JP3716520B2 - 電気自動車のモーター駆動制御装置 - Google Patents

電気自動車のモーター駆動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気自動車の走行用モーターを駆動制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロコンピュータとメモリを備えた車両コントローラーとモーターコントローラーにおいて、各コントローラーのメモリに相手のコントローラーから定期的にデータが書き込まれない場合や、所定時間以上、同一のデータが続けて書き込まれた場合には、いずれかのコントローラーの異常と判断し、装置の動作を停止するようにした電気自動車の制御装置が知られている(例えば、特開平5−122801号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電気自動車の制御装置では、各コントローラーの出力信号の誤差の大きさを判断するまでに時間がかかる上に、メモリに書き込まれたデータのチェックや送受信データのチェックだけでは、モーターコントローラーの出力する制御指令値によりモーターが指令値通りに作動しているのかを確認できないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、コントローラーの演算結果の判断をすばやく確実に行ない、モーターの駆動制御の正確さを判断するようにした電気自動車のモーター駆動制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、バッテリーから供給される直流電力を交流電力に変換してモーターに印加するインバーターと、トルク指令値に基づいてインバーターの出力電流指令値を演算する指令値演算手段と、インバーターの出力電流を検出する電流検出手段と、出力電流指令値と出力電流検出値とに基づいて電流フィードバック制御を行ない、インバーターを制御する電流制御手段と、出力電流検出値Ifbkと出力電流指令値Irefとの差(Ifbk−Iref)が正の判定基準値Ith1より大きくなった時および差(Ifbk−Iref)が負の判定基準値Ith2(ただし、|Ith2|>|Ith1|)より小さくなった時にモーターを停止する停止制御手段と、モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段とを備え、回転速度検出値の増加に応じて、正の判定基準値I th 1を増加するとともに負の判定基準値I th 2を低減する
(2) 請求項2の発明は、バッテリーから供給される直流電力を交流電力に変換してモーターに印加するインバーターと、トルク指令値に基づいてインバーターの出力電流指令値を演算する第1および第2の指令値演算手段と、インバーターの出力電流を検出する第1および第2の電流検出手段と、第1の指令値演算手段による出力電流指令値と第1の電流検出手段による出力電流検出値とに基づいて電流フィードバック制御を行ない、インバーターを制御する第1の制御手段と、第2の電流検出手段による出力電流検出値Ifbkと第2の指令値演算手段による出力電流指令値Irefとの差(Ifbk−Iref)が正の判定基準値Ith1より大きくなった時および差(Ifbk−Iref)が負の判定基準値Ith2(ただし、|Ith2|>|Ith1|)より小さくなった時にモーターを停止する第2の制御手段と、モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段とを備え、回転速度検出値の増加に応じて、正の判定基準値I th 1を増加するとともに前記負の判定基準値I th 2を低減する
(3) 請求項3の電気自動車のモーター駆動制御装置は、インバーターのDCリンク電圧を検出する電圧検出手段を備え、DCリンク電圧検出値の低下に応じて判定基準値I th 1およびI th 2を低減するようにしたものである。
【0006】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、電気自動車の駆動制御装置の信頼性を向上させることができる上に、バッテリー電圧の低下によるモーター電流の減少に対して直ちにモーターを停止するような誤った判断が避けられ、モーター回転速度の上昇にともなうモーター駆動制御装置の演算および制御結果の誤差の増加を考慮して正確なモーター停止判定を行なうことができる。
(2) 請求項2の発明によれば、モーター駆動制御装置の信頼性を向上させることができる上に、モーター回転速度の上昇にともなうモーター駆動制御装置の演算および制御結果の誤差の増加を考慮して正確なモーター停止判定を行なうことができる。
