JP3657075B2 - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート製品の製造方法に関し、詳しくはモルタルやコンクリートを練混ぜた後、型枠に成形し、速やかに加熱養生して、熱膨張を生じさせないで短時間に脱型し、かつ、長期強度の低下の小さいコンクリート製品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート製品の製造方法は、コンクリートを練混ぜた後、型枠に充填して成形し、コンクリートの練上がり温度によっては約2時間から5時間前置き養生してブリージングが止まってからコテ仕上をした後、約2時間を掛けて蒸気によって加熱昇温し、最高温度(65〜75℃)に達してから2〜3時間保持して脱型強度を得て脱型している。
そして、脱型に必要な強度はコンクリート製品の形状や重量により異なるが、概ね3〜15N/mm2 である。そしてコンクリート製品工場の課題は少ない型枠を効率よく回転させて沢山の製品を製造することにある。
【0003】
早期に脱型強度を得るためには、通常、昇温時間を速くし、かつ、最高温度を高くするなどが考えらる。加えて、水硬性の高いセメントの使用や、塩化物、硝酸塩、ロダン酸塩などに代表される凝結促進剤などを併用添加してコンクリートの凝結硬化を速めることも考えられる。
しかしながら、熱膨張によるひびわれが入り易くなると同時に、セメントの初期水和反応の強い促進は長期強度が低下する等の課題がある。
【0004】
本発明者らは、上記課題である加熱養生における短時間強度の増進と長期強度の低下の防止という二律背反を解決するために、セッコウと、硫酸アルミニウムやミョウバン石および亜硫酸ナトリウムなどを組み合わせた混和材を提案(特開平4−160042号公報)した。
しかしながら、この中ではコンクリートの加熱膨張を押さえるための養生方法や前記混和材などの添加方法までは詳細に検討されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の様なコンクリート製品の製造技術に鑑み、コンクリートの熱膨張を押さえて短時間強度の増進と、長期強度の低下の防止という宿命的な二律背反を解決し、かつ、コンクリート製品工場の少ない型枠で生産効率を上げるという課題に対して鋭意研究した結果、コンクリートを型枠に成形後、速やかに加熱養生を行っても熱膨張がなくて早期に脱型強度が得られ、長期強度の低下の小さいコンクリート製品を製造する方法を知見して本発明を完成させたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一発明は、硫酸アルミニウム、ミョウバン、及びミョウバン石からなる群より選択された一種又は二種以上を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、35℃〜60℃の温度で第一段階の加熱養生を行い、次いで、60℃を超え100℃以下の温度で第二段階の加熱養生を行うことを特徴とするコンクリート製品の製造方法であり、第二発明は、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ミョウバン石からなる群より選択された一種又は二種以上を水溶液又は懸濁液にして添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、35℃〜60℃の温度で第一段階の加熱養生を行い、次いで、60℃を超え100℃以下の温度で第二段階の加熱養生を行うことを特徴とするコンクリート製品の製造方法である。
【0007】
本発明の好ましい実施態様としては、
(1)セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩を添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(2)セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩を水溶液又は懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(3)活性シリカ、ポゾラン物質、潜在水硬性物質からなる群より選択された一種又は二種以上を添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
(4)活性シリカ、ポゾラン物質、潜在水硬性物質からなる群より選択された一種又は二種以上を懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。硫酸アルミニウム、ミョウバン、及びミョウバン石からなる群より選択された一種又は二種以上を添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
