JP3725791B2 - 粉体離型剤塗布方法及び金型 - Google Patents

粉体離型剤塗布方法及び金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、アルミニウム合金,マグネシウム合金,亜鉛合金等の金属の射出成形機において、固形粒子状の離型剤を金型キャビティ内に導入して同キャビティに塗布する離型剤塗布方法及び金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6及び図7は、従来の金属射出成形機において使用されている固形粒子状離型剤の塗布装置をそれぞれ示している。先ず、全体構成を概略的に示す図6において、11は、金型の固定側金型部分、12は、金型の可動側金型部分、31は、離型剤である粉体を圧縮空気で定量吐出する粉体供給装置、32は、排気ポンプ、33は、この排気ポンプ32により高真空度に保持される真空タンク、34は、後述する排気口シャットオフピンだけでは密閉性が保たれない場合に排気路に設置する自動開閉可能なバルブである。
【0003】
次に、上述した金型周りの諸部分を詳細に示す図7において、1は、溶湯を保持する加熱シリンダ6の先にある加熱ノズル、2は、加熱ノズル1の加熱装置、3は、この加熱装置2の作動を制御するために利用される温度測定装置、4は、加熱ノズル1の先端で溶湯が凝固してできたコールドプラグ、5は、完全な溶融状態もしくは半溶融状態の成形材料、7は、加熱シリンダ6を加熱する加熱装置、8は、この加熱装置7の作動を制御するために利用される温度測定装置、9及び10は、それぞれ型締め装置の固定側型盤及び可動側型盤であり、これらに前述した金型の固定側金型部分11及び可動側金型部分12がそれぞれ取付けられる。18は、コールドプラグ4に通じる粉体供給口21を開閉するため金型の軸心方向(可動側金型部分12の運動方向)に延びるシャットオフピンで、図7では粉体供給口21を閉じている状態にある。19は、粉体供給口21用の該シャットオフピン18を摺動させる油圧シリンダ、20は、図6に示した粉体供給装置31から金型キャビティへ粉体を輸送するための粉体輸送ホース、22は、最終充填位置であるオーバーフロー溝16に通じる排気口24を開閉する別のシャットオフピンで、図7では排気口24を閉じた状態で示されている。このシャットオフピン22もまた金型の軸心方向(可動側金型部分12の運動方向)に延びている。
【0004】
23は、排気口24のシャットオフピン22を摺動させる油圧シリンダ、25は、図6に示した真空タンク33に連絡する排気ホース、13は、製造しようとする製品の形状に対応する形状を有する金型キャビティ、14は、加熱ノズル1に続く金型充填口に対峙して設けられた凹部であるコールドプラグキャッチャ、15は、溶湯を製品部である金型キャビティ13まで流す溶湯充填口のあるスプルランナ、26は、射出成形機の型締め装置に取り付けられた押出し棒27に押し付けられて前進可能なエジェクタプレート、17は、エジェクタプレート26に固定されたエジェクタピン、28は、スライドベース、29は、可動側金型取付盤である。
【0005】
上述した金属射出成形機において、固体粒子状の離型剤(以下、粉体離型剤もしくは単に粉体と言う)を、金型キャビティ13を形成する壁面に付着させる方法について説明する。最初に金型が閉じられ、加熱ノズル1等を含む射出ユニットが前進してノズル先端が金型の充填口に押し付けられて金型キャビティ13が密閉される。
【0006】
金型が密閉されたことを知らせる信号を受けた後、コールドプラグキャッチャ14に連絡するシャットオフピン18を動かす油圧シリンダ19が作動して、シャットオフピン18によって閉じられていた粉体供給口21が開かれる。粉体供給口21が開くと同時に、オーバーフロー溝16に通じる排気口24のためのシャットオフピン22が別の油圧シリンダ23の作動により開状態に移動して、金型キャビティ13内の排気を始める。
【0007】
それと並行して、図6に示した粉体供給装置31に貯留されていた粉体離型剤が圧縮空気によって搬送され、粉体輸送ホース20を介して金型キャビティ13内へ導入される。粉体供給装置31で予め設定された離型剤塗布時間が過ぎた後、溶湯が粉体供給路及び排気路へ入らないように、金型内の粉体供給口21及び排気口24は、油圧シリンダ19,23及びシャットオフピン18,22等の作動によって閉じられる。両シャットオフピンが閉状態に移動した後、加熱ノズル1の先端から金型キャビティ13内へ成形材料が射出される。
【0008】
