JP3709951B2 - 自動車シート用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車シート用空調装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱電素子を用いた空調装置には、例えば、特公昭4−45365号公報「電子冷凍装置」が知られている。
上記技術は、電力消費を抑制して効率的な運転ができる電子冷凍装置を提供することを目的としたものであり、同公報の第12図に示される通り、ダクト1,2と、このダクト1,2の入口に設けた送風機7と、この送風機7の下流に設けた風量調整ダンパ8と、この風量調整ダンパ8により風量調整されたエアを冷却又は加熱する電子冷凍ユニット5とからなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術では、最小電力制御を行うために、送風機7への供給電力と、送風機7の送風量に応じたダンパ8の開度と、電子冷凍ユニット5のペルチェ素子への供給電力とをコントローラ6で制御しなければならず、複雑な制御が必要になり、コントローラ6の製造コストが嵩む。
そこで、本発明の目的は、消費電力を抑え、且つ温調制御が容易な自動車シート用温調装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1は、シートに開けたエア吹出孔へ車室内のエアを圧送する送風機と、この送風機から前記エア吹出孔までの間で圧送中のエアを加熱又は冷却するシート温調手段と、これら送風機及びシート温調手段との間にシート温調手段への風量を調節するために設けた風量調節ダンパとを備えた自動車シート用空調装置において、この自動車シート用空調装置を、送風機を一定最高速度で運転する送風機制御部と、シート温調手段の温調能力を制御する温度制御部と、風量調節ダンパの角度を制御するダンパ制御部とから構成し、ダンパ制御部を、シート温調手段を作動させないときに、風量調節ダンパを送風機の全風量をシートのエア吹出孔へ供給する角度に制御するものとした。
【0005】
自動車シート用温調装置の温調制御を行うには、送風機制御部によって送風機を一定最高速度で運転するとともに、温度制御部によってシート温調手段の温調能力を調節し、ダンパ制御部によって風量調整ダンパの角度を変更して風量を調節する。即ち、送風機を一定最高速度で運転するので、送風機制御部は簡単なものでよく、また、送風機による風量が多くなるので、シート温調手段を大量のエアが通過するため、自動車シート用空調装置の熱交換効率を大きくすることができ、且つシート温調手段の加熱又は冷却能力を小さくすることができるため、シート温調手段の消費電力を抑えることができる。
【0006】
ダンパ制御部を、シート温調手段を作動させないときに、風量調節ダンパを送風機の全風量をシートのエア吹出孔へ供給する角度に制御することで、シートのエア吹出孔から十分なエアを吹出すことができ、シートに着座した人の汗等を急速に乾燥させることができる。
【0007】
請求項2は、シートを着座部と背当て部とで構成し、これら着座部及び背当て部のそれぞれのエア吹出孔へシート温調手段の下流側からエアを送るダクトを分岐させ、このダクトの分岐位置に着座部側及び背当て部側へ流れるエアを分配する分配ダンパを設けた。
【0008】
分配ダンパを中間位置にすることで、エアを着座部及び背当て部の両方に流す。
また、分配ダンパを着座部又は背当て部側に倒して片方の側を閉じることで、エアを着座部又は背当て部の一方に流す。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動車用シートの斜視図であり、シート1は、着座するための着座部であるシートクッション2と、背もたれとなる背当て部であるシートバック3と、このシートバック3の上部に設けたヘッドレスト4とからなる。
シートクッション2及びシートバック3は、それぞれ表皮5,6にエア吹出孔7…(…は複数個を示す。以下同様。)を有する。
【0010】