が挙げられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、練混ぜたコンクリートは型枠に成形された後、速やかに、コテ仕上げなどを行い、二段階に分けて、かつ、連続して加熱養生される。この際、前置き養生時間をとる必要はないし、各段階において昇温速度のコントロールの必要もなく、好ましくは、既に特定の温度に設定された養生槽などに入れるか、一気に加熱昇温されるものである。
【0009】
具体的には、第一段階では35℃〜60℃の温度で加熱養生するものであり、次いで第二段階として60℃を超え100℃以下の温度で加熱養生するものである。
【0010】
第一段階の加熱養生を35℃〜60℃とするのは、熱膨張によるコンクリートのひびわれを防止と、第二段階における強度発現を効率よく行うためである。
35℃より低い温度では凝結硬化が促進されないので、第二段階において熱膨張によるひびわれが入り易くり、第二段階での強度発現性も低下する。
60℃を超える温度での加熱では第二段階での強度の発現には有効であるが、既にこの第一段階の加熱養生において熱膨張によるひびわれが入る場合もあるので好ましくなく、より好ましくは40℃〜55℃である。
さらに、第一段階の加熱養生時間は特に制限を受けないが、短時間で脱型強度を得る目的から長くても90分以下が好ましい。また、加熱養生時間が短くなり過ぎても凝結硬化が進まなく、第二段階の加熱養生後に熱膨張ひびわれが入り易くなるので、熱膨張を抑えながら、より短時間に脱型強度を得るためには30〜60分が好ましい。
【0011】
第二段階の加熱養生温度は60℃を超え、100℃以下であり、加熱温度は高いほど短時間で得られる脱型強度も高くなり、養生時間も短縮されるが、長期強度が低下する傾向にある。短時間強度と長期強度を得るための合理的な養生温度は90℃以下が好ましく、より好ましくは65〜80℃である。又、100℃を超える場合は長期強度の低下が大きく、かつ、現在、二次製品工場の設備である蒸気養生設備を有効利用出来ないので好ましくないものである。
第二段階における養生時間も特に制限されないが、早期脱型の観点から30〜90分が好ましい。
なお、第一段階と第二段階の合計した養生時間は、長くても3時間である。
【0012】
加熱方法は、特に制限されないが、具体的には常法のように蒸気による加熱でも良いし、伝熱や輻射熱を利用した加熱方法および電磁波などの利用によりコンクリート内部から直接加熱する方法なども採用されるが、この中で、上記したように現有設備をそのまま利用できることから蒸気養生による方法が好ましい。
【0013】
本発明において、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ミョウバン石からなる群より選択された一種又は二種以上(以下、硫酸アルミニウム等という)を添加してコンクリートを練り混ぜる。
【0014】
硫酸アルミニウム等はコンクリートの凝結硬化を促進して加熱養生における短時間強度を増進させる作用を有し、添加量を多くして行くほど短時間強度も高くなるが長期強度は低下する傾向が示され、かつ、多過ぎると急結や偽凝結を生じさせる場合もある。
従って、硫酸アルミニウム等の添加量はセメント100重量部に対して無水物換算で多くても1.5重量部であり、1.2重量部以下が好ましく、最も好ましくは0.2〜1.0重量部である。
0.2重量部未満では短時間強度の発現効果が小さくなるので好ましくなく、1.5重量部を超えるようになると長期強度の低下が大きくなり、また、同じ種類のセメントでも、その銘柄やロットの違いによっても急結する場合もあるので好ましくない。
【0015】
本発明において、硫酸アルミニウム等の添加方法は粉末状でコンクリートを練混ぜる時に添加しても良いが、水溶液又は懸濁液として添加する方がより効率的に短時間強度が増大する。これは硫酸アルミニウム等は、水和反応が極端に速くて練混ぜ水と接触と同時にセメントから放出されるカルシウムイオンと反応してエトリンガイトを生成させるので、懸濁液の方が粉末で添加するよりはコンクリート中への分散効果が良くなることによるものと推察される。
【0016】
水溶液又は懸濁液は練混ぜ水の一部又は全量および減水剤の一部又は全量を用いて適宜行われ、コンクリートを練混ぜる時に添加しても良いし、一度練混ぜたコンクリートに添加して再度練混ぜても良いものである。また、水溶液又は懸濁液にしてから使用するまでの時間は、特に限定されない。
また、本発明において、セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩やアルカリ金属のケイ酸塩を添加する。
【0017】
セッコウは、硫酸アルミニウム等の長期強度の低下を防止し、添加量によっては長期強度を増大させる効果を発揮する。
この場合、セッコウの種類には特に制限されなく、不溶性や難溶性のII型無水セッコウの他に、二水セッコウ、半水セッコウ、III 型無水セッコウが使用されるが、好ましいのは不溶性や難溶性のII型無水セッコウである。
【0018】