(3) 請求項の発明によれば、DCリンク電圧検出値の低下に応じて判定基準値Ith1およびIth2を低減するようにしたので、バッテリーの端子電圧の低下にともなうモーター電流の減少を考慮して正確なモーター停止判定を行なうことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
−発明の第1の実施の形態−
図1は第1の実施の形態の構成を示す図である。
バッテリー1はインバーターリレー2およびDCリンクコンデンサ3を介してインバーター4に直流電力を供給し、インバーター4は直流電力を交流電力に変換して三相誘導モーター5に印加する。インバーター4は、電気自動車の走行を制御するトルクプロセッシングコントローラー6およびモーターコントローラー7により制御される。モーター5には2台のエンコーダ8A,8Bが機械的に連結されており、ともにモーターコントローラー7へモーター回転角信号を出力する。電圧センサー9はインバーター4のDCリンク電圧Vdを検出し、モーターコントローラー7へ出力する。また、電流センサー10はモーター5に流れる三相電流Iu,Iv,Iwを検出し、モーターコントローラー7へ出力する。
【0008】
トルクプロセッシングコントローラー6は、アクセル信号、シフト信号、ブレーキ信号、モーター回転速度などに基づいてトルク指令を演算し、モーターコントローラー7へ出力する。
【0009】
モーターコントローラー7はインバーター4をベクトル制御するための制御装置であり、トルクプロセッシングコントローラー6からのトルク指令値に基づいてインバーター4の出力電流指令値を演算し、この出力電流指令値、エンコーダ8A,8Bからのモーター回転角信号、電圧センサー9からのDCリンク電圧Vd、電流センサー10からのモーター電流Iu,Iv,Iwなどに基づいて、インバーター4のスイッチング素子を駆動するためのPWM信号を演算する。モーターコントローラー7はまた、モーター制御指令値の演算結果の誤差の大きさおよび実際のモーターの制御状況の判断を行ない、誤差の大きさやモーターの制御状況によりインバーター4に停止命令を出力するとともに、インバーターリレー2を開放してインバーター4への電力の供給を遮断する。
【0010】
図2はモーターコントローラー7の制御ブロック図である。
モーターコントローラー7は、メインマイコン(この明細書では、マイクロコンピュータをマイコンと呼ぶ)11と、サブマイコン21と、OR回路31を備えている。2台のマイコン11,21はそれぞれモーター制御指令値を演算して比較し、制御指令値演算における演算結果の誤差の大きさを検知するとともに、モーター制御指令値と実際のモーター制御結果を比較し、モーターの制御状況を判断する。モーターコントローラー7はまた、エンコーダー8A、8Bからのモーター回転角信号に基づいてモーター回転速度Nmを演算し、車両コントローラー6へ出力する。
【0011】
メインマイコン11は、ソフトウエア形態で構成されるモーター制御演算部12、座標変換部13、比較部14、電流制御部15を備えている。モーター制御演算部12は、トルクプロセッシングコントローラー6からのトルク指令とエンコーダ8Aからのモーター回転角信号に基づいて、モーター制御指令値であるトルク電流指令値It*、励磁電流指令値Im*、モーター電気角θmを演算する。座標変換部13は、モーター制御演算部12で演算されたモーター電気角θmに基づいて、電流センサー10で検出したモーター電流Iu,Iv,Iwをトルク電流と励磁電流のフィードバック値It,Imに座標変換(3/2相変換)する。比較部14は、モーター制御演算部12で演算されたモーター制御指令値It*,Im*,θmと、後述するサブマイコン21のモーター制御演算部22で演算されたモーター制御指令値Its*,Ims*,θsとをそれぞれ別個に比較し、いずれかに所定値以上の差があるとOR回路31へ停止指令を出力する。電流制御部15は、モーター制御指令値It*,Im*,θmと、電流フィードバック値It,Imとに基づいて電流フィードバック制御を行ない、インバーター4へPWM信号を出力する。
【0012】
サブマイコン21は、ソフトウエア形態で構成されるモーター制御演算部22、座標変換部23、比較部24を備えている。モーター制御演算部22は、トルクプロセッシングコントローラー6からのトルク指令とエンコーダ8Bからのモーター回転角信号に基づいて、モーター制御指令値であるトルク電流指令値Its*、励磁電流指令値Ims*、モーター電気角θsを演算する。座標変換部23は、メインマイコン11のモーター制御演算部12で演算されたモーター電気角θmに基づいて、電流センサー10で検出したモーター電流Iu,Iv,Iwをトルク電流と励磁電流のフィードバック値Its,Imsに座標変換(3/2相変換)する。比較部24は、モーター制御演算部22で演算されたモーター制御指令値Its*,Ims*と座標変換部23で変換された電流フィードバック値Its,Imsとを比較するとともに、メインマイコン11で演算されたモーター電気角θmとサブマイコン21で演算されたモーター電気角θsとを比較し、いずれかに所定値以上の差があるとOR回路31へ停止指令を出力する。
