JP3715727B2 - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート製品の製造方法に関し、詳しくはモルタルやコンクリートを練混ぜた後、型枠に成形し、速やかに加熱養生して短時間に脱型してコンクリート製品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート製品の製造方法は、振動成形による場合は、スランプ5〜10cm程度のコンクリートを練混ぜた後、型枠に充填して振動成形し、約2時間前置き養生してブリージングが止まってからコテ仕上をした後、1〜2時間を掛けて蒸気によって加熱昇温し、最高温度(65〜75℃)に達してから2〜3時間保持して、次いで、約1時間冷却時間をとってから、脱型強度を得て脱型している。
脱型に必要な強度はコンクリート製品の形状や重量により異なるが、概ね3〜15N/mm2 でありコンクリートの練混ぜから脱型までに6〜8時間要している。
【0003】
また、振動成形と遠心力成形を併用した中空の斜壁などの場合では、10cm程度のスランプのコンクリートを練混ぜた後、型枠に充填して振動成形してから、1〜2時間前置き養生してブリージングが止まってから上部をコテ仕上げした後、1時間程度を掛けて昇温し、最高温度に達してから2〜3時間保持して、次いで、約1時間冷却時間をとってから、脱型強度を得て脱型している。この場合はコンクリートの練混ぜから脱型までに5〜7時間程度要している。
【0004】
コンクリート製品の製造において、コンクリートスランプを5〜10cmとしているのは打ち込みに必要なスランプということであり、軟らかすぎるとブリージングの発生量が多くなりコンクリートと型枠の間に水道が出来て製品の肌を荒らして商品価値を下げる。また、これより硬くなると打ち込みが出来難くなる。前置き養生時間をとるのは、コテ仕上げはブリージングが止まってからでないと出来ないことと、コンクリートが軟らかいうちに急激な加熱養生を行うと熱膨張によってコンクリート製品にひびわれが入ることによるものである。
【0005】
さらに、昇温速度をコントロールするのは、昇温速度が速過ぎると熱ひびわれが発生し易くなり、かつ、長期強度も低下することによるものである。そして最高温度が高くなり過ぎても熱膨張によるひびわれの発生や長期強度の低下を招く結果となる。
【0006】
また、冷却時間をとるのは、製品と外気温との温度差による熱応力によるひびわれが発生する場合があるためである。
コンクリート製品の製造にはこのような種々の制限が加えられる結果、前述したような時間配分とならざるを得ないのが現状である。
【0007】
しかしながら、コンクリート製品は多品種、多品目であり、同じ種類の製品でも種々のサイズがあるにも拘わらず、一度に大量に出荷されることから、これらの需要に答えるためには多種類で、しかも多数の高価な型枠を保有しなければならないし、広大な製品ヤードも必要である等の宿命的な課題を有している。
【0008】
これらの課題を解決するためには、通常、水硬性の高いセメントを使用するか、さらに塩化物、硝酸塩、ロダン酸塩などで代表される凝結促進剤などを添加してコンクリートの凝結硬化を速め、生産効率を上げることが考えられる。
しかしながら、これらの凝結促進剤では強度発現速度を支配するアリット(Alite)の水和速度は速くなるが、水和を開始するまでの潜伏期までは短縮出来ないので前置き時間は短かくならないし、加熱養生と凝結促進剤による短時間強度の増進は長期強度が低下する等の課題がある。
【0009】
本発明者らは、従来からの課題である短時間強度の増進と長期強度の低下の防止という二律背反を解決するために、セッコウと、硫酸アルミニウムやミョウバン石と、亜硫酸ナトリウムなどを組み合わせたエトリンガイトを生成する混和材を提案(特開平4−160042号公報)した。
しかしながら、この中では、コンクリートを型枠に詰めてから1.5時間以内に脱型できるようなコンクリートの練混ぜ方法や養生方法および配合条件などまでは言及されていない。
【0010】
また、本発明者らは、コンクリートに不溶性無水石膏と消石灰を添加して混練し、成形後、練り上り温度よりも35〜55℃高い温度で蒸気養生することにより、短時間で脱型強度を発現させるコンクリート成形体の製造方法を提案(特開昭53−94329号公報)した。
しかしながら、この方法では、蒸気養生温度が従来の温度の範囲内に留まり、短時間強度および本発明より強度の絶対値がかなり小さい長期強度は得られるが、コンクリートを高流動化して作業性を改善し、打設の省力化、自動化および振動固めによる騒音公害を防止しようとした場合には、コンクリートの凝結効果が著しく遅延され、短時間強度が得られなくなる。
しかし、本発明では、高流動化することにより、むしろ、エトリンガイトを生成する成分の分散が良くなり、短時間強度および長期強度がより一層高くなるものである。
尚、本発明では、特開昭53−94329号公報と同様のスランプの場合においてもより高い長期強度が得られることは言うまでもない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の様な従来のコンクリート製品の製造技術に鑑み、短時間強度の増進と長期強度の低下の防止という課題を解決し、かつ、コンクリート製品工場において少ない型枠で生産効率を上げるという宿命的な課題に対して鋭意研究した結果、コンクリートを型枠に成形後、ほとんど前置き養生時間をとることなく、かつ、昇温速度のコントロールもしないで、急激な加熱養生を行っても熱膨張や長期強度の低下のないコンクリート製品を、短時間で製造する方法を知見して本発明を完成させたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第一の発明は、あらかじめ練混ぜてある生コンクリートに、セメント100重量部に対して0.2〜2.5重量部の(B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、1〜9重量部の(A)セッコウとからなるエトリンガイトを生成する成分を懸濁した懸濁液を添加した後、再度練混ぜて得られたコンクリートを型枠に成形後、該型枠の雰囲気温度を75℃以上に昇温し、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法である。
