JP3736192B2 - 回転電気機械の円筒形回転子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タービン発電機などの回転電気機械の円筒形回転子に係わり、回転子巻線の導電体が持つ直線状部の温度上昇の低減に好適なその構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒形回転子を持つ回転電気機械は各種の用途に用いられているが、大容量のものとしてはタービン発電機が著名である。以下に、タービン発電機に代表させて、従来例の回転電気機械の円筒形回転子の説明を行うことにするが、まずは、一般例の円筒形回転子を持つ回転電気機械の構成の概要について図6を用いて説明する。ここで図6は、一般例の回転電気機械の主要部を模式化して示す縦断面図である。図6において、X−Xは回転軸部の中心軸線であり、Z−Zは回転子鉄心部の軸長方向に関する中心線である。
【0003】
図6において、9は、円筒形回転子8,固定子7,冷媒ガス99の通流路を持つケーシング6,軸流ファン69,69と、図示しない冷却装置とを備えた円筒形回転子を有する一般例の2極の回転電気機械である。円筒形回転子8の外周面と固定子7の内周面と間には空隙部91が介在されている。円筒形回転子8は、回転軸部81,回転軸部81と一体に構成されて回転軸部81と同心の円柱状の外形を持つ回転子鉄心部82,2極機に対応した1対の回転子巻線5および保持体83とを備え、図示しない軸受部を介して回転自在に支持されている。
【0004】
回転電気機械9では、両回転子巻線5は断面が平角形状の導電体(平角銅線)を巻回して形成された鞍形コイルの複数個を用いて構成されている。それぞれの鞍形コイルは、回転子鉄心部82の外周の円周方向に沿わせて形成されている図示しない複数の巻線溝に、互いに同心状となる配置関係で装填されている。回転子巻線5の各鞍形コイルが巻線溝に収納されている部位には、回転軸部81の軸長方向に分布して多数の通気孔88が形成されている。回転子巻線5の巻線溝内に収納されないことで回転子鉄心部82の両端面から突き出されて配置される部位である端部89,89は、円筒状をした保持体83によってその外周側が保持され、円筒形回転子8が回転することで発生される強大な遠心力に対して保持されている。
【0005】
両軸流ファン69は円筒形回転子8,固定子7を冷却する冷媒ガス(例えば、空気や水素ガス)99を回転電気機械9内に循環させるために設けられ、この事例の場合には、図示のように回転子巻線5の両端部89の回転軸部81の軸長方向に関する外側の位置のそれぞれに配設されている。固定子7は、多数の薄板材製の鉄心板を積層して形成されて回転軸部81と同心の円形の内径を持つ固定子鉄心71と、固定子鉄心71に形成されている図示しない複数の巻線溝に装填された固定子巻線72とを備える。固定子鉄心71の鉄心板の積層方向の要所には、冷媒ガス99を通流させるための通風ダクト73の複数個が形成されている。
【0006】
回転電気機械9では、ケーシング6は固定子鉄心71の外周面に外接させて合計4枚の仕切板が固定子鉄心71の鉄心板の積層方向に間隔を隔てて配設され、端部側の仕切板と内側の仕切板とを接続するようにして複数の円筒状の連絡ダクトが配設されている。この4枚の仕切板により区切られることで、固定子鉄心71の外周側の空間には鉄心板の積層方向に関する中央部に中央給気ダクト61が、鉄心板の積層方向の中央部を除く両端部のそれぞれには排気ダクト62,62が形成されている。またケーシング6の両端部には、それぞれの軸流ファン69に対応させて吸気ダクト63,63が備えられている。冷却装置は、円筒形回転子8,固定子7を冷却することで高温となった冷媒ガス99から熱を除去する図示しない冷却器を備えている。
【0007】
一般例の回転電気機械9は上述のごとくに構成されているので、それぞれの軸流ファン69で加圧されたそれぞれの冷媒ガス99の流れは、まず保持体83が配置されている付近で大きく3つに分岐される。すなわち、それぞれの保持体83の外周部を経て両端部から空隙部91に直接流入する冷媒ガス流99Aと、固定子巻線72の両端部のそれぞれを冷却した後に連絡ダクトを経て中央給気ダクト61に流入する冷媒ガス流99Bと、それぞれの回転軸部81の外周面と保持体83との間の空間のそれぞれから円筒形回転子8に流入する冷媒ガス流99Cとである。
【0008】
これ等の冷媒ガス流の内の冷媒ガス流99Cは、回転子巻線5の端部89を強制対流により冷却しつつ回転子鉄心部82の端部に到り、冷媒ガス流99Cの内の多くの部分はこの端部から巻線溝部に流入し、回転子巻線5および回転子鉄心部82を強制対流により冷却した後、通気孔88から空隙部91に順次流入する。このようにして、空隙部91で合流されたそれぞれの冷媒ガス99は、排気ダクト62,62に連通している通風ダクト73中を通流し、固定子鉄心71および固定子巻線72を冷却しつつ排気ダクト62,62に到る。排気ダクト62,62に到達した冷媒ガス99は、円筒形回転子8,固定子7を冷却したので比較的に高温になっているが、この高温の冷媒ガス99は図示しない排気風胴(前記冷却装置が備える)を経て冷却器に流入して除熱される。冷却器で除熱されて再び低温に戻った冷媒ガス99は、図示しない吸気風胴(前記冷却装置が備える)を経て軸流ファン69に流入される。