セッコウの添加量は、セメント100重量部に対してCa SO4 換算で、多くても6重量部であり、4重量部以下が好ましく、0.2〜2重量部が最も好ましい。6重量部を超えるようになると、セッコウ自身の有するアリット(Alite)の水和反応の遅延作用が大きくなり過ぎて熱膨張によるひびわれが発生し易くなり、又、短時間強度が得られ難くく、0.2重量部未満では長期強度の改善効果が小さくなり好ましくない。
【0019】
アルカリ金属のアルミン酸塩やアルカリ金属のケイ酸塩は、硫酸アルミニウム等の有する短時間強度の増大効果を助長するものである。その添加量は無水物換算でセメント100重量部に対して多くても1.0重量部であり、0.8重量部以下が好ましく、最も好ましくは0.05〜0.6重量部である。0.05重量部未満では短時間強度の助長効果は小さくなるので好ましくなく、1.0重量部を超えるようになると長期強度が低下する傾向となり、また、同じ種類のセメントでも、その銘柄やロットの違いによっても偽凝結や急結を助長する場合もあるので好ましくない。
【0020】
セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩やアルカリ金属のケイ酸塩を水溶液又は懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることは、硫酸アルミニウム等の場合と同様に、練混ぜ中のコンクリートへの分散性を良くし、長期強度又は短時間強度の増進を効率的に行えるものである。水溶液又は懸濁液の作製や添加方法は硫酸アルミニウム等の場合と同様に行うことが出来、セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩やアルカリ金属のケイ酸塩をそれぞれ単独に懸濁液にして添加しても良いし、硫酸アルミニウム等とそれぞれ又は全部を一緒に懸濁しても良いものである。
【0021】
本発明において、活性シリカ、ポゾラン物質、潜在水硬性物質からなる群より選択された一種又は二種以上(以下、活性シリカ等という)を併用添加することが出来る。
活性シリカとは、シリカフュームや稲、葦、竹などの珪化木の焼成灰および人工のアエロジルなどのケイ酸質のセメント粒子よりも一桁小さい超微粉(粉末度では10〜30m2 /g程度)を示す。ポゾラン物質とは、酸化珪素と酸化アルミニウムを含む天然の粘土鉱物やその焼成物およびフライアッシュなどの人工ポゾランである。そして、潜在水硬性物質とは、高炉スラグであるが、これらはセメント粒子と同等以下の小さい粒子で粉末度では3000〜8500cm2 /g程度である。これらは少量で強度の増大効果を図る。
【0022】
活性シリカの添加量はセメント100重量部に対して多くても2重量部、好ましくは1.5重量部であり、より好ましくは0.1〜1.0重量部の少量である。0.1重量部未満では短時間強度や長期強度の添加効果が小さく、2.0重量部を超えても強度的効果の増大は期待できないものである。
【0023】
また、ポゾラン物質や潜在水硬性物質はセメント100重量部に対して多くても2重量部、好ましくは0.2重量部〜1.5重量部である。0.2重量部未満では長期強度などの添加効果が小さく、2.0重量部を超えても強度的効果の増大は期待できないものである。
【0024】
更に、活性シリカの超微粉とポゾラン物質や潜在水硬性物質を混合してから併用添加すると強度的にはより好ましい結果が得られる。これらの一種又は二種以上を懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることは、特に、超微粉の活性シリカのフロック構造の破壊やコンクリートへの分散効果が良くなることに基づく強度増進効果から好ましいものである。更に、これらと、硫酸アルミニウム、石膏類、アルカリ金属のアルミン酸塩やアルカリ金属のケイ酸塩の一種又は二種以上、又は全部一緒に懸濁して用いても良いものである。
【0025】
本発明において、前置き養生時間を必要としないためにブリージングの少ない又は発生しないコンクリートを得る必要があり、そのために高性能減水剤や高性能AE減水剤が適宜使用される。また、コンクリートの増粘剤なども同様である。
【0026】
高性能減水剤とは、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系やメチルナフタレンスルホンホルマリン縮合物系およびアントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物系などやこれらとリグニンの共縮合物系などのポリアルキルアリルスルホン酸塩系や、メラミンホルマリン樹脂スルホン塩系などの減水剤であり、比較的多量に添加しても空気連行性がなく、減水率も大きく、凝結の過遅延や異常凝結などを生じないものであり、高性能AE減水剤とはポリカルボン酸塩系の空気連行性のある減水率の大きい減水剤である。
【0027】
