JP3712222B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット式記録装置に関し、より詳しくは、単一の駆動モータによって記録ヘッドの保守動作と記録用紙の給排紙動作を行わせる機構に特徴を有するインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置では、キャリッジの走行動作以外に、記録用紙の給排紙動作と記録ヘッドの保守動作を実行させる駆動系が必要となるが、小型のプリンタにおいては、装置の小型化と低価格化を図るために、これらの給排紙動作と記録ヘッドの保守動作を単一の駆動モータによって実行させるような機構が採られている。
【0003】
この種の機構は、一般にキャリッジがホームポジションから印字領域へ、印字領域からホームポジションへ移動した各時点において、紙送りモータの駆動力をポンプの駆動系と給排紙の駆動系へ切換える切換え機構が設けられ、しかもこの切換え機構は、切換え歯車を給排紙系とポンプ系の各歯車へ選択的に噛合わせる機構を採っている関係上、噛合いがスムーズにいかなかったり、噛合わせる歯相互にズレが生じて、給紙のタイミングに狂いを生じさせかねないといった不都合をもたらすばかりでなく、この切換え機構に多くの部材を必要とする問題を抱えていた。
また、インクジェット式記録装置では、記録ヘッドの記録書込み領域外に、記録ヘッドを常時良好な状態に保持しておくためのクリーニング機構を配設する必要があって、巾方向の寸法が必然的に大きくなる。殊に、カラー印刷のためにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、さらに同一色でも濃淡2種類のインクを使用するインクジェット式記録装置においては、これらインクをインク滴として吐出する記録ヘッドが必然的に大きくなる、記録ヘッドのサイズに相関して構成されるキャッピングユニットやクリーニング機構も必然的に大型化する。
この結果、記録装置の小型化を図ろうとしてキャリッジ、記録ヘッド、キャッピングユニット、及びクリーニング機構を高密度で函体内に配置すると、マージンが少なくなり例えば記録動作中にクリーナユニットがガタや遊びによりキャリッジの走行経路に移動した場合には、キャリッジとクリーナユニットとが接触して記録書込みに支障をきたすといった問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、駆動力の切換えに格別の機構を必要とすることなく、給排紙系とポンプ系へ円滑に駆動力を切り替えて伝えることのできる構造簡単な装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は上記課題を達成するために、回転方向を正逆切換え可能な単一の駆動手段の一方の方向への回転により記録用紙の排紙動作を、また他方の方向への回転によりインク吸引動作を選択的に実行させるとともに、記録用紙の給排紙手段とインクの吸引手段とを、給紙動作の開始から印字の終了までの給排紙工程中に実行される前記駆動手段の逆転動作に対しても前記インク吸引動作を不作動状態に維持することができる時間遅れを生じさせて結合する手段により結合させようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】
そこで以下に本発明の詳細を実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すものであって、キャリッジ1は、キャリッジモータ2にタイミングベルト3により接続されて、記録用紙4の幅方向に往復移動するように構成され、記録用紙4と対向する面にアクチュエータによりインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド5が設けられ、また上面には記録ヘッド5にインクを供給するインクカートリッジ6を着脱可能に搭載している。
【0008】
記録用紙4は、紙送りモータ7に後述する動力伝達機構を介して接続する搬送ローラ8により一定のピッチで、キャリッジ1の移動方向と直交する方向に紙送りされる。印刷領域の外側には記録ヘッド5を封止するキャッピングユニット9と、キャッピングユニット9よりも印刷領域側にクリーナユニット10が設けられている。
【0009】
キャッピングユニット9は、非印刷時に記録ヘッド5を封止してノズル開口の目詰まりを防止するほかに、ポンプユニット11からの負圧の供給を受けて、インク充填時やまた目詰まり解消時に記録ヘッド5からインクを強制的に吐出させる機能を備えている。
なお、図中符号12は、カットシートフィーダを示す。
【0010】
図2、図3は、上述の駆動力伝達機構の一実施例を示すものであって、搬送ローラ8は、一端に歯車13を有し、紙送りモータ7の軸上のピニオン14からアイドラ15を介して駆動され、また給紙ローラ駆動軸16は、一端に歯車17を有し、クラッチ機構18を介して歯車13と係合してカットシートフィーダ12に動力を伝達し、さらにポンプユニット11は、紙送りモータ7のピニオン14からアイドラ19及び排紙ローラ歯車20を介して排紙ローラ21の他端に設けられた歯車22により駆動される。クラッチ機構18は、常時は図示しないバネにより図2に示すように歯車13、17から離れた位置を保持し、またキャリッジ1に押された場合にはこれら歯車13、17を接続するように構成されている。
【0011】
