JP3711749B2 - 永久磁石式同期電動機及びその制御方法 - Google Patents

永久磁石式同期電動機及びその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は永久磁石式同期電動機及びその制御方法に関する。永久磁石式同期電動機は同期速度でしか回転できないという性質をもっている。そのため、回転子(ロータ)と固定子(ステータ)の位相を検出して、固定子の巻線(コイル)を励磁するタイミングを決定する必要がある。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転子と固定子の位相を検出するには、2通りの方式があった。第1の方式は、回転子に位置検出器(ロータリ・エンコーダ、磁気検出素子等)を取り付けて位置を検出するものであり、第2の方式は、回転子が回転している時に発生する誘起電圧により位置を検出するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前者のように回転子に位置検出器を取り付けることによって位置の検出をする方式は、位置検出器を必要とするために、該電動機の製造コストを引き上げるとともに、電動機の装置規模を増大させることになる。また、位置検出器は、高速回転になった場合の信頼性又は応答性の悪化を招き、位置検出器を設けるために配線がふえることにより信頼性が劣ることになる。さらに、位置検出器の取付け工数が増え、製造に手間がかかるという種々の問題点を有していた。
【0004】
一方、回転子の回転によって誘起電圧を検出するやり方は、回転子が停止した状態では、誘起電圧を検出することができないので、停止状態から導電機を滑らかに駆動することができないという問題点を有していた。このような事情から、位置検出器を取り付けた高価で装置規模の大きな電動機を使用することが通常であった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、従来の技術における前記問題点を解消するためになされたものであり、ロータリ・エンコーダ、磁気検出素子等の位置検出のためのセンサーを新たに取り付けることなく、停止時の回転子と固定子との間の位相を検出することができるとともに、電動機の製造コストや装置規模を増大させることなく、信頼性及び応答性の良い永久磁石式同期電動機及びその制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するために、第一の発明は、永久磁石を用いた回転子及び巻線が施された固定子を有する電動機(1)と、各巻線への正負の電流の供給及び遮断を切り換えるインバータ回路(2)と、前記電動機の動作時及び停止時の判定を行い、動作時においては各巻線に誘起される誘起電圧に基づき回転子及び固定子間の位相を検出し、停止時においては各巻線への予め定めた時間の電流供給後の遮断を前記インバータ回路に指示し、電流遮断後の巻線に発生する逆起電圧に基づいて前記位相を検出し、検出された位相に応じて前記回転子を回転に対して最も近い位置にある適当な巻線位置に引き込むように電流の供給又は遮断を前記インバータ回路に指示する常時位相検出制御回路(3)とを有するものである。
【0007】
ここで、位相検出のために、停止時に各巻線へ供給する電流は、構造及び解析を容易にするために、正又は負のどちらか一方の電流であって、波形が同一の電流を予め定めた一定時間供給するのが好ましい。
「該位相に応じて電流の供給又は遮断を該インバータ回路2に指示する」のは、動作時においては、同期速度等で回転子を回転させるためであり、停止時においては、該回転子の極に最も近い巻線位置に、該巻線を励磁して該回転子を引き込み、初期状態を定位置から開始することによって、回転周波数を増やし、同期速度制御に滑らかに移行するためである。
【0008】
本発明によると、巻線上で誘起電圧(誘導電圧)が検出されずに停止時と判定された場合、停止状態から電動機1を起動させる指令があると、常時位相検出制御手段3は、インバータ回路2をスイッチング制御することによって、好ましくは一定時間だけ各巻線(コイル)に正又は負電流を流させる。巻線に電流が流れると、巻線に磁束が発生し磁気エネルギとして巻線に蓄えられる。この蓄えられる磁気エネルギは、巻線のインダクタンスに左右される。巻線のインダクタンスは、その巻線に電流が流れた場合の鎖交する全磁束数によって定まるものであって、回転子及び固定子の相対的位置によって決定される。
