JP4006914B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復移動可能なキャリッジ上に装填され、印刷デ−タに対応してインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを備えた記録装置に関し、特にワイピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面より掻き取られたインクによって、記録装置の構成部材を汚染させる度合いを低減させたインクの誘導手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、印刷データに基づいて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させることで記録が行われる。
【0003】
そしてキャリッジ上に例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクの吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】
前記したインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0005】
このために、この種のインクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するワイピング手段を備えている。また、前記キャッピング手段は、記録ヘッドにおけるノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャッピング手段によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引してノズル開口の目詰まりを解消するインクの吐出能力回復機能をも備えている。
【0006】
記録ヘッドの目詰まり解消のために行う強制的なインクの吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印刷不良を認識して例えばクリーニング指令スイッチをオン操作した場合などに実行され、吸引ポンプによる負圧を加えて記録ヘッドよりキャッピング手段内にインクを排出させた後に、例えばゴムなどの弾性素材で構成されたワイピング部材により、ノズル形成面を払拭する操作が伴われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したクリーニング操作を実行するための、特にキャッピング手段においては、クリーニングシーケンスの合理化、ならびに構成部品の省略化を図るために、キャッピング手段の内部空間を大気に開放するための大気開放バルブを除去した構成のものが提案されている。
【0008】
このような大気開放バルブを除去した構成においては、記録ヘッドから負圧によりインクを吸引排出させた後に、キャッピング状態において大気開放バルブを開弁して、キャッピング手段からインクを排出させるステップを踏むことは不可能となる。
【0009】
そこで、前記大気開放バルブを除去した構成においては、記録ヘッドからインクの吸引排出操作を実行した後に、キャッピング手段の内部空間にインクを溜めた状態で記録ヘッドからキャッピング手段の封止が解かれる動作がなされる。
【0010】
したがって、記録ヘッドのノズル形成面には従来にも増して多量のインクが付着したまま、ワイピング部材による記録ヘッドの払拭動作が実行されることになる。よって、ワイピング部材によるインクの掻き取り量が増大し、常に多量のインクがワイピング部材ならびにこれを支持するクリーナレバーに付着する。そして、このインクはクリーナレバーの側壁を重力方向に流れ、クリーナレバーの下底部において、その表面張力により一時的に垂れ下がった状態となる。
【0011】
一方、前記ワイピング手段を構成するクリ−ナレバーは、ワイピング部材を記録ヘッドの移動軌跡に対して進退させて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭するように構成されている。したがって、ワイピング部材が記録ヘッドの移動軌跡に対して進行するセット動作時、およびワイピング部材が記録ヘッドの移動軌跡から退避するリセット動作時において、クリ−ナレバーが比較的高速度で移動されることになる。
【0012】
これにより、ワイピング部材を支持するクリーナレバーが移動端部において高速度で突き当たり、その衝撃によりクリーナレバーの下底部において、その表面張力により一時的に垂れ下がった状態のインクが装置の内部に飛散するという問題が発生する。
【0013】
記録装置の一つの構成例においては、ワイピング部材のセット状態において記録装置内に配置された回路基板(プリント基板)に向かってインクが飛散し、これを汚染させるために電気的な障害を発生させ得るという問題を抱えている。また、ワイピング部材のリセット状態においては、吸引ポンプとしてのチューブポンプ側にインクが飛散し、吸引ポンプを構成するチューブがローラのしごき作用を受けて駆動軸方向に逸脱するなどして、ポンプ機能を低下させ得るという問題を抱えている。
【0014】