【0009】
すなわち一般例の回転電気機械9は、冷却器を介して冷媒ガス99を循環させることで比較的に安定な運転状態を得ることができているが、この種の回転電気機械に採用されている円筒形回転子8では、回転子巻線5の最高温度が端部89に発生し易いので、端部89の温度低減に関する検討が種々行われてきている。次に、このような検討の結果得られた従来例の回転電気機械の円筒形回転子を図7,図8を用いて説明する。なお以降の説明では、図6に示した一般例の回転電気機械9と同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。ここで、図7は図6のQ部に対応した部位における従来例の円筒形回転子の斜視図であり、図8は図6のR部に対応した部位の図7におけるA−A断面図である。なお、図7は保持体およびその周辺部を取り除いて回転子巻線の外周部が露出された状態として図示している。
【0010】
図7,図8において、8Aは、回転軸部81,回転子鉄心部82A,1対の回転子巻線5A,それぞれ複数のスペーサ54および54A,隔壁体55,仕切壁体56,外周部絶縁体57,複数の回転子用楔58および楔下絶縁層59,保持体83とを備えた2極の円筒形回転子である。円筒形回転子8Aでは、回転子巻線5Aには、それぞれの磁極毎に断面が平角形状の導電体(平角銅線)51を用いて複数層巻回された6個の鞍形コイル52が用いられ、回転子鉄心部82Aに形成された異なる巻線溝84に互いに同心状となる配置関係で装填されている。この鞍形コイル52を構成するそれぞれの巻回層は、長さ方向の中央部分で巻線溝84内に装填される1対の直線状部51Aと、直線状部51Aの長さ方向の端部の間を接続して配置される1対の円弧状部51Bとを組み合わせて形成されている。そうして、回転子巻線5Aでは、直線状部51Aと円弧状部51Bとは長尺の平角銅線51を直角状に曲げ加工することで一体に形成されている。
【0011】
直線状部51Aはその長さ方向の中央部分で巻線溝84に装填され、円弧状部51Bは回転子巻線5Aの端部89の主要部分を構成している。直線状部51Aの長さ方向の中央部分は巻線溝84内に収納されるが、この部位には回転軸部81の軸長方向に沿って多数の貫通孔51aが形成されており、回転子巻線5Aでは鞍形コイル52を構成する全ての巻回層が持つ貫通孔51aの形成位置は、溝底部通流路84aに近い巻回層ほど冷媒ガス流99Cの流入側に順次ずらすようにしている(図8参照)。すなわち、回転子巻線5Aでは、鞍形コイル52の巻回層を構成するそれぞれの直線状部51Aが持つ貫通孔51aにより、冷媒ガス流99Cを鞍形コイル52の各巻回層を貫通して通流させる冷媒ガスダクト53が形成されている。そうしてこの冷媒ガスダクト53は、直線状部51Aの中央部分に長さ方向に分布して複数個が形成されると共に、全ての冷媒ガスダクト53は、冷媒ガス流99Cが溝底部通流路84aに流入してくる側に傾斜させて形成されている。なお、巻線溝84に収納されるそれぞれの鞍形コイル52の外周部には、巻線溝84との電気絶縁を確保するための図示しない溝絶縁層が形成されている。
【0012】
端部89における鞍形コイル52の相互間にはスペーサ54が、最外位置の鞍形コイル52の外側面と最内位置の鞍形コイル52の内側面とにはスペーサ54Aがそれぞれ配置されて、円筒形回転子8Aの加減速時に発生する加速度などに対応して端部89に働く強大な応力に対処している。スペーサ54は、電気絶縁材からなる板状の基板部と、基板部の両側面のそれぞれに一定の厚さを持たせて形成された電気絶縁材製の複数の突起部とで構成されている。この突起部は端部89における鞍形コイル52の側面に沿わせて冷媒ガス99を通流させる通流路を確保するために設けられている。スペーサ54Aのスペーサ54に対する相異点は、複数の突起部が基板部の一方の側面のみに備えられていることである。
【0013】
スペーサ54,54Aによって端部89における鞍形コイル52を構成する導電体51の側面には、冷媒ガス流99Cが通流される通流路が突起部によってジグザグ状とされて形成されることになる。この通流路を後記する貫通孔55aと関連付けて視察すると、貫通孔55aから鞍形コイル52の直線状部51Aに沿って冷媒ガス流99Cが通流する通流路と、貫通孔55aから鞍形コイル52の円弧状部51Bに沿って冷媒ガス流99Cが通流する通流路として把握することができる。
【0014】
円筒形回転子8Aでは、それぞれの端部89に配置される隔壁体55は、複数の部材を用いて全体として円筒を構成するようにして電気絶縁材を用いて作製されており、端部89における鞍形コイル52の内周側に回転軸部81の外周面との間に空間を隔てて配置されている。隔壁体55には冷媒ガス通流路として、鞍形コイル52の直線状部51Aと円弧状部51Bとの結合部位のそれぞれの近傍に、各鞍形コイル52の両側面に連通する貫通孔55aが、また後記する排気路56Xに対向する部位に貫通孔55bが、それぞれ形成されている。仕切壁体56は1対が1組になって合計2組が用いられており、排気路56Xを形成すべき部位を仕切るようにして隔壁体55の内周面に当接されて配置されている。
