
【表4】
Figure 0003737734
【0092】
得られるプライマーダイマーCT 値を、37〜38のCT 値の観察された未修飾プライマーを利用した反応で得られるものと比較することができる。このデーターが示すには、一般に、3’未満2’−O’−Meヌクレオチドを含む少なくとも一のプライマーの利用は鋳型フリー反応におけるプライマーダイマーの形成を遅延させる。詳しくは、ほぼ全ての反応で、40超、通常はそれより有意に高いCT 値が得られた。
【0093】
標的の増幅に対する3’−末端2’−O−Meリボヌクレオチドの観察される効果は修飾されたヌクレオチドの特定の塩基に依存した。3’末端2’−O−Me−C又はU又はGの利用は、1つの修飾されたプライマーを利用しての0.5サイクルの遅延から2つの修飾されたプライマーを利用しての1.8サイクルの遅延に範囲する標的増幅の最少限の遅延をもたらした。対照的に、ZO5 DNAポリメラーゼを利用する反応において、3’末端2’−O−Me−Aの利用は4〜5サイクルの遅延をもたらした。
【表5】
Figure 0003737734
前述の通り、CE31を有する未修飾プライマーを利用する反応はZO5 DNAポリメラーゼを利用する反応よりも早いサイクルでプライマーダイマーを生成する傾向にある。3’末端修飾されたプライマーを利用して得られる結果は、ZO5 DNAポリメラーゼを利用する反応で観察されるものと似かよった改良を示す。一般に、CE31を利用する鋳型の増幅は3’未修飾プライマーの利用による影響が少ないようである。特に、CE31の利用は3’末端2’−O−Me−Aを有するプライマーを利用して実施した標的増幅の遅延を最少限にする。
【0094】
これらの結果は、3’末端ヌクレオチドにおいて修飾されたヌクレオチドを含む修飾されたプライマーが本方法において有用であることを示す。
【0095】
II.3’末端から2番目のヌクレオチドの修飾
3’末端から2番目の位置にある修飾されたヌクレオチドを含むプライマーを利用して実施した増幅に由来する結果を以下の表に示す。
【表6】
Figure 0003737734
【0096】
これらの結果は、3’末端から2番目のヌクレオチドに修飾されたヌクレオチドを含む修飾されたプライマーが本方法において有用であることを示す。
【0097】
III .3’末端の2個のヌクレオチドの修飾
2個の修飾されたヌクレオチドを、一方は3’末端において、そしてもう一方は3’末端から2番目の位置において含むプライマーを利用して実施した増幅に由来する結果を以下の表に示す。
【表7】
Figure 0003737734
【0098】
これらの結果は、3’末端の2つの位置に修飾されたヌクレオチドを含む修飾されたプライマーが本方法において有用であることを示す。
【0099】
追加の増幅(データーは示さない)は、双方のプライマーが最後の2つの3’末端位置において修飾されていてよいことを示す。この組合せはあまり好ましくなく、なぜなら、プライマーダイマーは効率的に遅延したが、標的の増幅の遅延も大きかったからである(ほぼ3サイクル)。しかしながら、ある反応条件下では、特にプライマーダイマーの形成の最大の遅延が最高のとき、3’末端の2つの位置において修飾されたヌクレオチドを各々が含む一組のプライマーペアーの利用が有用であろう。
【0100】
実施例4
フルオロ、アミノ及びアラビノース修飾されたプライマー
2’−フルオロもしくは2’−アミノ基で修飾されたプライマー又はアラビノースヌクレオチドを含むプライマーを利用して実施した増幅の結果を下記の表に示す。増幅は本質的に実施例1に記載の通りに実施したが、以下に示す反応温度プロファイルを利用した:
Figure 0003737734
【0101】
未修飾プライマー及び40UのZO5 DNAを利用する鋳型フリー増幅において、34.1のプライマーダイマー形成に由来するCT が観察された。一般に、温度サイクルプロファイルにおける低いアニーリング/伸長温度(60℃)の利用はプライマーダイマーの形成を増大させる傾向にある。このため、以下に示すCT 値は先の実施例において報告されたものと直接比較することができない。
【0102】
その結果を以下の表に示す。
【表8】
Figure 0003737734
【0103】
その結果が示すには、2’−フルオロ、2’−アミノ及びアラビノースヌクレオチドも、本方法において修飾されたプライマーを用いたときの結果を向上させた。
【0104】
