JP2003151947A - 表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents

表面処理装置および表面処理方法

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JP2003151947A
JP2003151947A JP2001343476A JP2001343476A JP2003151947A JP 2003151947 A JP2003151947 A JP 2003151947A JP 2001343476 A JP2001343476 A JP 2001343476A JP 2001343476 A JP2001343476 A JP 2001343476A JP 2003151947 A JP2003151947 A JP 2003151947A
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liquid
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cleaning liquid
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JP2001343476A
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Hirobumi Kasuga
博文 春日
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被処理板に対し処理液による処理と、洗浄と、
乾燥とを簡易な構成の一つの装置で行うことができる表
面処理装置および表面処理方法を提供すること。 【解決手段】本発明の表面処理装置1Aは、被処理板1
00の処理面101に移動体3の対向面31を近接させ
た状態で、それらの隙間10に処理液流出口62a〜6
2hより処理液Tを供給して処理し、次いで、洗浄液流
出口72より洗浄液Rを供給して洗浄処理し、次いで、
被処理板100が非水平の状態で、被処理板100の高
位側に形成された洗浄液RのメニスカスM付近に移動体
3に形成されたガス流出口(処理液流出口62a)より
界面活性ガスを供給しつつ、移動体3を被処理板100
の低位側の縁部102付近を回動中心30として回動さ
せることにより、メニスカスMを処理面101に沿って
回動中心30側に移動させ、これにより、処理面101
を乾燥処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理装置およ
び表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基板に付着した水を乾燥して除去する方
法として、水の表面張力によるメニスカスと溶剤ガス+
不活性ガスによるマランゴニ効果を利用して基板表面に
水滴痕を生じさせることなく乾燥させる基板の乾燥方法
が知られている(特開平10−321587号公報)。
【0003】この公報には、当該乾燥方法とともに、そ
れを実施するための乾燥装置(以下、従来の「乾燥装
置」と言う)が開示されているが、この従来の乾燥装置
には、次のような種々の欠点がある。
【0004】1. 従来の乾燥装置は、基板(被処理
板)に付着した水を乾燥するだけの機能を有し、その前
工程である例えば洗浄処理や、さらにその前工程である
例えばデポ膜塗布やエッチング処理については、別途用
意された塗布装置や洗浄槽などの洗浄装置や処理液槽な
どの処理装置を用いて行わねばならない。
【0005】従って、例えば基板の処理、洗浄および乾
燥を連続的に行うようなラインでは、処理装置と洗浄装
置と乾燥装置とを並設し、基板をそれぞれの装置間で移
動させて処理を行う必要があり、そのため、設備コスト
がかかるとともに広い設置スペースを要する。
【0006】特に、洗浄装置で洗浄した後の基板を乾燥
装置へ移行する際に、ゴミ(異物)が侵入して基板に付
着することを防止しなければならないため、洗浄装置か
ら乾燥装置への移送経路に防塵等の機能を持つ機構や手
段を設置しなければならない場合もある。
【0007】2. 基板の表面には、何らかの方法で水
が付着したものであるが、水の付着量は、人為的にコン
トロールされているものではないため、変動することが
想定される。
【0008】この場合、前述したように、水切りブロッ
ク間の間隙距離が固定されているため、基板の搬送速度
が速くなったり、基板の厚さが設計値のものよりも薄い
もの(基板表面と水切りブロックの内面との間に形成さ
れる水膜(以下単に「水膜」と言う)の厚さが厚くな
る)であったりした場合には、乾燥室(カバーで囲まれ
る混合ガス充填空間)内に流入する水の量が過剰となる
ことがある。この場合には、乾燥に長時間を要すること
となり、あるいはメニスカスが適正サイズを超えて増大
し、乾燥効率の低下や乾燥不良(水滴痕、その他パーテ
ィクルの残存等)を生じるおそれがある。
【0009】逆に、基板に付着する水の付着量が過小と
なった場合には、基板表面と水切りブロックの内面との
間に、毛細管現象により水が十分に拡散し充填されない
こととなり、やはり乾燥不良の原因となる。
【0010】3. 従来の乾燥装置では、水切りブロッ
ク間の間隙に進入する水に汚れ(異物等)が混入した
り、水切りブロック間の間隙に存在する水(すなわち前
記水膜)において汚れが発生した場合でも、その水を除
去または交換することができずに乾燥室に持ち込まれる
ので、このような水の汚れが原因で乾燥不良を生じるお
それがある。
【0011】4. 従来の乾燥装置は、基板が一対の水
切りブロック間の間隙を通過する構成となっているが、
水切りブロック間の間隙距離が固定されているため、基
板の厚さの変化に対応することができず、一定の厚さの
基板に対してしか乾燥を行うことができない。また、基
板にパターンがある場合には、ブロックと基板間の間隙
が変動するためメニスカスが変動し、毛細管現象が生じ
ない個所が発生し水滴残りを生じるおそれがある。
【0012】5. 従来の乾燥装置においては、基板の
両面が水で濡れており、基板の両面を同時に乾燥する構
成となっている。従って、基板の片面のみを乾燥したい
場合には、対応が困難である。特に、基板の水で塗れた
片面は乾燥し、もう一方の面は水で濡らしたくない場合
には、対応できない。また、片面のみ処理液による処理
を行いたい場合にも対応ができない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被処
理板に対し、処理液による処理と、洗浄と、乾燥とを簡
易な構成の一つの装置で行うことができる表面処理装置
および表面処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(29)の本発明により達成される。
【0015】(1) 被処理板を支持する装置本体と、
前記装置本体に支持された前記被処理板の表面に近接し
て位置し得る近接体と、前記近接体と前記被処理板とを
相対的に移動させる駆動手段と、前記近接体に形成され
た処理液流出口より前記表面と前記近接体との隙間に前
記表面を処理する少なくとも1種の処理液を供給する処
理液供給手段と、前記近接体に形成された洗浄液流出口
より前記表面と前記近接体との隙間に洗浄液を供給する
洗浄液供給手段と、前記表面と前記近接体との隙間に供
給された洗浄液のメニスカス付近に、前記近接体に形成
されたガス流出口より界面活性剤を含む界面活性ガスを
供給する界面活性ガス供給手段とを備え、前記被処理板
の表面に前記近接体を近接させた状態で、前記表面と前
記近接体との隙間に前記処理液流出口より前記処理液を
供給して前記表面の処理を行い、次いで、前記表面と前
記近接体との隙間に前記洗浄液流出口より洗浄液を供給
して前記表面を洗浄処理し、前記洗浄液のメニスカス付
近に前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつ
つ、前記駆動手段によって前記近接体と前記被処理板と
を相対的に移動することにより、前記メニスカスを前記
表面に沿って移動させ、これにより、前記被処理板の表
面を乾燥処理するよう作動することを特徴とする表面処
理装置。
【0016】(2) 前記被処理板を搬送する搬送手段
を有する上記(1)に記載の表面処理装置。
【0017】(3) 前記被処理板の搬送停止位置を位
置決めする位置決め手段を有する上記(2)に記載の表
面処理装置。
【0018】(4) 前記被処理板の表面と前記近接体
との隙間に供給された処理液および/または洗浄液を除
去する除去手段を有する上記(1)ないし(3)のいず
れかに記載の表面処理装置。
【0019】(5) 前記除去手段は、前記被処理板の
表面と前記近接体との隙間に送気する送気手段で構成さ
れており、この送気により前記処理液または前記洗浄液
を前記隙間から押し出して除去する上記(4)に記載の
表面処理装置。
【0020】(6) 前記除去手段は、前記近接体に形
成された液流入口より前記処理液または前記洗浄液を吸
入して排出する排液手段で構成されている上記(4)に
記載の表面処理装置。
【0021】(7) 前記除去手段により処理液または
洗浄液を除去した後、前記処理液供給手段または前記洗
浄液供給手段により処理液または洗浄液を供給すること
により、前記被処理板の表面と前記近接体との隙間の処
理液または洗浄液を交換可能とする上記(4)ないし
(6)のいずれかに記載の表面処理装置。
【0022】(8) 前記除去手段により処理液または
洗浄液を除去するとともに、前記処理液供給手段または
前記洗浄液供給手段により処理液または洗浄液を供給す
ることにより、前記被処理板の表面と前記近接体との隙
間の処理液または洗浄液を交換しつつ前記表面を処理ま
たは洗浄処理可能とする上記(4)ないし(7)のいず
れかに記載の表面処理装置。
【0023】(9) 前記処理液流出口および/または
前記洗浄液流出口は、1または2列以上に配置された複
数の小孔で構成されている上記(1)ないし(8)のい
ずれかに記載の表面処理装置。
【0024】(10) 前記近接体は、前記被処理板の
表面に対向して位置し得る対向面を有しており、前記乾
燥処理は、前記被処理板が非水平の状態で、前記被処理
板の高位側に形成された前記洗浄液のメニスカス付近に
前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつつ、前
記駆動手段によって、前記対向面を前記被処理板の低位
側の縁部付近を回動中心として相対的に回動させること
により、前記メニスカスを前記表面に沿って前記回動中
心側に移動させて行うものである上記(1)ないし
(9)のいずれかに記載の表面処理装置。
【0025】(11) 前記被処理板を傾斜させて非水
平状態とする被処理板傾斜手段を有する上記(10)に
記載の表面処理装置。
【0026】(12) 前記近接体は、ほぼ板状をなし
ている上記(10)または(11)に記載の表面処理装
置。
【0027】(13) 前記被処理板の大きさと前記対
向面の大きさとがほぼ同じである上記(10)ないし
(12)のいずれかに記載の表面処理装置。
【0028】(14) 前記駆動手段により、前記被処
理板の表面に沿って前記対向面を相対的に揺動させつつ
前記被処理板の表面を前記処理液により処理可能である
上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の表面処
理装置。
【0029】(15) 前記近接体は、前記駆動手段に
より、前記被処理板に沿って相対的に走査可能になって
おり、前記乾燥処理は、前記被処理板に対する前記近接
体の走査方向後方側に形成された前記洗浄液のメニスカ
ス付近に前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給し
つつ、前記駆動手段によって前記近接体を前記被処理板
に沿って相対的に走査することにより、前記メニスカス
を前記表面に沿って移動させて行うものである上記
(1)ないし(9)のいずれかに記載の表面処理装置。
【0030】(16) 前記駆動手段により、前記近接
体を前記被処理板に沿って相対的に走査しつつ、前記処
理液による処理または前記洗浄処理を行う上記(15)
に記載の表面処理装置。
【0031】(17) 前記ガス流出口より供給された
界面活性ガスを前記近接体に形成されたガス流入口より
吸入して排出する排気手段を有する上記(15)または
(16)に記載の表面処理装置。
【0032】(18) 被処理板に対し相対的に移動可
