JP3709356B2 - 折畳型携帯電話機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は折畳型携帯電話機に係り、特に上側筐体部と下側筐体部とを不使用時は閉じた折畳状態とし、使用時は開状態とする折畳型携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の携帯電話機は電子メールや着信メロディ、ブラウザ等の多彩な機能が搭載されている。また、携帯電話機においては、折畳機構が、表示部を大きくすることが可能であることや、折り畳むことにより携帯性を高め得るなどの理由から採用されている。この折畳機構を採用した折畳型携帯電話機では、上側筐体部と下側筐体部とがヒンジ機構により開閉される構造とされており、通常、上側筐体部の内側面には受話用スピーカや表示部(ディスプレイ)が配置され、下側筐体部の内側面には、例えば送話用マイクや各種操作キーが配置されているため、不使用時には上側筐体部と下側筐体部の各内側面を密接させた折畳状態とし、使用時に上側筐体部と下側筐体部とを離間させた開状態としている。
【0003】
一方、携帯電話機では近年、益々機能が増加する傾向にあり、この機能増加に伴い機能選択に必要なキー操作が増加している。特に小型な携帯電話機では設置できるキー数が限られているため、必然的にメニューが多様、多層化されて操作の手順数が増加している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、折畳型携帯電話機では、小型・軽量化が要求されるために、装置筐体を大きくできず、近年の多彩な機能を実現するためには、少ないキー数で多様な操作を行う必要があり、操作が煩雑で面倒であり、また誤操作の可能性も高いという問題がある。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、必須操作である開閉操作に機能選択操作を付加することにより、機能選択の簡易化を実現し得る折畳型携帯電話機を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、操作性の良好な多機能の折畳型携帯電話機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、内側面に少なくともディスプレイが配置された上側筐体部と、内側面に少なくともダイヤル入力や機能選択のための各種キーが配置された下側筐体部とが、各々の端部で回動自在に回動機構により結合され、上側筐体部と下側筐体部の各内側面が密接した折畳状態か、各内側面が離間した開状態のいずれかとされる折畳型携帯電話機において、上側筐体部と下側筐体部とが折畳状態か開状態かを検出して開閉検出信号を出力する開閉検出手段と、折畳状態でも操作可能な位置に配置されたスイッチと、使用可能な全機能のうち、予め所望の機能を制限する機能制限状態に設定する機能制限手段と、折畳状態か開状態かのいずれであるかの開閉状態とスイッチの操作の有無状態の組み合わせに対応して状態を4種類に分類し、4種類の分類を重複を許して任意の順番で選択された任意の数の分類からなる分類列と分類列を構成する分類の数を記憶する記憶手段と、開閉検出手段からの開閉検出信号とスイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号とを入力として受け、現在の状態が4種類の分類のいずれであるか判定することを繰り返して得られる分類列及び分類列を構成する分類の数と、記憶手段に記憶されている分類列及び分類列の数とを比較照合して、一致するとき機能制限手段による機能制限状態を解除する機能制限解除手段とを有する構成としたものである。
【0012】
この発明では、ユーザが予め設定した機能制限状態を、ユーザが決定して記憶手段に記憶されている分類列と同じ分類列が入力されるように、開閉操作及びスイッチ操作を行わない限り、機能制限状態が解除されないようにできる。
【0013】
ここで、上記の記憶手段は、分類列が得られるように、実際に折畳状態又は開状態とする開閉操作を繰り返して得られた分類列と、開閉操作の操作回数とを共に記憶部に記憶する手段であることを特徴とする。
【0014】