このようにして金型を閉じた状態で固体粒子状の離型剤を金型キャビティ13の形成面に塗布すると、固定側金型部分11及び可動側金型部分12の対向面である金型パーティング面に離型剤が付着しないため、製品におけるバリの発生が抑制されることになる。また、固体状離型剤を使うことにより、液体状の離型剤を使った場合のようにミストが大量に発生しないし、廃液処理も必要なくなることが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のような金属射出成形機での粉体離型剤の塗布方法では、粉体供給口21及び金型内排気口24の開閉用シャットオフピン18,22が可動側金型部分12の運動方向に設置されていて、これらを各油圧シリンダ19,23で直接動作させるようになっているので、シャットオフピン18,22だけでなく油圧シリンダ19,23を金型内に設置しなければならず、油圧シリンダ19,23の設置スペースを新たに確保する必要があり、金型全体の厚みが大きくなり型締め装置の可動範囲が制限されるなどの弊害があった。
【0010】
また、金型キャビティ13からの製品取出し後にエジェクタプレート26に固定されたエジェクタピン17を自動的に引き戻す強制引戻し機構が油圧シリンダなどのために取り付け困難になって、製品形状が制限されていた。
【0011】
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたもので、粉体の供給口位置及び排出口位置に関係なく油圧シリンダを設置でき、製品形状の制限を無くし、金型サイズもコンパクトになり、油圧シリンダの保守も簡単にすることができる粉体離型剤塗布方法及び金型を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の本発明は、固定側金型部分11及び可動側金型部分12により形成される金型キャビティ13内に粉体離型剤を塗布する離型剤塗布方法において、
(a) 前記金型キャビティ13の長手方向の一端に連通する前記粉体離型剤の供給路20,21を第1開閉手段18により開いて、前記粉体離型剤を前記金型キャビティ13に導入するステップと、
(b) 前記ステップ(a)と実質的に同時に、前記金型キャビティ13の長手方向の他端に連通する前記粉体離型剤の排出路24,25を第2開閉手段22により開いて、前記金型キャビティ13から排出するステップと、
(c) 前記ステップ(a)及び(b)の終了から所定時間後に、前記供給路20,21及び前記排出路24,25をそれぞれ前記第1及び第2開閉手段18,22により閉じるステップとを備えると共に、
前記ステップ(a)〜(c)における前記第1及び第2開閉手段18,22の開閉動作は、前記固定側金型部分11及び/又は前記可動側金型部分12の外部にある駆動手段19により行われ
可動側金型部分12と平行に延び、可動側金型部分12よりも外側にシャットオフプレート30の延長部30bが延在し、この延長部30bに駆動手段19が金型の軸心に対して各々対称的に設けられており、シャットオフプレート30によりシャットオフピン18,22を軸方向に移動可能としたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の本発明では、請求項1における前記駆動手段19は、前記第1開閉手段18及び前記第2開閉手段22に共通である。
【0014】
また、請求項3に記載の本発明によると、金型キャビティ13を協働して形成する固定側金型部分11及び可動側金型部分12を備え、前記金型キャビティ13を形成する表面に粉体離型剤を塗布される金型は、前記金型キャビティ13の長手方向の一端に連通する前記粉体離型剤の供給路20,21と、前記金型キャビティ13の長手方向の他端に連通する前記粉体離型剤の排出路24,25と、前記供給路20,21を選択的に開閉する第1開閉手段18と、前記排出路24,25を選択的に開閉する第2開閉手段22と、溶湯注入前に、前記供給路20,21を開いて前記粉体離型剤を前記金型キャビティ13に導入すると共に、前記排出路24,25を開いて前記金型キャビティ13から排気するように前記第1開閉手段18及び前記第2開閉手段22を駆動するための、該第1開閉手段18及び該第2開閉手段22に共通の駆動手段19とを備え、該駆動手段19は、前記固定側金型部分11及び/又は前記可動側金型部分12の外部に配設され、可動側金型部分12と平行に延び、可動側金型部分12よりも外側にシャットオフプレート30の延長部30bが延在し、この延長部30bに駆動手段19が金型の軸心に対して各々対称的に設けられており、シャットオフプレート30によりシャットオフピン18,22を軸方向に移動可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記可動側金型部分12に、前記金型キャビティ13の長手方向の一端及び前記供給路20,21と連通し、及び/又は前記金型キャビティ13の長手方向の他端及び前記排出路24,25と連通