JP3726452B2 - 積層体成形用サーマルバリア - Google Patents

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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/022Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔に通電することによって発熱させて加熱加圧成形を行なう工法で、金属箔張りの積層体を成形する際に使用されるサーマルバリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板等に加工して使用される金属箔張り積層体は、プリプレグを複数枚重ねると共にこの片側あるいは両側の外面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって製造されている。また多層プリント配線板の場合は、内層回路板の片側あるいは両側にプリプレグを重ねると共にプリプレグの外側にさらに金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって製造されている。そして上記のように積層成形を行なうにあたって、上記のプリプレグと金属箔を重ねた組み合わせ体や、内層回路板とプリプレグと金属箔を重ねた組み合わせ体を多段に積み重ね、これを熱盤間にセットしてプレスする、いわゆる多段ホットプレスで行なうのが一般的である。
【0003】
しかしこのような熱盤を用いた多段ホットプレスでは、熱盤に近い組み合わせ体と熱盤から遠い組み合わせ体とでは加熱温度が異なったものとなり、加熱温度の不均一のために得られた金属箔張り積層体の品質がばらつくおそれがある。従って多段ホットプレスでは、積み重ねることのできる組み合わせ体の段数は限られたものになる。
【0004】
そこで、金属箔に電源を接続し、金属箔に通電して金属箔を発熱させることによって加熱を行なうようにした方法が特表平7−508940号公報や特表平8−506289号公報等で提供されている。
図3はその一例を示すものであり、まず、金属箔10として長尺のものを用い、金属箔10を複数重に折り返し屈曲すると共に折り返し屈曲して対向する金属箔10間に、複数組の組み合わせ体11と複数枚の電気絶縁性の成形プレート12とを交互に挟み込むことによって、複数重に蛇行状に屈曲した金属箔10と、多段に重ねた複数組の組み合わせ体11と、複数枚の成形プレート12からなる積み重ねブロック13を作製する。組み合わせ体11は複数枚のプリプレグ14を重ねたものを一組として(あるいはプリプレグと内層回路板を重ねたものを一組として)形成されるものである。そしてこの積み重ねブロック13を加圧プレート15の間にセットすると共に金属箔10に電源を接続し、加圧プレート15で冷間プレスしながら金属箔10に通電すると、金属箔10はジュール熱によって発熱し、この発熱で各組の組み合わせ体11のプリプレグ14を加熱して成形を行なうことができるものである。
【0005】
この方法によれば各組の組み合わせ体11のプリプレグ14を金属箔2を熱源として直接に加熱することができるために、多段に積み重ねた各組み合わせ体11のプリプレグ14をそれぞれ均一に加熱することができ、プリプレグ14による積層体に金属箔2を積層して形成される金属箔張り積層体を品質のばらつきなく多段の成形で得ることができるのである。
【0006】
しかしこのように金属箔10に通電して発熱させ、この発熱で加熱しながら加圧プレート15で加圧して成形を行なう場合、積み重ねブロック13のうち、加圧プレート15に近い組み合わせ体11において金属箔10から発熱する熱は加圧プレート15に吸収されて逃げてしまい易く、この加圧プレート15に近い組み合わせ体11の加熱温度が低くなって、硬化が不十分になるおそれがあるという問題がある。
【0007】
このために、加圧プレート15と積み重ねブロック13との間にサーマルバリアAと称される発熱体を設け、金属箔10の発熱が加圧プレート15に吸収されて逃げることを防ぐようにしている。
図4は従来から使用されているサーマルバリアAの一例を示すものであり、銅箔などで長尺に形成される発熱シート3を複数重に折り返し屈曲し、各折り返し屈曲した部分の対向する発熱シート3の間に中間板17を挟み込んで発熱シートと中間板17を交互に重ね、そしてこれを上下一対の金属の外装板5,5の間に挟持すると共に発熱シート3の一端部を一方の外装板5に、発熱シート3の他端部を他方の外装板5に電気的に接続し、さらに上下の外装板5,5を電気絶縁性の接合板18で一体に接合することによって、全体として板状に形成してある。
【0008】
