JP3713139B2 - 一眼レフカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファインダ観察位置と撮影位置との間で移動するレフレックスミラーをモータで駆動するようにした一眼レフカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファインダ観察位置と撮影位置との間でレフレックスミラー(以下、単にミラーという)を移動させる形式の一眼レフカメラでは、露光が行われる直前にミラーを撮影位置に移動させる。ミラーの移動機構には、バネ力を利用してミラーを跳ね上げるもの、あるいはマグネットを併用したもの、モータを利用したものなど種々知られているが、いずれにせよ露光直前にミラーが急激に移動して振動が発生しやすいため、これがカメラぶれの原因になりやすい。
【0003】
ミラー移動時の振動を抑えるために、エアーダンパやオイルダンパなどの緩衝装置を用いることも知られているが、コスト及び組み込みスペースの点で不利が伴う。この点、モータでミラーを移動させるものでは、ミラーの移動過程でモータの駆動速度を制御することによって振動の発生を軽減させることができる。
【0004】
モータの駆動でミラーの移動を行うことは、特にブローニーフイルムを使用するラージフォーマット形式の一眼レフカメラで効果的である。ラージフォーマット形式のカメラではミラーも大型化し、さらにレンズシャッタを採用したものではフイルム前面に可動式の遮光板が設けられ、この遮光板も露光直前に移動させる必要がある。したがって、大型のミラーや遮光板を振動なく移動させるためには、これらを共通のモータの駆動によって作動させるのが有利となる。
【0005】
特公平7−60243号公報記載のカメラでは、モータの駆動によりミラー及び遮光板の移動機構を動作させるにあたり、移動機構自体を工夫してミラーや遮光板自体の振動を軽減するだけでなく、モータ起動時の振動を抑えるために、モータに供給する駆動電圧を徐々に大きくしてゆき、駆動速度が急激に変化しないようにしている。モータの駆動速度を徐々に大きくするには、上記公報記載のように駆動電圧の電圧レベルを徐々に高めてゆけばよいが、アナログ量である電圧レベルをほぼ連続的に変化させているため回路構成が複雑化しやすく、また電源電圧が変動したときの影響やノイズの影響を受けやすいという難点がある。
【0006】
このような事情から、通常のDCモータをミラー駆動用に用い、その駆動速度を制御するためにDCモータに供給する駆動電圧にパルス幅変調(PWM :Pulse Width Moduration)を加えることが試みられている。パルス幅変調によるモータ駆動方式では、DCモータに一定電圧レベルのパルス電圧を一定の周波数で供給して駆動する際に、目的とするモータの駆動速度に応じてパルス電圧のパルス幅が制御される。そして、モータの起動時にはパルス幅の狭いパルス電圧を供給し、徐々にパルス幅の広いパルス電圧を供給してゆくことによって、モータをゆっくりと起動させることが可能となる。
【0007】
パルス電圧のパルス幅を変えるためには、カメラに内蔵されたシーケンス制御用のマイクロコンピュータを利用することが可能である。すなわち、マイクロコンピュータには、前記パルス電圧の周波数に対して格段に周波数が高いクロックパルスが供給されているから、このクロックパルスの個数に基づいてパルス電圧のパルス幅を可変することができる。これによれば、モータに供給する駆動電圧を殊更に変えることなく、しかもデジタル的にモータの駆動速度を変えてモータの駆動速度を制御することができるようになるから、回路構成も簡単で信頼性の高いミラー駆動機構が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、例えばカメラの電源電池が消耗してきたり、周囲の温度が著しく低下すると、パルス電圧の電圧レベルもこれに伴って低下してモータの駆動速度が遅くなる。したがって、ミラーがファインダ観察位置から撮影位置まで退避するまでに要する時間が長くなり、シャッタレリーズ操作を行ってから露光が行われるまでのタイムラグも大きくなって撮影者に違和感をもたせる原因になる。