するオーバーフロー溝16を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の本発明においては、前記第1開閉手段18は、前記供給路20,21と該供給路20,21に連通するオーバーフロー溝との間に配設され、前記第2開閉手段22は、前記排出路24,25と該排出路24,25に連通するオーバーフロー溝との間に配設されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の本発明によると、前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段の各々は、前記可動側金型部分12に配設され、前記金型キャビティ13の長手方向にほぼ直交する方向に摺動して前記供給路20,21又は前記排出路24,25を一端側で開閉するシャットオフピン18,22であることを特徴とする。
【0019】
請求項に記載の本発明によると、前記駆動手段は、少なくとも2つの流体圧シリンダ19であることを特徴としており、請求項の本発明によると、前記駆動手段は、油圧シリンダ19であることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明するが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。また、本発明は、以下の説明から分かるように、この実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0021】
図1は、本発明による金型の好適な実施例を示す、従来の金型に関する図7に対応する図である。図1において、1は、溶湯を保持する加熱シリンダ6の先にある加熱ノズル、2は、一般に電気ヒータである加熱ノズル1の加熱装置で、加熱ノズル1を囲むように設けられている。3は、この加熱装置2の作動を制御するために利用される温度測定装置を概略的に示しており、4は、加熱ノズル1の先端で溶湯が凝固してできたコールドプラグである。
【0022】
6は、外側から加熱装置7によって加熱される加熱シリンダで、この中に符号5で表されているものは、完全な溶融状態もしくは半溶融状態の成形材料であり、この実施例においては、例えば、アルミニウム合金,マグネシウム合金,亜鉛合金等から選択された金属である。8は、この加熱装置7の作動を制御するために利用される温度測定装置、9及び10は、それぞれ型締め装置の固定側型盤及び可動側型盤、18は、粉体導入用ランナに通じる粉体供給口21を開閉するためのシャットオフピン(開閉手段)で、図1では閉状態で示されている。
【0023】
本発明の一実施例において、30は、後述するシャットオフピン(開閉手段)18,22を固定し摺動させるためのシャットオフプレートであり、これは、可動側金型部分12と可動側型盤10との間に配置されていて、金型の軸心に関し対称的に配置されるのが好ましい少なくとも2個の油圧シリンダ(駆動手段)19のピストンロッド側を支持している。シャットオフプレート30は、可動側金型部分12よりも大きく外側に延長しており、中央部30aから延びるこの延長部30bに油圧シリンダ19が設けられている。20は、粉体供給装置31(図6参照)から金型キャビティ13へ粉体を輸送するための粉体輸送ホース(供給路)、22は、最終充填位置であるオーバーフロー溝16に通じる排気口(排出路)24を開閉するシャットオフピンで、図1では排気口24を閉じた状態で示されている。
【0024】
25は、真空タンク33(図6参照)への排気ホース(排出路)、13は、製品の外形に対応する形状を有する金型キャビティであり、前述した供給口21はこの金型キャビティ13の長手方向の一端にオーバーフロー溝16を介して通じている。14は、加熱ノズル1に続く金型充填口に対峙して設けられた凹部であるコールドプラグキャッチャ、15は、溶湯を製品部である金型キャビティ13まで流す溶湯充填口のあるスプルランナ、26は、射出成形機の型締め装置に取り付けられた押出し棒(押出し手段)27に押し付けられて前進可能なエジェクタプレート(押出し手段)であり、該エジェクタプレート26には複数のエジェクタピン(押出し手段)17が固定されている。28は、可動側金型部分12と可動側金型取付盤29との間に延在するスライドベースである。上記押出し棒27は、型締め装置の図示しないエジェクタ装置に一端を固定され、可動側型盤10,可動側金型取付盤29,シャットオフプレート30等を貫通して、エジェクタプレート26に当接可能になっている。可動側金型取付盤29は、シャットオフプレート30よりも更に大きく形成されており、その外周フランジ部29aはシャットオフプレート30及び油圧シリンダ19を囲むと共に、該油圧シリンダ19のシリンダハウジング側を支持している。また、エジェクタプレート26と可動側金型部分12との間には、該エジェクタプレート26を固定側金型部分11から離間させる方向に付勢する複数のコイルばね(偏倚手段)35が設けられている。
