JP3722138B2 - 連続重縮合装置及び連続重縮合方法 - Google Patents

連続重縮合装置及び連続重縮合方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系高分子の連続製造に好適な連続重縮合装置及び連続重縮合方法に関するものである。
従来、ポリエチレンテレフタレート等の重縮合系高分子の製造方法としては原料としてテレフタル酸とエチレングリコールをエステル化のために適当な割合で混合槽に入れ、ポンプによりエステル化反応槽へ送る。このエステル化工程は撹拌翼付きの撹拌槽を2から3個直列に配置し、副反応物としてでる水を蒸留塔で分離する。次に前重合工程として立形撹拌槽や横形の撹拌槽が複数台設置されさらに最終重合工程として横形の撹拌槽が設置されている。これらの重合工程の槽には副反応物として出るエチレングリコールを除去するためにコンデンサーが設置され、減圧雰囲気で運転される。従来のポリエステル製造工程では反応槽の数が4から6缶あり、それぞれの反応槽には撹拌翼とその動力源が装備され、また副反応物を分離除去するための蒸留塔やコンデンサーが設置されている。さらに重合工程は減圧雰囲気で運転されるために真空手段はべつの装置によって操作しなければならず、製造装置の運転には高額の維持費と装置経費を必要としている。
特開平7−207009号公報
本発明の問題は高分子量ポリエステルの生産のための公知の方法を改善したものであり、装置全体の効率を向上し、工場設備のエネルギー節約により経済的に操作するものである。
本発明の目的は、上記従来技術を改善し、必要最小限の反応器構成により、最少のエネルギーで品質の良い重合物を効率良く反応させる連続重縮合装置及び連続重縮合方法を提供することにある。
上記目的は、実質的に横型の円筒状容器本体長手方向の一端下部及び他端下部にそれぞれ被処理液の入口ノズル及び出口ノズルを有し、本体の上部に揮発物の出口ノズルを持ち、本体内部の長手方向に本体の内側に近接して回転する撹拌ロータを設けた連続重縮合装置において、撹拌ロータは該撹拌ロータの中心部に回転シャフトを持たず複数本の強度部材と連結されるロータ支持部材を両端に持ち、該支持部材間に形成された処理液の粘度に応じた低粘度域,中粘度域,高粘度域の撹拌翼ブロックで構成され、該各々の攪拌翼ブロックが、被処理液の入口ノズル側の低粘度域に設けられ複数のカキトリ板により構成されるバケット部と該バケット部から処理液が注ぎかけられる薄板円板および中空円板とから成る低粘度撹拌ブロックと、中粘度域に設けられ両側に中空円板を配置しその中に同一外径の中空薄板を複数枚設置しさらに外周部にこれらの部材を貫通したカキトリ板を放射状に複数個設置して構成した中粘度撹拌ブロックと、被処理液の出口ノズル側の高粘度域に設けられ車輪型に中空部を有する円板を複数個適当な間隔で設置し該円板の外周部に前後互い違いにカキトリ板を設置した高粘度撹拌ブロックでなり、揮発物の出口ノズル側のロータ支持部材の本体側面側に攪拌ロータの回転によって本体側壁面の処理液を外周部へ押し出すカキトリ部材を有した連続重縮合装置とし、該連続重縮合装置を用い、重合度の低いプレポリマーを被処理液の入口ノズルより連続供給し、それぞれの撹拌ブロックによって液膜を形成しながら攪拌ロータを回転させて処理液を撹拌することにより、処理液の表面更新を行って揮発物を蒸発させ、前記被処理液の出口ノズル方向へ移動させて重合度を高めてポリエステル系高分子を重縮合させる連続重縮合方法とすることにより、達成される。
本発明によれば、ポリエステル系高分子の連続製造におけるエステル化工程,前重合工程,最終重合工程の内の最終重合工程で、処理液が数百Pasの処理液粘度から取扱うことができ数千Pasの処理液粘度まで上昇させることができるので、装置全体の効率向上し、工場設備のエネルギー節約により経済的に操作することができる
必要最小限の反応器構成により、最少のエネルギーで品質の良い重合物を効率良く反応させるという目的を、ポリエステルの連続製造設備をエステル化工程,前重合工程,最終重合工程の3つの反応器とすることにより実現した。
