JP3734007B2 - 空気弁付き消火栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気弁付き消火栓、特に配水管路内に溜まった空気を自動的に排出できる空気弁付き消火栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、配水管路内に空気が溜まると、流路が制限されて通水能力が低下し、出水不良の原因となる。また、管路で常時空気溜まりとなっている部分は腐食の進行が加速され、漏水事故につながるという問題がある。さらに、大きな空気溜まりは管内の圧力変動(いわゆる脈動)を増幅し、接続されている器具の耐久性や作動に悪影響を及ぼすという問題もある。
【0003】
このような問題を解決するため、図1に示すように、水道本管1から分岐して消火栓2に接続するための接続管3の途中に空気弁4を設け、この空気弁4から接続管3内の空気を排気するようにしたものが提案されている。なお、図示しないが、水道本管1にも別に空気弁が設けられている。
【0004】
ところが、このように空気弁4を消火栓2と別に設ける方式の場合、空気弁4を接続管3に接続するための管や継手などを必要とするため、配管設備に費用がかかるという問題がある。また、接続管3内に溜まる空気は水道本管1に溜まる空気よりも比較的少なく、このような少量の空気を排気するために個別に空気弁4を設けることは合理的とは言えない。
【0005】
そこで、本発明者は消火栓に空気弁を一体的に設けたものを提案した(特願平10−244506号)。この消火栓は、弁箱と、弁箱に形成され、水道配管に接続される流入口と、流入口を開閉する弁体と、一端部が弁体と連結され、他端部が弁箱の外部に突出したスピンドルと、弁箱に形成され、弁体の開放に伴って流入口から流入した水が流出する流出口とを備え、上記弁体の内部にはフロート弁が収容されるフロート室が形成され、上記流入口と対向する弁体の下端部にフロート室と連通する連通口が形成され、上記弁体には、フロート室に入った空気を外部へ排気する排気通路が形成され、排気通路の一端には、フロート弁の浮上によって閉じられる空気弁口が形成されている。上記のように構成することで、配管中の空気を自動的かつ確実に排気することができ、しかも小型の空気弁付き消火栓を実現できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、配管の新設時や断水後の通水時には、大量の空気を急速排気する必要が生じる。ところが、上記消火栓の場合には、空気弁口の開口面積が小さいので、フロート弁が空気弁口を全開したとしても急速排気できない欠点がある。そこで、上記出願では、フロート弁のほかに主弁を設け、この主弁で空気弁口より大きな開口部を開閉することで、通水初期の急速排気を実現するようにしたものを提案した(上記出願の図6〜図8参照)。
【0007】
上記のような空気弁付き消火栓の場合、主弁はフロート室内でかつフロート弁の上部に上下動自在に配置され、フロート弁の浮上に伴って上昇して開口部を閉じるようになっている。つまり、主弁はフロート弁に追随して上昇するので、通水初期に大量の空気がフロート室に入った時、フロート弁の下面には空気の動圧が作用し、フロート弁を持ち上げようとする力が働く。特に、流入空気の流速が大きい場合には、フロート弁と一緒に主弁も持ち上がり、開口部を閉じてしまう可能性がある。主弁が一旦開口部を閉じると、フロート室と外気との差圧によって、開口部は閉じられたままとなる。そのため、配管内に残った空気を短時間に排気できなくなる可能性があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、配管中の空気を自動的に排気することができるとともに、通水初期に大量の空気が流入しても確実に急速排気できる、小型の空気弁付き消火栓を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、弁箱と、弁箱に形成され、水道配管に接続される流入口と、流入口を開閉する弁体と、一端部が弁体と連結され、他端部が弁箱の外部に突出したスピンドルと、弁箱に形成され、弁体の開放に伴って流入口から流入した水が流出する流出口と、を備えた消火栓において、上記弁体の内部には圧力下排気用フロート弁と急速排気用主弁とが独立して上下動自在に収容されるフロート室が形成され、上記流入口と対向する弁体の下端部にフロート室と連通する連通口が形成され、上記弁体には、フロート室に入った空気を外部へ排気する排気通路が形成され、排気通路のフロート室側端部には、フロート弁の浮上によって閉じられる空気弁口と、主弁によって閉じられる空気弁口より大径な排気口とが独立して形成されていることを特徴とする空気弁付き消火栓を提供する。