図2は本発明に係る自動車用シートの温調風供給装置を示す系統図であり、自動車シート用空調装置である温調風供給装置10は、吸気口11から吸気したエアを下流へ圧送するための送風機であるブロア12と、このブロア12の下流へ流れるエアの分配比を変える風量調節ダンパである第1ダンパ13と、この第1ダンパ13の下流に設けたシート温調手段である温度調整機構20と、この温度調整機構20を通ったエアをシートクッション2下部から排出するためのシートクッション排気ダクト14及びシートバック3後部から排出するためのシートバック排気ダクト15と、これらの排気ダクト14,15へ流れるエアの分配比を変える分配ダンパである第2ダンパ16と、エアの温度及び風量を制御するためのコントローラ50とからなる。なお、17は排気口である。
【0011】
説明の都合上、第1ダンパ13の角度は、熱交換器22側への通路を全閉する位置を基準にした角度θAで表す。
また、第2ダンパ16の角度は、シートバック排気ダクト15側への通路を全閉する位置を基準にした角度θBで表す。
【0012】
温度調整機構20は、通電することにより熱を発生したり吸収することのできる熱電素子21と、この熱電素子21と送られてきたエアとの熱の授受を行わせるための熱交換器22,23とからなる。
【0013】
熱電素子21は、異種の導体を結合させ、これらの導体に電流を流すと、これらの接点でジュール熱以外の熱が発生(又は吸収)するペルチェ効果を利用したものであり、ペルチェ素子ともいう。
この熱電素子21に上記とは逆の方向の電流を流すと、接点で熱を吸収(又は発生)する。
接点を2つ設ければ、一方が発熱し、他方が発熱量と同量だけ熱を吸収する。
【0014】
コントローラ50は、ブロア12に電力供給部51を介してブロア12を一定最高速度(一定最高回転数)で運転させる送風機制御部であるブロア制御部52と、熱電素子21に電力供給部53を介して供給電力を変化させて温調能力を制御する温度制御部54と、第1ダンパ13の角度を第1ダンパ駆動部55を介して制御するダンパ制御部である主風量制御部56と、第2ダンパ16の角度を第2ダンパ駆動部57を介して制御する副風量制御部58とからなる。なお、61はシートクッション排気ダクト14内に配置した温度センサであり、温度制御部54に接続するものである。62はエア排出孔14b…,15b…から排出するエアの温度、風量及びエア排出孔14b…とエア排出孔15b…との風量割合を希望のものに設定するためのものであり、温度制御部54及び副風量制御部58に接続するものである。
【0015】
ブロア制御部52は、電力供給部51へ一定電力信号SCを送る。これにより、電力供給部51は、上記一定電力信号SCに基づいてブロア12に一定電力を供給し、ブロア12を一定最高回転数で運転させる。
【0016】
温度制御部54は、温度センサ61からの温度信号ST及び温度風量設定手段62からの設定温度信号ETに基づいて、電力供給部53へ電力信号SVを送る。
これにより、電力供給部53は、上記電力信号SVに基づいて熱電素子21に設定温度を得るための所定電力を供給し、熱電素子21で熱を発生(又は吸収)させる。これとともに、温度制御部54は、上記設定温度信号ETに基づいてエア排出孔14b,15bから排出するエアを設定温度にするために、熱電素子21に供給する電力に応じて主風量制御部56へ風量信号SWを送る。
【0017】
主風量制御部56は、上記風量信号SWに基づいて第1ダンパ駆動部55へ第1ダンパ駆動信号SD1を送る。
第1ダンパ駆動部55は、上記第1ダンパ駆動信号SD1に基づいて第1ダンパ13を設定風量に応じた所定角度θAに傾斜させ、各排気ダクト14,15側への風量を調節する。
【0018】
副風量制御部58は、温度風量設定手段62からの設定風量割合信号EWにより、第2ダンパ駆動部57に第2ダンパ駆動信号SD2を送る。これにより、第2ダンパ駆動部57は、上記第2ダンパ駆動信号SD2に基づいて第2ダンパ16を設定風量割合に応じた所定角度θBに傾斜させ、シートクッション排気ダクト14とシートバック排気ダクト15とへの風量割合を調節する。
【0019】