また、記憶手段は、4種類の分類をメニュー選択により選択された分類を選択順に、かつ、選択数を分類列と分類列を構成する分類の数として記憶部に記憶する手段であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上記の目的を達成するため、内側面に少なくともディスプレイが配置された上側筐体部と、内側面に少なくともダイヤル入力や機能選択のための各種キーが配置された下側筐体部とが、各々の端部で回動自在に回動機構により結合され、上側筐体部と下側筐体部の各内側面が密接した折畳状態か、各内側面が離間した開状態のいずれかとされる折畳型携帯電話機において、上側筐体部と下側筐体部とが折畳状態か開状態かを検出して開閉検出信号を出力する開閉検出手段と、折畳状態でも操作可能な位置に配置されたスイッチと、折畳状態か開状態かのいずれであるかの開閉状態とスイッチの操作の有無状態の組み合わせに対応して状態を4種類に分類し、4種類の分類を重複を許して任意の順番で選択された任意の数の分類からなる分類列と分類列を構成する分類の数を、予め用意された複数種類の機能設定のうち選択した機能設定に対応させて記憶する記憶手段と、開閉検出手段からの開閉検出信号とスイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号とを入力として受け、折畳状態及び開状態のいずれであるかの開閉判定と、スイッチの操作の有無判定とを行う開閉・スイッチ操作判定手段と、開閉・スイッチ操作判定手段の判定結果を入力として受け、折畳状態及び開状態のいずれであるかの開閉判定と、スイッチの操作の有無判定とを行う開閉・スイッチ操作判定手段と、開閉・スイッチ操作判定手段の判定結果を入力として受け、現在の状態が4種類の分類のいずれであるか判定することを繰り返して得られる分類列及び分類列を構成する分類の数と、記憶手段に記憶されている分類列及び分類列の数とを比較照合して、一致するとき記憶手段に記憶された分類列に対応する選択した機能設定に切り替える機能設定切替手段とを有する構成としたものである。
【0016】
この発明では、予め用意された複数種類の機能設定のうち、ユーザが決定して記憶手段に記憶されている分類列と同じ分類列が入力されるように、開閉操作及びスイッチ操作を行うことにより、入力した分類列に対応する機能設定に切り替えることができる。
【0017】
ここで、上記の機能設定切替手段は、記憶手段に同一の分類列に対応して異なる複数の機能設定が記憶されているときには、比較照合により同一の分類列に一致する毎に、複数の機能設定を順次巡回的に切り替えることを特徴とする。
【0018】
また、上記の機能設定切替手段は、記憶手段に記憶する複数の機能設定として、ディスプレイの電源オフ及び各種キーのキー入力を無効とする折畳モードと、すべての機能が使える通常モードと、予めユーザが任意に設定した任意モードのうちの少なくとも一つのモードを含むことを特徴とする。
【0019】
また、上記の機能設定切替手段は、記憶手段に分類列に対応して機能設定として所望の機能を制限する機能制限が記憶されているときには、比較照合により記憶手段に記憶されている分類列に一致する毎に、機能制限の設定と機能制限の設定解除とを交互に切り替えることを特徴とする。
【0020】
更に、本発明は、上記の開閉・スイッチ操作判定手段を、開閉検出手段からの開閉検出信号が変化した時点の、スイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号の論理値に基づいて、折畳状態及び開状態のいずれであるかの開閉判定と、スイッチの操作の有無判定とを行うことを特徴とする。この発明では、開閉判定とスイッチ操作の有無判定を確実に行うことができる。
【0021】
また更に、本発明は、上記の開閉・スイッチ操作判定手段を、開閉検出手段からの開閉検出信号が変化した時点から予め任意に設定された時間内の、スイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号の論理値に基づいて、折畳状態及び開状態のいずれであるかの開閉判定と、スイッチの操作の有無判定とを行うことを特徴とする。この発明では、ユーザが任意に設定した時間内にスイッチ操作を行うことにより、開閉判定とスイッチ操作の有無判定とを行う。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる折畳型携帯電話機の一実施の形態の概略外観斜視図、図2は本発明になる折畳型携帯電話機の一実施の形態のブロック図を示す。両図中、同一構成部分には同一符号を付してある。図1に示すように、本実施の形態の折畳型携帯電話機1は、下側筐体部2と上側筐体部3とが、各々の端部でヒンジ機構4により回動自在に結合され、互いの内側面が密接する折畳状態(閉状態)又は互いに所定角度間隔離れる開状態となるように構成されている。