【0009】
また、一眼レフカメラには通常、焦点距離が異なる様々な交換レンズが用意されており、中でも望遠レンズは焦点距離とともに鏡胴長が長く重量も重い。したがって望遠レンズの使用時には、前記モータの駆動によるわずかな振動もレンズ側では大きくなり、カメラブレが生じやすくなる。
【0010】
さらに、アオリ機能をもったカメラでは、撮影レンズを様々な向きにシフトさせたり傾けたりすることができるが、このようなアオリ機能を用いたときには、全体的な重量バランスが不安定になる。したがって、やはりモータの駆動によるわずかな振動もカメラブレの大きな原因になりやすい。
【0011】
本発明は上記背景を考慮してなされたもので、パルス幅変調したパルス電圧の供給によってミラー移動用のモータを駆動するようにした一眼レフカメラについて、ミラーを安定に作動させ、さらには前記モータの駆動に伴う振動に対しても対策が施された一眼レフカメラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、ミラーがファインダ観察位置から撮影位置に移動させるまでの間は、パルス電圧のパルス幅が漸増するようにパルス幅変調を行うことによってモータ起動時の振動の発生を抑制するとともに、パルス幅が漸増する度合いをパルス幅制御手段によって変えることができるようにしてある。そして、駆動電源の電圧レベル、使用されている交換レンズの種類、アオリ機構の有無などの撮影条件の変動に応じてパルス電圧のパルス幅の漸増の度合いを可変し、それぞれの条件に対して最も適切なパルス幅変調が行われようにしたものである。
【0013】
また、ミラーが撮影位置に達する直前にはモータを一定速度で駆動してモータの増減速に伴う振動を発生させないようにしてあるから、引き続き行われる露光に際してのカメラブレを防ぐうえで効果的である。さらに、ミラーが撮影位置に達する直前にモータを一定速度で駆動するとともに、その駆動時間をレンズの種類やアオリ機構の有無によって可変できるようにしておき、振動が発生しやすい条件で撮影が行われるときには、モータの増速期間を短くしてミラー移動の終期にはモータが一定速度で駆動される期間を長くしてモータ自体から振動がでないようにすることによって、より効果的にカメラブレを防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を用いた一眼レフカメラの外観を示す。このカメラはブローニーフイルムを用いるレンズシャッタ式一眼レフカメラで、全体システムがカメラ本体2、フイルムホルダ3、レンズホルダ4、レンズユニット5から構成されている。フイルムホルダ3はレボルビング機能を備えたマウント部を介してカメラ本体2に装着され、レンズホルダ4はベローズ6を介してカメラ本体2に装着される。さらにレンズホルダ4には着脱自在にレンズユニット5が装着される。レンズホルダ4は、カメラ本体2に設けられた一対のガイドロッド7に沿って光軸方向に進退自在であり、フォーカスノブ8の回動操作によってピント合わせが行われる。
【0015】
図2に示すように、カメラ本体2にはミラー10及び遮光板11が回動自在に軸着され、図示したファインダ観察位置ではレンズユニット5を通過してきた被写体光をカメラ本体2の上面に設けられたフォーカシングスクリーン12上に結像させる。ファインダフード13を開き、フォーカシングスクリーン12に結像された像を観察しながらフォーカスノブ8を操作することによってピント合わせを行うことができる。ファインダ観察位置では遮光板11がアパーチャー14を閉じているため、フイルムホルダ3内のフイルムが曝光されることはない。
【0016】
カメラ本体2とフイルムホルダ3との間のマウント部、さらにレンズホルダ4とレンズユニット5との間のマウント部にはそれぞれ電気的な接続コネクタが設けられ、各々の機械的な装着と同時に相互間の電気的な接続が行われる。また、カメラ本体2とレンズホルダ4との間の電気的な接続は、フレキシブルコード16によって行われている。