また、増粘剤とはアクリル系やセルロース系の水溶性高分子であり、コンクリートに粘性を与えると同時に自己流動性を与え、かつ、材料分離を抑えるものである。これらはコンクリート配合によって適宜適量添加される。
【0028】
なお、本発明におけるセメントとは、各種ポルトランドセメント、ビーライトセメントの他に、高炉スラグやフライアッシュ、シリカ粉末を混合した各種混合セメントであり、C117 Ca F2 や、非晶質C127 およびCAを多量に含有する急硬性セメントに対しては瞬結性を与えるので使用できない。
【0029】
また、本発明を実施するにあたりコンクリートの配合や練混ぜ方法などに制限はなく、コンクリートの成形方法に対しても制限を受けないものである。
【0030】
本発明のコンクリート製品の製造方法は、コンクリート製品の製造効率を高め、生産性を高めるには好敵である。本発明の適用可能なコンクリート製品としては振動成形、加圧成形、振動加圧成形で製造される製品全般であり、例えば、マンホール(一部、成形に軽度の遠心力を加える場合もある)、矢板、ボックスカルバート、セグメント、ポンツーン、L字擁壁、桁、梁、各種プレキャスト板、各種ブロック、や道路、陸路用品などが挙げられ、遠心力成形で製造されるパイル、ポール、ヒューム管などの長径比の大きいものにはスランプドロップが大きいことからくるジャンカの発生の問題があり、適用し難いものである。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、これらに限られるものではない。
【0032】
実施例1
表1のコンクリート基本配合を用いて、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ミョウバン石の種類とその組み合わせ及び添加量も変えてコンクリートを練混ぜ、φ10×20cmの型枠に棒状バイブレーターで供試体成形し、その後、直ちに、蒸気養生槽に入れ、蒸気加熱によって第一段階と第二段階の養生温度と養生時間を任意に組み合わせて取り出し直ちに脱型(圧縮)強度を測定した。また、この時、供試体の熱ひびわれの有無を観察すると同時に、別の供試体を20±3℃の室内養生して材齢28日の圧縮強度を測定した。その結果を表2及び表3に示す。
【0033】
コンクリートの練混ぜは、20±3℃の室内において行い、硫酸アルミニウム等は粉体のままセメントに適当に混合して、砂、砕石等のコンクリート材料と一緒に遊星型の強制練りミキサーに添加して、撹拌と同時に減水剤を溶解した練混ぜ水を加え、30リットル分のコンクリートを120秒間練り混ぜた。また、硫酸アルミニウム等の添加はスランプが低下するので、その分は減水剤量を追加(後添加)して規定のスランプとなるように調整した。
【0034】
なお、硫酸アルミニウム等はセメント100重量部に対して無水物換算で添加し、かつ、天然産のミョウバン石等はアルナイトの純度も換算した重量部で添加した。
【0035】
【表1】
Figure 0003657075
【0036】
《使用材料》
(1)コンクリート材料
イ:セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
ロ:砂 :新潟県姫川産
ハ:砕石 :新潟県姫川産砕石
ニ:減水剤 :デンカFT500(電気化学工業製、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、液体)
(2)硫酸アルミニウム等
A−1:硫酸アルミニウム(18水塩、工業原料,顆粒状)
A−2:仮焼ミョウバン石(勝光山産,純度90%,粉末度1500cm2 /g)
A−3:カリウムミョウバン(工業用)
【0037】
【表2】
Figure 0003657075
【0038】
【表3】
Figure 0003657075
【0039】
表2及び表3より、硫酸アルミニウム等が適量でも、第一段階の養生温度が35℃未満では第二段階の養生温度を高くしても脱型強度は得られないし、且つ、熱膨張によるひびわれが入る。また、第一段階の養生温度が35℃〜60℃の範囲で高くなると熱膨張を抑えながら脱型強度を高めることが出来、60℃を超えると脱型強度は得られるが熱膨張によるひびわれが第一段階の養生の時点で入ることが示されるので、熱ひびわれの抑制と安定した脱型強度を得るための両方の観点から40〜55℃がより好ましいことが示される。
また、第二段階の養生温度が低い場合は養生時間を長くすることにより、高い場合は短くすることにより脱型強度と長期強度は得られるが、養生時間に関係なく、養生温度が高くなるほど長期強度の伸びは小さくなり、90℃以下が好ましく、65〜80℃の範囲がより好ましい。
そして、第一段階と第二段階の養生温度と養生時間を適宜組み合わせることにより、1.5〜3時間の短期間に脱型強度が得られることが示される。
硫酸アルミニウム等はセメント100重量部に対して、0.2重量部以上が脱型強度の観点から等好ましく、添加量を多くして行くと脱型強度は増大上するが、反対に長期強度が低下するようになり、特に、1.2重量部を超えると著しくなる。