しかして、このように形成されるサーマルバリアAを図3のように積み重ねブロック13の上端と上の加圧プレート15の間に、積み重ねブロック13の下端と下の加圧プレート15の間にそれぞれ挟み込んでセットし、加圧プレート15によって加圧しながら、上のサーマルバリアAの上側の外装板5と、下のサーマルバリアAの下側の外装板5を電源に接続して通電することによって、成形を行なうことができるものである。
【0009】
すなわちこのものでは、上のサーマルバリアAの上側の外装板5、上のサーマルバリアAの発熱シート3、上のサーマルバリアAの下側の外装板5、この外装板5に接触している積み重ねブロック13の金属箔10、この金属箔10に接触している下のサーマルバリアAの上側の外装板5、下のサーマルバリアAの発熱シート3、下のサーマルバリアAの下側の外装板5がこの順の経路で導通している。従って通電を行なうと電流がこの導通経路を流れ、積み重ねブロック13の金属箔10をジュール熱によって発熱させることができ、成形を行なうことができるものである。また各サーマルバリアAにおいても、発熱シート3をジュール熱によって発熱させることができ、サーマルバリアAのこの発熱によって、積み重ねブロック13の加圧プレート15に近い組み合わせ体11から熱が加圧プレート15に吸収されて逃げることを防ぐことができるものである。
【0010】
そして上記のように形成されるサーマルバリアAにあって、発熱シート3は銅箔等の金属箔で形成してあり、この発熱シート3を長い寸法で形成して発熱量を高く得るために、発熱シート3を複数重に折り返し屈曲し、折り返した発熱シート3の間に中間板17を挟み込むようにしてあるが、中間板17が導電性を有するものであると、発熱シート3に通電された電流は中間板17を厚み方向に流れて短絡するために、発熱シート3を高温で発熱させることができない。このために、中間板17としては電気絶縁性のものが用いられており、具体的には、フェノール樹脂積層板などの樹脂積層板や、表面をアルマイト加工して絶縁処理したアルミニウム板が中間板17として使用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし樹脂積層板やアルミニウム板を中間板17として使用するにあたって、これらの材料は硬度や剛性が比較的小さく、比較的柔らかい。従ってサーマルバリアAを用いて成形を行なうにあたって、加圧を行なう際に中間板17が変形してサーマルバリアAの全体も変形するおそれがあり、サーマルバリアAが変形すると均一な圧力で積み重ねブロック13を加圧することができなくなって、成形して得られた積層体にボイド不良やカスレ不良が発生するおそれがあるという問題があった。中間板17として硬度や剛性の高いステンレス鋼板を使用すればこのような問題を解決することができるが、ステンレス鋼は表面を絶縁処理することが難しいので、金属板で中間板17を形成するにしても、絶縁処理が可能がアルミニウム板を使用せざるを得ないのである。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、硬いステンレス鋼板を中間板として用いることが可能になり、成形の際の加圧によって変形が生じることを防止して成形不良が発生することを防ぐことができる積層体成形用サーマルバリアを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る積層体成形用サーマルバリアは、導電シート1の両面に電気絶縁層2を設けて発熱シート3を形成し、発熱シート3を複数重に折り返し屈曲すると共に各折り返し屈曲した部分の発熱シート3の間に中間板4を挟み込んで発熱シート3と中間板4を交互に重ね、導電シート1への通電によって発熱シート3を発熱可能に形成して成ることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項2に係る積層体成形用サーマルバリアは、導電シート1の両面に電気絶縁層2を設けて発熱シート3を形成すると共に発熱シート3と中間板4を交互に重ね、中間板4を介して上下に隣合う発熱シート3の導電シート1を中間板4の一方の端部において導通接続して各発熱シート3の導電シート1を直列に接続し、導電シート1への通電によって発熱シート3を発熱可能に形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項3の発明は、上記中間板4をステンレス鋼板で形成して成ることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、上記の電気絶縁層2を熱硬化性樹脂の層で形成して成ることを特徴とするものである。
また請求項5の発明は、上記の電気絶縁層2を無機系基材含有熱硬化性樹脂の層で形成して成ることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項6の発明は、上記の発熱シート3と中間板4の積層物を一対の金属の外装板5の間に挟持して成ることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