【0017】
フイルムホルダ3には給送用モータが内蔵され、カメラ本体2からの信号によって露光が終了したときに駆動される。レンズユニット5には絞り設定つまみ17のマニュアル操作によって開口径が可変される絞りが内蔵され、またファインダ観察時にはシャッタ羽根を開放したままに保持するマグネットと、カメラ本体2からのシャッタ秒時信号のもとで駆動されるシャッタモータ及びシャッタ羽根が内蔵されている。そして、カメラ本体2に設けられたレリーズボタン18を操作すると、カメラ本体2のメモリに格納された所定のシーケンスプログラムのもとで一連の撮影動作が実行される。
【0018】
図3に電気的構成の概略を示す。カメラ本体3には本体制御用CPU20が内蔵され、メモリ21のROM領域に格納されたシーケンスプログラムにしたがって一連の撮影動作を制御する。カメラ本体2には電源としてバッテリーパック22が装着されるが、AC電源23の使用もできるように電源切り換え回路24が設けられており、AC電源23の接続時にはバッテリーパック23に優先してAC電源23が使用される。
【0019】
電源切り換え回路24には定電圧回路25が接続され、その電圧レベルはバッテリーチェック回路26によって判定される。バッテリーチェック回路26は、電圧レベルが「OKレベル」であるか、「警告レベル」であるか、「NGレベル」であるかを判定し、その判定結果を本体制御用CPU20に入力する。「OKレベル」は撮影動作を継続して行っても全く支障のないレベルを、「警告レベル」は少なくともフイルム2〜3本分についてはそのままでも撮影できるレベルを、また「NGレベル」は数コマの撮影程度した適正な撮影動作が保証できないレベルを意味している。バッテリーチェックの情報は、カメラ本体2のインタフェース回路27を介してフイルムホルダ3に送られ、フイルムホルダ3に設けられた表示パネル30に表示される。入力操作部31は、レリーズボタン18を含む各種の外部操作部材からの操作信号を本体制御用CPU20に入力する。
【0020】
ミラーモータ駆動回路32はミラーモータ33の駆動を制御する。ミラーモータ33の駆動により、ミラー10及び遮光板11がファインダ観察位置と撮影位置との間で移動される。シャッタモータ駆動回路35は、レンズユニット5に内蔵されたシャッタモータ36の駆動を制御する。シャッタモータ36の制御により、シャッタ羽根による露出時間の制御が行われる。シャッタインタフェース回路37,EEPROMインタフェース回路38は、本体制御用CPU20と、各々レンズユニット5に内蔵されたシャッタマグネット40及び絞り機構41、さらにEEPROM42との間でデータの授受を行うために設けられている。
【0021】
EEPROM42は、レンズユニット5に内蔵されたシャッタの作動回数を累積してカウントするトータルショットカウンタとして用いられる他、レンズユニット5が備えている撮影レンズ45の焦点距離データの記憶手段として用いられている。EEPROM42からのデータ読み出し及び書込みは、本体制御用CPU20からのコマンドによってEEPROMインタフェース回路38を介して行われる。
【0022】
また、カメラ本体2に装着されたレンズホルダ4はアオリ機構を有しており、レンズユニット5が装着されたブラケット46を上下左右方向にシフトさせ、あるいは撮影レンズ41の光軸を任意の向きに傾けることができる。さらに、このカメラ本体2には上記アオリ機構を有していないローコストタイプのレンズホルダも装着することが可能となっている。そして、レンズホルダ4にはアオリ機構の有無を表す種別信号部47が設けられ、これにより本体制御用CPU20は、装着されているレンズホルダ4がアオリ機構を有しているものであるか否かを識別することができる。
【0023】
