JP3725349B2 - 洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄装置に関し、特に各種電子機器用基板として用いる半導体基板やガラス基板等の洗浄に用いて好適な洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス、液晶表示パネル等の電子機器の分野においては、その製造プロセス中に被処理基板である半導体基板やガラス基板を洗浄処理する工程が必須である。その場合、基板上の洗浄除去すべき対象として、クリーンルーム内の雰囲気中のパーティクル、フォトレジスト片等の有機物等、種々の物質があり、それぞれの除去対象に最適な洗浄液や洗浄方法が従来から検討されている。例えば、流水洗浄などが一般的であるが、その他の洗浄方法としては、超音波洗浄等をはじめとする物理洗浄、紫外線照射により有機物等からなる被除去物を分解する光洗浄、等がある。
【0003】
ところが、製造ラインに物理洗浄装置、光洗浄装置というように、種々の洗浄方法を採用した洗浄装置を別個に設置するのは、洗浄工程だけで多大な設備費や装置の占有スペースを費やしてしまい、極めて非合理的である。また、ライン内における基板の搬送回数も多くなってしまう。そこで、異なる種類の洗浄が1台の装置で行える洗浄装置が提案されている。図8はその概略構成図である。
【0004】
図8に示す洗浄装置70は、光洗浄と物理洗浄が単一の装置で行えるものである。被洗浄基板Wを回転可能に支持するスピンチャック71と、基板Wの表面に当接して基板Wを洗浄する洗浄用ブラシ72を備えたブラシアーム73と、基板Wの表面に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルを備えたノズルアーム74と、基板Wの表面に紫外線を照射する紫外線ランプを内蔵したランプアーム75と、基板Wの表面に洗浄液を供給する複数のスプレーノズル76とを具備している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の洗浄装置においては、光洗浄と物理洗浄が1台の装置で行えるという利点はあるものの、以下のような問題点を抱えていた。
すなわち、先端にブラシが設けられたブラシアームが回転しつつ物理洗浄を行う構成であるため、ブラシの到達範囲は限られており、いくら被洗浄基板が回転するとは言っても、やはり基板表面を充分均一に洗浄するのは困難であり、洗浄ムラが生じる恐れがあった。そこで、この問題を解消するために、アームの先端だけに洗浄手段を設けるのではなく、アームの長手方向全体にわたって洗浄手段を設ける構成が考えられる。
【0006】
ところがその場合、従来の装置では洗浄用アームがその一端側で支持された、いわゆる片持ち支持構造となっており、洗浄用アームの自重によりどうしても先端側が若干下方に撓む傾向にある。すると、アームの場所によってアームと被処理基板との距離が微妙に異なることになり、例えばアームから洗浄液を噴射した際などに洗浄液の液量や基板に当たる強さが異なり、やはり洗浄ムラの原因となる。また、紫外線洗浄の場合、装置の構造上、どうしても基板上に紫外線が当たりにくい箇所ができてしまい、その部分の有機物の除去が困難であった。半導体デバイス、液晶表示パネル等の分野においては、近年、基板がますます大型化する傾向にあるが、大型の基板洗浄用の装置となればそれだけアームの寸法が長くなるため、洗浄ムラが生じるという上記問題点がより顕著になってくる。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、洗浄ムラ等を生じることなく、基板全体にわたって均一な洗浄効果が得られるとともに、異なる洗浄方法による洗浄を単一の装置で実施することができ、製造ライン等に用いて合理的な洗浄装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の洗浄装置は、中心点から放射状に延びる複数の洗浄用ノズルであって該複数のノズルの各々が前記被洗浄基板を複数種の異なる洗浄方法により洗浄処理するいずれかの機能をその長手方向に一様に有する洗浄用ノズルと、前記放射状配置の洗浄用ノズルの下方に配置され被洗浄基板を前記洗浄用ノズルの下方近傍に保持して回転させる基板保持回転手段と、前記放射状の洗浄用ノズルの外端部を支持してそれら洗浄用ノズルを一体的に前記被洗浄基板との間隔を一定に保ちながら二次元的に移動させ前記基板保持回転手段と協働して前記被洗浄基板の被洗浄面全域を洗浄処理するノズル移動手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成の洗浄装置において、複数の洗浄用ノズルが中心点側で連結され、周縁部側で支持された放射状の洗浄用ノズルの採用により、洗浄用ノズルが両持ち支持構造の形となり、ノズルと被処理基板との距離が常に均等になり、被処理基板の全面にわたって均一な洗浄を行うことができる。この形態の場合、各洗浄用ノズルが個々に独立して移動する洗浄装置と異なり、複数のノズルが互いに連結されているため、連結された洗浄用ノズル全体を基板の端から端を横断するように大きく移動させるのではなく、基板保持回転手段により基板側を回転させて被洗浄面全域を洗浄する構成とした。それでも、複数のノズルが連結された中心点近傍では基板の洗浄が困難になり、各洗浄用ノズルが異なる洗浄機能を有していても基板の中央付近ではこの機能が有効に作用しないことになる。そこで、ノズル移動手段により放射状の洗浄用ノズルを被洗浄基板との間隔を一定に保ちながら二次元的に移動させるようにし、基板保持回転手段による基板の回転と合わせて被洗浄基板の被洗浄面全域を洗浄処理する構成とした。これにより、基板の中央部分でも複数種の洗浄方法による洗浄を行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明の洗浄装置は、先の構成において、上面に被洗浄基板を保持する基板保持手段としてのステージを備えた洗浄部が備えられ、該ステージに対して被洗浄基板を嵌め込み保持するための段部が前記ステージに形成され、前記ステージの下方に前記被洗浄基板を上下昇降させるための基板昇降用シャフトが設けられ、前記ステージの側方に前記ステージ上の被洗浄基板をステージ外に搬送する基板搬送用のアームが設けられてなることを特徴とする構成を採用しても良い。
