JP3716430B2 - 機能性材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、脱臭剤や触媒などの機能性粉体を含む機能性材料及びその製造方法に関する。詳細には機能性粉体の機能が損なわれないように、しかも容易に脱落しないように機能性粉体が固定されている機能性材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、脱臭機能、オゾン分解機能、触媒機能、濾過機能などの特定の機能を有する粉体を、不織布や布地、発泡体などの多孔質体に付着させた機能性材料が知られている。これらの機能性材料は表面積の大きな多孔質体に機能性粉体を付着させることで、多孔質体を通過する、あるいは多孔質体と接触する物質に対して、機能性粉体の機能を最大限に利用できるようにすることを目的としている。例えば二酸化マンガンなどのオゾン分解機能を持つ粉体を不織布などの多孔質体に付着させておけば、不織布を通過する気体に含まれるオゾンを二酸化マンガンにより効率よく分解することができる。
【0003】
従来、機能性粉体を多孔質体に付着して機能性材料を製造する方法としては、バインダーや接着性繊維を介して機能性粉体を多孔質体に付着する方法が知られている。バインダーにより機能性粉体を多孔質体に付着する方法では、バインダー中に粉体を分散し、バインダーを多孔質体に含浸またはコーティングする方法が取られている。このため、機能性粉体の表面がバインダーにより覆われて機能が低下する場合があった。
【0004】
一方、接着性繊維を用いた場合には、粉体と接着繊維とが一点で接触して付着するので、機能性粉体の大部分が利用できるが、粉体を多量に付着させることが難しく、また粉体の脱落も起き易いという欠点があった。更には、粉体を接着性繊維の表面にしか付着させることができないため、使用する多孔質体自体が繊維を多量に使用できるものに限定され、このような多孔質体では温度の高い雰囲気では使用できないという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、機能性粉体の機能が損なわれないように、しかも容易に脱落しないように機能性粉体が固定されている機能性材料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明にあっては、「二酸化マンガン」、「二酸化チタン」、「二酸化ケイ素」、「二酸化ジルコニウム」、「活性炭」、「ゼオライト」、「セラジット」、「セピオライト」、「チタン酸カリウム」、およびイオン交換樹脂や微生物吸着能を有する樹脂の樹脂粉体の中から選ばれる機能性粉体が、バインダーとミクロフィブリルセルロース(以下MFCという)とフィブリル化されているポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEという)とからなる混合物によって、多孔質体に固定されていることを特徴とする機能性材料をその要旨とした。
【0007】
請求項2記載の発明は、「二酸化マンガン」、「二酸化チタン」、「二酸化ケイ素」、「二酸化ジルコニウム」、「活性炭」、「ゼオライト」、「セラジット」、「セピオライト」、「チタン酸カリウム」、およびイオン交換樹脂や微生物吸着能を有する樹脂の樹脂粉体の中から選ばれる機能性粉体とバインダーとミクロフィブリルセルロースとポリテトラフルオロエチレンとを含む混合液中のポリテトラフルオロエチレンをフィブリル化し、その上で当該混合液を多孔質体に付与し、乾燥することを特徴とする機能性材料の製造方法をその要旨とした。
【0008】
以下に、本発明の機能性材料及びその製造方法を詳細に説明する。まず、請求項1記載の機能性材料について説明する。この機能性材料は、バインダーとMFCとPTFEとからなる混合物によって、多孔質体に機能性粉体を固定したものである。機能性粉体としては、吸着、脱臭、分解などの機能を有する粉体が使用される。具体的には、オゾン分解シートに用いられる「二酸化マンガン」、「二酸化チタン」、「二酸化ケイ素」、「二酸化ジルコニウム」からなる金属酸化物やその複合酸化物、アンモニア臭を脱臭する脱臭シートに用いられる「活性炭」、「ゼオライト」、「セラジット」、「セピオライト」、タバコ臭、イオウ酸化物、窒素酸化物を除去する除去シートに用いられる「活性炭」、チオール、硫化水素を除去する除去シートに用いられる「ゼオライト」、野菜などから発生するエチレンガスを除去する鮮度保持シートに用いられる「セピオライト」、「ゼオライト」、酒の濾過シートに用いられる「チタン酸カリウム」、醤油中の液体吸着濾過シートに用いられる「セピオライト」、あるいはイオン交換樹脂や微生物吸着能を有する樹脂の樹脂粉体を挙げることができる。
