JP3725221B2 - 復水回収装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、蒸気使用機器等で発生した凝縮水としての復水をボイラ―等へ回収する復水回収装置に関する。蒸気使用機器で発生する復水は一般にスチ―ムトラップを介して排出される。排出される復水は通常高圧蒸気の復水であり、まだ高温の熱エネルギ―を有しており、この熱エネルギ―の有効利用を図るために復水の回収が行なわれている。
【0002】
【従来の技術】
従来の復水回収装置を図2により説明する。ボイラ―1で発生した高圧蒸気を蒸気使用機器2が消費することにより凝縮水としての復水が発生し、その復水はスチ―ムトラップ3を経てヘッダ―4に至る。ヘッダ―4の上部を一次圧力調整弁13と管路14を介して給水タンク11と連通することにより、ヘッダ―4内圧力が所定以上に上昇すると一次圧力調整弁13が開弁してその圧力を抜くことで圧力勾配を形成して蒸気使用機器2内に復水を滞留しないものである。ヘッダ―4はエゼクタ5と接続されて循環路6を介して循環ポンプ7と連通する。循環ポンプ7とエゼクタ5と循環路6とで復水回収ポンプを構成する。循環路6が分岐して復水回収管路8と接続され、更に一部が弁9を介してボイラ―1と接続すると共に、弁10を介して給水タンク11とも接続するものである。
【0003】
循環ポンプ7により復水を循環させることによってエゼクタ5に吸引力を発生させ、ヘッダ―4からの復水を吸引すると共に、吸引した復水をボイラ―1あるいは給水タンク11へ回収し、給水タンク11内の復水は更に給水ポンプ12でもってボイラ―1へ回収することにより、熱エネルギ―の有効利用を図るものである。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、多量の高温復水を回収した場合に、給水タンク11内の液温が過度に上昇して、給水タンク11から大量の復水が再蒸発蒸気として大気中へ蒸発してしまい熱エネルギ―の損失を生じる問題、あるいは、流体温度が高くて給水ポンプ12がキャビテ―ションを起こしてポンプが騒音を発生したり振動したりあるいは腐食損傷してしまう問題があった。
【0005】
給水タンク11は通常大気開放状態で設置されるために、高温復水が溜ると大量の再蒸発蒸気が発生するのである。また、給水ポンプ12は流体の温度が通常80度C以上程度になると、ポンプ内で蒸気泡が発生してキャビテ―ションを発生するのである。
【0006】
従って本発明の技術的課題は、高温復水を多量に回収する場合においても、給水タンクからの再蒸発蒸気の発生を少なくして熱エネルギ―の損失を押えると共に、給水ポンプでキャビテ―ションを生じることのない復水回収装置を得ることである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明の復水回収装置の構成は次の通りである。蒸気使用機器で発生した復水を復水回収ポンプにより、ボイラ―あるいは給水タンク等の復水回収先へ圧送するものにおいて、給水タンクに冷却水を供給する冷却水供給管と、給水タンク内の液温を検出する温度検出手段を設けて、当該給水タンク内の液温を所定温度に維持すると共に、給水タンク内の流体を復水回収ポンプの復水流入側に注入するタンク流体注入手段を設けたものである。
【0008】
【作用】
温度検出手段と冷却水供給管により給水タンク内の流体温度を所定温度、例えば60度Cから70度C程度に維持することにより、給水タンクからの復水の再蒸発を押えると共に、給水ポンプでキャビテ―ションを生じることもない。
【0009】
所定温度の給水タンク内流体を復水回収ポンプの復水流入側に注入することにより、蒸気使用機器及びスチ―ムトラップと、復水回収ポンプの間に温度差に応じた圧力勾配を形成することができ、蒸気使用機器とスチ―ムトラップから排出された復水をこの圧力勾配によって、スム―ズに滞留することなく復水回収ポンプに吸引することができる。
【0010】
【実施例】
図1により本発明の実施例を詳細に説明する。
本実施例においては図2に示す従来技術と同一部材には同一符号を付す。
【0011】
蒸気使用機器2の出口側にスチ―ムトラップ3を介してヘッダ―4を接続する。ヘッダ―4とエゼクタ5を接続し、エゼクタ5は循環路6を介して循環ポンプ7と接続する。エゼクタ5と循環路6と循環ポンプ7とで復水回収ポンプを構成する。循環路6を分岐して復水回収管路8を接続し、弁9を介してボイラ―1と接続すると共に、弁10を介して給水タンク11の上部に接続する。給水タンク11は上部が大気へ開放されているものである。給水タンク11とボイラ―1の間に給水ポンプ12を配置する。給水ポンプ12はボイラ―1内の水位が低水位まで低下した場合に駆動して給水タンク11内の低温復水をボイラ―1へ供給するものである。
【0012】
