JP3352040B2 - 積層板成形用プレート及び積層板 - Google Patents

積層板成形用プレート及び積層板

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JP3352040B2
JP3352040B2 JP33390598A JP33390598A JP3352040B2 JP 3352040 B2 JP3352040 B2 JP 3352040B2 JP 33390598 A JP33390598 A JP 33390598A JP 33390598 A JP33390598 A JP 33390598A JP 3352040 B2 JP3352040 B2 JP 3352040B2
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勉 一木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面あるいは両面
金属箔張り積層板などの積層板を加熱加圧成形する際に
用いる積層板成形用プレート、及びこの積層板成形用プ
レートを用いて加熱加圧成形された積層板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数枚のプリプレグ(エポキ
シ樹脂含浸基材など)を重ねた後、重ねたプリプレグの
外側(片側あるいは両側)に銅箔等の金属箔を重ねた
り、あるいは回路板の表面にプリプレグを介して金属箔
を重ねたりして組み合わせ材を形成し、この組み合わせ
材を加熱加圧してプリプレグを硬化させることによっ
て、プリプレグの硬化物からなる絶縁層と金属箔が一体
化した積層板を製造することが行われているが。組み合
わせ材を加熱加圧するにあたっては、複数個の組み合わ
せ材をステンレス鋼(SUS)製の積層板成形用プレー
トを介して多段に積み重ねて組み合せブロックを形成
し、この組み合わせブロックを多段式のホットプレス機
の成形板の間に挟んで加熱加圧するようにしている。
【0003】そしてこのように形成された積層板の表面
の金属箔にエッチング処理等を施して回路を形成するこ
とによって回路板を形成することができ、またプリプレ
グを介して複数枚の回路板を重ね合わせると共にその外
側に金属箔を重ね合わせ、これを加熱加圧成形してプリ
プレグの硬化させて複数枚の回路板や金属箔を一体化す
ることによって多層板を形成することができるのであ
る。
【0004】ところで上記のように積層板を製造するに
あたって加熱加圧成形を行うと、プリプレグ中の樹脂は
高分子化(硬化)して収縮するが、積層板成形用プレー
トや金属箔は熱膨張するために、プリプレグ中の樹脂は
硬化の際に充分に収縮することができず、このため積層
板の絶縁層には収縮する方向への内部応力が存在するこ
とになる。従って、回路板を形成するために積層板の金
属箔の一部を除去したり、あるいは多層板を形成するた
めに絶縁層の樹脂のガラス転移温度(エポキシ樹脂の場
合は130℃から140℃)以上の温度で回路板を加熱
したりすると、絶縁層の内部応力が解放されて収縮する
ことになる。そのため、積層板の金属箔や多層板の金属
箔にエッチング処理等を施して回路する際に用いるパタ
ーニングフィルム(エッチングレジストフィルムに露光
して回路パターンを形成する際に用いるマスクフィル
ム)としては、積層板や多層板の絶縁層の収縮を考慮し
て回路パターンを予め補正してスケーリングしたものを
用いるようにしている。
【0005】しかし上記のように多段式のホットプレス
機を用いて積層板を形成する方法では、組み合せブロッ
クの中央部付近に位置するプリプレグが成形板から離れ
ているので、このプリプレグに成形板からの熱を充分に
伝えることが難しく、このために組み合せブロックの中
央部付近に位置するプリプレグを充分に加熱することが
困難であって、すべてのプリプレグをほぼ均一に硬化さ
せることができず、積層板の品質にばらつきが生じる恐
れがあった。そこで組合せブロック中のすべてのプリプ
レグをほとんどムラなく加熱して硬化させる方法とし
て、金属箔に通電して金属箔を発熱させることによって
プリプレグを加熱する方法が提案されている。
【0006】図2に金属箔に通電して金属箔を発熱させ
ることによってプリプレグを加熱する積層板の製造方法
の一例を示す。この方法は、まず長尺の金属箔4を複数
重に折り返し屈曲させる。次に、屈曲された金属箔4の