図1に本発明の一実施例を示す。図1は本発明をポリエチレンテレフタレートの連続製造プロセスの装置構成図である。工業的なポリエステルの製造方法として、直接エステル化法が、経済的に非常に有利であるので、最近では直接エステル化方法が多く採用されている。図において31はポリエチレンテレフタレートの原料であるTPA(テレフタル酸)とEG(エチレングリコール)を所定の割合で混合,撹拌する原料調整槽である。製造プロセスの中にはこの段階で重合反応触媒や安定剤,色調調整剤などの添加物を加える場合がある。重合反応触媒としてはアンチモン,チタン,ゲルマニウム,錫,亜鉛、等の金属化合物があげられ、使用する触媒の種類や組み合わせにより、反応速度が異なるだけでなく、生成するポリエステルの色相及び熱安定性が異なることが良く知られている。さらにこれらの反応は触媒の存在化で高温で長時間行われるために種々の副反応が伴い、重合物が黄色に着色したり、ジエチレングリコール(DEG)の含有量や末端カルボキシル基濃度が適正値以上に増加して、ポリエステルの融点及び強度の低下などの物理的性質が低下したりする。このような問題点を改良するために新しい触媒の開発が試みられているが、現在最も多く工業的に使用されているアンチモン化合物、特に三酸価アンチモンが価格や性能面で優れている。しかし、この触媒を用いても生成したポリエステル重合物の着色は避けられない。このために安定剤として燐系安定剤(例えばトリメチルホスフェート,トリフェニルホスフェート)を併用して改善している。また、別の製造プロセスにおいては重合触媒や安定剤の投入位置を工夫して品質を安定させている。通常のプロセスでは触媒の量は200から400ppmを安定剤の量は50から200ppmを用いるのが好ましい。
以上のように調整された原料はエステル化反応槽33へ原料を供給する供給ライン32を経由して行く。エステル化反応槽(第1反応器)33の外周部には処理液を反応温度に保つためにジャケット構造(図示せず)になっており液の内部には液の加熱手段として多缶式熱交換機34が設置され外部からの熱源により処理液を加熱し、自然循環により内部の液を循環しながら反応を進行させる。ここで最も望ましい反応器の型はエステル化反応を自己の反応により生成する副反応物の蒸発作用を利用して反応器内の処理液を自然循環させるカランドリア型が望ましい。この形の反応器は外部の撹拌動力源を必要としないため装置構成が単純でしかも撹拌軸の軸封装置も不要となり反応器の制作コストが安価となる利点がある。このような反応器の一例として図2に示す様な装置が望ましい。
図2に本装置の一実施例を示す。被処理液52は立形の蒸発缶1内の下部に設けた入口53より流入し、多管式熱交換器4の複数の伝熱管内(図示していない)側を流れ加熱され、自然対流により上昇する。ここで被処理液52の低沸点成分の一部は蒸発しベーパー管55より装置外に放出される。残りの被処理液52は蒸発缶51の内壁と多管式熱交換器54のシェルの外壁との間を自然対流により流下し、多管式熱交換器4のシェル下部に設けられた円筒状の助走空間56に流入する。ここで処理液の流れは乱れの少ない整流されたものになり、さらに多管式熱交換器54の管内の平均流速は自然対流で流下する平均流速よりも増速されているのでより均一な速度分布で複数の伝熱管に流入し、各被処理液は再び均一に加熱され自然対流による循環を繰り返す。この過程で徐々に低沸点成分は蒸発し、適当な対流時間を経た後に濃縮された被処理液59は出口60を通って系外へ導き出される。ここで、円滑な増速流を発生させるためには、伝熱管の総流路面積よりも円筒状の助走空間の流路面積を大きく設計し、さらに蒸発缶51の内壁と多管式熱交換器54のシェルの外壁との間に形成されるに二重管部分の流路面積を助走空間の流路面積よりも大きくすることにより達成される。なお、57は熱媒の入口、58は熱媒の出口を示し、蒸発缶51の回りは断熱材あるいはジャケットにより囲まれている(図示せず)。