【0023】
下側筐体部2の上側筐体部3と密接する内側表面には、ダイヤル入力等に用いる数字キーと機能選択のためのメニューキー等の各種キーからなるボタンスイッチ7と送話用マイク12が配置されており、また折畳状態でも押下可能なように側面にスイッチ9が形成されており、更に下側筐体部2の内部には図2に示す制御全般を行う中央処理装置(CPU)6、図示しない基地局との間で無線通信を行う無線部10及びデータの記憶読み出し、プログラムの記憶を行うメモリ11などが設けられている。また、上側筐体部3は、下側筐体部2と対向する内側面に、情報表示用のディスプレイ8と受話用スピーカ13が配置されている。なお、無線部10には音声信号の変復調部も含まれている。
【0024】
また、下側筐体部2又は上側筐体部3には下側筐体部2と上側筐体部3とが閉じた折畳状態か、開いた開状態のいずれかであるかを検出する図2に示す開閉検出回路5が設けられている。この開閉検出回路5としては、例えば上側筐体部3の所定位置に固定された磁石と、その磁石の磁界の有無を検出する下側筐体部2に設けられているセンサとから構成されており、折畳状態では上記の磁石がセンサに最も近接することから磁石の磁界を検出できるので折畳状態と検出でき、一方開状態では上記の磁界を検出できないことから開状態と検出できる。
【0025】
折畳型携帯電話機1は、電話機本体を下側筐体部2と上側筐体部3とで分割し、これらをヒンジ機構4で連結することにより折畳可能な構成としており、使用時は開いて使用し、未使用時は折り畳んでいる。この開閉状態に合わせて、折畳型携帯電話機1はモード切替を行っている。
【0026】
また、開閉検出回路5は、下側筐体部2と上側筐体部3との開閉状態を検出する回路で、下側筐体部2と上側筐体部3との内側面が密接対向した折畳状態では、折畳状態を示す論理値の開閉検出信号を図2のCPU8へ送出し、下側筐体部2と上側筐体部3とが所定角度離間した開状態では、開状態を示す論理値の開閉検出信号をCPU8へ送出する。CPU8は、この開閉検出信号の論理値に基づき、折畳型携帯電話機1のモードを切り替えている。
【0027】
開閉状態によるモードは従来の折畳型携帯電話機の場合、開状態と折畳状態で2種類のモードを切り替えている。すなわち、従来は開状態では発着信、電子メール等の殆どの機能が使えるモード(以下、「通常モード」という)に切り替え、折畳状態ではディスプレイ8の電源オフ、ボタンスイッチ7のキー機能を無効やキー機能切り替えをしたモード(以下、「折畳モード」という)にして開閉の状態に合わせてモードを切り替えている。なお、通常モードの動作は、携帯電話機では周知であり、また本発明の要旨ではないので、その説明は省略する。
【0028】
これに対し、本発明の第1の実施の形態では、開閉操作時にスイッチ9の操作の有無を判断することでモード切替の条件判断を1つ増やし、これにより開閉時のモード切替を従来の折畳型携帯電話機の開状態時の通常モードと折畳状態時の折畳モードの2つだけでなく、スイッチ9の操作の有無によって他のモードを選択することができるようにしたものである。
【0029】
すなわち、第1の実施の形態では、開閉操作とスイッチ9の操作により、(1)折畳状態のときの折畳モード、(2)スイッチ9を押下せずに開状態のときの通常モード、及び(3)スイッチ9を押下し、かつ、開状態のときの任意モードの、計3種類のモード切替を可能としている。
【0030】
次に、第1の実施の形態の動作について説明する。まず、スイッチ9を操作する(押下する)と共に、開状態としたときに設定される任意モードを折畳型携帯電話機1に予め設定する。この任意モードは、ユーザが任意に選択することができ、「発着信不可モード」、「電子メールモード」、「簡易操作モード」等から1つ選択する。これらの任意モードについては後述する。
【0031】
次に、開状態から折畳状態に変更した時の本実施の形態の動作について、図3のフローチャートを併せ参照して説明する。通常モード、任意モードに拘らず、折畳型携帯電話機1が開状態にある場合、開閉検出回路5は開状態を示す開閉検出信号をCPU6へ送出している。この開状態の折畳型携帯電話機1の上側筐体部3を下側筐体部2と密接するように閉じて折畳状態とすると(ステップA1)、開閉検出回路5は下側筐体部2と上側筐体部3とが閉じたことを検出し(ステップA2)、折畳状態を示す開閉検出信号をCPU6に送出する(ステップA3)。CPU6は、入力された開閉検出信号が開状態を示しているかどうか判定し(ステップA4)、ここでは開状態を示していないので、折畳状態と判断して折畳モードとする(ステップA5)。
