JP3729682B2 - ベクトル制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導電動機を駆動するインバータを制御する為のベクトル制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、インバータを制御する従来のベクトル制御装置の構成例を示すブロック図である。このベクトル制御装置は、三相誘導電動機8を駆動するPWMインバータ21が三相誘導電動機8に出力し検出されたU相電流IU - 、V相電流IV - 及びW相電流IW - を3相(UVW相)から2相(dq軸)へ座標変換する座標変換器10と、速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- (速度値)を磁束指令値φ* に変換する変換器3と、座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - (電流値)を磁束帰還値φ- (磁束値)に変換する変換器11と、変換器3が変換した磁束指令値φ* と変換器11が変換した磁束帰還値φ- との偏差を演算する減算器27とを備えている。
【0003】
このベクトル制御装置は、また、減算器27が演算した偏差に基づき、d軸電流指令値I1d * を出力する磁束コントローラ4と、磁束コントローラ4が出力したd軸電流指令値I1d * と座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - との偏差を演算する減算器28と、減算器28が出力した偏差に基づき、d軸電流値を制御するd軸電流コントローラ5とを備えている。
【0004】
このベクトル制御装置は、また、外部から与えられる三相誘導電動機8の速度帰還値f* と速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- との偏差を演算する減算器24と、減算器24が演算した偏差に基づき、q軸電流指令値I1q * を出力する速度コントローラ1と、速度コントローラ1が出力したq軸電流指令値I1q * と座標変換器10が出力したq軸電流帰還値I1q - (q軸電流値)との偏差を演算する減算器25と、減算器25が出力した偏差に基づき、q軸電流値を制御するq軸電流コントローラ2とを備えている。
【0005】
このベクトル制御装置は、また、d軸電圧指令値V1d * 及びq軸電圧指令値V1q * を決定する為に、q軸電流値及びd軸電流値にそれぞれ与える非干渉項信号を作成する非干渉項作成器6と、q軸電流コントローラ2が出力したq軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しq軸電圧指令値V1q * を作成する加算器26と、d軸電流コントローラ5が出力したd軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しd軸電圧指令値V1d * を作成する加算器29とを備えている。
このベクトル制御装置は、また、加算器26,29がそれぞれ作成したq軸電圧指令値V1q * 及びd軸電圧指令値V1d * を、3相の各電圧指令値VU * ,VV * ,VW * へ座標変換し、PWMインバータ21へ与える座標変換器7とを備えている。
【0006】
このような構成のベクトル制御装置では、PWMインバータ21が三相誘導電動機8に出力し検出された各相電流IU - ,IV - ,IW - を、座標変換器10がq軸電流帰還値I1q - 及びd軸電流帰還値I1d - へ座標変換する。
変換器3は、速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- を磁束指令値φ* に変換し、変換器11は、座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - を磁束帰還値φ- に変換する。
【0007】
減算器27は、変換器3が変換した磁束指令値φ* と変換器11が変換した磁束帰還値φ- との偏差を演算する。
磁束コントローラ4は、減算器27が演算した偏差に基づき、d軸電流指令値I1d * を出力し、減算器28は、そのd軸電流指令値I1d * と座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - との偏差を演算し、d軸電流コントローラ5は、その偏差に基づきd軸電流値を制御する。
【0008】
減算器24は、外部から与えられた三相誘導電動機8の速度帰還値f* と速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- との偏差を演算し、速度コントローラ1は、その偏差に基づきq軸電流指令値I1q * を出力する。
減算器25は、速度コントローラ1が出力したq軸電流指令値I1q * と座標変換器10が出力したq軸電流帰還値I1q - との偏差を演算し、q軸電流コントローラ2は、その偏差に基づきq軸電流値を制御する。
【0009】
非干渉項作成器6は、q軸電流値及びd軸電流値にそれぞれ与える非干渉項信号を作成する。