従って、本実施例の蒸発缶では熱交換器の軸方向に沿って速度分布が均一なため被処理液はより均一な蒸発あるいは反応をすることができ、より良好な製品品質を短い滞留時間で得ることができる効果がある。被処理液52が固体粒子と液体の混合物(以下スラリーと記述する)の場合も、自然循環する被処理液52は多管式熱交換器54のシェル下部に設けられた円筒状の助走空間56に流入するが、円錐状の部材62に沿ってより円滑に上昇するために、固体粒子が底部に沈殿することがない。被処理液がスラリーの場合は蒸発缶の底部に内部循環する被処理液を上昇させるための円錐状の部材を設けることにより、スラリーに含まれる固体粒子の沈殿を防ぐことができる。ここで、円錐状の部材はある曲率を持っていても良い。従って、本実施例の蒸発缶ではスラリーの自然循環により好適な蒸発缶を提供できる効果があり、信頼性のある良好な品質の製品を得ることができる。しかし、本発明においてこの装置を限定するものではなくプロセス上の理由から撹拌翼を持った反応器を使用しても差し支えない。
第1反応器において、反応により生成する水は水蒸気となり、気化したEG蒸気と気相部5を形成する。このときの推奨すべき反応条件としては温度は240度から280度で加圧条件が望ましい。気相部5のガスはその上流側に設けられた精留塔(図示せず)により水とEGとに分離され、水は系外に除去され、EGは再び系内に戻される。本発明の利点としてエステル化工程を一つの反応器で処理することにより精留塔の数を一つにすることが可能となり、精留塔の制作経費だけでなく配管やバルブの数制御装置の数などを削減でき大幅な装置コストの低減となる。エステル化反応槽33で所定の反応時間経過した処理液は所定のエステル化率に到達し、連絡管36により初期重合槽(第2反応器)37に供給される。このとき処理液は熱交換器38により所定の反応温度に加熱され重縮合反応を行い重合度を上昇させる。このときの反応条件としては270度から290度で圧力は266Paから133Paで重合度20から40程度まで反応させる。
本実施例で示した初期重合槽は撹拌翼を持たない反応器を用いて説明しているがこの反応器を限定するものではない。しかし、初期重合段階においては反応は重合反応速度が反応の速度の律束となっている段階であり反応に必要な熱量を十分に供給すれば反応は順調に進行していく。この観点から処理液は撹拌翼で不必要な撹拌作用を受ける必要はなく重縮合反応によって生成するEGが系外に離脱するだけでよい。
このような操作に最適な反応器としては図3に示す様な装置が望ましい。図において、71は竪長円筒状の容器本体で外周を熱媒ジャケット72で覆われており、本体71中央長手方向に上部が開放した下降管73が取り付けられている。本体71内下部には下降管73に平行に複数個の伝熱管74が取り付けられ、この伝熱管74の上部の下降管73の外側には螺旋状の邪魔板75が複数個取付けられる。それぞれの邪魔板75は本体71内壁との間に揮発物を逃がす隙間83を有して本体71内を上下方向に仕切り、複数個の滞留室84を形成している。本体71内上部、すなわち下降管73及び最上部の邪魔板75Cの上端には被処理液と揮発物とを分離するための空間76を持つ。また、下降貫73の内部には被処理液を薄膜流下させる下降管73の内側に複数個のテーパ状の液受け88を取り付けており、下降管73内を流下する被処理液をそれぞれの液受け88に保持して順次下方に移動させることができるので、被処理液のショートパスを少なくし、効率良く揮発物を蒸発分離して反応を進めることができる。
このような装置において、入口ノズル77より連続して供給された被処理液は、まず伝熱管74に入って加熱されながら上昇し、最下部の滞留室84Aに達する。この滞留室
84Aを徐々に上昇する間に重縮合反応が進み、生成したエチレングリコール等の揮発物は邪魔板75外側の隙間83から上部へ移動する。一方、被処理液は、邪魔板75の螺旋部に沿って旋回流を起こしながら上昇し、次の滞留室84Bへ流入する。このとき旋回しながらスムースにつぎの滞留室84Bへ移動するので、逆流を起こすことも少なく、被処理液は順次滞留部を上昇し、効率良く重縮合反応が進む。