【0032】
次に、折畳状態から開状態に変更した場合の本実施の形態の動作について図3のフローチャートを併せ参照して説明する。折畳型携帯電話機1が折畳状態にあるとき、開閉検出回路5からの折畳状態を示す開閉検出信号がCPU6に送出されており、これによりCPU6は折畳型携帯電話機1を折畳モードの状態にしている。この折畳状態の折畳型携帯電話機1の上側筐体部3を開くと(ステップA1)、開閉検出回路5は下側筐体部2と上側筐体部3とが離れたことを検出し(ステップA2)、開状態を示す開閉検出信号をCPU6に送出する(ステップA3)。
【0033】
CPU6は、入力された開閉検出信号が開状態を示しているかどうか判定し(ステップA4)、ここでは開状態を示しているので、次にスイッチ9の押下の有無状態を、スイッチ9から供給されるスイッチ操作信号の論理値に基づいて検出する(ステップA6)。CPU6は、スイッチ9の押下の有無に応じて2種類のモードの一方モードに設定する。
【0034】
すなわち、図4(A)に示すようにスイッチ9が押下なしの状態で、同図(B)に示すように開閉検出信号が開状態に変化したときには、CPU6は折畳型携帯電話機1を通常モードに変更する(ステップA7)。一方、図4(C)に示すようにスイッチ9が押下状態にあるときに、同図(D)に示すように開閉検出信号が開状態に変化したときには、CPU6は折畳型携帯電話機1を任意モードに変更する(ステップA8)。なお、任意モードの内容、動作については後述する。
【0035】
なお、上記の例では、開閉検出信号が変化した瞬間のスイッチ9の押下状態で状態を判定しているが、他の判定方法として、開閉検出信号が変化してからスイッチ9の押下までのタイミングをユーザが任意に判定する方法がある。この場合、開閉検出信号の変化から任意の時間内にスイッチ9が押下されれば、開閉状態変化時にスイッチ9を押下したものとして判定する。このときの時間はユーザが任意に設定する。
【0036】
次に、任意モードの内容、動作について説明する。この任意モードは、前述したように、スイッチ9を押下した状態で開状態にした場合に、設定されるモードである(図3のステップA8)。その内容は、「発着信不可モード」、「簡易操作モード」及び「任意メニューモード」等の中からユーザが任意に選択することができる。
【0037】
「発着信不可モード」は、折畳型携帯電話機1の無線部10の無線通信機能を停止して電話やメールの発着信を不可能にするモードである。これは電波圏外の携帯電話機と同様の状態である。この発着信不可モードを使用すると、病院などの電波の影響が考えられるために、携帯電話機の使用が禁止されている場所や、電車、バスなどのマナー上携帯電話機の使用が望まれていない場所でも落ち着いて電子メールの閲覧や作成を行うことができる。
【0038】
発着信不可モードに変更されると、CPU6は無線部10の無線通信機能を停止する。これにより、折畳型携帯電話機1は無線通信ができず、圏外状態となり、発着信やメール送受信等が不可能になる。また、この発着信不可モード中の開状態から折畳状態に変更すると、折畳型携帯電話機1は折畳モードに変更される(図3のステップA1〜A5)。
【0039】
次に、「簡易操作モード」は、電子メールやブラウザ機能を使用不可能にして、電話としての基本的な機能のみを使用可能とするモードである。このモードは、現在の多機能化した携帯電話機を使いこなせない子供や老人などが電話以外の機能を気にせず気軽に使えることを目的とする。また、基本的な機能のみに制限することにより、所有者以外の第三者による携帯電話機内に記録されている電話番号等の個人情報の閲覧を防ぐことができる。
【0040】
また、簡易操作モードに変更されると、CPU6は発信、着信操作に必要ないキー(数字キー、発信キー、着信キー以外のボタンスイッチ)のオン/オフ動作を停止する。停止後はこれらのキー押下が無効になり、発信、着信操作に必要なキー(数字キー、発信キー、着信キー)のオン/オフ操作しかできないようになる。これにより、折畳型携帯電話機1は、電話番号をキー入力した発信操作と着信応答操作のみが可能な状態になる。この状態が簡易操作モードである。また、この簡易操作モード中の開状態から折畳状態に変更すると、折畳型携帯電話機1は折畳モードに変更される(図3のステップA1〜A5)。