つぎに各部の構成について説明すると、ポンプユニット11は、キャリッジ1の走行方向と直交する向きに固定したポンプフレーム23のホームポジション側の面に取付けられている。ポンプユニット11の軸24には、排紙ローラ21の歯車22とアイドラ25を介して噛合う歯車26が回動可能に設けられている。歯車26は、その背面にバネ27に押圧されて摩擦回転するアーム28を備えたクリーナカム29が遊転自在に取り付けられていて、アーム28によりクリーナユニット10を移動させる。
【0012】
ポンプユニット11の軸24には、ラチェットホイール31、中間伝達ホイール32、及びポンプホイール33が中間伝達ホイール32を遊転自在とするように積層して装入されている。ラチェットホイール31は、中間伝達ホイール32と対向する面に突起31aを、また中間伝達ホイール32は、両面にそれぞれ突起32a、32bを、さらにポンプホイール33には中間伝達ホイール32と対向する面に突起33aが突設されている。
【0013】
これにより、ラチェットホイール31が回転して、その突起31aが中間伝達ホイール32の突起32aに当接するまでは中間伝達ホイール32には伝達されない。またラチェットホイール31の突起31aが中間伝達ホイール32の突起32aに当接しても、突起32bがポンプホイール33の突起33aに当接するまではポンプホイール33には動力が伝達されない。すなわち、紙送りモータ7の回転方向が切り替わると、ラチェットホイール31とポンプホイール33との間には最大約2回転分の回転伝達遅れが設けられている。
【0014】
ポンプホイール33は、周知のように、一端が中心方向に、他端が外周方向に向けて延びる2本の軸孔33b、33bが設けられていて、ポンプホイール33の回転方向に応じてこれらの軸孔33b、33bに軸支したローラ34、34を、外周方向に片寄らせるか、中心方向に片寄らせること、つまり紙送りモータ7を正転させるか、逆転させるかにより、チューブ35をポンプケーシング36との間で扱くポンプ作用と、チューブ35を加圧しないレリース作用とを切替えるように構成されている。
【0015】
クリーナユニット10は、クリーナホルダ37の上面に溝38を形成してここに先端が記録ヘッド5のノズルプレートに弾接できる程度の高さのクリーニングブレード39を装入して構成されている。クリーナホルダ37は、その側部に形成された案内突起40をポンプケーシング36の上部の、キャリッジ1の移動方向に直交する向きに延びる案内溝42に係合され、また先端の上下方向に延びる長孔43がクリーナカム29の腕28の突起28aに係合されている。さらに、クリーナホルダ37は、クリーニングブレード39と案内突起40との間にキャリッジ1の側面に設けられたキャリッジストッパ1aに係合する係止突起44が形成されている。
【0016】
これにより、クリーナカム29が回動すると、案内溝40を往復移動し、退避位置からクリーニング位置、つまり、図の右端位置からキャリッジ1の走行領域内に移動すると、クリーニングブレード39が記録ヘッド5に弾接してノズル面を払拭するとともに、後述するキャップ80の始動端方向への動きを抑えるように構成されている。
【0017】
図4、図5は、キャッピングユニット9の一実施例を示すものであって、キャップフレーム51は、一端に突出した2本の係止突部52、52を前述したポンプフレーム23の係止孔23b、23bに係合させることによって、その長手方向をキャリッジ1の走行方向に向けて取付けられている。
【0018】
キャップフレーム51には、その両側に、ホームポジションの始端部側から終端部側へ、つまり、図5の左方から右方へと延びる上向き傾斜部53aと水平部53bとからなるカム溝53、53が両側に設けられていて、ここにスライダ56の突起57が摺動自在に取付けられている。
【0019】
このスライダ56は、終端部側にキャリッジ1に当接する当接片56aを、また図6(イ)に示したように当接片56aからキャップ80の長手方向の長さ分Lcの距離Lsを隔てた位置にキャップ80を支持するホルダ受け部が形成されている。スライダ56は、両側に記録ヘッド5を案内するガイド片56b、56bを備え、終端部側を突起57によりキャップフレーム51のカム溝53により支持され、また、始端部側をバネ58により終端部側に回動付勢力を受けたリンクを構成するレバー59によって保持されている。
【0020】
突起57は、図6(イ)に示したように、キャップ80の封止面80aとほぼ同一高さ(ΔH≒0)となる位置に形成されており、これにより図6(ハ)に示したようにスライダ56がキャッピング位置に移動して記録ヘッド1を封止する際、突起57を中心として回動した場合におけるずれ量ΔL1を最小とすることができる。これに比較して高低何れか別の位置(57’)に形成した場合には、ずれ量ΔL2が大きくなり、確実な封止を得ることが困難となる。
【0021】
またスライダ56の下部を支持するレバー59は、図6(ロ)に示したようにそのアーム長、つまりリフト量ΔH1がカム溝53の傾斜部53aのリフト量ΔH2よりも大きくなるように設定されている。なお、傾斜部53aを水平に近づけることにより、キャピング時の負荷を小さくできる。これによりキャリッジモータ2を駆動する電流を小さく抑えてキャリッジ1への衝撃を緩和して、記録ヘッド5のメニスカス破壊によるドット抜け等のトラブルを防止して高い信頼性を確保することができる。また、キャッピング時の負荷が小さくなった分、レバー59の長さを短くできて回動量による水平方向への移動量を抑制でき、キャッピング装置全体のサイズを抑えることができる。
【0022】