フイルムホルダ3はホルダ制御用CPU48を内蔵し、インタフェース回路49を介してカメラ本体2と接続されている。メモリ50のROM領域にはフイルムホルダ3の制御用プログラムが格納され、本体制御用CPU20との間で行われるコマンドの授受及びデータ交信に応じてフイルムホルダ3の作動が制御される。給送モータ駆動回路51はフイルム送り用の給送モータ52の駆動制御を行う。給送モータ52は、撮影ごとに行われるフイルム1コマ送りの他に、新規にフイルム装填をしたときのファーストフレームセット時のフイルム送りや、最終コマに撮影を行った後に行われるフイルム終端送りのときに駆動される。
【0024】
フイルムホルダ3は専用のリチウム電池53から電源供給を受けるが、カメラ本体2と接続されたときには、電源切り換え回路54を介してカメラ本体2に電源供給を行っているバッテリパック22あるいはAC電源23からの給電を受けて作動する。電源切り換え回路54には定電圧回路55が接続され、その電圧レベルはバッテリーチェック回路56によって判定される。バッテリーチェック回路56は、カメラ本体2のバッテリーチェック回路26と同様、電圧レベルが「OKレベル」であるか、「警告レベル」であるか、「NGレベル」であるかを判定し、その判定結果をホルダ制御用CPU48に入力する。バッテリーチェックの情報は、LCD駆動回路57を介して表示パネル30に表示される。
【0025】
入力操作部58は、フイルムホルダ3に設けられている各種の設定入力部からの操作信号をホルダ制御用CPU48に入力する。入力操作部58からの信号には、例えば使用するフイルムのISO感度の入力信号、デート写し込みの要否を決める信号やデート修正入力信号、トータルショット数の表示を促す表示信号、ファーストフレームのセットを促す信号など各種のものがある。
【0026】
図4にミラー駆動機構の一例を概略的に示す。このミラー駆動機構は、例えば特公平7−60243号公報にその詳細な構成及び作用が記載された公知のもので、図示のファインダ観察位置で静止しているミラー10及び遮光板11をミラーモータ33の正転によって順次に撮影位置に移動させ、露光完了の後にはミラーモータ33の逆転によってそれぞれを撮影位置からファインダ観察位置へと復帰させる。以下、ミラー10及び遮光板11の1サイクルの作動について、図5を参照しながら説明する。
【0027】
ミラーモータ33は、レンズユニット5に内蔵されたシャッタマグネット40がオンし、シャッタ羽根が閉じられていることが確認された後に出力されるミラー動作信号を受けて正転を開始する。ミラーモータ33が正転を開始すると、減速ギヤ61を介して駆動ギヤ62が反時計方向に回転する。これとともに駆動ギヤ62に固定された駆動レバー63が回転し、ミラー駆動ピン64がカム溝65内で移動し、カムレバー66を軸67を中心にしてゆっくりと反時計方向に揺動させる。
【0028】
引き続き駆動ギヤ62が反時計方向に回転すると、ミラー駆動ピン64はカム溝65の先端側に移動した後はカム溝65の根元側に移動しながらカムレバー66をさらに反時計方向に回動させる。軸67にはミラーアップレバー68が軸着され、その立ち上がり68bがカムレバー66と係合しているため、カムレバー66が反時計方向に揺動することによってミラーアップレバー68は反時計方向に回動する。ミラーアップレバー68の先端に形成された長孔にミラーホルダ69に固定したピン69aが係合しており、ミラーアップレバー68が反時計方向に回動することによってミラー10は軸70を中心にして時計方向に回動してゆく。そして、ミラー駆動ピン64がカム溝65内のほぼ中央部に戻った時点でミラー10は時計方向に略45°回動した撮影位置に移動される。この時点でミラーモータ33の駆動は一旦停止するが、引き続きミラーモータ33は正転を再開する。
【0029】
ミラーモータ33により駆動ギヤ62がさらに反時計方向に回転すると、これに連動して遮光板11が遮光板駆動機構(図示省略)を介して軸70を中心に図示位置から時計方向に回動する。そして、ミラー駆動ピン64がカム溝65の根元側端部まで移動した時点で遮光板11も完全に上昇し、アパーチャー14を開放して露光待機状態となる。なお、カム溝65は二種類の円弧を組み合わせた形状となっており、ミラーモータ33が起動した直後はカムレバー66はゆっくりと回動し、ミラー10が撮影位置に移動した後でミラー駆動ピン64がカム溝65を根元側に移動してもミラー10は撮影位置から移動することはない。