給水タンク11の上部に自動調節弁15を介して冷却水供給管16を連通する。給水タンク11の下部にはタンク内の流体温度を検出する温度検出手段としての温度センサ―17を取り付ける。温度センサ―17と自動調節弁15はそれぞれ温度コントロ―ラ18と接続して、給水タンク11内の液温を所定温度範囲に制御する。
【0013】
給水タンク11の下部から管路19と注入ポンプ20と自動弁21を介してヘッダ―4の上部と接続する。これらの管路19と注入ポンプ20と自動弁21とでタンク流体注入手段を構成する。本実施例においては、給水タンク11内の流体をヘッダ―4の上部に注入する例を示したが、ヘッダ―を用いることなく、スチ―ムトラップ3からエゼクタ5の間の管路に注入したり、あるいは、ヘッダ―4に替えて密閉タンクを配置してその中に注入することもできる。
【0014】
次に作用を説明する。
蒸気使用機器2で発生した復水はスチ―ムトラップ3を経てヘッダ―4に至りエゼクタ5に吸引され、一部が循環ポンプ7により循環路6を循環すると共に、一部の復水は復水回収管路8と弁9を経てボイラ―1に供給され、再度蒸気となって蒸気使用機器2へ供給される。
【0015】
給水タンク11内の液温は温度センサ―17で検出され温度コントロ―ラ18と自動調節弁15により所定温度、例えば60度C、に維持される。従って、給水タンク11上部から大量の再蒸発蒸気が放散することがないと共に、給水ポンプ12がキャビテ―ションを起こすこともない。
【0016】
給水タンク11の所定温度に制御された流体は、管路19と注入ポンプ20と自動弁21からヘッダ―4に供給され、ヘッダ―4内を所定温度まで降温させる。ヘッダ―4内の温度が所定温度まで低くなることにより、蒸気使用機器2とヘッダ―4の間に温度勾配、すなわち圧力勾配ができて、蒸気使用機器2内で生じた復水は滞留することなくスチ―ムトラップ3を経てヘッダ―4内に流下する。
【0017】
【発明の効果】
本発明は次のような効果を奏する。
給水タンク内の流体温度を所定値に維持することにより、給水タンクからの大量の再蒸発蒸気の放散を防止して熱エネルギ―の損失を防ぐことができ、且つ、給水ポンプでキャビテ―ションを生じることもない。
【0018】
所定温度の給水タンクの流体をタンク流体注入手段によって復水回収ポンプの復水流入側に注入することにより、蒸気使用機器及びスチ―ムトラップと復水回収ポンプの間に必要な圧力勾配をつくることができ、蒸気使用機器で発生した復水をスチ―ムトラップを介してスム―ズに復水回収ポンプで吸引することができ、蒸気使用機器に復水を滞留することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の復水回収装置の実施例の構成図である。
【図2】従来例の復水回収装置の構成図である。
【符号の説明】
1 ボイラ―
2 蒸気使用機器
3 スチ―ムトラップ
4 ヘッダ―
5 エゼクタ
6 循環路
7 循環ポンプ
8 復水回収管路
11 給水タンク
12 給水ポンプ
16 冷却水供給管
17 温度センサ―
18 温度コントロ―ラ
20 注入ポンプ
Claims (1)
- 蒸気使用機器で発生した復水を復水回収ポンプにより、ボイラ―あるいは給水タンク等の復水回収先へ圧送するものにおいて、給水タンクに冷却水を供給する冷却水供給管と、給水タンク内の液温を検出する温度検出手段を設けて、当該給水タンク内の液温を所定温度に維持すると共に、給水タンク内の流体を復水回収ポンプの復水流入側に注入するタンク流体注入手段を設けたことを特徴とする復水回収装置。
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JP29194795A JP3725221B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 復水回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29194795A JP3725221B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 復水回収装置 |
Publications (2)
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JPH09112808A JPH09112808A (ja) | 1997-05-02 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29194795A Expired - Fee Related JP3725221B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 復水回収装置 |
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