また、本発明は、(B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、(A)セッコウと、(C)カルシウムアルミネートとからなるエトリンガイトを生成する成分を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、該型枠の雰囲気温度を75℃以上に昇温し、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法である。
【0013】
また、本発明の第二の発明は、あらかじめ練混ぜてある生コンクリートに、セメント100重量部に対して0.2〜2.5重量部の(B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、1〜9重量部の(A)セッコウとからなるエトリンガイトを生成する成分を懸濁した懸濁液を添加した後、再度練混ぜて得られたコンクリートを型枠に成形後、該型枠を予め雰囲気温度を65℃以上に設定してある加熱雰囲気中に入れ、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法である。
また、本発明は、(B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、(A)セッコウと、(C)カルシウムアルミネートとからなるエトリンガイトを生成する成分を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、該型枠を予め雰囲気温度を65℃以上に設定してある加熱雰囲気中に入れ、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法である。
【0014】
本発明の第一および第二の発明において、好ましい実施態様としては、
(1)エトリンガイトを生成する成分を懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(2)エトリンガイトを生成する成分を懸濁液にして、一度練混ぜた生コンクリートに添加して、再度、練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(3)コンクリートの水セメント比を50wt%以下とすることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(4)コンクリートの軟らかさをスランプフローで35〜75cmとすることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(5)予め、型枠を40℃以上で予熱しておき、その中にコンクリートを投入して成形することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(6)型枠にコンクリートを投入後成形し、その型枠の投入口を解放状態で加熱養生することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(7)型枠にコンクリートを投入後成形し、その型枠の投入口を密閉又は密閉に近い状態で加熱養生することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(8)型枠にコンクリートを投入後、遠心力を作用させて成形することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
が挙げられる。
【0015】
また、本発明の二の発明における好ましい実施態様として、
(9)加熱雰囲気が、養生槽またはコンクリートを直接加熱可能な装置もしくは方法であることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
が挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のコンクリート製品の製造方法は、エトリンガイトを生成する成分を添加して練混ぜたコンクリートを用いて成形を行なう。
コンクリートに含有される成分は、例えば前記のエトリンガイトを生成する成分、セメント、砂、砕石、減水剤、増粘剤、水、混和材料などが挙げられる。
【0017】
本発明においてエトリンガイトを生成する成分(以下、AFt、又はAFt成分などという)とは、AFt(C3 A・3Ca SO4 ・32H2 O,C=Ca O,A=Al23 )の分子式が示すように、可溶性または反応性の硫酸塩化合物、アルミン酸塩化合物の単独添加又はそれらの組み合わせであれば特に制限されないが、具体例としてはセッコウと、CA,C127 ,C33 CS(S=SO3 )などを主成分とする結晶質またはそれらの化学成分を有する非晶質のカルシウムアルミネート(以下、CAなどという)などの一種または二種以上との組み合わせや、硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石などの単独添加およびこれとセッコウ、CAなどとの併用添加がある。
【0018】