別の修飾されたプライマーと組合せて2’−フルオロヌクレオチドを含むプライマーを用いて得られた結果は、第二の修飾されたプライマーによるものを超えて、有意な向上を示した。しかしながら、未修飾プライマーと組合せて2’−フルオロヌクレオチドを含むプライマーを用いて得られた結果は、いずれにせよわずかに劣悪な効果を示した。この例外的な結果の理由は明らかではない。
【0105】
実施例5
プライマーの比較:Mg +2 活性化反応
追加の反応を上記の実施例1に本質的に記載の通りに実施したが、但し反応混合物中のMn+2の代わりに3.0mMのMg+2、及び40ユニットのZO5又はCE18 DNAポリメラーゼ、そして下記の反応温度プロファイルを利用して行った:
Figure 0003737734
【0106】
未修飾プライマー及び40UのZO5 DNAを利用する鋳型フリー増幅において、35.1のプライマーダイマー形成に由来するCT が観察された。前述の通り、温度サイクルプロファイルにおける低いアニーリング/伸長温度(60℃)の利用はプライマーダイマーの形成を増大させる傾向にある。このため、以下に示すCT 値は先の実施例において報告されたものと直接比較することができない。
【0107】
その結果を以下の表に示す。結果の欄における「neg」は増幅生成物が観察されなかったことを示す。
【表9】
Figure 0003737734
【0108】
その結果が示すには、3’末端位置において修飾されたヌクレオチドを含むプライマーは、たとえ修飾されたヌクレオチドがMn+2バッファーよりもMg+2バッファーにおいて標的増幅に対して大きな影響を有するにしても、Mg+2活性化増幅においてさえも本発明において有用でありうることを示す。特に、プライマーの3’末端での2’−O−メチル−Aはこのような条件下での標的の増幅を有意に遅延させる。
【0109】
実施例6
多重に修飾されたプライマー
3’末端ヌクレオチドで出発して5つの位置毎に2’−O−Meリボヌクレオチドを含ませることにより修飾した上流プライマーSK 145(SEQ IDNO:2)を用い増幅を実施した。これらのプライマーは以下の表において「1/5 ome」と表示する。増幅は実施例1に本質的に記載の通りにして実施した。その結果を以下の表に示す。
【表10】
Figure 0003737734
【0110】
その結果は、3’末端ヌクレオチドで出発して5つの位置毎に修飾されたヌクレオチドを含むプライマーが本方法において有用であることを示す。本発明において利用する修飾の特定のパターンは本質ではないと予想され、そして更なる多重修飾プライマーが本方法において有用であろう。明らかに、3’末端の2番目のヌクレオチドから出発して5ヌクレオチド毎に修飾されたヌクレオチドを含むプライマーも本発明において有用であろう。
【0111】
実施例7
3つの3’末端ヌクレオチドにおいて修飾されたプライマー
本実施例は3つの3’末端位置において2’−O−Meリボヌクレオチドを含むプライマーの利用を述べる。これらの特定の反応はヒトパルボウィルス(B19)ゲノム由来の配列を増幅するプライマーを用いて実施した。
【0112】
反応は、未修飾プライマーペアー、及び2’omeA−2’omeG−2’omeUで終結する上流プライマー(未修飾形態では3’末端においてA−G−Tで終結する)と未修飾の下流プライマーとのプライマーペアーのいずれかを利用して実施した。反応条件(ZO5 DNAポリメラーゼを利用するMn+2活性化反応)はHIV−1配列の増幅について上記したものと似かよっているが、20pmolづつの各パルボウィルスプライマー及び精製パルボウィルス核酸から成る標的鋳型を利用する。熱サイクルは下記の温度プロファイルで実施した:
Figure 0003737734
【0113】
増幅の結果を以下の表に示す。プライマーダイマーを形成する傾向はシステム依存性であることが知られているため、本結果は先の実施例において示す結果と直接比較できない。しかしながら、反応の相違にかかわらず、未修飾パルボウィルスプライマーを利用して鋳型フリー増幅で観察されたCT (37.0)は実施例2に記載の反応で未修飾HIVプライマーを利用して観察されるものと同等であった。
【表11】
Figure 0003737734
【0114】
その結果は、3つの3’末端ヌクレオチドにおいて修飾されたヌクレオチドを含む修飾されたプライマーが本方法において有用であることを示す。
【0115】
【配列表】
Figure 0003737734
Figure 0003737734