能な近接体と、前記被処理板の表面とを近接させた状態
で、前記近接体に形成された処理液流出口より前記表面
と前記近接体との隙間に前記表面を処理する少なくとも
1種の処理液を供給して前記表面を処理し、次いで、前
記近接体に形成された洗浄液流出口より前記表面と前記
近接体との隙間に洗浄液を供給して前記表面を洗浄処理
し、前記近接体に形成されたガス流出口より前記洗浄液
のメニスカス付近に前記界面活性ガスを供給しつつ、前
記近接体と前記被処理板とを相対的に移動することによ
り、前記メニスカスを前記表面に沿って移動させ、これ
により、前記被処理板の表面を乾燥処理することを特徴
とする表面処理方法。
【0033】(19) 前記被処理板の表面と前記近接
体との隙間に供給された処理液または洗浄液を除去した
後、前記処理液流出口または前記洗浄液流出口より処理
液または洗浄液を供給することにより、処理液または洗
浄液を交換して前記処理または前記洗浄処理を行う上記
(18)に記載の表面処理方法。
【0034】(20) 前記処理液による処理または前
記洗浄処理は、前記被処理板の表面と前記近接体との隙
間の処理液または洗浄液を除去するとともに前記処理液
流出口または前記洗浄液流出口より処理液または洗浄液
を供給することにより、処理液または洗浄液を交換しつ
つ行う上記(18)に記載の表面処理方法。
【0035】(21) 前記近接体は、前記被処理板の
表面に対向して位置し得る対向面を有しており、前記乾
燥処理は、前記被処理板が非水平の状態で、前記被処理
板の高位側に形成された前記洗浄液のメニスカス付近に
前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつつ、前
記対向面を前記被処理板の低位側の縁部付近を回動中心
として相対的に回動させることにより、前記メニスカス
を前記表面に沿って前記回動中心側に移動させて行う上
記(18)ないし(20)のいずれかに記載の表面処理
方法。
【0036】(22) 前記被処理板の表面に沿って前
記対向面を相対的に揺動させつつ前記処理液による処理
を行う上記(21)に記載の表面処理方法。
【0037】(23) 前記移動体は、ほぼ板状をなし
ている上記(21)または(22)に記載の表面処理方
法。
【0038】(24) 前記被処理板の大きさと前記対
向面の大きさとがほぼ同じである上記(21)ないし
(23)のいずれかに記載の表面処理方法。
【0039】(25) 前記近接体は、前記被処理板に
沿って相対的に走査可能になっており、前記乾燥処理
は、前記被処理板に対する前記近接体の走査方向後方側
に形成された前記洗浄液のメニスカス付近に前記ガス流
出口より前記界面活性ガスを供給しつつ、前記近接体を
前記被処理板に沿って相対的に走査することにより、前
記メニスカスを前記被処理板の表面に沿って移動させて
行う上記(18)ないし(20)のいずれかに記載の表
面処理方法。
【0040】(26) 前記近接体を前記被処理板に沿
って相対的に走査しつつ、前記処理液による処理または
前記洗浄処理を行う上記(25)に記載の表面処理方
法。
【0041】(27) 前記乾燥処理は、前記ガス流出
口より供給された界面活性ガスを前記近接体に形成され
たガス流入口より吸入して排出しつつ行う上記(25)
または(26)に記載の表面処理方法。
【0042】(28) 前記処理液は、オゾン水または
希弗酸である上記(18)ないし(27)のいずれかに
記載の表面処理方法。
【0043】(29) 前記洗浄液は、純水またはオゾ
ン水である上記(18)ないし(28)のいずれかに記
載の表面処理方法。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面処理装置およ
び表面処理方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づ
いて詳細に説明する。
【0045】<第1実施形態>図1は、本発明の表面処
理装置の第1実施形態を模式的に示す図(ブロック
図)、図2は、図1に示す表面処理装置における移動体
の底面図、図3は、図1に示す表面処理装置において、
移動体を回動させる様子を示す部分断面側面図、図4
は、図3中の洗浄液のメニスカス付近を拡大して示す部
分断面側面図である。
【0046】図1および図2に示す表面処理装置1A
は、被処理板100の表面(処理面101)に対し、処
理液Tによる処理と、洗浄液Rによる洗浄処理と、乾燥
処理とを行う(施す)装置である。
【0047】この表面処理装置1Aは、被処理板100
を支持する装置本体11と、被処理板100の処理面1
01に対向して位置し得る対向面31を有する移動体
(近接体)3と、移動体(近接体)3を装置本体11に
対し移動する(変位させる)駆動手段5と、処理面10
1と対向面31との隙間10に処理液Tを供給する処理
液供給手段6と、隙間10に洗浄液Rを供給する洗浄液
供給手段7と、隙間10に界面活性ガスを供給する界面
活性ガス供給手段8と、被処理板100を搬送する搬送
手段12と、被処理板100の搬送停止位置を位置決め
する位置決め手段13と、被処理板100を傾斜させて
非水平状態とする被処理板傾斜手段14と、隙間10に
送気する送気手段15とを備えている。
【0048】本実施形態では、長方形の平板状をなす被
処理板100を対象とする場合について説明する。
【0049】本発明における被処理板100の種類、材
質等は、特に限定されず、例えば、半導体基板、LCD
(液晶表示画面)基板等の基板、水晶板、ガラス板、ス
テンレス鋼板等の金属板等が挙げられる。また、被処理
板100の形状も、長方形に限らず、例えば円形、楕円
形等であってもよく、大きさについても、いかなる大き
さのものにも適用することができる。すなわち、本発明
は、いかなる板物(板状部材)に対する処理にも適用す
ることができる。
【0050】装置本体11は、被処理板100をほぼ水
平な状態、または、後述する被処理板傾斜手段14によ
り傾斜させた状態で支持することができる。表面処理装
置1Aは、装置本体11に支持された被処理板100の
上側の表面である処理面101に対し、後述するような
処理を行う。
【0051】装置本体11には、被処理板100を搬送
する搬送手段12が設置されている。搬送手段12は、
複数のローラ121を有しており、これらのローラ12
1の上に載置された被処理板100をほぼ水平状態で図
中の右側から左側に向かって搬送する。
【0052】被処理板100は、この搬送手段12によ
り、1枚ずつ、図中の右側に位置する図示しない前工程
から表面処理装置1Aに搬入され、表面処理装置1Aで
の処理を終えた後、図中の左側に位置する図示しない後
工程へと搬出される。
【0053】装置本体11には、搬送手段12により搬
入された被処理板100の搬送停止位置を位置決めする
位置決め手段13が設けられている。この位置決め手段
13は、ストッパ131を有しており、このストッパ1
31は、被処理板100の搬送経路上に突出した状態
(図1に示す状態)と、搬送経路から退避した状態(図
示せず)とに変位可能になっている。
【0054】ストッパ131を昇降(変位)させる機構
としては、例えば、ラックギアとピニオンギアとこのピ
ニオンギアを回転するモータとを有する機構で構成す
る。なお、本実施形態では、前記機構を複数配置するこ
とで実現している。
【0055】搬送手段12より表面処理装置1Aに搬入
された被処理板100は、図中の左側の縁部102が突
出状態にあるストッパ131に当接することにより、装
置本体11に対し停止する。この搬送停止状態で、表面
処理装置1Aによる処理が行われる。
【0056】被処理板100に対する処理が終了する
と、位置決め手段13は、ストッパ131を退避状態と
し、被処理板100に対する位置決め状態(停止状態)
を解除する。これにより、処理の終了した被処理板10
0は、搬送手段12により、後工程へ搬出される。次い
で、位置決め手段13は、ストッパ131を突出状態と
し、搬送手段12は、次の被処理板100を前記搬送停
止位置に搬入する。そして、表面処理装置1Aは、この
被処理板100に対し、処理を行う。
【0057】このように、表面処理装置1Aは、枚葉処
理型の装置であり、被処理板100を一枚ずつ処理す
る。
【0058】装置本体11には、さらに、被処理板傾斜
手段14が設置されている。被処理板傾斜手段14は、
被処理板100の搬送経路上に突出した状態(図3に示
す状態)と、搬送経路から退避した状態(図1に示す状
態)とに変位可能なピン141を有している。このピン
141の上端は、搬送停止位置にある被処理板100に
おける図中の右端部下面に当接し得るようになってい
る。
【0059】ピン141を昇降(変位)させる機構とし
ては、例えば、ラックギアとピニオンギアとこのピニオ
ンギアを回転するモータとを有する機構で構成する。な
お、本実施形態では、前記機構を複数配置することで実
現している。
【0060】図3に示すように、被処理板傾斜手段14
がピン141を突出させると、被処理板100は、図中
の右端側が持ち上げられて傾斜し、非水平の状態にな
る。
【0061】このように、装置本体11は、被処理板1
00を水平状態と非水平状態との両方の状態で支持する
ことができる。
【0062】なお、ピン141の突出量を調整すること
により、水平面に対する被処理板100の傾斜角度α
(図3参照)を調整(変更)することもできる。
【0063】後述するように、本実施形態では、被処理
板100が非水平の状態で処理面101の乾燥処理を行
うが、被処理板傾斜手段14が設けられていることによ
り、前記のように被処理板100を水平状態で搬入、搬
出することができる。よって、被処理板100を非水平
状態(傾斜した状態)のまま搬送するような場合と比べ
て、被処理板100の搬送の効率を向上することができ
る。また、被処理板100が水平の状態で、後述する処
理液Tよる処理や洗浄液Rによる洗浄処理を行うことに
より、処理面101の全体を均一かつ確実に処理するこ
とができる。
【0064】なお、搬送手段12および位置決め手段1
3は、それぞれ、図示のような構成に限らず、同様の機
能を発揮し得るものであればいかなる構成のものでもよ
い。また、被処理板傾斜手段14は、被処理板100に
そり等の変形を生じさせることなく被処理板100を傾
斜させることができるものであれば、図示のような構成
に限らず、いかなる構成のものでもよい。
【0065】図2に示すように、移動体(近接体)3
は、ほぼ長方形の板状(平板状)をなしている。図1に
示すように、移動体(近接体)3の下側の面である対向
面31は、被処理板100の処理面101に(ほぼ平行
に)対向し、かつ近接して位置し得るようになってい
る。
【0066】表面処理装置1Aは、対向面31を処理面
101にほぼ平行に近接させた状態で、対向面31と処
理面101との間に形成された隙間10に処理液Tや洗
浄液Rを供給し、処理液Tによる処理や洗浄処理を行
う。この処理を行う際の処理面101と対向面31との
間隔(隙間10の間隙距離)は、処理液Tや洗浄液Rが
隙間10に十分に行き渡るとともに、処理液Tや洗浄液
Rが表面張力により隙間10に滞留し得るような大きさ
とされ、1〜5mm程度であるのが好ましい。
【0067】本発明では、このように隙間10に処理液
Tや洗浄液Rを供給して処理を行うことにより、処理液
Tや洗浄液Rを貯留した槽に被処理板100を浸漬して
処理するような場合と比べ、処理液Tや洗浄液Rの使用
量を大幅に低減することができる。
【0068】本実施形態では、対向面31の大きさは、
被処理板100の大きさとほぼ同じかまたはやや大きく
なっている。
【0069】このような移動体(近接体)3は、装置本
体11に対し移動(変位)可能に設けられており、駆動
手段5によって駆動(移動)される。駆動手段5は、少
なくとも移動体(近接体)3を回動中心30を中心とし
て回動させることができるようになっている(図3参
照)。駆動手段5は、これ以外にも、移動体(近接体)
3を後述するような方向に移動可能になっている。この
駆動手段5としては、例えばサーボモータ、流体圧シリ
ンダ、送りネジ、カム機構、歯車機構、リンク機構等を
適宜組み合わせて用いた公知の各種の駆動機構を利用す
ることができる。
【0070】隙間10に処理液Tを供給する処理液供給
手段6は、処理液Tを貯留する処理液タンク61と、移
動体(近接体)3に形成された処理液流出口62a〜6
2hと、処理液タンク61から延びる供給ライン(流
路)63と、供給ライン63の途中に設置されたポンプ
64と、供給ライン63から8本に分岐し、処理液流出
口62a〜62hにそれぞれ接続される分岐ライン(流