セッコウの単独添加はセメント中のC3 A,C4 AFなどのカルシウムアルミネートと反応してAFtを生成させるが、アリット(Alite)の水和速度を遅延させて短時間強度の発現を遅延させるので好ましくないものである。したがって、セッコウは前記CAなどと併用添加とするのが好ましく、併用することにより短時間強度を増進させることが可能となる。
【0019】
また、硫酸アルミニウムおよびミョウバン石については単独でもAFtを生成させ短時間強度の発現を促進するが、強く促進すると長期強度が低下する傾向が示されるので、セッコウとの併用添加は好ましいものであり、さらにCAなどと併用添加することは短時間強度に対してより好ましい。
【0020】
セッコウの種類は特に限定されることはく、不溶性や難溶性のII型無水セッコウの他に、二水セッコウ、半水セッコウ、III型無水セッコウが使用されるが、長期強度の伸びから好ましいのは不溶性や難溶性のII型無水セッコウである。
【0021】
セッコウの添加量は、CAなどや、硫酸アルミニウムおよびミョウバン石の1種又は2種以上と併用添加する場合において、セメント100重量部に対してCa SO4 換算で、多くても9重量部であり、6重量部以下が好ましく、1〜5重量部が最も好ましい。9重量部を超えるようになるとアリット(Alite)の水和の遅延作用が大きくなり過ぎて短時間強度が得られ難くく、1重量部未満では長期強度の増大効果が小さくなり好ましくない。
【0022】
CAなどや、硫酸アルミニウムおよびミョウバン石などは、いずれの場合も急結や偽凝結を生じさせない範囲で使用するのが好ましい。
例えば、CAなどの添加量はセメント100重量部に対して3重量部以下として、セッコウをCAなどの量の0.5〜3倍(重量部)とするのが好ましく、より好ましくは0.8〜2倍である。セッコウとの配合比率に拘わらずCAなどの量が3重量部を超えると急結が生じ易く、また、セッコウをその0.5倍未満とすると短時間強度は増進されるが長期強度が低下するようになり、3倍量を超えると長期強度は大きくなるが短時間強度が低くなる傾向を示すようになる。
【0023】
また、硫酸アルミニウムやミョウバン石の添加量は、それぞれ単独添加の場合も、両者を併用して添加した場合も、その無水物換算(不純物がある場合は純度で換算)の合計量で、セメント100重量部に対して多くても2.5重量部であり、2.0重量部以下が好ましく、最も好ましくは0.2〜1.5重量部である。0.2重量部未満では短時間強度の発現効果が小さくなるので好ましくなく、2.5重量部を超えるようになると長期強度の低下が著しく、また、同じ種類のセメントでも、その銘柄やロットの違いによっても急結する場合もあるので好ましくない。
【0024】
さらに、硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石とセッコウとを併用添加する場合や、さらにCAなどとも併用添加する場合も上記と同様の添加量範囲で良いものである。
【0025】
本発明において、AFt成分などを添加して練混ぜたモルタルやコンクリート(以下、コンクリートという)は型枠に成形された後、速やかに、加熱養生される。この際、前置き養生時間はとる必要がなく、一気に最高温度まで加熱するか、予め、最高温度まで雰囲気温度を上げておいて、養生されるものである。
【0026】
加熱方法は、特に制限されないが、好ましくはエトリンガイトを生成する成分を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、該型枠の雰囲気温度を昇温することにより加熱する方法、または該型枠を予め雰囲気温度を加熱設定してある加熱雰囲気中に入れて加熱する方法により行なう。具体的には常法のように蒸気による加熱でも良いし、養生槽床面にパイプを配してその中に温度をコントロールした熱湯や熱い油を通し、雰囲気温度をコントロールさせても良い。さらにコンクリートを直接加熱可能な装置もしくは方法として、型枠をジャケットにしてその中に温度をコントロールした熱湯や熱い油を循環しても良いものである。また、型枠を直接的、間接的に電気抵抗を利用して加熱するなどの方法や電磁波などにより直接コンクリートを加熱する方法なども採用される。
【0027】
そして加熱養生開始から多くとも1.5時間、すなわち1.5時間以内に脱型強度を得るために、室温又は外気温から急速加熱する昇温を伴う養生方法では75℃以上必要であり、予め養生槽内等の雰囲気温度を上げておく場合は65℃以上に設定することにより強度の発現が顕著に高くなるものである。そして、最高温度が高くなるほど加熱養生開始から1.5時間以内での脱型強度も高くなるが、温度が高すぎるとセメントの種類に拘らず常圧では長期強度の伸びが著しく阻害される。また、前記75℃未満及び65℃未満では水硬性の高い早強セメントを用いても1.5時間以内では脱型強度は得られ難い。従って、いずれの場合も90〜110℃が最も好ましい。
【0028】
なお、1.5時間以内に脱型強度を得るための養生温度はセメントの種類により異なることがあり、例えば普通セメントの場合には、室温又は外気温から急速加熱する昇温を伴う養生方法では85℃以上に、予め養生槽内等の雰囲気温度を上げておく場合は75℃以上に設定することが好ましい。また、早強セメントの場合には、室温又は外気温から急速加熱する昇温を伴う養生方法では75℃以上に、予め養生槽内等の雰囲気温度を上げておく場合は65℃以上に設定することが好ましい。
【0029】
加熱養生時間は1.5時間以内であるが、養生温度が高くなるほど強度発現速度も速くなり、1.5時間強度も増大する。しかしながら、雰囲気温度に対してコンクリート温度の上昇が30〜45分遅れるために強度発現の開始も30〜45分遅れ、コンクリート製品の種類にもよるが、脱型強度が得られるのは45〜60分程度からである。