上下に対向する部分の間に、複数枚のプリプレグ6と積
層板成形用プレートAとを交互に挟み込んで組み合わせ
ブロック7を形成する。このような組み合わせブロック
7において、上下の金属箔4とこれに挟まれるプリプレ
グ6とで一組の組み合わせ材5が形成されている。次
に、組み合わせブロック7を上下の加圧板8の間にセッ
トすると共に金属箔4の両端に電源を接続して金属箔4
に通電することによって、金属箔4をジュール熱で発熱
させる。そして金属箔4を発熱させながら加圧板8で加
圧することによってプリプレグを硬化させて、プリプレ
グの硬化物からなる絶縁層と金属箔が一体化した金属箔
張り積層板を製造することができる。
【0007】この方法では、金属箔4を通電により発熱
させることによってプリプレグ6を直接加熱しているの
で、多段に積み重ねられて組み合わせブロック7の中央
付近に位置するプリプレグ6であっても充分に加熱する
ことができ、このため組み合わせブロック中のすべての
プリプレグをほぼ均一に加熱することができて、均一な
品質の積層板を一度に多量に製造することができるので
ある。そしてこのような金属箔を発熱させて積層板を成
形する方法では、ステンレス鋼製の積層板成形用プレー
トよりも熱伝導性の高いアルミニウム製の積層板成形用
プレートAを用いるようにしており、また金属箔4に通
電して発熱させる際に積層板成形用プレートAに不要な
電流が流れないようにするために、積層板成形用プレー
トAの表面に陽極酸化処理(アルマイト処理)により絶
縁層を形成するようにしており、このことで積層板成形
用プレートAと金属箔4との間を電気的に絶縁して通電
による発熱の効率を向上させるようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多段式
のホットプレスで製造された積層板に対して用いていた
パターニングフィルムを、金属箔を発熱させることによ
って製造された積層板に対して用いることはできない。
この原因は、金属箔を発熱させる方法で用いる積層板成
形用プレートAはアルミニウム製であって、その熱膨張
率が23〜25ppmであり、一方、多段式のホットプ
レス成形に用いる積層板成形用プレートはステンレス鋼
製であって、その熱膨張率9〜18ppmであり、各方
法で用いる積層板成形用プレートの熱膨張率が大きく異
なるためである。
【0009】つまり、積層板成形用プレートとしてステ
ンレス鋼よりも熱膨張率の大きいアルミニウム製のもの
を使用すると、プリプレグ中の樹脂の高分子化による収
縮力以上のアルミニウムの熱膨張による膨張力がプリプ
レグにかかり、その結果、積層板の絶縁層は膨張する方
向の内部応力を有することになる。従って、この積層板
の表面の金属箔をエッチング除去し、あるいは多層板に
成形の際にガラス転移温度以上の温度をかけたりする
と、絶縁層の内部応力が開放されてこの積層板は膨張す
ることになり、このために、多段式のホットプレスで製
造された積層板に応じてスケーリングされたパターニン
グフィルムを、金属箔を発熱させることによって製造さ
れた積層板に対して用いることができず、多段式のホッ
トプレス成形にて形成される積層板に用いるパターニン
グフィルムとは異なるようにスケーリングされたパター
ニングフィルムを、金属箔を発熱させることによって製
造された積層板に対して用いなければならないものであ
った。
【0010】このように積層板成形用プレートとしてア
ルミニウム製のものを用い、金属箔に通電して金属箔を
発熱させることによって加熱することによって形成され
た積層板は、ステンレス鋼製の積層板成形用プレートを
用いた多段式のホットプレス成形にて製造される積層板
と寸法挙動が異なるものであり(図4に各積層板の寸法
変化率を範囲で示す。矢印イはステンレス鋼製の積層板
成形用プレートを用いた多段式のホットプレス成形にて
製造される積層板の寸法変化率を示し、矢印ロはアルミ
ニウム製の積層板成形用プレートを用いると共に金属箔
を発熱させることによって製造される積層板の寸法変化
率を示す)、従って、各積層板に応じて作製された二種
類のパターニングフィルムを用意しなければならなず、
また各積層板に適したパターニングフィルムを最適に選
択して使用しなければならず、パターニングフィルムの
使用や管理に手間がかかるという問題があった。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、パターニングフィルムの使用や管理に手間がかか