発熱シート3を構成する導電シート1としては、導電性があればよく特に限定されるものではないが、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、あるいはこれらの金属の合金箔、これらの箔の複合箔など、長尺の金属箔で形成したものを用いることができる。導電シート1の厚みは、0.035〜0.070mm程度が抵抗発熱させる上で好ましく、長さの短いものを継ぎ合わせて長尺化するようにしてもよい。
【0018】
そしてこの導電シート1の両面を電気絶縁層2で被覆することによって、発熱シート3を形成してある。電気絶縁層2としては、電気絶縁性を有するものであればよく特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂の層、無機系基材含有熱硬化性樹脂の層、セラミックの層などで電気絶縁層2を形成することができる。金属箔で形成される導電シート1との接着強度の点では、熱硬化性樹脂の層や、無機系基材含有熱硬化性樹脂の層で電気絶縁層2を形成するのが好ましい。熱硬化性樹脂の層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などの熱硬化性樹脂を導電シート1の表面に塗布して乾燥硬化させることによって形成することができる。また無機系基材含有熱硬化性樹脂の層は、ガラス繊維布などの無機系基材に上記の熱硬化性樹脂のワニスを含浸乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを導電シート1の表面に重ねて加熱加圧成形することによって形成することができる。無機系基材含有熱硬化性樹脂の層は導電シート1に対する接着強度が優れると共に補強効果が高く、導電シート1の切断の防止の効果を高く得ることができる。電気絶縁層2の厚みは、0.02〜0.10mm程度が好ましい。
【0019】
また、中間板4としては、特に限定されるものではないが、硬さが高く、加圧によって変形し難いという点で、ステンレス鋼板(SUS板)で形成したものを用いるのが好ましい。ステンレス鋼板は表面に絶縁加工を施すことが難しいが、発熱シート3は導電シート1の両面に電気絶縁層2を設けて形成しているため、中間板4として電気絶縁性のものを用いる必要がなく、ステンレス鋼板を中間板4として使用することが可能になるものである。中間板4の厚みは1〜3mm程度が好ましい。
【0020】
そしてサーマルバリアAを作製するにあたっては、長尺に形成される発熱シート3を複数重に折り返し屈曲し、各折り返し屈曲した部分の対向する発熱シート3の間に中間板4を挟み込むことによって、図1に示すように、発熱シート3と中間板17を交互に重ね、そしてこれを上下一対の外装板5,5の間に挟み込むと共に、上下の外装板5,5を接合板18で一体に接合することによって、全体として板状に形成するようにして行なうことができるものである。外装板5としてはアルミニウム板やステンレス鋼板などの金属板を用いることができるものであり、外装板5がこのように電気導電性の場合には、接合板18は電気絶縁性のもので形成されるものである。また発熱シート3の両端部において導電シート1には電気絶縁層2で被覆されない露出部1aが形成してあり、導電シート1の一方の端部の露出部1aを一方の外装板5に、導電シート1の他方の端部の露出部1aを他方の外装板5にそれぞれ接触させたりテープによって仮止めしたりすることによって、導電シート1を外装板5,5間に導通接続してある。
【0021】
上記のように作製されるサーマルバリアAを用い、図3のようにして金属張り積層体を成形することができる。
すなわち、金属箔10として長尺のものを用い、金属箔10を複数重に折り返し屈曲すると共に折り返し屈曲して対向する金属箔10間に、複数組の組み合わせ体11と複数枚の電気絶縁性の成形プレート12とを交互に挟み込むことによって、複数重に蛇行状に屈曲した金属箔10と、多段に重ねた複数組の組み合わせ体11と、複数枚の成形プレート12からなる積み重ねブロック13を作製する。組み合わせ体11は複数枚のプリプレグ14を重ねたものを一組として(あるいはプリプレグと内層回路板を重ねたものを一組として)形成されるものである。プリプレグ14としては、ガラス繊維や有機繊維の織布あるいは不織布、紙等の基材に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などの熱硬化性樹脂のワニスを含浸乾燥して調製したものを用いることができる。また金属箔10としては、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、あるいはこれらの金属の合金箔、これらの箔の複合箔などを用いることができる。