【0015】
両側を仕切壁体56,56で仕切られることで隔壁体55の内周側に形成される4個の空間の内、磁極の中間部の直下に位置している2個の空間が、冷媒ガス流99Cが流入される内周部通流路55Xであり、また、磁極の中心位置の直下に位置している2個の空間が排気路56Xである。この排気路56Xは軸流ファン(例えば、軸流ファン69)側の端部は閉塞され、反軸流ファン側の端部は後記する排気溝86に連通されている。なお、内周部通流路55Xは軸流ファン側の端部は開口され、反軸流ファン側の端部は後記する溝底部通流路84aに連通されている。外周部絶縁体57は電気絶縁材を用いて円筒状に形成され、端部89における鞍形コイル52の外周側と保持体83の内周側との間に配置されている。
【0016】
回転子用楔58は、巻線溝84に装填された部分の回転子巻線5Aが円筒形回転子8Aが回転することで発生される強大な遠心力によって巻線溝84から飛び出さないようにするなどのために、それぞれの巻線溝84の最外周部の付近に装着されている。回転子用楔58には回転軸部81の軸長方向に沿って多数の貫通孔58aが形成されており、それぞれの貫通孔58aは楔下絶縁層59に面して形成されている巻回層が持つ貫通孔51aに対向させて配設されている。この貫通孔58aは、中心軸線が回転子鉄心部82Aの円周面に対して垂直になるようにすることで、その形成が容易になるように考慮されている。楔下絶縁層59は鞍形コイル52を回転子用楔58に対して電気絶縁する役目を担っている。楔下絶縁層59にも回転軸部81の軸長方向に沿って多数の貫通孔59aが形成されており、それぞれの貫通孔59aは楔下絶縁層59に面して形成されている巻回層が持つ貫通孔51aに対向させるようにして形成されている。
【0017】
したがって、冷媒ガスダクト53と貫通孔58a,59aは冷媒ガス流99Cに関して互いに連通し合うと共に、溝底部通流路84aに連通されている。溝底部通流路84aは、各巻線溝84の底部に回転軸部81の軸長方向に沿って形成されており、溝底部通流路84aの両端部はそれぞれ内周部通流路55Xに連通している。なお、前述通気孔88は円筒形回転子8Aでは、冷媒ガスダクト53および貫通孔58a,59aによって構成されていることになる。ここで鞍形コイル52の直線状部51Aが持つ貫通孔51aによる冷媒ガスダクト53,回転子用楔58が持つ貫通孔58aおよび楔下絶縁層59が持つ貫通孔59aの位置関係をより詳しく説明する。
【0018】
貫通孔59aは楔下絶縁層59に面して形成されている巻回層が持つ貫通孔51aに対向させると共に、貫通孔59a内の冷媒ガス流99Cの通流方向が冷媒ガスダクト53内(したがって貫通孔51a内)の冷媒ガス流99Cの傾斜した通流方向にほぼ合致するように形成されている。また、貫通孔58aは楔下絶縁層59に面して形成されている巻回層が持つ貫通孔51aに対向させると共に、貫通孔58aの中心位置は貫通孔59aの中心位置にほぼ合致させて形成されている。
【0019】
回転子鉄心部82Aは、一般例の前記回転子鉄心部82に対して、1対の回転子巻線5A,5Aが持つ鞍形コイル52に対応した個数と位置とに従う複数の巻線溝84と、同一のハーフ磁極に属すると共に互いに隣接する巻線溝84の相互間の部位である複数の歯部85と、複数の排気溝86とが図示の如くに形成されている。各巻線溝84の底部には前記したように溝底部通流路84aが形成されている。また、最外,最内位置の鞍形コイル52が装填される巻線溝84の反歯部85側を形成する回転子鉄心部82Aの部位,および各歯部85のそれぞれの軸長方向の両端部には、排気路85aが形成されている。
【0020】
従来例の円筒形回転子8Aは上述のごとくに構成されているので、回転子巻線5Aの端部89では、スペーサ54,54Aが持つ突起部により冷媒ガス流99Cの通流路がジグザグ状に形成されることにより、冷媒ガス流99Cが鞍形コイル52の側面と十分に接触できることになり、この部位の鞍形コイル52を効果的に冷却することができている。また、回転子巻線5Aが巻線溝84に収納される部分では、鞍形コイル52の直線状部51Aに形成される冷媒ガスダクト53が冷媒ガス流99Cの溝底部通流路84aへの流入側に傾斜されて形成されており、冷媒ガス流99Cに対する曲がり抵抗の影響が低減されて冷媒ガス流99Cの流量が増大されるので、この部位の鞍形コイル52も効果的に冷却することができている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術による回転電気機械の円筒形回転子8Aでは、回転子巻線5Aの鞍形コイル52に対する冷却性能の向上をある程度は達成することが出来ているが、後記する図2に点線で示すように、多くの場合に回転子巻線5Aの最高温度は回転子鉄心部82Aの端面82a付近や端部89に発生している。また、回転子鉄心部82Aに収納されている部位の導電体51の温度もまだ十分には低下されていない。