【0025】
図2において、粉体導入用ランナに通じる粉体供給口(供給路)21を開閉するための上述のシャットオフピン18は、各油圧シリンダ19が作動してシャットオフプレート30を可動側型盤10の方向に移動させることにより粉体供給口21を開けている状態で示されている。また、このとき、金型キャビティ13の長手方向の他端にある最終充填位置であるオーバーフロー溝16に通じる排気口24を開閉するための上述したシャットオフピン22は、排気口24を開けた状態にある。なお、本発明によれば、金型外部にある油圧シリンダ19の取付スペースが大きく取れるので、空圧シリンダなど他の流体圧シリンダをシャットオフピンの駆動手段として用いることもできる。
【0026】
次に、上述した本発明の一実施例による金属射出成形機の金型において、固体粒子状の離型剤を金型キャビティ13の形成を壁面に塗布する方法について図1〜図5を参照して説明する。
【0027】
最初に可動側金型部分12が固定側金型部分11に当接し閉じから、加熱ノズル1等を含む射出ユニットが前進して、加熱ノズル先端が固定側金型部分11の充填口に押し付けられ、金型キャビティ13が密閉される(図1)。金型キャビティ13が密閉されたことを知らせる信号を受けた後、金型キャビティ13の長手方向の一端側、即ちコールドプラグキャッチャ14の径方向外側にあるオーバーフロー溝16に連絡するシャットオフピン18と金型キャビティ13の長手方向の他端側にあるオーバーフロー溝16に連絡するシャットオフピン22とが固定されているシャットオフプレート30を動かす油圧シリンダ19が作動して(図2)、シャットオフピン18によって閉じられていた粉体供給口21が開かれると同時に、シャットオフピン22によって閉じられていた排気口24も開かれて、金型キャビティ13内の排気を始める。
【0028】
それと並行して、図6に示した粉体供給装置31に貯留されていた粉体離型剤が圧縮空気によって搬送され、粉体輸送ホース20及び開状態の粉体供給口21等を介して金型キャビティ13内へ導入される。粉体供給装置31で予め設定された離型剤塗布時間が過ぎた後、溶湯が粉体供給路及び排気路へ入らないように、金型内の粉体供給口21及び排気口24は、再び油圧シリンダ19の作動によりシャットオフプレート30を介してシャットオフピン18,22によって閉じられる(図3)。
【0029】
両シャットオフピンが閉状態に移動した後、加熱ノズル1の先端から金型キャビティ13内へ成形材料が射出される。射出時には、最初に、加熱ノズル先端にあるコールドプラグ4が加熱シリンダ6内の溶湯となっている成形材料によって押し出されて、金型内のコールドプラグキャッチャ14に捕捉される。このコールドプラグキャッチャ14は、コールドプラグ4が流されて成形品に入らないように可動側金型部分12に形成された凹部である。その後、成形材料は、固定側金型部分11に形成されたスプルランナ15を充填しながら、粉体供給口21に通じるオーバーフロー溝16にも流れ込みながら、金型キャビティ13を充填する。粉体供給口21は、金型キャビティ13の長手方向の一端側、即ち図1で下側に示されているオーバーフロー溝16に通じているので、粉体供給口21に溜り易い過剰な粉体が金型キャビティ13内へと流されることはない。
【0030】
また、粉体供給口21と同様に、金型キャビティ13の長手方向の他端側にあるオーバーフロー溝16に通じる排気口24は、排気バルブ34(図6参照)を有する排気ホース25に連通しているため、上述の粉体供給時に、排気口24の近辺に粉体が過剰に堆積し易いが、この排気口24に通じる金型キャビティ13の長手方向の他端側、即ち図1において上側のオーバーフロー溝16は、成形材料の充填路に関して最終充填位置にあるため、余剰の粉体が逆流して金型キャビティ13に巻き込まれることはない。
【0031】
射出終了後、設定された冷却時間が経過したところで、可動側金型部分12を固定側金型部分11から離間させて金型を開き、次いで押出し棒27を作動してエジェクタプレート26に固定されたエジェクタピン17を固定側金型部分11に向かい突き出し、金型キャビティ13内の製品を押すと(図4)、図示しない製品取出しロボットのチャックがスプル部を掴んで製品を射出成形機外に搬送する。しかる後、押出し棒27が後退され、コイルばね35の反力でエジェクタプレート26が後退し、エジェクタピン17が元の位置に戻され、1サイクルが終了する(図5)。
【0032】