路)66a〜66hとで構成されている。
【0071】処理液Tは、処理面101に対し、各種の
処理を行うものであり、ポンプ64の作動により、処理
液タンク61から供給ライン63および分岐ライン66
a〜66hを通って処理液流出口62a〜62hから流
出し、隙間10に供給される。
【0072】処理液Tによる処理としては、いかなる処
理でもよく、例えば、レジスト等を塗布する(レジス
ト)塗布処理、レジスト等を剥離する剥離処理、エッチ
ング処理、洗浄処理、マスキング被膜等の除去処理、メ
ッキ処理等が挙げられる。
【0073】レジストの剥離処理を行う場合の処理液T
としては、オゾン水(オゾン水溶液)または希弗酸であ
るのが好ましい。これにより、レジスト残渣、ポリマー
等を除去する効果をより高めることができる。
【0074】処理液Tとしてオゾン水を用いる場合、そ
の濃度は、特に限定されないが、30〜100ppm程
度の比較的高濃度のものであるのが好ましい。
【0075】処理液Tとして希弗酸を用いる場合、その
濃度は、特に限定されないが、1ppm〜50000p
pm程度であるのが好ましい。
【0076】図2に示すように、処理液流出口62a〜
62hは、対向面31に開口する複数の小孔(オリフィ
ス)で構成されており、これらの小孔は、複数列(図示
の構成では8列)に配置されている。換言すれば、処理
液流出口62a〜62hは、行列状(マトリックス状)
に配置されている。これにより、処理面101の全体に
処理液Tをまんべんなく行き渡らせることができる。
【0077】ここでは、説明の便宜上、処理液流出口6
2a〜62hのうち、図2中の上下方向(図1の紙面に
垂直な方向)に並ぶものを「列」と呼び、符号中のa〜
hの文字により各列を区別する。すなわち、図中一番右
側の列を構成するものを処理液流出口62aとし、図中
その左側の7列を構成するものを順にそれぞれ処理液流
出口62b〜62hとする。
【0078】なお、処理液流出口62a〜62hの数
(行の数、列の数)は、図示の構成に限らず、被処理板
100の大きさや処理液Tの粘度等に合わせて適宜設定
される。
【0079】処理液流出口62a〜62hを形成する小
孔は、それぞれ、移動体(近接体)3の上面32まで貫
通して形成されている。そして、移動体(近接体)3の
上面32には、処理液流出口62a〜62hの各列ごと
に、流路を形成する細長いケーシング65a〜65hが
それぞれ固着されている。これにより、処理液流出口6
2a〜62hへの流路は、各列ごとに、それぞれ、ケー
シング65a〜65h内において互いに連通している。
【0080】供給ライン63から分岐した分岐ライン6
6a〜66hは、それぞれ、ケーシング65a〜65h
に接続されている。このような構成により、処理液タン
ク61と処理液流出口62a〜62hとが接続されてい
る。
【0081】なお、本実施形態では、処理液流出口62
a〜62hは、行列状に複数設けられているが、本発明
では、少なくとも1つの処理液流出口があればよい。
【0082】また、処理液供給手段6は、複数の処理液
タンク61が設けられ、複数種の処理液T(例えば、オ
ゾン水とSC1(アンモニア水+過水)、または、オゾ
ン水と希弗酸)をそれぞれ供給可能なものであってもよ
い。すなわち、処理液供給手段6は、処理面101に対
し複数種の処理を行うものであってもよい。
【0083】隙間10に洗浄液(すすぎ液)Rを供給す
る洗浄液供給手段7は、洗浄液Rを貯留する洗浄液タン
ク71と、移動体(近接体)3に形成された洗浄液流出
口72と、洗浄液タンク71と切替えバルブ70とを接
続する供給ライン(流路)73と、供給ライン73の途
中に設置されたポンプ74と、切替えバルブ70と洗浄
液流出口72とを接続する供給ライン(流路)75とで
構成されている。
【0084】洗浄液Rは、処理面101の洗浄処理(す
すぎ処理)を行うものであり、切替えバルブ70が後述
する第1の状態のとき、ポンプ74の作動により、洗浄
液タンク71から供給ライン73および75を通って洗
浄液流出口72から流出し、隙間10に供給される。
【0085】洗浄液Rとしては、洗浄処理を行うもので
あれば特に限定されないが、純水またはオゾン水である
のが好ましい。これにより、洗浄効果をさらに向上する
ことができる。
【0086】洗浄液Rとして純水を用いる場合には、例
えば、蒸留水、イオン交換水、超純水、RO水等を用い
ることができる。
【0087】また、洗浄液Rとしてオゾン水を用いる場
合、その濃度は、特に限定されないが、1〜30ppm
程度の比較的低濃度のもの(前記処理液Tとして用いる
オゾン水よりも濃度の低いもの)であるのが好ましい。
【0088】図2に示すように、洗浄液流出口72は、
対向面31のほぼ中央部に開口する1つの小孔で構成さ
れている。この小孔は、移動体(近接体)3の上面32
まで貫通して形成されており、その上面32への開口部
には、ケーシング76が固着されている。そして、この
ケーシング76に供給ライン75が接続されている。
【0089】本実施形態では、処理液流出口62a〜6
2hと洗浄液流出口72とが別個に設けられているが、
処理液Tと洗浄液Rとが同じ流出口から流出するような
構成であってもよい。すなわち、処理液Tの供給ライン
と、洗浄液Rの供給ラインとを共有(共用)するような
ものであってもよい。
【0090】また、図示の構成では、処理液流出口62
a〜62hおよび洗浄液流出口72の形状は、円形にな
っているが、これに限らず、例えば楕円形、長方形等で
あってもよい。
【0091】隙間10に界面活性ガスを供給する界面活
性ガス供給手段8は、界面活性ガスを貯留する界面活性
ガスタンク81と、界面活性ガスタンク81から延びる
供給ライン(流路)82と、供給ライン82の途中に設
けられたポンプ83とを有している。
【0092】界面活性ガスは、界面活性剤を含むガスで
あり、洗浄液Rに溶解する(吸収される)と、洗浄液R
の表面張力を小さくする性質を有するものである。
【0093】この界面活性ガスに含まれる界面活性剤と
しては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、
メチルアルコール、エチルアルコール等の各種アルコー
ル類等を用いることができる。
【0094】界面活性ガスは、このような界面活性剤の
ガスそのものであってもよいが、例えば窒素(N)ガ
ス等の不活性ガス(反応性に乏しいガス)に、界面活性
剤のガスを0.1〜10%程度混合したものであるのが
好ましい。このように希釈されたものであっても、本発
明における界面活性ガスとしての機能を十分に発揮する
ことができるため、揮発性有機化合物(VOC)の放出
量(使用量)をより低減する観点で好ましいからであ
る。
【0095】前記処理液供給手段6の分岐ライン66a
の途中には、切替えバルブ80が設けられており、供給
ライン82は、この切替えバルブ80に接続されてい
る。
【0096】切替えバルブ80は、分岐ライン66aに
おける切替えバルブ80より上流側661aと下流側6
62aとを連通し、供給ライン82を閉塞(遮断)する
第1の状態と、供給ライン82と下流側662aとを連
通し、上流側661aを閉塞(遮断)する第2の状態と
に切り換えることができるようになっている。
【0097】界面活性ガスは、切替えバルブ80が前記
第2の状態のとき、ポンプ83の作動により、界面活性
ガスタンク81から供給ライン82と分岐ライン66a
の下流側662aとを通って、処理液流出口62aから
流出し、隙間10に供給される。
【0098】このように、本実施形態では、処理液流出
口62aと分岐ライン66aの下流側662aとを、処
理液供給手段6と界面活性ガス供給手段8とが共有(共
用)するものとなっている。すなわち、処理液流出口6
2aは、界面活性ガスが流出するガス流出口ともなるも
のである。
【0099】本実施形態では、このように処理液Tの供
給ラインと界面活性ガスの供給ラインにおいて流路の一
部を共有(共用)することにより、装置の構成のさらな
る簡素化、小型化を図ることができる。
【0100】隙間10に送気する送気手段15は、例え
ば窒素(N)ガス等の不活性ガス(反応性に乏しいガ
ス)を貯留する不活性ガスタンク151と、不活性ガス
タンク151から延びる供給ライン152と、供給ライ
ン152の途中に設けられたポンプ153とを有してい
る。
【0101】供給ライン152は、前記切替えバルブ7
0に接続されている。切替えバルブ70は、洗浄液供給
手段7の供給ライン73と供給ライン75とを連通し、
供給ライン152を閉塞(遮断)する第1の状態と、供
給ライン152と供給ライン75とを連通し、供給ライ
ン73を閉塞(遮断)する第2の状態とに切り換えるこ
とができるようになっている。
【0102】切替えバルブ70が前記第2の状態のと
き、送気手段15のポンプ153が作動すると、不活性
ガスタンク151から不活性ガスが供給ライン152と
供給ライン75とを通って、洗浄液流出口72から流出
する。このようにして隙間10に送気することにより、
隙間10に供給された処理液Tまたは洗浄液Rを押し出
して(吹き飛ばして)、除去することができる。すなわ
ち、送気手段15は、隙間10に供給された処理液Tや
洗浄液Rを除去する除去手段となるものである。
【0103】このような除去手段としての送気手段15
によって隙間10の処理液Tまたは洗浄液Rを除去した
後、処理液供給手段6または洗浄液供給手段7によって
再度処理液Tまたは洗浄液Rを供給することにより、隙
間10の処理液Tまたは洗浄液Rを迅速に、かつ、液残
りなく交換することができる。また、処理液Tの種類を
切り替えて次の処理を行うときや、処理液Tの処理を終
えて洗浄液Rを供給する際にも、同様に、迅速かつ液残
りなく液を入れ換えることができる。
【0104】このように、本実施形態では、処理液流出
口62aと分岐ライン66aの下流側662aとを、処
理液供給手段6と界面活性ガス供給手段8とが共有(共
用)するものとなっている。すなわち、処理液流出口6
2aは、界面活性ガスが流出するガス流出口ともなるも
のである。
【0105】本実施形態では、このように処理液Tの供
給ラインと界面活性ガスの供給ラインにおいて流路の一
部を共有(共用)することにより、装置の構成のさらな
る簡素化、小型化を図ることができる。
【0106】駆動手段5、処理液供給手段6のポンプ6
4、洗浄液供給手段7のポンプ74、界面活性ガス供給
手段8のポンプ84、搬送手段12、位置決め手段1
3、被処理板傾斜手段14、送気手段15、切替えバル
ブ70および切替えバルブ80は、それぞれ、制御手段
50に対し電気的に接続されており、この制御手段50
からの信号(制御信号)に基づいて作動する。
【0107】このような表面処理装置1Aには、隙間1
0から流出した(こぼれた)処理液Tや洗浄液Rを除去
または回収する回収手段が設けられていてもよい。この
回収手段としては、例えば、処理液Tや洗浄液Rを受け
る受け皿(液溜め)や、処理液Tや洗浄液Rを吸収する
吸収材のようなものが挙げられる。
【0108】また、表面処理装置1Aでは、搬送手段1
2、位置決め手段13および被処理板傾斜手段14は、
それぞれ、なくてもよい。
【0109】次に、表面処理装置1Aを用いた本発明の
表面処理方法の第1実施形態(表面処理装置1Aの作
用)について説明する。
【0110】[1] 駆動手段5により移動体(近接
体)3を上側に退避させた状態で、搬送手段12により
被処理板100を搬入する。被処理板100は、ストッ
パ131により所定位置に位置決めされて停止する。
【0111】[2] 次いで、駆動手段5により移動体
(近接体)3を下降させ、対向面31を処理面101に
近接させる。このとき、対向面31が処理面101にほ
ぼ平行になるようにし、対向面31と処理面101との
間隙距離は、前述したような大きさになるようにする。
【0112】本実施形態では、このときの移動体(近接
体)3の下降停止位置を調整することにより、対向面3
1と処理面101との間隙距離を調整することができ
る。この隙間10の間隙距離の調整により、処理面10
1に対する処理液Tや洗浄液Rの付着量をコントロール
することができる。また、被処理板100の板厚が異な
るものにも対応することができる。
【0113】なお、表面処理装置1Aは、搬入された被
処理板100の処理面101の位置をセンサにより検出
し、対向面31と処理面101との間隙距離を設定した
値に自動的に調整するような構成になっていてもよい。
これにより、複数の被処理板100に対し連続して処理
を行う際、板厚が途中から変わるような場合にも対応す