【0012】
また、前記洗浄用ノズルの構成として以下のものを採用することが望ましい。第1に、前記複数の洗浄用ノズルの中に、被洗浄基板に紫外線を照射する紫外線洗浄用ノズルと、被洗浄基板に超音波振動を付与する超音波洗浄用ノズルとを少なくとも備えた構成とすることが望ましい。
この構成により、例えば通常の純水洗浄の後に、超音波洗浄用ノズルによる超音波洗浄、紫外線洗浄用ノズルによる紫外線洗浄を連続して行うことができる。その場合、純水洗浄により基板上に付着したごく一般的な粒径のパーティクルを除去した後、超音波洗浄により微細な粒径のパーティクルを除去し、さらに、紫外線洗浄により有機物の除去を行うというように、種々の被除去物を充分に除去することができる。
【0013】
第2に、前記洗浄用ノズルを、一端に洗浄液を導入するための導入口を有する導入通路と一端に洗浄後の洗浄液を外部へ排出するための排出口を有する排出通路とを形成し、これら導入通路と排出通路とをそれぞれの他端において交差させて交差部を形成するとともに該交差部に前記被洗浄基板に向けて開口する開口部を設けた省流体型ノズルとすることが望ましい。その場合、上記装置に対しては、ノズルの開口部が前記放射方向に延びた構成とするとよい。
【0014】
上記省流体型ノズルとは、本出願人が既に出願済みの洗浄装置に用いたノズルの形態である。従来一般の洗浄用ノズルを用いた洗浄では、洗浄液が基板表面に供給された後、洗浄液が被除去物を基板表面から剥離させ、被除去物を含んだ洗浄液が基板上を流れる、という過程をとる。この際、被除去物が基板表面に再付着するため、従来のノズルでは被除去物の除去率に限界があった。そこで、本出願人提案の洗浄装置のノズルの場合、導入通路から洗浄液を基板表面に供給したら、その洗浄液を供給した部分以外の基板表面に洗浄液を接触させることなく、排出通路から被除去物を含んだ洗浄液を外部に排出する構成となっている。この構成により、従来一般の洗浄用ノズルを用いた洗浄装置に比べて洗浄後の基板の清浄度を著しく向上させることができた、というものである。
【0015】
また、従来一般の洗浄装置では、清浄度を上げるために多量の洗浄液を必要とするが、本出願人提案の洗浄装置では、上記作用により充分な清浄度が得られるとともに、ノズル開口部での洗浄液の圧力に対して排出口からの吸引力を制御することで洗浄液をノズルの外部に漏らすことなく、排出することができる。その結果、洗浄液の使用量を大きく削減することができ、その意味で「省流体型ノズル」ということができる。
【0016】
特に省流体型ノズルの場合、上述したように、洗浄液の吸引力を制御して、ノズル開口部での洗浄液の圧力(洗浄液の表面張力と被洗浄基板の処理面の表面張力を含む)と大気圧との均衡をとるようになっていることから、ノズルの開口部と被洗浄基板との間隔を数mm程度で0.1mm程度のオーダーで精密に制御する必要がある。そこで、本発明の洗浄装置では、洗浄用ノズルが両持ち支持構造となっており、ノズルと被処理基板との間隔を安定して一定に維持できる構成となっているため、省流体型ノズルを適用するのに好適である。
【0017】
さらに、洗浄装置のその他の構成要素として、純水に水素ガスまたはオゾンガスを溶解させた洗浄液を製造する洗浄液製造手段と、前記洗浄液を前記洗浄用ノズルに供給する洗浄液供給手段とを設けてもよい。
このような手段を設けた場合、純水中に水素ガスを溶かし込んだいわゆる水素水や、純水中にオゾンガスを溶かし込んだいわゆるオゾン水と呼ばれる洗浄液を用いて効率的な洗浄を行うことができる。
【0018】
もしくは、被洗浄基板を洗浄した後の使用済み洗浄液を回収する洗浄液回収手段と、洗浄液回収手段を通して回収された洗浄液を再生する洗浄液再生手段と、洗浄液再生手段で再生された洗浄液を前記洗浄用ノズルに供給する再生洗浄液供給手段とを有する構成を採用してもよい。
その場合、一旦使用した洗浄液を回収し、再生して再利用することができるので、洗浄液の使用量を削減することができる。洗浄液の再生手段としては、例えば洗浄液中に含まれたパーティクルや異物を濾過するフィルタ、洗浄液中の気体を除去するための脱気装置等が挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
基本形態]
以下、本発明の基本構成の一部を具備するべき基本形態を図1ないし図5を参照して説明する。
図1は基本形態の洗浄装置1の全体構成を示す図であって、数百mm角程度の大型のガラス基板(以下、単に基板という、被洗浄基板)を枚葉洗浄するための装置である。図中符号2は洗浄部、3はステージ(基板保持手段)、4,5,6,7は洗浄用ノズル、8は基板搬送ロボット、9はローダカセット、10はアンローダカセット、11は水素水・オゾン水生成部(洗浄液製造手段)、12は洗浄液再生部(洗浄液再生手段)、Wは基板である。
【0020】