スライダ56は、その下部に形成された長さLの係合孔60を介してレバー59の先端と係合して、係合孔60の長さ分L(図6(イ))の自由度をもった状態で結合されていて、非キャッピング状態を保持して始端部側、つまり、傾斜部53aの下端部側に引寄せられるように構成されている。
【0023】
これにより、非キャッピング状態の下では、クリーナユニット10の作動領域と重複する位置にまで最低位領域を移動して、キャップホルダ63の度当たり面63bをクリーナユニット10の先端面に対向する領域まで変位し、クリーナユニット10がキャリッジ1の移動領域内に突出するのを防止している。これにより、キャッピングユニット9を可能な限り、つまり大きな安全公差を要することなく、キャリッジ1の移動経路の記録用紙4側に寄せてキャッピングユニット9を配設することができ、その分だけ記録装置の幅方向寸法を縮めることが可能となる。
【0024】
このスライダ56は、その上面に、キャップ80の長手方向、及び短手方向の中心線を対称線とするように左右に、かつキャリッジ1の移動方向に分散してバネ受け座62、62が形成され、また始端部側の両側にキャップホルダ63の溝64、64’と係合する突起65、65’が形成され、さらに終端部側には中心線上にキャップホルダ63の突起66と係合する溝67が形成されている。
【0025】
キャップホルダ63は、その両側に突出するようにバネ受け部68、68が延出形成され、ここにキャリッジ1の移動方向に分散してバネ受け座69、69が形成され、始端部側の両側にスライダ56の突起65、65’と係合する溝64、64’が形成され、さらに終端部側には中心線上にスライダの溝67と係合する突起66が形成されている。
【0026】
そして溝64、64’の一方、例えば溝64’の底面が他方の溝64よりも若干高くなるように、または突起65、65’の一方、例えば65’が他方の突起65よりも溝64’に対向する面が突出するように形成されている。
【0027】
このような構成により、キャップホルダ63は、その溝64、64’をスライダ56の突起65、65’に、また突起66をスライダ56の溝67に係合され、各バネ受け部62、69に圧縮バネ70を装入されて、上方に付勢された状態でスライダ56に対して始端部側の一側を若干低い位置となる姿勢で3点で支持される。具体的には1mm以上、または記録ヘッド5のノズル面に対する傾きが2度以上となるように設定されている。
【0028】
また、キャップホルダ63が3点で支持されているため、これに収容されているキャップ80の封止面の位置決め高さをより正確に調整することができる。また、キャップ80を記録ヘッド5から離反させるとき、キャップ80より外側を支点として引き剥がし力を作用させてモーメントの増幅により、たとえキャップ80が記録ヘッド5にインクの固化等により貼り付いた場合にでも、容易に引き離すことができる。
【0029】
このようにキャップホルダ63がその封止領域の外側の両側で圧縮バネ70により記録ヘッド5側に弾圧されているため、図8(イ)に示したように両側の圧縮バネ70による圧縮力をPA、Pb、バネ70からキャップ80の封止点までの距離をLa、Lb、封止点間の距離、つまりキャップ80の幅Wとすると、各封止点の反力Ra、Rbは、それぞれ
Ra={Pa(W+La)−Pb・Lb}/W
Rb={Pb(W+Lb)−Pa・La}/W
となる。
そして記録ヘッド5との密着性を一定にするには、各封止点での反力Ra、Rbを同一とする必要があるので、
{Pa(W+La)−Pb・Lb}={Pb(W+Lb)−Pa・La}
Pa(W+2La)=Pb(W+2Lb)
なる条件、つまり
Pa=Pb
La=Lb
を満足する必要がある。
つまり、両側の圧縮バネ70に同一荷重を使用し、これらのバネ70をキャップ80に対して対称となる位置に配置すればよい。
【0030】
一方、キャップホルダ63は、溝64、64’の一つの高さ、または突起65、65’の一つの厚みを変えて始端部側の一側を若干低い位置となる姿勢を取るため、キャップ80が記録ヘッド5に密着を開始した時点では、荷重にアンバランスが生じる。
すなわち、図8(ロ)に示したように支持点A、Dの反力Ra、Rdは、それぞれ
Ra={Pa(W’+La)−Pb・Lb’}/W’
Rd={Pb(W’+Lb’)−Pa・La}/W’
となる。
そして前述のようにそれぞれの荷重Pa、Pbが同一値に設定されているから、
Ra=Pa+{Pa(La−Lb’)}/W’
Rd=Pa+{Pa(Lb’−La)}/W’
また、La>Lb’であるから、当然に{Pa(La−Lb’)}/W’>0となり、したがって
Ra=Pa+{Pa(La−Lb’)}/W’ >Pa
となる。
【0031】
すなわち、キャップ80が記録ヘッド5に密着を開始した時点では、バネ70自体による荷重Paよりも{Pa(La−Lb’)}/W’だけ大きな荷重が当接点に作用することになり、調芯性と密着性が高くなる。
なお、密着初期時の増分荷重{Pa(La−Lb’)}/W’を大きくするには、W’及びLbを小さく、またLaを大きくすれば良いが、W’はキャップ80のサイズにおり決まるので、Laを大きく、またLb’を小さくするのが現実的な方法となる。
【0032】
図8(ハ)は、本発明のキャップと、キャップの封止領域の内側の中心線に位置する2つのバネでキャップを保持した従来のキャップとの、キャップと記録ヘッドの距離と、キャップが記録ヘッドに作用する荷重との関係を示すものであって、実線(A)で示す本発明のものでは、接触初期に十分な荷重を与えることができるのに対して、従来のものでは点線(B)で示す様に全面に密着する直前に初めて密着荷重が作用することになる。
