JP3730587B2 - 静電荷像現像用トナー及び現像剤並びに画像形成方法と画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び現像剤並びに画像形成方法と画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真や静電記録などにおいて、感光体表面に形成された静電荷像を顕像化する静電荷像現像用トナー、及び該トナーを含有する現像剤、並びに該現像剤を用いる画像形成方法、該現像剤を充填した容器、該容器を装填した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置等においては、感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させ、それを転写材に転写し、次いで熱により転写材に定着させ、トナー画像を形成している。また、フルカラー画像形成は一般に黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いて色の再現を行うものであり、各色について現像を行い、各トナー層を転写材上に重ね合わせたトナー像に加熱し、同時に定着することによって、フルカラー画像を得ている。
ところが、一般に印刷に見慣れたユーザーからすると、フルカラー複写機における画像は未だ満足できるレベルではなく、写真、印刷に迫る高精細性、高解像度を満足するさらなる高画質化が求められており、電子写真画像の高画質化には小粒径で且つ狭い粒径分布を持つトナーを使用することが知られている。
【0003】
従来の粉砕トナーは、熱可塑性樹脂(バインダー樹脂)中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造しており、このようなトナー製造法では、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。特にカラートナーの場合、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼしてしまう。
【0004】
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。静電潜像現像用のトナーを重合法によって製造する技術は公知であり、例えば懸濁重合法によってトナー粒子を得ることが行われている。
重合法によれば、従来の粉砕工程、練り工程を省くことができ、省エネルギー、生産時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減の寄与が大きく、さらに、トナー粒子を小粒径にすると同時に粒度分布も粉砕法に較べてシャープな分布にすることが容易で、高画質化への寄与も大きいことから、重合法は多いに期待される工法である。
【0005】
また、電子写真においてフルカラー画像を印刷並みに高画質化するためには、各トナーの色再現性が広いことが必要である。不具合無く上記目的を達成するには、透明性、耐光性、耐熱性に優れた着色剤をトナー中に高分散せしめることが必要である。
更に使用されるトナーは、カブリ等のない鮮明な現像画像を得るために適正な帯電量を有することがまず要求される。さらに、帯電量に経時変化がなく、環境変化、例えば湿度変化等により、著しい帯電量の減衰や凝集等の変化を生じないことも要求されている。これは帯電量が最初に設定された値から減衰して小さくなると、トナー飛散が多くなり地肌カブリや現像装置周辺にトナー汚れが生じる等の問題が発生するからである。
【0006】
上記要求に応えるため、通常トナーには荷電制御剤が添加されるが、近年カラー画像の再現への要求が高まっており、色再現性を損なわないように白色あるいは淡黄色等の荷電制御剤が要求されている。
今日、当該技術分野で知られている電荷制御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属錯塩、カリックスアレン化合物、酸成分を含む樹脂等が知られている。
【0007】
しかし、これらの化合物は、それぞれ欠点を有しており、改良が望まれている。例えば、有色でカラートナーに適用できなかったり、帯電の安定性が不十分であったり、クロム等の重金属を含み、環境安定性の点で、改良を望まれていたりする。
また、カリックスアレン化合物は無色の化合物であるが、粒子径が大きく堅いためにトナー粒子中に帯電制御剤を均一に分散させることが困難であり、上記カリックスアレン化合物を実際に樹脂や着色剤等のトナ−組成物と共に混合し、混練した後、混練物を粉砕することによりトナ−を製造すると、トナー粒子毎の帯電特性等のトナー性能にバラツキが生じ、その結果トナー飛散や複写画像にトナ−カブリ等の問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記のごとき問題点を解決した静電荷現像用トナーを提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、帯電制御剤がトナー粒子中に均一に分散され、長期に渡り帯電性が安定して得られるトナー、及び該トナーを含有する現像剤、並びに該現像剤を用いる画像形成方法、該現像剤を充填した容器、該容器を装填した画像形成装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の構成により達成される。すなわち、本発明によれば、(1)少なくともバインダー樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含有し、帯電制御剤としてカリックスアレン化合物を含有するトナーであって、該トナーは有機溶媒中に少なくともウレア変性ポリエステルとカリックスアレン化合物を含むトナー組成物を溶解若しくは分散させ油性相を製造した後、該油性相を水が含まれる液体に乳化若しくは分散させて、該分散液の溶媒を除去、洗浄して得られたトナーであるか、又は該トナーは有機溶媒中に少なくともウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂とカリックスアレン化合物を含むトナー組成物を溶解若しくは分散させ油性相を製造した後、該油性相を水が含まれる液体に乳化若しくは分散させて、さらにアミン類を加えてウレア変性ポリエステルを形成し、該分散液の溶媒を除去、洗浄して得られるトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナー、(2)前記トナー組成物は、バインダー樹脂とカレックスアレン化合物を溶剤と共に予め混練させてのち有機溶媒中に分散させることを特徴とする上記(1)に記載の静電荷像現像用トナー、(3)前記有機溶媒がカレックスアレン化合物を溶解しない液体であり、前記油性相が機械的力を加えられることによりカレックスアレン化合物を分散させたものであることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、(4)トナー中のカリックスアレン化合物の分散粒径が個数平均径で0.5μm以下であり、個数平均径が0.7μm以上の割合が5個数%以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれに記載の静電荷像現像用トナー、(5)前記トナーがカラーであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれに記載の静電荷像現像用トナー、(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤、(7)上記(6)に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、バインダー樹脂として少なくともウレア変性ポリエステル系樹脂を用い、帯電制御剤としてカリックスアレン化合物を用い、しかも特定の手段により分散せしめて得られたものであることを特徴とする。
【0011】
(帯電制御剤及び分散状態)
本発明で用いる帯電制御剤は、カリックスアレン化合物に属するものであればいずれでもよい。特に、特開平7−62249号公報、特開平8−305087号公報に記載されている化合物が好ましい。これらの化合物自体、既に公知ではあるが、難分散性の帯電制御剤であるために用いられたとしても、小粒径で均一に分散させることが困難であった。仮に分散できたとしても、非常にコストの高いトナーとなっていた。
カリックスアレン化合物を帯電制御剤として含有する本発明のトナーは、トナー粒子中に帯電制御剤が均一に分散でき帯電特性に優れている。