図1に示すように、装置上面中央が洗浄部2となっており、基板Wを保持するステージ3が設けられている。ステージ3には、図2(a)、(b)に示すように、基板Wの形状に合致した矩形に掘り下げられた段部3aが設けられており、この段部3a上に基板Wが嵌め込まれ、基板Wの表面とステージ3の表面が面一状態でステージ3に保持されるようになっている。また、段部3aの下方はさらに1段掘り下げられ、空間部3bが形成されている。空間部3bにはステージ3の下方から基板昇降用シャフト13が突出している。基板昇降用シャフト13の基板受け部は基板Wと点接触となる形状であり、基板Wへの粒子付着は極めて少ない。基板昇降用シャフト13の下端にはシリンダ14等のシャフト駆動源が設けられ、後述する基板搬送ロボット8による基板Wの受け渡しの際にシリンダ14の作動により基板昇降用シャフト13が上下動し、シャフト13の上下動に伴って基板Wが上昇または下降するようになっている。なお、ステージ3中央に設けられた孔3cから基板Wの裏面洗浄用のノズル15が突出しており、本装置では表面側を主に洗浄するが、同時に裏面側も軽く洗浄できるようになっている。
【0021】
図1に示すように、ステージ3を挟んで対向する位置に一対のラックベース16が設けられ、これらラックベース16間に洗浄用ノズル4,5,6,7が架設されている。洗浄用ノズルは並列配置された複数(本実施の形態の場合、4本)のノズルからなり、各洗浄用ノズル4,5,6,7が異なる洗浄方法により洗浄を行うものとなっている。本実施の形態の場合、これら4本のノズルは、基板にオゾンを供給するとともに紫外線ランプ26から紫外線を照射することによって主に有機物を分解除去する紫外線洗浄用ノズル4、水素水を供給しつつ超音波素子25により超音波振動を付与して洗浄する水素水超音波洗浄用ノズル5、オゾン水を供給しつつ超音波素子25により超音波振動を付与して洗浄するオゾン水超音波洗浄用ノズル6、純水を供給してリンス洗浄を行う純水リンス洗浄用ノズル7、である。これら4本のノズルが基板Wの上方で基板Wとの間隔を一定に保ちながらラックベース16に沿って順次移動することにより、基板Wの被洗浄面全域が4種類の洗浄方法により洗浄される構成となっている。
【0022】
ノズルの移動手段としては、図3(a)、(b)に示すように、各ラックベース16上のリニアガイド17に沿って水平移動可能とされたスライダ18がそれぞれ設けられ、各スライダ18の上面に支柱19がそれぞれ立設され、これら支柱19に各洗浄用ノズル4,5,6,7の両端部が固定されている。各スライダ18上にはモータ20等の駆動源が設置されており、各スライダ18がラックベース16上を自走する構成となっている。そして、装置の制御部(図示略)から供給される制御信号により各スライダ18上のモータ20がそれぞれ作動することによって、各洗浄用ノズル4,5,6,7が個別に水平移動する構成となっている。また、支柱19にはシリンダ(図示略)等の駆動源が設けられ、支柱19が上下動することにより各洗浄用ノズル4,5,6,7の高さ、すなわち各洗浄用ノズルと基板Wとの間隔が調整可能となっている。
【0023】
図3(a)、(b)は4本の洗浄用ノズルのうち、例えば水素水超音波洗浄用ノズル5の構成例を示す図であるが、他のノズルも基本形状は同様であるため、これを用いて説明する。この洗浄用ノズル5は、一端に洗浄液を導入するための導入口21aを有する導入通路21と一端に洗浄後の洗浄液を外部へ排出するための排出口22aを有する排出通路22とを形成し、これら導入通路21と排出通路22とをそれぞれの他端において交差させて交差部23を形成するとともに、この交差部23に基板Wに向けて開口する開口部24を設けたものであり、プッシュ・プル型ノズル(省流体型ノズル)と呼ばれるものである。この場合、開口部24は、洗浄用ノズル4,5,6,7の並列方向と交差する方向に少なくとも基板Wの幅以上の長さに延びている(本実施の形態の場合、1本の洗浄用ノズルにつき、導入通路21と排出通路22とが交差した交差部23および開口部24は3組設けられており、3組合わせて開口部24が基板Wの幅以上の長さに延びている)。また、圧力制御部(図示略)が、基板Wに接触した洗浄液が洗浄後に排出通路22に流れるように、開口部24の大気と接触している洗浄液の圧力(洗浄液の表面張力と基板の被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧との均衡がとれるように排出通路22側に設けられている。
【0024】
圧力制御部は排出口22a側に設けられた減圧ポンプにより構成されている。したがって、排出通路22側の圧力制御部に減圧ポンプを用いて、この減圧ポンプで交差部23の洗浄液を吸引する力を制御して、開口部24の大気と接触している洗浄液の圧力(洗浄液の表面張力と基板Wの被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧との均衡をとるようになっている。つまり、開口部24の大気と接触している洗浄液の圧力Pw(洗浄液の表面張力と基板Wの被洗浄面の表面張力も含む)と大気圧Paとの関係をPw≒Paとすることにより、開口部24を通じて基板Wに供給され、基板Wに接触した洗浄液は、洗浄用ノズルの外部に漏れることなく、排出通路22に排出される。すなわち、洗浄用ノズルから基板W上に供給した洗浄液は、基板W上の洗浄液を供給した部分(開口部24)以外の部分に接触することなく、基板W上から除去される。
【0025】
なお、洗浄用ノズルの接液面は、PFA等のフッ素樹脂や、用いる洗浄液によっては最表面がクロム酸化物のみからなる不動態膜面のステンレス、あるいは酸化アルミニウムとクロム酸化物の混合膜を表面に備えたステンレス、オゾン水に対しては電解研磨表面を備えたチタン等とすることが、洗浄液への不純物の溶出がないことから好ましい。接液面を石英により構成すれば、フッ酸を除く全ての洗浄液の供給に好ましい。
【0026】