【0033】
キャップホルダ63は、底面63aの中心線上に2本の突起71が植設され、またさらに始端部側には2本の筒状体72、73が中心線に対称となるように形成され、筒状体73は垂直に外部に延長されてポンプユニット11のチューブ35に、また筒状体72は外部に延長されて底面に並行でかつ終端部側に曲げられてチューブ74を介して後述する弁座75に接続されている。
【0034】
このようにチューブ35、74をキャップ80の中心線にできる限り近くに取り付け、かつキャップに対して垂直、及び移動方向に並行に配置しているため、キャップ80に作用する曲げモーメントを可能な限り低減することが可能となる。
【0035】
弁座75は、スライダ56の終端部に固定され、弁座75には弁77が固定されている。作動杆79は、キャップフレーム51に設けられた当接片76と当接してキャリッジ移動方向にスライド可能で、かつバネ78に付勢された状態で常時弁77が閉止位置を保持するように弁77に対向する位置のスライダ56に取り付けられている。
【0036】
キャップホルダ63は、内部に耐インク性を備えたゴム等の弾性部材で形成されたキャップ80を、キャップ80に形成された凹部81、82と、突起71と爪83により保持している。
【0037】
キャップ80は、底面に筒状体72、73と連通する凹部84、85が形成されており、耐インク性を有する多孔質材からなる2枚のインク吸収シート86、87を、爪88で保持している。
【0038】
図9はカットシートフィーダ12の一実施例を、その給紙機構でもって示すもので、ホッパ90、分離パッド94、及び給紙ローラ100により構成されている。
ホッパ90は、下部の背面をフレーム91との間に介装されたバネ92により給紙ローラ側に付勢され、また給紙ローラ100に対向する下方の面にはバネ93により給紙ローラ100の法線方向に付勢された分離パッド94が設けられている。分離パッド94は、給紙ローラ駆動軸16に設けられた図示しないカムにより給紙ローラ100の1回転中に給紙動作に合わせて上下動するように構成されている。
【0039】
給紙ローラ100は、円弧部100aと直線部100bとを有し、かつ記録用紙との間で高い摩擦力を生じるように断面D字型のローラとして形成され、ブッシュ101を介して給紙ローラ駆動軸16に取り付けられ、歯車17を介して紙送りモータ7により給紙動作時に1回転するように構成されている。
【0040】
ブッシュ101は、中心軸を挟んで給紙ローラ100の直線部100bと対向する領域を除くようにしてカム面102が形成され、カム面102でアイドルローラ103を移動させるように構成されている。
【0041】
アイドルローラ103は、フレーム91上の長孔104内を移動可能な軸105に回動自在に保持され、かつ分離パッド94に垂直に移動可能に取り付けられている。
【0042】
このような構成により、給紙ローラ100が反時計方向に所定角度逆転すると、図示ないカム機構により分雛パッド94が給紙ホッパ100から離れ、また図示しない用紙戻しレバーにより記録用紙がホッパ90に押し戻される。記録用紙がホッパ90に戻されるのとほぼ同時に、分離パッド94が給紙ホッパ100に押し付けられる。
【0043】
ついで、給紙ローラ100が時計方向への回転すると、バネ92よりホツパ90が瞬間的に押し上げられ、用紙Pも押し上げられて表面の用紙に給紙ローラ100の円弧部100aが押し付けられる。
給紙ローラ100が回転を継続すると、この用紙が分離パッド94に向けて送られる。このようにして円弧部100aの回転により記録用紙を分離パッド94との間に送り込み、分離パッド94により複数枚の記録用紙から1枚を分離し、さらに搬送ローラ8に送り込む。この時点では給紙ローラ100の円弧部100aが分離パッド94を通過し、直線部100bが対向しているので、カム面102に係合しているアイドルローラ103が記録用紙を分離パッド94に押し付け、分離されていない複数枚の記録用紙が余分に搬送ローラ8に送り込まれるのを防止する。
【0044】
そして給紙ローラ100がさらに1回転すると、元の状態にリセットされて次の給紙に備える。
【0045】
つぎに、このように構成された装置の動作を、図20乃至図22に示したフローチャートに基づいて説明する。
休止中においては、図10に示したようにクリーナユニット10の係止突起44がキャリッジストッパ1aに係合してキャリッジ1がロックされているから、紙送りモータ7を正転させて図11に示したようクリーナユニット10を記録ヘッド5から退避させ、キャリッジロックを解除する(図20 ステップ(イ))。
【0046】
これによりキャリッジ1が移動可能になるから、キャリッジ1を始端部方向に若干移動させて図12に示したように記録ヘッド5とキャップ80とに間隙ΔGを形成し(図20 ステップ(ロ))、この状態で記録ヘッド5にフラッシング信号を供給してノズルからインク滴をキャップ80に吐出させる(図20 ステップ(ハ))。この状態では、キャップ80の面が記録ヘッド5のノズル面に対して角度θで傾斜しているため、インク吸収シート86から跳ね返ったインク飛沫がノズル面に付着するのを可及的に防止できる。なお、キャリッジの紙端部方向への若干の移動は、レバー59の係合孔60の長さL分で行われるため、レバー59が不作状態を維持するから、たとえキャリッジ1がスライダ56に当接しても、キャリッジ1への衝撃を可及的に緩和でき、記録ヘッド5のメニスカスの損傷を防止して高い信頼性での印刷を確保することができる。