【0022】
一般に電気機械の寿命は巻線の電気絶縁のために採用されている電気絶縁材の耐熱寿命特性によって決められるので、回転子巻線5Aの一部の部位の温度が相対的に高いことは、一部の部位の温度が使用されている電気絶縁材の許容温度を越えないように回転子巻線5Aの電流密度を設定しなければならないことを意味する。このことは、結果として円筒形回転子8Aの、したがって回転電気機械の体格の大形化を招いたり、または、回転電気機械の定格出力の低減を余儀なくされる。ところで、回転子巻線5Aの最高温度が回転子鉄心部82Aの端面82a付近において発生している主な理由と、回転子鉄心部82Aに収納されている部位の導電体51の温度が十分には低下されていない主な理由は次記のとおりである。
【0023】
▲1▼円筒形回転子8Aでは回転子鉄心部82Aの端面82a付近に位置する回転子巻線5Aが持つ直線状部51Aに、図8にS部として示すように冷媒ガスダクト53から遠く離れている部分が存在する。このS部にある回転子巻線5Aは冷媒ガスダクト53による十分な冷却を期待できないため、その冷却は排気路85aを通流する冷媒ガス流99Cにより主に行われている。しかしながら、排気路85aを通流する冷媒ガス流99Cによる回転子巻線5Aの冷却は溝絶縁層を介して行われるので、溝絶縁層が持つ熱抵抗の影響を受けてこの部位の回転子巻線5Aの冷却効果は相対的に低下している。また、
▲2▼溝底部通流路84a内を通流する冷媒ガス流99Cの流量は、冷媒ガス流99Cが冷媒ガスダクト53に順次分岐されるために、冷媒ガス流99Cの流入部である溝底部通流路84aの端部で最多であり、回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心位置(図6の中心線Z−Zの位置)付近で最少である。したがって溝底部通流路84a内を通流する冷媒ガス流99Cの流速は、溝底部通流路84aの端部で最大であり、回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心位置付近で最小になる。ところで、冷媒ガスダクト53内を通流する冷媒ガス流99Cに対して溝底部通流路84aから冷媒ガスダクト53に流れ込む部位で発生する流体抵抗は、流れ込む部位の冷媒ガス流99Cの流速が高速であるほど大きくなる。
【0024】
このために、冷媒ガスダクト53内を通流する冷媒ガス流99Cの流量は、図9(従来例の円筒形回転子の回転子巻線が持つ冷媒ガスダクト中の冷媒ガス流速の分布状態の測定例を示すグラフ)に示すように、回転子鉄心部82Aの端面82a付近にある冷媒ガスダクト53ほど少なくなる。すなわち、端面82a付近に位置する回転子巻線5Aは、冷媒ガスダクト53内を通流する冷媒ガス流99Cの流量の点からも、その冷却効果が相対的に低いのである。なお、図9では、横軸に回転子鉄心部の軸長方向に沿う位置の回転子鉄心部中心位置(図6の中心線Z−Zの位置)からの距離を採り、縦軸に冷媒ガスダクト中の冷媒ガス流速の相対値を採っている。
【0025】
▲3▼さらに、冷媒ガスダクト53中を通流する冷媒ガス流99Cの通流状態を発明者らが検討したところ、図10(従来例の円筒形回転子の回転子巻線が持つ冷媒ガスダクト中の冷媒ガス流の通流状況を説明する説明図)にW部として示す部位に問題点が見出された。すなわち、回転子鉄心部82Aの外周面に平行する断面に関する冷媒ガスダクト53内(図10にV部として示す)の冷媒ガス流99Cの流速分布は、溝底部通流路84a内を通流する冷媒ガス流99Cが持つ回転子鉄心部82Aの軸長に沿う方向の速度成分の影響を受ける。
【0026】
この結果、V部での冷媒ガス流99Cの流速は、回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心位置(図6の中心線Z−Zの位置)側で相対的に高速流(図10に太い実線で示す)となり、回転子鉄心部82Aの端面82a側で相対的に低速流(図10に点線で示す)となる。冷媒ガス流99Cによる導電体(平角銅線)51の冷却効果を高めるには相対的に高速な冷媒ガス流99Cの高速流を極力利用することが好ましいが、回転子用楔58に形成される貫通孔58aの冷媒ガスダクト53に対する位置関係などがこれを阻害している。すなわち貫通孔58aは、その中心位置を楔下絶縁層59が持つ貫通孔59aの中心位置にほぼ合致させて形成されているので、高速流が貫通孔58aに流入する際に通流方向が急変される(図10のW部を参照)。
【0027】
このために高速流に対する流体抵抗が増大することで高速流の流速が低減され、結果として冷媒ガス流99Cによる導電体の冷却効果が抑制を受けている。また、それぞれの貫通孔58aは中心軸線が回転子鉄心部82Aの円周面に対して垂直になるように形成されているので、冷媒ガスダクト53から貫通孔58aに流入する冷媒ガス流99Cは、全体としてその通流方向を変更しなければならないので、その曲がり抵抗により冷媒ガス流99Cの流速が低減され、この原因によっても冷媒ガス流99Cによる導電体の冷却効果が抑制を受けている。