さらに、交差部23の上方に基板Wに対向するように超音波素子25が設けられており、基板Wが洗浄されている間、洗浄液に超音波が付与されるようになっている。この超音波素子25は、19KHz以上の周波数の超音波を出力可能なものであり、特に、保持可能な洗浄液層の厚さの観点から0.2MHz以上の周波数が好ましい。
【0027】
前述した基本形態における洗浄用ノズルの構成においては、水素水超音波洗浄用ノズル5とオゾン水超音波洗浄用ノズル6とが上述した構成の通りのものであり、これらは使用する洗浄液が水素水とオゾン水と異なるだけである。また、紫外線洗浄用ノズル4の場合、図3(b)の超音波素子25に代えて紫外線ランプ26を設け、ノズル内にオゾンガスを供給する構成とすればよい。この構成により、基板Wにオゾンガスが供給されると同時に紫外線が照射され、発生するヒドロキシラジカルの作用によって特に有機物が分解除去される。オゾンガスの外部への漏洩を防止したい場合にはエアカーテン機構等を設ければよい。また、純水リンス洗浄用ノズル7に関しては、図3(b)の超音波素子25を削除し、ノズル内に単に純水を供給、排出する構成とすればよい。
【0028】
なお、洗浄用ノズル4,5,6,7の開口部24と基板Wとの間の距離Hは、8mm以下で基板Wと接触しない範囲がよく、好ましくは5mm以下で基板Wと接触しない範囲、より好ましくは3mm以下で基板Wと接触しない範囲とするのがよい。8mmを越えると、基板Wと洗浄用ノズルとの間に所望の洗浄液を満たすことが困難となり、洗浄が難しくなるからである。したがって、ラックベース16、スライダ18、支柱19等をはじめとする洗浄用ノズルの支持、移動機構は、この程度の間隔を基板Wと洗浄用ノズルとの間に常に維持し得る構成とする必要がある。したがって、場合によっては、基板Wと洗浄用ノズルとの間隔をモニターする距離センサ等を設けてもよい。
【0029】
図1に示すように、洗浄部2の側方に、水素水・オゾン水生成部11(洗浄液製造手段)と洗浄液再生部12(洗浄液再生手段)とが設けられている。水素水・オゾン水生成部11には、本装置で洗浄液として用いる水素水の生成装置27とオゾン水の生成装置28とが組み込まれている。いずれの洗浄液も、純水中に水素ガスやオゾンガスを溶解させることによって生成することができる。そして、水素水生成装置27で生成された水素水が、水素水供給配管29の途中に設けられた送液ポンプ30により水素水超音波洗浄用ノズル5に供給されるようになっている(洗浄液供給手段)。同様に、オゾン水生成装置28で生成されたオゾン水が、オゾン水供給配管31の途中に設けられた送液ポンプ32によりオゾン水超音波洗浄用ノズル6に供給されるようになっている(洗浄液供給手段)。なお、紫外線洗浄用ノズル4には任意のオゾンガス供給源(図示略)からオゾンガスが供給され、純水リンス洗浄用ノズル7には製造ライン内の純水供給用配管(図示略)から純水が供給されるようになっている。
【0030】
また、洗浄液再生部12には、使用後の洗浄液中に含まれたパーティクルや異物を除去するためのフィルタ33、34が設けられている。水素水中のパーティクルを除去するための水素水用フィルタ33と、オゾン水中のパーティクルを除去するためのオゾン水用フィルタ34が別系統に設けられている。すなわち、水素水超音波洗浄用ノズル5の排出口から排出された使用後の水素水は、水素水回収配管35の途中に設けられた送液ポンプ36により水素水用フィルタ33に回収されるようになっている(洗浄液回収手段)。同様に、オゾン水超音波洗浄用ノズル6の排出口から排出された使用後のオゾン水は、オゾン水回収配管37の途中に設けられた送液ポンプ38によりオゾン水用フィルタ34に回収されるようになっている(洗浄液回収手段)。
【0031】
各フィルタ33、34は図4に示すような構造となっており、中央に使用後の洗浄液を流通させるとともに管壁から洗浄液を透過させる機能を持つ管体39が配置され、その周囲にテフロン樹脂等からなる濾材40が多数配置されるとともに、管体39内部の洗浄液の流通を遮断するバッフル板41が設けられている。したがって、フィルタ33、34の導入口42から使用済みの洗浄液を導入すると、図4中の矢印Fの方向に沿って洗浄液が流れるうちに濾材40により濾過が進み、洗浄液が再度管体39内に戻ったときにはパーティクルが除去された清浄な洗浄液となり、排出口43から排出される。
【0032】
そして、図1に示すように、水素水用フィルタ33を通した後の水素水は、再生水素水供給配管44の途中に設けられた送液ポンプ45により水素水超音波洗浄用ノズル5に供給されるようになっている(再生洗浄液供給手段)。同様に、オゾン水用フィルタ34を通した後のオゾン水は、再生オゾン水供給配管46の途中に設けられた送液ポンプ47によりオゾン水超音波洗浄用ノズル6に供給されるようになっている(再生洗浄液供給手段)。また、水素水供給配管29と再生水素水供給配管44は水素水超音波洗浄用ノズル5の手前で接続され、弁62によって水素水超音波洗浄用ノズル5に新しい水素水を導入するか、再生水素水を導入するかを切り換え可能となっている。同様に、オゾン水供給配管31と再生オゾン水供給配管46はオゾン水超音波洗浄用ノズル6の手前で接続され、弁63によってオゾン水超音波洗浄用ノズル6に新しいオゾン水を導入するか、再生オゾン水を導入するかを切り換え可能となっている。なお、各フィルタ33、34を通した後の水素水やオゾン水は、パーティクルが除去されてはいるものの、液中気体含有濃度が低下しているため、配管を通じて再度水素水生成装置27やオゾン水生成装置28に戻し、水素ガスやオゾンガスを補充するようにしてもよい。
【0033】
