JP3728100B2 - イカ塩辛様食品 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はイカ塩辛様食品に関し、更に詳細にはイカの内蔵、特に肝臓を実質上使用することなく、すり潰した野菜とイカ肉身とを混合することを特徴とするイカ塩辛様食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
イカの塩辛は、イカの保存食として広く製造され、市販されている。最も一般的なイカ塩辛は、イカ本体を内蔵と肉身とに分け、内蔵から取り出した肝臓に食塩を加えて、それに細切りしたイカの肉身を漬け込んで熟成させて製造される。この肝臓は通称ゴロとも呼ばれ、このようにして製造されたイカ塩辛は、ゴロ漬けと呼ばれることもある。イカ塩辛は、瓶やプラスチック容器に詰めて販売され、酒の肴として、又は一般家庭において食膳での一品として広く親しまれている食品である。
【0003】
【課題が解決しようとする課題】
イカ塩辛は、イカの内蔵から取り出した肝臓(ゴロ)を使用しており、そのゴロ由来の生臭さは熟成によって抑制されているものの、独特の臭みが残っている。また、生のイカを使用するため、魚介類独特の生臭さも残っている。この様なイカ塩辛の独特の臭さは、魚介類特有の臭みを嫌う人々、例えば子供等にとっては、敬遠されがちで、需要が限られるという問題があった。
【0004】
また、ゴロに漬け込まれたイカ細切肉身は、ゴロに含まれている酵素と塩の作用によって、熟成及びその後の保存の際に時間の経過とともに次第に分解され、身痩せや離水を起こす。したがって、保存中に過度に熟成が進み、イカ肉身本来の食感(シャキ感)や細切肉身の形状が損なわれ、イカ塩辛の品質が低下するという欠点があった。
【0005】
本発明は、上記の2つの課題、すなわち、イカ塩辛における魚介類独特の臭さを解消し、また熟成保存中におけるイカ肉身の身痩せを防止するという課題を解決することにより、誰もが抵抗なく食することができ、しかも保存してもイカ肉身が身痩せすることなく、イカ生身本来のシャキ感が残るイカ塩辛様食品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、イカのゴロに代えて又はゴロの一部に代えて野菜のペーストを用いることにより、目的とするイカ塩辛様食品を提供することに成功した。
【0007】
本発明で使用する野菜のペーストとは、人参、トマト、大根、玉葱、セロリ、ピーマン等又はそれらの2種類以上の野菜を原料とし、必要に応じて加熱、例えば茹でた後、すり潰して又はすりおろしてペースト状に加工したものである。使用できる野菜としては、すり潰し又はすりおろし状態が、繊維質を含む滑らかなペースト状となるもので、味、臭い等が極端に強くないものであれば特に限定されない。これら野菜のうち、人参及びトマトはペースト状に加工し易く、また色調も塩辛と似ているので特に好ましい。
【0008】
この野菜ペーストを調製する場合、野菜は必要に応じて皮むきし、加熱、例えば熱湯中で茹でることにより、野菜を適度に柔らかくし、また野菜中に含まれる酵素を失活させ、その後のすり潰し又はすりおろし加工時の野菜の酸化を防止し、それによって野菜特有の青臭さの発生を防ぐことができる。
【0009】
本発明では、イカの肉身は胴身及び/又は脚身を適当な大きさに切断したもの(イカ細切肉身という)を、野菜のペースト状物に加え、適量の食塩を添加混合して、低温で貯蔵して熟成を行い製品を得る。好みに応じて、野菜ペーストにイカ又はタラ等の魚介類の肝臓を少量添加することもできる。また、食塩を添加する代わりに、イカの肉身を塩漬けにして、肉身に食塩を含浸させ、脱水して使用することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のイカ塩辛様食品の製造方法を具体的に説明する。
【0011】
イカ生身である胴肉及び脚肉を洗浄、殺菌した後、巾4〜10mm、好ましくは6〜8mm、長さ10〜80mm、好ましくは20〜50mmの大きさに切断する。切断したイカ肉身に対して約3〜10%,好ましくは5〜8%の食塩を添加して12〜36時間、好ましくは24〜48時間程度塩漬けした後、脱水する。
【0012】
一方、野菜の処理としては、例えば人参の場合、洗浄して皮むきを行った後、熱湯による加熱を行う。加熱時間は、野菜の種類によって異なるが、人参の場合、人参の中央部まで加熱軟化し、また、人参の酵素が失活するまで十分に行う。その後、中心温度が0〜15℃、好ましくは0〜10℃になるまで冷却してからすりおろしてペースト状にする。
【0013】
塩漬け脱水したイカ細切肉身に、人参のペースト状物を加え、更に調味料、例えば、食塩、アミノ酸等の化学調味料、糖類、日本酒、みりん、スパイス類等を適宜添加して混合する。この時に、好みに応じて、イカ又はタラの肝臓を添加して味を調整することもできる。この肝臓は添加前に加熱することにより、魚介類特有の臭さを抑制できる。
【0014】