このようにして最上部の滞留室84Cに到達した被処理液は下降管73の頂部82を乗り越えて下降管73の内側を流下する。被処理液は下降管73の内側を薄膜となって流下し、反応により生じた揮発物を蒸発分離して、さらに重縮合反応を進めることができる。このようにして揮発物を蒸発分離し、反応の進んだ被処理液は出口ノズル78より系外に排出される。一方生成した揮発物は本体内の上部空間6で被処理液(重合物)の飛沫と分離し、揮発物の出口ノズル79より系外に排出される。
このとき揮発物に被処理液(重合物)が同伴する問題すなわち飛沫同伴が起こりやすいが、本発明では螺旋状の邪魔板75により上部へ突沸する被処理液及び揮発物を円周方向に向けることができ、飛沫同伴を押さえることができる。このような装置により発生する揮発物、即ちEGは減圧雰囲気に保たれた気相部9で気化し、その上流側に設けられたコンデンサーで凝縮した後に系外へ排出される。本発明の利点として初期重合工程を一つの反応器で処理することによりコンデンサーの数を一つにすることが可能となり、コンデンサーの製作経費だけでなく配管やバルブの数制御装置の数などを削減でき大幅な装置コストの低減となる。初期重合槽(第2反応器)37で所定の反応時間を経過した処理液は連絡管40により最終重合機(第3反応器)41に供給される。最終重合機では中心部に撹拌軸の無い撹拌翼42により良好な表面更新作用を受けながらさらに重縮合反応を進め重合度を上昇させ目的の重合度のポリマーを製造する。
最終重合機(第3反応器)として最適な装置としては図4,図15に記載の装置が表面更新性能、消費動力特性が最も優れている。また、処理液の粘度範囲が広いので従来、2槽に分割したりして処理していたものを一台の装置で可能となり大幅な装置コストの低減となる。図4により最終重合機について説明する。図4は本発明の装置の縦断面を示す正面図である。図において、1は横長円筒状の容器本体で外周を熱媒ジャケット(図示せず)で覆われており、長手方向の両端に回転支持用の軸3a、3bが取り付けられている。これらの回転支持用の軸3a,3b間に撹拌ロータ4が取付けられ、一方の回転軸3aは駆動装置(図示せず)に連結されている。この撹拌ロータ4は両端に5a,5b,5c,
5d(本実施例では4本の場合を示すがロータの大きさによって使用する本数は決定される)と連結されるロータ支持部材2a,2bを持ち、この支持部材2a,2b間に複数個の撹拌ブロックから成る撹拌ロータ4を形成している。支持部材2aは低粘度側部材で、2bは高粘度側支持部材である。この支持部材2bは撹拌ロータ4の外径よりは小さく構成され、該支持部材の本体側面側にはカキトリ部材13a,13bが設けられ、ロータの回転によって本体側壁面の処理液を外周部へ押し出すように取り付けられている。詳細な構成を図4のEE断面である図14に示す。
撹拌ロータ4は入り口ノズル11側の低粘度域はカキトリ板6aと6bにより構成されるバケット部とバケット部から処理液を注ぎかける薄板円板7aおよび中空円板8より構成される低粘度撹拌ブロック(詳細構造は図5,図9,図10により説明する)が設けられている。次に中粘度域は両側に中空円板8を配置し、その中に同一外径の中空薄板7bを複数枚設置し、さらに外周部にはこれらの部材を貫通したカキトリ板6cを放射状に複数個設置して構成される中粘度撹拌ブロック(詳細構造は図3,図4,図8,図9により説明する)が設けられている。さらに出口側には車輪型形状の円板9を複数個適当な間隔で設置し車輪型形状の円板9の外周部にカキトリ板10を設置して高粘度撹拌ブロック
(詳細構造は図8,図13により説明する)が設けられている。また本体1の他端下部には、被処理液の出口ノズル11が取り付けられている。さらに、本体1の上部に揮発物の出口ノズル14が設けられ、配管で凝縮器及び真空引き装置(図示せず)に接続される。