【0030】
駆動ギヤ62には扇形の信号板71が固着され、その両エッジが反射型のフォトセンサ72a,72bで検出されるようになっている。そして、ミラー10が撮影位置まで回動した瞬間にフォトセンサ72aが信号板71の先頭側エッジを検出してミラーアップ信号を出力し、また引き続き駆動ギヤ62が反時計方向に回転を続け、遮光板11が撮影位置に達した瞬間にフォトセンサ72bが信号板71の先頭側エッジを検出して遮光板アップ信号を出力する。この遮光板アップ信号を受けてミラーモータ33の駆動が停止する。
【0031】
こうしてミラー10及び遮光板11が各々撮影位置に移動した後、カメラ本体2からの信号を受けてレンズユニット5に組み込まれたシャッタモータ36が作動し、撮影が行われる。撮影完了の後には、ミラーモータ33が逆転を開始し、駆動ギヤ62は時計方向に回転する。これにより上述したミラー駆動機構及び遮光板駆動機構がそれぞれ逆方向に作動し、遮光板11,ミラー10が順次に撮影位置からファインダ観察位置に戻る。そして、フォトセンサ72bによって図4に示す位置まで信号板71が戻ったことが確認されるとミラーモータ33の駆動が停止され、またカメラ本体2からレンズユニット5に内蔵されたシャッタマグネット40にオフ信号が供給され、シャッタ羽根が開放してファインダ観察状態に戻る。
【0032】
ミラーモータ33の正転駆動時に供給される駆動電圧の波形を図6に示す。図示のように、ミラーモータ33には定電圧回路25で決められた一定の電圧レベルのパルス電圧が供給されるが、その起動時にはパルス幅が狭く、そのパルス幅は時間経過とともに徐々に広くなるようにパルス幅変調されている。このパルス幅変調は、メモリ21のROM領域に格納されたデータにしたがい、本体制御用CPU20によって行われる。
【0033】
図7に示すように、パルス電圧の発生周期をT0 としたとき、パルス幅PD は時間の経過とともにPD1,PD2と順次に広くなり、周期T0 に対する信号パルス幅の比で表されるデューティー比D(=PD /T0 )が漸増するようなパルス幅変調が加えられる。標準状態におけるパルス幅変調では、デューティー比Dの漸増の度合いは図8に実線で示す一定の傾きによって表され、ミラーモータ33の増速期間に相当している。そして、増速期間の後はデューティー比Dが一定値D1となって定速駆動期間となる。これにより、ミラーモータ33の起動時には機械的な振動が発生しにくくなり、またミラー10が撮影位置に達する近傍ではミラーモータ33が一定速度で安定に駆動されるから、たとえそれまでにわずかながら振動が生じたとしてもこれが助長されることがなく、充分に吸収してしまうことができる。
【0034】
本体制御用CPU20は、さらに上記パルス幅変調の度合いを制御するパルス幅制御手段を構成しており、デューティー比Dの増加の度合いを調節する機能を有している。図8の実線は、バッテリーチェック回路26で判定された電源の電圧レベルが「OKレベル」のときのもので、これが標準のパルス幅変調となっている。ところが、バッテリーチェックの結果が「警告レベル」であると、標準のパルス幅変調に対して補正が加えられ、同図中に破線で示すようなデューティー比の増加プログラムにしたがってミラーモータ33の駆動が行われる。
【0035】
バッテリーパック22をカメラ本体2に装着して撮影を行っている間に電源が消耗してきたとき、あるいは周囲温度が低温になると、定電圧回路25からの出力電圧のレベルが低下し、「NGレベル」よりは高いけれども「OKレベル」に達しない場合がある。こうした場合には、フイルムホルダ3の表示パネル30にバッテリーが「警告レベル」である旨が表示され、これとともにミラーモータ33に供給されるパルス電圧には、図8に破線で示すようなパルス幅変調制御が加えられる。
【0036】