従って、硫酸アルミニウム等は多くても1.5重量部以下、好ましくは1.2重量部以下が長期強度の観点から好ましいことが示される。
【0040】
実施例2
実施例1の実験No.1−2〜1−8のコンクリートと加熱養生条件を使用し、硫酸アルミニウム等を懸濁液にして添加した以外は実施例1と同様の実験を行った結果を表4に示す。
【0041】
尚、懸濁液は硫酸アルミニウム等と同量の練混ぜ水の一部と、表1の減水剤の1/2量に相当する分で作製し、その他のコンクリート材料を1分間練混ぜた後、懸濁液を添加して、さらに1分間練り混ぜた。
【0042】
【表4】
Figure 0003657075
【0043】
表4より、硫酸アルミニウム等は懸濁液にしてコンクリートを練りぜる時に添加する方が、粉末のまま添加するよりも脱型強度、長期強度共に増大することが示される。
【0044】
実施例3
実施例1の実験No.1−2〜1−8のコンクリートと加熱養生条件を使用し、硫酸アルミニウム等と、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩を粉末状で添加した以外は実施例1と同様の実験を行った結果を表5及び表6に示す。
【0045】
但し、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩は無水物換算でセメント100重量部に対してセメントに添加してから練混ぜた。
【0046】
《使用材料》
(1)石膏など
B−1:フッ酸発生副産無水石膏(II型,難溶性又は不溶性の無水石膏,粉末度4500cm2 /g)
B−2:二水石膏(工業用,粉末度4800cm2 /g)
B−3:半水石膏(B−2を150℃で1時間熱処理したもの)
B−4:III 型無水石膏(B−2を200℃で1時間熱処理したもの)
(2)アルカリ金属のアルミン酸塩等
C−1:アルミン酸ナトリウム(粉末,工業用)
C−2:ケイ酸カリウム(粉末,工業用)
【0047】
【表5】
Figure 0003657075
【0048】
【表6】
Figure 0003657075
【0049】
表5及び表6より、硫酸アルミニウム等に石膏類を併用した場合、石膏類の添加量が多くなるほど脱型強度の低下割合は大きくなるが、反対に長期強度が増大する傾向が示される。そして、石膏類はセメント100重量部に対して0.2重量部から添加効果が示され、6重量部を超えると石膏による凝結遅延性が大きくなり、脱型強度は得られたとしても熱膨張ひびわれが入ることが容易に推察される。また、アルカリ金属のアルミン酸塩などの併用添加では脱型強度は0.05重量部から添加効果が示されるが、添加量が多くなると硫酸アルミニウム等が少なくても長期強度は低下する傾向が認められ、多くても1重量部以下、0.8重量部以下が好ましいことが示される。
また、石膏類とアルカリ金属のアルミン酸塩などの併用添加では双方の作用効果が加算されて良い方向にシフトする傾向となっている。
【0050】
実施例4
実施例3の実験No.3−2、3−4、3−6、3−12、3−13、3−15、3−18、3−23のコンクリートと養生条件を使用し、硫酸アルミニウム等と、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩を一緒に懸濁液にして添加した以外は実施例3と同様の実験を行った結果を表7に示す。
【0051】
尚、懸濁液は硫酸アルミニウム等と石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩の合計量と同量の練混ぜ水の一部と、表1の減水剤の1/2量に相当する分で作製し、その他のコンクリート材料を1分間練混ぜた後、懸濁液を添加して、さらに1分間練り混ぜた。
【0052】
【表7】
Figure 0003657075
【0053】
表7より、硫酸アルミニウム等と、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩は粉末状態で添加するよりも、一緒に懸濁液にして添加したが、脱型強度及び長期強度も高くなる傾向が示される。
【0054】
実施例5
実施例1の実験No.1−3〜1−5、と実施例3の実験No.3−2〜3−4、3−13〜3−15、3−23のコンクリートとそれぞれの養生条件を使用し、活性シリカ、ポゾラン物質、潜在水硬性物質からなる群より選択された一種又は2種以上を粉末状で添加した以外は実施例1および3と同様の実験を行った結果を表8及び表9に示す。
【0055】
《使用材料》
D−1:活性シリカ(シリカフューム,エルケム社製,粉末度25m2 /g)
D−2:ポゾラン物質(酸性白土を1000℃で1時間焼成し、粉末度6500cm2 /gに粉砕したもの)
D−3:ポゾラン物質(フライアッシュ,東北電力社産,粉末度4500cm2 /g)
D−4:高炉スラグ粉末(粉末度4500cm2 /g)
【0056】
【表8】
Figure 0003657075