【0028】
この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑みなされ、その目的は、回転子巻線の導電体が持つ直線状部の温度上昇の低減を図った回転電気機械の円筒形回転子を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
この発明では前述の目的は、
1)複数の巻線溝を持つ円柱状の回転子鉄心部と、導電体を複数層巻回して形成されてそれぞれが異なる巻線溝に装填されると共に冷媒ガスによって冷却される複数の鞍形コイルを有する回転子巻線とを備えた回転電気機械の円筒形回転子において、
冷媒ガスは鞍形コイルの両端部分の内周側のそれぞれに形成された内周部通流路を経て巻線溝の底部に回転子鉄心部の長さ方向に沿わせて形成された溝底部通流路の両端部からそれぞれの巻線溝に流入し、鞍形コイルは巻線溝に収納される部位に前記導電体に設けられた貫通孔を用いて全体として斜めに形成され冷媒ガスを導電体の各層を貫通して通流させる複数の冷媒ガスダクトを有し、回転子鉄心部の長さ方向の端面付近に配設される前記冷媒ガスダクトは冷媒ガス流入側の開口を前記内周部通流路に臨ませて形成すること、または、
2)複数の巻線溝を持つ円柱状の回転子鉄心部と、導電体を複数層巻回して形成されてそれぞれが異なる巻線溝に装填されて最外周部を回転子用楔で保持されると共に冷媒ガスによって冷却される複数の鞍形コイルを有する回転子巻線とを備えた回転電気機械の円筒形回転子において、
冷媒ガスは鞍形コイルの両端部分の内周側のそれぞれに形成された内周部通流路を経て巻線溝の底部に回転子鉄心部の長さ方向に沿わせて形成された溝底部通流路の両端部からそれぞれの巻線溝に流入し、鞍形コイルは巻線溝に収納される部位に前記導電体に設けられた貫通孔を用いて全体として斜めに形成されて冷媒ガスを導電体の各層を貫通して通流させる複数の冷媒ガスダクトを有し、回転子用楔はそれぞれの冷媒ガスダクトと対向する部位に冷媒ガス通流用の貫通孔を有すると共に、この貫通孔はその中心位置を冷媒ガスダクトの回転子用楔側の開口の中心位置よりも回転子鉄心部の軸長方向の中心側にずらして形成すること、さらにまたは、
3)複数の巻線溝を持つ円柱状の回転子鉄心部と、導電体を複数層巻回して形成されてそれぞれが異なる巻線溝に装填されて最外周部を回転子用楔で保持されると共に冷媒ガスによって冷却される複数の鞍形コイルを有する回転子巻線とを備えた回転電気機械の円筒形回転子において、
冷媒ガスは鞍形コイルの両端部分の内周側のそれぞれに形成された内周部通流路を経て巻線溝の底部に回転子鉄心部の長さ方向に沿わせて形成された溝底部通流路の両端部からそれぞれの巻線溝に流入し、鞍形コイルは巻線溝に収納される部位に前記導電体に設けられた貫通孔を用いて全体として斜めに形成され冷媒ガスを導電体の各層を貫通して通流させる複数の冷媒ガスダクトを有し、回転子用楔はそれぞれの冷媒ガスダクトと対向する部位に冷媒ガス通流用の貫通孔を有すると共に、この貫通孔は対向し合う前記冷媒ガスダクトが持つ傾斜方向と同方向の傾斜を持たせて形成することにより達成される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、図7,図8に示した従来例の回転電気機械の円筒形回転子と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。また以後の説明に用いる図中には、図7,図8で付した符号については、極力代表的な符号のみを記すようにしている。図1はこの発明の実施の形態の一例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図であり、図2はこの発明の実施の形態の一例の場合の導電体の温度上昇値を従来例の場合と比較して示すグラフである。
【0031】
図1において、1は、図7,図8に示した従来例による円筒形回転子8Aに対し、回転子巻線5Aに替えて回転子巻線2を用いるようにした円筒形回転子である。回転子巻線2では各極毎の回転子巻線に用いられる全ての鞍形コイル21において、回転子鉄心部82Aの長さ方向の端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53が、冷媒ガス流99Cの流入側の開口を内周部通流路55Xに臨ませて形成するようにしていることが従来例による回転子巻線5Aと異なっている。
【0032】
すなわち、この発明による鞍形コイル21を従来例による鞍形コイル52と対比すると、鞍形コイル21では、端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53は、楔下絶縁層59に面して形成されている鞍形コイル21の巻回層が持つ貫通孔51aの中心位置と端面82aとの間の距離Lが、従来例の場合よりも短縮されている。距離Lを従来例の場合よりも短縮することで、鞍形コイル21では、端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53の冷媒ガス流99Cの流入側の開口を、内周部通流路55Xに面して配設するようにしている。このことによって、回転子巻線2では従来例の円筒形回転子8Aで問題となっていた冷媒ガスダクト53から遠く離れている部分(図8のS部)の面積が大幅に縮小される。