すなわち、標準のパルス幅変調と比較して、より急な傾きにしたがってデューティー比Dの漸増の度合いが決められ、また所定時間後にはデューティー比D2のパルス電圧がミラーモータ33に供給される。これにより、パルス電圧の電圧レベルが「OKレベル」よりも低い「警告レベル」であったとしても、ミラーモータ33に供給される単位時間あたりの電気エネルギーを「OKレベル」と同程度に保つことができ、ファインダ観察位置からミラー10及び遮光板11が撮影位置に移動するのに要する時間をほぼ一定にすることが可能となる。
【0037】
ミラー10が撮影位置に移動した後に行われる遮光板11の駆動期間中も、同様のパルス幅変調制御が行われるが、遮光板11の駆動は露光直前であるため、ミラー10の駆動時よりもミラーモータ33の駆動速度を抑えることによって、より振動が生じにくいようにしてある。なお、フォーカルプレン式のシャッタ装置を有する一眼レフカメラでは遮光板の駆動が不要であるため、レフレックスミラーを撮影位置に移動させた後に露光を行うようにすればよい。また、上記のパルス幅変調制御のために必要な制御パラメータはデータはメモリ21のROM領域に書き込まれており、バッテリーチェックのレベルに応じて本体制御用CPU20によってこれらの制御パラメータの中から適宜のものが読み取られ、用いられることになる。
【0038】
本体制御用CPU20はまた、使用されるレンズユニット5の種類に応じて図9に示す態様でパルス幅変調制御を行う。レンズホルダ4に装着して使用可能なレンズユニット5の特性データは、それぞれEEPROM42に書き込まれており、本体制御用CPU20はEEPROMインタフェース回路38を通してレンズユニット5の特性データを読み取る。そして、使用されているレンズユニット5の焦点距離にしたがってミラーモータ33に供給されるパルス電圧のパルス幅変調制御を行う。
【0039】
レンズユニット5が標準の焦点距離のものであるときには、実線で示す標準のパルス幅変調が行われるが、長焦点距離のものであるときには破線、短焦点距離のものであるときには一点鎖線で示すようなデューティー比の増加プログラムとなるように、標準のパルス幅変調に対して補正が加えられる。長焦点距離のレンズユニットはレンズ長が長いため、ミラーモータ33の増速過程で生じた振動が持続しやすい。これに対処するため、レンズ長が長いレンズユニットの使用時には図9に破線で示すように早めにミラーモータ33の増速を終え、振動がでにくい一定速度での駆動期間を長くとって安定期間を確保するようにしている。
【0040】
さらに、レンズホルダ4がアオリ機構を有しているか否かによってもパルス幅変調に補正を加えるのがよい。レンズホルダ4には種別信号部47が設けられ、これにより本体制御用CPU20は使用されているレンズホルダ4がアオリ機構を有しているか否かを識別することができる。そして、アオリ機構を有していることが確認されたときには、図9に破線で示した長焦点距離用のものと同様の補正が加えられ、アオリ機構をもたないレンズホルダ4の使用時には、標準焦点距離用のものと同様のパルス幅変調制御を行う。アオリ操作が行われた場合には、カメラシステム全体の重量バランスがくずれやすく、振動が発生したときには減衰しにくい傾向を示す。したがって、上記のようにミラーモータ33の増速期間を短くして一定速度での駆動期間を長くとることが有利となる。
【0041】
上述した各種のパルス幅変調制御は、そのいずれかひとつを用いてもよいが、図10に示す処理を行うことによって複合的に用いることが可能である。以下、これらのパルス幅変調制御を複合的に用いる場合の作用について説明する。レリーズボタン18の押圧によって撮影シーケンスが開始されると、シャッタマグネット40がオンしてシャッタ羽根が閉じられる。シャッタ羽根の閉じ信号を受けて本体制御用CPU20はミラー動作開始信号を出力し、まずバッテリーチェックが行われる。なお、バッテリーチェックはカメラ本体2の電源スイッチ投入時にすでに行われているが、ミラー動作開始信号の出力時には、バッテリーチェック回路26によって定電圧回路26の出力電圧のレベルが再チェックされる。
【0042】