このような装置において、入口ノズル11より連続して供給された重合度の低い低粘度の被処理液(プレポリマー)は、図5に示す低粘度撹拌ブロックでまず撹拌される。このときの処理液の粘度は数Pasから数十Pasである。低粘度撹拌ブロックは中空円板8の外周部にカキトリ板6aと6bでバケットを形成する。図に示したように回転するとバケット内に処理液をすくい上げるように動作する。このときの処理液の流動状況を模式的示したものが図9,図10である。カキトリ板6a,6bのバケット底部には小さな隙間δが形成されている。このために低粘度の処理液91は撹拌ロータの回転と共にバケットですくい上げられ(図9の100)、バケットが回転により内側へ傾き処理液が中側へ流れ出す(図9の101)と共に外側へも少しずつ漏れだし(図9の102)て、バケットの内側と外側の両方に液膜101,102を形成する。さらに内側に流れ出した処理液
101は内側のバケット先端部に設置された薄板円板7aに注がれ(図10の103)、薄板円板7a表面及び薄板円板7aと薄板円板7aとの間の両方に薄い液膜を形成し、広い蒸発表面積を確保することが出来る。
これらの作用はバケットが回転する毎に繰り返され、十分な蒸発表面と良好な表面更新作用を得ることが出来る。このときの回転数は0.5から数rpmの低速回転(10rpm以下)でも十分に良好な性能が得られ、撹拌消費動力の低減に大きな効果が得られる。また処理液より蒸発した副生物は中空円板8の中空部20a薄板円板7aの中空部20aを通過し揮発物の出口ノズル14から排出される。低粘度撹拌ブロックで所定の滞留時間を経過した処理液は粘度を数十Pas程度に上昇させて次の中粘度撹拌ブロックへ到達する。
中粘度撹拌翼ブロックの詳細構造を図6,図7に示す。中粘度撹拌翼ブロックは中空円板8と薄板中空円板7b及びカキトリ板6cで構成されており中空円板の孔径D1、薄板円板7bの孔径D3は処理液の反応副生物のガス量に応じて最適の径になるように決定される。また薄板円板7bの孔径D2についても処理液の粘度と反応ガス量に応じて最適径が決定される。数十Pasになった処理液92は図11,図12に示すように回転によってカキトリ板6cによって持ち上げられ、さらにカキトリ板が回転によって傾斜するために液が垂れ下がり液膜104を形成する。液膜104は回転と共に撹拌ロータの連結強度部材5aに垂れ掛かり液膜は長く保持される。また中空円板8の中空部20aの内部にも回転によって引きずりあげられた処理液が垂れ下がり液膜105を形成する。また薄板円板7bも同様に液膜107が形成されるが、さらに薄板円板7bに設けられた小孔20bにも処理液が垂れ下がり液膜106を形成する。処理液はこのような液膜を形成しながら大きな蒸発表面積と良好な表面更新作用によりさらに重合度が上がり、処理液の粘度が高くなる。処理液粘度が数百Pasになると次の高粘度用の撹拌ブロックで処理される。
高粘度用の撹拌ブロックは図8に示したような車輪型の円板9の外周部にカキトリ板
10aが取り付けられている。このような車輪型円板9が水平方向に撹拌強度部材5a,5b,5c,5dによって所定の間隔で連結されている。このとき車輪型円板9の前後のカキトリ板は10aと10bのように互い違いに設置され、カキトリ板の水平方向の長さは円板が回転したときにお互いの先端部の軌跡が重なり合って槽内壁面全体を掻き取るようになっている。図13に示すように数百Pasに達した処理液93は撹拌翼の回転によりカキトリ板10aによって液を持ち上げる。持ち上げられた処理液は回転によって液が垂れ下がり液膜108を形成する。また、このとき車輪型円板9の中空部にも液膜109が形成され複雑な液面形状を創出する。処理液の粘度がさらに上昇し数千Pasに達すると持ち上げられる液の量も増大してくる。このような状態で回転数を早くすると処理液が垂れ落ちる前に液を再び掻き上げてしまう供回り現象を起こしてしまうので回転数は10rpm 以下で運転する必要がある。最適な運転範囲は処理液の粘度が高いほど低くする必要があり、当方の実験では0.5から6rpmの範囲が最適であった。以上のように撹拌及び表面更新作用が繰り返されて重縮合反応が促進される。そして反応により生成した揮発物は中空円板の中空部を通って順次本体1内を長手方向に移動し、揮発物ノズル14より系外に排出される。このようにして重合度が高くなり高粘度となった被処理液は出口ノズル