図3は本発明に係るシートクッションの平面図であり、シートクッション2は、一対のシートレール31,32と、このシートレール31,32に取付けたシートフレーム33と、このシートフレーム33に取付けたシートスプリング34…とからなる。
【0020】
温調風供給装置10(図2参照)のブロア12は、シートクッション2の下部前部に設けたものであり、ブロア12の後部に温度調整機構20を直接接続したものである。
シートクッション排気ダクト14は、平面視U字形状であり、エア排出孔14b…と、シートスプリング34…にワイヤ等で取付けるための耳部14c…とを有し、フレキシブルな中間ダクト18を介して温度調整機構20に接続するものである。
【0021】
中間ダクト18は、上記したシートクッション排気ダクト14に接続する第1管部18aと、シートバック排気ダクト15(図2参照)に接続する第2管部18bとに分岐するものである。
【0022】
図4は本発明に係るシートバックの正面図であり、シートバック3は、サブシートフレーム41と、このサブシートフレーム41に取付けたシートスプリング42…とからなる。
シートバック排気ダクト15は、正面視H字形状であり、エア排出孔15b…と、シートスプリング42…にワイヤ等で取付けるための耳部15c…とを有し、中間ダクト18の第2管部18bに接続するものである。なお、46は中間ダクト18を固定するためにサブシートフレーム41に設けた取付部である。
【0023】
図5は本発明に係るシートの縦断面図であり、シートクッション2は、シート形状を保持し、且つクッション体として作用するパッド35と、このパッド35の外側を覆う通気性を備えたカバーパッド36と、更に、このカバーパッド36の外側を覆う表皮5とを有する。
【0024】
パッド35は、シートクッション排気ダクト14のエア排出孔14b…に接続する通気孔35a…を有し、シートスプリング34(図3参照)に取付けたものである。
パッド35の材質としては、ウレタンフォームが好適である。
【0025】
シートバック3は、シート形状を保持し、且つクッション体として作用するパッド43と、このパッド43の外側を覆う通気性を備えたカバーパッド44と、更に、このカバーパッド44の外側を覆う表皮6とを有する。
【0026】
パッド43は、シートバック排気ダクト15のエア排出孔15b…に接続する通気孔43a…を有し、シートスプリング42(図4参照)に取付けたものである。
パッド43の材質としては、ウレタンフォームが好適である。
【0027】
上記通気孔35aを通過したエアは、カバーパッド36内を通り、表皮5のエア吹出孔7…(図1参照)から吹出す。
この吹出されたエアによって、着座した人のでん部や脚部を暖めたり冷やしたりする。
【0028】
上記通気孔43aを通過したエアは、カバーパッド44内を通り、表皮6のエア吹出孔7…(図1参照)から吹出す。
この吹出されたエアによって、着座した人の腰部や背部を暖めたり冷やしたりする。
【0029】
以上に述べた温調風供給装置10の作用を次に説明する。
図6(a)〜(d)は本発明に係る温調風供給装置の作用を示す系統図であり、(a)は温度調整機構20を作動させ、且つシート1(図1参照)側への風量を絞った状態、(b)〜(d)は温度調整機構20を作動させずにシート1(図1参照)側への風量を第1・第2ダンパ13,16で調節した状態を示す。
【0030】
(a)において、第1ダンパ13は、熱交換器22,23のうち、熱交換器22側への風量が少なくなる角度に設定する。
ブロア12を作動させると、車室内のエアは、吸気口11から吸入され、ブロア12の下流に設けた第1ダンパ13で熱交換器22側へ少なく、熱交換器23側へ多く分流する。
この時のブロア12のエア吸入量をW1とする。
【0031】
一方のエアは、温度調整機構20の熱交換器22内を通る。
熱電素子21は、予め通電されて、熱を発生(又は熱を吸収)する。そして、この熱は熱交換器22でエアと熱交換する。
これによりエアは温風(又は冷風)となって、温度調整機構20の下流の第2ダンパ16で分流する。
【0032】