らないようにすることができる積層板成形用プレート、
及びこの積層板成形用プレート用いて形成される積層板
を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層板成形用プレートAは、プリプレグ6と金属箔4を
重ね合わせて組み合わせ材5を形成し、金属箔4に通電
して発熱させながら組み合わせ材5を加圧成形する際に
用いる積層板成形用プレートであって、アルミニウム層
2の表面に電気絶縁層3を形成すると共に熱膨張率を9
〜18ppmに形成して成ることを特徴とするものであ
る。
【0013】また本発明の請求項2に係る積層板成形用
プレートAは、請求項1の構成に加えて、アルミニウム
層2の厚みを0.15〜1.0mmに形成して成ること
を特徴とするものである。
【0014】また本発明の請求項3に係る積層板成形用
プレートAは、請求項1又は2の構成に加えて、陽極酸
化処理により電気絶縁層3を形成し、電気絶縁層3の厚
みを0.05〜0.15mmに形成して成ることを特徴
とするものである。ことを特徴とするものである。
【0015】また本発明の請求項4に係る積層板成形用
プレートAは、請求項1乃至3のいずれかの構成に加え
て、全体の厚みを0.4〜2.0mmに形成して成るこ
とを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項5に係る積層板は、プリプ
レグ6と金属箔4を重ね合わせて組み合わせ材5を形成
し、金属箔4に通電して発熱させながら組み合わせ材5
を上記請求項1乃至4のいずれかに記載の積層板成形用
プレートAで加圧して成形して成ることを特徴とするも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0018】本発明の積層板成形用プレートAは図1に
示すように、アルミニウム層2の両面に電気的絶縁性を
有する電気絶縁層3を形成したものであり、アルミニウ
ム層2の厚みを0.15〜1.0mm、電気絶縁層3の
厚みを0.05〜0.15mmに形成することによっ
て、全体の厚みを0.4〜2.0mmで熱膨張率を9〜
18ppmに形成したものである。このように積層板成
形用プレートAの熱膨張率を9〜18ppmに設定する
ことによって、積層板の製造における加熱加圧成形時の
積層板成形用プレートAの寸法変化を、ステンレス鋼製
の積層板成形用プレートとほぼ同じにすることができ、
ステンレス鋼製の積層板成形用プレートを用いる多段式
のホットプレスで製造された積層板の寸法変化挙動と、
本発明の積層板成形用プレートAを用いて形成された積
層板の寸法変化挙動とをほぼ同じにすることができるも
のである。
【0019】本発明の積層板成形用プレートAにおい
て、アルミニウム層2の厚みや電気絶縁層3の厚みが上
記の範囲から逸脱すると、積層板成形用プレートAの熱
膨張率を9〜18ppmにすることができず、本発明の
目的を達することができない。また積層板成形用プレー
トAの全体の厚みが0.4mm未満であれば、強度が低
くなって加熱加圧成形時の圧力に耐えられずに破損する
恐れがあり、積層板成形用プレートAの全体の厚みが
2.0mmを超えると、積層板成形用プレートAの熱伝
導性が低下してプリプレグ6を充分に加熱することがで
きなくなる恐れがある。
【0020】本発明の積層板成形用プレートAはアルミ
ニウム板を陽極酸化処理することにより形成することが
できる。つまり、アルミニウム板を電解質溶液に浸漬
し、このアルミニウム板を陽極として電解質溶液に直流
電圧を印加し、アルミニウム板の表面に酸化膜を生成す
ることによって、酸化膜が電気絶縁層3として形成さ
れ、アルミニウム板の酸化されなかった内部がアルミニ
ウム層2として形成された積層板成形用プレートAを作
製することができる。上記電解質溶液としては、硫酸と
硫酸アルミニウムの混合溶液やシュウ酸溶液、あるいは
硫酸と硫酸アルミニウムとシュウ酸の混合溶液を用いる
ことができる。
【0021】陽極酸化処理の条件は、硫酸と硫酸アルミ
ニウムの混合溶液を用いた場合は、硫酸の濃度が5〜2
5%、硫酸アルミニウムの濃度が1〜50g/dm3
し、電圧DC20〜120ボルト、時間5000〜90
00秒に設定し、またシュウ酸溶液を用いた場合は、シ
ュウ酸の濃度が3〜4%とし、電圧DC40〜60ボル