本発明は、前記したような問題点に着目してなされたものであり、ワイピング部材によって掻き取られたインクの飛散を効果的に抑制し、長期にわたって信頼性を保障し得るインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、往復移動可能なキャリッジ上に装填され、印刷デ−タに対応してインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止すると共に、吸引ポンプからの負圧を受けて前記記録ヘッドからインクを吸引排出させるキャップ部材と、前記記録ヘッドの移動軌跡に位置して記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング手段とを具備したインクジェット式記録装置であって、前記ワイピング手段には、弾性素材により構成され記録ヘッドのノズル形成面に摺接するワイピング部材と、前記ワイピング部材を保持するクリ−ナレバーが具備され、前記クリ−ナレバーにはワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面より掻き取ったインクを誘導するインク案内溝と、前記インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させる突起部材が形成され、前記突起部材の直下に配置された構成部材の下側面には、前記突起部材を介して滴下されたインクをさらに収集させて滴下させる第2突起部材が重力方向に向かって形成され、前記構成部材が、前記キャップ部材を上下方向に移動可能に支持するフレーム部材である。
【0016】
この場合、前記クリーナレバーに形成された突起部材、および前記構成部材に形成された第2突起部材の直下に、インクを貯留することができる廃液タンクが配置される。そして、前記ワイピング手段を構成するクリ−ナレバーは、ワイピング部材を記録ヘッドの移動軌跡に対して進退させて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭するように構成されるのが好ましい。
【0017】
さらに、好ましくは前記クリ−ナレバーに形成されたインク案内溝の重力方向の終端部に、前記インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させる突起部材が重力方向に向かって形成される。この場合、前記突起部材は重力方向に向かって先細状態となるつらら形状になされていることが好ましい。
【0018】
そして、前記突起部材の直下に配置された構成部材の下側面には、前記突起部材を介して滴下されたインクをさらに収集させて滴下させる第2突起部材が重力方向に向かって形成される。また、この第2突起部材は前記構成部材の下側面に複数個形成されていることが望ましい。
【0019】
さらに、前記第2突起部材においても、重力方向に向かって先細状態となるつらら形状になされていることが好ましい。さらに好ましくは、第2突起部材は重力方向に向かって先細状態となるつらら状部材と、前記つらら状部材の長手方向に沿って凸状のリブ部材が一体に形成され、前記つらら状部材とリブ部材との間に形成される内角部に沿ってインクを重力方向に誘導するように構成される。
【0020】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、往復移動可能なキャリッジ上に装填され、印刷デ−タに対応してインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動軌跡に位置して記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング手段とを具備したインクジェット式記録装置であって、前記ワイピング手段には、弾性素材により構成され記録ヘッドのノズル形成面に摺接するワイピング部材と、前記ワイピング部材を保持するクリ−ナレバーが具備され、前記クリ−ナレバーには前記ワイピング部材により重力方向と垂直な前記ノズル形成面より掻き取ったインクを誘導するインク案内溝が形成され、前記インク案内溝は、短冊状に形成された前記ワイピング部材の重力方向と垂直な方向の幅を包含する長さをもって、重力方向に傾斜した状態に形成されている。
【0021】
好ましくは前記クリ−ナレバーに形成されたインク案内溝の重力方向の終端部に、前記インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させる突起部材が重力方向に向かって形成される。この場合、前記突起部材は重力方向に向かって先細状態となるつらら形状になされている。
【0022】
さらに、前記ワイピング手段を構成するクリ−ナレバーは、ワイピング部材を記録ヘッドの移動軌跡に対して進退させて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭するように構成される。
【0023】
この場合、好ましくは前記ワイピング手段には、駆動源からの駆動力を伝達する摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチにより伝達された駆動力を前記クリ−ナレバーの往復運動に変換する駆動アームが具備され、前記駆動アームの作動によりワイピング部材を記録ヘッドの移動軌跡に対して進退させるように構成される。
【0024】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置によると、ワイピング部材によって記録ヘッドから掻き取られたインクは、ワイピング部材を支持するクリーナレバーに形成されたインク案内溝内に収集される。この場合、インク案内溝が、キャッピング手段の配置側に面したクリ−ナレバーの側壁に形成され、またインク案内溝が、短冊状に形成されたワイピング部材の横幅を包含する長さをもって形成されることにより、ワイピング動作によって掻き取られたインクのほとんどを効率よくインク案内溝内に収集することができる。
【0025】
そして、インク案内溝の重力方向の終端部に、インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させる例えばつらら状の突起部材を重力方向に向けて形成させることによって、インクが突起部材以外の部分に回り込むなどの現象を阻止させることができ、インク案内溝によって誘導された大部分のインクを、つらら状の突起部材を介して滴下させることができる。