【0022】
そして積み重ねブロック13の上下を一対のサーマルバリアA,Aで挟み、これを上下の加圧プレート15,15の間に挟み込んでセットし、加圧プレート15によって上下から冷間プレスしながら、上のサーマルバリアAの上側の外装板5と、下のサーマルバリアAの下側の外装板5を電源に接続して通電することによって、成形を行なうことができるものである。すなわち、通電を行なうと電流が各サーマルバリアAの発熱シート3の導電シート1や積み重ねブロック13の金属箔10に流れ、この電流の流れで金属箔10がジュール熱で発熱し、この金属箔10の発熱で積み重ねブロック13の各組の組み合わせ体11のプリプレグ14を加熱して、金属箔10とプリプレグ14を積層一体化した金属箔張り積層体を成形することができるものである。また電流の流れで各サーマルバリアAの発熱シート3の導電シート1がジュール熱で発熱し、サーマルバリアAを加熱することができ、積み重ねブロック13の加圧プレート15に近い組み合わせ体11から熱が加圧プレート15に吸収されて逃げることを防ぐことができるものである。尚、サーマルバリアAと積み重ねブロック13の間や、サーマルバリアAと加圧プレート15の間に、セルロースペーパーやアラミド繊維ペーパー等のクッション材や熱伝導調製材を挟むようにしてもよい。
【0023】
ここで上記のように、発熱シート3は導電シート1の両面に電気絶縁層2を設けて形成しているため、中間板4としてステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いても、発熱シート3の導電シート1と中間板4の間は電気絶縁層2によって絶縁されており、導電シート1に通電された電流が中間板4を厚み方向に流れて短絡するようなことがない。従って、中間板4をステンレス鋼板のような硬く圧力が作用しても変形し難いもので形成することによって、上記の成形の加圧によって中間板4が変形することを防止することができると共に、中間板4の変形によってサーマルバリアAの上面や下面に凹変形が発生することを防止することができるものであり、成形の際に均一な圧力で積み重ねブロック13を加圧することができなくなって、成形して得られた金属箔張り積層体にボイド不良やカスレ不良が発生するようなことを防ぐことができるものである。
【0024】
また、サーマルバリアAにおいて発熱シート3は複数重に折り返し屈曲してあるが、導電シート1は両面に電気絶縁層2を設けることによって補強されているので、サーマルバリアAを繰り返し使用しても、導電シート1がこの屈曲部分で切断されることを防ぐことができるものである。
次に、上記のサーマルバリアAの実施例を示す。
【0025】
(実施例)
日鉱グールド社製の70μm厚の銅箔(JTC箔)で形成した導電シート1の両面に、エポキシ樹脂を60μm厚に塗布して電気絶縁層2を設けることによって、発熱シート3を作製した。そして中間板4として厚み1.0mmのステンレス鋼板を用い、また外装板5として厚み3.0mmの銅板を、接合板18として厚み15mmのガラスエポキシ樹脂積層板(松下電工社製「R1621」)をそれぞれ用い、図1に示すようなサーマルバリアAを作製した。
【0026】
(比較例1)
日鉱グールド社製の70μm厚の銅箔(JTC箔)を発熱シート3として用いた。そして中間板17として厚み1.0mmの表面をアルマイト加工して絶縁処理したアルミニウム板を用い、また外装板5として厚み3.0mmの銅板を、接合板18として厚み15mmのガラスエポキシ樹脂積層板(松下電工社製「R1621」)をそれぞれ用い、図4に示すようなサーマルバリアAを作製した。
【0027】
(比較例2)
日鉱グールド社製の70μm厚の銅箔(JTC箔)を発熱シート3として用いた。そして中間板17として厚み1.0mmのフェノール樹脂積層板(松下電工社製「R8700」の銅箔を除去したもの)を用い、また外装板5として厚み3.0mmの銅板を、接合板18として厚み15mmのガラスエポキシ樹脂積層板(松下電工社製「R1621」)をそれぞれ用い、図4に示すようなサーマルバリアAを作製した。
【0028】
上記の実施例及び比較例1,2で作製したサーマルバリアAを用い、図3のようにして成形を行なった。すなわち、金属箔10として厚み70μmの銅箔を用い、組み合わせ体11を、厚み1.1mmのエポキシ樹脂積層板(松下電工社製「R−1766」)の両面に厚み35μmの銅箔で内層用回路を形成した内層回路板の両面に厚み0.2mmのガラス基材エポキシ樹脂プリプレグ(松下電工社製「R−1661」)を1枚ずつ重ねたもので形成し、成形プレート12として厚み2mmの表面をアルマイト加工して絶縁処理したアルミニウム板を用いて積み重ねブロック13を作製した。そして10kg/cm2 の圧力で加圧しながら、最大1.6kAの電流を断続的に60分間通電することによって、加熱加圧成形を行なった。