【0013】
図3はメインマイコン11の処理を示すフローチャート、図4はサブマイコン21の処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、第1の実施の形態の動作を説明する。
メインマイコン11は、装置の電源が投入されると図3に示す処理を繰り返し実行する。ステップ1において、トルク指令とモーター回転角信号に基づいてトルク電流指令値It*と励磁電流指令値Im*を演算する。次に、ステップ2で、サブマイコン21で演算されたトルク電流指令値Its*と励磁電流指令値Ims*を入力する。ステップ3で、2台のマイコン11,21で演算されたトルク電流指令値It*,Its*と励磁電流指令値Im*,Ims*を個別に比較し、両者の差の絶対値がそれぞれ所定値ΔIt1,ΔIm1よりも小さいかどうかを確認する。なお、モーター制御指令値に含まれる瞬間的な変動分やノイズを除去するために、モーター制御指令値にローパスフィルター処理を施してから比較処理を行なう。いずれかの電流指令値の差が所定値以上の場合はマイコン11,21の演算結果の誤差が大きいと判断し、ステップ4へ進んで停止指令を出力し処理を終了する。
【0014】
このように、2台のマイコンで同一のモーター制御指令値を演算して比較し、その差が所定値以上の場合はマイコン11,21の演算結果の誤差が大きいとして装置を停止するようにしたので、モーター制御指令値の誤差による影響をすばやく防止でき、電気自動車の制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0015】
2台のマイコン11,21で演算された電流指令値がともに所定値より小さい場合はマイコン11,21の演算結果の誤差は極めて小さいと判断し、ステップ5へ進む。ステップ5ではモーター回転角信号に基づいてモーター5の電気角θmを演算し、続くステップ6でサブマイコン21で演算されたモーター電気角θsを入力する。ステップ7において、2台のマイコン11,21で演算されたモーター電気角θm,θsの差の絶対値が所定値Δθよりも小さいかどうかを確認する。なお、モーター電気角信号に含まれる瞬間的な変動分やノイズを除去するために、モーター電気角信号にローパスフィルター処理を施してから比較処理を行なう。モーター電気角の差が所定値以上の場合はマイコン11,21の演算結果の誤差が大きいと判断し、ステップ8へ進んで停止指令を出力し処理を終了する。
【0016】
このように、2台のマイコン11,21でモーター電気角を演算して比較し、その差が所定値以上の場合はマイコン11,21の演算結果の誤差が大きいとして装置を停止するようにしたので、モーター電気角の誤差の増大による影響をすばやく防止でき、電気自動車の制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0017】
2台のマイコン11,21で演算されたモーター電気角の差が所定値よりも小さい場合はマイコン11,21の演算結果の誤差は極めて小さいと判断し、ステップ9へ進む。ステップ9では、演算したモーター電気角θmをサブマイコン21へ出力する。続くステップ10で、モーター電気角θmにより三相モーター電流Iu,Iv,Iwをトルク電流Itと励磁電流Imに座標変換して電流フィードバック値を演算する。ステップ11において、モーター電流指令値It*,Im*と電流フィードバック値It,Imとに基づいて電流フィードバック制御を行ない、PWM信号を演算して出力する。
【0018】
サブマイコン21は、装置の電源が投入されると図4に示す処理を繰り返し実行する。ステップ21において、トルク指令とモーター回転角信号に基づいてトルク電流指令値Its*と励磁電流指令値Ims*を演算する。ステップ22でメインマイコン11からモーター電気角θmを入力し、ステップ23で、モーター電気角θmにより三相モーター電流Iu,Iv,Iwをトルク電流Itsと励磁電流Imsに座標変換して電流フィードバック値を演算する。
【0019】
ステップ24において、モーター電流指令値Its*,Ims*と電流フィードバック値Its,Imsとを個別に比較し、数式1に示すように両者の差がそれぞれ基準の範囲内にあるかどうかを判定する。
【数1】
It21<(Its−Its*)<It22,
Im21<(Ims−Ims*)<Im22
ここで、It21とIm21は負の判定基準値、It22とIm22は正の判定基準値であり、
【数2】
|It21|>|It22|,
|Im21|>|Im22|