【0010】
弁体が流入口を閉じた状態において、水道配管の空気が流入口に溜まると、その空気は連通口を介してフロート室へ導入される。フロート室内にはフロート弁と主弁とが収容されているが、主弁は通常時は排気口を閉じている。空気がフロート室に溜まってくると、フロート室内の水面が下がり、フロート弁は浮力を失って下方へ移動し、空気弁口を開く。そのため、空気は空気弁口から排気通路を介して外部へ排気され、空気溜まりが解消される。空気溜まりが解消されると、フロート弁は浮力によって上昇して空気弁口を閉じ、水が空気弁口を介して外部に排出されるのを防止する。
【0011】
また、配管の新設時や断水後の通水時には、大量の空気がフロート室に流入するが、この時には主弁が排気口を開いているので、急速排気を行なうことができる。特に、本発明ではフロート弁と主弁とがフロート室内に独立して上下動自在に収容されているので、たとえ空気の動圧によってフロート弁が持ち上げられても、主弁が排気口を閉じることがない。そのため、流入空気の流速が大きい場合でも、配管内に残った空気を短時間で排気できる。
【0012】
請求項2のように、フロート弁を主弁の外周を取り囲む略リング形状とし、フロート室の内部に、主弁の外周面を上下動自在にガイドするとともに、フロート弁の内周面を上下動自在にガイドするガイド部材を固定するのが望ましい。すなわち、フロート室の中心部に主弁を配置し、その周囲に略リング状のフロート弁を配置し、これら弁をガイド部材によって上下動自在にガイドすることで、弁の偏りや動作の不安定さを解消できる。
【0013】
請求項3のように、フロート弁が、主弁の外周を取り囲む環状部と、環状部の底部をほぼ閉じる底板部とを有する構造とし、フロート弁の下面に、フロート弁がフロート室の底部に着座した状態で、フロート室の底部との間に隙間を形成するための複数の突起を形成し、上記隙間を介してフロート弁の外周面とフロート室の内周面との間に導かれた空気を排気口へ急速排気するための通気路をガイド部材に形成するのが望ましい。
すなわち、通水初期に大量の空気が流入した時、その動圧が弁体の連通口を介して主弁に対して持ち上げ方向に作用することがあるが、フロート弁に形成された底板部が空気圧の主弁に対する作用を抑制する邪魔板として機能し、主弁が動圧によって排気口を閉じてしまう恐れを解消できる。また、フロート弁の底部に複数の突起を設け、これら突起でフロート弁の下面とフロート室の底部との間に隙間を形成することで、通気初期の空気流入時に、フロート室に入った空気を上記隙間を介してフロート弁の外周面とフロート室の内周面との間に導き、さらにガイド部材の通気路を介して排気口へ急速排気する。このようにすれば、主弁に閉弁力を与えずに、急速排気できる。さらに、空気がフロート弁の外周面側を通過することで、空気の流れによるフロート弁の横振れが規制され、フロート弁が安定して作動できる。
【0014】
請求項3ではフロート弁の下面に突起を形成したが、請求項4ではフロート弁をガイド部材で吊り下げ支持することで、フロート弁の下面とフロート室の底部との間に常時隙間を設け、空気の流入時にこの隙間からフロート弁の外周面とフロート室の内周面との間、ガイド部材の通気路を介して急速排気するようにしたものである。
【0015】
請求項5のように、排気通路を、スピンドルの内部に設けられた連通穴を介して弁箱の外部に連通させるのが望ましい。すなわち、排気通路を大気と同圧である弁箱の内部に連通させてもよいが、弁箱の内部に汚れた水が溜まっている場合には、水道配管が負圧になった時、排気通路を介して汚水が水道配管へ逆流する恐れがある。これに対し、排気通路を弁箱の外部へ連通させれば、汚水の逆流を確実に防止できるとともに、スピンドルを利用して外部へ連通させるので、連通用の部材を別に設ける必要がない。
【0016】
請求項6のように、弁体とスピンドルに互いに螺合するねじ部を設け、上記弁箱に、弁体を上下方向にのみガイドするガイド部と、スピンドルを一定位置で回転自在に支持する支持部とを設けるのが望ましい。この場合には、スピンドルを一定位置で回転させながら、弁体を昇降させることができるので、消火栓の全高を低くすることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図2〜図6は本発明にかかる空気弁付き消火栓の第1実施例を示し、この実施例は地下式消火栓の例を示す。