ることができる。
【0114】また、前記[1]と異なり、移動体(近接
体)3が所定の下降停止位置にある状態で、被処理板1
00を搬入することとしてもよい。
【0115】[3] 次いで、切替えバルブ80を分岐
ライン66aの上流側661aと下流側662aとを連
通する状態として、ポンプ64を作動する。これによ
り、処理面101と対向面31との隙間10に処理液流
出口62a〜62hより処理液Tが供給される。隙間1
0が処理液Tで充填されたら、ポンプ64を停止する。
このようにして、処理面101に対し、処理液Tによる
所定の処理を行う。
【0116】処理液Tによる処理を行う間、駆動手段5
により移動体(近接体)3(対向面31)を処理面10
1に沿って(処理面101にほぼ平行な方向に)揺動
(振動)させてもよい。これにより、隙間10の処理液
Tに微小な流れが生じて攪拌され、よって、より確実な
処理がなされ、処理効率の向上が図れる。
【0117】この場合の移動体(近接体)3の揺動の方
向は、被処理板100に対し、図2中の左右方向でも上
下方向でもよく、また、回動する方向でもよい。
【0118】また、隙間10が処理液Tで充填された後
もポンプ64を作動したまま処理を行ってもよい。これ
により、新しい処理液Tが供給され続けた状態で処理を
行うことができるので、隙間10の処理液Tを変質、劣
化、汚れ等のない新鮮な状態に保つことができ、よっ
て、処理効率のさらなる向上が図れる。
【0119】また、送気手段15を作動して隙間10に
送気し、隙間10の処理液Tを全部除去した後、処理液
供給手段6によって再度処理液Tを隙間10に充填する
ことにより、隙間10の処理液Tを全部交換して処理を
続行してもよい。これにより、処理効率のさらなる向上
が図れる。この処理液Tの交換は、必要に応じ複数回行
ってもよい。
【0120】[4] 複数種の処理液Tによる処理を行
う場合(処理液供給手段6が複数種の処理液Tを供給可
能なものである場合)には、処理液Tを異種のものに切
り替えて前記[3]と同様の工程を行う。これにより、
複数種の処理を行うことができる。
【0121】[5] 次いで、送気手段15を作動して
隙間10に送気し、隙間10の処理液Tを除去する。な
お、この工程は、省略してもよい。
【0122】[6] 次いで、切替えバルブ70を供給
ライン73と供給ライン75とを連通する状態として、
ポンプ74を作動する。これにより、隙間10に洗浄液
流出口72より洗浄液Rが供給される。隙間10が洗浄
液Rで充填されたら、ポンプ64を停止する。このよう
にして、処理面101に対し洗浄処理(すすぎ処理)を
行う。
【0123】隙間10が洗浄液Rで充填された後もポン
プ64の作動を続け、隙間10に洗浄液Rを流しながら
(供給し続けながら)洗浄処理を行ってもよい。これに
より、洗浄効率(洗浄効果)の向上が図れる。
【0124】また、一旦ポンプ64の作動を停止し、送
気手段15を作動して隙間10に送気して隙間10の処
理液Tを全部除去した後、再度洗浄液流出口72より洗
浄液Rを隙間10に充填することにより、隙間10の洗
浄液Rを全部交換して洗浄処理を続行してもよい。これ
により、洗浄効率のさらなる向上が図れ、処理面101
をより清浄に洗浄することができ、よって、乾燥後の処
理面101の清浄度合いをより向上することができる。
この洗浄液Rの交換は、必要に応じ複数回行ってもよ
い。
【0125】また、さらに洗浄効果を高める方法とし
て、移動体(近接体)3に超音波付与手段(図示せず)
を設置し、超音波洗浄を併用してもよい。
【0126】[7] 次いで、図3に示すように、被処
理板傾斜手段14のピン141を突出させることによ
り、被処理板100を傾斜させ、非水平状態とする。
【0127】このとき、被処理板100を傾斜させるの
と同時に、駆動手段5によって移動体(近接体)3を同
方向に傾斜させ、処理面101と対向面31との間隙距
離をほぼ一定に保ち、隙間10に洗浄液Rが滞留した
(充填された)状態のままで行う。
【0128】このときの被処理板100の水平面に対す
る傾斜角度αは、特に限定されず、洗浄液Rの粘性等を
考慮して適宜決定されるが、本実施形態では、1〜30
°程度であるのが好ましく、1〜15°程度であるのが
より好ましい。
【0129】このような状態とすると、被処理板100
の高位側(図中の右側)における隙間10には、洗浄液
RのメニスカスMが形成される。このメニスカスMは、
ほぼU字状(円弧状)の曲面をなしている。
【0130】なお、本発明では、乾燥処理における被処
理板100の水平面に対する傾斜角度は、前記範囲に限
らず、1〜90°とすることができる。すなわち、被処
理板100が水平面に対し垂直な状態でも乾燥処理を行
うことができる。
【0131】[8] 次いで、切替えバルブ80を供給
ライン82と分岐ライン66aの下流側662aとを連
通する状態として、ポンプ83を作動する。これによ
り、処理液流出口62aより界面活性ガスが流出し、こ
の界面活性ガスが被処理板100の高位側に形成された
洗浄液RのメニスカスM付近に供給される。
【0132】この界面活性ガスが洗浄液Rに溶解するこ
とにより、メニスカスMの付近では、洗浄液Rの表面張
力が小さくなる。これにより、処理面101にパーティ
クル(ほこり等の異物)Pが付着していたような場合、
パーティクルPと処理面101との間に洗浄液Rが入り
込み、パーティクルPが洗浄液Rに浮遊した状態になる
(図4参照)。
【0133】また、メニスカスMにおいては、端部M1
(処理面101側の端部)の付近から中央部M2に向か
って界面活性剤濃度が小さくなる(漸減する)濃度勾配
を生じ、よって、表面張力は、端部M1付近から中央部
M2に向かって大きくなる(漸増する)。これは、端部
M1の付近では、中央部M2付近よりも洗浄液Rの膜厚
(処理面101とメニスカスMとの距離)が小さい(薄
い)ので、溶解(吸収)した界面活性ガス(界面活性
剤)が希釈される度合いが小さいからである。
【0134】前記のような表面張力の差(勾配)によ
り、メニスカスM付近の洗浄液Rには、図4中の矢印で
示すように、端部M1から中央部M2に向かう流れが生
じる。このように表面張力(の差)によって生じる効果
をマランゴニ効果と言い、この流れをマランゴニ流と言
う。
【0135】このようなマランゴニ流が生じることによ
り、メニスカスMの端部M1付近では、洗浄液Rの膜厚
がさらに薄くなりつつ、洗浄液Rが蒸発し、処理面10
1が乾燥する。このように、洗浄液Rが薄膜の状態で蒸
発・乾燥することにより、水滴痕(ウォーターマーク)
を残すことなく処理面101を乾燥することができる。
【0136】また、パーティクルPは、このマランゴニ
流により、メニスカスMの端部M1付近から中央部M2
に向かって流される。よって、処理面101上にパーテ
ィクルPを残すことなく乾燥することができる。
【0137】本実施形態では、メニスカスMにおいて
は、前記と同様のメカニズムで、端部M1と反対側の端
部M3(対向面31側の端部)から中央部M2に向かう
マランゴニ流も生じる。これにより、処理面101の乾
燥処理においては、対向面31にもパーティクルPが残
存するのを防止することができ、よって、次の被処理板
100に対する処理を行う際に、対向面31上のパーテ
ィクルPが処理面101に移って付着するようなことを
防止することができる。
【0138】なお、移動体(近接体)3および被処理板
100の周囲には、供給された界面活性ガスが隙間10
から逃げないようにするためのフード(風防)が設けら
れていてもよい。これにより、界面活性ガスの使用量を
さらに低減することができる。
【0139】[9] 次いで、処理液流出口62aより
界面活性ガスをメニスカスMの付近に供給しつつ、駆動
手段5により、被処理板100の低位側(図中の左側)
の縁部102付近を回動中心30として、移動体(近接
体)3を被処理板100に対し開くようにゆっくりと回
動させる。これにより、メニスカスMは、回動中心30
側(縁部102側)に向かって徐々に移動する。これに
伴なって、隙間10の洗浄液Rは、縁部102付近から
徐々に流出する。この流出した洗浄液Rは、前記回収手
段により除去または回収される。
【0140】このようにしてメニスカスMを縁部102
まで移動させることにより、処理面101のほぼ全域に
対し、前記[8]のような乾燥処理を行うことができ
る。
【0141】本発明では、メニスカスMが移動する際、
メニスカスM付近の表面張力が小さくなっていること
や、端部M1から中央部M2に向かうマランゴニ流が生
じることにより、端部M1付近の液膜がちぎれて洗浄液
Rの液滴が処理面101上に残るようなことがなく、よ
って、水滴痕(ウォーターマーク)やパーティクルP等
の残存のない良好な乾燥が可能となる。
【0142】また、表面処理装置1Aでは、被処理板1
00が非水平の状態でこのような乾燥処理を行うことに
より、メニスカスMをよりスムーズに移動させることが
でき、洗浄液Rの液適が処理面101上に残存するのを
より確実に防止することができる。
【0143】なお、メニスカスMの移動速度は、移動体
(近接体)3の回動速度を調整することにより、良好な
乾燥が行われるような速度に適宜調整することができ
る。本実施形態では、このメニスカスMの移動速度の調
整と、隙間10の間隙距離の調整との組み合わせによ
り、種類の異なる被処理板100や洗浄液R等にも対応
することができる。
【0144】以上説明したように、本発明では、マラン
ゴニ効果を利用することにより、処理面101に対し、
確実かつ均一な乾燥処理を行うことができるとともに、
乾燥後の処理面101の清浄度合いも高い。
【0145】また、被処理板100に対し、処理液Tに
よる処理と、洗浄と、乾燥とを一つの装置で行うこと、
特に、これらを連続して行うことができ、またこれらを
簡易な構成の装置で達成することができる。そのため、
処理装置と洗浄装置と乾燥装置とを別個に用意し、被処
理板100をそれらの間で移動させて順次処理を行う必
要がなく、よって、設備コストを低減することができる
とともに、装置の設置スペースも小さくてよいという利
点を有する。
【0146】特に、本実施形態の表面処理装置1Aは、
被処理板100をその処理面101方向に搬送しつつ洗
浄および乾燥を行うものではないため、従来の乾燥装置
のように、被処理板100の乾燥のために搬送経路を確
保する必要がなく、よって、装置のさらなる小型化、省
スペース化が図れる。さらに、本実施形態では、被処理
板100と対向面31との大きさがほぼ同じであり、移
動体(近接体)3の大きさに無駄がないことから、この
ような効果がさらに顕著となる。
【0147】また、処理液Tによる処理と、洗浄と、乾
燥とを一つの装置で連続して行うことができることか
ら、被処理板100から除去されたパーティクルP等の
異物が再付着するのを確実に防止することができ、よっ
て、乾燥後の処理面101の清浄度合いが高い。
【0148】また、前述したように、本実施形態では、
乾燥に際し、隙間10の間隙距離を調節することにより
処理面101の洗浄液Rの付着量をコントロールするこ
とが可能で、また、被処理板100を固定した状態で行
うことから被処理板100の厚さ方向の揺動もないた
め、メニスカスMを適正なサイズに維持して乾燥するこ
とができる。これにより、さらなる乾燥効率の向上が図
れ、処理面101の全体にわたって均一な乾燥ができ、
乾燥後の処理面101の清浄度合いもより向上する。
【0149】また、本発明では、従来のエアナイフノズ
ルから噴出させた乾燥用エアを吹き付けて乾燥処理を行
うような場合と異なり、洗浄液Rの液滴の飛散がなく、
よって、乾燥後の処理面101の清浄度合いが格段に高
い。
【0150】また、従来のIPA(イソプロピルアルコ
ール)蒸気乾燥処理を行うような場合と比べ、揮発性有
機化合物の使用量(放出量)が格段に少ない。よって、
装置の防爆仕様が不要となるなど、設備をより簡略化す
ることができ、さらなる設備コスト低減が図れるととも
に、環境への負担も小さい。
【0151】なお、本実施形態では、被処理板100が
水平の状態で処理液Tによる処理や洗浄液Rによる洗浄
処理を行うものであるが、本発明では、被処理板100
が非水平の状態(水平面に対し傾斜した状態または垂直
な状態)でこれらを行うものでもよい。さらに、本発明
では、前述したように被処理板100が水平面に対し垂
直な状態でも乾燥処理を行うことができ、よって、被処
理板100が水平面に垂直な状態で処理液Tによる処
理、洗浄液Rによる洗浄処理および乾燥処理を行うもの
でもよい。この場合には、被処理板100が比較的大き