【0033】
しかも、この発明の場合の端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53では、冷媒ガス流99Cの流入側の開口が内周部通流路55Xに面して形成されているので、この冷媒ガスダクト53を通流する冷媒ガス流99Cの流速は格段に増大される。その理由は、端面82a付近の内周部通流路55Xを通流する冷媒ガス流99Cのほぼ全ては溝底部通流路84aに流れ込むが、回転子鉄心部82Aが持つ構造から冷媒ガス流99Cに対する通流面積に関して、内周部通流路55Xが持つ通流面積は全ての溝底部通流路84aが持つ通流面積の総和よりも広いことにある。回転子巻線2の場合の端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53では、この冷媒ガスダクト53に流入する部位の冷媒ガス流99Cは、内周部通流路55Xを通流する冷媒ガス流99Cなので、溝底部通流路84aの端部を通流している冷媒ガス流99Cよりも流速が遅い。
【0034】
冷媒ガス流99Cが冷媒ガスダクト53に流れ込む部位で発生する流体抵抗は、流れ込む部位の冷媒ガス流99Cの流速が低速であるほど小さくなるので、この発明による場合の端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53では、この冷媒ガスダクト53内を通流する冷媒ガス流99Cの流量は、従来例の場合よりも増大される。したがってこの冷媒ガスダクト53では、通流する冷媒ガス流99Cの流速は従来例と対比して増大される。この結果回転子巻線2では、端面82aの最も近くに形成される冷媒ガスダクト53と端面82aとに挟まれた部分(図8のS部に相当)の面積が大幅に低減されると共に、この部分にある導電体(平角銅線)51に対する冷媒ガス流99Cの冷却効果が増大され、その温度上昇が低下する。
【0035】
発明者らがこの発明による円筒形回転子1が持つ回転子巻線2の導電体(平角銅線51)の温度上昇値を、従来例の円筒形回転子8Aが持つ回転子巻線5Aの導電体の温度上昇値と比較して求めた試験結果例を図2に示す。図2では横軸に導電体長に沿う回転子巻線(鞍形コイル)位置の回転子鉄心部中心位置(図6の中心線Z−Zの位置)からの距離を採り、縦軸に回転子巻線(鞍形コイル)の導電体の温度上昇値を採っている。また図2では回転子巻線2の導電体の温度上昇値を実線で、従来例の回転子巻線5Aの導電体の温度上昇値を点線で示している。図2を視察することにより、回転子鉄心部82Aの端面82aの付近におけるこの発明による円筒形回転子1が持つ導電体51の直線状部51Aの温度上昇値が、従来例の円筒形回転子8Aの場合よりも低減されていることが確認できる。
【0036】
続いて、図3を用いてこの発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を説明する。ここで図3はこの発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図である。図3において、1Aは、図7,図8に示した従来例による円筒形回転子8Aに対して、回転子用楔58に替えて回転子用楔3を用いるようにした円筒形回転子である。回転子用楔3を従来例の回転子用楔58と対比すると、回転子用楔3では、形成されるそれぞれの貫通孔58aの中心位置を、楔下絶縁層59に面して形成されている巻回層が持つ貫通孔51aの中心位置よりも回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心(図6の中心線Z−Zの位置)側にずらして形成されていることのみが異なる。
【0037】
すなわち、回転子用楔3に形成されるそれぞれの貫通孔58aの中心位置は、それぞれに対向し合う冷媒ガスダクト53の回転子用楔3側の開口の中心位置よりも回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心側にずらされている。そうして円筒形回転子1Aの場合では、回転子用楔3が持つ貫通孔58aの回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心側の端面位置は、楔下絶縁層59が持つ貫通孔59aの回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心側の端面位置とほぼ合致させて形成されている。
【0038】