この消火栓は、水道本管と接続管および補修弁を介して接続される弁箱(本体)10を備えている。この弁箱10は弁箱本体10aと蓋体10bとで構成されている。弁箱本体10aの下端部には、補修弁のフランジ部に連結固定されるフランジ部11が一体に形成されており、このフランジ部11の内側中心部には水道本管と連通する流入口12が一体に形成されている。流入口12の上縁には環状の弁座13が形成されている。
【0018】
上記弁座13にはリフト弁である弁体14の下端面に装着されたガスケット15が着座し、流入口12を開閉するようになっている。弁体14の内部には、フロート室16が形成されており、このフロート室16の内部にはフロート弁17が収容されている。このフロート弁17は比重が1より小さい材料により形成され、図5に示すように環状部17aと環状部17aの底部をほぼ閉じる底板部17bとを備えている。環状部17aの外径はフロート室16の内径より小さく、環状部17aの外周面とフロート室16の内周面との間に空気通過用の隙間が形成される。環状部17aの上縁部内面には、後述するガイド部材23のバケット部23bの外周に接触可能な環状突起17eが形成されている。底板部17bは、水道本管から大量の空気がフロート室16に流入した時、その動圧が後述する主弁25に対して閉弁力として作用するのを邪魔する邪魔板の作用を持つ。なお、底板部17bには適数個(図5では4個)の水抜き穴17cが形成されている。また、フロート弁17の下面には複数個(図5では4個)の突起17dが突設され、フロート弁17がフロート室16の底部に着座した時に、フロート弁17の下面とフロート室16の底部との間に隙間を形成している。
【0019】
弁体14の底部には流入口12と対向する複数の連通口18が形成され、この連通口18を介して流入口12とフロート室16とが連通している。弁体14の底部中心部には、図3に示すようにピン19が上下動自在に装着され、このピン19は弱いばね力のスプリング20によって常時下方へ付勢され、ピン19の上端部に装着されたナット21によって下方へ抜け止めされている。ピン19の下端には、上記連通口18を開閉自在なバッフル板22が固定されている。なお、フロート弁17が下端位置にある状態において、バッフル板22が連通口18を閉じる位置まで上昇しても、ピン19とフロート弁17とが接触しないように寸法設定れている。
【0020】
フロート室16の天井部にはガイド部材23がボルトで固定されている。このガイド部材23には、図6に示すように、外周部にフランジ部23aが、中央部にバケット部23bが一体に設けられている。フランジ部23aの上面には直径方向に連通する通気溝(通気路)23cが形成されている。また、フランジ部23aには板厚方向に貫通する複数個(図6では4個)のボルト挿通穴23dと1個の弁座取付穴23eとが形成され、この取付穴23eには空気弁口24aを備えた弁座24が嵌着されている。フランジ部23aの下面には、上記弁座取付穴23eを頂点とする正三角形を構成する位置に2個の小突起23fが設けられている。これにより、フロート弁17の天面を3点で安定支持できるようになっている。
【0021】
ガイド部材23のバケット部23bの内部には、主弁25が上下動自在に収容されている。バケット部23bは主弁25の外周面を上下動自在にガイドする機能と、フロート弁17の環状部17aの内周面(環状突起17e)の横振れを防止する機能とを有している。この実施例の主弁25は、フロート弁17と同様に比重が1より小さい材料で形成されている。なお、バケット部23bの底部中央には水抜き穴23gが形成されている。
【0022】
上記ガイド部材23を固定したフロート室16の天井面には、空気弁口24aより大口径の排気口26aが開口しており、この排気口26aの周囲に主弁25の上面が着座する環状のパッキン27が取り付けられている。パッキン27の直径はバケット部23bに収容された主弁25の外径より僅かに小さい。排気口26aは排気穴26の下端部に形成されている。ガイド部材23に形成された排気通路溝23cを通った空気は、主弁25に対して揚力を与えることなく、そのまま排気口26aへと流れるようになっている。また、弁体14の上部には、上記空気弁口24aと排気穴26とを連通させる連通穴28が形成されている。
【0023】