【0009】
多孔質体としては従来より多孔質材料として知られたどんなものでも使用することができ、多孔質体の素材、密度、大きさ、形状、孔の数、孔の大きさなどは、上記機能性材料の用途に応じて適宜選択して使用することができる。例えば一般に多孔質材料として知られたものとして、不織布、織物、編物、多孔性のプラスチックフィルム、発泡体などがある。その他、特殊な用途に用いるため製造された多孔質体として、粒度調整されたガラスビーズ等の粒体を点接着して所定形状に成形したもの、その炭化物、或いは植物や動物の組織をそのまま利用し、これを炭素化したものなどもある。とくに、不織布は表面積が大きく、かつ被処理液体の通過の際の抵抗が低いため、不織布の構成繊維表面に付着した機能性粉体の機能を効率よく利用できるので良い。この多孔質体に前記機能性粉体がバインダーとMFCとからなる混合物によって固定されているのである。
【0010】
バインダーは、機能性粉体間、機能性粉体とMFCとの間、機能性粉体と多孔質体との間、MFCと多孔質体との間に被膜を形成してこれらを接着し固定するものであり、その好ましい例としては、アクリル酸エステル系樹脂、NBR、SBR、塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体などの合成樹脂バインダー、アルミナゾル、シリカゾル、スメクタイト、セピオライト、ケイ酸アルミニウムなどの無機系バインダーなどを挙げることができる。
【0011】
MFCとは、平均織度0.1μm以下の微小繊維状セルロースをいう。MFCとしては、例えばパルプを原料とし、その木質セルロースのフィブリルを叩解し、ミクロフィブリル間の水素結合を物理的に破壊して、ミクロフィブリルに近い状態としたものや微生物によって創製されるバイオフィブリルセルロースなどがある。このMFCはミクロフィブリル表面に水酸基などの官能基を有しており、この官能基の水素結合による強力な接着力で機能性粉体を固定している。また、MFCのミクロフィブリルの絡合力による機能性粉体の固定も行われている。更に、バインダーが被膜を形成して接着する時に、MFCのミクロフィブリルが3次元的なネット状構造を作り、その中に機能性粉体を取り込み、高い空隙を作り出すので、機能性粉体表面がバインダー被膜によって被覆されることがない。
【0012】
一方、PTFEは低摩擦特性を有しており、このPTFEを含む混合物は亀裂が発生し難くなっている。また、フィブリル化されているPTFEは、前記バインダーの接着力、MFCの結合力、絡合力に、PTFEのミクロフィブリルによる機能性粉体への絡合力も加わって、より強力な機能性粉体の固定がなされるようになる。また、PTFEのミクロフィブリルによってバインダーと機能性粉体との間には空隙が保持されるので、MFCとともに機能性粉体の機能発現に起因する有効表面が確保されるようになる。
【0013】
このように、本発明の機能性材料は、バインダーの接着力と、MFCのミクロフィブリルの結合力、絡合力と、PTFEのミクロフィブリルの絡合力とによって、機能性粉体が多孔質体に確実に固定されている。また、その一方でMFCのミクロフィブリルが機能性粉体を取り込んで3次元的なネット状構造を作り出すので、機能性粉体表面がバインダーの被膜によって覆われしまうことがなく、PTFEのミクロフィブリルによってバインダーと機能性粉体との間には空隙が保持されるので、機能性粉体の機能が損なわれていない。
【0014】