【0041】
次に、「任意メニューモード」は、任意の機能を選択した状態で起動するモードである。このモードでは、従来キー操作によってメニュー選択していた機能(電子メールや着信メロディ等)を任意メニューモード起動時の初期画面に予め設定しておき、任意メニューモードに変更した時の初期画面にその設定した機能を選択した状態で起動する。この任意メニューモードでは、起動時の状態以外は通常モードと同様である。
【0042】
任意メニューモードは開状態に変更したときの初期画面を任意に設定できるので、通常モードの初期画面からキー操作で目的の機能(電子メールや着信メロディ等)を選択する従来の場合に比べて操作数を減少することが可能となる。この任意メニューモードでは、まず、モード起動時の初期画面にしたい機能を図2に示したメモリ11に記憶しておく。この初期画面に設定する機能はユーザが任意に選択する。スイッチ9を押下した状態で開状態にしたことにより、選択メニューモードに変更されると、CPU6はメモリ11に記憶されたモード起動時の初期画面の設定情報を読み込み、設定した機能を選択した状態で起動する。初期画面以外の動作は通常モードと同様である。
【0043】
このように、本実施の形態によれば、開動作時のスイッチ9の操作により、開状態時のモードを選択することが可能となり、これにより折畳型携帯電話機の必須操作である折畳の開閉動作に折畳型携帯電話機のモード選択の操作を付加することができ、従来の折畳型携帯電話機では開状態とした後のキー操作によってメニュー選択を行ってモード選択を行っていたことに比べて、本実施の形態では開閉操作時にモード選択ができるので、選択の手順軽減、簡易化が可能となり、また、ユーザがモードを任意に選択できるので個人に合わせた環境を設定でき、更に、特定の開閉操作とスイッチ操作で使用可能な機能を付加することにより、簡単なセキュリティ機能が可能となる。
【0044】
上記の第1の実施の形態では、折畳型携帯電話機1の開閉状態及びスイッチ9の押下の有無により、3つのモードのいずれかに切り替えるようにしているが、本発明はモード切替だけでなく、携帯電話機のあらゆる機能、ファンクションメニュー、設定メニュー等の切り替えや機能制限の設定・解除が可能であり、その例として以下に、本発明の第2及び第3の実施の形態として説明する。
【0045】
本発明の第2の実施の形態では、通常時の折畳型携帯電話機1を「発信不可(着信のみ)」、「電話帳使用不可」といった機能制限状態におき、折畳型携帯電話機1の開閉操作とスイッチ9の押下を特定の手順で行うことにより機能制限を解除できるようにしたものである。
【0046】
この第2の実施の形態では、折畳型携帯電話機1の折畳状態時に操作可能なスイッチ9を、開閉操作時に押下することでモード切替の条件判断を従来に比べて1つ増やし、開閉検出回路5の出力する開閉状態を示す2種類の開閉検出信号をスイッチ9の押下状態により4種類に分類する。この4種類に分類した開閉検出信号を開閉・スイッチ操作の情報として使用し、この情報を記録し、照合することにより、機能制限した折畳型携帯電話機1の機能制限解除のパスワードとして用いる。これにより、折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ操作をパスワードとしたセキュリティ機能が可能となる。
【0047】
まず、本実施の形態における折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ操作による開閉検出信号の分類について図5のフローチャートと共に説明する。折畳型携帯電話機1の開閉又はスイッチ9の操作を行うと(ステップB1)、開閉検出回路5から開状態又は折畳状態を示す論理値の開閉検出信号が送出される(ステップB2)。図2に示した折畳型携帯電話機1のCPU6は、この開閉検出信号が開状態の論理値であるかどうか判定し(ステップB3)、開状態ではなく折畳状態の論理値を示しているときには、スイッチ9が押下されたかどうか判定する(ステップS4)。スイッチ9が押下されているときには、W1に分類し(ステップS5)、スイッチ9が押下されていないときには、W2に分類する(ステップS6)。
【0048】