である。なお、モーター電流指令値と電流フィードバック値に含まれる瞬間的な変動分やノイズを除去するために、モーター電流指令値と電流フィードバック値にローパスフィルター処理を施してから数式1の判定処理を行なう。モーター電流指令値と電流フィードバック値の差が基準の範囲を超える場合はマイコン11,21の演算および制御結果の誤差が大きいと判断し、ステップ25へ進んで停止指令を出力し処理を終了する。
【0020】
このように、モーター電流指令値と電流フィードバック値とを比較し、その差が所定の範囲を超える場合にはマイコン11,21の演算と制御結果の誤差が大きいとして装置を停止するようにしたので、電気自動車の制御装置の演算および制御結果を正確に判定でき、装置の信頼性を向上させることができる。
【0021】
数式2に示すように、演算と制御結果が正常か否かを判定するための判定基準値に、フィードバック値Its、Imsと指令値Its*、Ims*との差(Its−Its*)、(Ims−Ims*)の符号に応じて異なる値を設定する。すなわち、指令値よりも大きな電流が流れた場合の正の判定基準値を小さくして厳しく判定し、逆に指令値よりも小さな電流が流れた場合の負の判定基準値を大きくして大きな誤差を許容する。
【0022】
電気自動車ではバッテリーからモーターにエネルギーを供給しているので、走行するほどバッテリーの残容量が低下する。バッテリーの残容量の低下にともなって端子電圧が低下すると、出力電流のフィードバック制御を行なっていても指令値だけ電流を流せなくなる。このような場合は、駆動制御装置による演算と制御に不具合があるのではないから、走行停止にすべきでなく、充電ステーションまで走行して速やかに充電を行なう必要がある。この実施の形態では、モーター電流のフィードバック値が指令値より小さくなった場合の判定基準値を大きくしたので、バッテリー電圧の低下によるモーター電流の減少に対して直ちに走行停止にするような誤った判断が避けられる。
【0023】
なお、上記実施の形態では電流フィードバック値Its、Imsと指令値Its*、Ims*との比較判定基準値を正と負の一定値としたが、モーター回転速度Nmに応じて判定基準値を変えるようにしてもよい。例えば図5に示すように、モーター回転速度Nmが増加したら正の判定基準値It22’、Im22’を増加するとともに、負の判定基準値It21’、Im21’を低減するようにしてもよい。
一般に、モーターの回転速度が高くなるほど制御装置の演算と制御の誤差が増加する上に、バッテリー電圧の低下によるモーター電流指令値と実電流との差が大きくなる。モーター回転速度の増加に応じて正と負の判定基準値をそれぞれ増加および低減することにより、行き過ぎた走行停止判定を避けることができる。
【0024】
モーター電気角θはエンコーダ8A、8Bで検出されるモーター回転角信号を積分して算出するので、わずかな誤差でも積分されて大きな誤差になる。そこで、この実施形態では、メインマイコン11で電流フィードバック制御に用いるモーター電気角θmを、サブマイコン21側の座標変換処理にも用いる。2台のマイコンで同一のモーター電気角θmを用いて処理を行なうことにより、積分誤差の影響を排除することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
【0025】
電流フィードバック値とモーター電流指令値の差が所定の範囲内にある場合は装置に異常はないと判断し、ステップ26へ進む。ステップ26ではモーター回転角信号に基づいてモーター電気角θsを演算し、続くステップ27でメインマイコン11で演算されたモーター電気角θmを入力する。ステップ28において、2台のマイコン11,21で演算されたモーター電気角θs,θmの差の絶対値が所定値Δθよりも小さいかどうかを確認する。モーター電気角の差の絶対値が所定値以上の場合はマイコン11,21の演算結果の誤差が大きいと判断し、ステップ29へ進んで停止指令を出力し処理を終了する。モーター電気角の差が所定値よりも小さい場合はマイコン11,21の演算結果の誤差が極めて小さいと判断し、ステップ21へ戻って上記処理を繰り返す。
【0026】
このように、メインマイコン11から送られて座標変換処理に用いるモーター電気角θmを、サブマイコン21側で演算したモーター電気角θsと比較し、その差が所定値以上の場合は誤差が大きいとして装置を停止するようにしたので、メインマイコン11からサブマイコン21へのモーター電気角θmの転送時に、ノイズの混入などによって値が変化した場合でも装置の信頼性を向上させることができる。
【0027】
以上の第1および第2の実施の形態の構成において、バッテリー1がバッテリーを、モーター5がモーターを、インバーター4がインバーターを、モーター制御演算部22が指令値演算手段を、電流センサー10と座標変換部23が電流検出手段を、電流制御部15が電流制御手段を、比較部24が停止制御手段を、エンコーダー8A、8Bとモーター制御演算部12、22が回転速度検出手段をそれぞれ構成する。