【0026】
さらに、クリーナレバーに形成されたつらら状突起部材の直下に配置された、例えばキャッピング手段を構成するフレーム部材における下側面に、さらに複数個のつらら状の第2突起部材を重力方向に向けて形成させることによって、インクがフレーム部材における第2突起部材以外の部分に回り込むなどの現象を阻止させることができ、フレーム部材に滴下されたインクの大部分を第2突起部材を介して、その直下に配置された廃液タンク内に滴下させることができる。
【0027】
以上の作用によって、ワイピング手段によって記録ヘッドから掻き取られたインクが、ワイピング手段の進退動作によって飛散される度合いを大幅に低減させることができる。これにより記録装置内に配置された例えば回路基板をインクにより汚染させることで、電気的な障害を発生させるという問題を解決することができ、さらに、チューブポンプ等をインクにより汚染して障害を与えるなどの問題も解決することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。まず図1乃至図3は、本発明が適用されたインクジェット式記録装置における主にキャッピング手段の構成を示したものである。なお、図1は装置の上面から視た状態を示し、また図2および図3は側面から視た状態で示しており、それぞれ非キャッピング状態およびキャッピング状態を示している。
【0029】
図2および図3に示した符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はガイドロッド2に案内されて用紙ガイド板3に対向して平行に移動できるように構成されている。そしてキャリッジ1は、後述するキャリッジモ−タにより往復動されるタイミングベルトの一部に結合されて、前記ガイドロッド2に沿って往復移動されるように構成されている。
【0030】
前記キャリッジ1には、記録ヘッド5が用紙ガイド板3の上面に装着された記録用紙4に対向するように搭載されており、記録ヘッド5に対してインクが導入され、印刷デ−タに対応して用紙ガイド板3上の記録用紙4にインク滴を吐出して印刷することができるように構成されている。
【0031】
前記記録ヘッド5のノズル形成面を封止することができるキャッピング手段6は、記録装置の端部における非印刷領域(ホームポジション)に配置されている。そして、記録ヘッド5のノズル形成面に密封空間をもって封止できるサイズに形成された例えばエラストマーなどの弾性素材によるキャップ部材7を備え、非印刷時に記録ヘッド5のノズル形成面を封止してノズル開口のインクの乾燥を防止する機能と、クリーニング操作時に後述する吸引ポンプからの負圧を受けて記録ヘッド5からインクを強制的に排出させる機能とを備えている。
【0032】
前記キャッピング手段6に配置されたキャップ部材7の内底部には、図1に示すようにインク排出口7aが形成され、このインク排出口7aにはチュ−ブ(図示せず)の一端が接続され、このチュ−ブは後述する吸引ポンプとしてのチューブポンプの一部を構成している。この構成により、非印刷時にはキャップ部材7によって記録ヘッド5のノズル形成面を封止し、またクリ−ニング指令を受けた場合には、吸引ポンプによる負圧がキャッピング手段の内部空間に印加され、記録ヘッド5からインクを強制的に排出させることができる。なお、前記キャップ部材7内にはインク吸収シ−ト8が収容され、吸引したインクをこれにより一時的に保持することができるように構成されている。
【0033】
また、キャップ部材7は、方形状のキャップホルダ9に対して例えば二色成形法などの手段によって一体成形されており、このキャップホルダ9の長手方向の両側壁には、それぞれ平板状のバネ受け部9aがそれぞれ水平方向に形成されている。そして、キャップホルダ9は昇降機構を構成するスライダ10上に搭載され、スライダ10とバネ受け部9aとの間に介装された一対の圧縮バネ11によって、記録ヘッド5側に付勢された状態で取り付けられている。
【0034】
なお、キャップホルダ9の一端部中央および他端部の両側部には、それぞれ係合部9bが形成されており、これら3つの係合部9bは、スライダ10に形成されたそれぞれの係止部材10aによって3点で係止されることにより、キャップホルダ9は上方向、すなわち記録ヘッド5側への移動が規制されて、スライダ10上に搭載されている。
【0035】
また、前記スライダ10の下底部には一対の長穴12がほぼ水平方向に形成されており、この各長穴12内にはフレ−ム部材13に対して回動可能に取り付けられたア−ム14の自由端側に配置された一対の水平軸15が、それぞれ移動可能となるように収容されている。これにより、スライダ10はア−ム14を介してフレ−ム部材13に対して円弧状軌跡をもって立ち上がることができる。
【0036】
また、前記スライダ10の非印刷領域側の端部両側には、それぞれガイド片10bが形成されていて、この一対のガイド片10bはフレ−ム部材13に形成された一対の案内溝16によって支持されるように構成されている。この案内溝16は一端部に形成された低所部16aと、他端部に形成された水平な高所部16bと、さらにこれらを接続する傾斜部16cとにより構成されており、これら3つの領域が連通して形成されている。
【0037】
さらに、図1に示すように一方のガイド片10bには、一端がフレ−ム部材13に固定された引っ張りバネ17の他端が固定されていて、この引っ張りバネ17の作用により、スライダ10は印刷領域方向、かつ記録ヘッド5から離間する方向、すなわちこの実施の形態においては下方に位置するように付勢されている。
【0038】