一方、ステップB3で開閉検出信号が開状態の論理値を示していると判定したときには、CPU6は、スイッチ9が押下されたかどうか判定する(ステップS7)。スイッチ9が押下されているときには、W3に分類し(ステップS8)、スイッチ9が押下されていないときには、W4に分類する(ステップS9)。以上をまとめると、CPU6は(1)折畳状態でスイッチ9押下;W1、(2)折畳状態でスイッチ押下なし;W2、(3)開状態でスイッチ9押下;W3、(4)開状態でスイッチ9押下なし;W4の計4種類の分類のうちのいずれか一種類の分類を検出する。
【0049】
上記の4種類の分類は、図6のタイムチャートでも示すことができる。図6(B)、(D)に示すように開閉検出信号が開状態を示すHレベルから折畳状態を示すLレベルに変化した時、スイッチ9が図6(A)に模式的に示すように既に押下されているときには、W1に分類され、同図(C)に模式的に示すようにスイッチ9が押下されていないときには、W2に分類される。
【0050】
一方、図6(F)、(H)に示すように開閉検出信号が折畳状態を示すLレベルから開状態を示すHレベルに変化した時、スイッチ9が図6(E)に模式的に示すように既に押下されているときには、W3に分類され、同図(G)に模式的に示すようにスイッチ9が押下されていないときには、W4に分類される。
【0051】
なお、上記の説明では、開閉検出信号の論理値(レベル)が変化した瞬間の、スイッチ9の押下の有無により状態を分類しているが、他の方法として、開閉検出信号の論理値(レベル)が変化してからスイッチ9の押下までのタイミングをユーザが任意に設定する方法がある。この場合、開閉検出信号の変化から任意の時間内にスイッチ9が押下されれば、開閉状態変化時にスイッチ9を押下したものとして判定する。このときの時間はユーザが任意に決定する。
【0052】
次に、第2の実施の形態の動作について、図7のフローチャートを併せ参照して説明する。まず、機能制限の内容と機能制限を解除するための開閉・スイッチの特定操作を折畳型携帯電話機1のメモリ11に記録する(ステップC1)。機能制限の内容は「発信不可(着信のみ)」、「電話帳使用不可」といった内容をユーザが任意に決定する。
【0053】
また、機能制限解除操作も、任意にユーザが決定する。機能制限解除操作の記録手段は2種類あり、一つは実際に開閉・スイッチ操作を行い、その操作情報をメモリ11に記録して、その記録を機能制限解除操作として設定する方法、もう一つはメニュー選択により機能制限解除操作を設定する方法である。この機能制限解除操作のメモリ11への記録、登録方法については後述する。
【0054】
機能制限内容、機能制限解除操作をメモリに記憶した後(ステップC1)、CPU6は機能制限を開始すると(ステップC2)、折畳型携帯電話機1は機能制限状態に変更され、開閉検出回路5からの開閉検出信号の情報をメモリ11に記録開始する(ステップC3)。機能制限開始後、折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ操作を行うと(ステップC4)、開閉検出回路5から開閉検出信号がCPU6へ送出される(ステップC5)。
【0055】
CPU6は、この開閉検出信号が開状態の論理値であるかどうか判定し(ステップC6)、開状態ではなく折畳状態の論理値を示しているときには、スイッチ9が押下されたかどうか判定し(ステップC7)、スイッチ9が押下されているときには、W1に分類し(ステップC8)、スイッチ9が押下されていないときには、W2に分類する(ステップC9)。一方、ステップC6で開閉検出信号が開状態の論理値を示していると判定したときには、CPU6は、スイッチ9が押下されたかどうか判定し(ステップC10)、スイッチ9が押下されているときには、W3に分類し(ステップC11)、スイッチ9が押下されていないときには、W4に分類する(ステップC12)。
【0056】
上記の4種類の分類のうち、現在の開閉状態及びスイッチ9の押下の有無に応じて決定された一つの分類をCPU6はメモリ11に記録する(ステップC13)。この記録は、開閉操作を行う毎に蓄積される。ただし、蓄積記録は機能制限解除操作と同じ操作回数分だけ行われる。例えば、機能制限解除操作が「→閉→開→閉」の3回の操作であった場合、メモリ11には最新3回分の情報だけ記録され、4回目の情報は消去される。
【0057】