バッテリーチェックの結果、「NGレベル」にも達していないときにはそのまま処理を終了し、バッテリーの交換あるいは切り換えを促す表示が行われる。定電圧回路26からの電圧レベルが「NGレベル」以上であり、しかも「警告レベル」を越えているときには「OKレベル」となり、図8に実線で示す標準のパルス幅変調のもとでミラーモータ33の駆動が行われる。「警告レベル」以下であるときには、図8に破線で示すパルス幅変調処理を行うべく、メモリ21のROM領域に書き込まれた制御パラメータが本体制御用CPU20によって読み取られ、これがメモリ21のRAM領域内の所定アドレス位置に書き込まれる。
【0043】
次にレンズホルダ4に装着されたレンズユニット5の特性データがEEPROM42から読み取られ、撮影レンズが標準焦点距離,長焦点距離,短焦点距離のいずれのものであるかが識別される。そして、識別された焦点距離が長焦点距離あるいは短焦点距離であるときには、それぞれ図9に破線あるいは一点鎖線で示すパルス幅変調制御用の制御パラメータが読み取られ、同様にメモリ221のRAM領域に書き込まれる。
【0044】
さらに、使用しているレンズホルダ4がアオリ機構を有しているか否かがレンズホルダ4の識別信号部47からのデータによって識別され、アオリ機構有りの場合には、図9に破線で示すパルス幅変調のもとでミラーモータ33を駆動するための制御パラメータが用意される。
【0045】
上記のように、バッテリーチェック,使用レンズユニットの焦点距離識別,アオリ機構の有無を順次に確認した後、ミラーモータ33に供給されるパルス電圧のパルス幅変調の度合いが決定される。なお、バッテリーチェックの結果が「OKレベル」であり、レンズユニット5が標準の焦点距離のものであり、レンズホルダ4がアオリ機構を持たないものであるときには、図8あるいは図9に実線で示す標準のパルス幅変調によってミラーモータ33の駆動が行われる。
【0046】
また、それ以外のときには、バッテリーチェックや焦点距離及びアオリ機構の有無の識別処理によってメモリ21のRAM領域に書き込まれた制御パラメータが読み出され、これらの制御パラメータに基づいて演算処理を行って最終的な制御パラメータを決定する。こうして決定された制御パラメータのもとで標準のパルス幅変調に補正が加えられ、ミラーモータ33に供給されるパルス電圧のパルス幅変調が行われる。
【0047】
上記によれば、ミラーモータ33をパルス幅変調したパルス電圧で駆動させるにあたり、パルス幅変調の度合いが様々な撮影条件によって調節され、機械的な振動の影響を著しく低減させた状態で露光が行われるようになる。したがって、一眼レフカメラ特有のミラー作動に伴うカメラブレや、レンズシャッタ式カメラでは遮光板の退避駆動時に伴うカメラブレをほとんどなくすことができるようになる。
【0048】
以上、図示した実施形態にしたがって本発明について説明してきたが、本発明はブローニーフイルムを用いる一眼レフカメラだけでなく、135フイルムやAPS用のIX240フイルムを用いる一眼レフカメラにも等しく適用が可能である。また、例えば交換レンズとして標準,長焦点,短焦点の3種類だけでなく、さらに多くの種類の焦点距離のものが用意されている場合には、その焦点距離に応じて3種類に分類して識別する以外に、さらに細かい識別を行って各々の焦点距離ごとにパルス幅変調の制御パラメータを用いてもよい。
【0049】
さらに、アオリ機構をもったレンズホルダについても、実際にアオリ操作が行われたか否かによってパルス幅変調に補正を加えるようにしてもよい。また、パルス幅変調によるパルス幅の漸増処理についても、上記実施形態のように線形に増加させるものだけでなく、非線形にパルス幅を増加させることも可能で、撮影条件による補正によって、線形な漸増処理と非線形な漸増処理との間で切り換えることも可能である。
【0050】