いものの場合であっても、場所をとらず、よって、装置
の設置スペースをより小さくすることができる。
【0152】また、本実施形態では、界面活性ガスが処
理液流出口62aから流出する構成となっているが、メ
ニスカスMの移動に合わせて、界面活性ガス流出口を処
理液流出口62aから処理液流出口62hに向かって順
次切り替えていくようなものとしてもよい。このような
機構を実現するには、例えば、分岐ライン66b〜66
hにも界面活性ガスタンク81と接続される切り替えバ
ルブをそれぞれ設置し、移動体(近接体)3の回動速度
(回動位置)等からメニスカスMの位置を検出してこれ
らのバルブを開閉し、界面活性ガス流出口を流出口62
aから処理液流出口62hに向かって順次切り替えるよ
うな構成とすることができる。
【0153】また、本発明では、前述したように、処理
液供給手段6を複数種の処理液Tを供給可能なものと
し、複数種の処理液Tによる処理を行うこととしてもよ
いが、その場合、複数種の処理液Tによる処理と、洗浄
処理とは、任意の組み合わせ(順番)で行うことができ
る。例えば、複数種の処理液Tによって、処理α、処理
β、処理γの3種を行うような場合、洗浄処理との組み
合わせ(順番)は、処理α→処理β→処理γ→洗浄→乾
燥でも、処理α→洗浄→処理β→処理γ→洗浄→乾燥で
も、処理α→処理β→洗浄→処理γ→洗浄→乾燥でも、
処理α→洗浄→処理β→洗浄→処理γ→洗浄→乾燥でも
よい。すなわち、乾燥処理の前に洗浄処理があるもので
あればよい。また、このような処理の組み合わせ(順
番)は、制御手段50の制御(プログラム)により、自
動的に行うものとすることができる。
【0154】<第2実施形態>図5は、本発明の表面処
理装置の第2実施形態を模式的に示す図(ブロック
図)、図6は、図5に示す表面処理装置における走査ヘ
ッドの底面図、図7は、図5に示す表面処理装置におけ
る乾燥処理中の走査ヘッドの先端部を拡大して示す部分
断面側面図である。
【0155】以下、これらの図を参照して本発明の表面
処理装置および表面処理方法の第2実施形態について説
明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明
し、同様の事項はその説明を省略する。
【0156】図5および図6に示す表面処理装置1B
は、被処理板100を支持する装置本体11と、装置本
体11に対し移動(変位)可能に設けられた走査ヘッド
(近接体)2と、走査ヘッド(近接体)2を装置本体1
1に対し移動する(変位させる)駆動手段5と、被処理
板100の処理面101と走査ヘッド(近接体)2の先
端部21との隙間20に処理液Tを供給する処理液供給
手段9と、隙間20に洗浄液Rを供給する洗浄液供給手
段4と、先端部21付近に界面活性ガスを供給する界面
活性ガス供給手段19と、被処理板100を搬送する搬
送手段18と、被処理板100の搬送停止位置を位置決
めする位置決め手段13と、隙間20の処理液Tや洗浄
液Rを吸入して排出する排液手段16と、先端部21付
近に供給された界面活性ガスを排気する排気手段17と
を備えている。
【0157】本実施形態では、長方形の平板状をなす被
処理板100を対象とする場合について説明する。この
被処理板100は、図5中の左右方向が長辺方向であ
り、図5の紙面に垂直な方向が短辺方向になっている。
【0158】装置本体11は、被処理板100をほぼ水
平な状態で支持することができる。表面処理装置1B
は、装置本体11に支持された被処理板100の上側の
表面である処理面101に対し、後述するような処理を
行う。
【0159】装置本体11には、被処理板100を搬送
する搬送手段18が設置されている。搬送手段18は、
並設された複数のローラ181を有しており、これらの
ローラ181の上に載置された被処理板100をほぼ水
平状態で図5の紙面の奥側から手前側に向かって(図5
の紙面にほぼ垂直な方向に)搬送する。
【0160】被処理板100は、この搬送手段18によ
り、1枚ずつ、図5の紙面奥側に位置する図示しない前
工程から表面処理装置1Bに搬入され、表面処理装置1
Bでの処理を終えた後、図5の紙面手前側に位置する図
示しない後工程へと搬出される。
【0161】装置本体11には、搬送手段18により搬
入された被処理板100の搬送停止位置を位置決めする
位置決め手段13が設けられている。この位置決め手段
13は、ストッパ131を有しており、このストッパ1
31は、被処理板100の搬送経路上に突出した状態
(図5に示す状態)と、搬送経路から退避した状態(図
示せず)とに変位可能になっている。
【0162】搬送手段18より表面処理装置1Bに搬入
された被処理板100は、図5中の手前側の縁部が突出
状態にあるストッパ131に当接することにより、装置
本体11に対し停止する。この搬送停止状態で、表面処
理装置1Bによる処理が行われる。
【0163】被処理板100に対する処理が終了する
と、位置決め手段13は、ストッパ131を退避状態と
し、被処理板100に対する位置決め状態(停止状態)
を解除する。これにより、処理の終了した被処理板10
0は、搬送手段18により、後工程へ搬出される。次い
で、位置決め手段13は、ストッパ131を突出状態と
し、搬送手段18は、次の被処理板100を前記搬送停
止位置に搬入する。そして、表面処理装置1Bは、この
被処理板100に対し、処理を行う。
【0164】このように、表面処理装置1Bは、枚葉処
理型の装置であり、被処理板100を一枚ずつ処理す
る。
【0165】なお、搬送手段18および位置決め手段1
3は、それぞれ、図示のような構成に限らず、同様の機
能を発揮し得るものであればいかなる構成のものでもよ
い。
【0166】走査ヘッド(近接体)2は、このような装
置本体11に対し移動可能に設けられている。この走査
ヘッド(近接体)2は、駆動手段5によって駆動(移
動)される。駆動手段5は、少なくとも、走査ヘッド
(近接体)2の先端部21(図5中の下端部)が処理面
101に近接した状態で、走査ヘッド(近接体)2を処
理面101にほぼ平行な方向に移動可能になっている。
すなわち、走査ヘッド(近接体)2は、駆動手段5によ
り、被処理板100に沿って走査可能に設けられてい
る。
【0167】図示の構成では、走査ヘッド(近接体)2
は、図5中の左右方向に走査される。すなわち、走査ヘ
ッド(近接体)2の走査方向と、搬送手段18による被
処理板100の搬送方向とは、ほぼ直交するようになっ
ている。
【0168】また、駆動手段5は、走査ヘッド(近接
体)2を図5中の上下方向にも移動可能になっている。
すなわち、駆動手段5は、走査ヘッド(近接体)2を図
中の上側に退避させた状態と、被処理板100に近接さ
せた状態とに移動可能になっている。
【0169】駆動手段5としては、例えばサーボモー
タ、流体圧シリンダ、送りネジ、カム機構、歯車機構、
リンク機構等を適宜組み合わせて用いた公知の各種の駆
動機構を利用することができる。
【0170】また、駆動手段5は、走査ヘッド(近接
体)2の走査方向に沿って設けられたレール部材(図示
せず)を有しており、このレール部材に沿って走査ヘッ
ド(近接体)2を移動することにより、走査ヘッド(近
接体)2の先端部21と処理面101との間隙距離(隙
間20の距離)を一定に保った状態で、走査ヘッド(近
接体)2を走査可能になっている。
【0171】走査ヘッド(近接体)2の幅(図6中の上
下方向の長さ)は、被処理板100の幅(図5の紙面に
垂直な方向の長さ)とほぼ同じかまたはやや大きくなっ
ている。
【0172】表面処理装置1Bは、走査ヘッド(近接
体)2の先端部21を処理面101に近接させた状態
で、先端部21と処理面101との間に形成された隙間
20に処理液Tや洗浄液Rを供給し、処理液Tによる処
理や洗浄処理を行う。この処理を行う際の処理面101
と先端部21との間隔(隙間20の間隙距離)は、処理
液Tや洗浄液Rが隙間20に十分に行き渡るとともに、
処理液Tや洗浄液Rが表面張力により隙間20(または
隙間20の付近一帯、以下、単に「隙間20」と言う)
に滞留し得るような大きさとされ、1〜5mm程度であ
るのが好ましい。
【0173】本発明では、このように隙間20に処理液
Tや洗浄液Rを供給して処理を行うことにより、処理液
Tや洗浄液Rを貯留した槽に被処理板100を浸漬して
処理するような場合と比べ、処理液Tや洗浄液Rの使用
量を大幅に低減することができる。
【0174】また、処理液Tや洗浄液Rが隙間20に表
面張力により滞留する(保持される)ので、図示と異な
り、被処理板100が水平面に対し傾斜した状態や垂直
な状態でも処理を行うことができる。
【0175】本実施形態では、前述のように走査ヘッド
(近接体)2の走査方向と被処理板100の搬送方向と
をほぼ直交する方向としたことにより、走査ヘッド(近
接体)2の走査方向は、被処理板100の長辺方向であ
り、被処理板100の搬送方向は、被処理板100の短
辺方向になっている。これにより、走査ヘッド(近接
体)2の幅を比較的小さくすることができ、よって、液
やガスの供給、排出を被処理板100の幅方向により均
一に行うことができるとともに、搬送手段18による被
処理板100の搬送距離を短縮することができる利点が
ある。また、その他、走査ヘッド2待機時の待機位置
として、被処理板100搬送経路上にないことから、走
査ヘッド2による被処理板100の汚染、例えば走査ヘ
ッド2のクリーニング時の飛散や液ダレによる汚染など
を防止することができる、走査ヘッド2の走査方向を
限定することにより、装置機構が非常に簡素化できる、
という利点もある。
【0176】図6に示すように、走査ヘッド(近接体)
2には、処理液Tや洗浄液Rが流出する複数の液流出口
42と、処理液Tや洗浄液Rが流入する複数の液流入口
161と、界面活性ガスが流出する複数のガス流出口1
92と、界面活性ガスが流入する複数のガス流入口17
1とがそれぞれ形成されている。これらの液流出口4
2、液流入口161、ガス流出口192およびガス流入
口171は、それぞれ、小孔(オリフィス)で構成され
ている。
【0177】複数の液流出口42、液流入口161、ガ
ス流出口192およびガス流入口171は、それぞれ、
走査ヘッド(近接体)2の走査方向と垂直な方向に、好
ましくはほぼ等間隔で、一列に配設されている。これに
より、液やガスの供給、排出を処理面101の幅方向に
均一に行うことができる。
【0178】図5に示すように、液流出口42および液
流入口161は、それぞれ、走査ヘッド(近接体)2の
先端部21(先端面)に開口している。また、ガス流出
口192およびガス流入口171は、それぞれ、液流出
口42および液流入口161の図中右側に形成されてお
り、液流出口42および液流入口161よりやや基端側
に開口している。
【0179】このように、本実施形態では、液流出口4
2とガス流出口192が、さらには液流入口161とガ
ス流入口171を含む4種が一つの走査ヘッド(近接
体)2にまとめて形成されていることにより、装置の構
成のさらなる簡素化、小型化を図ることができる。な
お、走査ヘッド(近接体)2は、このような構成に限ら
ず、これらの開口が形成された部位が2以上に別体にな
っているようなものであってもよい。
【0180】また、液流出口42、液流入口161、ガ
ス流出口192およびガス流入口171の数は、それぞ
れ、図示の構成に限らず、被処理板100の大きさ等に
合わせて適宜設定される。また、液流出口42、液流入
口161、ガス流出口192およびガス流入口171
は、それぞれ、2列以上に配置されていてもよい。ま
た、液流出口42、液流入口161、ガス流出口192
およびガス流入口171は、それぞれ、少なくとも1つ
設けられていればよい。また、図示の構成では、液流出
口42、液流入口161、ガス流出口192およびガス
流入口171の形状は、それぞれ、円形になっている
が、これに限らず、例えば楕円形、長方形等であっても
よい。
【0181】図示の構成では、液流出口42を形成する
孔46、液流入口161を形成する孔163、ガス流出
口192を形成する孔195およびガス流入口171を
形成する孔174は、それぞれ、走査ヘッド(近接体)
2の基端部23まで貫通して形成されている。そして、
孔46、孔163、孔195および孔174の基端開口
部には、流路を形成する細長いケーシング47、16
4、196および175がそれぞれ固着されている。こ
れにより、複数の液流出口42、液流入口161、ガス
流出口192およびガス流入口171への流路は、それ
ぞれ、ケーシング47、164、196および175内
において互いに連通している。
【0182】また、図示の構成では、走査ヘッド(近接