【0047】
ついで、キャリッジ1をホームポジションと対向する端部に移動させてクラッチ機構18により歯車13と給紙ローラ駆動軸16の歯車17とを係合させ(図20 ステップ(ニ))、紙送りモータ7を若干逆転させてオートシートフィーダ12で紙戻し動作を行わせる(図20 ステップ(ホ))。ラチェットホイール31は、その突起31aを隣接する中間伝達ホイール32により伝達遅れが生じるから、ポンプホイール33への駆動力伝達が断たれており、紙送りモータ7に無用な負荷を与えることなく、カットシートフィーダ12での紙戻し動作が実行される。
【0048】
ついで、紙送りモータ7を正転させると、給紙ローラ100が正転して記録用紙を搬送ローラ8の食い付き領域に搬送する(図20 ステップ(ヘ))。ついでキャリッジ1をホームポジション側に移動させてクラッチ機構18による歯車13と給紙ローラ駆動軸16の歯車17とを係合を解き(図20 ステップ(ト))、紙送りモータ7を逆転させて搬送ローラ8から記録用紙を吐き出させて用紙のスキューを解消する(図20 ステップ(チ))。
【0049】
キャリッジ1をクラッチ機構18が係合可能に位置まで移動させて、歯車13と給紙ローラ駆動軸16の歯車17とを係合させ(図20 ステップ(リ))、紙送りモータ7を正転させて記録用紙を搬送ローラ8により搬送し、カットシートフィーダ12をリセットする(図20 ステップ(ヌ))。ついでキャリッジ1をホームポジション側に移動させてクラッチ機構18による歯車13と給紙ローラ駆動軸16の歯車17とを係合を解き(図20 ステップ(ル))、紙送りモータ7を逆転させてせて搬送ローラ8により用紙の先端を所定の位置に位置決めし(図20 ステップ(ヲ))、さらに紙送りモータ7を正転させて用紙の位置決めとバックラッシュ取りを実行してから(図20 ステップ(ワ))、印字動作に入る(図20 ステップ(カ))。
【0050】
これら紙送りモータ7の正転、逆転は、その回動量が少なく、また正転、逆転を交互に繰り返すため、中間伝達ホイール32の伝達遅れ作用によりポンプユニット11は不作動状態を維持することになり、紙送りモータ7には用紙を搬送するに必要な負荷だけが作用する。
【0051】
このようにして用紙がセットされて印刷が開始されると、記録ヘッド5が1行の印刷が終了する度に、紙送りモータ7は正転して1行分の紙送りを実行する。紙送りモータ7のこの引き続く正転により中間伝達ホイール32による伝達遅れは機能しないものの、ポンプユニット11は、そのローラ34が中心方向に引寄られて回転するから、ポンプとして機能せず、したがって紙送りモータ7に無用な負荷を与えることはない。
【0052】
紙送りモータ7が正方向に回転し、またキャリッジ1が印字領域内を往復動して記録ヘッド5が印刷を行っている状態の下では、図13に示したようにクリーナユニット10は、リセット位置、つまり記録ヘッド5の走行領域外の退避位置にあり、また、キャッピングユニット9のスライダ56は、バネ58の付勢力を受けたレバー59により下方に位置させられているから、記録ヘッド5がキャップ80の上方に移動して来た場合にでも、両者は接触することがない。
【0053】
さらに復帰バネ61の付勢力により、レバー59の係合孔60の長さLに相当する量だけ印刷領域側に移動していて、キャップホルダ63の度当たり面63bがクリーナユニット10に対向している。これにより、紙送りモータ7がたとえ逆転、つまりクリーナユニット10を記録ヘッド5の走行領域に押し出す方向に回転しても、キャップホルダ63はクリーナユニット10が記録ヘッド5の走行領域内へ突入するのを阻止するから、記録動作に支障を及ぼす事態を未然に防止する。
【0054】
記録動作が終了すると、キャリッジモータ2によりキャリッジ1をホームポジションに移動させる。この移動の過程で図14に示したようにキャリッジ1がスライダ56の当接片56aに当接し、スライダ56を復帰バネ61に抗して、またレバー59をバネ58に抗して回動させながら終端部に向けて移動する。
【0055】
この移動過程でレバー59がキャリッジ1の移動とともに起き上がり、またスライダ56の突起57がカム溝53の斜面部53aを移動する。キャリッジ1に押されたスライダ56はさらにその突起57がカム溝53の水平部53bに移動させられると、その過程でキャップホルダ63は、始端部側の一側を若干低い位置となる姿勢となるようにスライダ56に取り付けられている関係上、まずキャップ80はその終端部側の一点を全圧縮バネ70の圧縮力により記録ヘッド5のノズル面に当接する。そして図15に示したようにスライダ56が終端部に移動した段階では、キャップ80の全周が全圧縮バネ70の圧縮力を受けて記録ヘッド5のノズル面に当接して確実に封止する。
【0056】
この当接初期から全面封止に至る過程において、突起57は、キャップ80の封止面80aとほぼ同一高さ(ΔH≒0)に位置しているから、図6(ハ)に示したようにスライダ56がキャッピング位置に移動する際、突起57を中心として回動した場合におけるずれ量ΔL1が極めて小さく確実に記録ヘッド5のノズル面に当接して確実に封止する。
【0057】
この封止状態ではキャップホルダ63の度当たり面63bがクリーナユニット10の進路から待避しているから、紙送りモータ7を逆転させると、歯車26とともに図中反時計方向に回動したクリーナカム29は、その腕28によりクリーナユニット10を記録ヘッド5の走行領域へ突出させる。クリーニング動作が可能な位置の手前まで逆方向に回転させると、図10に示したようにクリーナユニット10の係止突起44がキャリッジストッパ1aに係合してキャリッジ1をロックし、キャリッジ1の無用な移動を阻止する。