ト、時間5000〜9000秒に設定し、また硫酸と硫
酸アルミニウムとシュウ酸の混合溶液を用いた場合は、
硫酸の濃度が10〜20%、硫酸アルミニウムの濃度が
1〜100g/dm3、シュウ酸の濃度が1%程度と
し、電圧DC20〜120ボルト、時間5000〜90
00秒に設定することができる。これら陽極酸化処理の
条件を逸脱すると、上記アルミニウム層2の厚みや電気
絶縁層3の厚みが上記の範囲から外れて、積層板成形用
プレートAの熱膨張率を9〜18ppmにすることがで
きず、本発明の目的を達することができない。
【0022】上記のような積層板成形用プレートAを用
いて積層板を製造するにあたっては、次のようにして行
う。まず長尺の金属箔4を複数重に折り返し屈曲させ
る。次に、屈曲された金属箔4の上下に対向する部分の
間に、複数枚のプリプレグ6と積層板成形用プレートA
とを交互に挟み込んで組み合わせブロック7を形成す
る。プリプレグ6としてはガラス布やガラスクロスなど
の基材に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含有する
ワニスを含浸させ、これをBステージ状態に半硬化させ
て樹脂含有量を42〜45%にしたものを用いることが
できる。また金属箔としては熱膨張率が10〜17pp
mの銅箔などを用いることができる。このような組み合
わせブロック7において、上下の金属箔4とこれに挟ま
れるプリプレグ6とで一組の組み合わせ材5が形成され
ている。次に、組み合わせブロック7を上下の加圧板8
の間にセットすると共に金属箔4の両端に電源を接続し
て金属箔4に通電することによって、金属箔4をジュー
ル熱で発熱させる。そして金属箔4を発熱させながら加
圧板8で加圧することによってプリプレグを硬化させ
て、プリプレグの硬化物からなる絶縁層と金属箔4を一
体化し、この後、組み合わせ材5の間の金属箔4を切断
することによって、複数個の金属箔張り積層板を一度に
製造することができる。尚、加熱加圧成形時の条件は、
温度が175〜185℃、圧力が16〜20kg/cm
2、時間が5〜30分に設定することができる。
【0023】そして本発明の積層板成形用プレートA
は、加熱加圧成形時の熱膨張率がステンレス鋼製の積層
板成形用プレートの熱膨張率と等しいので、ステンレス
鋼製の積層板成形用プレートを用いてホットプレスで積
層板を製造した場合と同様に、プリプレグ6の樹脂が高
分子化して積層板の絶縁層に収縮する方向の内部応力が
発生し、しかも本発明の積層板成形用プレートAは、銅
箔の熱膨張率と等しいかそれよりも小さいので、プリプ
レグ6の樹脂にさらに収縮する方向の内部応力が発生す
ることになる。よって、本発明の積層板成形用プレート
Aを用いて製造された積層板は、ステンレス鋼製の積層
板成形用プレートを用いて多段式のホットプレスにて製
造される積層板と同様の寸法変化挙動を示すことになっ
て、エッチング処理等の際に積層板が収縮することにな
り、従って、本発明の積層板成形用プレートAを用いて
製造された積層板と、ステンレス鋼製の積層板成形用プ
レートを用いて多段式のホットプレスにて製造される積
層板とのそれぞれに応じて、二種類のパターニングフィ
ルムを用意する必要がなく、また各積層板に適したパタ
ーニングフィルムを最適に選択して使用する必要もな
く、同一のパターニングフィルムを使用することがで
き、パターニングフィルムの使用や管理に手間がかから
ないようにすることができるものである。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0025】(実施例1)アルミニウム板に陽極酸化処
理を施して積層板成形用プレートAを形成した。この積
層板成形用プレートAの全体の厚み、アルミニウム層2
の厚み、電気絶縁層3の厚み、及び熱膨張率を表1に示
す。陽極酸化処理の条件は、電解質溶液として硫酸の濃
度が15%、硫酸アルミニウムの濃度が20g/dm3
の硫酸溶液を使用し、印加電圧をDC50ボルト、印加
時間5400秒に設定した。尚、積層板成形用プレート
Aの熱膨張率はデュポン社製TMA測定器により0〜2
00℃の範囲で測定した。
【0026】(実施例2)実施例1において、アルミニ
ウム板の厚み及び陽極酸化処理の条件を変えて積層板成
形用プレートAを形成した。陽極酸化処理の条件は、電
解質溶液として硫酸の濃度が15%、硫酸アルミニウム