この記録は、機能制限解除操作として記録した情報と開閉操作を行う毎に照合され(ステップC14)、記録が機能制限解除操作と一致した場合、CPU6は折畳型携帯電話機1の機能制限を解除して(ステップC15)、処理を終了する。記録が機能制限解除操作と一致しない場合は、機能制限状態のまま引き続き開閉操作時の開閉検出信号変化の記録、照合を繰り返す(ステップC4〜C14)。
【0058】
また、開閉操作解除操作を忘れた場合のため、文字入力でのパスワード入力による機能制限解除機能を付加する。この第2の実施の形態により、機能制限解除操作を知らないユーザによる折畳型携帯電話機の使用を制限することが可能となる。また、機能制限を「発信不可(着信のみ)」に設定しておくことにより、所有者以外の第三者による折畳型携帯電話機の悪用を防ぐことができる。また、「電話帳使用不可」に設定しておくことにより、所有者以外の第三者が携帯電話機に記録した電話番号の閲覧を防ぐことができる。
【0059】
次に、図7のステップC1の機能制限解除操作の記録、登録方法について詳細に説明する。機能制限解除操作の記録手段は2種類あり、一つは実際に開閉・スイッチ操作を行って操作情報をメモリ11に記録し、その記録を機能制限解除の操作として設定する方法、もう一つはメニュー選択により機能制限解除操作を選択する方法がある。
【0060】
まず、一つ目の実際に開閉・スイッチ操作を行う、その操作記録を機能制限解除の操作として記録する場合について図8のフローチャートと共に説明する。まず、機能制限解除操作の記録を開始する(ステップD1)。記録開始後、折畳型携帯電話機1の開閉、スイッチ9の操作を行うと(ステップD2)、開閉状態の変化に伴い、開閉検出回路5から送出される開閉検出信号の論理値が変化する(ステップD3)。
【0061】
CPU6は、この開閉検出信号の論理値が開状態及び折畳状態のどちらを示しているかを判定し(ステップD4)、その判定結果とスイッチ9が押下されているか否かを示すスイッチ9からの信号とに基づいて、前述のように4種類の分類W1、W2、W3及びW4のいずれか一つに分類してその分類をメモリ11に記録する(ステップD5〜D11)。このとき、操作回数もメモリ11に記録される(ステップD12)。
【0062】
以上の処理は記録終了の操作を行うまで開閉操作を行う毎に繰り返し行われ(ステップD13、D2〜D12)、メモリ11に操作回数と共に記録される。記録終了後、この記録は機能制限解除操作としてメモリ11に登録される(ステップD14)。これにより、例えば、スイッチ9未押下で、1回折畳状態から開状態とした後、スイッチ9押下で1回折畳状態から開状態操作を行った場合、次のように記録される。すなわち、開状態→「閉、スイッチ9未押下(W2)」→「開、スイッチ9未押下(W4)」→「閉、スイッチ9押下(W1)」→「開、スイッチ9押下(W3)」である。この記録方法では、折畳型携帯電話機1は記録開始、終了時は必ず開状態にある。
【0063】
次に、メニュー選択により機能制限解除操作を設定する方法について説明する。この方法では、折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ9操作による4種類の分類(前述のW1、W2、W3、W4)をメモリ11に予め登録しておき、ユーザがメニュー操作で4種類の分類パターンを組み合わせて機能制限解除操作として登録する。
【0064】
この方法では、スイッチ9を押下したまま、2度開閉操作をすると(最初は折畳状態の場合)、メモリ11には次のように登録がされる。すなわち、折畳状態→「開、スイッチ9押下(W3)」→「閉、スイッチ9押下(W1)」→「開、スイッチ9押下(W3)」→「閉、スイッチ9押下(W1)」である。また、メモリ11には開閉操作回数4回も記録される。
【0065】
この第2の実施の形態の機能制限解除の対象となる機能(機能制限時に制限される機能)は、下記の通りである。
【0066】
(1)無線制限
「発信不可」:電話の発信を不可能にする。
「着信応答不可」:着信時の応答を不可能にする。
「着信不可」:着信不可制限中は着信通知があっても応答しない。圏外での着信時と同様の状態になる。
「データ送受信不可」:ブラウザ機能、電子メールの送受信を不可能にする。
「無線不可」:携帯電話機の無線機能を停止して、圏外と同様の状態にする(第1の実施の形態の発着信不可モードと同様の状態)。
【0067】
(2)情報閲覧制限
「電話帳使用不可」:折畳型携帯電話機に記録されている電話帳の閲覧を不可能にする。
「発信履歴使用不可」:発信履歴の閲覧を不可能にする。
「着信履歴使用不可」:着信履歴の閲覧を不可能にする。