【0030】
また、本発明においてAFt成分などの添加方法は、AFt成分などを混合して、又は、AFt成分を別々にコンクリートに練混ぜるときに、他のコンクリート材料と一緒に添加して練混ぜても良いが、AFt成分などを練混ぜ水の一部や、さらにそれに減水剤の一部又は全量を加えたものに懸濁させて添加して練混ぜると、AFt成分などのコンクリート中への分散効果が上がるために短時間強度が高くなる。また、長期強度も高くなるものである。
【0031】
そして、AFt成分などの添加はスランプロスを促進するので、AFt成分などを添加しないで練混ぜたコンクリートから、1個又は2個以上のコンクリート製品を製造するために必要分のコンクリートを再計量して、それにAFt成分などの懸濁液をAFt成分などが適量となるように添加して再度練混ぜても良く、この方法はスランプロスなどからくる作業時間に拘束されないので、一回で多量に練混ぜたコンクリートから沢山の二次製品を製造するのに好ましい方法である。
【0032】
本発明において、コンクリートの水セメント比は50wt%以下とする。
水セメント比が小さいほど短時間強度や長期強度の発現が大きくなるが、好ましくは45wt%以下、最も好ましくは42〜20wt%である。50wt%を超えると短時間強度が得られ難く、また、20wt%未満とするには単位セメント量が多くなり過ぎて、コンクリート自身の水和熱が大きくなり、そのための熱ひびわれなどの問題が発生し易くなるし、適正なスランプ又はスランプフローを得るために必要な減水剤量も多くなるので凝結遅延性が大きくなり短時間強度が得られ難くなるので好ましくない。
【0033】
本発明において、コンクリートの軟らかさをスランプフローで35〜75cm(スランプでは、概ね、20cm以上となる)と大きくして高流動化する。コンクリートの高流動化は無振動または微振動で流し込み成型が出来、かつ、ジャンカの発生を低減又は防止する効果を有するが、さらに、AFt成分などを懸濁液で添加することと併用することによりコンクリートへのAFt成分の分散がさらに良くなりコンクリートが軟らかいにも拘わらず強度発現効果も向上するものである。
【0034】
そしてこの場合、スランプフローが35cm未満では無振動または微振動による流し込み成型でのジャンカの低減又は防止する効果や、AFt成分などの分散効果による強度発現効果は劣るようになり、75cmを超える場合はブリージングや骨材の沈下などの材料分離などの現象が生じ易くするので好ましくない。なお、スランプフローは好ましくは40〜70cm、より好ましくは50〜65cmである。
【0035】
なお、高流動化のタイミングは、特に、限定されることはなく凝結硬化が始まらない時間内であれば任意の時間に行えば良いが、通常は、一回目のコンクリートの練混ぜ時にAFt成分も添加して流動化する方法と、AFt成分を添加しないで通常スランプのコンクリートを練混ぜた後、適宜必要分のコンクリートを再計量してAFt成分を添加し、再練混ぜ時に流動化される。
【0036】
本発明において、常法で行われるように、コンクリートの水セメント比の調節および高流動化を行うためやブリージングの発生や、骨材の沈下を防止するために高性能減水剤や高性能AE減水剤、増粘剤が適宜使用される。
【0037】
高性能減水剤とはナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系やメチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系およびアントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物系などやこれらとリグニンの共縮合物系などのポリアルキルアリルスルホン酸塩系や、メラミンホルマリン樹脂スルホン塩系などの減水剤であり、比較的多量に添加しても空気連行性がなく、減水率も大きく、凝結の過遅延や異常凝結などを生じないものであり、高性能AE減水剤とはポリカルボン酸塩系の空気連行性のある減水率の大きい減水剤である。
【0038】
また、増粘剤とはセルロース系やアクリル系の水溶性高分子であり、コンクリートに粘性を与えると同時に自己流動性を与え、かつ、材料分離を押さえるものである。これらはコンクリート配合によって適宜適量添加される。
【0039】
また、高強度を得るためやコンクリートの高流動化を助長するために、炭酸カルシウムや高炉スラグ、シリカフューム、フライアッシュなどの混和材料を目的に応じて適量添加することも通常の手段であり、本発明においても好ましいものである。
【0040】
さらに、本発明においては、より効率良く脱型強度を得るために、予め型枠を予熱しておくことは有効な手段である。予熱の手段は特に制限されないが、予熱温度は40℃以上必要であり、200℃以下が好ましく、90〜180℃が最も好ましい。40℃未満では予熱の効果は小さく、200℃を超えるようになると型枠に塗布した離型剤が蒸発しコンクリートが型枠に付着するようになる場合もあり製品の肌がハツリとられるなど好ましくない現象が生ずる。
【0041】
本発明において、型枠にコンクリートを成形した後コンクリート投入口を解放したまま加熱養生するものである。さらにコンクリート製品の形状や蒸気加熱以外の養生方法では投入口を密閉又は密閉に近い状態で養生することはより好ましい方法であり、特に、加熱養生方法に拘わらず密閉時にコンクリートに拘束力を与えることは強度の面や熱膨張によるひびわれ防止対策には最も好ましいことである。さらに中空の斜壁、柱、梁などでは振動成形だけでなく、10G程度以下の軽度の遠心力を数分間作用させることはコンクリートを分離させないで外面の空気泡を除くのに好ましい方法である。
【0042】