【0029】
ここで、上記の成形を、1回目から9回目までは製品サイズ340×510mmの小サイズものについて行ない、10回目は製品サイズ510×610mmの大サイズのものについて行なった。
結果は次の通りであった。比較例1のものは1回目の成形によってサーマルバリアAに変形が生じ、10回目の成形で得られた銅張り積層体にボイド及びカスレが発生した。比較例2のものは、1回目の成形の際にはサーマルバリアAに変形は生じなかったが、10回目の成形の際にサーマルバリアAに変形が生じ、また10回目の成形で得られた銅張り積層体にボイドが発生した。これに対して、実施例のものは、1回目の成形の際にも、10回目の成形の際にもサーマルバリアAに変形は生じず、また10回目の成形で得られた銅張り積層体にボイドやカスレは発生しなかった。このように、中間板4としてステンレス鋼板を使用することができる実施例のものでは、サーマルバリアAに変形が生じず、ボイドやカスレなどの成形不良が生じることを防ぐことができるものである。
【0030】
図2は本発明の実施の形態の他の例を示すものであり、既述のように導電シート1の両面を電気絶縁層2で被覆して作製される発熱シート3は、短尺物として形成してある。この発熱シート3の端部には、電気絶縁層2の端部を除去して導電シート1を露出させた接続部20が設けてある。またこの発熱シート3の他に、導電シート1の片面を電気絶縁層2で被覆し、導電シート1の他の片面は露出させた発熱シート3aを用いる。上記の第一の発熱シート3を第二の発熱シート3aで接続して、複数枚の発熱シート3を直列に導通接続するものである。
【0031】
すなわち、ステンレス鋼板などで形成される複数枚の中間板4と複数枚の第一の発熱シート3を交互に重ね、第二の発熱シート3aをその電気絶縁層2を内側にして折り返し屈曲すると共に隣合う中間板4の一方の端部と他方の端部に交互に配置し、第二の発熱シート3aの導電シート1を第一の発熱シート3の接続部20に露出する発熱シート3に接触させた状態で、第二の発熱シート3aの両端部を中間板4と第一の発熱シート3の間に挟持させる。第一の発熱シート3の接続部20の導電シート1と第二の発熱シート3aの導電シート1とは摺動可能な状態で接触しており、複数枚の発熱シート3の導電シート1は第二の発熱シート3aを介して直列に導通接続されているものである。後は図1の実施の形態と同様に、これを上下一対の金属板で形成される外装板5,5の間に挟み込むと共に、上下の外装板5,5を電気絶縁性の接合板18で一体に接合することによって、全体として板状に形成したサーマルバリアAを作製することができるものである。ここで、上端と下端に位置する第一の発熱シート3の端部において、導電シート1には電気絶縁層2で被覆されない露出部1aが形成してあり、この露出部1aを外装板5に接触させたり、テープで仮止めしたりすることによって、導電シート1を外装板5に導通接続してある。
【0032】
上記のように作製されるサーマルバリアAを用い、既述の場合と同様に、図3のようにして金属張り積層体を成形することができる。このサーマルバリアAにあっても、発熱シート3は導電シート1の両面に電気絶縁層2を設けて形成しているため、中間板4としてステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いても、発熱シート3の導電シート1と中間板4の間は電気絶縁層2によって絶縁されており、導電シート1に通電された電流が中間板4を厚み方向に流れて短絡するようなことがない。従って、中間板4をステンレス鋼板のような硬く圧力が作用しても変形し難いもので形成することによって、上記の成形の加圧によって中間板4が変形することを防止することができると共に、中間板4の変形によってサーマルバリアAの上面や下面に凹変形が発生することを防止することができるものであり、成形の際に均一な圧力で積み重ねブロック13を加圧することができなくなって、成形して得られた金属箔張り積層体にボイド不良やカスレ不良が発生するようなことを防ぐことができるものである。
【0033】
また、上記のサーマルバリアAにおいて中間板4の端部において折り返し屈曲されている第二の発熱シート3aは、その導電シート1が第一の発熱シート3の導電シート1と摺動可能に接触しており、固定されていないので、サーマルバリアAの繰り返し使用によって加熱が繰り返され、第二の発熱シート3aが膨張収縮を繰り返しても、この膨張収縮は摺動によって吸収されるものであり、サーマルバリアAを繰り返し使用しても、第二の発熱シート3aの導電シート1がこの屈曲部分で切断されることを防ぐことができるものである。
【0034】
尚、上記の各実施の形態では、本発明に係るサーマルバリアAを金属箔に通電することによって発熱させて加熱加圧成形を行なう工法に用いるようにしているが、サーマルバリアAはこのような工法に用いることに限定されるものではなく、加熱加圧成形の際の熱源として用いるようにすることもできるものである。