Claims (18)

  1. 核酸増幅反応を実施するためのキットであって、一組のプライマーペアーを含んで成り、ここで当該ペアーの少なくとも一方のプライマーは3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドは2’−フルオロ−ヌクレオチド類、2’−アミノヌクレオチド類及びアラビノースヌクレオチド類から成る群から選ばれる、キット。
  2. 前記修飾されたヌクレオチドが2’−フルオロ−ヌクレオチドである、請求項1記載のキット。
  3. 前記修飾されたヌクレオチドが2’−アミノヌクレオチドである、請求項1記載のキット。
  4. 前記修飾されたヌクレオチドがアラビノースヌクレオチドである、請求項1記載のキット。
  5. 前記修飾されたヌクレオチドが3’末端位にある、請求項1〜4のいずれか1項記載のキット。
  6. 前記プライマーペアーの各々のプライマーが独立して3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドが2’−フルオロ−ヌクレオチド類、2’−アミノヌクレオチド類及びアラビノースヌクレオチド類から成る群から選ばれる、請求項1記載のキット。
  7. 核酸標的配列を増幅するための方法であって、一組のプライマーペアーを含んで成る反応混合物内でプライマーベース増幅反応を実施することを含んで成り、ここで当該ペアーの少なくとも一方のプライマーは3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドは2’−フルオロ−ヌクレオチド類、2’−アミノヌクレオチド類及びアラビノースヌクレオチド類から成る群から選ばれる、方法。
  8. 前記修飾されたヌクレオチドが2’−フルオロ−ヌクレオチドである、請求項7記載の方法。
  9. 前記修飾されたヌクレオチドが2’−アミノヌクレオチドである、請求項7記載の方法。
  10. 前記修飾されたヌクレオチドがアラビノースヌクレオチドである、請求項7記載の方法。
  11. 前記修飾されたヌクレオチドが3’末端位にある、請求項7〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記プライマーペアーの各々のプライマーが独立して3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドが2’−フルオロ−ヌクレオチド類、2’−アミノヌクレオチド類及びアラビノースヌクレオチド類から成る群から選ばれる、請求項7記載の方法。
  13. 核酸増幅反応を実施するためのキットであって、一組のプライマーペアーを含んで成り、ここで当該ペアーの少なくとも一方のプライマーは3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドは2’−O−メチルヌクレオチド類であり、そして前記少なくとも一方のプライマーは標識されていないものである、キット。
  14. 前記修飾されたヌクレオチドが3’末端位にある、請求項13記載のキット。
  15. 前記プライマーペアーの各々のプライマーが独立して3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドが2’−O−メチルヌクレオチド類であり、そして前記少なくとも一方のプライマーは標識されていないものである、請求項13載のキット。
  16. 核酸標的配列を増幅するための方法であって、一組のプライマーペアーを含んで成る反応混合物内でプライマーベース増幅反応を実施することを含んで成り、ここで当該ペアーの少なくとも一方のプライマーは3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドは2’−O−メチルヌクレオチド類であり、そして前記少なくとも一方のプライマーは標識されていないものである、方法。
  17. 前記修飾されたヌクレオチドが3’末端位にある、請求項16記載の方法。
  18. 前記プライマーペアーの各々のプライマーが独立して3つの3’末端ヌクレオチド位置内において修飾されたヌクレオチドを含んでおり、ここで当該修飾されたヌクレオチドが2’−O−メチルヌクレオチド類であり、そして前記少なくとも一方のプライマーは標識されていないものである、請求項16記載の方法。
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