なお、本発明におけるセメントとは、各種ポルトランドセメント、ビーライトセメントの他に、前述した混和材料を混合した混合セメント又はフィラーセメントであり、この中で水硬性の高いセメントほど早期脱型性に優れ、早強セメントと普通セメントでは、前者の方が養生温度が低くても、あるいは養生時間がより短くても早期に脱型強度は得られ易い。しかしながら、C117 Ca F2 や、非晶質C127 およびCAを多量に含有する急硬性を呈するセメントに対しては使用できない。
また、本発明における水セメント比の計算には前述の混和材料は混合セメントと見なして含めるが、エトリンガイトを生成する成分は含めないものである。
【0043】
本発明のコンクリート製品の製造方法は、コンクリート二次製品を含む成形体の製造に好適であり、コンクリート製品としては例えばヒーム管、マンホール、U字溝、L字擁壁、ポンツーン、プレキャスト板、セグメント、各種ブロック、ボックスカルバート、桁、梁、道路用コンクリート製品などが挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0045】
実施例1
表1の普通セメントを用いたコンクリート配合を用いて、AFt成分などである各種セッコウと、硫酸アルミニウム、ミョウバン石を600℃で仮焼したものと、CAなどを組み合わせ、その添加量も変えてコンクリートに添加して練混ぜ、それをキャップレスのφ10×20cmの型枠に棒状バイブレーターで成型して蒸気養生槽にその供試体を入れ、その後、直ぐに蒸気加熱によって室温から85℃まで急速加熱して加熱開始から1.5時間で取り出し、直ちに圧縮強度を測定した。また、脱型した別の供試体を屋外曝露養生して28日強度を測定した。その結果を表2〜4に示す。
【0046】
コンクリートの練混ぜは、20±3℃の室内において、AFt成分などは粉体のままセメントに混合して、砂、砕石などのコンクリート材料と一緒に遊星型の強制練りミキサーに添加して、撹拌と同時に減水剤を溶解した練混ぜ水を加え、30リットル分のコンクリートを120秒間練り混ぜた。また、硫酸アルミニウムや仮焼ミョウバン石を添加する場合はスランプが低下するので、その分は減水剤量を追加(後添加)してスランプを調整した。
【0047】
なお、すべての実施例において、セッコウやAFt成分などはセメント100重量部に対して無水物換算した重量部で示した。
【0048】
【表1】
Figure 0003715727
【0049】
《使用材料》
(1)コンクリート材料
イ:セメント:普通ポルトランドセメント(電気化学工業社製、比重3.16)
ロ:セメント:早強ポルトランドセメント(電気化学工業社製、比重3.12)
ハ:砂 :新潟県姫川産
ニ:砕石 :新潟県姫川産砕石
ホ:減水剤 :デンカFT500(電気化学工業社製、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、液体)
【0050】
(2)AFt成分など
A:セッコウ類
A−1:II型無水セッコウ(フッ酸セッコウ,粉末度6000cm2 /g)
A−2:二水セッコウ(試薬,粉末度3000cm2 /g)
A−3:半水セッコウ(試薬,粉末度5400cm2 /g)
A−4:III型無水セッコウ(A−2を180℃で熱処理)
B:硫酸アルミニウム等
B−1:硫酸アルミニウム(18水塩、工業原料,顆粒状)
B−2:仮焼ミョウバン石(勝光山産,純度90%,粉末度1500cm2 /g)
C:カルシウムアルミネート(CA)など
C−1:C127 組成物を熔融して急冷して非晶質としたもの(粉末度で6000cm2 /g)
C−2:市販のアルミナセメント(アルミナ2号,電気化学工業社製)
【0051】
【表2】
Figure 0003715727
【0052】
【表3】
Figure 0003715727
【0053】
【表4】
Figure 0003715727
【0054】
(注)1.5時間で強度発現がない場合は、脱型せずに20℃の室内で翌日まで養生してから脱型し、その後、屋外暴露養生とした。
【0055】
表2〜4において、セッコウに硫酸アルミニウム0.1重量部併用添加ではセッコウの遅延性が強く1.5時間強度は全く得られないが長期強度は増大させる。そしてセッコウと硫酸アルミニウムとの併用において、セッコウの添加量を多くして行くと1.5時間強度はセメント100重量部に対して5重量部までは増大し、それを超えるようになると低下する傾向を示すが、長期強度は順次増大する。また、セッコウ添加量が多く1.5時間強度が低くなる場合は硫酸アルミニウムなどを増量することでカバーできるが、長期強度は低下する傾向となっている。そしてセッコウ添加量は9重量部以下が好ましく、6重量部以下がより好ましく、1.5時間強度と28日強度のバランスから1〜5重量部が最も好ましいことが示される。
【0056】
また、CAなどとの組み合わせではCAなどに対してセッコウ量が多い場合は長期強度は大きくなるが1.5時間強度は小さくなり、その反対の場合は逆の傾向が示され、CAなどに対してセッコウ量(重量比)が0.5〜3倍が好ましく、セッコウとしては9重量部以下である。そして1.5時間強度と長期強度のバランスからは0.8〜2倍がより好ましいことが示される。
【0057】
硫酸アルミニウム単独の場合もセッコウと併用添加した場合も、その添加量が多くなるほど1.5時間強度は大きくなるが、長期強度は低下する傾向が示され、セメント100重量部に対して2.5重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましく、0.2〜1.5重量部が最も好ましいことが示される。
【0058】
実施例2