【0028】
なお、上述した第1の実施の形態では、メインマイコンで電流指令値と電流検出値とに基づいてフィードバック演算を行ない、サブマイコンで電流指令値と電流検出値とを比較して演算および制御結果の誤差を判定するようにしたが、1つのマイコンでフィードバック制御と演算および制御結果の判定を行なうようにしてもよい。
【0029】
−発明の第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では電流フィードバック値と電流指令値の大小により判定基準値を変える例を示したが、DCリンク電圧Vdの大きさに応じて判定基準値を変えるようにした第2の実施の形態を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は図1、図2に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
【0030】
図6は、第2の実施の形態のサブマイコンの処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより第2の実施の形態の動作を説明する。なお、図4に示す第1の実施の形態の処理と同様な処理を行なうステップに対しては同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。
モーター電流指令値Its*、Ims*とフィードバック値Its、Imsを演算後のステップ24Aにおいて、電圧センサー9により検出されるDCリンク電圧Vdに応じて、モーターコントローラー9の演算と制御結果の判定基準値を設定する。
【0031】
ここで、トルク電流のフィードバック値Itsと指令値Its*の差の判定における負の判定基準値をIt31とし、正の判定基準値をIt32とする。また、励磁電流のフィードバック値Imsと指令値Ims*の差の判定における負の判定基準値をIm31とし、正の判定基準値をIm32とする。これらの判定基準値It31、It32、Im31、Im32を、DCリンク電圧Vdの低下に応じて低減する。
【0032】
DCリンク電圧Vdはインバーターの力行運転時にはバッテリー1の端子電圧にほぼ等しいので、バッテリー1の残容量が少なくなって端子電圧が低下するにつれてDCリンク電圧Vdが低下する。DCリンク電圧Vdが低下すれば指令値だけ電流を流せなくなるが、上述したようにこのような場合は制御装置の不具合ではないから、演算と制御結果の誤差が大きくても走行停止にすべきではない。そこで、この第2の実施の形態では、DCリンク電圧Vdの低下につれて判定基準値It31、It32、Im31、Im32を低くする。これにより、バッテリー電圧の低下によるモーター電流の減少に対して直ちに走行停止にするような誤った判断が避けられる。
【0033】
なお、上記実施の形態では電流フィードバック値Its、Imsと指令値Its*、Ims*との比較判定基準値を正と負の一定値としたが、モーター回転速度Nmに応じて判定基準値を変えるようにしてもよい。例えば図7に示すように、モーター回転速度Nmが増加したら正の判定基準値It32’、Im32’を増加するとともに、負の判定基準値It31’、Im31’を低減する。その上さらに、DCリンク電圧Vdの低下に応じて正と負の判定基準値It31’、It32’、Im31’、Im32’を同時に低減する。
上述したように、一般に、モーターの回転速度が高くなるほど制御装置の演算と制御の誤差が増加する上に、バッテリー電圧の低下によるモーター電流指令値と実電流との差が大きくなる。モーター回転速度の増加に応じて正と負の判定基準値をそれぞれ増加および低減することにより、行き過ぎた走行停止判定を避けることができる。
【0034】
以上の第2の実施の形態の構成において、バッテリー1がバッテリーを、モーター5がモーターを、インバーター4がインバーターを、モーター制御演算部12が第1の指令値演算手段を、モーター制御演算部22が第2の指令値演算手段を、電流センサー10と座標変換部13が第1の電流検出手段を、電流センサー10と座標変換部23が第2の電流検出手段を、電流制御部15が第1の制御手段を、比較部24が第2の制御手段を、エンコーダー8A、8Bとモーター制御演算部12、22が回転速度検出手段を、電圧センサー9が電圧検出手段をそれぞれ構成する。
【0035】
なお、上述した第1および第2の実施の形態では、回路および機器を付加せずにマイクロコンピュータのソフトウエア形態で装置を構成したので、構成部品点数に対する装置の信頼性レベルを低下させることがない。しかし、制御装置の一部または全部をハードウエア形態で構成することももちろん可能である。