加算器26は、q軸電流コントローラ2が出力したq軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しq軸電圧指令値V1q * を作成する。
加算器29は、d軸電流コントローラ5が出力したd軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しd軸電圧指令値V1d * を作成する。
座標変換器7は、加算器26,29がそれぞれ作成したq軸電圧指令値V1q * 及びd軸電圧指令値V1d * を、3相の各電圧指令値VU * ,VV * ,VW * へ座標変換し、PWMインバータ21へ与える。
PWMインバータ21は、与えられた各電圧指令値VU * ,VV * ,VW * に基づき三相誘導電動機8を駆動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
PWMインバータ21は、その電源電圧によって、出力可能な電圧の上限が決定されるが、電源電圧が低電圧の場合は、出力電圧が飽和し易くなる。上述したような従来のベクトル制御装置で、PWMインバータ21を制御した場合、出力電圧の飽和時に、制御系の電圧指令値に帰還値が追従することができず、制御が不安定になるという問題があった。
【0011】
ベクトル制御によりインバータを制御する技術については、特開平6−105580号公報、特開平8−149898号公報及び特開平3−251095号公報等に開示されている。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、インバータの出力電圧を飽和させないことにより、制御系が不安定になることを防止できるベクトル制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るベクトル制御装置は、誘導電動機の検出された速度値及び設定された速度指令値の偏差に基づき、q軸電流指令値を出力する速度制御部と、該速度制御部が出力したq軸電流指令値及び前記誘導電動機の検出されたq軸電流値の偏差に基づき、q軸電圧指令値を出力するq軸電流制御部と、前記速度値から変換された磁束指令値及び前記誘導電動機の検出されたd軸電流値から変換された磁束値の偏差に基づき、d軸電流指令値を出力する磁束制御部と、該磁束制御部が出力したd軸電流指令値及び前記d軸電流値の偏差に基づき、d軸電圧指令値を出力するd軸電流制御部と、前記q軸電流制御部が出力したq軸電圧指令値に基づき、前記誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐべく、前記磁束指令値を制限する磁束制限部とを備え、該磁束制限部は、q軸電圧指令値及び所定の電圧値の偏差を演算する第1減算手段と、該第1減算手段が演算した偏差を積分する積分手段と、該積分手段が積分した積分値を磁束指令値から減算する第2減算手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係るベクトル制御装置は、所定の電圧値を設定する手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係るベクトル制御装置は、第1減算手段が演算した偏差に乗算する為のゲインを設定する第1設定手段と、該第1設定手段が設定したゲインを前記偏差に乗算する乗算手段とを更に備え、該乗算手段が乗算した結果を積分手段に与えるべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
第4発明に係るベクトル制御装置は、第1減算手段が演算した偏差が0以下であるか否かを判定する判定手段と、乗算手段が乗算した結果をリセットする為のリセットゲインを設定する第2設定手段とを更に備え、前記判定手段が0以下であると判定したときに、前記第2設定手段が設定したリセットゲインにより前記結果をリセットすべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るベクトル制御装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。このベクトル制御装置は、三相誘導電動機8を駆動するPWMインバータ21が三相誘導電動機8に出力し検出されたU相電流IU - 、V相電流IV - 及びW相電流IW - を3相(UVW相)から2相(dq軸)へ座標変換する座標変換器10と、速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- (速度値)を磁束指令値φ* に変換する変換器3とを備えている。
【0018】
このベクトル制御装置は、また、外部から与えられる三相誘導電動機8の速度帰還値f* と速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- との偏差を演算する減算器24と、減算器24が演算した偏差に基づき、q軸電流指令値I1q * を出力する速度コントローラ1(速度制御部)と、速度コントローラ1が出力したq軸電流指令値I1q * と座標変換器10が出力したq軸電流帰還値I1q - (q軸電流値)との偏差を演算する減算器25と、減算器25が出力した偏差に基づき、q軸電流値を制御するq軸電流コントローラ2(q軸電流制御部)とを備えている。
