JP2022142866A - 繊維補強モルタル組成物及びそのモルタル - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、速硬性及び長期強度の発現性に優れる繊維補強モルタル組成物を提供すること。【解決手段】セメント、カルシウムアルミネート類、石膏類及びポゾラン物質からなる結合材と、金属繊維とを含み、前記結合材の強熱減量が、0.7~6.4質量%であり、前記金属繊維の含有量が、前記結合材100質量部に対し、1~24質量部であり、前記金属繊維が、略直線部と、前記金属繊維の少なくとも一方の端部から前記略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する、繊維補強モルタル組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維補強モルタル組成物及びそのモルタルに関する。
近年、建築構造物や土木構造物に対する超高層化・大規模化・高耐久性化の要求が一層明確になっている。このような構造物を実現するために高強度モルタルの開発が行われている。高強度モルタルとして、例えば、少なとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径3.5mm以下の細骨材、減水剤及び水を含むことを特徴とする超高強度モルタルが開示されている(特許文献1)。
各種構造物に用いられるコンクリートは本来耐久性に優れたものであるが、構造や使用環境によってその一部が劣化する場合がある。このような劣化が生じると構造物の機能が低下する恐れがあるため、劣化部位の修復及び補強が必要となる。劣化部位の修復及び補強には、例えば、セメント、フライアッシュ、液体の収縮低減剤をまぶした細骨材、流動化剤、膨張材、粉末ポリマー、増粘剤、及び短繊維を含有する繊維補強モルタル組成物が用いられる(特許文献2)。
特開2004-043234号公報 特開2011-121795号公報
高強度モルタルを用いた構造物に劣化が生じた場合、その劣化部位を修復及び補強する材料にも高強度であることが求められる。しかしながら、高強度モルタルは低水セメント比であることが多く、繊維を混和する場合、繊維の混練性及び分散性が問題となることがあった。
また、道路や鉄道等の構造物の部分的な補修工事のように工事できる時間が限られている場合、補修材料としては、材料の練り混ぜが容易であり、施工後に速やかに強度発現する材料が求められている。しかしながら、上述したとおり高強度モルタルに繊維を配合する場合、繊維の混練性及び分散性が問題となることもあり、モルタルの調製し易さと、施工性、速硬性及び長期強度の発現性とを両立することが困難だった。
したがって、本発明は、繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、速硬性及び長期強度の発現性に優れる繊維補強モルタル組成物及びそのモルタルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、結合材の強熱減量を調整し、特定の形状を有する金属繊維を特定量配合することで、繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、速硬性及び長期強度の発現性に優れる繊維補強モルタル組成物及びそのモルタルが得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]~[6]である。
[1]
セメント、カルシウムアルミネート類、石膏類及びポゾラン物質からなる結合材と、金属繊維とを含み、前記結合材の強熱減量が、0.7~6.4質量%であり、前記金属繊維の含有量が、前記結合材100質量部に対し、1~24質量部であり、前記金属繊維が、略直線部と、前記金属繊維の少なくとも一方の端部から前記略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する、繊維補強モルタル組成物。
[2]
前記略直線部の長さが、前記金属繊維の全長の50~95%を占め、前記変形部が、前記金属繊維の両端部から前記略直線部と30~160度の角度を有するようにそれぞれ折り曲げて形成されている、[1]に記載の繊維補強モルタル組成物。
[3]
前記セメントの含有量が、前記結合材100質量部に対し、45~80質量部である、[1]又は[2]に記載の繊維補強モルタル組成物。
[4]
前記金属繊維のアスペクト比が、25~150である、[1]~[3]のいずれかに記載の繊維補強モルタル組成物。
[5]
膨張材を更に含む、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維補強モルタル組成物。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載の繊維補強モルタル組成物と水とを含み、前記水の含有量が、前記結合材100質量部に対し、20~45質量部である、繊維補強モルタル。
本発明によれば、繊維の分散性に優れ、且つ、施工性、速硬性及び長期強度の発現性に優れる繊維補強モルタル組成物及びそのモルタルを提供することができる。