そして、図2に示すようにキャリッジ1がキャッピング手段6の直上に移動した際、キャリッジ1に形成された係合体1aが、スライダ10に直立するように形成された係合部10cに当接することで、図3に示すようにバネ17の引張力に抗しながら、スライダ10はア−ム14を介して立ち上がり、これによりキャップホルダ9に一体に形成されたキャップ部材7が、キャリッジ1に配置された記録ヘッド5のノズル形成面を封止することができるように構成されている。
【0039】
また、キャリッジ1が印刷領域側に移動した場合には、スライダ10に配置された係合部10cに対するキャリッジ1側の係合体1aの当接が解かれ、スライダ10はバネ17の引張力によって図2に示した状態になされ、これにより、キャップ部材7による記録ヘッド5のノズル形成面の封止が解除される。
【0040】
なお図2に示したように、キャップ部材7におけるシール面、すなわち記録ヘッド5のノズル形成面に当接する上端面は、記録ヘッド5のノズル形成面に対して非平行状態となるように構成されている。すなわち、キャップ部材7のシール面はホームポジション側(図2における右側)端部に対して印刷領域側に僅かに下降するように傾斜状態になされている。
【0041】
これは、スライダ10に形成された長穴12内の水平軸15の位置と、フレ−ム13に形成された一連の案内溝16内を摺動するガイド片10bの配置位置との関係により構成されている。
【0042】
そして、キャップ部材7は、記録ヘッド5のノズル形成面を封止する状態においては、先ずホームポジション側よりノズル形成面に当接し、スライダ10の上昇にしたがって圧縮バネ11の縮小作用を受けて記録ヘッド5のノズル形成面の全面を封止するように作用する。また、キャップ部材7は、記録ヘッド5のノズル形成面の封止を解く場合においては、記録ヘッド5のノズル形成面に対して、先ず印刷領域側の端部から離れ、ノズル形成面に対して非平行状態で離間するように作用する。
【0043】
一方、図1または図3に示すようにキャッピング手段6に隣接する印刷領域側には、キャリッジ1の移動に伴ってキャリッジ1に搭載された前記記録ヘッド5のノズル形成面をワイピング(払拭)する、例えばゴム性のワイピング部材21を備えたクリ−ナレバー20が配置されている。このクリ−ナレバー20は後述するように水平方向に移動され、ワイピング部材21を記録ヘッド5の移動軌跡上のワイピング位置に対して進入または退避できるように構成されている。
【0044】
したがって、クリ−ニング操作時において、前記記録ヘッド5はこのワイピング部材21により、そのインク吸引前においてノズル形成面に付着している塵埃や紙粉などが除去され、またインク吸引後においてノズル形成面に付着しているインクの払拭がなされる。
【0045】
この場合、後で詳細に説明するが、この実施の形態においてはワイピング部材21を保持するクリーナレバー20の移動と、前記キャッピング手段の内部空間を負圧に吸引するポンプとは、用紙ガイド板3上における記録用紙4を搬送する後述する紙送りモータの駆動力を利用するようになされている。そして吸引ポンプの駆動に伴ってワイピング部材21は記録ヘッドの移動軌跡上に進出するよう構成されている。
【0046】
以上の構成において、キャリッジモータの駆動によりキャリッジ1が非印刷領域側に移動すると、図2に示すように、キャリッジ1に配置された係合体1aが、スライダ10に形成された係合部10cに当接する。そして、なおもキャリッジ1がホームポジション側に移動することで、図3に示すようにバネ17の引張力に抗しながら、スライダ10はア−ム14を介して立ち上がる。一方、スライダ10に形成されたガイド片10bは、案内溝16を構成する低所部16aから傾斜部16cに、さらに水平な高所部16bへと移動し、これにより、キャップホルダ9に一体成形されたキャップ部材7がキャリッジ1に配置された記録ヘッド5を封止する。
【0047】
このようにして、キャップ部材7によるノズル形成面の封止が完了した段階で、キャップ部材7は大気との連通が断たれて気密状態となり、ノズル開口からのインクの蒸発を抑制して、記録ヘッドの目詰まりを防止するように作用する。
【0048】
また、キャリッジモータの駆動によりキャリッジ1が印刷領域側に移動すると、キャリッジ1に配置された係合体1aは、スライダ10に形成された係合部10cから離れる。したがって前記バネ17の引張力によって、スライダ10はア−ム14を介して、またスライダ10に形成されたガイド片10bが低所部16a側に移動することにより降下する。これによりキャップ部材7による記録ヘッド5の封止状態が解かれる。
【0049】
図4および図5は前記した記録装置に装備された記録用紙の給排紙機構と吸引ポンプ、およびワイピング部材21の水平移動機構に対する駆動力伝達手段の一例を平面図によって示したものである。まず、図4に示す符号31は紙送りローラを示しており、この紙送りローラ31の一端には歯車32が取り付けられ、駆動源としての紙送りモータ33の駆動軸上に配置されたピニオン34からアイドラ歯車35を介して駆動されるように構成されている。
【0050】
また給紙ローラ駆動軸36の一端には歯車37が取り付けられており、クラッチ機構を構成する移動歯車38を介して前記歯車32と係合して図示せぬカットシートフィーダに動力を伝達し、記録用紙の給紙(ローディング)が行われるように構成されている。
【0051】
クラッチ機構を構成する前記移動歯車38は、常時は図示しないバネにより図4に示すように両歯車32,37から離れた位置を保持し、またホームポジションと対向する端部に移動するキャリッジ1に押圧されて軸方向、すなわち矢印A方向に移動し、前記歯車32,37に介在して両者の噛み合いが接続されるように構成されている。
【0052】