【0019】
このベクトル制御装置は、また、d軸電圧指令値V1d * 及びq軸電圧指令値V1q * を決定する為に、q軸電流値及びd軸電流値にそれぞれ与える非干渉項信号を作成する非干渉項作成器6と、q軸電流コントローラ2が出力したq軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しq軸電圧指令値V1q * を作成する加算器26と、加算器26が作成したq軸電圧指令値V1q * に基づき、PWMインバータ21が三相誘導電動機8に与える電圧の飽和を防ぐべく、磁束指令値φ* を制限する磁束制限部12とを備えている。
磁束制限部12は、磁束指令値φ* の制限量を決定する磁束制限量決定部31と、変換器3が変換した磁束指令値φ* から、磁束制限量決定部31が決定した制限量を減算する減算器19と、減算器19が制限量を減算した磁束指令値φ* が、負にならないように制限するリミッタ20とを備えている。
【0020】
このベクトル制御装置は、また、座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - (電流値)を磁束帰還値φ- (磁束値)に変換する変換器11と、リミッタ20が出力した磁束指令値φ* と変換器11が変換した磁束帰還値φ- との偏差を演算する減算器27と、減算器27が演算した偏差に基づき、d軸電流指令値I1d * を出力する磁束コントローラ4(磁束制御部)と、磁束コントローラ4が出力したd軸電流指令値I1d * と座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - との偏差を演算する減算器28と、減算器28が出力した偏差に基づき、d軸電流値を制御するd軸電流コントローラ5(d軸電流制御部)とを備えている。
【0021】
このベクトル制御装置は、また、d軸電流コントローラ5が出力したd軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しd軸電圧指令値V1d * を作成する加算器29と、加算器26,29がそれぞれ作成したq軸電圧指令値V1q * 及びd軸電圧指令値V1d * を、3相の各電圧指令値VU * ,VV * ,VW * へ座標変換し、PWMインバータ21へ与える座標変換器7とを備えている。
【0022】
以下に、このような構成のベクトル制御装置の動作を説明する。
ベクトル制御における電圧方程式は次式で表される。
但し、V1q * :q軸電圧指令値、R1 :一次抵抗
ω:インバータ出力角周波数、σ:漏れ係数
L1 :一次自己インダクタンス、M:相互インダクタンス
L2 :二次自己インダクタンス、φ* :磁束指令値
CCQOUT:q軸電流コントローラ出力
【0023】
インバータ出力電圧が、高周波数時にV1q * において支配的となっているのはω(M/L2 )φ* 項である。その為、磁束制限部12を従来のベクトル制御装置に付加することにより、q軸電圧指令値V1q * が飽和しないように、磁束指令値φ* を制限している。
【0024】
図2は、磁束制限部12の詳細構成例を示すブロック図である。磁束制限部12は、加算器26が作成したq軸電圧指令値V1q * の絶対値を演算する絶対値演算器13と、q軸電圧指令値V1q * が飽和しない電圧レベル(所定の電圧、制限開始電圧)を予め設定する制限開始電圧設定部14(設定する手段)と、絶対値演算器13が演算した絶対値と制限開始電圧設定部14が設定した電圧レベルとの偏差を演算する減算器14a(第1減算手段)と、減算器14aが演算した偏差が正のときはそのまま制限量として出力し、演算した偏差が負のときは0にクランプするリミッタ15とを備えている。
【0025】
磁束制限部12は、また、リミッタ15がクランプした制限量に乗じる制限ゲインを予め設定する制限ゲイン設定部16(第1設定手段)と、制限ゲイン設定部16が設定した制限ゲインを、リミッタ15がクランプした制限量に乗じる乗算器16a(乗算手段)と、乗算器16aが制限ゲインを乗算した結果を積分する積分器18(積分手段)とを備えている。
磁束制限部12は、また、乗算器16aが制限ゲインを乗算した結果(又は減算器14aが演算した偏差)が0以下であるか否かを判定する判定部16b(判定手段)とを備えている。
【0026】
磁束制限部12は、また、乗算器16aが乗算した結果をリセットする為のリセットゲインを予め設定するリセットゲイン設定部22(第2設定手段)と、判定部16bが0以下(=0)であると判定したときに、リセットゲイン設定部22がリセットゲインを積分器18に与えるべく接続する接点23と、判定部16bが0を超える(≠0)と判定したときに、乗算器16aが制限ゲインを乗算した結果を積分器18に与えるべく接続する接点17とを備えている。
【0027】
磁束制限部12は、また、上述したように、積分器18が積分した制限量積分値(制限量)を、変換器3が変換した磁束指令値φ* から減算する減算器19(第2減算手段)と、減算器19が制限量を減算した磁束指令値φ* が、負にならないように制限するリミッタ20とを備えている。