図1に示すように、洗浄部2の側方に、ローダカセット9、アンローダカセット10が着脱可能に設けられている。これら2つのカセット9、10は、複数枚の基板Wが収容可能な同一の形状のものであり、ローダカセット9に洗浄前の基板Wを収容し、アンローダカセット10には洗浄済の基板Wが収容される。そして、洗浄部2とローダカセット9、アンローダカセット10の中間の位置に基板搬送ロボット8が設置されている。基板搬送ロボット8はその上部に伸縮自在なリンク機構を有するアーム48を有し、アーム48は回転可能かつ昇降可能となっており、アーム48の先端部で基板Wを支持、搬送するようになっている。
【0034】
図5(a)、(b)は、基板搬送ロボット8のアーム48がステージ3上方に延びた状態を示す図である。図5(a)に示すように、アーム48の先端のフォーク49がステージ3の基板昇降用シャフト13が並ぶ列の間に位置するようになっている。ローダカセット9から洗浄前の基板Wを受け取った基板搬送ロボット8がその基板Wをステージ3上に搬送する際には、図5(b)に示すように、基板昇降用シャフト13が上昇した状態で基板Wを支持したアーム48がステージ3の上方に進入し、アーム48が下降して基板昇降用シャフト13上に基板Wを載置する。次いで、アーム48がさらに若干下降してステージ3の外方まで後退する。その後、基板昇降用シャフト13が下降すると、図2(b)に示したようにステージ3上に基板Wが載置、保持される。なお、基板搬送ロボット8のアーム48先端のフォーク49は、上面の凸部49aで基板と点接触する構成となっているため、基板Wへの異物付着は極めて少ない。
【0035】
上記構成の洗浄装置1は、例えば洗浄用ノズル4,5,6,7と基板Wとの間隔、洗浄用ノズルの移動速度、洗浄液の流量等、種々の洗浄条件をオペレータが設定する他は、各部の動作が制御部により制御されており、自動運転する構成になっている。したがって、この洗浄装置1を使用する際には、洗浄前の基板Wをローダカセット9にセットし、オペレータがスタートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボット8によりローダカセット9からステージ3上に基板Wが搬送され、ステージ3上で各洗浄用ノズル4,5,6,7により紫外線洗浄、水素水超音波洗浄、オゾン水超音波洗浄、リンス洗浄が順次自動的に行われ、リンス洗浄後、基板搬送ロボット8によりアンローダカセット10に収容される。
【0036】
以上説明した基本形態の洗浄装置1においては、各洗浄用ノズル4,5,6,7はその両端が支柱19により支持された両持ち支持構造であり、しかも、ラックベース16、スライダ18、モータ20等からなるノズル移動手段が各洗浄用ノズルを基板との間隔を一定に保ちつつ水平移動させることにより基板Wの被洗浄面全域を洗浄処理する構成とした。そのため、ノズルが片持ち支持であった従来の装置と異なり、洗浄中の洗浄用ノズルと基板Wとの距離を精度よく調整することができる。特に本実施の形態では、洗浄用ノズルの開口部24と基板Wとの間隔Hを数mm程度で0.1mmのオーダーで精密に制御する必要があるプッシュ・プル型の洗浄用ノズルを用いているため、洗浄用ノズルを両持ち支持構造としたことで、プッシュ・プル型ノズルの洗浄効率の良い利点を充分に発揮させることができる。
【0037】
そして、4本の洗浄用ノズルの各々が、紫外線洗浄、水素水超音波洗浄、オゾン水超音波洗浄、リンス洗浄といった異なる洗浄方法により洗浄処理する構成であるため、本装置1台で種々の洗浄方法を実施することができる。したがって、例えば紫外線洗浄により有機物の除去を行った後、水素水超音波洗浄、オゾン水超音波洗浄により微細な粒径のパーティクルを除去し、さらにリンス洗浄で基板表面に付着した洗浄液も洗い流しながら仕上げの洗浄を行う、というように種々の被除去物を充分に洗浄除去することができる。その結果、パーティクル、有機物等の種々の除去対象があってもこれらを確実に洗浄除去することができる。また、複数の洗浄方法を行っても洗浄工程に多大な設備費や占有スペースを費やすこともなく、合理的な装置とすることができる。
【0038】
また、前述の基本形態の装置の場合、水素水・オゾン水生成部11が設けられ、洗浄装置内にオゾン水生成装置28が一体に組み込まれているが、特にオゾン水の寿命は短いため、オゾン水の品質を維持した状態で洗浄に使用することができ、オゾン水超音波洗浄を有効に行うことができる。さらに、洗浄液再生部12が具備され、一旦使用した水素水やオゾン水等の洗浄液を回収し、再生して再利用することができるので、洗浄液の使用量を削減することができる。
【0039】
なお、前述の基本形態の構成において、ステージ3は基板Wを支持するのみの機能を持つものであったが、このステージを例えばスピンチャック等に置き換え、基板を保持するとともに回転可能な構成としてもよい。そして、洗浄中に基板を回転させるようにすれば、より均一な洗浄を行うことができるとともに、基板を移動させることなくスピン乾燥処理が可能となる。
【0040】
発明の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を図6を参照して説明する。本実施の形態の洗浄装置も、先の基本形態と同様、大型ガラス基板用枚葉洗浄装置である。本実施の形態の装置が先の基本形態の装置と異なる点は、洗浄用ノズルの構成と基板保持手段の構成のみであり、ローダ、アンローダ、搬送ロボット等の基板搬送系、洗浄液生成部、洗浄液再生部等、その他の構成は先の基本形態とほぼ同様である。よって、図6では洗浄部のみを図示し、他の部分は省略する。
【0041】
図6に示すように、洗浄部50の中央に基板Wを保持するスピンチャック51(基板保持回転手段)が回転可能に設けられている。スピンチャック51は、真空吸着、爪による機械的な固定等によってその上面に基板Wを保持するようになっている。また、スピンチャック51にはモータ等の駆動源(図示略)が接続されており、スピンチャック51の回転に伴って基板Wも回転する構成となっている。