実験No.1−3〜1−8、1−33のコンクリートを用いて、養生温度を80、85、90、100、110℃とした以外は、実施例1と同様(室温20℃からのからの急速加熱)に行った1.5時間の脱型強度の測定結果を表5に示す。
【0059】
但し、養生温度が110℃の場合は型枠の打ち込み面を水分が蒸発しないようにポリエチレンシートとガラス板と重しを乗せヒーターによる乾燥機の中で養生した。
【0060】
【表5】
Figure 0003715727
【0061】
表5より、室温からの急速加熱養生する方法では1.5時間で脱型強度を得るためには85℃以上必要であることを示している。また、85℃養生では実施例1と同様の強度となり、再現性の良いことが示された。
【0062】
実施例3
表1のコンクリート配合の普通セメントを早強セメントに代えて、養生温度を70、75、85、90℃として、実施例2と同様にコンクリートの種類(但し、セメントは早強セメントに代えた)について同様の実験を行った結果を表6に示す。
【0063】
【表6】
Figure 0003715727
【0064】
表6より、早強セメントを使用することにより、昇温を伴う場合の養生温度は75℃から急速に高い脱型強度が示され、その後、養生温度が高いほど脱型強度も高くなるが、85℃から90℃にかけて更に顕著に強度の伸びが示される。
【0065】
実施例4
実験No.1−3〜1−8、1−33のコンクリートを用いて、予め雰囲気温度を70、75、80、90、100、110℃に設定した養生槽で蒸気養生した以外は、実施例1と同様に行った1.5時間の脱型強度の測定結果を表7に示す。
【0066】
但し、養生温度が110℃の場合は型枠の打ち込み面を水分が蒸発しないようにポリエチレンシートとガラス板と重しを載せ、ヒーターによる乾燥機の中で養生した。
【0067】
【表7】
Figure 0003715727
【0068】
表7より、予め、雰囲気温度を設定しておいた場合は、室温から昇温した場合よりも養生効率が良く、75℃以上から1.5時間強度の発現は顕著となり、養生温度が高くなるほど1.5時間強度は大きくなるが、110℃では若干低下する傾向を示すのはキャップレス型枠においてもその打ち込み面付近が少し熱膨張したためである。しかしながら、これは斜壁などの製造においては、その形状からくる自拘束力によりカバーできるし、コンクリート投入口に蓋を取り付け拘束することにより問題ないものである。
【0069】
実施例5
表1のコンクリート配合の普通セメントを早強セメントに代えて、予め設定する養生温度を60、65、75、90℃として、実施例4と同様にコンクリートの種類(但し、セメントは早強セメントに代えた)について同様の実験を行った結果を表8に示す。
【0070】
【表8】
Figure 0003715727
【0071】
表8より、早強セメントを使用することにより、予め、養生温度を設定した場合では65℃から急速に高い脱型強度が示され、養生温度が高いほど脱型強度も高くなるが、75℃から90℃にかけて更に顕著に強度の伸びが示される。
【0072】
実施例6
実験No.1−1〜1−10、1−33のコンクリートを用いて、AFt成分などを懸濁液にして添加し、予め雰囲気温度を75℃に設定した蒸気養生槽で養生した以外は、実施例1と同様に行った1.5時間の脱型強度と28日材齢強度を測定した結果を表9に示す。
【0073】
なお、AFt成分などは、コンクリートの練混ぜ水量からAFt成分などの2倍量の水量と、コンクリート全体に使用量する半分の減水剤量を用いて懸濁液を作製し、コンクリートを練り混ぜる時に添加した。
【0074】
【表9】
Figure 0003715727
【0075】
表9より、AFt成分などを懸濁液にして添加することにより、その分散性が向上し、1.5時間強度および材齢28日の長期強度の増大が示される。
【0076】
実施例7
実験No.6−4について、AFt成分などを懸濁液にして添加して練混ぜたコンクリートを、さらに減水剤を任意に後添加することによりスランプフローを任意に変えてコンクリートを練混ぜφ10×20cmのキャップレス型枠に、単に流し込み、手で揺するだけで成型し、75℃に設定したコンクリート製の蒸気養生槽で養生し、1.5時間後に取り出し、脱型強度を測定した。その実験結果を表10に示す。なお、この場合はφ10×20cmの供試体の端部のジャンカや気泡の状態も観察した。
【0077】
【表10】
Figure 0003715727
【0078】
(注)ジャンカ、気泡の有無の評価
× :供試体の端部にジャンカの部分がある。なお、強度測定時はジャンカの部分を切断して研磨してから行った。
△ :供試体の表面に気泡が点在。
○ :供試体の表面に気泡がないか、少ない。
* :僅かにブリージングが発生。
**:ブリージングが発生し黄色(減水剤の色)を呈した。
【0079】
表10より、通常のスランプよりは流動化してスランプフローを大きくすることで、さらにAFt成分などの分散が良くなり、より短時間で脱型強度が得られるようになるが、大きくし過ぎるとブリージングなどの材料分離が発生して凝結硬化が遅延され、短時間強度は逆に低下する傾向が示され、そしてスランプフローは35〜75cmの範囲が良く、好ましくは40〜70cm、より好ましくは50〜65cmが好ましいことが示される。
また、コンクリートを流動化することにより、流し込み成型でジャンカの発生を低減又は防止することができるも示される。
【0080】
実施例8
表11に示すコンクリート配合を使用し、セメント100重量部に対して、A−1を3重量部とB−1を1.0重量部を実施例6と同様の懸濁液にして添加し、コンクリートを練混ぜ、φ10×20cmのキャップレス型枠に成型し、75℃に設定してあるコンクリート製の蒸気養生箱に入れ、1.5時間の脱型強度と、脱型後20℃の室内気乾養生した材齢28日強度を測定した。その結果を表12に示す。