一方、紙送りモータ33の駆動軸に取り付けられた前記ピニオン34からアイドラ歯車39、および排紙ローラ歯車40を介して排紙ローラ41が回転駆動されるように構成され、この排紙ローラ41の他端に装着された歯車42によって、図5に拡大断面図として示す吸引ポンプとしてのチューブポンプ50等が駆動されるように構成されている。
【0053】
すなわち、図5に示すようにチューブポンプ50の駆動軸43には、排紙ローラ41の他端に装着された歯車42からアイドラ歯車44を介して噛み合う従動歯車45が装着されている。そして、チューブポンプ50は、前記駆動軸43が支持基板(金属板)46に軸支された形でアッセンブリされており、チューブポンプ50の駆動軸43に装着された前記従動歯車45は、その端部で軸方向に螺着された取り付けビス47によって駆動軸43に取り付けられている。
【0054】
そして、前記排紙ローラ41の他端に装着された歯車42、アイドラ歯車44、およびアイドラ歯車44に噛み合って駆動軸43を駆動する従動歯車45は、支持基板46の一側面側に配列され、チューブポンプ50および後述するワイピング部材21とその進退駆動機構等は、前記支持基板46の他側面側に装備されている。
【0055】
図6乃至図8は、前記した記録装置に装填された吸引ポンプとしてのチューブポンプ50の実施の形態を示すものである。なお、図6はポンプを正転駆動させてポンプ作用を実行させた状態を示し、また図7および図8はポンプを逆転駆動させてレリース状態とした場合を示しており、これら図6乃至図8は、いずれも図5における切断線B−Bを、矢印方向に視た状態で示している。したがって、図5においては図6乃至図8に基づいて以下に説明する各部に相当する代表部分を同一符号で示している。
【0056】
このチューブポンプは、比較的構造が簡単で小形化が図りやすく、しかもインクの吸引および排出する機構部分で汚染を生じさせないという特質を生かし、この種のインクジェット式記録装置に好適に使用される。
【0057】
このチューブポンプ50には、可撓性チューブ51の外形を円弧状に規制するチューブ支持面52を有するポンプフレーム53と、前記紙送りモータ33からの動力を受ける駆動軸43によって回動されるポンプホイル54と、このポンプホイル54の軸芯方向と外周方向との間に径方向に勾配を持って形成された一対のローラ支持溝54a,54bに、当該支持溝54a,54bの長手方向に移動可能に、かつ回転可能にそれぞれ取り付けられたローラ55a,55bとが具備されている。
【0058】
このようなチューブポンプにおいては、図6に示すようにポンプホイル54を正方向(矢印C方向)に回転させることにより、各ローラ55a,55bはローラ支持溝54a,54bの外周方向に移動して、チューブ51を順次押しつぶす状態となされ、これによりチューブ内に圧力を発生させて前記キャッピング手段6内に負圧を与えようになされる。これにより、記録ヘッドから負圧により強制的にインクを排出させると共に、さらにキャッピング手段内に排出されたインクを吸引して、後述する廃液タンクに送り出すように作用する。
【0059】
また、図7および図8に示すようにポンプホイル54を逆方向(矢印D方向)に回転させることにより、各ローラ55a,55bはローラ支持溝54a,54bの内周方向に移動し、これによりローラはチューブに少しだけ接するレリース状態を保ち、チューブの貼り付きなどの故障が発生するのが防止できるように構成されている。
【0060】
一方、ポンプフレーム53内のチューブ支持面52に対向する位置には、L字状に形成された一対の係止溝56a,56bが設けられており、この係止溝56a,56bによって、一対のガイド部材57a,57bおよびダンパ部材58が取り付けられている。
【0061】
前記各ガイド部材57a,57bは、ゴム等の可撓性弾性素材により形成されており、ポンプホイル54の回動に伴い前記各ローラ55a,55bに接触して、各ローラを支持溝54a,54bの回転後退方向へ案内するように作用する。すなわち、図6に示すようにホイル54が正転駆動されると、ローラ55a,55bは可撓性弾性素材によるガイド部材57a,57bによって、ホイル54の回転方向に対して押し戻される作用を受け、これによってローラ55a,55bはそれぞれローラ支持溝54a,54bの外周方向に移動される。したがって、チューブ51を各ローラによって順次押しつぶすようになされ、これによりポンプの駆動作用の信頼性が向上されるように構成されている。
【0062】
また、図7および図8に示すようにホイル54が逆転駆動されると、ローラ55a,55bは可撓性弾性素材によるガイド部材57a,57bに接触して押し戻される作用を受ける。換言すれば、図8に示した状態のようにホイル54の回転に伴ってローラ55aはガイド部材57aを倒しつつ移動し、これによってローラ55aはローラ支持溝54aの軸芯方向に移動されることにより、チューブ51の押しつぶし作用が解除されて、レリース状態とされる。
【0063】
また、前記ダンパ部材58も全体がゴムなどの可撓性弾性素材により、ほぼ円弧状を形成するように構成されている。そして、ポンプフレーム53内のチューブ支持面52に対向する位置に配置されており、その両端部はそれぞれ楔型に形成されている。このようなダンパ部材58を用いることにより、前記各ローラ55a,55bは、前記チューブ51との接触領域を外れても、常にダンパ部材58に接するようになされ、これにより、ローラ支持溝内でのローラの自由移動が規制される。
【0064】
換言すれば、ローラの移動に伴って前記ガイド部材57a,57bの変形が復帰された瞬間において、ローラがガイド部材にはじき飛ばされてローラ支持溝内の端部に衝突する動作が、前記ダンパ部材58によって阻止され、これにより発生する騒音(衝撃音)を制止するように作用する。