【0035】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る積層体成形用サーマルバリアは、導電シートの両面に電気絶縁層を設けて発熱シートを形成し、発熱シートを複数重に折り返し屈曲すると共に各折り返し屈曲した部分の発熱シートの間に中間板を挟み込んで発熱シートと中間板を交互に重ね、導電シートへの通電によって発熱シートを発熱可能に形成するようにしたので、中間板としてステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いても、中間板を介して電流が短絡するようなことがないものであり、中間板をステンレス鋼板のような硬く圧力が作用しても変形し難いもので形成することが可能になり、成形の際の加圧によってサーマルバリアに変形が生じることを防止することができると共に成形して得られた積層体に成形不良が発生することを防ぐことができるものである。
【0036】
また本発明の請求項2に係る積層体成形用サーマルバリアは、導電シートの両面に電気絶縁層を設けて発熱シートを形成すると共に発熱シートと中間板を交互に重ね、中間板を介して上下に隣合う発熱シートの導電シートを中間板の一方の端部において導通接続して各発熱シートの導電シートを直列に接続し、導電シートへの通電によって発熱シートを発熱可能に形成するようにしたので、中間板としてステンレス鋼板のように電気非絶縁性のものを用いても、中間板を介して電流が短絡するようなことがないものであり、中間板をステンレス鋼板のような硬く圧力が作用しても変形し難いもので形成することが可能になり、成形の際の加圧によってサーマルバリアに変形が生じることを防止することができると共に成形して得られた積層体に成形不良が発生することを防ぐことができるものである。
【0037】
また請求項4の発明は、上記の電気絶縁層を熱硬化性樹脂の層で形成するようにしたので、金属に対する熱硬化性樹脂の優れた密着によって、導電シートに電気絶縁層を接着強度高く形成することができるものである。
また請求項5の発明は、上記の電気絶縁層を無機系基材含有熱硬化性樹脂の層で形成するようにしたので、無機系基材含有熱硬化性樹脂は強度が高く、電気絶縁層で導電シートを補強する効果を高く得ることができるものである。
【0038】
また請求項6の発明は、上記の発熱シートと中間板の積層物を一対の金属の外装板の間に挟持するようにしたので、発熱シートを金属の外装板で保護することができ、サーマルバリアを繰り返し使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す分解した断面図である。
【図3】積層体の成形を示す分解した正面図である。
【図4】従来のアーマルバリアを示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電シート
2 電気絶縁層
3 発熱シート
4 中間板
5 外装板

Claims (6)

  1. 導電シートの両面に電気絶縁層を設けて発熱シートを形成し、発熱シートを複数重に折り返し屈曲すると共に各折り返し屈曲した部分の発熱シートの間に中間板を挟み込んで発熱シートと中間板を交互に重ね、導電シートへの通電によって発熱シートを発熱可能に形成して成ることを特徴とする積層体成形用サーマルバリア。
  2. 導電シートの両面に電気絶縁層を設けて発熱シートを形成すると共に発熱シートと中間板を交互に重ね、中間板を介して上下に隣合う発熱シートの導電シートを中間板の一方の端部において導通接続して各発熱シートの導電シートを直列に接続し、導電シートへの通電によって発熱シートを発熱可能に形成して成ることを特徴とする積層体成形用サーマルバリア。
  3. 上記中間板をステンレス鋼板で形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体成形用サーマルバリア。
  4. 上記の電気絶縁層を熱硬化性樹脂の層で形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体成形用サーマルバリア。
  5. 上記の電気絶縁層を無機系基材含有熱硬化性樹脂の層で形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体成形用サーマルバリア。
  6. 上記の発熱シートと中間板の積層物を一対の金属の外装板の間に挟持して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体成形用サーマルバリア。
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