弁体14の上面中央部には、上記排気穴26を取り囲む円筒状のスリーブ29が上方へ突設されており、このスリーブ29はスピンドル30の軸心に形成された軸心穴31内にOリングを介して摺動自在に挿通されている。軸心穴31の上端部は、半径方向に形成された半径方向穴32と連通しており、さらに半径方向穴32は蓋体10bの上縁部に形成された開口穴40を介して弁箱10の外部へ通じている。上記軸心穴31および半径方向穴32は本発明の連通穴を構成している。急速排気のためには半径方向穴32をできるだけ大径な穴とする必要があるが、半径方向穴32はスピンドル30のフランジ部33に形成されているので、半径方向穴32を大径穴としてもスピンドル30の捩れ剛性が低下しないという特徴がある。上記排気穴26,軸心穴31,半径方向穴32および開口穴40によって排気通路が形成される。そして、排気通路のフロート室16側端部は、フロート弁17によって開閉される空気弁口24aと、主弁25によって開閉される排気口26aとに分岐している。
【0024】
スピンドル30のフランジ部33は蓋体10bと蓋体10bに固定された押え板41とにより上下から押えられ、スピンドル30は一定位置で回転自在に取り付けられている。蓋体10bの下面にはボス部42が突設され、このボス部42の内面には断面略四角形状のガイド面42aが形成され、このガイド面42aに弁体14の上面に突設されたガイド部43の断面略四角形状の外周面43aを係合させることにより、弁体14は上下方向にのみ移動可能にガイドされている。なお、弁体14を上下方向にガイドする手段としては、上記のような断面四角形状のガイド面に限らない。ガイド部43の内周面には、スピンドル30の下端部外周に形成された雄ねじ部44と螺合する雌ねじ部43bが形成されている。そのため、スピンドル30を回転させると、弁体14は上下に昇降し、弁座13を開閉することができる。このようにスピンドル30が一定位置で回転するので、スピンドル30が弁箱10から上方へ長く突出することがなくなり、消火栓の全高を低くすることができる。スピンドル30の上端部には消火栓開閉用キー等と係合するキャップ45が装着されている。
【0025】
弁箱10の側部には、図2に示すように上方へ開口した流出口10cが形成され、この流出口10cに接続管50が接続され、この接続管50の上端には口金座51、押し輪52、口金53などが設けられ、口金53は口金蓋54によって閉じられている。
【0026】
次に、上記構成の消火栓の動作を説明する。
閉栓状態では弁体14のガスケット15が弁座13に密着しており、流入口12を閉じている。配管の新設時や断水後の通水初期には、フロート室16に水が入っていないので、図3のように主弁25とフロート弁17は共に重力によって降下しており、主弁25が排気口26aを開いている。そのため、配管内の空気は連通口18からフロート室16に入り、フロート弁17の下面とフロート室16の底面との隙間、フロート弁17の外周面とフロート室16の内周面との隙間、ガイド部材23に設けられた通気溝23c、排気口26aを通り、排気穴26、スピンドル30の軸心穴31および半径方向穴32を介して外部へ急速排気される。特に、配管内の空気量が多く、高い動圧がフロート弁17の下面に作用してフロート弁17が持ち上がっても、フロート弁17と主弁25とは独立して設けられ、しかもフロート弁17の底板部17bによって動圧が主弁25に作用するのを邪魔するので、主弁25の持ち上がりが規制され、排気口26aが閉じられることがない。このように大口径の排気口26aから急速排気されるので、配管内の空気を迅速に排気することができる。
【0027】
また、急速排気の際、空気はガイド部材23の通気路23cを高速で流れるので、主弁25の上部には圧力低下による上方への吸引力(揚力)が作用する可能性がある。しかし、通気路23cの内径端から排気口26aまでの距離が短いので、空気の流れが主弁25の上面を通過する距離が短く、主弁25に対する揚力は非常に小さい。そのため、主弁25が揚力によって排気口26aが閉じられることがない。
【0028】
フロート室16に水が入ってくると、図4に実線で示すように、フロート弁17が浮上して空気弁口24aを閉じるとともに、水がガイド部材23の底部の水抜き穴23gから流入し、主弁25も浮上して排気口26aを閉じる。一旦排気口26aを閉じると、フロート室16の内部と外部との差圧によって主弁25は閉弁状態を保持する。
【0029】