【0081】
【表11】
Figure 0003715727
【0082】
【表12】
Figure 0003715727
【0083】
表11、12より、水セメント比が小さくなるほど1.5時間強度は増大するが、水セメント比が50%から強度が発現し、45%以下が好ましく、42%以下が最も好ましいことが示される。また、水セメント比が25%から20%と低くなると1.5時間強度の発現が低くなる傾向となるのは、減水剤量が多くなり過ぎ、遅延性が大きくなることによるものと考えられる。
【0084】
実施例9
実施例8の実験No.8−3のコンクリートを使用して、型枠の肉厚を2cmとしたφ10×20cmのキャップレス型枠を作製し、これを予め余熱しておきコンクリートを打ち込み、成型後直ちに養生した以外は、実施例8と同様の実験を行った結果を表13に示す。
【0085】
【表13】
Figure 0003715727
【0086】
(注)*印:コンクリートが型枠に付着し、ハツリ取られる。
尚、離型剤は市販の油性のものを使用した。
【0087】
表13より、型枠を余熱しておくと1.5時間強度は大きくなることが示される。そして、余熱温度は40℃より効果を示し、90℃以上より顕著となるが、200℃ではコンクリートが型枠に付着するようになり、好ましくは90〜180℃であることが示される。
【0088】
実施例10
実施例8の実験No.8−3のコンクリートを使用して、容量500リットルの二軸ミキサーで450リットル分のコンクリートを練混ぜ、幅100×長さ360×高さ10cmのプレキャスト板(φ6mmの鉄筋を使用したピッチ15cmのメッシュをダブルで配筋、かぶりを3cmとした)を注水から20分間で棒状バイブレーターを骨材が分離しないように軽く併用して打設(平打ち)して、水滴によりコンクリート面が荒らされないようにアクリル板を乗せ、ブルーシートを掛けて50cm程度の空間を作り蒸気を吹き込み、20℃から85℃まで蒸気加熱して1.5時間養生して脱型した。そしてプレキャスト板の側面のひびわれ観察と、同様に養生したφ10×20cmの通常の型枠で成形した供試体強度を測定した結果、プレキャスト板の側面には僅かに細く短いひびわれが観察される程度であり、1.5時間強度は13.6N/mm2 、脱型後、屋外養生した材齢28日強度は51.9N/mm2 の値が示された。
【0089】
実施例11
実施例8の実験No.8−3のコンクリートを使用して、容量500リットルの二軸ミキサーで300リットル分のコンクリートを練混ぜた。但し、始めは、AFt 成分などと水および減水剤の一部控えて(添加しないで)スランプ12cm±2cmのコンクリートを練混ぜ、小さい方の外径が82cm、大きい方の外径が105cm、高さ45cmの斜壁(無筋)1個分のコンクリートを計量し、容量100リットルのモルタルミキサーで、1個分に相当する残りの練混ぜ水と減水剤量で懸濁したAFt 成分などを添加して再度練混ぜてスランプフローを60〜70cmとし、前記斜壁に流し込み、適宜棒バイブレーターを掛けた後、斜壁上部(コンクリート投入口)に蓋をしてから、20℃から急速加熱で85℃に昇温して1.5時間で脱型した。
【0090】
そして斜壁全体の気泡やひびわれ観察と、同様に養生したキャップレス型枠によるφ10×20cmの供試体強度を測定した結果、斜壁には内外面には気泡、ひびわれ共に観察されなかった。また、1.5時間強度は16.6N/mm2 、脱型後、屋外養生した材齢28日強度は53.4N/mm2 の値が示された。
【0091】
なお、始めに練混ぜたコンクリートの注水から養生開始までは20分要した。また、加熱養生方法は床面に200℃に加熱した油を通したパイプを配した室の中で行った。
【0092】
実施例12
図1の製造フロー図に示す工程によりコンクリート製品を作製した。
実施例8の実験No.8−3のコンクリートを使用して、容量500リットルの二軸ミキサーで300リットル分のコンクリートを練混ぜた。但し、始めは、AFt 成分などと水および減水剤の一部控えてスランプ12cm±2cmのコンクリートを練混ぜ、小さい方の外径が82cm、大きい方の外径が105cm、高さ45cmの斜壁(無筋)1個分のコンクリートを計量し、容量100リットルのモルタルミキサーで、1個分に相当する残りの練混ぜ水と減水剤量で懸濁したAFt 成分などを添加して再度練混ぜてスランプフローを60〜70cmとし、前記斜壁に流し込み、適宜棒バイブレーターを掛けた後、コンクリート投入口に蓋を取り付け、回転板の上で2〜3Gの遠心力を1分間作用させて、予め、蒸気を用いて75℃に設定してある養生槽に入れ1.5時間加熱養生して脱型した。
【0093】
そして斜壁全体の気泡やひびわれ観察と、同様に養生したφ10×20cmのキャップレス型枠による供試体強度を測定した結果、斜壁には内外面には気泡、ひびわれ共に観察されなかった。また、1.5時間強度は13.9N/mm2 、脱型後、屋外養生した材齢28日強度は55.7N/mm2 の値が示された。なお、始に練混ぜたコンクリートの注水から蒸気養生開始までは20分要した。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、本発明のAFtを生成する成分や混和材を添加して65℃以上(予め、養生温度を設定しておいた場合)又は75℃以上(室温、外気温から急速加熱した場合)の温度で、前置き養生や昇温時間をとることなく加熱養生することにより、熱膨張がなく、長期強度を害することなく、1.5時間以内の短時間で脱型強度を得ることができる。
【0095】