【0009】
電流を供給した後遮断すると、蓄えられた磁気エネルギーは電気エネルギーに変化し巻線に逆起電圧が発生する。蓄えられた磁気エネルギー量はそのまま逆起電圧という電気エネルギー量として放電されることになる。従って、逆起電圧の量を検出することによって、巻線のインダクタンス値を間接的に知ることができる。また、巻線のインダクタンス値は、回転子と固定子の位相により変化する関係にある。
【0010】
従って、回転子と固定子の位相を、直接インダクタンス値を測定することなく、各巻線に電流を供給した後に遮断して発生する逆起電圧の量を測定することによって知ることができる。本発明はこの原理を用いたものである。
【0011】
第二の発明は、図1の回路ブロック図に示すように、第一の発明において、前記常時位相検出制御回路は、動作時に前記固定子の各巻線に誘起される誘起電圧に基づいて前記位相を検出する位相検出回路3aと、停止時において逆起電圧に基づいて位相を検出する停止時位相検出回路3bと、動作時及び停止時の判定、並びに、前記インバータ回路に対し、停止時に起動指令があった場合の各巻線への予め定めた時間の電流供給の指示、及び、前記位相に基づいて電流の供給又は遮断の指示を行う制御回路3cとを有するものである。
【0012】
第三の発明は、第二の発明において、前記常時位相検出制御回路は、各巻線の中性点とグランド電圧との接続及び切断を切り換える切換手段35を有し、前記制御回路は、前記切換手段によって前記中性点をグランド電圧と接続させ各巻線に電流を一斉に予め定めた時間供給した後遮断して発生した逆起電圧を前記停止時位相検出回路に印加するものである。
【0013】
本発明によれば、切換手段を設け、該切換手段によって巻線の中性点をグランド電圧に切り換えることによって、各相の巻線に一斉に予め定めた時間電流を流し、切換手段によって、中性点をグランド電圧と切断することによって、電流を遮断し短時間で迅速に位相を検出することができる。
【0014】
第四の発明は、第二の発明において、前記常時位相検出制御回路の前記制御回路は、前記インバータ回路に対して、順次時間をずらせて各巻線へ電流を予め定めた時間供給した後遮断して発生させた逆起電圧を、順次、前記停止時位相検出回路に印加するものである。
【0015】
本発明によれば、各相の巻線に対して、順次、タイミングを制御して時間をずらせて電流を供給した後遮断することによって、時間をずらせて逆起電圧を発生させるので、中性点の電圧を切り換える切換手段を用いることなく、停止時の位相の検出を行うことができる。
【0016】
第五の発明は、永久磁石を用いた回転子及び巻線が施された固定子とからなる電動機において、該電動機が停止しているか否かを判定する工程と、停止していると判定された場合には各巻線に電流を予め定めた時間供給した後遮断する工程と、前記各巻線毎に発生した逆起電圧に基づいて停止時の位相を検出する工程と、該位相に基づいて停止からの起動を制御する工程とを有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る永久磁石式同期電動機及びその制御方法の実施の形態について、図2から図11までの図面に基づいて説明する。また、この実施の形態は特に指定のない限り本発明を制限するものではない。
【0018】
図2から図9の図面は第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機のシステムを示すものである。図2に示すように、永久磁石式同期電動機は、永久磁石を用いた2極の回転子(ロータ)14及び3相の巻線11、12、13が施された固定子(ステータ)からなる電動機10と、該固定子の各巻線に対する正及び負の直流電流の供給及び遮断を切り換えるインバータ回路20とを有する。該インバータ回路20に正又は負の直流電流を供給するために、3相交流電源40と、ダイオード等を用いて各相毎に交流電流を直流電流に変更するコンバータ50と、該コンバータ50によって整流された電流の波形を平滑化する平滑用コンデンサ60とを有する。
【0019】