図3に示すこの発明の実施の形態の異なる例による円筒形回転子1Aでは前述の構成としたので、冷媒ガスダクト53を通流する冷媒ガス流99Cの内の図10に太い実線で示した高速流は、貫通孔58aにスムーズに流入できるようになり、従来例の場合に発生していた通流方向の急変(図10のW部を参照)の問題が解消される。このことにより、高速流に対する流体抵抗が低減されることで、導電体51の直線状部51Aの巻線溝84内に装填される部位に対する冷媒ガス流99Cによる冷却効果が従来例と対比して増大され、この部位の導電体51の直線状部51Aの温度上昇を低減できる。
【0039】
次に、図4を用いてこの発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を説明する。ここで図4はこの発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図である。図4において、1Bは、図7,図8に示した従来例による円筒形回転子8Aに対して、貫通孔58aが形成されている回転子用楔58に替えて、貫通孔3aを形成するようにした回転子用楔3Aを用いるようにした円筒形回転子である。
【0040】
回転子用楔3Aに形成される貫通孔3aを従来例による貫通孔58aと対比すると、貫通孔58aがその中心軸線を回転子鉄心部82Aの円周面に対して垂直になるようにして形成されているのに対して、貫通孔3aは、冷媒ガスダクト53が持つ冷媒ガス流99C用通流路の傾斜方向と同方向で、しかもほぼ同等の傾斜角度を持つように形成されている。なお、貫通孔3aの楔下絶縁層59に接する側の中心位置は、貫通孔58aの場合と同様に楔下絶縁層59が持つ貫通孔59aの中心位置にほぼ合致させている。
【0041】
図4に示すこの発明の実施の形態の異なる例による円筒形回転子1Bでは前述の構成としたので、冷媒ガスダクト53から貫通孔3aに流入する冷媒ガス流99Cの全体の流れは、冷媒ガスダクト53内を通流する場合の通流方向をほぼ維持したままで貫通孔3a内を通流できる。したがって円筒形回転子1Bでは、従来例の場合に発生していた冷媒ガスダクト53から貫通孔58aに流入する冷媒ガス流99Cが全体として通流方向の変更を受けることによる曲がり抵抗の問題が解消される。このことにより、この部位の冷媒ガス流99Cに対する流体抵抗が低減されることで、導電体51の直線状部51Aの巻線溝84内に装填される部位に対する冷媒ガス流99Cによる冷却効果が従来例と対比して増大され、この部位の導電体51の直線状部51Aの温度上昇を低減できる。
【0042】
最後に、図5を用いてこの発明の実施の形態のさらに異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を説明する。なお、以下の説明においては、図1〜図4に示したこの発明による回転電気機械の円筒形回転子と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。ここで図5はこの発明の実施の形態のさらに異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図である。図5において、4は、図7,図8に示した従来例による円筒形回転子8Aに対して、回転子巻線5Aおよび回転子用楔58に替えて、それぞれ回転子巻線2および回転子用楔41を用いるようにした円筒形回転子である。
【0043】
回転子用楔41を図4に示したこの発明による円筒形回転子1Bが持つ回転子用楔3Aと対比すると、回転子用楔41では、形成されるそれぞれの貫通孔3aの楔下絶縁層59に接する側の中心位置を、楔下絶縁層59に面して形成されている巻回層が持つ貫通孔51aの中心位置よりも回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心側にずらして形成されていることのみが異なる。そうして円筒形回転子4の場合では、回転子用楔41が持つ貫通孔3aの楔下絶縁層59に接する側で回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心側の端面位置は、楔下絶縁層59が持つ貫通孔59aの回転子鉄心部82Aの軸長方向の中心側の端面位置とほぼ合致させて形成されている。
【0044】
図5に示すこの発明の実施の形態のさらに異なる例による円筒形回転子4では前述の構成としたので、円筒形回転子4が持つ作用・効果は、図1〜図4を用いて説明したこの発明による円筒形回転子1,円筒形回転子1Aおよび円筒形回転子1Bがそれぞれに持つ作用・効果を総合して持つことになる。このため円筒形回転子4が持つ作用・効果の説明は重複を避けて省略するが、円筒形回転子4の場合には、回転子鉄心部82Aの端面82a付近および巻線溝84に収納される部位の導電体51の直線状部51Aの温度上昇を従来例に対して同時に低減することができる。
【0045】
【発明の効果】
この発明による回転電気機械の円筒形回転子では、前記課題を解決するための手段の項で述べた構成とすることで、次記する効果が得られる。
▲1▼前記課題を解決するための手段の項の第(1)項による構成とすることで、図2に例示したように、回転子巻線の回転子鉄心部の端面付近の導電体の直線状部の温度上昇値を低減することが可能になり、またこのことによって、円筒形回転子の許容電流を増加することがができて許容出力の増大が可能になる。また、