主弁25が排気口26aを閉じた状態(圧力下)において、空気がフロート室16に溜まってくると、フロート室16内の水位が少し下がり、図4に破線で示すように、フロート弁17は浮力を失って空気弁口24aを支点として傾き、空気弁口24aを僅かに開く。そのため、フロート室16内の空気は空気弁口24a、連通穴28、排気穴26、スピンドル30の軸心穴31および半径方向穴32を介して弁箱10の外部へ排気され、空気溜まりが解消される。空気溜まりが解消されると、フロート室16内の水位が上昇するので、フロート弁17は浮力によって再び空気弁口24aを閉じ、水が空気弁口24aを介して外部に排出されるのを防止する。
【0030】
また、断水時など水道配管が負圧になった場合には、フロート弁17が降下して空気弁口24aを開くので、外気が排気穴26、空気弁口24a、フロート室16、流入口12を介して水道配管へ供給される。そのため、負圧を容易に解消することができる。
【0031】
口金53に消火用ホースを接続した状態でスピンドル30を開栓方向に回すと、弁体14が上昇して流入口12が開かれる。そのため、水道本管から接続管、補修弁を介して高圧水が弁箱10内に送られ、口金53からホースへと給水される。この時、流入口12を流れる水の動圧によってバッフル板22が上方へ押し上げられ、連通口18を閉じる。そのため、水の動圧がフロート弁17に直接作用せず、フロート弁17がフロート室16の内壁に衝突して破損したり、空気弁口24aが損傷することがない。
【0032】
図7は本発明にかかる空気弁付き消火栓の第2実施例を示す。なお、図3と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この実施例では、フロート弁17をガイド部材23に対して吊り下げ支持したものである。ガイド部材23のバケット部23bの底部には吊り下げ部材60が取り付けられ、吊り下げ部材60の下端部にはフランジ部60aが形成され、このフランジ部60aによってフロート弁17の底板部17bの中央部が抜け止めされている。フロート弁17の底板部17bの中央部には水抜き穴を兼ねる挿通穴17fが形成され、挿通穴17fはフロート弁17が空気弁口24aに接触した状態で所定角度傾くことができるように、吊り下げ部材60の外径より大きめに形成されている。また、主弁25はガイド部材23のバケット部23b内で円滑にガイドされるように円筒形に形成され、その上端面には急速排気時の揚力を低減するために、凹部25aが形成されている。
【0033】
フロート室16に水が流入する前の状態では、図7のようにフロート弁17は最下位置にあり、吊り下げ部材60によってフロート室16の底面から浮き上がった状態に支持されている。そのため、フロート弁17の下面とフロート室16の底部との間に360°開放した隙間が形成され、空気の通過面積を拡張できる。通水初期の空気流入時には、空気はフロート弁17の下面とフロート室16の底部との間に隙間、フロート弁17の外周面とフロート室16の内周面との間を通り、さらにガイド部材23の通気路23cを介して排気口26aへ急速排気される。
【0034】
本発明は上記実施例にのみ限定されるものではない。
上記実施例では、排気通路をスピンドル30の内部を介して弁箱10の外部と連通させたが、排気通路を弁箱10の内部に連通させてもよい。ただ、実施例のように構成すれば、弁箱10の内部に汚水が溜まっていても、この汚水が誤って本管内に逆流するのを確実に防止できる。
また、排気口26aおよび空気弁口24aを共に排気穴26を介して弁箱10の外部へ連通させるものに限らず、例えば排気口26aを外部へ連通させる排気通路と、空気弁口24aを外部へ連通させる排気通路とを別に設けてもよい。この場合、空気弁口24aを排気通路を介して弁箱の内部ヘ連通させるとともに、この排気通路に逆止弁を設ければ、弁箱内部の汚水が水道配管へ逆流するのを防止できる。
フロート弁の形状は、実施例のような環状部と底板部とを備えた構造に限るものではなく、例えば環状部のみで構成してもよい。この場合には、ガイド部材のバケット部の底部に、空気の動圧が主弁に作用するのを規制する手段を別に設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、消火栓の流入口を開閉する弁体に空気弁を内蔵したので、弁箱自体を大型とする必要がなく、小型の空気弁付き消火栓を実現できる。また、弁体を取り替えるだけで、弁箱などのケーシングは既存の消火栓のものと共用することも可能であるから、大幅なコスト低減を達成できる。
また、フロート室に連通する連通口が流入口と対向する弁体の下端部に形成されているので、流入口に溜まった空気を連通口を介してフロート室へスムーズに導入でき、外部へ排気できる。したがって、流入口に空気が残留するのを防止できる。