図1(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)は、本発明に係る繊維補強モルタル組成物に配合される金属繊維の形状を説明する模式図である。
以下、図面を適宜参照しながら本発明の一実施形態について説明する。各図は模式図であり、各構成要素の大きさ等は図面に示されたものに限定されるものではない。
本実施形態の繊維補強モルタル組成物は、セメント、カルシウムアルミネート類、石膏類及びポゾラン物質からなる結合材と、金属繊維とを含み、結合材の強熱減量が、0.7~6.4質量%であり、金属繊維の含有量が、結合材100質量部に対し、1~24質量部であり、金属繊維が、略直線部と、金属繊維の少なくとも一方の端部から略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する。
本実施形態に係る結合材は、セメント、カルシウムアルミネート類、石膏類及びポゾラン物質の4成分から構成される。
セメントは、種々のものを使用することができ、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、速硬性セメント等が挙げられる。セメントとしては、速硬性及び流動性を両立しやすいという観点から、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントが好ましい。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメントの含有量は、結合材100質量部に対し、45~80質量部であることが好ましく、50~75質量部であることがより好ましく、55~70質量部であることが更に好ましい。セメントの含有量が上記範囲内であれば、強度発現性がより一層向上する。
カルシウムアルミネート類としては、CaOをC、AlをA、NaOをN、及びFeをFとして表したとき、CA、CA、C12、CA、又はCA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC・CaFやC11・CaF等と表示されるカルシウムフルオロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、CNAやC等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アルミナセメント、並びにC・CaSO等と表示されるカルシウムサルホアルミネートを総称するものである。このカルシウムアルミネート類は、結晶質のもの、非結晶質のもの、非晶質及び結晶質が混在したもののいずれも使用可能である。カルシウムアルミネート類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。カルシウムアルミネート類の粉末度は、初期強度発現性をより向上させるという観点から、ブレーン比表面積で3000cm/g以上であることが好ましく、5000cm/g以上であることがより好ましい。また、カルシウムアルミネート類の粉末度は、ブレーン比表面積で8000cm/g以下であることが好ましい。
カルシウムアルミネート類の含有量は、結合材100質量部に対し、10~35質量部であることが好ましく、11~30質量部であることがより好ましく、12~25質量部であることが更に好ましい。カルシウムアルミネート類の含有量が上記範囲内であれば、速硬性がより優れたものとなりやすい。
石膏類としては、例えば、無水石膏、半水石膏、二水石膏等が挙げられる。石膏類としては、強度発現性を更に向上させるという観点から、無水石膏が好ましい。石膏類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
石膏類の含有量としては、結合材100質量部に対し、6.5~23質量部であることが好ましく、7~20質量部であることがより好ましく、7~18質量部であることが更に好ましい。石膏類の含有量が上記範囲内であれば、長期の強度発現性がより一層向上する。石膏類の粉末度は、長期の強度発現性をより向上させるという観点から、ブレーン比表面積で4500cm/g以上であることが好ましく、6000cm/g以上であることがより好ましい。また、石膏類の粉末度は、ブレーン比表面積で15000cm/g以下であることが好ましい。
ポゾラン物質は、JIS A 6201:2015に記載されている各種フライアッシュ、JIS A 6207:2016に記載されているシリカフューム、スラグ粉末、非晶質アルミノシリケート等が挙げられる。ポゾラン物質は、長期の強度発現性や施工性に一層優れるという観点から、シリカフューム、非晶質アルミノシリケートが好ましい。ポゾラン物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
ポゾラン物質の含有量は、結合材100質量部に対し、1~24質量部であることが好ましく、2~20質量部であることがより好ましく、3~18質量部であることが更に好ましく、4~15質量部であることが特に好ましい。ポゾラン物質の含有量が上記範囲内であれば、初期及び長期の強度発現性がより一層両立しやすい。ポゾラン物質の粉末度は、長期の強度発現性をより向上させるという観点から、BET比表面積で5m/g以上であることが好ましく、10m/g以上であることがより好ましい。また、ポゾラン物質の粉末度は、BET比表面積で30m/g以下であることが好ましい。