このようにして混合した製品を0〜15℃、好ましくは0〜10℃で3〜10日、好ましくは5〜8日間貯蔵して熟成を図り、ガラス瓶、プラスチック容器等の適当な容器に詰めて出荷する。
【0015】
【実施例】
以下に実施例によって、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
[実施例1]
生のイカから内臓を除去し、胴肉と脚肉を洗浄し、巾6〜8mm、長さ30〜50mmに切断した。この細切肉身900gをトレイに入れ食塩約70gを均一にふりかけ、よく撹拌して冷蔵庫内(8℃)で24時間放置した。その後、冷蔵庫から取り出し、油圧式プレスで脱水した。
【0017】
一方、人参250gを洗浄、皮むきした後、熱水中で約20分茹でた後、中心温度が約5〜6℃になるまで冷蔵庫内で冷却した。この熱処理、冷却した人参をフードカッターを用いてすりおろしてペースト状物を得た。得られたペースト状物に食塩、化学調味料、粉末唐辛子、グリシン、ごま油、酒、みりん等を適量添加して味を整えた。
【0018】
この味付けペースト状物に、予め調製したイカ細切肉身を添加し、よく混合して約5℃の冷蔵庫内で5日間放置し、熟成し、その後ガラス瓶に詰めて製品を得た。食塩濃度は、製品の重量の約8%であった。
【0019】
製品の外観及び色調は、従来のゴロを原料としたイカ塩辛と同様であった。
【0020】
[実施例2]
人参に代えて同量のトマトを使用した。トマトのヘタを取り、ミキサーで撹拌してペースト状とし、約20分煮込んだ後、中心温度が約5〜6℃になるまで冷蔵庫で冷却した。その後は実施例1と同様に処理して従来のゴロを原料とするイカ塩辛と外観がそっくりな食品を得た。
【0021】
[実施例3]
野菜のペースト状物に約90gの加熱処理したイカの肝臓を添加する以外は、実施例1と同様に処理して、従来のイカ塩辛に似た味をもつ食品を得た。
【0022】
【発明の効果】
本発明によるイカ塩辛様食品は、ゴロ由来の臭さもなく従来のイカ塩辛を敬遠してきた人々にも好まれるようになる。また、保存中にもイカ肉身が身痩せすることなく、喫食時にイカ肉身の特有の食感(シャキ感)が保持でき、長期保存後でも美味しく食べることができる。更に、野菜からの甘味が塩分と程よく混ざり合って、口当たりの良い、うま味のある食品が提供される。
Claims (4)
- イカの肉身と、加熱処理した野菜ペーストと、必要に応じて、加熱したゴロとを混合することを特徴とするイカ塩辛様食品。
- 適度な塩味を与えるのに適した量の食塩を更に添加することを特徴とする請求項1記載のイカ塩辛様食品。
- 野菜が人参、トマト、大根、タマネギ、セロリ又はピーマンの1種又はこれら野菜の2種以上から選択される請求項1又は2記載のイカ塩辛様食品。
- 実質上、加熱したゴロを含有しないことを特徴とする請求項1、2又は3記載のイカ塩辛様食品。
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JP14775198A JP3728100B2 (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | イカ塩辛様食品 |
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JP14775198A JP3728100B2 (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | イカ塩辛様食品 |
Publications (2)
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JPH11332522A JPH11332522A (ja) | 1999-12-07 |
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JP14775198A Expired - Fee Related JP3728100B2 (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | イカ塩辛様食品 |
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JP4712003B2 (ja) * | 2007-06-15 | 2011-06-29 | 株式会社スギヨ | 塩辛様食品及びその製造方法 |
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1998
- 1998-05-28 JP JP14775198A patent/JP3728100B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11332522A (ja) | 1999-12-07 |
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