第2ダンパ16で分流した一方のエアは、シートクッション2(図2参照)に設けたシートクッション排気ダクト14のエア排出孔14b…から排出される。
この時のエア排出孔14b…からのエア排出量(風量)をW2とする。
他方のエアは、シートバック3(図2参照)に設けたシートバック排気ダクト15のエア排出孔15b…から排出される。
この時のエア排出孔15b…からのエア排出量(風量)をW3とする。
【0033】
また、第1ダンパ13を通過した他方のエアは、熱交換器23内を通る。
熱交換器23内では、熱電素子21の特性により、上記の発生した熱量と等しい熱量を熱交換する。
これにより、エアは冷風(又は温風)となって排気口17から車室内又は車室外へ排出される。
【0034】
上記したように、熱電素子21に通電して温度調整機構20を作動させ、且つ第1ダンパ13にてシート1(図1参照)側への風量を絞ることで、熱交換器22を通るエアの熱交換が促進し、十分に暖まった(又は冷えた)エアをシートクッション排気ダクト14やシートバック排気ダクト15から排出することができる。
また、上記第2ダンパ16の角度を変更することにより、風量W2,W3の割合を着座した人の好みに応じて適宜変更することができる。
【0035】
(b)において、第1ダンパ13を熱交換器22側へブロア12の全風量(エア吸入量W1に等しい)を供給するように一方へ倒す。
ブロア12を作動させると、車室内のエアは、吸気口11から吸入され、第1ダンパ13により温度調整機構20の熱交換器22内のみを通る。
【0036】
そして、熱電素子21に通電しないので、エアは、熱交換器22で熱交換せず、そのままの温度で第2ダンパ16で分流する。
第2ダンパ16で分流した一方のエアは、シートクッション2(図2参照)のシートクッション排気ダクト14のエア排出孔14b…から排出される。
この時のエア排出孔14b…からのエア排出量(風量)をW4とする。
【0037】
他方のエアは、シートバック3(図2参照)のシートバック排気ダクト15のエア排出孔15b…から排出される。
この時のエア排出孔15b…からのエア排出量(風量)をW5とする。
上記第2ダンパ16の角度を変更することにより、風量W4,W5の割合を着座した人の好みに応じて適宜変更することができる。
【0038】
(c)において、第1ダンパ13を熱交換器22側へブロア12の全風量W1を供給するように一方へ倒す。
ブロア12を作動させると、車室内のエアは、吸気口11から吸入され、第1ダンパ13により温度調整機構20の熱交換器22内のみを通る。
【0039】
そして、エアは、熱交換器22を通り、第2ダンパ16によってシートクッション2(図2参照)のシートクッション排気ダクト14のみに送られ、エア排出孔14b…から排出される。
この時のエア排出孔14b…からのエア排出量(風量)をW6とすると、W6=W1となり、シートクッション2(図5参照)から十分な送風を行わせることができる。
【0040】
(d)において、第1ダンパ13を熱交換器22側へブロア12の全風量W1を供給するように一方へ倒す。
ブロア12を作動させると、車室内のエアは、吸気口11から吸入され、第1ダンパ13により温度調整機構20の熱交換器22内のみを通る。
【0041】
そして、エアは、熱交換器22を通り、第2ダンパ16によってシートバック3(図2参照)のシートバック排気ダクト15のみに送られ、エア排出孔15b…から排出される。
この時のエア排出孔15b…からのエア排出量(風量)をW7とすると、W7=W1となり、シートバック3(図5参照)から十分な送風を行わせることができる。
【0042】
以上のように、温調風供給装置10を、ブロア12を一定最高速度で運転するブロア制御部52と、温度調整機構20の温調能力を制御する温度制御部54と、第1ダンパの角度を制御する主風量制御部56とから構成したことで、温調風供給装置10の温調制御を行うには、ブロア制御部52によってブロア12を一定最高速度で運転するとともに、温度制御部54によって温度調整機構20の温調能力を調節し、主風量制御部56によって第1ダンパ13の角度を変更して風量を調節する。即ち、ブロア12を一定最高速度で運転するので、ブロア12制御部52は簡単なものでよく、また、ブロア12による風量が多くなるので、温度調整機構20を大量のエアが通過するため、温調風供給装置10の熱交換効率を大きくすることができ、且つ温度調整機構20の加熱又は冷却能力を小さくすることができるため、温度調整機構20の消費電力を抑えることができる。