次に、請求項2記載の機能性材料の製造方法について説明する。本発明の機能性材料の製造方法は機能性粉体とバインダーとMFCとPTFEとを含む混合液中のPTFEをフィブリル化し、その上で当該混合液を多孔質体に付与し、乾燥することを特徴としている。尚、多孔質体、機能性粉体、バインダー、MFCについては前述したので、ここでの説明は割愛する。まず、機能性材料の用途に応じて機能性粉体の種類、平均粒径等を選択する。機能性粉体の平均粒径は特に限定されるものではないが、余りに大きいと機能性粉体が多孔質体に均一に分散した状態に固定できなくなると共に、機能性粉体の単位重量当りの接触面積が小さくなり、多孔質体内部を通過したり、接触したりする物質に対して機能性粉体の機能が充分に発揮されなくなる。この機能性粉体にMFC、PTFEを加えて攪拌し混合した後、水を加えてエマルジョンの形態としたバインダーを加え、更に攪拌し混合して混合液とした。
【0015】
この混合液におけるバインダー量(固形分量)としては機能性粉体の容量100に対して1〜50容量部、好ましくは5〜30容量部である。この範囲よりもバインダー量が少ない場合には、機能性粉体の充分な接着ができず、製造時或は使用時に脱落を生じる恐れがある。一方、この範囲よりもバインダー量が多い場合には、バインダーにより粉体表面が覆われてしまい、機能性粉体の機能が充分に発現しなくなる。また混合液の流動性がなくなり、多孔質体へのスムーズな付与ができなくなる恐れが生じることになり、しかも混合液中の機能性粉体量が少なくなる。また、MFC量は機能性粉体の容量100に対して1〜30容量部、好ましくは5〜10容量部である。この範囲よりもMFC量が少ない場合には、MFCによる機能性粉体の結合、絡合、空隙の保持といった効果が期待できなくなり、多い場合には混合液の流動性がなくなり、取り扱い性が悪くなる。
【0016】
また混合液における水の量としては、機能性粉体の種類によっても異なるが、機能性粉体の重量に対して0.5〜10倍の重量分に相当する量が望ましい。これより水の量が少ないと、得られる混合液の粘度が高くなって、多孔質体への付与が難しくなり、これより水の量が多いと、実質的に多孔質体に固定させる機能性粉体の量が少なくなり所望の効果が得られなくなる。機能性粉体を多孔質体の構成材料の表面に固定させたい場合には、水の量を0.5〜10倍量、特に1〜5倍量とするのがよく、多孔質体の構成材料間の空隙にも固定させたいときには、水の量を0.5〜5倍量、特に0.5〜3倍量として混合液の流動性を低くするとよい。
【0017】
この混合液におけるPTFEは低摩擦特性を有しており、このPTFEを混合液中に含ませることで、混合液は機能性粉体とバインダーとMFCとを含む混合液の場合よりも流動性が高くなる。このため、流動性との関係から混合液への配合量が制限されるMFC量を増加させることができ、MFCによる機能性粉体の固定、空隙の確保といった効果を高めることができる。また、混合液の成分にPTFEを加えることで流動性が高くなり、混合液を多孔質体により一層付与しやすくなり、しかもこれを乾燥したときに、多孔質体に固定した混合物に亀裂が発生し難くできる。
【0018】
尚、このPTFEは、粉体の形態で混合液へ加えてもよいが、混合液への均一な分散を容易にするためディスパージョンの形態で加える方がよく、水を加えた機能性粉体にPTFEディスパージョンを加え、更にMFCを加えて攪拌混合した後、バインダーエマルジョンを加え、更に攪拌混合してペースト状の混合液とする。尚、混合液の調合は上記の如く粉体→PTFEディスパージョン→MFC→バインダーエマルジョンの順でもよいが、粉体→バインダーエマルジョン→PTFEディスパージョン→MFCの順で調合することもできる。この調合順の違いは混合液の凝集状態、特に凝集の大きさを左右し、機能性粉体の固定状態や機能性粉体により処理される被処理物質との接触状態に影響を与えることになる。
【0019】
この混合液におけるPTFE量としては機能性粉体の容量100に対して0.1〜70容量部、好ましくは0.5〜20容量部である。この範囲よりもPTFE量が多い場合には増量した分だけの実効が得られず不経済となり、この範囲よりも少ない場合にはPTFEを加えたことによる機能性粉体の絡合、機能性粉体との間の空隙の保持といった効果が期待できなくなる。
【0020】
上記割合で機能性粉体、バインダー、MFC、PTFEを加えて混合液とした後、これを多孔質体に付与するのである。混合液の付与には、含浸、コーティング、スプレーなどの手法を採ることができる。これらの付与手段により混合液は多孔質体全体に均一に分散した状態で付与され、この後、これを自然乾燥、または強制乾燥することによって、水分が蒸発し、多孔質体の表面及び内部に機能性粉体がバインダーとMFCとからなる混合物によって固定されるのである。