【0057】
【表9】
Figure 0003657075
【0058】
表8及び表9より、活性シリカはセメント100重量部に対して、0.1重量部から添加効果が示され、脱型強度、長期強度共に増大する。そして、添加量が多くなるほどその効果も大きくなるが1.0〜2.0重量部間では大きな変化がなく、2.0重量部を超える添加は不経済となる。
ポゾラン物質や潜在水硬性物質では0.2重量部から添加効果が示され、2重量部を超えて添加しても効果の増大は期待できないことも示される。
また、活性シリカと、ポゾラン物質や潜在水硬性物質と併用添加した場合は相乗的に高い強度が得られる。これはポゾラン物質などを混合することにより、超微粉の分散性の向上、または何らかの化学的な相互作用によるものと考えられる。
【0059】
実施例6
実施例5の実験No.5−12〜5−19、5−26〜5−28、5−36のコンクリートと養生条件を使用し、硫酸アルミニウム等と、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩や活性シリカなどの各成分をそれぞれ全部一緒に懸濁液にして添加した以外は実施例5と同様の実験を行った結果を表10に示す。
【0060】
尚、懸濁液は硫酸アルミニウム等と、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩や活性シリカとの合計量と同量の練混ぜ水の一部と、表1の減水剤の1/2量に相当する分の減水剤量で作製し、その他のコンクリート材料を1分間練混ぜた後、懸濁液を添加して、さらに1分間練り混ぜた。
【0061】
【表10】
Figure 0003657075
【0062】
表10より、硫酸アルミニウム等と、石膏類及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩や活性シリカなどは粉末状態で添加するよりも懸濁液にして添加する方が脱型強度、長期強度共に高くなる傾向が示される。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、コンクリート製品の製造にあたり、本発明の硫酸アルミニウム等や、それらと石膏類、アルカリ金属のアルミン酸塩等、活性シリカ等との一種又は二種以上と適宜添加して35℃〜60℃の温度で第一段階の加熱養生を行い、次いで、60℃を超え100℃以下の温度で第二段階の加熱養生することにより、熱膨張を抑えて3時間以内に脱型強度が得られ、長期強度も増大させることも可能である。また、各々成分は粉末状で添加してもよいが、懸濁液にして添加する方が脱型強度に対しても長期強度に対しても更に良好な結果を得ることができる。
従って、少ない型枠で効率よくコンクリート製品の製造が可能となるものである。

Claims (6)

  1. 硫酸アルミニウム、ミョウバン、及びミョウバン石からなる群より選択された一種又は二種以上を添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、35℃〜60℃の温度で第一段階の加熱養生を行い、次いで、60℃を超え100℃以下の温度で第二段階の加熱養生を行うことを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  2. 硫酸アルミニウム、ミョウバン、ミョウバン石からなる群より選択された一種又は二種以上を水溶液又は懸濁液にして添加して練混ぜたコンクリートを型枠に成形後、35℃〜60℃の温度で第一段階の加熱養生を行い、次いで、60℃を超え100℃以下の温度で第二段階の加熱養生を行うことを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  3. セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩を添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の製造方法。
  4. セッコウ及び/又はアルカリ金属のアルミン酸塩又はアルカリ金属のケイ酸塩を水溶液又は懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とする請求項2記載のコンクリート製品の製造方法。
  5. 活性シリカ、ポゾラン物質、潜在水硬性物質からなる群より選択された一種又は二種以上を添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とする請求項1又は3記載のコンクリート製品の製造方法。
  6. 活性シリカ、ポゾラン物質、潜在水硬性物質からなる群より選択された一種又は二種以上を懸濁液にして添加してコンクリートを練混ぜることを特徴とする請求項2又は4記載のコンクリート製品の製造方法。
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