の濃度が20g/dm3の硫酸溶液を使用し、印加電圧
をDC50ボルト、印加時間6600秒に設定した。こ
の積層板成形用プレートAの全体の厚み、アルミニウム
層2の厚み、電気絶縁層3の厚み、及び熱膨張率を表1
に示す。
【0027】(実施例3)実施例2において、アルミニ
ウム板の厚みを変えて積層板成形用プレートAを形成し
た。この積層板成形用プレートAの全体の厚み、アルミ
ニウム層2の厚み、電気絶縁層3の厚み、及び熱膨張率
を表1に示す。
【0028】(実施例4)実施例3において、陽極酸化
処理の条件を変えて陽極酸化処理を行い、積層板成形用
プレートAを形成した。陽極酸化処理の条件は、電解質
溶液として硫酸の濃度が15%、硫酸アルミニウムの濃
度が20g/dm3の硫酸溶液を使用し、印加電圧をD
C50ボルト、印加時間7200秒に設定した。この積
層板成形用プレートAの全体の厚み、アルミニウム層2
の厚み、電気絶縁層3の厚み、及び熱膨張率を表1に示
す。
【0029】(実施例5)実施例4において、アルミニ
ウム板の厚みを変えて陽極酸化処理を行い、積層板成形
用プレートAを形成した。この積層板成形用プレートA
の全体の厚み、アルミニウム層2の厚み、電気絶縁層3
の厚み、及び熱膨張率を表1に示す。
【0030】(比較例1)実施例1において、アルミニ
ウム板の厚みを変えて陽極酸化処理を行い、積層板成形
用プレートAを形成した。この積層板成形用プレートA
の全体の厚み、アルミニウム層2の厚み、電気絶縁層3
の厚み、及び熱膨張率を表1に示す。
【0031】(比較例2)ステンレス鋼板(SUS63
0)で積層板成形用プレートを形成した。この積層板成
形用プレートAの全体の厚み、及び熱膨張率を表1に示
す。
【0032】上記実施例1乃至5、及び比較例1を用い
て図2に示す方法で積層板を形成した。プリプレグ6と
しては、ガラス布(旭シェーベル製の7628W AS
750S)を基材とし、これにビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(東都化成社製、品番「YDB−500」)1
00重量部と、ジシアンジアミド3重量部と、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール0.2重量部の組成からな
るエポキシ樹脂組成物を含浸させ、これをBステージ状
態にまで半硬化させたものを用いた(樹脂含有量は42
〜45%)。また金属箔4としては厚み18μmの銅箔
を用いた。
【0033】そしてまず、長尺の金属箔4を複数重に折
り返し屈曲させる。次に、屈曲された金属箔4の上下に
対向する部分の間に、三枚のプリプレグ6と実施例1乃
至5及び比較例1の積層板成形用プレートAとを交互に
挟み込んで組み合わせブロック7を形成する。このよう
な組み合わせブロック7において、ブロック内の段内枚
数が100枚で、上下の金属箔4とこれに挟まれるプリ
プレグ6とで図3に示すような構成の組み合わせ材5が
形成されている。
【0034】次に、組み合わせブロック7を上下の加圧
板8の間にセットすると共に金属箔4の両端に電源を接
続して金属箔4に通電することによって、金属箔4をジ
ュール熱で発熱させる。そして金属箔4を発熱させなが
ら加圧板8で加圧することによってプリプレグ6の樹脂
を硬化させてプリプレグ6の硬化物からなる絶縁層と金
属箔4を一体化し、この後、組み合わせ材5の間の金属
箔4を切断することによって、複数個の両面銅張り積層
板を製造した。尚、加熱加圧成形時の条件は、温度を1
80℃、圧力を10kg/cm2、時間を30分に設定
した。
【0035】また比較例2を用いて従来から用いられて
いる多段式のホットプレスにて積層板を形成した。この
時の加熱加圧成形時の条件は上記と同様である。
【0036】そしてこのようにして形成された積層板
(各積層板のサンプル数32個)について、エッチング
処理とJIS−C6481に準拠したE−0.5/17
0処理後の寸法変化を縦方向及び横方向で測定した。結
果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、実施例1乃至5
の積層板成形用プレートAを用いて形成された積層板
は、比較例2のステンレス鋼製の積層板成形用プレート
を用いて形成された積層板と寸法変化率の範囲が同じで
寸法変化挙動が同等であるが、比較例1の積層板成形用
プレートを用いて形成された積層板は、寸法変化率の範