なお、排気ホース25に設けられた排気バルブ34(図6参照)は、排気口24のためのシャットオフピン22だけでは密閉性が悪く、排気ホース25に接続された真空タンク33(図6参照)の真空度が上がらない場合に備えて設置されるもので、シャットオフピンと一緒に電気信号で自動開閉が可能である。図示しないが、少なくとも一方のシャットオフピン18,22の移動範囲にはリミットスイッチのようなセンサが設けられていて、このセンサがシャットオフピンの開状態を感知すると、即ち粉体供給可能の状態を感知すると、可動側金型部分11内のオーバーフロー溝16に通じる排気口24を閉じていたシャットオフピン22が開くだけでなく、前述した排気バルブ34(図6参照)も開いて、金型キャビティ13内を排気するようになっている。
なお、エジェクタピン17の強制引戻しのために、上記のようにコイルばねを使用しても良いし、押出し棒27をエジェクタプレート26に接続し、型締め装置の図示しないエジェクタ装置で後退させるようにしても良い。
【0033】
【発明の効果】
請求項1及び請求項3に記載の本発明によれば、シャットオフピンである第1及び第2開閉手段の開閉動作は、固定側金型部分及び/又は可動側金型部分の外部にある駆動手段により行われ、可動側金型部分と平行に延び、可動側金型部分よりも外側にシャットオフプレートの延長部が延在し、この延長部に駆動手段が金型の軸心に対して各々対称的に設けられており、シャットオフプレートによりシャットオフピンを軸方向に移動可能としたように構成したため、金型改造時等に駆動手段の軸方向寸法を考慮しなくてすみ、結果として金型全体の厚みもしくは軸方向寸法を小さくして、好適に粉体離型剤を塗布することができる。また、好適には油圧シリンダを金型外部に設置することにより、駆動手段関係の保守が非常に簡単にできる。さらに、可動側金型部分とほぼ平行に延びる移動可能のシャットオフプレートを備え、可動側金型部分よりも外側にある該シャットオフプレートの延長部に駆動手段が対称的に係合するように構成しているので、開閉のための力を各シャットオフピンに均等に伝えることができる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、駆動手段が第1及び第2開閉手段に共通であるから、部品点数の減少に伴なって、設置スペースの減少と製造コストの低下とを図ることができる。
【0034】
請求項4に記載の本発明では、可動側金型部分に、金型キャビティの長手方向の一端及び供給路と連通し、及び/又は金型キャビティの長手方向の他端及び排出路と連通するオーバーフロー溝を備えるため、粉体離型剤が供給路側のオーバーフロー溝を介して導入され、排出路側のオーバーフロー溝を介して排気されるので、供給路又は排出路は、オーバーフロー溝を介して金型キャビティと連通されることとなり、過剰に堆積した粉体離型剤が金型キャビティに流れてしまったり、或いは巻き込まれてしまうことがないので、製品の品質を高めることができる。
【0035】
請求項5に記載の本発明によれば、第1開閉手段は、供給路と該供給路に連通するオーバーフロー溝との間に配設され、第2開閉手段は、排出路と該排出路に連通するオーバーフロー溝との間に配設されるようにしたので、供給路及び/又は排出路に溶湯が入ることがなく、効果的に粉体離型剤の塗布を行うことができる。
【0036】
請求項6に記載の本発明では、第1及び第2開閉手段である各シャットオフピンが同一方向に延びることとなり、共通の駆動手段の採用が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る金型の概略図であり、金型は射出前の閉じた状態で示されている。
【図2】粉体供給口を開閉するためのシャットオフピンと排出口を開閉するためのシャットオフピンとが開いて、粉体離型剤が塗布可能な状態となっている金型を示す図である。
【図3】粉体塗布後、油圧シリンダが戻って各シャットオフピンが閉じた状態にある金型を示す図である。
【図4】金型が開いて、製品を押し出すため各エジェクタピンが突き出た状態にある金型を示す図である。
【図5】製品を取り出した後、エジェクタピンが戻り、次サイクルへの待機状態にある金型を示す図である。
【図6】従来の金型の全体構成を概略的に示す図である。
【図7】図6に示した金型についての、図1に相当する図である。
【符号の説明】
11 固定側金型部分
12 可動側金型部分
13 金型キャビティ
16 オーバーフロー溝
17 エジェクタピン(押出し手段)
18 シャットオフピン(第1開閉手段)
19 油圧シリンダ(駆動手段)
20 粉体輸送ホース(供給路)
21 粉体供給口(供給路)
22 シャットオフピン(第2開閉手段)
24 排気口(排出路)
25 排気ホース(排出路)
26 エジェクタプレート(押出し手段)
27 押出し棒(押出し手段)
30 シャットオフプレート