【0065】
次に図9および図10は、主に前記したワイピング部材21を水平方向に進退させる駆動機構を説明するものであり、図9はワイピング部材21を記録ヘッドの移動軌跡から退避させたリセット状態を示し、また図10はワイピング部材21を記録ヘッドの移動軌跡に進出させたセット状態を示している。これら、図9および図10は、図5における右側方向(チュープポンプ50側)から透視した状態で示されており、図5においては図9乃至図10に基づいて以下に説明する各部に相当する代表部分を同一符号で示している。
【0066】
まず、図5に示されたように、前記駆動軸43と一体となって回転駆動されるクラッチ板61が、前記支持基板46とチューブポンプ50との間に配置されており、さらにこのクラッチ板61に対してコイル状圧縮バネ62によって圧接されるように配置されたクリーナカム63が、前記駆動軸43に対して遊転可能に取り付けられている。すなわち前記クラッチ板61とクリーナカム63とは、摩擦クラッチを構成しており、クラッチ板61の回転に引きずられてクリーナカム63が駆動されるように構成されている。
【0067】
図9および図10に示すように、クリーナカム63には駆動アーム63aが一体に形成されており、この駆動アーム63aの端部には水平方向に突出するように円柱状の駆動ピン63bが形成されている。
【0068】
一方、短冊状に形成されたワイピング部材21はクリ−ナレバー20に一体に形成された一対の爪部20aによってクリ−ナレバー20に取り付けられ、クリ−ナレバー20の上部に直立状態で支持されている。このクリ−ナレバー20の上方端部には水平方向に突出するように円柱状のスライドピン20bが形成されており、またクリ−ナレバー20の下方部には溝部20cが水平方向に形成されている。
【0069】
また、前記したポンプフレーム53の上部には、ポンプフレームと一体に水平方向に溝部53aが形成されており、さらにポンプフレーム53に延出して形成された支持腕部53bの先端部には水平方向に突出するように円柱状のスライドピン53cが形成されている。
【0070】
そして、ポンプフレームの上部に形成された溝部53aに、前記クリ−ナレバー20に形成されたスライドピン20bが係合され、またクリ−ナレバー20の下方部に形成された溝部20cに、ポンプフレーム53に一体に形成されたスライドピン53cが係合されることにより、ポンプフレーム53に対してクリ−ナレバー20は水平方向に移動できるように支持されている。
【0071】
さらに、クリーナカム63に一体に形成された駆動ピン63bは、クリ−ナレバー20に垂直方向に形成された溝孔20d内に入り込んで、溝孔20d内を摺動することができるように構成されている。
【0072】
したがって、前記クラッチ板61とクリーナカム63とによる摩擦クラッチを介して円弧軌跡をもって駆動される駆動ピン63bは、クリ−ナレバー20に垂直方向に形成された溝孔20d内を摺動し、これによりクリ−ナレバー20を水平方向に移動させるように作用する。
【0073】
この実施の形態においては、前記紙送りモータ33の一方向への回転により、チューブポンプ50はポンプ作用が実行され、この時、摩擦クラッチを介したクリーナカム63は、図10に示すように右回転され、結果として紙送りモータ33の一方向への回転の初期において、ワイピング部材21は記録ヘッド5の移動軌跡に進出したセット状態となる。
【0074】
そして、記録ヘッドの主走査方向の移動に伴い、そのノズル形成面を払拭することができるようになされる。また、前記紙送りモータ33の他方向への回転により、チューブポンプ50はレリース状態とされ、この時、摩擦クラッチを介したクリーナカム63は、図9に示すように左回転され、結果として紙送りモータ33の他方向への回転の初期において、ワイピング部材21は記録ヘッド5の移動軌跡から退避したリセット状態となされる。
【0075】
次に図11および図12は、主に前記したクリ−ナレバー20およびワイピング部材21の構成について示したものであり、既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示している。なお、図11は上面から視た状態で示しており、これは既に説明した図5と同一方向から視た状態で示されている。また、図12は側面方向から視た状態で示しており、これは図11における紙面上において、上方から下方に向かって視た状態で示されている。
【0076】
図9および図10にも示されたように、クリ−ナレバー20の側壁にはワイピング部材21によって記録ヘッドのノズル形成面より掻き取られたインクを誘導するインク案内溝20eが形成されている。
【0077】
このインク案内溝20eは、前記したキャッピング手段6の配置側、すなわちホームポジション側に面したクリ−ナレバーの側壁に形成されており、且つインク案内溝20eは、短冊状に形成された前記ワイピング部材21の横幅を包含する長さをもって、傾斜した状態に形成されている。
【0078】
このような構成により、記録ヘッドのクリーニング動作後において、前記ワイピング部材21によって記録ヘッドから掻き取られたインクは、キャッピング手段6の配置側に面して形成されたインク案内溝20eに向かって重力にしたがって流れる。しかも、インク案内溝20eが、短冊状に形成されたワイピング部材21の横幅を包含する長さをもって形成されることにより、ワイピング動作によって掻き取られたインクのほとんどを効率よくインク案内溝20e内に収集することができる。
【0079】