【0043】
また、主風量制御部56を、温度調整機構20を作動させないときに、第1ダンパ13をブロア12の全風量をシート1(図1参照)のエア吹出孔7へ供給する角度に制御するものとしたことで、シート1(図1参照)のエア吹出孔7から十分なエアを吹出すことができ、シート1(図1参照)に着座した人の汗等を急速に乾燥させることができる。
【0044】
また、図2に示したように、中間ダクト18の第1管部18aと第2管部18bとの分岐位置に第2ダンパ16を設けたため、第2ダンパ16を中間位置にすることで、エアをシートクッション2及びシートバック3の両方に流すことができる。
【0045】
更に、第2ダンパ16をシートクッション2側又はシートバック3側に倒して一方の側を閉じることで、エアをシートクッション2又はシートバック3の他方に流すことができる。
【0046】
図7は本発明に係る温調風供給装置の温調制御を示すフロー図であり、ステップ番号ST××の順に説明する。(なお、符号は図2を参照)
ST01……ブロア12を始動させる。
ST02……ブロア12を一定最高回転数で運転する。
【0047】
ST03……エア排出孔14b…,15b…から吹出すエアの温度、風量及びエア排出孔14b…とエア排出孔15b…との風量割合を温度風量設定手段62で設定する。(吹出すエアの設定温度として、例えば、T1℃とし、制御する温度範囲としてはT1±α℃(αは正の値)とする。また、設定風量として、例えば、W1リットル/hourとする。)
【0048】
ST04……温度センサ61による検出温度を、例えばT2℃とし、また、設定温度T1℃によって温度調整機構20を作動させるかどうかの境界温度をTB℃として、|T2−T1|≧TBかどうかを判断する。
もし、|T2−T1|≧TBならば(YES)、ST05に進む。
もし、|T2−T1|≧TBでないならば(NO)、ST06に進む。
【0049】
ST05……設定風量W1リットル/hourによって温度調整機構20を作動させるかどうかの境界風量をWBリットル/hourとして、W1<WBかどうかを判断する。
W1<WBでないならば(NO)、ST06に進む。
W1<WBならば(YES)、ST08に進む。
【0050】
ST06……第1ダンパ13を所定角度θA=θ3に設定する。
ST07……第2ダンパ16を所定角度θB=θ4に設定する。この後、ST14に進む。
ST08……熱電素子21に所定電力を供給する。
ST09……第1ダンパ13を所定角度θA=θ1に設定する。
ここで、θ1<θ3である。
ST10……第2ダンパ16を所定角度θB=θ2に設定する。
【0051】
ST11……(T1−α)℃≦T2℃≦(T1+α)℃かどうか、即ち、検出温度T2℃が設定温度範囲T1±α℃内にあるかどうか判断する。
もし、(T1−α)℃≦T2℃≦(T1+α)℃でないならば(NO)、ST12に進む。
もし、(T1−α)℃≦T2℃≦(T1+α)℃ならば(YES)、ST13に進む。
【0052】
ST12……熱電素子21への電力供給を調節する。また、第1ダンパ13の角度を変更し、風量を調節する。
この後、ST11に戻る。
ST13……熱電素子21への電力供給を停止する。
ST14……ブロア12を停止させる。
【0053】