前記インバータ回路20は6個の同一特性をもつトランジスタ+W,−W,+V,−V,+U,−Uを設け、W相の巻線13、V相の巻線12及びU相の巻線11に、各々正又は負の電流を供給し且つ遮断するためのスイッチング素子である。これらのトランジスタは図2に示すように、2個ずつエミッタ=コレクタ間を接続したトランジスタ対となるように設けられ、その接続部分から出力信号を取り出し電動機10の各巻線11、12、13に供給する。インバータ回路20はさらに、各トランジスタのベースにオン又はオフ信号を指示に応じて出力するドライブ回路25を有する。
【0020】
各トランジスタを所定の周期でスイッチング動作させて、前記回転子14を所定の同期速度で回転させるためには、各トランジスタ対において、一方のトランジスタのベースにオン信号を、他方のトランジスタにオフ信号を加えて、ある相の巻線を励磁して回転子14を引き込んだ後、該一方のトランジスタのベースにオフ信号を、他方のトランジスタにオン信号を加えて該巻線を逆向きに励磁して回転子14を該位置から引き離すとともに、次の相の巻線が、該回転子14を引き込むような制御を前記同期速度で行うことになる。
【0021】
本実施の形態に係る永久磁石式同期電動機は、前記インバータ回路20に対し、停止時及び動作時に関係なく常時、回転子と巻線との間の位相の検出が可能であって、該位相に基づいて電流の供給及び遮断のタイミングを指示することができる常時位相検出制御回路30を有する。
【0022】
図2に示すように、詳しくは、前記常時位相検出制御回路30は、動作時に該電動機10の固定子巻線11、12、13に誘起される誘起電圧を検出することによって、動作時の回転子の位相を検出する位相検出回路31と、停止時において逆起電圧に基づいて位相を検出する停止時位相検出回路32と、電動機10の動作時及び停止時の判定、並びに、インバータ回路20に対し、停止時に起動指令があった場合の各巻線への予め定めた時間(ここでは、例えばt秒)の正又は負の電流の供給後の遮断の指示、及び、該位相に基づいて正若しくは負の電流の供給又は遮断の指示を行う制御回路33とを有する。
【0023】
該常時位相検出制御回路30は、さらに、前記インバータ回路20の出力信号を分圧して適当な電圧値にして前記位相検出回路31及び停止時位相検出回路32の各端子に印加する分圧回路34、及び、各相の巻線の中性点15とグランド電圧との接続及び切断を、前記制御回路33の指示で切り換えるリレー等を用いた切換手段35を有する。
【0024】
次に、該停止時位相検出回路32について、図3に基づいて説明する。
該停止時位相検出回路32は、U相、V相及びW相の巻線11、12、13からの逆起電圧を保持し、タイミング回路76からの信号に応じて出力するホールド回路75u,75v,75wを有する。また、該停止時位相検出回路32は、回転子14のN又はS極と固定子の巻線が最も接近した場合に発生する最大又は最小の逆起電圧を検出するために、予め定めた最大基準電圧(MAX基準電圧)及び最小基準電圧(MIN基準電圧)と各巻線で発生した逆起電圧とを比較し、その大小に応じて各々1又は0の信号を出力する比較回路(コンパレータ)71u,72u,71v,72v,71w,72wを有する。さらに、該停止時位相検出回路32は、各相の巻線で発生した逆起電圧同士を比較し、その大小に応じて1又は0の信号を出力する比較回路73u,74u,73v,74v,73w,74wを有する。さらに、該停止時位相検出回路32は、これらの各比較回路から出力された信号に基づいて停止時位相を検出し、該当する位相に応じた信号をタイミング回路76からの信号に応じて制御回路33へ送出する論理回路77と、制御回路33からの指示に応じて該論理回路77及び前記ホールド回路75u,75v,75wへ、出力のタイミングを指示するタイミング回路76とを有する。
【0025】
続いて、図4から図9の図面に基づいて、第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の動作について説明する。
永久磁石式同期電動機がフリーラン状態で回転している動作時においては、誘起電圧が発生するので、該誘起電圧に基づいて位相検出回路31により位相を検出することができる。
【0026】
停止状態の場合には、誘起電圧が発生しないため、位相検出回路31は位相を検出することができない。位相検出回路31によって誘起電圧が検出されない場合には、前記制御回路33は回転子14が停止状態と判定する。停止状態にある場合に制御回路33に外部から起動の指令があると、該制御回路33は回転子14と固定子との位相を検出するモードに入る。