そして、図9、図10および図12にも示されたように、クリ−ナレバー20に形成されたインク案内溝20eの重力方向の終端部には、インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させることができる突起部材20fが重力方向に向かって形成されている。この突起部材20fは、図に示されたように、重力方向に向かって先細状態となるつらら形状(換言すれば円錐形状)になされている。
【0080】
このような構成により、インクが突起部材20f以外の部分に回り込むなどの現象を阻止させることができ、インク案内溝20eによって誘導された大部分のインクを、つらら状の突起部材20fを介して滴下させることができる。そして、この突起部材20fの移動経路の直下には、後述するようにキャッピング手段6の構成部材であるフレ−ム部材13が配置されており、このフレ−ム部材13に対して突起部材20fよりインクの一部が滴下される。
【0081】
図13乃至図16は、キャッピング手段6を構成するフレ−ム部材13の構成を示したものである。図13はフレ−ム部材13を示した平面図であり、図14は図13におけるフレ−ム部材13を紙面上において、下方から上方に向かって視た状態の側面図で示している。また、図15はフレ−ム部材13を下側面から視た底面図であり、さらに図16は図14に示したフレ−ム部材13を紙面上において、左方向から視た状態の側面図で示している。
【0082】
このフレ−ム部材13には、3つの仮止め脚部13aが形成されている。この仮止め脚部13aは、図5および図11に示した支持基板46に貫通して形成された図示せぬ3つの支持孔にそれぞれ挿入されることにより、キャッピング手段6の全体が支持基板46に仮止めされるように構成されている。
【0083】
そして、図13における仮想線Gで示すフレ−ム部材13の直上を、クリ−ナレバー20に形成された前記突起部材20fが横断して通過されるように構成されている。
【0084】
前記突起部材20fが横断して通過するフレ−ム部材13の上面には、凹部13bが形成されており、この凹部13bにおいてクリ−ナレバー20に形成された突起部材20fから滴下されるインクの一部を受け取ることができるように構成されている。そして凹部13bの対向する両端部には一対の切欠き溝13cが形成されていて、凹部13bに滴下されたインクが、前記切欠き溝13cを伝わって、フレ−ム部材13の裏面側に流れることができるように構成されている。
【0085】
この切欠き溝13cの直下におけるフレ−ム部材13の裏面には、図14乃至図16に示すように第2突起部材13dが重力方向に向かって形成されている。これにより、クリ−ナレバー20に形成された突起部材20fを介して滴下されたインクは、さらにフレ−ム部材13の裏面側に形成された第2突起部材13dを介して重力方向に滴下されるように作用する。
【0086】
なお、図には示されていないが、クリ−ナレバー20に形成された突起部材20fの移動経路の直下、およびフレ−ム部材13の裏面に形成された第2突起部材13dの直下には、前記した吸引ポンプ50により排出されたインクを貯留することができる廃液タンクが配置されており、したがってクリ−ナレバー20に形成された突起部材20fから滴下されるインク滴、およびフレ−ム部材13の裏面に形成された第2突起部材13dから滴下されるインク滴は、前記廃液タンクによって受けとめられる。
【0087】
なお、この実施の形態においては、他に2つの第2突起部材13dが、フレ−ム部材13の裏面のほぼ中央部、および1つの仮止め脚部13aの基部にそれぞれ形成されている。このように、フレ−ム部材13の裏面に複数の第2突起部材13dを形成させたことによって、フレ−ム部材13の裏面側に回り込むインクは第2突起部材13dのいずれかによって収集され、第2突起部材13dを介して、同様に廃液タンクに対してインク滴として滴下される。
【0088】
前記した第2突起部材13dは、重力方向に向かって先細状態となるつらら形状(円錐形状)になされていることが好ましいが、さらに図17および図18に拡大して示した構成とすることが好ましい。すなわち、図17は図14に示したE部分を拡大して示したものであり、また図18は図15に示したF部分を拡大して示したものである。なお、図17に示した矢印Gは、図13において説明したとおり、クリ−ナレバー20に形成された突起部材20fが横断して通過する軌跡を示している。
【0089】
この図17および図18に示されたように、第2突起部材は重力方向に向かって先細状態となるつらら状部材13dと、このつらら状部材13dの長手方向に沿って凸状のリブ部材13eが一体に形成され、つらら状部材とリブ部材との間に内角部13fが形成されている。したがって、このような内角部13fを形成させることによって、当該内角部13fはインクを毛細管作用によって収集させて重力方向に滴下させる作用を助長させることができ、第2突起部材13dが形成されたフレ−ム部材13の裏面からのインクの掃けを一層良好にすることができる。
【0090】
なお、本発明は前記したとおり、キャッピング手段の内部空間を大気に開放するための大気開放バルブを除去したバルブレス構成の記録装置において特に有用である。しかしながら、キャッピング手段の内部空間を大気に開放するための大気開放バルブを備えた記録装置においても、ワイピング部材側にインクが付着して、このインクにより障害を発生させるという問題も残されており、本発明は前記したバルブレス構成以外の記録装置に対しても有効に作用する点においては同様である。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、弾性素材により構成され記録ヘッドのノズル形成面に摺接するワイピング部材と、このワイピング部材を保持するクリ−ナレバーが具備され、クリ−ナレバーにはワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面より掻き取ったインクを誘導するインク案内溝が形成されているので、ワイピング部材によって掻き取られたインクがクリ−ナレバーの多方向に拡散されるのを阻止することができる。加えて、クリ−ナレバーに形成されたインク案内溝の重力方向の終端部に、前記インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させる突起部材を重力方向に向かって形成させることにより、インクの誘導をさらに適性に制御することができる。