12より系外に排出される。
このとき高粘度となった処理液は出口ノズル12の上部に溜まるが、撹拌ロータの支持部材2b外径は撹拌ロータ4の外径より小さく構成されるので支持部材2bには付着しない。また支持部材2bの本体1の側面側にはカキトリ部材13a,13bが取り付けられ処理液を本体外周部へ押しつけるので本体側壁面は常にセルフクリーニングされ、付着滞留を防止している。
このような装置でポリエチレンテレフタレートを重合する場合には被処理液の中間重合物を入口ノズル11より連続供給し、撹拌ロータ4で撹拌し表面を更新して、重合反応で生じるエチレングリコール等の揮発物を蒸発除去し、重縮合反応が進み高粘度の重合物となる。この間に分離したエチレングリコール等の揮発物は出口ノズル14より排出される。この時の操作条件は例えば液温度260〜300℃,圧力0.01 〜10kPa,回転数1〜10rpm の範囲で行われる。そして重合物は出口ノズル12より系外に排出される。この時重合物は本体1内でほぼ完全なセルフクリーニング状態で撹拌され、良好な表面更新を受けるので、滞留による劣化もなく品質の良い製品重合物を効率良く得ることができる。同様にして本装置は、ポリエチレンナフタレート,ポリアミド,ポリカーボネート等の重縮合系樹脂の連続塊状重合に適用できる。また、図15の最終重合機は図4に示した装置と基本構成は同一であるが、入口の処理液粘度が比較的高い場合には低粘度翼の部分を省略した装置の実施例について示したものである。また、高粘度用の撹拌ブロックは車輪型形状の円板9を複数個適当な間隔で設置し車輪型形状の円板9の外周部にカキトリ板200を連結し、次の車輪型形状の円板9の間のカキトリ板200とは取付位置をずらして高粘度撹拌ブロックを形成したものである。
以上の装置構成においてポリエチレンテレフタレートを製造すると従来の装置構成と比較して、反応器の数が減少しているために装置の経費が節約出来るのと装置数の減少に伴い装置に付随する蒸留塔やコンデンサーを減少させ、それらを連結する配管や計装部品やバルブ類を大幅に節約できると共に真空源や熱媒装置等のユーティリティ関係費が大幅に低下するのでランニングコストが安くなる利点がある。
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系高分子の連続製造に適用できる。
本発明によるポリエチレンテレフタレートの連続製造プロセスの一実施例を示す構成図である。 本発明による蒸発缶の一実施例を示す便宜的な断面図である。 本発明の一実施例を示す縦断面正面図である。 本発明の一実施例を示す縦断面正面図である。 図4のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図4のC−C線断面図である。 図4のD−D線断面図である。 低粘度撹拌ブロックのバケット部の処理液の流れの模式図である。 低粘度撹拌ブロックの薄板円板付近の処理液の流れの模式図である。 中粘度撹拌ブロックの中空円板付近の処理液の流れの模式図である。 中粘度撹拌ブロックの薄板円板状の処理液の流れの模式図である。 高粘度撹拌ブロックの処理液の流れの模式図である。 図4のE−E線断面図である。 本発明の一実施例を示す縦断面正面図である。
符号の説明
1…容器本体、3a,3b…回転支持用の軸、4…撹拌ロータ、5a,5b,5c,