【0021】
尚、混合液中のPTFEをフィブリル化した場合、PTFEのミクロフィブリルは機能性粉体を絡合しこれを保持して、より強力な機能性粉体の固定がなされるようになる。加えてPTFEのミクロフィブリルによってバインダーと機能性粉体との間には空隙が保持され、MFCとともに機能性粉体の機能発現に起因する有効表面が確保されるようになる。PTFEのフィブリル化は、攪拌混合した後に混練工程を設けることにより、あるいは各成分を混合する過程で行うことができ、フィブリル化のための装置としては、従来より知られた混合攪拌機、ニーダー、ボールミル、バンバリーミキサー、ロールミキサー、スクリューミキサー等を用いることができる。また、PTFEをフィブリル化する場合には、混合液中にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、エチルセロソルブなどを加えてフィブリル化を促進することもできる。
【0022】
【実施例】
実施例1
二酸化マンガン(DENMAN RB−S 三井金属工業株式会社製)に水を加えた後、PTFE(D−1 ディスパ−ジョン(固形分濃度60wt%) ダイキン工業株式会社製)を二酸化マンガン100容量部に対して20容量部(固形分量)と、MFC{「セリッシュ KY−100S ダイセル化学工業株式会社製」を2%ゲル水溶液に調整したもの、及び「セリッシュ KY−100Lダイセル化学工業株式会社製」を5%ゲル水溶液に調整したもの}を10容量部(固形分量)加え、ラボスターラーで5分間攪拌混合した後、バインダーエマルジョン(スミカフレックス850 住友化学株式会社製(酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル系))を20容量部(固形分量)加えてラボスターラーで5分間攪拌混合しペースト(水/二酸化マンガン≒1)を作製した。
【0023】
ポリエチレン成分とポリプロピレン成分とからなるサイド−バイ−サイド型複合繊維を抄造した繊維ウェブを150℃のカレンダーに通して、熱接着した目付15g/m2 の不織布に前記ペーストをコーティングし、これをドライヤーを用い、130℃の温度で10分間乾燥しオゾン分解シートを得た。
【0024】
実施例2
PTFEを加えず、MFCを二酸化マンガン100容量部に対して10容量部(固形分量)、バインダーエマルジョンを20容量部(固形分量)加えてペーストを作製したこと以外は実施例1と同じ方法でオゾン分解シートを得た。
【0025】
比較例1
二酸化マンガン100容量部に対してPTFEを20容量部(固形分量)、バインダーエマルジョンを20容量部(固形分量)加えてペーストを作製した以外は、実施例1と同じ方法でオゾン分解シートを得た。
【0026】
比較例2
二酸化マンガン100容量部に対してバインダーエマルジョンを20容量部(固形分量)加えてペーストを作製した以外は、実施例1と同じ方法でオゾン分解シートを得た。
【0027】
上記実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2について初期オゾン分解率と30分後のオゾン分解率を調べ、これを図1に示した。尚、オゾン分解率の測定は以下の方法により行った。
【0028】
(オゾン分解率の測定方法)オゾン分解シートを10mm×75mmの大きさに裁断した試験片をメッシュ(日石コンウェドネットNo.3330)と共にガラス棒に巻き、ガラス管に入れて測定セルを形成する。オゾン濃度自動制御装置(荏原実業株式会社製)を用いて、オゾン濃度10ppmのオゾンを発生させ、これを流量2リットル/分で測定セルに通し、通過後のオゾン濃度を測定してオゾン分解率を求めた。ただし、測定は温度25℃で行った。
【0028】