また、本発明は上述した電源電圧レベルの変動、撮影レンズの種類の変化、アオリ機構の有無といった撮影条件の変動だけでなく、例えば、前群あるいは全群繰り出し式でピント合わせを行う撮影レンズに対しては、被写体距離あるいはレンズの突出長に基づいてレフレックスミラー駆動時のパルス幅の漸増度合いを可変するなど、そのほかの種々の撮影条件の変動に対しても効果的に適用することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の一眼レフカメラにおいては、パルス幅変調したパルス電圧の供給でモータを駆動し、その回転を利用してレフレックスミラーを移動させるにあたり、電源の電圧レベル、使用レンズの焦点距離、アオリ機構の有無などによる撮影条件を識別し、これらの様々な撮影条件に応じてモータに供給するパルス電圧のパルス幅変調に制御を加えるようにしてあるから、レフレックスミラーをファインダ観察位置から撮影位置に退避させるまでの時間が略一定に保たれるようになるとともに、レフレックスミラーの駆動に伴う機械的振動の影響をなくしてカメラブレのない撮影を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた一眼レフカメラの外観図である。
【図2】図1に示すカメラの要部断面図である。
【図3】図1に示すカメラの電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図4】ミラー駆動機構の一例を示す概略図である。
【図5】撮影シーケンスの概要を示すタイムチャートである。
【図6】ミラーモータに供給されるパルス電圧の概略を示す波形図である。
【図7】パルス幅変調の説明図である。
【図8】バッテリーチェックレベルによるデューティー比のプログラム線図である。
【図9】使用レンズの焦点距離によるデューティー比のプログラム線図である。
【図10】パルス幅変調制御の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 カメラ本体
3 フイルムホルダ
4 レンズホルダ
5 レンズユニット
10 ミラー
11 遮光板
33 ミラーモータ
64 ミラー駆動ピン
65 カム溝
66 カムレバー
68 ミラーアップレバー

Claims (4)

  1. 断続的なパルス電圧の供給によりモータを駆動し、このモータの駆動によりレフレックスミラーをファインダ観察位置と撮影位置との間で移動させるとともに、レフレックスミラーをファインダ観察位置から撮影位置に移動させる間は、前記パルス電圧のパルス幅が漸増するようにパルス幅変調を加えるようにした一眼レフカメラにおいて、
    使用される撮影レンズの種類に応じて、レフレックスミラーをファインダ観察位置から撮影位置に移動させる間のパルス幅変調を制御し、パルス幅が漸増する度合いを可変するパルス幅制御手段を備えたことを特徴とする一眼レフカメラ。
  2. 断続的なパルス電圧の供給によりモータを駆動し、このモータの駆動によりレフレックスミラーをファインダ観察位置と撮影位置との間で移動させるとともに、レフレックスミラーをファインダ観察位置から撮影位置に移動させる間は、前記パルス電圧のパルス幅が漸増するようにパルス幅変調を加えるようにした一眼レフカメラにおいて、
    撮影レンズを保持するレンズホルダがアオリ機構を有するか否かに基づいて、レフレックスミラーをファインダ観察位置から撮影位置に移動させる間のパルス幅変調を制御し、パルス幅が漸増する度合いを可変するパルス幅制御手段を備えたことを特徴とする一眼レフカメラ。
  3. 前記パルス幅制御手段は、レフレックスミラーが撮影位置に達する直前の所定期間はパルス電圧のパルス幅を一定に保つとともに、前記所定期間が前記撮影レンズの種類に応じて可変されることを特徴とする請求項1記載の一眼レフカメラ。
  4. 前記パルス幅制御手段は、レフレックスミラーが撮影位置に達する直前の所定期間はパルス電圧のパルス幅を一定に保つとともに、前記所定期間が前記レンズホルダがアオリ機構を有するか否かに基づいて可変されることを特徴とする請求項2記載の一眼レフカメラ。
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