▲2▼前記課題を解決するための手段の項の第(2)項による構成とすることで、回転子巻線の巻線溝に収納される部位の導電体に対する冷媒ガス流の冷却効果が増大されることで、この部位の導電体の直線状部の温度上昇値の低減が可能になる。さらにまた、
▲3▼前記課題を解決するための手段の項の第(3)項による構成とすることで、この場合にも回転子巻線の巻線溝に収納される部位の導電体の直線状部に対する冷媒ガス流の冷却効果が増大されることで、この部位の導電体の直線状部の温度上昇値の低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の一例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図
【図2】この発明の実施の形態の一例の場合の導電体の温度上昇値を従来例の場合と比較して示す図
【図3】この発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図
【図4】この発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図
【図5】この発明の実施の形態のさらに異なる例による回転電気機械の円筒形回転子を図8と同様部位に関して示す要部の断面図
【図6】一般例の回転電気機械の主要部を模式化して示す縦断面図
【図7】図6のQ部に対応した部位における従来例の円筒形回転子の斜視図
【図8】図6のR部に対応した部位の図7におけるA−A断面図
【図9】従来例の円筒形回転子の回転子巻線が持つ冷媒ガスダクト中の冷媒ガス流速の分布状態の測定例を示すグラフ
【図10】従来例の円筒形回転子の回転子巻線が持つ冷媒ガスダクト中の冷媒ガス流の通流状況を説明する説明図
【符号の説明】
1 円筒形回転子
2 回転子巻線
21 鞍形コイル
51a 貫通孔
53 冷媒ガスダクト
55X 内周部通流路
59 楔下絶縁層59
82A 回転子鉄心部
82a 端面
99C 冷媒ガス流

Claims (3)

  1. 複数の巻線溝を持つ円柱状の回転子鉄心部と、導電体を複数層巻回して形成されてそれぞれが異なる巻線溝に装填されると共に冷媒ガスによって冷却される複数の鞍形コイルを有する回転子巻線とを備えた回転電気機械の円筒形回転子において、
    冷媒ガスは鞍形コイルの両端部分の内周側のそれぞれに形成された内周部通流路を経て巻線溝の底部に回転子鉄心部の長さ方向に沿わせて形成された溝底部通流路の両端部からそれぞれの巻線溝に流入し、鞍形コイルは巻線溝に収納される部位に前記導電体に設けられた貫通孔を用いて全体として斜めに形成され冷媒ガスを導電体の各層を貫通して通流させる複数の冷媒ガスダクトを有し、回転子鉄心部の長さ方向の端面付近に配設される前記冷媒ガスダクトは冷媒ガス流入側の開口を前記内周部通流路に臨ませて形成することを特徴とする回転電気機械の円筒形回転子。
  2. 複数の巻線溝を持つ円柱状の回転子鉄心部と、導電体を複数層巻回して形成されてそれぞれが異なる巻線溝に装填されて最外周部を回転子用楔で保持されると共に冷媒ガスによって冷却される複数の鞍形コイルを有する回転子巻線とを備えた回転電気機械の円筒形回転子において、
    冷媒ガスは鞍形コイルの両端部分の内周側のそれぞれに形成された内周部通流路を経て巻線溝の底部に回転子鉄心部の長さ方向に沿わせて形成された溝底部通流路の両端部からそれぞれの巻線溝に流入し、鞍形コイルは巻線溝に収納される部位に前記導電体に設けられた貫通孔を用いて全体として斜めに形成されて冷媒ガスを導電体の各層を貫通して通流させる複数の冷媒ガスダクトを有し、回転子用楔はそれぞれの冷媒ガスダクトと対向する部位に冷媒ガス通流用の貫通孔を有すると共に、この貫通孔はその中心位置を冷媒ガスダクトの回転子用楔側の開口の中心位置よりも回転子鉄心部の軸長方向の中心側にずらして形成することを特徴とする回転電気機械の円筒形回転子。
  3. 複数の巻線溝を持つ円柱状の回転子鉄心部と、導電体を複数層巻回して形成されてそれぞれが異なる巻線溝に装填されて最外周部を回転子用楔で保持されると共に冷媒ガスによって冷却される複数の鞍形コイルを有する回転子巻線とを備えた回転電気機械の円筒形回転子において、
    冷媒ガスは鞍形コイルの両端部分の内周側のそれぞれに形成された内周部通流路を経て巻線溝の底部に回転子鉄心部の長さ方向に沿わせて形成された溝底部通流路の両端部からそれぞれの巻線溝に流入し、鞍形コイルは巻線溝に収納される部位に前記導電体に設けられた貫通孔を用いて全体として斜めに形成されて冷媒ガスを導電体の各層を貫通して通流させる複数の冷媒ガスダクトを有し、回転子用楔はそれぞれの冷媒ガスダクトと対向する部位に冷媒ガス通流用の貫通孔を有すると共に、この貫通孔は対向し合う前記冷媒ガスダクトが持つ傾斜方向と同方向の傾斜を持たせて形成することを特徴とする回転電気機械の円筒形回転子。
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