比較例2のシートは、30分後のオゾン分解性能が半分以下になりオゾン分解に寄与する粉体表面が減少していることが解る。しかし実施例2のグラフに示すように、MFCを10容量部添加するだけで60%近い性能が維持され、実施例1のグラフのようにPTFEを添加することで比較例2と比べると高い性能が維持されていることが解る。これはバインダーが被膜を作って接着する時にMFCが3次元的なネット状構造を作り、その中に粉体を取り込み高い空隙を作り出して、粉体表面がバインダーで被覆されてしまわないようになっているからと考えられる。また、比較例1のシートは、オゾン分解性能は維持されておらず比較例2のシートとあまり変わらなかった。これは比較例1のシート中のPTFEがほとんどフィブリル化されておらず、粉体の周りに空隙を保持するという効果が充分に発揮されていないからと思われる。
【0029】
【発明の効果】
上記構成を備えたことにより、請求項1記載の機能性材料にあっては、バインダーの接着力と、MFCのミクロフィブリルの結合力、絡合力とによって、機能性粉体が多孔質体に固定されて機能性粉体の脱落が確実に防止され、しかもMFCのミクロフィブリルが3次元的なネット状構造を作り出し、その中に粉体を取り込み高い空隙を保持するので、機能性粉体表面がバインダーの被膜によって覆われしまうことがなく、機能性粉体の機能が損なわれない。
【0030】
また、この機能性材料にあっては、混合物中にフィブリル化されたPTFEが含まれているので、バインダーの接着力、MFCの結合力、絡合力に、PTFEのミクロフィブリルによる機能性粉体への絡合力も加わって、より強力な機能性粉体の固定が実現できる。また、PTFEのミクロフィブリルによってバインダーと機能性粉体との間には空隙が保持されるので、MFCとともに機能性粉体の機能発現に起因する有効表面を確保することができる。
【0031】
また、この機能性材料にあっては、混合物中にPTFEが含まれており、混合物における亀裂の発生が防止されている。
【0032】
請求項2記載の機能性材料の製造方法にあっては、機能性粉体の脱落が確実に防止され、かつ機能性粉体の機能発現に起因する有効表面が確保された機能性材料を得ることができる。
【0033】
また、この機能性材料の製造方法にあっては、混合液の成分にPTFEを加えてこれを多孔質体に付与し乾燥するようにしたので、混合液は機能性粉体とバインダーとMFCとを含む混合液の場合よりも流動性が高くなり、流動性との関係から混合液への配合量が制限されるMFC量を増加させることができ、MFCによる機能性粉体の固定、空隙の確保といった効果を更に高めた機能性材料を得ることができる。また、混合液の成分にPTFEを加えることで流動性が高くなり、混合液を多孔質体により一層付与しやすくなり、しかもこれを乾燥したときに、多孔質体に固定された混合物に亀裂が発生し難くできる。
【0034】
また、この機能性材料の製造方法にあっては、PTFEをフィブリル化するので、PTFEのミクロフィブリルが機能性粉体を絡合しこれを保持して、より強力な機能性粉体の固定がなされると共に、PTFEのミクロフィブリルによってバインダーと機能性粉体との間には空隙が保持され、MFCとともに機能性粉体の機能発現に起因する有効表面が確保された機能性材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2について初期オゾン分解率と30分後のオゾン分解率とを示したグラフ。
Claims (2)
- 「二酸化マンガン」、「二酸化チタン」、「二酸化ケイ素」、「二酸化ジルコニウム」、「活性炭」、「ゼオライト」、「セラジット」、「セピオライト」、「チタン酸カリウム」、およびイオン交換樹脂や微生物吸着能を有する樹脂の樹脂粉体の中から選ばれる機能性粉体が、バインダーとミクロフィブリルセルロースとフィブリル化されているポリテトラフルオロエチレンとからなる混合物によって、多孔質体に固定されていることを特徴とする機能性材料。
- 「二酸化マンガン」、「二酸化チタン」、「二酸化ケイ素」、「二酸化ジルコニウム」、「活性炭」、「ゼオライト」、「セラジット」、「セピオライト」、「チタン酸カリウム」、およびイオン交換樹脂や微生物吸着能を有する樹脂の樹脂粉体の中から選ばれる機能性粉体とバインダーとミクロフィブリルセルロースとポリテトラフルオロエチレンとを含む混合液中のポリテトラフルオロエチレンをフィブリル化し、その上で当該混合液を多孔質体に付与し、乾燥することを特徴とする機能性材料の製造方法。
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