【0028】
このような構成の磁束制限部12では、図3(a)に示すように、q軸電圧指令値V1q * の絶対値が制限開始電圧値を超過すると、その偏差をリミッタ15がそのまま制限量として出力する。乗算器16aは、その制限量に制限ゲインを乗算し、乗算した結果を積分器18に与える。積分器18は、乗算器16aが乗算した結果を積分し、図3(b)に示すような制限量積分値として出力する。
減算器19は、積分器18が積分した制限量積分値(制限量)を、図3(c)に示すように、変換器3が変換した磁束指令値φ* から減算し、リミッタ20は、制限量を減算した磁束指令値φ* が、負にならないように制限する。
【0029】
図3(a)に示すように、q軸電圧指令値V1q * の絶対値が制限開始電圧値以下になると、リミッタ15は、制限量を0として出力する。判定部16bは、これにより、リセットゲインを積分器18に与えるべく、接点23を接続し、積分器18は、リセットゲインを積分して制限量積分値(制限量)を、図3(b)に示すように減少させ、磁束指令値φ* を元の値に近付ける。
【0030】
以上の動作を繰り返すことにより、図3(a)に示すように、q軸電圧指令値V1q * を略制限開始電圧値に保つことができる。尚、q軸電圧指令値V1q * が略制限開始電圧値に保たれている間の、q軸電圧指令値V1q * が上昇する傾きは、リセットゲインを設定することにより調整可能であり、q軸電圧指令値V1q * が下降する傾きは制限ゲインを設定することにより調整可能である。また、制限開始電圧設定部14、制限ゲイン設定部16及びセットゲイン設定部22は、専用パラメータ設定装置を使用する。
【0031】
ベクトル制御装置は、座標変換器10が、PWMインバータ21が三相誘導電動機8に出力し検出されたU相電流IU - 、V相電流IV - 及びW相電流IW - を3相(UVW相)から2相(dq軸)へ座標変換し、変換器3は、速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- (速度値)を磁束指令値φ* に変換する。
【0032】
減算器24は、外部から与えられる三相誘導電動機8の速度帰還値f* と速度検出器9が検出した三相誘導電動機8の速度帰還値f- との偏差を演算し、速度コントローラ1は、その偏差に基づきq軸電流指令値I1q * を出力する。
減算器25は、速度コントローラ1が出力したq軸電流指令値I1q * と座標変換器10が出力したq軸電流帰還値I1q - (q軸電流値)との偏差を演算し、q軸電流コントローラ2は、その偏差に基づきq軸電流値を制御する。
【0033】
非干渉項作成器6は、d軸電圧指令値V1d * 及びq軸電圧指令値V1q * を決定する為に、q軸電流値及びd軸電流値にそれぞれ与える非干渉項信号を作成し、加算器26は、q軸電流コントローラ2が出力したq軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しq軸電圧指令値V1q * を作成する。
磁束制限部12は、上述したように、加算器26が作成したq軸電圧指令値V1q * に基づき、PWMインバータ21が三相誘導電動機8に与える電圧が飽和しないように、磁束指令値φ* を制限する。
【0034】
変換器11は、座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - (電流値)を磁束帰還値φ- (磁束値)に変換し、減算器27は、磁束制限部12のリミッタ20が出力した磁束指令値φ* と変換器11が変換した磁束帰還値φ- との偏差を演算する。
磁束コントローラ4は、その演算した偏差に基づき、d軸電流指令値I1d * を出力する。減算器28は、その出力したd軸電流指令値I1d * と座標変換器10が出力したd軸電流帰還値I1d - との偏差を演算し、d軸電流コントローラ5は、減算器28が出力した偏差に基づき、d軸電流値を制御する。
【0035】
加算器29は、d軸電流コントローラ5が出力したd軸電流値と非干渉項作成器6が作成した非干渉項とを加算しd軸電圧指令値V1d * を作成する。
座標変換器7は、加算器26,29がそれぞれ作成したq軸電圧指令値V1q * 及びd軸電圧指令値V1d * を、3相の各電圧指令値VU * ,VV * ,VW * へ座標変換し、PWMインバータ21へ与える。
以上により、PWMインバータ21が三相誘導電動機8に与える電圧の飽和を防ぐことが出来、制御系が不安定になることを防止することが出来ると共に、PWMインバータ21が三相誘導電動機8に与える電圧が飽和する虞がないときは、速やかに通常の制御に戻ることが出来る。
【0036】
【発明の効果】