囲が異なり寸法変化挙動が同等はなかった。従って、実
施例1乃至5の積層板成形用プレートAを用いて形成さ
れた積層板は、従来からあるステンレス鋼製の積層板成
形用プレート(比較例2)を用いて形成された積層板に
対応して作製されたパターニングフィルムと同じものを
用いてエッチング処理を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る積
層板成形用プレートは、プリプレグと金属箔を重ね合わ
せて組み合わせ材を形成し、金属箔に通電して発熱させ
ながら組み合わせ材を加圧成形する際に用いる積層板成
形用プレートであって、アルミニウム層の表面に電気絶
縁層を形成すると共に熱膨張率を9〜18ppmに形成
したので、金属箔に通電して発熱させながら組み合わせ
材を加圧成形する際に用いて積層板を形成することによ
って、この積層板と、従来のステンレス鋼製の積層板成
形用プレートを用いて形成された積層板との寸法挙動を
同じにすることができ、従って、積層板にエッチング処
理を施す際に用いるパターニングフィルムとして同じも
のを用いることができ、各積層板に応じてパターニング
フィルムを用意する必要がなく、また各積層板に適した
パターニングフィルムを最適に選択して使用する必要も
なくなって、パターニングフィルムの使用や管理に手間
がかからないようにすることができるものである。
【0040】また本発明の請求項5に係る積層板は、プ
リプレグと金属箔を重ね合わせて組み合わせ材を形成
し、金属箔に通電して発熱させながら組み合わせ材を上
記の積層板成形用プレートで加圧して成形したので、従
来のステンレス鋼製の積層板成形用プレートを用いて形
成された積層板との寸法挙動を同じにすることができ、
従って、積層板にエッチング処理を施す際に用いるパタ
ーニングフィルムとして同じものを用いることができ、
各積層板に応じてパターニングフィルムを用意する必要
がなく、また各積層板に適したパターニングフィルムを
最適に選択して使用する必要もなくなって、パターニン
グフィルムの使用や管理に手間がかからないようにする
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上の積層板の成形方法を示す概略の正面図で
ある。
【図3】同上の実施例における組み合わせ材を示す概略
の正面図である。
【図4】積層板の寸法変化率の範囲を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
2 アルミニウム層 3 電気絶縁層 4 金属箔 5 組み合わせ材 A 積層板成形用プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 43/00 - 43/58 B32B 15/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリプレグと金属箔を重ね合わせて組み
    合わせ材を形成し、金属箔に通電して発熱させながら組
    み合わせ材を加圧成形する際に用いる積層板成形用プレ
    ートであって、アルミニウム層の表面に電気絶縁層を形
    成すると共に熱膨張率を9〜18ppmに形成して成る
    ことを特徴とする積層板成形用プレート。
  2. 【請求項2】 アルミニウム層の厚みを0.15〜1.
    0mmに形成して成ることを特徴とする請求項1に記載
    の積層板成形用プレート。
  3. 【請求項3】 陽極酸化処理により電気絶縁層を形成
    し、電気絶縁層の厚みを0.05〜0.15mmに形成
    して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層
    板成形用プレート。
  4. 【請求項4】 全体の厚みを0.4〜2.0mmに形成
    して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の積層板成形用プレート。
  5. 【請求項5】 プリプレグと金属箔を重ね合わせて組み
    合わせ材を形成し、金属箔に通電して発熱させながら組
    み合わせ材を上記請求項1乃至4のいずれかに記載の積
    層板成形用プレートで加圧して成形して成ることを特徴
    とする積層板。
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