【0012】
本発明では、少なくともバインダー樹脂、帯電制御剤および着色剤からなるトナーにおいて、バインダー樹脂と帯電制御剤の混合物を予め混練させることにより、初期的にバインダー樹脂と帯電制御剤が十分に付着した状態となって、分散が効果的に行なわれる状態になり、バインダー樹脂中での帯電制御剤の分散が良好で、帯電制御剤の分散径が小さくなり、良好な帯電特性が得られる。
【0013】
混練されるバインダー樹脂としては、後に詳述する変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0014】
前記のバインダー樹脂と帯電制御剤の混合物を予め混練させる具体的な方法としては、例えば、バインダー樹脂、帯電制御剤及び溶剤を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、バインダー樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。また、溶剤としては、バインダー樹脂及び帯電制御剤との溶解性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、特に、水、酢酸エチル、アセトン等が、帯電制御剤の分散性の面から好ましい。この製法によると、得られるトナーに含有される帯電制御剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、帯電特性がより一層良くなる。
【0015】
カリックスアレン化合物をカリックスアレン化合物を溶解しない液体とともに混合し、この混合液に機械的力を加えることにより分散させる方法としては、例えば、カリックスアレン化合物と溶剤をビーズミル、ボールミル等メディアを用いる分散機により分散させることにより得られる。この分散物を用いることにより、帯電制御剤の分散径が小さくなり、帯電制御剤のトナー中の分散が効果的に行なわれ良好な帯電特性が得られる。
【0016】
さらに、本発明のトナー中のカリックスアレン化合物の分散粒軽が個数平均径で0.5μm以下であることが望ましく、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下が望ましい。そして個数平均径が0.7μm以上の割合が5個数%以下であることが好ましい。
このような粒径分布を有することにより、トナー中にカリックスアレン化合物が均一に分散され、トナーの帯電量分布を狭くすることができ、帯電の立ち上がり特性が向上し、トナー飛散やトナーカブリの発生を防止することができる。また、トナー中でのカリックスアレン化合物の分散性が向上しているため、現像時等にトナーから遊離するカリックスアレン化合物の量が非常に少なくなり、2成分系現像剤として使用した場合にカリックスアレン化合物のキャリア粒子へのスペントを防止することができるので現像剤の耐久性が向上する。
【0017】
[有機溶媒]
本発明において使用可能な有機溶媒としては、芳香族溶媒(トルエン、キシレン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)などの、例えば後記するポリイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
【0018】
(ウレア変性ポリエステル)
本発明のトナーバインダー樹脂として用いるウレア結合で変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0019】
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0020】
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
【0021】
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0022】
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0023】
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
【0024】
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは平均1.5〜3個、さらに好ましくは平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0025】
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
【0026】
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0027】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0028】
本発明のウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0029】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル系樹脂(i)単独使用だけでなく、この樹脂(i)と共に、変性されていないポリエステル系樹脂(ii)をトナーバインダー樹脂成分として含有させることもできる。樹脂(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。樹脂(ii)としては、前記樹脂(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも樹脂(i)と同様である。また、樹脂(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。樹脂(i)と樹脂(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、樹脂(i)のポリエステル成分と樹脂(ii)のポリエステル成分は類似の組成が好ましい。樹脂(ii)を含有させる場合の樹脂(i)と樹脂(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。樹脂(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0030】
樹脂(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。樹脂(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。樹脂(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
【0031】
またトナーバインダー樹脂として、前記ウレア変性ポリエステル系樹脂(プレポリマーの場合を含む)、未変性ポリエステル樹脂以外に、その他の樹脂を併用することもできる。該その他の樹脂としては前記帯電制御剤と混練されるバインダー樹脂として例示したものが挙げられる。
【0032】
本発明において、トナーバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの高温保管時のブロッキングが悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。トナーバインダー樹脂の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナーバインダー樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
【0033】
(離型剤)
また、本発明のトナーにはトナーバインダー樹脂、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
【0034】
本発明で用いるワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
【0035】
(着色剤)
本発明に用いる顔料は、公知のものが使用できる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物である。
使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0036】
(樹脂微粒子)
本発明ではトナーに樹脂微粒子を添加してもよい。使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0037】