尚、本発明の図6(a)に示した実施の形態では、第1ダンパ13を熱交換器22側へ倒し、熱交換器22へ流れるエアの量を少なくしたが、熱電素子21の加熱又は冷却能力が大きな場合には、これに限るものではなく、ブロア12を一定最高回転数で運転させつつ、設定温度、設定風量を満足させるように第1ダンパ13の角度を大きく変更しても差し支えない。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の自動車シート用空調装置は、自動車シート用空調装置を、送風機を一定最高速度で運転する送風機制御部と、シート温調手段の温調能力を制御する温度制御部と、風量調節ダンパの角度を制御するダンパ制御部とから構成し、ダンパ制御部を、シート温調手段を作動させないときに、風量調節ダンパを送風機の全風量をシートのエア吹出孔へ供給する角度に制御するので、自動車シート用温調装置の温調制御を行うには、送風機制御部によって送風機を一定最高速度で運転するとともに、温度制御部によってシート温調手段の温調能力を調節し、ダンパ制御部によって風量調整ダンパの角度を変更して風量を調節する。即ち、送風機を一定最高速度で運転するので、送風機制御部は簡単なものでよく、また、送風機による風量が多くなるので、シート温調手段を大量のエアが通過するため、自動車シート用温調装置の熱交換効率を大きくすることができ、且つシート温調手段の加熱又は冷却能力を小さくすることができるため、シート温調手段の消費電力を抑えることができる。
【0055】
ダンパ制御部を、シート温調手段を作動させないときに、風量調節ダンパを送風機の全風量をシートのエア吹出孔へ供給する角度に制御するものとしたので、シートのエア吹出孔から十分なエアを吹出すことができ、シートに着座した人の汗等を急速に乾燥させることができる。
【0056】
請求項2の自動車シート用空調装置は、シートを着座部と背当て部とで構成し、これら着座部及び背当て部のそれぞれのエア吹出孔へシート温調手段の下流側からエアを送るダクトを分岐させ、このダクトの分岐位置に着座部側及び背当て部側へ流れるエアを分配する分配ダンパを設けたので、分配ダンパを中間位置にすることで、エアを着座部及び背当て部の両方に流し、また、分配ダンパを着座部又は背当て部側に倒して片方の側を閉じることで、エアを着座部又は背当て部の一方に流すことができ、着座した人の好みに応じて分配する風量を細かく変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用シートの斜視図
【図2】本発明に係る自動車用シートの温調風供給装置を示す系統図
【図3】本発明に係るシートクッションの平面図
【図4】本発明に係るシートバックの正面図
【図5】本発明に係るシートの縦断面図
【図6】本発明に係る温調風供給装置の作用を示す系統図
【図7】本発明に係る温調風供給装置の温調制御を示すフロー図
【符号の説明】
1…シート、2…着座部(シートクッション)、3…背当て部(シートバック)、7…エア吹出孔、10…自動車用シート空調装置(温調風供給装置)、12…送風機(ブロア)、13…風量調整ダンパ(第1ダンパ)、16…分配ダンパ(第2ダンパ)、18…ダクト(中間ダクト)、20…シート温調手段(温度調整機構)、52…送風機制御部(ブロア制御部)、54…温度制御部、56…ダンパ制御部(主風量制御部)。
Claims (2)
- シートに開けたエア吹出孔へ車室内のエアを圧送する送風機と、この送風機から前記エア吹出孔までの間で圧送中のエアを加熱又は冷却するシート温調手段と、これら送風機及びシート温調手段との間にシート温調手段への風量を調節するために設けた風量調節ダンパとを備えた自動車シート用空調装置において、
この自動車シート用空調装置は、前記送風機を一定最高速度で運転する送風機制御部と、シート温調手段の温調能力を制御する温度制御部と、風量調節ダンパの角度を制御するダンパ制御部とを備え、
前記ダンパ制御部は、シート温調手段を作動させないときに、前記風量調節ダンパを送風機の全風量をシートのエア吹出孔へ供給する角度に制御するものであることを特徴とする自動車シート用空調装置。 - 前記シートを着座部と背当て部とで構成し、これら着座部及び背当て部のそれぞれのエア吹出孔へシート温調手段の下流側からエアを送るダクトを分岐させ、このダクトの分岐位置に着座部側及び背当て部側へ流れるエアを分配する分配ダンパを設けたことを特徴とする請求項1記載の自動車シート用空調装置。
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