【0027】
次に、停止時回転子と固定子の位相検出モードについて説明する。
図4に示すように、停止時に回転子14と固定子との位相を検出するには、制御回路33は、インバータ回路20のW相の正電流用のトランジスタ+W、V相の正電流用のトランジスタ+V及びU相の正電流用のトランジスタ+Uをオン状態にし、W相の負電流用のトランジスタ−W、V相の負電流用のトランジスタ−V及びU相の負電流用のトランジスタ−Uをオフ状態とするようにドライブ回路25に指示する。同時に、制御回路33は、切換手段35によって中性点15をグランド電圧と接続させることによって、U相巻線11、V相巻線12及びW相巻線13の各々に一斉に正電流を一定時間(t秒間)流す。これによって、各巻線11、12、13には、回転子14と固定子との位相に応じたインダクタンスに依存する磁気エネルギーが各々蓄積される。一定時間経過後、制御回路33は、前記トランジスタをオン状態からオフ状態に切り換えることによって電流を断つ。すると、各巻線11、12、13に蓄えられた磁気エネルギは、図4の下方に示すような逆起電圧を発生させ、該電圧は各巻線毎に分圧回路34によって分圧され、停止時位相検出回路32の各端子に印加される。
【0028】
図3に示すように、各相の巻線の分圧された逆起電圧はホールド回路75u,75v,75wに各々格納され、タイミング回路76からの指示によって同時に各比較回路71u,71v,71w,72u,72v,72w,73u,73v,73w,74u,74v,74wに入力し、図5、図6及び図7の各位相例に示すように、回転子14と各巻線の位相に応じた種々の電圧値に応じた判定パターンが論理回路77に入力する。該論理回路77は、図8の表に示すような各判定パターンに応じて図5、図6又は図7の例1〜例12に示す位相のいずれかであるかを判断し各位相例に応じた信号を制御回路33へ送出する。
【0029】
ここで、例えば、比較回路71u,比較回路71v,又は比較回路71wの比較結果がMAX基準電圧よりも大きいことが示されると、他の比較結果がどのようであろうとも、MAX基準電圧よりも大きい電圧が検出された相の巻線にN極が最も接近していると判定される。即ち、U相の場合には、図5の例1、V相の場合には、図5の例3、W相の場合には、図6の例5に相当する位相を表す信号が、論理回路77から出力される。
【0030】
同様に、比較回路72u,比較回路72v、比較回路72wの比較結果がMIN基準電圧よりも小さいことが示されると、他の比較結果がどうであろうとも、MIN基準電圧よりも小さい電圧が検出された相の巻線にS極が最も接近していると判断される。即ち、U相の場合には、図6の例7、V相の場合には、図7の例9、W相の場合には、図7の例11であると判定される。
【0031】
上記以外の場合では、U相の電圧をU,V相の電圧をV,W相の電圧をWと表した場合に、例えば、図5の例2では、回転子と固定子との位相から、電圧は、U=V>Wとなる。この場合は、各比較回路の出力は、U相についての比較回路73u,74uは、U=Vなので不確定で各々NO、NOであり、比較回路73v,74vは、V>Wなので、YES,NOであり、比較回路73w,74wであり、W<Uなので、NO,YESである。また、各電圧は最大電圧でも最小電圧でもないので、前記比較回路71u,72u,71v,72v,71w,72wの出力結果もNOであり、NOの出力結果を“0”とし、YESの出力結果を“1”とすると、“000100010”の判定パターンが得られる。他も同様に、図5、図6、図7の各例に対応する判定パターンが図8の表で示すように得られることになる。該判定パターンは、論理回路77によって、停止時の位相を表す6桁の位相情報の信号に変換され、タイミング回路76からの信号に応じて論理回路77から制御回路33へ送出される。
【0032】
このようにして、制御回路33は、検出された位相情報に基づいて、停止からの起動モードに入る。次に、停止からの起動モードについて説明する。
該制御回路33は、論理回路77から前記位相情報を受けると、該位相情報に基づいて引き込み励磁制御を行う。この引き込み励磁制御は、電動機10を起動するために、初期状態として、固定子の決められた巻線位置にまで回転子位置を引き込む動作である。
【0033】