【0092】
さらに、インクを滴下させる前記突起部材の直下に配置された構成部材の裏面にも、同様に第2突起部材を形成させた構成とすることにより、前記構成部材の一部に滴下されたインクの掃けを良好にすることができる。したがって、インクの飛散による障害の発生を遥かに低減させることができ、長期にわたり印刷動作の信頼性を確保することが可能なインクジェット式記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェット式記録装置における主にキャッピング手段の構成を示した平面図である。
【図2】図1に示すキャッピング手段の構成を示した側面図である。
【図3】キャッピング手段によって記録ヘッドをキャッピングした状態を示した側面図である。
【図4】記録用紙の給排紙機構と、吸引ポンプ等に対して駆動力を伝達する伝達手段の構成を示した平面図である。
【図5】図4に示す伝達手段を介して得た駆動力により駆動される主に吸引ポンプの構成を示した断面図である。
【図6】図5における切断線B−Bより矢印方向に視た吸引ポンプの駆動状態を示す断面図である。
【図7】同じく吸引ポンプのレリース状態を示した断面図である。
【図8】同じく吸引ポンプのレリース状態における一対のガイド部材の作用を説明するための断面図である。
【図9】ワイピング部材のリセット状態を示した透視図である。
【図10】ワイピング部材のセット状態を示した透視図である。
【図11】主にワイピング部材とこのワイピング部材を支持するクリ−ナレバーの構成を示した上面図である。
【図12】図11に示した構成を、紙面上において上方から下方に向かって視た状態の側面図である。
【図13】キャッピング手段を構成するフレ−ム部材の構成を示した平面図である。
【図14】図13に示したフレ−ム部材を、紙面上において下方から上方に向かって視た状態の側面図である。
【図15】同じくフレ−ム部材を下側面から視た底面図である。
【図16】図14に示したフレ−ム部材を、紙面上において左方向から視た状態の側面図である。
【図17】図14におけるE部分の拡大図である。
【図18】図15におけるF部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
1b 係合部材
2 ガイドロッド
3 用紙ガイド板
4 記録用紙
5 記録ヘッド
6 キャッピング手段
7 キャップ部材
9 キャップホルダ
10 スライダ
13 フレ−ム部材
13a 仮止め脚部
13b 凹部
13c 切欠き溝
13d 第2突起部材
13e リブ部材
13f 内角部
20 クリ−ナレバー
20d 溝孔
20e インク案内溝
20f 突起部材
21 ワイピング部材
33 紙送りモータ(駆動源)
43 ポンプ駆動軸
45 従動歯車
46 支持基板
50 チューブポンプ(吸引ポンプ)
51 可撓性チューブ
53 ポンプフレーム
54 ポンプホイル
55a,55b ローラ
61 クラッチ板
63 クリーナカム
63a 駆動アーム

Claims (3)

  1. 往復移動可能なキャリッジ上に装填され、印刷デ−タに対応してインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止すると共に、吸引ポンプからの負圧を受けて前記記録ヘッドからインクを吸引排出させるキャップ部材と、前記記録ヘッドの移動軌跡に位置して記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング手段とを具備したインクジェット式記録装置であって、
    前記ワイピング手段には、弾性素材により構成され記録ヘッドのノズル形成面に摺接するワイピング部材と、前記ワイピング部材を保持するクリ−ナレバーが具備され、
    前記クリ−ナレバーにはワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面より掻き取ったインクを誘導するインク案内溝と、前記インク案内溝によって誘導されたインクを収集させて滴下させる突起部材が形成され、
    前記突起部材の直下に配置された構成部材の下側面には、前記突起部材を介して滴下されたインクをさらに収集させて滴下させる第2突起部材が重力方向に向かって形成され、
    前記構成部材が、前記キャップ部材を上下方向に移動可能に支持するフレーム部材であることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記クリーナレバーに形成された突起部材、および前記構成部材に形成された第2突起部材の直下に、インクを貯留することができる廃液タンクが配置されてなる請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記ワイピング手段を構成するクリ−ナレバーは、ワイピング部材を記録ヘッドの移動軌跡に対して進退させて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭するように構成されてなる請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
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