体)2には、ガス流出口192より供給された界面活性
ガスが逃げる(拡散する)のを防止するフード(風防)
22が設けられている。これにより、界面活性ガスの供
給効率の向上や、環境への拡散防止が図れる。
【0183】隙間20に処理液Tを供給する処理液供給
手段9は、処理液Tを貯留する処理液タンク91と、走
査ヘッド(近接体)2に形成された液流出口42および
孔46と、ケーシング47と、処理液タンク91と切替
えバルブ40とを接続する供給ライン(流路)93と、
供給ライン93の途中に設置されたポンプ94と、切替
えバルブ40とケーシング47とを接続する供給ライン
(流路)45とで構成されている。
【0184】処理液Tは、切替えバルブ40が後述する
第2の状態のとき、ポンプ94の作動により、処理液タ
ンク91から供給ライン93、供給ライン45、ケーシ
ング47内、孔46を順次通って液流出口42から流出
し、隙間20に供給される。
【0185】なお、処理液供給手段9は、複数種の処理
液T(例えば、オゾン水とSC1(アンモニア水+過
水)またはオゾン水と希弗酸)をそれぞれ供給可能なも
のであってもよい。すなわち、処理液供給手段9は、処
理面101に対し複数種の処理を行うものであってもよ
い。
【0186】隙間20に洗浄液(すすぎ液)Rを供給す
る洗浄液供給手段4は、洗浄液Rを貯留する洗浄液タン
ク41と、走査ヘッド(近接体)2に形成された液流出
口42および孔46と、ケーシング47と、洗浄液タン
ク41と切替えバルブ40とを接続する供給ライン(流
路)43と、供給ライン43の途中に設置されたポンプ
44と、切替えバルブ40とケーシング47とを接続す
る供給ライン(流路)45とで構成されている。
【0187】切替えバルブ40は、供給ライン43と供
給ライン45とを連通し、供給ライン93を閉塞(遮
断)する第1の状態と、供給ライン93と供給ライン4
5とを連通し、供給ライン43を閉塞(遮断)する第2
の状態とに切り換えることができるようになっている。
【0188】洗浄液Rは、切替えバルブ40が前記第1
の状態のとき、ポンプ44の作動により、洗浄液タンク
41から供給ライン43、供給ライン45、ケーシング
47内、孔46を順次通って液流出口42から流出し、
隙間20に供給される。
【0189】このように、本実施形態では、洗浄液供給
手段4と処理液供給手段9とが、液流出口42、孔4
6、供給ライン45およびケーシング47を共有(共
用)するものとなっている。すなわち、液流出口42
は、洗浄液Rが流出する洗浄液流出口と処理液Tが流出
する処理液流出口とに兼用されるものとなっている。こ
のように、本実施形態では、処理液Tの供給ラインと洗
浄液Rの供給ラインにおいて流路の一部を共有(共用)
することにより、装置の構成のさらなる簡素化、小型化
を図ることができる。
【0190】本発明では、このような構成と異なり、洗
浄液流出口と処理液流出口とが別個に設けられているよ
うなものであってもよい。
【0191】走査ヘッド(近接体)2の先端部21付近
に界面活性ガスを供給する界面活性ガス供給手段19
は、界面活性ガスを貯留する界面活性ガスタンク191
と、走査ヘッド(近接体)2に形成されたガス流出口1
92および孔195と、ケーシング196と、界面活性
ガスタンク191とケーシング196とを接続する供給
ライン(流路)193と、供給ライン193の途中に設
けられたポンプ194とを有している。
【0192】界面活性ガスは、ポンプ194の作動によ
り、界面活性ガスタンク191から供給ライン193、
ケーシング196内、孔195を順次通って、ガス流出
口192から流出し、走査ヘッド(近接体)2の先端部
21付近(先端部21の図中の右側)に供給される。
【0193】隙間20の処理液Tや洗浄液Rを吸入して
排出する排液手段16は、走査ヘッド(近接体)2に形
成された液流入口161および孔163と、ケーシング
164と、ケーシング164から延びる排液ライン16
2と、排液ライン162の途中に設けられたポンプ16
5とで構成されている。
【0194】ポンプ165が作動すると、隙間20の処
理液Tや洗浄液Rは、液流入口161から吸入されて排
出(除去)される。すなわち、排液手段16は、隙間2
0に供給された処理液Tや洗浄液Rを除去する除去手段
となるものである。
【0195】本実施形態では、このような排液手段16
が設けられていることにより、液流出口42より処理液
Tや洗浄液Rを供給しつつ、液流入口161より処理液
Tや洗浄液Rを吸入、排出した状態で処理を行うことが
できる。これにより、隙間20の処理液Tや洗浄液Rを
徐々に交換しながら処理を行うことができ、よって、処
理液Tや洗浄液Rに変質、劣化、汚れ等のない新鮮な状
態を維持することができ、処理効率をより向上すること
ができ、乾燥後の処理面101の清浄度合いもより向上
する。
【0196】また、排液手段16を作動することによ
り、隙間20にある処理液Tや洗浄液Rの量(処理面1
01に対する処理液Tや洗浄液Rの付着量)を調節する
こともできる。これにより、隙間20に入りきらない
(保持しきれない)処理液Tや洗浄液Rが処理面101
上に液滴として残存するのを防止することができる。
【0197】なお、走査ヘッド(近接体)2の先端部2
1付近に、水分を検知する液滴センサ(図示せず)を設
置し、隙間20にある処理液Tや洗浄液Rの量を検出し
て自動的に適量に調節するような構成になっていてもよ
い。
【0198】先端部21付近に供給された界面活性ガス
を排気する排気手段17は、走査ヘッド(近接体)2に
形成されたガス流入口171および孔174と、ケーシ
ング175と、ケーシング175から延びる排気ライン
172と、排気ライン172の途中に設けられたポンプ
173とで構成されている。
【0199】ポンプ173が作動すると、ガス流出口1
92より供給された界面活性ガスは、ガス流入口171
から吸入されて排出される。
【0200】本実施形態では、このような排気手段17
が設けられていることにより、先端部21付近に供給さ
れた界面活性ガスが環境中に拡散するのを防止すること
ができ、環境への負担をより低減することができる。
【0201】また、図7に示すように、ガス流出口19
2より供給された界面活性ガスがガス流入口171より
吸入されることにより、洗浄液RのメニスカスM付近に
気流Fが生じ、これにより、パーティクルPの除去効率
およびメニスカスMの端部M1付近の乾燥効率をより向
上することができる。
【0202】この排気手段17は、処理液Tによる処理
を行っているときにも作動することとしてもよい。これ
により、隙間20の処理液Tから発生するガスが環境中
に拡散するのを防止することができ、環境への負担をよ
り低減することができる。
【0203】駆動手段5、処理液供給手段9のポンプ9
4、洗浄液供給手段4のポンプ44、界面活性ガス供給
手段19のポンプ194、排液手段16のポンプ16
5、排気手段17のポンプ173、搬送手段18、位置
決め手段13および切替えバルブ40は、それぞれ、制
御手段50に対し電気的に接続されており、この制御手
段50からの信号(制御信号)に基づいて作動する。
【0204】このような表面処理装置1Bには、処理面
101上からこぼれた処理液Tや洗浄液Rを除去または
回収する回収手段が設けられていてもよい。この回収手
段としては、例えば、処理液Tや洗浄液Rを受ける受け
皿(液溜め)や、処理液Tや洗浄液Rを吸収する吸収材
のようなものが挙げられる。
【0205】また、表面処理装置1Bでは、搬送手段1
8、位置決め手段13、排液手段16および排気手段1
7は、それぞれ、なくてもよい。
【0206】次に、表面処理装置1Bを用いた本発明の
表面処理方法の第2実施形態(表面処理装置1Bの作
用)について説明する。
【0207】<1> 駆動手段5により走査ヘッド(近
接体)2を上側に退避させた状態で、搬送手段18によ
り被処理板100を搬入する。被処理板100は、スト
ッパ131により所定位置に位置決めされて停止する。
【0208】<2> 次いで、駆動手段5により走査ヘ
ッド(近接体)2を下降させ、先端部21を処理面10
1に近接させる。このとき、先端部21と処理面101
との隙間20の間隙距離は、前述したような大きさにな
るようにする。
【0209】本実施形態では、このときの走査ヘッド
(近接体)2の下降停止位置を調整することにより、隙
間20の間隙距離を調整することができる。この間隙距
離の調整により、処理面101に対する処理液Tや洗浄
液Rの付着量をコントロールすることができる。また、
被処理板100の板厚が異なるものにも対応することが
できる。
【0210】なお、表面処理装置1Bは、搬入された被
処理板100の処理面101の位置をセンサにより検出
し、隙間20の間隙距離を設定した値に自動的に調整す
るような構成になっていてもよい。これにより、複数の
被処理板100に対し連続して処理を行う際、板厚が途
中から変わるような場合にも対応することができる。
【0211】また、前記<1>と異なり、走査ヘッド
(近接体)2が所定の下降停止位置にある状態で、被処
理板100を搬入することとしてもよい。
【0212】<3> 次いで、駆動手段5により走査ヘ
ッド(近接体)2を被処理板100の図中左側または右
側の縁部に移動し、切替えバルブ40を供給ライン93
と供給ライン45とを連通する状態として、ポンプ94
を作動する。これにより、隙間20に液流出口42より
処理液Tが供給される。隙間20が処理液Tで充填され
たら、ポンプ94を停止し、駆動手段5により走査ヘッ
ド(近接体)2を被処理板100に沿って反対側の縁部
まで徐々に走査する。このようにして、処理面101に
対し処理液Tによる所定の処理を行う。必要に応じ、走
査ヘッド(近接体)2を被処理板100に沿って1また
は2回以上往復させてもよい。
【0213】また、処理液Tによる処理を行う間、ポン
プ94の作動を続けるとともに排液手段16を作動させ
ることにより、液流出口42より処理液Tを供給しつつ
液流入口161より処理液Tを吸入する状態としてもよ
い。これにより、隙間20の処理液Tを適正な量に維持
しながら、隙間20の処理液Tを徐々に交換しつつ処理
を行うことができ、よって、処理液Tに変質、劣化、汚
れ等のない新鮮な状態を維持することができ、処理効率
(効果)のさらなる向上、処理時間のさらなる短縮を図
ることができる。
【0214】また、走査ヘッド(近接体)2を被処理板
100の縁部を超えて外側まで移動することにより、隙
間20の処理液Tを処理面101からこぼして除去した
後、処理液供給手段9によって再度処理液Tを供給する
ことにより、処理液Tをほぼ全部交換して処理を続行し
てもよい。これにより、処理効率のさらなる向上が図れ
る。この処理液Tの交換は、必要に応じ複数回行っても
よい。なお、処理面101からこぼれた処理液Tは、前
記回収手段により除去または回収される(洗浄液Rにつ
いても同様)。
【0215】また、処理液Tによる処理を行う間、排気
手段17を作動して、隙間20の処理液Tから発生する
ガスを排気することとしてもよい。
【0216】<4> 複数種の処理液Tによる処理を行
う場合(処理液供給手段9が複数種の処理液Tを供給可
能なものである場合)には、処理液Tを異種のものに切
り替えて前記<3>と同様の工程を行う。これにより、
複数種の処理を行うことができる。処理液Tの種類を切
り替える際には、前記と同様に、走査ヘッド(近接体)
2を被処理板100の縁部を超えて外側まで移動して隙
間20の処理液Tを処理面101からこぼして除去した
後、次の処理液Tを供給する。これにより、隙間20の
処理液Tを迅速に、かつ、液残りなく交換することがで
きる。
【0217】<5> 処理液Tによる処理が終了した
ら、走査ヘッド(近接体)2を被処理板100の縁部を
超えて外側まで移動して隙間20の処理液Tを処理面1
01からこぼして除去する。
【0218】<6> 次いで、走査ヘッド(近接体)2
が被処理板100の図中左側または右側の縁部にある位
置で、切替えバルブ40を供給ライン43と供給ライン
45とを連通する状態として、ポンプ44を作動する。
これにより、隙間20に液流出口42より洗浄液Rが供
給される。隙間20が洗浄液Rで充填されたら、ポンプ
44を停止し、駆動手段5により走査ヘッド(近接体)
2を被処理板100に沿って反対側の縁部まで徐々に走
査する。このようにして、処理面101に対し洗浄液R
による洗浄処理(すすぎ処理)を行う。必要に応じ、走
査ヘッド(近接体)2を被処理板100に沿って1また
は2回以上往復させてもよい。
【0219】また、洗浄液Rによる処理を行う間、ポン