さらに、AFtを生成する成分や混和材を懸濁して添加してコンクリート中への分散効果を高くすることにより、1.5時間以内の短時間での脱型強度はさらに高くなり、かつ、スランプフローを35〜75cmとすることによりジャンカの発生を低減又は防止するだけでなく、短時間強度も向上させることが出来る。また、型枠を予め余熱しておくことにより短時間強度を高くすることも可能である。
【0096】
従って、本発明を使用することにより、コンクリート製品の生産効率を高めるだけでなく、生産工程も簡略化出来、騒音公害をなくすことも出来るものである。さらに、多種類、多数の高価な型枠を保有する必要もなく、広大な製品ヤードも必要でなくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例12の製造フローを示す図である。

Claims (16)

  1. あらかじめ練混ぜてある生コンクリートに、セメント100重量部に対して0.2〜2.5重量部の(B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、1〜9重量部の(A)セッコウとからなるエトリンガイトを生成する成分を懸濁した懸濁液を添加した後、再度練混ぜて得られたコンクリートを型枠に成形後、該型枠の雰囲気温度を75℃以上に昇温し、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  2. (B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、(A)セッコウと、(C)カルシウムアルミネートとからなるエトリンガイトを生成する成分を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、該型枠の雰囲気温度を75℃以上に昇温し、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  3. コンクリートの水セメント比を50wt%以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート製品の製造方法。
  4. コンクリートの軟らかさをスランプフローで35〜75cmとすることを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  5. 予め、型枠を40℃以上で予熱しておき、その中にコンクリートを投入して成形することを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  6. 型枠にコンクリートを投入後成形し、その型枠の投入口を解放状態で加熱養生することを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  7. 型枠にコンクリートを投入後成形し、その型枠の投入口を密閉又は密閉に近い状態で加熱養生することを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  8. 型枠にコンクリートを投入後、遠心力を作用させて成形することを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  9. あらかじめ練混ぜてある生コンクリートに、セメント100重量部に対して0.2〜2.5重量部の(B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、1〜9重量部の(A)セッコウとからなるエトリンガイトを生成する成分を懸濁した懸濁液を添加した後、再度練混ぜて得られたコンクリートを型枠に成形後、該型枠を予め雰囲気温度を65℃以上に設定してある加熱雰囲気中に入れ、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  10. (B)硫酸アルミニウム及び/又はミョウバン石と、(A)セッコウと、(C)カルシウムアルミネートとからなるエトリンガイトを生成する成分を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、該型枠を予め雰囲気温度を65℃以上に設定してある加熱雰囲気中に入れ、その雰囲気温度で多くとも1.5時間加熱養生した後、脱型することを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  11. コンクリートの水セメント比を50wt%以下とすることを特徴とする請求項9または10に記載のコンクリート製品の製造方法。
  12. コンクリートの軟らかさをスランプフローで35〜75cmとすることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  13. 予め、型枠を40℃以上で予熱しておき、その中にコンクリートを投入して成形することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  14. 型枠にコンクリートを投入後成形し、その型枠の投入口を解放状態で加熱養生することを特徴とする請求項9乃至13のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  15. 型枠にコンクリートを投入後成形し、その型枠の投入口を密閉又は密閉に近い状態で加熱養生することを特徴とする請求項9乃至14のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
  16. 型枠にコンクリートを投入後、遠心力を作用させて成形することを特徴とする請求項9乃至15のいずれかの項に記載のコンクリート製品の製造方法。
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