結合材の強熱減量は、0.7~6.4質量%である。結合材の強熱減量が上記範囲外であると、金属繊維の混練性、作業性、初期の強度発現性等が低下する。混練性や強度発現性が優れたものになりやすいという観点から、結合材の強熱減量は、0.9~5質量%であることが好ましく、1.0~4.5質量%であることがより好ましい。
強熱減量は、結合材を構成する各材料の調整、加熱等による結合材中の有機物量の調整、乾燥や湿潤による結合材中の水分量の調整等の方法により調整することができる。強熱減量は、空焼きしたるつぼに結合材試料1gを量り取り、700℃に調整した電気炉に置き、15分間強熱し、強熱前後の重量変化から算出することができる。
図1は、本実施形態に係る金属繊維10の形状を模式的に表したものである。金属繊維10は、略直線部1と、金属繊維10の少なくとも一方の端部から略直線部1と角度Aを有するように折り曲げて形成された変形部2とから構成される。図1に示されるように、角度Aは、金属繊維10を折り曲げ始めた点(始点3)及び変形部2に含まれる金属繊維10の端部(終点4)を結んだ線と、略直線部1とのなす角である。
略直線部1の長さは、金属繊維10の全長の50~95%であることが好ましく、60~94%であることがより好ましく、70~93%であることが更に好ましい。略直線部1の長さが上記範囲内であれば、モルタルの混練性及び作業性がより一層向上する。
変形部2の形状は特に限定されるものではない。変形部2は、図1(a)に示されるように直線状であってもよく、図1(b)に示されるように曲線であってもよい。変形部2の途中で更に折り曲げられていてもよい。例えば、図1(c)に示されるように変形部2の途中で更に1回折り曲げられていてもよく、図1(d)に示されるように変形部2の途中で更に3回折り曲げられていてもよい。変形部2の途中に折れ曲がりを有する場合であっても、変形部2の始点3は、略直線部1と接する点であり、終点4は、変形部2に含まれる金属繊維10の端部である。変形部2の途中の折れ曲がりのなす角は特に限定されない。変形部2は、金属繊維10に複数あってもよい。例えば、図1(e)に示されるように金属繊維10の両端部にそれぞれ変形部2を有してもよく、図1(f)に示されるように金属繊維10の一方の端部に2つの変形部2を有してもよい。モルタルのダレ等を一層低減し、作業性を高めるという観点から、金属繊維10としては、金属繊維10の両端部にそれぞれ変形部2を有し、且つ変形部2の途中で更に1回以上折り曲げられているものが好ましく、変形部2の途中で変形部2の端部が互いに離れる方向へ1回折り曲げられて略直線部1と平行としたものがより好ましい(図1(e))。
角度Aは30~160度であることが好ましく、50~160度であることがより好ましく、70~160度であることが更に好ましく、90~150度であることが更により好ましく、120~150度であることが最も好ましい。角度Aが上記範囲内であれば、モルタルの作業性がより一層向上する。金属繊維10が複数の変形部2を有する場合、それぞれの角度Aは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
金属繊維10の全長は、15~50mmであることが好ましく、20~45mmであることがより好ましく、25~40mmであることが更に好ましい。金属繊維10の全長が上記範囲内であれば、モルタルの混練性及び作業性が更に向上する。
金属繊維10のアスペクト比(全長/直径)は25~150であることが好ましく、30~100であることがより好ましく、40~65であることが更に好ましい。アスペクト比が上記範囲内であれば、モルタルの混練性及び作業性が一層向上し、ダレが生じにくくなる。
金属繊維10は、金属製であれば特に限定されず、例えば、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス金属繊維、及びそれらの表面に化学的・物理的な処理を施したもの等が挙げられる。金属繊維10としては、モルタルの混練性及び硬化性状の両立という観点から、鋼繊維が好ましい。金属繊維10は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
金属繊維10の含有量は、結合材100質量部に対し、1~24質量部である。金属繊維10の含有量が上記範囲外であると、金属繊維10の分散性や初期強度発現性が低下する。金属繊維10の分散性と強度発現性を両立させやすいという観点から、金属繊維10の含有量は、結合材100質量部に対し、2~15質量部であることがより好ましく、3~10質量部であることが更に好ましい。
本実施形態の繊維補強モルタル組成物は、上記成分以外に、細骨材、膨張材、減水剤、凝結遅延剤等を含んでもよい。
細骨材は特に限定されず、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材、軽量骨材等が挙げられる。これらの細骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