プ44の作動を続けるとともに排液手段16を作動させ
ることにより、液流出口42より洗浄液Rを供給しつつ
液流入口161より洗浄液Rを吸入する状態としてもよ
い。これにより、隙間20の洗浄液Rを適正な量に維持
しながら、隙間20の洗浄液Rを徐々に交換しつつ処理
を行うことができ、よって、洗浄液Rに変質、劣化、汚
れ等のない新鮮な状態を維持することができ、洗浄効率
(効果)の向上、洗浄時間の短縮を図ることができる。
また、処理面101をより清浄に洗浄することができ、
乾燥後の処理面101の清浄度合いをより向上すること
ができる。
【0220】また、走査ヘッド(近接体)2を被処理板
100の縁部を超えて外側まで移動することにより、隙
間20の洗浄液Rを処理面101からこぼして除去した
後、洗浄液供給手段4によって再度洗浄液Rを供給する
ことにより、洗浄液Rをほぼ全部交換して洗浄処理を続
行してもよい。これにより、洗浄効率のさらなる向上が
図れる。この洗浄液Rの交換は、必要に応じ複数回行っ
てもよい。
【0221】また、さらに洗浄効果を高める方法とし
て、走査ヘッド(近接体)2に超音波付与手段(図示せ
ず)を設置し、超音波洗浄を併用してもよい。
【0222】<7> 次いで、処理面101の乾燥処理
を行う。この乾燥処理は、隙間20に洗浄液Rがある状
態で、駆動手段5により走査ヘッド(近接体)2を被処
理板100の図中右側の縁部から左側の縁部まで1回徐
々に走査して行う。すなわち、乾燥処理における走査ヘ
ッド(近接体)2の走査方向は、図中の右側から左側に
向かう方向になる。
【0223】図7に示すように、この方向に走査ヘッド
(近接体)2を走査すると、隙間20の洗浄液Rの走査
方向後方側(図中の右側)には、洗浄液Rのメニスカス
M(曲面)が形成される。乾燥処理は、界面活性ガス供
給手段19のポンプ194を作動し、このメニスカスM
の付近にガス流出口192より界面活性ガスを供給しつ
つ行う。
【0224】界面活性ガスがメニスカスMの付近に供給
されると、前記第1実施形態と同様のマランゴニ効果に
より、メニスカスMの端部M1付近では、水滴痕(ウォ
ーターマーク)やパーティクルP等を残すことなく処理
面101を乾燥することができる。
【0225】また、本実施形態では、排気手段17を作
動することにより、ガス流出口192より供給された界
面活性ガスがガス流入口171より吸入されることによ
り、気流Fが生じ、パーティクルPはさらに強力にメニ
スカスMの端部M1付近から中央部M2に向かって流さ
れる。よって、処理面101上にパーティクルPが残る
のをより確実に防止することができる。
【0226】走査ヘッド(近接体)2を被処理板100
の図中右側の縁部から左側の縁部まで走査することによ
り、メニスカスMは、被処理板100の図中右側の縁部
から左側の縁部まで移動する。これにより、処理面10
1のほぼ全域に対し、前記第1実施形態と同様の乾燥処
理がなされる。
【0227】また、本実施形態では、排気手段17を作
動してガス流入口171より界面活性ガスを吸入、排出
しつつ乾燥処理を行うことにより、メニスカスMに沿っ
て界面活性ガスの気流Fが生じ、これにより、端部M1
付近での乾燥効率をより向上することができる。また、
この気流Fがマランゴニ流を助長(円滑化)するように
も作用し、よって、端部M1付近の液膜がちぎれて洗浄
液Rの液滴が処理面101上に残るようなことをより確
実に防止することもできる。
【0228】なお、メニスカスMの移動速度は、走査ヘ
ッド(近接体)2の走査(走行)速度を調整することに
より、良好な乾燥が行われるような速度に適宜調整する
ことができる。本実施形態では、このメニスカスMの移
動速度の調整と、隙間20の間隙距離の調整との組み合
わせにより、種類の異なる被処理板100や洗浄液R等
にも対応することができる。
【0229】また、この乾燥処理においては、前記のよ
うにして隙間20の洗浄液Rを徐々に交換しつつ行って
もよい。
【0230】なお、上記では、洗浄処理(前記<6>)
の後に別個に(連続して)乾燥処理(前記<7>)を行
う場合について説明したが、本実施形態では、洗浄処理
と乾燥処理とを平行して(同時に)行ってもよい。すな
わち、前記のようにして走査ヘッド(近接体)2を被処
理板100の図中右側の縁部から左側の縁部まで1回徐
々に走査する間に、洗浄と乾燥とを一度に行うようにし
てもよい。
【0231】本実施形態では、前記第1実施形態と同様
に、乾燥に際し、隙間20の間隙距離を調節することに
より処理面101の洗浄液Rの付着量をコントロールす
ることが可能で、また、被処理板100を固定した状態
で行うことから被処理板100の厚さ方向の揺動もない
ため、メニスカスMを適正なサイズに維持して乾燥する
ことができる。これにより、さらなる乾燥効率の向上が
図れ、処理面101の全体にわたって均一な乾燥がで
き、乾燥後の処理面101の清浄度合いもより向上す
る。
【0232】なお、本実施形態では、処理面101の洗
浄液Rの付着量のコントロールは、排液手段16を併用
して行ってもよい。
【0233】また、本実施形態では、被処理板100が
水平の状態で処理を行うものであるが、本発明では、被
処理板100が水平面に対し傾斜した状態または垂直な
状態で処理を行うものでもよい。この場合には、被処理
板100が比較的大きいものの場合であっても、場所を
とらず、よって、装置の設置スペースをより小さくする
ことができる。
【0234】以上、本発明の表面処理装置および表面処
理方法を図示の実施形態について説明したが、本発明
は、これに限定されるものではない。また、本発明の表
面処理装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る
任意の構成のものと置換することができる。
【0235】また、前述した実施形態においては、被処
理板を固定し、この被処理板に対して近接体を移動(回
動、走査等)することにより、メニスカスを被処理板の
表面に沿って移動させて乾燥処理を行う装置および方法
について説明したが、本発明では、被処理板と近接体と
を相対的に移動することにより、メニスカスを被処理板
の表面に沿って相対的に移動させるものであればよい。
すなわち、近接体を固定し、この近接体に対して被処理
板を移動(回動、スライド等)させるようなものや、近
接体と被処理板との両方を移動(回動、スライド等)さ
せるようなものであってもよい。
【0236】また、本発明の表面処理装置は、前記第1
実施形態と第2実施形態の構成(特徴)を組み合わせた
ようなものであってもよい。
【0237】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、被
処理板の処理、洗浄および乾燥を一つの装置で行うこ
と、特に、これらを連続して行うことができ、またこれ
らを簡易な構成の装置で達成することができる。そのた
め、処理装置と洗浄装置と乾燥装置とを各々別個に用意
し、被処理板をこれらの装置間で移動させて順次処理を
行う必要がなく、よって、設備コストを低減することが
できるとともに、装置の設置スペースも小さくてよいと
いう利点を有する。
【0238】特に、被処理板を固定し、該被処理板に対
し近接体を移動(回動、走査等)して洗浄、乾燥を行う
場合には、前述したような各装置間での被処理板の搬送
経路を必要とせず、よって、さらなる装置の小型化、省
スペース化が図れる。
【0239】そして、処理液と洗浄液の供給ラインや処
理液と洗浄液の排液ラインにおいて流路の一部を共有
(共用)した場合や、処理液の供給ラインと界面活性ガ
スの供給ラインにおいて流路の一部を共有(共用)した
場合には、さらなる装置の構成の簡素化、小型化が図れ
る。
【0240】また、処理液による処理の際、被処理板の
表面に沿って近接体の対向面を相対的に揺動させつつ処
理を行う場合には、処理効果がさらに増大し、処理時間
の短縮が図れる。
【0241】また、本発明では、処理や洗浄に際し、処
理液や洗浄液を除去または交換することが可能なので、
劣化した処理液や汚れた洗浄液のままで処理または洗浄
されることがない。そして、そのような効率のよい良好
な洗浄がなされた直後またはそのような洗浄をしつつ乾
燥を行うことができるので、乾燥がなされた表面の清浄
度合いが高い。
【0242】特に、レジストを剥離する処理液として、
オゾン水または希弗酸を用いた場合には、レジスト残
渣、ポリマー等を除去する効果がさらに高まる。
【0243】また、洗浄液として、純水またはオゾン水
を用いた場合には、洗浄効果をさらに向上することがで
きる。
【0244】また、本発明によれば、被処理板の板厚が
異なるものに対しても、対応することができる。
【0245】また、本発明では、乾燥効率が高く、水滴
痕やパーティクル等の残存のない良好な乾燥が可能とな
る。特に、乾燥に際し、被処理板表面の洗浄液の付着量
をコントロールすることが可能であるため、メニスカス
を適正サイズに維持して乾燥することができ、これによ
り、さらなる乾燥効率の向上が図れ、被処理板の乾燥す
べき表面の全体にわたって均一な乾燥ができ、乾燥がな
された表面の清浄度合いもより向上する。
【0246】また、本発明では、被処理板の片面のみを
洗浄、乾燥することもでき、片面洗浄・乾燥、両面洗浄
・乾燥など、種々のパターンに対応することができる。
【0247】また、被処理板を非水平の状態として乾燥
を行う場合や、近接体を被処理板に沿って走査して乾燥
を行う場合には、簡単な構造でメニスカスを被処理板に
対し確実にかつ適正な速度で移動することができ、より
清浄で良好な乾燥が可能となる。
【0248】このとき、被処理板傾斜手段を有する場合
には、被処理板を水平状態と非水平状態とにすることが
でき、例えば、被処理板を水平状態で搬入・搬出したり
洗浄したりしてその効率を向上することができるなど、
乾燥以外の工程を水平状態で行うことの利点を享受する
ことができる。
【0249】また、被処理板が非水平の状態で一連の処
理を行う場合には、特に、被処理板が大型であるなどの
理由によって水平状態で処理すると装置の設置スペース
が比較的大きく必要となるような場合であっても、装置
の設置スペースがより小さくてよいという、非水平状態
で行うことの利点を享受することができる。
【0250】また、界面活性ガスの排気手段を有する場
合には、メニスカス付近の界面活性ガスの流れを良好に
し、乾燥効率をさらに向上することができる。
【0251】また、被処理板の搬送手段を有する場合や
さらに位置決め手段を有する場合には、複数の被処理板
を処理する場合、特にこれら複数の被処理板を連続的に
処理する場合など、処理の自動化に有利であり、量産性
の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面処理装置の第1実施形態を模式
的に示す図(ブロック図)である。
【図2】 図1に示す表面処理装置における移動体の底
面図である。
【図3】 図1に示す表面処理装置において、移動体を
回動させる様子を示す部分断面側面図である。
【図4】 図3中の洗浄液のメニスカス付近を拡大して
示す部分断面側面図である。
【図5】 本発明の表面処理装置の第2実施形態を模式
的に示す図(ブロック図)である。
【図6】 図5に示す表面処理装置における走査ヘッド
の底面図である。
【図7】 図5に示す表面処理装置における乾燥処理中
の走査ヘッドの先端部を拡大して示す部分断面側面図で
ある。
【符号の説明】
1A……表面処理装置 1B……表面処理装置 2……
走査ヘッド 21……先端部 22……フード 23…
…基端部 3……移動体31……対向面 32……上面
4……洗浄液供給手段 41……洗浄液タンク 42
……液流出口 43……供給ライン 44……ポンプ 45……供給ラ
イン 46……孔 47……ケーシング 5……駆動手
段 6……処理液供給手段 61……処理液タンク 6
2a〜62h……処理液流出口 63……供給ライン
64……ポンプ 65a〜65h……ケーシング 66a〜66h……分
岐ライン 661a……上流側 662a……下流側
7……洗浄液供給手段 71……洗浄液タンク 72……洗浄液流出口 73……供給ライン 74……
ポンプ 75……供給ライン 76……ケーシング 8
……界面活性ガス供給手段 81……界面活性ガスタン
ク 82……供給ライン 83……ポンプ 9……処理
液供給手段 91……処理液タンク 93……供給ライ
ン 94……ポンプ 11……装置本体 12……搬送手段 121……ローラ 13……位置決
め手段 131……ストッパ 14……被処理板傾斜手
段 141……ピン 15……送気手段 151……不