30a シャットオフプレートの中央部
30b シャットオフプレートの延長部
35 コイルばね(偏倚手段)

Claims (8)

  1. 固定側金型部分(11)及び可動側金型部分(12)により形成される金型キャビティ(13)内に粉体離型剤を塗布する離型剤塗布方法において、
    (a) 前記金型キャビティ(13)の長手方向の一端に連通する前記粉体離型剤の供給路(20,21)を第1開閉手段(18)により開いて、前記粉体離型剤を前記金型キャビティ(13)に導入するステップと、
    (b) 前記ステップ(a)と実質的に同時に、前記金型キャビティ(13)の長手方向の他端に連通する前記粉体離型剤の排出路(24,25)を第2開閉手段(22)により開いて、前記金型キャビティ(13)から排出するステップと、
    (c) 前記ステップ(a)及び(b)の終了から所定時間後に、前記供給路(20,21)及び前記排出路(24,25)をそれぞれ前記第1及び第2開閉手段(18,22)により閉じるステップと、
    を備えると共に、前記ステップ(a)〜(c)における前記第1及び第2開閉手段(18,22)の開閉動作は、前記固定側金型部分(11)及び/又は前記可動側金型部分(12)の外部にある駆動手段(19)により行われ
    可動側金型部分(12)と平行に延び、可動側金型部分(12)よりも外側にシャットオフプレート(30)の延長部(30b)が延在し、この延長部(30b)に駆動手段(19)が金型の軸心に対して各々対称的に設けられており、シャットオフプレート(30)によりシャットオフピン(18,22)を軸方向に移動可能としたことを特徴とする離型剤塗布方法。
  2. 前記駆動手段(19)は、前記第1開閉手段(18)及び前記第2開閉手段(22)に共通である、請求項1に記載の離型剤塗布方法。
  3. 金型キャビティ(13)を協働して形成する固定側金型部分(11)及び可動側金型部分(12)を備え、前記金型キャビティ(13)を形成する表面に粉体離型剤を塗布される金型であって、前記金型キャビティ(13)の長手方向の一端に連通する前記粉体離型剤の供給路(20,21)と、前記金型キャビティ(13)の長手方向の他端に連通する前記粉体離型剤の排出路(24,25)と、前記供給路(20,21)を選択的に開閉する第1開閉手段(18)と、前記排出路(24,25)を選択的に開閉する第2開閉手段(22)と、溶湯注入前に、前記供給路(20,21)を開いて前記粉体離型剤を前記金型キャビティ(13)に導入すると共に、前記排出路(24,25)を開いて前記金型キャビティ(13)から排気するように前記第1開閉手段(18)及び前記第2開閉手段(22)を駆動するための、該第1開閉手段(18)及び該第2開閉手段(22)に共通の駆動手段(19)とを備え、該駆動手段(19)は、前記固定側金型部分(11)及び/又は前記可動側金型部分(12)の外部に配設されており、
    可動側金型部分(12)と平行に延び、可動側金型部分(12)よりも外側にシャットオフプレート(30)の延長部(30b)が延在し、この延長部(30b)に駆動手段(19)が金型の軸心に対して各々対称的に設けられており、シャットオフプレート(30)によりシャットオフピン(18,22)を軸方向に移動可能としたことを特徴とする金型。
  4. 前記可動側金型部分(12)に、前記金型キャビティ(13)の長手方向の一端及び前記供給路(20,21)と連通し、及び/又は前記金型キャビティ(13)の長手方向の他端及び前記排出路(24,25)と連通するオーバーフロー溝(16)を備えることを特徴とする請求項3に記載の金型。
  5. 前記第1開閉手段(18)は、前記供給路(20,21)と該供給路(20,21)に連通するオーバーフロー溝との間に配設され、前記第2開閉手段(22)は、前記排出路(24,25)と該排出路(24,25)に連通するオーバーフロー溝との間に配設されていることを特徴とする、請求項4に記載の金型。
  6. 前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段の各々は、前記可動側金型部分(12)に配設され、前記金型キャビティ(13)の長手方向にほぼ直交する方向に摺動して前記供給路(20,21)又は前記排出路(24,25)を一端側で開閉するシャットオフピン(18,22)であることを特徴とする、請求項5に記載の金型。
  7. 前記駆動手段は、少なくとも2つの流体圧シリンダ(19)であることを特徴とする、請求項3−6のいずれか1項に記載の金型
  8. 前記駆動手段は油圧シリンダ(19)であることを特徴とする、請求項3−7のいずれか1項に記載の金型
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