細骨材の含有量は、結合材100質量部に対し、100~400質量部であることが好ましく、150~350質量部であることがより好ましく、200~300質量部であることが更に好ましい。細骨材の含有量が上記範囲内であると、十分な圧縮強度と割裂引張強度を両立しやすい。
繊維補強モルタル組成物が膨張材を含むことで、モルタルの圧縮強度及び寸法変化率が優れたものとなる。膨張材は、コンクリート用膨張材として一般に使用されているJIS適合の膨張材(JIS A 6202:2008)であれば、何れの膨張材でもかまわない。膨張材としては、例えば、遊離生石灰を主成分とする膨張材(生石灰系膨張材)、アウインを主成分とする膨張材(エトリンガイト系膨張材)、遊離生石灰とエトリンガイト生成物質の複合系膨張材が挙げられる。膨張材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。膨張材はブレーン比表面積が2000~6000cm/gのものを使用することが好ましい。
膨張材の含有量は、結合材100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましく、0.5~4質量部であることがより好ましく、1~3質量部であることが更に好ましい。膨張材の含有量が上記範囲内であれば、圧縮強度、寸法変化率等がより一層優れたものとなる。
減水剤は、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204:2011「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミン系減水剤が挙げられる。これらの減水剤の中でも、少量の添加量であっても流動性保持時間を確保しやすいという観点から、ポリカルボン酸系減水剤が好ましい。減水剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
減水剤の含有量は、結合材100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましく、0.3~1質量部であることが更に好ましい。減水剤の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を確保しやすく、流動性がより一層向上する。
繊維補強モルタル組成物が凝結遅延剤を含むことで、夏場等ポリマーセメントモルタルの練り上り温度が高くなる場合においても、可使時間を確保しやすい。凝結遅延剤としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸又はその塩;ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩;糖類が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。凝結遅延剤は、粉体であってもよく、液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)であってもよい。凝結遅延剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
凝結遅延剤の含有量は、結合材100質量部に対し、0.1~7.5質量部であることが好ましく、0.3~5質量部であることがより好ましく、0.5~3.5質量部であることが最も好ましい。凝結遅延剤の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を更に確保しやすく、初期強度発現性が低下しにくい。
本実施形態の繊維補強モルタル組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で各種混和材料を配合してもよい。混和材料としては、例えば、発泡剤、消泡剤、増粘剤、セメント用ポリマー、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、石粉、火山灰、空気連行剤、表面硬化剤が挙げられる。
本実施形態の繊維補強モルタル組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、V型混合機や可傾式コンクリートミキサー等の重力式ミキサー、ヘンシェル式ミキサー、噴射型ミキサー、リボンミキサー、パドルミキサー等のミキサーにより上記成分を混合することで製造することができる。
本実施形態の繊維補強モルタル組成物は、水と混合して繊維補強モルタルとして調製することができ、その水の含有量は用途に応じて適宜調整すればよい。水の含有量は、結合材100質量部に対して20~45質量部であることが好ましく、22~40質量部であることがより好ましく、25~35質量部であることが更に好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、金属繊維の混練性、並びに、初期及び長期の強度発現性がより一層優れたものとなる。
本実施形態の繊維補強モルタルの調製は、通常のモルタル組成物と同様の混練器具を使用することができ、特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば、モルタルミキサー、ハンドミキサー、傾胴ミキサー、二軸ミキサー、パン型ミキサー等が挙げられる。