【0042】
スピンチャック51の上方には、中心点から4本のノズルが放射状に延び、平面視X字状の洗浄用ノズル52が設けられている。各洗浄用ノズルは、各々が異なる洗浄方法により洗浄処理を行うものであり、一端側が支柱53に支持されるとともに他端側が互いに結合されている。本実施の形態の場合、これら4本の洗浄用ノズルは、図6において中心から右下に延びるノズル54が、紫外線ランプ58を備え紫外線照射による有機物の分解除去を行う紫外線洗浄用ノズル、中心から左下に延びるノズル55が、超音波素子59を備え水素水を供給しつつ超音波振動を付与して洗浄する水素水超音波洗浄用ノズル、中心から左上に延びるノズル56が、超音波素子59を備え純水を供給しつつ超音波振動を付与して洗浄する純水超音波洗浄用ノズル、中心から右上に延びるノズル57が純水リンス洗浄用ノズル、である。
【0043】
各洗浄用ノズルの形態は、第1の実施の形態と同様、図3で示したようなプッシュ・プル型ノズルである(図3(a)におけるいずれか一方の支柱19を削除してノズル同士を連結する構成とすればよい)。このノズルの採用により、洗浄効率を高めることができるとともに洗浄液の使用量を削減することができる。またこの場合、プッシュ・プル型ノズルの開口部24は、各ノズルの長手方向に少なくとも基板Wの対角線の半分の長さ以上に延びている。
【0044】
本実施の形態の場合、各洗浄用ノズルを独立して移動させる第1の形態の装置と異なり、X字状洗浄用ノズル52全体を基板Wの端から端を横断するように大きく移動させるのではなく、スピンチャック51により基板W側を回転させて基板Wの被洗浄面全域を洗浄する構成とした。ところが、この構成でもX字状洗浄用ノズル52の中心点近傍では基板Wの洗浄が困難になる。そこで、中心点近傍でも充分な洗浄が可能になる程度にX字状洗浄用ノズル52側も直交する2方向に若干水平移動させるようにした。この構成は、例えば4本の支柱53の下方にそれぞれ、第1の実施の形態のノズル移動手段として用いたラックベース16とスライダ18を直交方向に2段組み合わせたような移動機構(図示略、ノズル移動手段)を用いることにより実現することができる。
【0045】
また、支柱53にはシリンダ(図示略)が備えられ、支柱53の高さひいてはX字状洗浄用ノズル52と基板Wとの間隔が調整可能となっている。このようにして、X字状洗浄用ノズル52を基板Wとの間隔を一定に保ちながら二次元的に水平移動させるようにし、スピンチャック51による基板Wの回転と合わせて基板Wの被洗浄面全域を洗浄処理する構成とした。これにより、基板Wの中央付近でも4種類の洗浄方法による洗浄を行うことが充分可能になる。
【0046】
上記構成の本実施の形態の洗浄装置においては、各洗浄用ノズル54,55,56,57の一端側が支柱53により支持されているが、他端側はノズル同士が連結されているため、全体として見れば、やはり両持ち支持構造ということができる。この構成により、ノズルと基板Wとの距離を精度よく調整することができる。したがって、プッシュ・プル型ノズルの洗浄効率が良いという利点を充分に発揮させることができる、という第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0047】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記基本的な形態と実施の形態では、ともに洗浄用ノズルが4本のノズルからなる例を示したが、ノズルの本数に関しては4本に限ることは勿論なく、適宜変更してもよい。そして、各洗浄用ノズルの形態としてプッシュ・プル型ノズルの例を示したが、本発明の洗浄装置に適用し得るノズルはプッシュ・プル型ノズルに限ることはなく、図7に示したように、スリット状の開口部61を有し、この開口部61から洗浄液を流下させる形の従来一般のノズル60を採用してもかまわない。
【0048】
また、使用する洗浄液の例として、水素水、オゾン水の例を示したが、その他、水の電気分解時に陰極に発生する、いわゆるカソード水等を用いることもできる。その場合、洗浄液製造装置として電気分解装置を設けてもよい。洗浄液の再生手段としては、洗浄液中のパーティクルや異物を濾過するフィルタの他、洗浄液中の気体を除去するための脱気装置等を用いることもできる。その他、装置内に洗浄後に基板を乾燥する乾燥部を設けてもよい。乾燥の方法としては、スピン乾燥、IPA乾燥等が適用可能である。また、上記実施の形態では、洗浄装置単体として説明したが、例えば本発明の洗浄装置をウェットエッチング装置等と連設するととともに装置間に自動搬送機構を設け、ウェットエッチング・洗浄連続処理設備とすることなども可能である。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の洗浄装置の効果を検証する実験を行ったので、これについて説明する。
基本例1]
まず最初に、上記の基本形態で述べたプッシュ・プル型ノズル単体の洗浄効果を確認した。
上記基本形態の洗浄装置において、Xe−Xeエキシマランプの172nmの波長の光を発する紫外線ランプを備えたプッシュ・プル型構造の紫外線洗浄用ノズルを用いて基板の洗浄を行った。650mm×550mmの基板を用い、基板とノズルの間隔を1mmに設定し、紫外線ランプのエネルギーを10mW/cm2、紫外線の有効照射面積を650mm×150mm、ノズルの移動速度を15mm/秒とし、1回洗浄した。洗浄前の接触角40°の基板が、洗浄後に接触角4°以下となった。なお、接触角とは、基板上に水滴を付着させた時の基板表面と水滴表面の接線とがなす角度のことであり、盛り上がった水滴ができる程、すなわち接触角が大きい程、有機物等により基板が汚れていることを示し、水滴が平坦になる程、すなわち接触角が小さい程、基板が清浄であることを示す、いわば清浄度を表す指数である。