第1発明に係るベクトル制御装置では、速度制御部が、誘導電動機の検出された速度値及び設定された速度指令値の偏差に基づき、q軸電流指令値を出力し、q軸電流制御部が、そのq軸電流指令値及び誘導電動機の検出されたq軸電流値の偏差に基づき、q軸電圧指令値を出力する。磁束制御部は、前記速度値から変換された磁束指令値及び誘導電動機の検出されたd軸電流値から変換された磁束値の偏差に基づき、d軸電流指令値を出力し、d軸電流制御部は、そのd軸電流指令値及び前記d軸電流値の偏差に基づき、d軸電圧指令値を出力する。磁束制限部は、q軸電流制御部が出力したq軸電圧指令値に基づき、誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐべく、磁束指令値を制限する。磁束制限部の第1減算手段が、q軸電圧指令値及び所定の電圧値の偏差を演算し、積分手段は、その偏差を積分する。第2減算手段は、積分手段が積分した積分値を磁束指令値から減算する。これにより、磁束指令値を制限するので、誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐことが出来、制御系が不安定になることを防止できるベクトル制御装置を実現することが出来る。
【0038】
第2発明に係るベクトル制御装置では、所定の電圧値を設定する手段を更に備えるので、誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐことが出来、制御系が不安定になることを防止することが出来る。
【0039】
第3発明に係るベクトル制御装置では、乗算手段が、第1設定手段が設定したゲインを、第1減算手段が演算した偏差に乗算し、その乗算した結果を積分手段に与えるので、誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐことが出来、制御系が不安定になることを防止することが出来る。
【0040】
第4発明に係るベクトル制御装置は、判定手段が0以下であると判定したときに、第2設定手段が設定したリセットゲインにより、乗算手段が乗算した結果をリセットするので、誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐことが出来、制御系が不安定になることを防止することが出来ると共に、誘導電動機に与える電圧が飽和する虞がないときは、速やかに通常の制御に戻ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るベクトル制御装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 磁束制限部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図3】 磁束制限部の動作を説明する波形図である。
【図4】 従来のベクトル制御装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 速度コントローラ(速度制御部)、2 q軸電流コントローラ(q軸電流制御部)、3,11 変換器、4 磁束コントローラ(磁束制御部)、5 d軸電流コントローラ(d軸電流制御部)、7,10 座標変換器、8 三相誘導電動機(誘導電動機)、9 速度検出器、12 磁束制限部、14 制限開始電圧設定部(設定する手段)、14a 減算器(第1減算手段)、16 制限ゲイン設定部(第1設定手段)、16a 乗算器(乗算手段)、16b 判定部(判定手段)、18 積分器(積分手段)、19 減算器(第2減算手段)、22 リセットゲイン設定部(第2設定手段)、24,25,27,28 減算器、20 リミッタ、26,29 加算器、31 磁束制限量決定部。
Claims (4)
- 誘導電動機の検出された速度値及び設定された速度指令値の偏差に基づき、q軸電流指令値を出力する速度制御部と、
該速度制御部が出力したq軸電流指令値及び前記誘導電動機の検出されたq軸電流値の偏差に基づき、q軸電圧指令値を出力するq軸電流制御部と、
前記速度値から変換された磁束指令値及び前記誘導電動機の検出されたd軸電流値から変換された磁束値の偏差に基づき、d軸電流指令値を出力する磁束制御部と、
該磁束制御部が出力したd軸電流指令値及び前記d軸電流値の偏差に基づき、d軸電圧指令値を出力するd軸電流制御部と、
前記q軸電流制御部が出力したq軸電圧指令値に基づき、前記誘導電動機に与える電圧の飽和を防ぐべく、前記磁束指令値を制限する磁束制限部とを備え、
該磁束制限部は、q軸電圧指令値及び所定の電圧値の偏差を演算する第1減算手段と、該第1減算手段が演算した偏差を積分する積分手段と、該積分手段が積分した積分値を磁束指令値から減算する第2減算手段とを備えることを特徴とするベクトル制御装置。 - 所定の電圧値を設定する手段を更に備える請求項1記載のベクトル制御装置。
- 第1減算手段が演算した偏差に乗算する為のゲインを設定する第1設定手段と、該第1設定手段が設定したゲインを前記偏差に乗算する乗算手段とを更に備え、該乗算手段が乗算した結果を積分手段に与えるべくなしてある請求項1又は2記載のベクトル制御装置。
- 第1減算手段が演算した偏差が0以下であるか否かを判定する判定手段と、乗算手段が乗算した結果をリセットする為のリセットゲインを設定する第2設定手段とを更に備え、前記判定手段が0以下であると判定したときに、前記第2設定手段が設定したリセットゲインにより前記結果をリセットすべくなしてある請求項3記載のベクトル制御装置。
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