(外添剤)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0038】
このような流動化剤等の外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0039】
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤を用いることができ、該クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
【0040】
(製造方法)
トナーバインダー樹脂のウレア結合で変性されたポリエステル系樹脂は以下の方法などで製造することができる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
【0041】
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明においてトナー製造に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
【0042】
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物(以下トナー原料と呼ぶ)である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂(ii)などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0043】
分散方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
【0044】
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0045】
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
【0046】
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0047】
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガーフルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C7〜C13)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0048】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0049】
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0050】
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
【0051】
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0052】
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、プレポリマー(A)とアミン類(B)との反応(伸長および/または架橋反応)後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
【0053】
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
【0054】
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0055】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0056】
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0057】
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
【0058】
(2成分系現像剤)
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
【0059】
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
【0060】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、部は重量部を示す。
【0061】
実施例1
(トナーバインダー樹脂の合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)200部と変性されていないポリエステル(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(1)を単離した。Tgは62℃であった。
【0062】
(トナーの作成)
ビーカー内に前記のトナーバインダー樹脂(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、カーボンブラック(三菱化学製#44)6部、カリックスアレン化合物(オリエント化学製F−21)2部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子を得た。体積平均粒径(Dv)は5.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.8μmであった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(1)を得た。
【0063】
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−25μc/gであった。
この現像剤をフルカラープリンター(IPSIO COLOR 8100)を用いて、5万枚の耐刷テストを行った。
耐刷テストの評価は、初期及び5万枚後の画像濃度、地かぶり、キャリアスペントにて実施した。
【0064】
実施例2
(カリックスアレン混練組成物の作成)
オリエント化学社製F−21 50部
バインダー樹脂:ポリエステル(a) 50部
水 30部
上記材料をヘンシェルミキサーにて混合し、水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度110℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、カリックスアレン混練組成物を得た。
【0065】
(トナーの作成)
カリックスアレン化合物2部を上記カリックスアレン混練組成物4部に変更し、ポリエステル(a)800部を798部に変える以外は実施例1と同様にトナーを作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.3μm、個数平均粒径(Dn)は4.8μmであった。また、このカリックスアレン化合物の平均分散粒径は個数平均径で0.3μmで、0.7μm以上の割合は1.5個数%であった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(2)を得た。
なお、粒径は、上記樹脂粒子の樹脂を溶解し、かつカリックスアレン化合物を溶解しない溶媒(酢酸エチル)を用いて上記樹脂粒子の樹脂を溶解し、粒度分布測定装置(SA−CP3:島津製作所社製)により測定した。
【0066】
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−28μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0067】
実施例3
(カリックスアレン分散液の作成)
オリエント化学社製F−21 10部
酢酸エチル 90部
上記材料をビーズミルに投入して、10分液を循環させて作成した。
以下、トナー作成は実施例1に準じて作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.3μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmであった。また、このカリックスアレン化合物の平均分散粒径は個数平均径で0.4μmで、0.7μm以上の割合は10.5個数%であった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(3)を得た。