【0036】
また、上述した第1および第2の実施の形態ではモーター5に三相誘導電動機を用い、モーターコントローラー7およびインバーター4にベクトル制御インバーターを用いた例を示すが、モーターおよびインバーターの種類はこの実施形態に限定されず、例えば同期電動機を用いたベクトル制御インバーターであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を図である。
【図2】 第1の実施の形態のモーターコントローラーの制御ブロック図である。
【図3】 第1の実施の形態のメインマイコンの処理を示すフローチャートである。
【図4】 第1の実施の形態のサブマイコンの処理を示すフローチャートである。
【図5】 第1の実施の形態のモーター回転速度に対する電流指令値と電流フィードバック値の比較判定基準値を示す図である。
【図6】 第2の実施の形態のサブマイコンの処理を示すフローチャートである。
【図7】 第2の実施の形態のモーター回転速度に対する電流指令値と電流フィードバック値の比較判定基準値を示す図である。
【符号の説明】
1 バッテリー
2 インバーターリレー
3 DCリンクコンデンサ
4 インバーター
5 モーター
6 トルクプロセッシングコントローラー
7 モーターコントローラー
8A,8B エンコーダ
9 電圧センサー
10 電流センサー
11 メインマイコン
12 モーター制御演算部
13 座標変換部
14 比較部
15 電流制御部
21 サブマイコン
22 モーター制御演算部
23 座標変換部
24 比較部
31 OR回路

Claims (3)

  1. バッテリーから供給される直流電力を交流電力に変換してモーターに印加するインバーターと、
    トルク指令値に基づいて前記インバーターの出力電流指令値を演算する指令値演算手段と、
    前記インバーターの出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力電流指令値と前記出力電流検出値とに基づいて電流フィードバック制御を行ない、前記インバーターを制御する電流制御手段と、
    前記出力電流検出値Ifbkと前記出力電流指令値Irefとの差(Ifbk−Iref)が正の判定基準値Ith1より大きくなった時および差(Ifbk−Iref)が負の判定基準値Ith2(ただし、|Ith2|>|Ith1|)より小さくなった時に前記モーターを停止する停止制御手段と
    前記モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段とを備え、
    前記回転速度検出値の増加に応じて、前記正の判定基準値I th 1を増加するとともに前記負の判定基準値I th 2を低減することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。
  2. バッテリーから供給される直流電力を交流電力に変換してモーターに印加するインバーターと、
    トルク指令値に基づいて前記インバーターの出力電流指令値を演算する第1および第2の指令値演算手段と、
    前記インバーターの出力電流を検出する第1および第2の電流検出手段と、
    前記第1の指令値演算手段による出力電流指令値と前記第1の電流検出手段による出力電流検出値とに基づいて電流フィードバック制御を行ない、前記インバーターを制御する第1の制御手段と、
    前記第2の電流検出手段による出力電流検出値Ifbkと前記第2の指令値演算手段による出力電流指令値Irefとの差(Ifbk−Iref)が正の判定基準値Ith1より大きくなった時および差(Ifbk−Iref)が負の判定基準値Ith2(ただし、|Ith2|>|Ith1|)より小さくなった時に前記モーターを停止する第2の制御手段と
    前記モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段とを備え、
    前記回転速度検出値の増加に応じて、前記正の判定基準値I th 1を増加するとともに前記負の判定基準値I th 2を低減することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気自動車のモーター駆動制御装置において、
    前記インバーターのDCリンク電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記DCリンク電圧検出値の低下に応じて前記判定基準値I th 1およびI th 2を低減することを特徴とする電気自動車のモーター駆動制御装置。
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