【0050】
基本例2]
次に、基本形態(平面視直線状のノズルを複数並列したタイプ)に相当する洗浄装置において、紫外線洗浄用ノズルと純水超音波洗浄用ノズルの2本のノズルを用いてその洗浄効果を測定した。2本のノズルはともにプッシュ・プル型のものを使用した。
【0051】
上記基本形態と同様、まず、Xe−Xeエキシマランプの172nmの波長の光を発する紫外線ランプを備えたプッシュ・プル型構造の紫外線洗浄用ノズルを用いて基板の洗浄を1回行った。基板のサイズを650mm×550mm、基板とノズルの間隔を1mm、紫外線ランプのエネルギーを10mW/cm2、有効照射面積を650mm×150mm、ノズルの移動速度を15mm/秒とすると、洗浄前の接触角40°の基板が洗浄後に接触角4°以下となった。
【0052】
次いで、同じ基板を超音波素子を備えたプッシュ・プル型構造の純水超音波洗浄用ノズルを用いて1回洗浄した。超音波素子は出力900W、1MHzの超音波を発振できるものを使用した。基板とノズルの間隔を3mm、純水の流量を4L/分、ノズルの移動速度を15mm/秒とすると、初期状態で635500個あった異物が42900個に低減し、その除去率は93.2%であった。
【0053】
なお、評価に用いた基板は、ガラス基板上にクロム膜を形成し、その上にアルミナ粒子を振りかけて強制的に汚染させた基板を使用した。そして、異物数の評価は、0.5μm以上の粒子の数を計測した。
【0054】
比較例として、図7に示した従来一般のノズルを用い、純水の流量を30L/分として同様の洗浄を行ったところ、異物の除去率は85.0%であった。この結果から、本発明の洗浄装置を用い、特に洗浄用ノズルにプッシュ・プル型のノズルを適用した場合、純水の流量が少ないにもかかわらず異物の除去率が向上し、洗浄効率の点で極めて優れていることがわかった。
【0055】
また、上記の実験で洗浄液に用いた純水に代えて、水素水(pH10、水素濃度1.3ppm、なお、pHの調整にはアンモニアを使用)して同様の洗浄を行ったところ、異物の除去率は99.9%に向上した。したがって、本発明の装置では純水でも充分な洗浄力が得られるが、洗浄液を水素水に代えると洗浄能力がまた一段と高くなることがわかった。
【0056】
[実施例]
次に、本発明の請求項(複数のノズルを一端で結合したタイプ)に相当する洗浄装置において、紫外線洗浄用ノズルと純水超音波洗浄用ノズルの2本のノズルを用いてその洗浄効果を測定した。2本のノズルはともにプッシュ・プル型のものを使用した。
【0057】
まず、Xe−Xeエキシマランプの172nmの波長の光を発する紫外線ランプを備えたプッシュ・プル型構造の紫外線洗浄用ノズルを用いて基板の洗浄を行った。基板のサイズを650mm×550mm、基板とノズルの間隔を1mm、紫外線ランプのエネルギーを10mW/cm2、有効照射面積を325mm×150mm、基板の回転速度を30rpmとし、30秒間紫外線洗浄を行ったところ、洗浄前の接触角40°の基板が洗浄後に接触角4°以下となった。
【0058】
次いで、同じ基板を超音波素子を備えたプッシュ・プル型構造の純水超音波洗浄用ノズルを用いて洗浄した。超音波素子は出力450W、1MHzの超音波を発振できるものを使用した。基板とノズルの間隔を3mm、純水の流量を4L/分、基板の回転速度を500rpmとし、30秒間洗浄を行ったところ、初期状態で651400個あった異物が21000個に低減し、その除去率は96.8%であった。
【0059】
比較例として、図7に示した従来一般のノズルを用い、純水の流量を18L/分として同様の洗浄を行ったところ、異物の除去率は87.5%であった。この結果は実施例2の結果と同様の傾向を示している。すなわち、本発明の洗浄装置を用い、特に洗浄用ノズルにプッシュ・プル型のノズルを適用した場合、純水の流量が少ないにもかかわらず異物の除去率が向上し、洗浄効率の点で極めて優れていることが実証された。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の洗浄装置によれば、複数の洗浄用ノズルが中心点側で連結され、周縁部側で支持された放射状の洗浄用ノズルの採用により、洗浄用ノズルが両持ち支持構造の形となり、ノズルと被処理基板との距離が常に均等になり、被処理基板の全面にわたって均一な洗浄を行うことができる。
本発明構成の洗浄装置において、各洗浄用ノズルが個々に独立して移動する洗浄装置と異なり、複数のノズルが互いに連結されているため、連結された洗浄用ノズル全体を基板の端から端を横断するように大きく移動させるのではなく、基板保持回転手段により基板側を回転させて被洗浄面全域を洗浄することができる。
なお、複数のノズルが連結された中心点近傍では基板の洗浄が困難になり、各洗浄用ノズルが異なる洗浄機能を有していても基板の中央付近ではこの機能が有効に作用しないことになるが、ノズル移動手段により放射状の洗浄用ノズルを被洗浄基板との間隔を一定に保ちながら二次元的に移動させるように構成し、基板保持回転手段による基板の回転と合わせて被洗浄基板の被洗浄面全域を洗浄処理する構成としたことにより、基板の中央部分でも複数種の洗浄方法による洗浄を行うことが可能になる。