例えば、図9(a)に示すように回転子14と固定子16の巻線11、12、13の位相が検出された場合には、回転子14の位置を固定子16の決められた巻線位置にまで、引き込むために、該例では、+U相にS極、−U相にN極が励磁されるように、前記制御回路33が前記インバータ回路20に指示をする。
【0034】
回転子14と固定子16の位相が、図9(b)に示すような定位置になった場合には、自動的に回転周波数を増やしていくタイマースイッチングモードに入る。回転数が上昇し、電動機1からの誘起電圧のレベルが高くなり位置検出が可能になったら、スイッチングタイミングは位相検出回路31により検出される位置情報により行われる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態では、各巻線11、12、13に一斉に電流を一定時間流した後断つことによって、各相毎に同時に一斉に、逆起電圧を検出することができる。特に相の数が増加する場合には、起動を指令してから、動作が始まるまでの時間を短縮し、応答性が増すことになる。
【0036】
続いて、図10及び図11に基づいて、第二の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機を説明する。
第一の実施の形態に係る図2から図4までの図面と同一の符号は、同一のものを表す。図10に示すように、本実施の形態に係る常時位相検出制御回路36は、第一の実施の形態の場合と同様に、前記位相検出回路31と、前記停止時位相検出回路32と、前記分圧回路34とを有する。しかし、第一の実施の形態と異なり、該常時位相検出制御回路36には、前記固定子の各相の巻線の中性点とグランド電圧との接続及び切断を切り換える切換手段35が設けられていない。従って、制御回路38も、切換手段35への指示がない点で第一の実施の形態に係る制御回路33と異なる。
【0037】
続いて、図11に基づいて、本実施の形態に係る永久磁石式同期電動機について動作を説明する。
永久磁石式同期電動機がフリーラン状態で回転している動作時においては、第一の実施の形態と同様に、誘起電圧が発生して位相検出回路31により位相を検出することができる。
【0038】
電動機10が停止している場合には、誘起電圧が発生しないため、位相検出回路31は位相を検出することができない。前記制御回路38は、位相検出回路31によって誘起電圧が検出されない場合には停止状態と判定する。制御回路38に起動の指令があると、回転子14と固定子との位相を検出するモードに入る。
【0039】
次に、停止時回転子と固定子の位相検出モードについて説明する。
図11に示すように、停止時に回転子14と固定子との位相を検出するには、最初に、インバータ回路20の正電流用のトランジスタ+U及び負電流用のトランジスタ−Wとトランジスタ−Vについてのみオン状態にすることによって、U相の巻線11に一定時間正電流を流す。これによって、U相の巻線11に、回転子14と固定子との位相に応じたインダクタンスに依存する磁気エネルギーが蓄積される。一定時間経過後、オン状態にしたトランジスタをオフ状態にして電流を遮断する。すると、U相の巻線11に蓄積された磁気エネルギは、図11の下方に示すような逆起電圧を発生させ、該電圧は分圧回路34を介して、停止時位相検出回路32のU相の端子に印加される。
【0040】
次に、V相の巻線に正電流を流すために、インバータ回路20の正電流用のトランジスタ+V及び負電流用のトランジスタ−U及びトランジスタ−Wについてのみオン状態にすることによって、V相の巻線12に一定時間電流を流す。これによって、V相の巻線12に、回転子14と固定子との位相に応じて定まるインダクタンスに依存する磁気エネルギが蓄積される。一定時間経過後、オン状態にしたトランジスタをオフ状態にして電流を遮断する。すると、V相の巻線12に蓄積された磁気エネルギは、図11の下方にある2段目にあるような逆起電圧を発生させ、分圧回路34を介して、停止時位相検出回路32のV相の端子に印加する。
【0041】
続いて、W相の巻線に電流を流すために、トランジスタ+W、トランジスタ−U及びトランジスタ−Vについてのみオン状態として、W相の巻線13に一定時間電流を流す。これによって、U相の巻線13に、回転子14と固定子との位相に応じて定まるインダクタンスに基づいて、各々磁気エネルギーが蓄積される。一定時間経過後、オン状態にしたトランジスタをオフ状態にして電流を断つ。すると、W相の巻線13に蓄積された磁気エネルギは、図11の下方の第3段に示すような逆起電圧に変換され、分圧回路34を介して、停止時位相検出回路32のW相の端子に印加する。