【0058】
長時間の印刷等により記録ヘッド1に目詰まりが生じた場合にはクリーニングが必要となる。
図10により示す封止状態から紙送りモータ7を正転させて記録用紙を排紙するとともに、図15に示したようクリーナユニット10を記録ヘッド5から退避させて、キャリッジロックを解除する(図21 ステップ(イ))。これによりキャリッジ1の移動が可能になるから、図15に示したキャッピング状態から図16に示した位置までキャリッジ1をさらに終端側に移動させると、スライダ56に設けた作動杆79は、キャップフレーム51の当接片76と当接して弁座75の弁77を大気に開放する(図21 ステップ(ロ))。
【0059】
この状態で紙送りモータ7を逆転させると、クリーナユニット10が記録ヘッド5の走行経路上に突出して、図17に示したようにクリーナユニット10がクリーニング可能な位置にセットされる(図21 ステップ(ハ))。もとより、紙送りモータ7は、正転後における逆転であるから、中間伝達ホイール32により紙送りモータ7の逆転はポンプホイール33に伝達されず、ポンプユニット11は不作動状態を維持する。
【0060】
ついで、キャリッジ1を始端部側に移動させると、図18に示したようにクリーニングブレード39が記録ヘッド5のノズル面に当接するから、キャリッジ1をワイピング終了位置まで移動させることによりノズル面に付着しているインクが払拭される(図21 ステップ(ニ))。このとき、クリーニングブレード39がキャップホルダ63に接触しているから、ワイピングによりクリーニングブレード39に付着したインクがキャップホルダ63、またはキャップ80に移動することになり、したがってクリーニングブレード39のインク残量を可及的に少なく維持できて、ワイピング動作の信頼性を確保することができる。
【0061】
クリーニングが終了した段階で、逆転と同じ量だけ紙送りモータ7を正転させ、図19に示したようにクリーナユニット10を再び退避位置へ戻すとともに(図21 ステップ(ホ))、キャリッジ1を空吸引ポジションへ移動してスライダ56を終端部へ移動変位させ、記録ヘッド5を図16に示した空吸引可能の状態にセットする(図21 ステップ(ヘ))。
【0062】
紙送りモータ7を中間伝達ホイール32による伝達遅れ分だけ回転させ(図21 ステップ(ト))、またキャリッジ1を始端部側に若干移動させて記録ヘッド1を図15に示した封止状態にセットする(図21 ステップ(チ))。これにより、スライダ56が終端部から離間するから、スライダ56上の作動杆79はキャップフレーム51の当接片76から離間してバネ78の付勢力により弁77により閉塞される。
【0063】
この状態で紙送りモータ7を逆転させると、ポンプユニット9に動力が伝達され、吸引力がキャップ80に作用し、記録ヘッド5からインクが強い圧力で吸引されて強制的に排出され、ノズルの詰りを解消し、記録ヘッド5を正常な状態に回復させる(図21 ステップ(リ))。
【0064】
キャリッジ1を若干終端部へ移動変位させて記録ヘッド5を図16に示した空吸引の位置にセットし(図21 ステップ(ヌ))、紙送りモータ7を低速で逆転させて、記録ヘッド5に無用な吸引力を作用させることなく、キャップ80内に残留しているインクだけを吸引して図示しない廃インクタンクに排出する(図21 ステップ(ル))。
【0065】
空吸引が終了した段階では、クリーナユニット10が図17に示した位置にセットされているので、紙送りモータ7を正転させてクリーナユニット10を待避させ(図21 ステップ(ヲ))、キャリッジ1をワイピング終了位置まで移動させてる(図21 ステップ(ワ))。
【0066】
クリーニング動作が終了した段階で、紙送りモータ7を逆転させて前回の正転により生じた中間伝達ホイール32による伝達遅れ分を解消し(図21 ステップ(カ))、ポンプユニット11を作動させてキャップ80に残留しているインクを記録ヘッド5に吸引力を作用させることなく強い吸引力で吸引する(図21ステップ(ヨ))。
【0067】
ついで、紙送りモータ7を正転させてせてクリーナユニット10を図16に示したように記録ヘッド5の走行路から退避させる(図21 ステップ(タ))。そして、キャリッジ1を再び終端部方向に移動させ、図16に示したようにキャップ80により記録ヘッド5を空吸引状態で封止する(図21 ステップ(レ))。もとより、クリーナユニット10が記録ヘッド5の走行路から待避しているから、クリーニングブレード39が記録ヘッド5のノズル面に接触することはない。
【0068】
紙送りモータ7を逆転させて中間伝達ホイール32による伝達遅れ分を解消し(図21 ステップ(ソ))、またキャリッジ1を始端部側に若干移動させて記録ヘッド1を図15に示した封止状態にセットする(図21 ステップ(ツ))。これにより、スライダ56が終端部から離間して弁77が作動杆79により閉塞される。
【0069】
この状態で紙送りモータ7を低速で逆転させると、ポンプユニット9に動力が伝達され、弱い吸引力がキャップ80に作用し、記録ヘッド5からインクが弱い吸引力で強制的に排出され、ノズルのメニスカスを回復させる(図22 ステップ(イ))。
【0070】