さらに、通水初期に大量の空気がフロート室に流入した場合でも、主弁が排気口を開いているので、急速排気を行なうことができる。特に、本発明ではフロート弁と主弁とがフロート室内に独立して上下動自在に収容されているので、たとえ空気の動圧によってフロート弁が持ち上げられても、主弁が排気口を閉じることがない。そのため、流入空気の流速が大きい場合でも、配管内の大量の空気を確実に急速排気できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の消火栓と空気弁の配管図である。
【図2】本発明にかかる空気弁付き消火栓の第1実施例の全体断面図である。
【図3】図2の急速排気時の一部拡大図である。
【図4】図2の圧力下排気時の一部拡大図である。
【図5】(a),(b),(c)はフロート弁の平面図、A−A断面図、底面図である。
【図6】(a),(b),(c)はガイド部材の平面図、B−B断面図、底面図である。
【図7】本発明の第2実施例の弁体の断面図である。
【符号の説明】
10 弁箱
12 流入口
14 弁体
16 フロート室
17 フロート弁
23 ガイド部材
23b バケット部
23c 通気溝(通気路)
24a 空気弁口
25 主弁
26 排気通路
26a 排気口
30 スピンドル
31,32 連通穴

Claims (6)

  1. 弁箱と、弁箱に形成され、水道配管に接続される流入口と、流入口を開閉する弁体と、一端部が弁体と連結され、他端部が弁箱の外部に突出したスピンドルと、弁箱に形成され、弁体の開放に伴って流入口から流入した水が流出する流出口と、を備えた消火栓において、
    上記弁体の内部には圧力下排気用フロート弁と急速排気用主弁とが独立して上下動自在に収容されるフロート室が形成され、
    上記流入口と対向する弁体の下端部にフロート室と連通する連通口が形成され、上記弁体には、フロート室に入った空気を外部へ排気する排気通路が形成され、排気通路のフロート室側端部には、フロート弁の浮上によって閉じられる空気弁口と、主弁によって閉じられる空気弁口より大径な排気口とが独立して形成されていることを特徴とする空気弁付き消火栓。
  2. 請求項1に記載の空気弁付き消火栓において、
    上記フロート弁を主弁の外周を取り囲む略リング形状とし、
    上記フロート室の内部に、主弁の外周面を上下動自在にガイドするとともに、フロート弁の内周面を上下動自在にガイドするガイド部材が固定されていることを特徴とする空気弁付き消火栓。
  3. 請求項2に記載の空気弁付き消火栓において、
    上記フロート弁は、主弁の外周を取り囲む環状部と、環状部の底部をほぼ閉じる底板部とを有し、
    フロート弁の下面には、フロート弁がフロート室の底部に着座した状態で、フロート室の底部との間に隙間を形成するための複数の突起が形成され、
    上記ガイド部材に、上記隙間を介してフロート弁の外周面とフロート室の内周面との間に導かれた空気を排気口へ急速排気するための通気路が形成されていることを特徴とする空気弁付き消火栓。
  4. 請求項2に記載の空気弁付き消火栓において、
    上記フロート弁は、主弁の外周を取り囲む環状部と、環状部の底部をほぼ閉じる底板部とを有し、
    上記フロート弁の下面とフロート室の底部との間に隙間を設けた位置で、フロート弁はガイド部材によって吊り下げ支持され、
    上記ガイド部材に、上記隙間を介してフロート弁の外周面とフロート室の内周面との間に導かれた空気を排気口へ急速排気するための通気路が形成されていることを特徴とする空気弁付き消火栓。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の空気弁付き消火栓において、上記排気通路は、スピンドルの内部に設けられた連通穴を介して弁箱の外部に連通していることを特徴とする空気弁付き消火栓。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の空気弁付き消火栓において、上記弁体とスピンドルには互いに螺合するねじ部が設けられ、
    上記弁箱には、弁体を上下方向にのみガイドするガイド部と、スピンドルを一定位置で回転自在に支持する支持部とが設けられていることを特徴とする空気弁付き消火栓。
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