本発明の清浄装置では、複数のノズルの各々が被洗浄基板を複数種の異なる洗浄方法により洗浄処理するため、本装置1台で種々の洗浄が行え、パーティクル、有機物等、種々の被除去物があっても、これらを確実に洗浄除去することができる。また、洗浄工程に多大な設備費や占有スペースを費やすこともなく、製造ライン等に用いて合理的な装置とすることができる。また、本発明の洗浄装置に省流体型ノズルを適用した場合、洗浄液の使用量を削減できると同時に基板の清浄度を著しく向上させることができる。特に、本発明の洗浄装置では、洗浄用ノズルが両持ち支持構造となっており、ノズルと基板との間隔を安定して維持できる構成となっているため、省流体型ノズルを適用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である洗浄装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】 同装置のステージの構成を示す図であり、(a)平面図、(b)(a)のII−II線に沿う縦断面図、である。
【図3】 同装置の洗浄用ノズルの構成を示す図であり、(a)平面図、(b)(a)のIII−III線に沿う一部を破断視した側面図、である。
【図4】 同装置のフィルタの構成を示す一部を破断視した側面図である。
【図5】 同装置の基板搬送用ロボットの動作を説明するための図であって、基板を支持したアームがステージ上に進入した状態を示す、(a)平面図、(b)(a)のV−V線に沿う縦断面図、である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態である洗浄装置の洗浄部の構成を示す平面図である。
【図7】 上記実施の形態の洗浄装置に適用可能な洗浄用ノズルの他の形態を示す斜視図である。
【図8】 複数の洗浄機能を備えた従来の洗浄装置の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置
2,50 洗浄部
3 ステージ(基板保持手段)
4,54 紫外線洗浄用ノズル
5,55 水素水超音波洗浄用ノズル
6 オゾン水超音波洗浄用ノズル
7,57 純水リンス洗浄用ノズル
11 水素水・オゾン水生成部(洗浄液製造手段)
12 洗浄液再生部(洗浄液再生手段)
16 ラックベース(ノズル移動手段)
18 スライダ(ノズル移動手段)
19 支柱(ノズル移動手段)
20 モータ(ノズル移動手段)
21 導入通路
22 排出通路
23 交差部
24 開口部
27 水素水生成装置(洗浄液製造手段)
28 オゾン水生成装置(洗浄液製造手段)
29 水素水供給配管(洗浄液供給手段)
30,32 送液ポンプ(洗浄液供給手段)
31 オゾン水供給配管(洗浄液供給手段)
33 水素水用フィルタ(洗浄液再生手段)
34 オゾン水用フィルタ(洗浄液再生手段)
35 水素水回収配管(洗浄液回収手段)
36,38 送液ポンプ(洗浄液回収手段)
37 オゾン水回収配管(洗浄液回収手段)
44 再生水素水供給配管(再生洗浄液供給手段)
45,47 送液ポンプ(再生洗浄液供給手段)
46 再生オゾン水供給配管(再生洗浄液供給手段)
51 スピンチャック(基板保持回転手段)
56 純水超音波洗浄用ノズル
60 ノズル

Claims (6)

  1. 中心点から放射状に延びる複数の洗浄用ノズルであって該複数のノズルの各々が前記被洗浄基板を複数種の異なる洗浄方法により洗浄処理するいずれかの機能をその長手方向に一様に有する洗浄用ノズルと、前記放射状配置の洗浄用ノズルの下方に配置され被洗浄基板を前記洗浄用ノズルの下方近傍に保持して回転させる基板保持回転手段と、前記放射状の洗浄用ノズルの外端部を支持してそれら洗浄用ノズルを一体的に前記被洗浄基板との間隔を一定に保ちながら二次元的に移動させ前記基板保持回転手段と協働して前記被洗浄基板の被洗浄面全域を洗浄処理するノズル移動手段とを有することを特徴とする洗浄装置。
  2. 上面に被洗浄基板を保持する基板保持手段としてのステージを備えた洗浄部が備えられ、該ステージに対して被洗浄基板を嵌め込み保持するための段部が前記ステージに形成され、前記ステージの下方に前記被洗浄基板を上下昇降させるための基板昇降用シャフトが設けられ、前記ステージの側方に前記ステージ上の被洗浄基板をステージ外に搬送する基板搬送用のアームが設けられてなることを特徴とする請求項に記載の洗浄装置。
  3. 前記洗浄用ノズルが、前記被洗浄基板に紫外線を照射する紫外線洗浄用ノズルと、前記被洗浄基板に超音波振動を付与する超音波洗浄用ノズルとを少なくとも有することを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。
  4. 前記洗浄用ノズルが、一端に洗浄液を導入するための導入口を有する導入通路と一端に洗浄後の洗浄液を外部へ排出するための排出口を有する排出通路とを形成し、これら導入通路と排出通路とをそれぞれの他端において交差させて交差部を形成するとともに該交差部に前記被洗浄基板に向けて開口する開口部を設けた省流体型ノズルであって、前記開口部が前記放射方向に延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄装置。
  5. 純水に水素ガスまたはオゾンガスを溶解させた洗浄液を製造する洗浄液製造手段と、前記洗浄液を前記洗浄用ノズルに供給する洗浄液供給手段とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄装置。
  6. 前記被洗浄基板を洗浄した後の使用済み洗浄液を回収する洗浄液回収手段と、該洗浄液回収手段を通して回収された洗浄液を再生する洗浄液再生手段と、該洗浄液再生手段で再生された洗浄液を前記洗浄用ノズルに供給する再生洗浄液供給手段とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄装置。
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