【0042】
停止時位相検出回路32に入力した各逆起電圧は、順次ホールド回路75u,75v,75wに保持され、最後に、W相の入力と同期して、タイミング回路76の信号があると各逆起電圧が比較回路71u,71v,71w,72u,72v,72w,73u,73v,73w,74u,74v,74wに入力し、第一の実施の形態で説明したようにして、比較され比較結果が論理回路77に入力し、タイミング回路76からの信号によって、該当する位相情報を制御回路38へ送出する。該制御回路38はこのようにして、検出された位相情報に基づいて停止から起動モードに入る。停止からの起動モードについては、第一の実施の形態で説明したものと同様である。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、第一の実施の形態と比較して、切換手段35を必要とせず、従って、電動機の中性点と切換手段を接続する導線も必要としないので、既存のトランジスタのオン及びオフ制御によって、巻線に電流を加えることができるので部品点数が少なく構造が比較的簡単である。
【0044】
これらの実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明では、永久磁石式同期電動機について説明したが、永久磁石を電磁石に置き換えたものであっても良い。また、以上の説明では、2極及び3相の場合について、説明したが、これらに限定されるものではなく、他の極数及び他の相数についても容易に適用することができる。その他、停止時の位相を検出するために供給される電流は、正電流に限られず負電流であっても良い。またインバータ回路に設けられたスイッチング素子は、トランジスタに限られるものではない。また、停止時位相検出回路は前述した回路に限られるものではなく種々のものがあり得る。たとえば、位相をさらに細かく特定することも可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、第一の発明又は第五の発明によれば、回転子が停止時であっても、各巻線への電流を一斉に予め定めた時間供給した後遮断することによって、各相毎に同時に一斉に逆起電圧を検出することができ、発生した逆起電圧に基づいて停止時の位相を検出することができて、検出された位相に応じて前記回転子を、前記回転子の極に最も近い巻線の位置等の適当な巻線位置に引き込むように移動することによって、停止時からの起動を容易に行なうことができる。特に、相の数が増加する場合には、起動を指令してから動作が始まるまでの時間を短縮し、応答性を増すことができる。
従って、本発明によれば、ロータリ・エンコーダ、レゾルバ、磁気検出素子等の位置検出器を回転子に設けることなく、停止時の位相を検出することが可能になる。
このため、永久磁石式同期電動機の製造コストの低減と、装置規模の縮小を図ることができる。
【0046】
第二の発明によれば、前記常時位相検出制御回路は、動作時の位相検出回路と停止時の位相検出回路とを有するものである。従って、動作時の位相の検出は既存の位相検出回路を利用することができるので、その分製造コストを削減することができる。
【0047】
第三の発明によれば、常時位相検出制御回路に、各相の巻線の中性点とグランド電圧との接続及び切断を切り換える切換手段を設け、一斉に各相の巻線に電流を供給した後遮断することによって発生した逆起電圧に基づいて停止時の位相を検出するものである。従って、停止時には、各相の巻線に電流を一斉に供給し且つ遮断することによって発生した逆起電圧を検出することができるので、起動を指令してから動きだすまでの時間を短縮することができるので応答性が高い。
【0048】
第四の発明によれば、常時位相検出制御回路は、前記インバータ回路のスイッチング制御によって、順次時間をずらせて、前記固定子の各相の巻線へ供給した電流を遮断することによって発生した逆起電圧に基づいて停止時の位相を検出するものである。従って、既存の回路を利用し、各相の巻線に順次電流を供給することによって、停止時の位相を検出することができるので、簡単な構成で部品点数を削減し、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路ブロック図