活性ガスタンク 152……供給ライン 153……ポ
ンプ 16……排液手段 161……液流入口 162
……排液ライン 163……孔 164……ケーシング
165……ポンプ 17……排気手段 171……ガ
ス流入口 172……排気ライン 173……ポンプ 174……
孔 175……ケーシング 18……搬送手段 181
……ローラ 19……界面活性ガス供給手段 191…
…界面活性ガスタンク 192……ガス流出口 193
……供給ライン 194……ポンプ 195……孔 196……ケーシン
グ 10……隙間 20……隙間 30……回動中心
40……切替えバルブ 50……制御手段 70……切
替えバルブ 80……切替えバルブ 100……被処理
板 101……処理面 102……縁部 T……処理液
R……洗浄液 M……メニスカス M1……端部 M
2……中央部 M3……端部 F……気流 P……パー
ティクル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 564Z 572B Fターム(参考) 3B201 AA01 BB92 BB93 BB96 CC01 CC12 4K053 PA13 QA04 RA07 RA17 RA64 SA06 SA19 TA16 TA18 TA19 XA09 XA28 XA45 XA50 5F046 HA03 JA02 JA03 JA27 MA02 MA10

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理板を支持する装置本体と、 前記装置本体に支持された前記被処理板の表面に近接し
    て位置し得る近接体と、 前記近接体と前記被処理板とを相対的に移動させる駆動
    手段と、 前記近接体に形成された処理液流出口より前記表面と前
    記近接体との隙間に前記表面を処理する少なくとも1種
    の処理液を供給する処理液供給手段と、 前記近接体に形成された洗浄液流出口より前記表面と前
    記近接体との隙間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段
    と、 前記表面と前記近接体との隙間に供給された洗浄液のメ
    ニスカス付近に、前記近接体に形成されたガス流出口よ
    り界面活性剤を含む界面活性ガスを供給する界面活性ガ
    ス供給手段とを備え、 前記被処理板の表面に前記近接体を近接させた状態で、
    前記表面と前記近接体との隙間に前記処理液流出口より
    前記処理液を供給して前記表面の処理を行い、 次いで、前記表面と前記近接体との隙間に前記洗浄液流
    出口より洗浄液を供給して前記表面を洗浄処理し、 前記洗浄液のメニスカス付近に前記ガス流出口より前記
    界面活性ガスを供給しつつ、前記駆動手段によって前記
    近接体と前記被処理板とを相対的に移動することによ
    り、前記メニスカスを前記表面に沿って移動させ、これ
    により、前記被処理板の表面を乾燥処理するよう作動す
    ることを特徴とする表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記被処理板を搬送する搬送手段を有す
    る請求項1に記載の表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記被処理板の搬送停止位置を位置決め
    する位置決め手段を有する請求項2に記載の表面処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記被処理板の表面と前記近接体との隙
    間に供給された処理液および/または洗浄液を除去する
    除去手段を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の
    表面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記除去手段は、前記被処理板の表面と
    前記近接体との隙間に送気する送気手段で構成されてお
    り、この送気により前記処理液または前記洗浄液を前記
    隙間から押し出して除去する請求項4に記載の表面処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記除去手段は、前記近接体に形成され
    た液流入口より前記処理液または前記洗浄液を吸入して
    排出する排液手段で構成されている請求項4に記載の表
    面処理装置。
  7. 【請求項7】 前記除去手段により処理液または洗浄液
    を除去した後、前記処理液供給手段または前記洗浄液供
    給手段により処理液または洗浄液を供給することによ
    り、前記被処理板の表面と前記近接体との隙間の処理液
    または洗浄液を交換可能とする請求項4ないし6のいず
    れかに記載の表面処理装置。
  8. 【請求項8】 前記除去手段により処理液または洗浄液
    を除去するとともに、前記処理液供給手段または前記洗
    浄液供給手段により処理液または洗浄液を供給すること
    により、前記被処理板の表面と前記近接体との隙間の処
    理液または洗浄液を交換しつつ前記表面を処理または洗
    浄処理可能とする請求項4ないし7のいずれかに記載の
    表面処理装置。
  9. 【請求項9】 前記処理液流出口および/または前記洗
    浄液流出口は、1または2列以上に配置された複数の小
    孔で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載
    の表面処理装置。
  10. 【請求項10】 前記近接体は、前記被処理板の表面に
    対向して位置し得る対向面を有しており、 前記乾燥処理は、前記被処理板が非水平の状態で、前記
    被処理板の高位側に形成された前記洗浄液のメニスカス
    付近に前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつ
    つ、前記駆動手段によって、前記対向面を前記被処理板
    の低位側の縁部付近を回動中心として相対的に回動させ
    ることにより、前記メニスカスを前記表面に沿って前記
    回動中心側に移動させて行うものである請求項1ないし
    9のいずれかに記載の表面処理装置。
  11. 【請求項11】 前記被処理板を傾斜させて非水平状態
    とする被処理板傾斜手段を有する請求項10に記載の表
    面処理装置。
  12. 【請求項12】 前記近接体は、ほぼ板状をなしている
    請求項10または11に記載の表面処理装置。
  13. 【請求項13】 前記被処理板の大きさと前記対向面の
    大きさとがほぼ同じである請求項10ないし12のいず
    れかに記載の表面処理装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動手段により、前記被処理板の
    表面に沿って前記対向面を相対的に揺動させつつ前記被
    処理板の表面を前記処理液により処理可能である請求項
    10ないし13のいずれかに記載の表面処理装置。
  15. 【請求項15】 前記近接体は、前記駆動手段により、
    前記被処理板に沿って相対的に走査可能になっており、 前記乾燥処理は、前記被処理板に対する前記近接体の走
    査方向後方側に形成された前記洗浄液のメニスカス付近
    に前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつつ、
    前記駆動手段によって前記近接体を前記被処理板に沿っ
    て相対的に走査することにより、前記メニスカスを前記
    表面に沿って移動させて行うものである請求項1ないし
    9のいずれかに記載の表面処理装置。
  16. 【請求項16】 前記駆動手段により、前記近接体を前
    記被処理板に沿って相対的に走査しつつ、前記処理液に
    よる処理または前記洗浄処理を行う請求項15に記載の
    表面処理装置。
  17. 【請求項17】 前記ガス流出口より供給された界面活
    性ガスを前記近接体に形成されたガス流入口より吸入し
    て排出する排気手段を有する請求項15または16に記
    載の表面処理装置。
  18. 【請求項18】 被処理板に対し相対的に移動可能な近
    接体と、前記被処理板の表面とを近接させた状態で、前
    記近接体に形成された処理液流出口より前記表面と前記
    近接体との隙間に前記表面を処理する少なくとも1種の
    処理液を供給して前記表面を処理し、 次いで、前記近接体に形成された洗浄液流出口より前記
    表面と前記近接体との隙間に洗浄液を供給して前記表面
    を洗浄処理し、 前記近接体に形成されたガス流出口より前記洗浄液のメ
    ニスカス付近に前記界面活性ガスを供給しつつ、前記近
    接体と前記被処理板とを相対的に移動することにより、
    前記メニスカスを前記表面に沿って移動させ、これによ
    り、前記被処理板の表面を乾燥処理することを特徴とす
    る表面処理方法。
  19. 【請求項19】 前記被処理板の表面と前記近接体との
    隙間に供給された処理液または洗浄液を除去した後、前
    記処理液流出口または前記洗浄液流出口より処理液また
    は洗浄液を供給することにより、処理液または洗浄液を
    交換して前記処理または前記洗浄処理を行う請求項18
    に記載の表面処理方法。
  20. 【請求項20】 前記処理液による処理または前記洗浄
    処理は、前記被処理板の表面と前記近接体との隙間の処
    理液または洗浄液を除去するとともに前記処理液流出口
    または前記洗浄液流出口より処理液または洗浄液を供給
    することにより、処理液または洗浄液を交換しつつ行う
    請求項18に記載の表面処理方法。
  21. 【請求項21】 前記近接体は、前記被処理板の表面に
    対向して位置し得る対向面を有しており、 前記乾燥処理は、前記被処理板が非水平の状態で、前記
    被処理板の高位側に形成された前記洗浄液のメニスカス
    付近に前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつ
    つ、前記対向面を前記被処理板の低位側の縁部付近を回
    動中心として相対的に回動させることにより、前記メニ
    スカスを前記表面に沿って前記回動中心側に移動させて
    行う請求項18ないし20のいずれかに記載の表面処理
    方法。
  22. 【請求項22】 前記被処理板の表面に沿って前記対向
    面を相対的に揺動させつつ前記処理液による処理を行う
    請求項21に記載の表面処理方法。
  23. 【請求項23】 前記移動体は、ほぼ板状をなしている
    請求項21または22に記載の表面処理方法。
  24. 【請求項24】 前記被処理板の大きさと前記対向面の
    大きさとがほぼ同じである請求項21ないし23のいず
    れかに記載の表面処理方法。
  25. 【請求項25】 前記近接体は、前記被処理板に沿って
    相対的に走査可能になっており、 前記乾燥処理は、前記被処理板に対する前記近接体の走
    査方向後方側に形成された前記洗浄液のメニスカス付近
    に前記ガス流出口より前記界面活性ガスを供給しつつ、
    前記近接体を前記被処理板に沿って相対的に走査するこ
    とにより、前記メニスカスを前記被処理板の表面に沿っ
    て移動させて行う請求項18ないし20のいずれかに記
    載の表面処理方法。
  26. 【請求項26】 前記近接体を前記被処理板に沿って相
    対的に走査しつつ、前記処理液による処理または前記洗
    浄処理を行う請求項25に記載の表面処理方法。
  27. 【請求項27】 前記乾燥処理は、前記ガス流出口より
    供給された界面活性ガスを前記近接体に形成されたガス
    流入口より吸入して排出しつつ行う請求項25または2
    6に記載の表面処理方法。
  28. 【請求項28】 前記処理液は、オゾン水または希弗酸
    である請求項18ないし27のいずれかに記載の表面処
    理方法。
  29. 【請求項29】 前記洗浄液は、純水またはオゾン水で
    ある請求項18ないし28のいずれかに記載の表面処理
    方法。
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