5d…撹拌ロータ構成用の強度部材、2a,2b…ロータ支持部材、6a,6b,6c,10,10a,10b,200…カキトリ板、7a,7b…薄板円板、8…中空円板、9…車輪形円板、11…入口ノズル、12…出口ノズル、13a,13b…カキトリ部材、14…揮発物の出口ノズル、20a,20b,20c…中空部、31…原料調整槽、32…原料供給ライン、33…エステル化反応槽、34,38…熱交換器、35,39…気相部、36,40…連絡管、37…初期重合槽、41…最終重合機、42…撹拌翼、43…ポリマー、44…撹拌動力源、51…蒸発缶、52…被処理液、54…多管式熱交換器、56…助走空間、62…円錐状部材、71…容器本体、72…熱媒ジャケット、73…下降管、74…伝熱管、75…螺旋状の邪魔板、76…揮発物分離空間、77…被処理液の入口ノズル、78…被処理液の出口ノズル、79…揮発物の出口ノズル、91,92,
93…処理液液面、100,101,102,103,104,105,106,107,109,110…液膜。

Claims (2)

  1. 実質的に横型の円筒状容器本体長手方向の一端下部及び他端下部にそれぞれ被処理液の入口ノズル及び出口ノズルを有し、本体の上部に揮発物の出口ノズルを持ち、本体内部の長手方向に本体の内側に近接して回転する撹拌ロータを設けた連続重縮合装置において、
    前記撹拌ロータは該撹拌ロータの中心部に回転シャフトを持たず複数本の強度部材と連結されるロータ支持部材を両端に持ち、該支持部材間に形成された処理液の粘度に応じた低粘度域,中粘度域,高粘度域の撹拌翼ブロックで構成され、該各々の攪拌翼ブロックが
    前記被処理液の入口ノズル側の低粘度域に設けられ、複数のカキトリ板により構成されるバケット部と該バケット部から処理液が注ぎかけられる薄板円板および中空円板とから成る低粘度撹拌ブロックと、
    中粘度域に設けられ、両側に中空円板を配置し、その中に同一外径の中空薄板を複数枚設置し、さらに外周部にこれらの部材を貫通したカキトリ板を放射状に複数個設置して構成した中粘度撹拌ブロックと、
    前記被処理液の出口ノズル側の高粘度域に設けられ、車輪型に中空部を有する円板を複数個適当な間隔で設置し該円板の外周部に前後互い違いにカキトリ板を設置した高粘度撹拌ブロックでなり、
    前記揮発物の出口ノズル側のロータ支持部材の本体側面側に前記攪拌ロータの回転によって本体側壁面の処理液を外周部へ押し出すカキトリ部材を有した
    ことを特徴とする連続重縮合装置。
  2. 実質的に横型の円筒状容器本体長手方向の一端下部及び他端下部にそれぞれ被処理液の入口ノズル及び出口ノズルを有し、本体の上部に揮発物の出口ノズルを持ち、本体内部の長手方向に本体の内側に近接して回転する撹拌ロータを設け、
    前記撹拌ロータは該撹拌ロータの中心部に回転シャフトを持たず複数本の強度部材と連結されるロータ支持部材を両端に持ち、該支持部材間に形成された処理液の粘度に応じた低粘度域,中粘度域,高粘度域の撹拌翼ブロックで構成され、該各々の攪拌翼ブロックが
    前記被処理液の入口ノズル側の低粘度域に設けられ、複数のカキトリ板により構成されるバケット部と該バケット部から処理液が注ぎかけられる薄板円板および中空円板とから成る低粘度撹拌ブロックと、
    中粘度域に設けられ、両側に中空円板を配置し、その中に同一外径の中空薄板を複数枚設置し、さらに外周部にこれらの部材を貫通したカキトリ板を放射状に複数個設置して構成した中粘度撹拌ブロックと、
    前記被処理液の出口ノズル側の高粘度域に設けられ、車輪型に中空部を有する円板を複数個適当な間隔で設置し該円板の外周部に前後互い違いにカキトリ板を設置した高粘度撹拌ブロックでなり、
    前記揮発物の出口ノズル側のロータ支持部材の本体側面側に前記攪拌ロータの回転によって本体側壁面の処理液を外周部へ押し出すカキトリ部材を有した連続重縮合装置とし、
    該連続重縮合装置を用い、重合度の低いプレポリマーを前記被処理液の入口ノズルより連続供給し、それぞれの撹拌ブロックによって液膜を形成しながら攪拌ロータを回転させて処理液を撹拌することにより、処理液の表面更新を行って揮発物を蒸発させ、前記被処理液の出口ノズル方向へ移動させて重合度を高めてポリエステル系高分子を重縮合させることを特徴とする連続重縮合方法。
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