【図2】第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機を示す回路図
【図3】第一の実施の形態に係る停止時位相検出回路を示す図
【図4】第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の動作説明図
【図5】第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の位相説明図
【図6】第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の位相説明図
【図7】第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の位相説明図
【図8】第一の実施の形態に係る判定パターンを示す図
【図9】第一の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の引き込み動作説明図
【図10】第二の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の回路図
【図11】第二の実施の形態に係る永久磁石式同期電動機の動作説明図
【符号の説明】
1、10 電動機
11、12、13 巻線
14 回転子
2、20 インバータ回路
+U,+V,+W,−U,−V,−W トランジスタ
3、30、36 常時位相検出制御回路
3a、31 位相検出回路
3b、32 停止時位相検出回路
3c、33、38 制御回路
34 分圧回路
35 切換手段
40 3相交流電源
50 コンバータ回路
60 平滑回路
71、72、73、74 比較回路(コンパレータ)
75 ホールド回路
76 タイミング回路
77 論理回路

Claims (5)

  1. 永久磁石を用いた回転子及び巻線が施された固定子を有する電動機(1)と、各巻線への正負の電流の供給及び遮断を切り換えるインバータ回路(2)と、前記電動機の動作時及び停止時の判定を行い、動作時においては各巻線に誘起される誘起電圧に基づき回転子及び固定子間の位相を検出し、停止時においては各巻線への予め定めた時間の電流供給後の遮断を前記インバータ回路に指示し、電流遮断後の巻線に発生する逆起電圧に基づいて前記位相を検出し、検出された位相に応じて前記回転子の極に最も近い位置にある巻線の位置に前記回転子の極を引き込むように電流の供給又は遮断を前記インバータ回路に指示する常時位相検出制御回路(3)とを有することを特徴とする永久磁石式同期電動機。
  2. 前記常時位相検出制御回路は、動作時に前記固定子の各巻線に誘起される誘起電圧に基づいて前記位相を検出する位相検出回路(3a)と、停止時において逆起電圧に基づいて位相を検出する停止時位相検出回路(3b)と、動作時及び停止時の判定、並びに、前記インバータ回路に対し、停止時に起動指令があった場合の各巻線への予め定めた時間の電流供給の指示、及び、前記位相に基づいて電流の供給又は遮断の指示を行う制御回路(3c)とを有することを特徴とする請求項1記載の永久磁石式同期電動機。
  3. 前記常時位相検出制御回路は、各巻線の中性点とグランド電圧との接続及び切断を切り換える切換手段(35)を有し、前記制御回路は、前記切換手段によって前記中性点をグランド電圧と接続させ各巻線に電流を一斉に予め定めた時間供給した後遮断して発生した逆起電圧を前記停止時位相検出回路に印加することを特徴とする請求項2記載の永久磁石式同期電動機。
  4. 前記常時位相検出制御回路の前記制御回路は、前記インバータ回路に対して、順次時間をずらせて各巻線へ電流を予め定めた時間供給した後遮断して発生させた逆起電圧を、順次、前記停止時位相検出回路に印加することを特徴とする請求項2記載の永久磁石式同期電動機。
  5. 永久磁石を用いた回転子及び巻線が施された固定子とからなる電動機にいて、電動機が停止しているか否かを判定する工程と、停止していると判定された場合には各巻線に電流を予め定めた時間供給した後遮断する工程と、前記各巻線毎に発生した逆起電圧に基づいて停止時の位相を検出する工程と、該位相に基づいて停止からの起動を制御する工程とを有することを特徴とする永久磁石式同期電動機の制御方法。
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