吸引終了後、キャリッジ1を若干終端部へ移動させて記録ヘッド5を図16に示した空吸引の状態にセットし(図22 ステップ(ロ))、紙送りモータ7を低速逆転させ、記録ヘッド5からインクの吐出を招かない程度の吸引力を作用させてキャップ80内に残留しているインクだけを吸引して図示しない廃インクタンクに排出する(図22 ステップ(ハ))。
【0071】
空吸引が終了した段階で、前述のステップ(ハ)の逆転によりクリーナユニット10が既に図17に示したようにセットされるから、キャリッジ1を図18に示したようにワイピング終了位置まで移動させると、ワイピングが行われる(図22 ステップ(ニ))。
【0072】
クリーニング動作が終了した段階で、紙送りモータ7を逆転させると、前回に引き続く逆転であるため、中間伝達ホイール32による伝達遅れを生じることなく、ポンプユニット11が作動し、キャップ80は記録ヘッド5に封止されることなく残留しているインクが強い負圧で吸引される(図22 ステップ(ホ))。
【0073】
紙送りモータ7を中間伝達ホイール32による伝達遅れ分以内の正転をさせてクリーナユニット10を図19に示したように記録ヘッド5の走行路から待避させる(図22 ステップ(ヘ))。そして、キャリッジ1を再び終端部方向に移動させ、図16に示したようにキャップ80により記録ヘッド5を空吸引状態で封止する(図22 ステップ(ト))。もとより、クリーナユニット10が記録ヘッド5の走行路から待避しているから、クリーニングブレード39が記録ヘッド5のノズル面に接触することはない。
【0074】
紙送りモータ7を逆転させて前の正転による中間伝達ホイール32による伝達遅れ分を解消し(図22 ステップ(チ))、またキャリッジ1を始端部側に若干移動させて記録ヘッド1を図15に示した封止状態にセットして弁座77を閉塞する(図22 ステップ(リ))。
【0075】
この状態で紙送りモータ7を低速で逆転させると、ポンプユニット9に動力が伝達され、弱い吸引力がキャップ80に作用し、記録ヘッド5からインクが弱い吸引力で強制的に排出され、ノズルのメニスカスの回復が図られる(図22 ステップ(ヌ))。
【0076】
吸引終了後、キャリッジ1を若干終端部へ移動変位させて記録ヘッド5を図16に示した空吸引の状態にセットし(図22 ステップ(ル))、紙送りモータ7を低速で逆転させてキャップ80内に残留しているインクだけを記録ヘッド5からのインクの吐出を招かない程度の吸引力で吸引する(図22 ステップ(ヲ))。
【0077】
空吸引が終了した段階では、前述のステップ(ヲ)による紙送りモータ7の逆転によりクリーナが図17に示したように既にセットされるから、キャリッジ1を図18に示すワイピング終了位置まで移動させることにより、記録ヘッド5のワイピングが行われる(図22 ステップ(ワ))。
【0078】
クリーニング動作が終了した段階で、紙送りモータ7を逆転させると、前回に引き続く逆転であるから中間伝達ホイール32による伝達遅れを生じることなく、ポンプユニット11が作動して記録ヘッド5から開放された状態でキャップ80に残留しているインクを強い吸引力で吸引し、キャップ80内のインクを確実に廃インクタンクに排出する(図22 ステップ(カ))。
【0079】
紙送りモータ7を、中間伝達ホイール32の突起32bがポンプホイール33の突起33aに当接し、若干ポンプホイール33を回動させるまで正方向に回転させると、クリーナユニット11がリセットされ、またポンプユニット11のローラ34が中心方向に移動してチューブ35から離れ、ポンプユニット11がレリース状態にセットされる(図22 ステップ(ヨ))。
【0080】
全てのクリーニング工程が終了した段階で、キャリッジ1をホームポジションに移動させて図15に示す状態となすことにより、キャップ80の全周が全圧縮バネ70の圧縮力を受けて記録ヘッド5のノズル面に当接して確実に封止し(図22 ステップ(タ))、フラッシング動作を保留して(図22 ステップ(レ))、紙送りモータ7を逆転させて、図10に示したようにクリーナユニット10の係止突起44をキャリッジストッパ1aに係合させてキャリッジ1をロックし、キャリッジ1の無用な移動を阻止する(図22 ステップ(ソ))。
【0081】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、給排紙手段の排紙動作とインクの吸引動作を駆動手段の逆回転方向のもとで行わせて、記録書込み操作中でのインクの吸引動作を確実に不能としつつ、しかもインク吸引手段への駆動力の伝達遅れの間を利用して、インクの吸引に伴う負荷変動の影響を受けることなく給排紙動作を精度よく行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録装置に一実施例を示す図である。
【図2】同上記録装置の駆動動力伝達系を示す図である。
【図3】同上装置におけるポンプユニットの分解斜視図である。
【図4】図(イ)、(ロ)は、同上装置に使用するキャッピングユニットの一実施例を、両側から見た状態で示す斜視図である。
【図5】同上装置に使用するキャッピングユニットの一実施例を示す分解斜視図である。
【図6】図(イ)乃至(ハ)は、それぞれスライダとキャップフレームの各サイズを説明する図、及びキャピング時のずれ量を説明する図である。
【図7】図(イ)乃至(ハ)は、それぞれキャップホルダの一実施例を、キャップを装入した状態で示す上面図、キャップを取り外した状態で示す断面図、及びキャップの一実施例を示す断面図である。