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−26μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0068】
実施例4
(カリックスアレン分散液の作成)
オリエント化学社製F−21 10部
酢酸エチル 90部
上記材料をビーズミルに投入して、20分液を循環させて作成した。
以下、トナー作成は実施例3に準じて作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmであった。また、このカリックスアレン化合物の平均分散粒径は個数平均径で0.4μmで、0.7μm以上の割合は4.5個数%であった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(4)を得た。
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−28μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0069】
実施例5
(カリックスアレン分散液の作成)
オリエント化学社製F−21 10部
酢酸エチル 90部
上記材料をビーズミルに投入して、60分液を循環させて作成した。
以下、トナー作成は実施例3に準じて作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.9μmであった。また、このカリックスアレン化合物の平均分散粒径は個数平均径で0.3μmで、0.7μm以上の割合は0.5個数%であった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(5)を得た。
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−30μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0070】
実施例6
実施例2のカーボンブラック6部をマゼンタ顔料Pigment Red184(クラリアントジャパン製PERMANENT RUBIN F6B)に変更した以外は同様にトナーを作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.4μm、個数平均粒径(Dn)は4.8μmであった。また、このカリックスアレン化合物の平均分散粒径は個数平均径で0.3μmで、0.7μm以上の割合は2.5個数%であった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナー(6)を得た。
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−28μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0071】
比較例1
実施例1に対して、カリックスアレン化合物(オリエント化学製F−21)2部を抜いた以外は同様にしてトナーを作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.4μm、個数平均粒径(Dn)は4.8μmであった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、比較用のトナー(7)を得た。
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−22μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0072】
比較例2
実施例1に対して、カリックスアレン化合物(オリエント化学製F−21)2部をサリチル酸亜鉛塩(オリエント化学社製E−84)に変えた以外は同様にしてトナーを作成した。その結果、体積平均粒径(Dv)は5.3μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmであった。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、比較用のトナー(8)を得た。
このトナーをシリコーン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径55μm:パウダーテック社製)に対してトナー濃度5wt%になるようにターブラミキサーにて1分間混合した。この現像剤の帯電量を測定したところ−23μc/gであった。また、実施例1と同様な耐刷テストを実施した。
【0073】
各実施例及び比較例で得られたトナーを用いた現像剤についての耐刷テスト結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003730587
比較例1は、地かぶり、機内トナー飛散が激しく2万枚でテストを中止した。
(評価)
◎:全く問題なし
○:問題なし
△:許容レベル
×:問題あり
【0074】
上記表1に示す結果から、
1.カリックスアレン化合物を用いることにより、経時帯電量変化、地かぶり、機内トナー飛散とも良くなり、カリックスアレン化合物が効果を発揮している(対比較例1)。
2.カリックスアレン化合物の粒径を小さくするほど、帯電量が向上し経時帯電量低下も改善してくる。
3.サリチル酸亜鉛塩を用いると、帯電量の経時変動が認められ(比較例2)、使用できるレベルまで至らない。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、帯電制御剤としてカリックスアレン化合物を用い、バインダー樹脂としてウレア変性ポリエステル系樹脂、或いはウレア変性ポリエステル系樹脂を形成しうる変性ポリエステル系樹脂を含有するトナー組成物を用い、前記特有の分散手段を採用してトナーを形成したことにより、帯電制御剤をトナー粒子中に均一に分散させることができ、長期に渡り帯電性が安定して得られる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
また、該トナーを含有する現像剤、及び該現像剤を用いる画像形成方法、該現像剤を充填した容器、該容器を装填した画像形成装置を提供することができる。

Claims (7)

  1. 少なくともバインダー樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含有し、帯電制御剤としてカリックスアレン化合物を含有するトナーであって、
    該トナーは有機溶媒中に少なくともウレア変性ポリエステルとカリックスアレン化合物を含むトナー組成物を溶解若しくは分散させ油性相を製造した後、該油性相を水が含まれる液体に乳化若しくは分散させて、該分散液の溶媒を除去、洗浄して得られたトナーであるか、又は
    該トナーは有機溶媒中に少なくともウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂とカリックスアレン化合物を含むトナー組成物を溶解若しくは分散させ油性相を製造した後、該油性相を水が含まれる液体に乳化若しくは分散させて、さらにアミン類を加えてウレア変性ポリエステルを形成し、該分散液の溶媒を除去、洗浄して得られるトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記トナー組成物は、バインダー樹脂とカレックスアレン化合物を溶剤と共に予め混練させてのち有機溶媒中に分散させることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記有機溶媒がカレックスアレン化合物を溶解しない液体であり、前記油性相が機械的力を加えられることによりカレックスアレン化合物を分散させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. トナー中のカリックスアレン化合物の分散粒径が個数平均径で0.5μm以下であり、個数平均径が0.7μm以上の割合が5個数%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記トナーがカラーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
  7. 請求項6に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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