本実施形態の繊維補強モルタル組成物及び繊維補強モルタルは、高強度のモルタルでありながら、金属繊維の分散性に優れるものである。したがって、高い強度発現性が求められる各種構造物や現場の補修・補強に好適に用いることができる。その施工方法は特に限定されず、型枠を作り充填する方法、コテ塗り、振動機を用いて敷き均す方法等が選択できる。
以下、本発明の実施例に基づいて説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
[材料]
・セメント(C):早強ポルトランドセメント
・カルシウムアルミネート類(CA):CaO/Al=1.4、ガラス化率:40%、ブレーン比表面積:5000cm/g
・石膏類(CS):無水石膏、ブレーン比表面積:7000cm/g
・ポゾラン物質(SF):シリカフューム、BET比表面積:15m/g
・金属繊維1:鋼繊維、全長:30mm、アスペクト比:45、形状:図1(e)に示される形状、全長に対する略直線部の割合:77%、それぞれの角度A:150度
・金属繊維2:鋼繊維、全長:30mm、アスペクト比:45、形状:直線状
・細骨材:珪砂(粒度調整済み)
・膨張材:生石灰系膨張材、ブレーン比表面積:3200cm/g
・減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤
・凝結遅延剤:クエン酸
[繊維補強モルタル組成物の配合設計]
セメント、カルシウムアルミネート類、石膏類及びポゾラン物質からなる結合材を表1に示す割合とし、結合材100質量部に対して、表1に示す含有量及び種類の金属繊維、細骨材270質量部、膨張材1.5質量部、減水剤0.5質量部、凝結遅延剤0.6質量部として配合設計した。
[結合材の強熱減量]
調製した結合材を、乾燥又は湿潤させて強熱減量を調整した。
強熱減量は、空焼きしたるつぼに結合材試料1gを量り取り、700℃に調整した電気炉に置き、15分間強熱し、強熱前後の重量変化から強熱減量を算出した。
Figure 2022142866000001
[繊維補強モルタルの作製]
20℃環境下において、結合材100質量部に対して水が30質量部の割合となるように各種繊維補強モルタル組成物に水を添加し、強制練りミキサーで120秒混練してモルタルを約25L作製した。
[評価方法]
各項目については以下の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
1)フレッシュ性状
a)分散性
繊維補強モルタルを強制練りミキサーにて作製する際、金属繊維の固まり等の発生により均一に金属繊維が分散されていない場合を不良(×)と評価し、均一に金属繊維が分散されていることが確認された場合を良好(○)と評価した。
b)ダレ性状
コンクリート平板(300×300×60mm)を勾配5%の状態に設置し、繊維補強モルタルを厚さ20mm施工した後コテで均して、ダレ性状を目視観察した。ダレが生じたものを不良(×)と評価し、ダレを生じなかったものを良好(○)と評価した。
2)圧縮強度
土木学会基準JSCE-G 5050-2010「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法(案)」に準じて、材齢3時間及び28日における圧縮強度を測定した。供試体の寸法は、直径50mm及び高さ100mmとした。材齢28日の供試体は翌日に脱型した後、材齢日まで水中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
Figure 2022142866000002
10 金属繊維、1 略直線部、2 変形部、3 始点、4 終点、A 角度

Claims (6)

  1. セメント、カルシウムアルミネート類、石膏類及びポゾラン物質からなる結合材と、金属繊維とを含み、
    前記結合材の強熱減量が、0.7~6.4質量%であり、
    前記金属繊維の含有量が、前記結合材100質量部に対し、1~24質量部であり、
    前記金属繊維が、略直線部と、前記金属繊維の少なくとも一方の端部から前記略直線部と角度を有するように折り曲げて形成された変形部とを有する、繊維補強モルタル組成物。
  2. 前記略直線部の長さが、前記金属繊維の全長の50~95%を占め、前記変形部が、前記金属繊維の両端部から前記略直線部と30~160度の角度を有するようにそれぞれ折り曲げて形成されている、請求項1に記載の繊維補強モルタル組成物。
  3. 前記セメントの含有量が、前記結合材100質量部に対し、45~80質量部である、請求項1又は2に記載の繊維補強モルタル組成物。
  4. 前記金属繊維のアスペクト比が、25~150である、請求項1~3のいずれか一項に記載の繊維補強モルタル組成物。
  5. 膨張材を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の繊維補強モルタル組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の繊維補強モルタル組成物と水とを含み、
    前記水の含有量が、前記結合材100質量部に対し、20~45質量部である、繊維補強モルタル。
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