【図8】図(イ)キャップに作用する荷重を示す説明図であり、図(ロ)は記録ヘッドへの当接初期における荷重を示す説明図であり、図(ハ)は本発明のキャップと、キャップの封止領域の内側の中心線に位置する2つのバネでキャップを保持したものとの、キャップと記録ヘッドの距離とキャップが記録ヘッドに作用する荷重との関係を示す線図である。
【図9】カットシートフィーダの給紙機構の一実施例を示す断面図である。
【図10】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、クリーナユニットでキャリッジをロックした状態を平面と側面から示す図である。
【図11】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、キャリッジのロックを解除した状態を平面と側面から示す図である。
【図12】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、フラッシング状態を平面と側面から示す図である。
【図13】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、クリーナユニットをロックした状態を平面と側面から示す図である。
【図14】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、キャリッジによりスライダを上昇させる過程を平面と側面から示す図である。
【図15】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、記録ヘッドの封止状態を平面と側面から示す図である。
【図16】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、空吸引状態を平面と側面から示す図である。
【図17】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、クリーナユニットをクリーニング可能状態にセットした状態を平面と側面から示す図である。
【図18】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、クリーニング状態を平面と側面から示す図である。
【図19】図(a)、(b)は、それぞれクリーナユニット、及びキャッピングユニットの動作の内、クリーニング後にクリーナユニットをリセットした状態を平面と側面から示す図である。
【図20】同上装置の印刷動作を示すフローチャートである。
【図21】同上装置のクリーニング動作の内、前半の工程を示すフローチャートである。
【図22】同上装置のクリーニング動作の内、後半の工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジモータ
5 記録ヘッド
6 インクカートリッジ
7 紙送りモータ
8 搬送ローラ
9 キャッピングユニット
10 クリーナユニット
11 ポンプユニット
12 カットシートフィーダ
13、17、22、26 歯車
14 ピニオン
16 給紙ローラ駆動軸
18 クラッチ機構
21 排紙ローラ
28 アーム
29 クリーナカム
31 ラチェットホイール
32 中間伝達ホイール
33 ポンプホイール
34 ローラ
35 チューブ
36 ポンプケーシング
37 クリーナホルダ
38、64、64’、67 溝
39 クリーニングブレード
40 案内突起
42 案内溝
43 長孔
44 係止突起
51 キャップフレーム
53 カム溝
53a 傾斜部
53b 水平部
56 スライダ
56a 当接片
59 レバー
60 係合孔
63 キャップホルダ
68 バネ受け部
70 バネ
74 チューブ
75 弁座
77 弁
80 キャップ
86、87 インク吸収シート
90 ホッパ
91 フレーム
94 分離パッド
100 給紙ローラ

Claims (5)

  1. 回転方向を正逆切換え可能な単一の駆動手段の一方の方向への回転により記録用紙の排紙動作を、また他方の方向への回転によりインク吸引動作を選択的に実行させるとともに、記録用紙の給排紙手段とインクの吸引手段とを、給紙動作の開始から印字の終了までの給排紙工程中に実行される前記駆動手段の逆転動作に対しても前記インク吸引動作を不作動状態に維持することができる時間遅れを生じさせて結合する手段により結合させてなるインクジェット式記録装置。
  2. 回転方向切換え時に時間遅れを生じさせて結合する上記手段として、回転駆動体と回転被駆動体との間に遊転自在に配設され、かつ、該回転駆動体と該回転被駆動体に設けた各突部と当接する突部を表裏両面に設けた中間伝達回転体である請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. クリーニング動作を、前記駆動手段の上記インクの吸引動作の下で実行させるよう、前記駆動手段にクリーニング手段を結合させてなる請求項1記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記インクの吸引手段は、前記給排紙手段とは異なる伝達機構により前記駆動手段に直接接続されている請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記クリーニング手段は、前記給排紙手段とは異なる伝達機構により前記駆動手段に直接接続されている請求項3に記載のインクジェット式記録装置。
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