【0068】
(3)操作制限
「キー使用不可」:任意のキー(ただし、スイッチ9を除く)を使用不可能にする。例えば、数字キー、発信キー、着信キー以外のキーを使用不可に設定すると、ダイヤル入力による発信と着信応答のみが可能な状態となる(第1の実施の形態の簡易操作モードと同様の状態)。
【0069】
このように、第2の実施の形態では、上記の各種の機能制限の中からユーザが任意に設定する。これらの機能制限を組み合わせた機能制限も可能である。
【0070】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、折畳型携帯電話機1の機能設定を複数種類(例えば、通話音量や待ち受け画面の設定、着信音、マナーモード等の設定)用意し、折畳型携帯電話機1の開閉操作とスイッチ9の押下を特定の手順で行うことにより機能設定を切り替えできるようにしたものである。
【0071】
この第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、折畳型携帯電話機1の開閉状態とスイッチ9の押下の有無に応じた4種類の分類を使用し、この分類情報を記録、照合することにより、折畳型携帯電話機の機能設定の切り替えに使用する。すなわち、折畳型携帯電話機1の設定を、特定の手順で行うことにより切り替えることが可能である。
【0072】
一例として、内容の異なる3種類の機能設定と、その機能設定毎に対応する開閉・スイッチ操作の手順を用意しておき、それを機能設定▲1▼〜▲3▼、開閉・スイッチ操作▲1▼〜▲3▼とすると、折畳型携帯電話機1において開閉・スイッチ操作手順▲1▼を行うと機能設定▲1▼に設定が変更され、開閉・スイッチ操作手順▲2▼を行うと機能設定▲2▼に設定が変更され、開閉・スイッチ操作手順▲3▼を行うと機能設定▲3▼に設定が変更されるというように、折畳型携帯電話機1の機能設定が開閉操作とスイッチ9の操作で変更が可能となる。
【0073】
この第3の実施の形態では、前記第2の実施の形態の「開閉・スイッチ操作による機能制限解除」と同様に、(1)折畳状態でスイッチ9押下;W1、(2)折畳状態でスイッチ押下なし;W2、(3)開状態でスイッチ9押下;W3、(4)開状態でスイッチ9押下なし;W4の計4種類に分類する。
【0074】
次に、本実施の形態の機能設定の内容と機能設定毎の開閉・スイッチの特定操作を折畳型携帯電話機内部のメモリ11へ記録する動作について説明する。機能設定の内容としては、通話音量や待ち受け画面の設定、着信音、マナーモードの設定等があり、ユーザが任意に設定した設定内容をメモリ11に記録する。機能設定に対応する開閉・スイッチ操作の記録方法には2種類ある。一つは実際に開閉・スイッチ操作を行って操作情報をメモリ11に記録し、その記録を開閉・スイッチ操作手順として設定する方法、もう一つはメニュー選択により開閉・スイッチ操作手順を選択する方法である。
【0075】
まず、一つ目の実際に開閉・スイッチ操作を行い、その操作情報をメモリ11に記録する方法について、図9のフローチャートと共に説明する。まず、開閉・スイッチ操作手順の記録を開始する(ステップE1)。記録開始後、折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ操作を行うと(ステップE2)、開閉状態の変化に伴い、開閉検出回路5から送出される開閉検出信号の論理値が変化する(ステップE3)。
【0076】
CPU6は、この開閉検出信号の論理値が開状態及び折畳状態のどちらを示しているかを判定し(ステップE4)、その判定結果とスイッチ9が押下されているか否かを示すスイッチ9からの信号とに基づいて、前述のように4種類の分類W1、W2、W3及びW4のいずれか一つに分類してその分類をメモリ11に記録する(ステップE5〜E11)。このとき、操作回数もメモリ11に記録される(ステップE12)。
【0077】
以上の処理は記録終了の操作を行うまで開閉操作を行う毎に繰り返し行われ(ステップE13、E2〜E12)、メモリ11に操作回数と共に記録される。記録終了後、この記録は開閉・スイッチ操作としてメモリ11に登録される(ステップE14)。これにより、例えば、スイッチ9未押下で、1回折畳状態から開状態とした後、スイッチ9押下で1回折畳状態から開状態操作を行った場合、次のように記録される。すなわち、開状態→「閉、スイッチ9未押下(W2)」→「開、スイッチ9未押下(W4)」→「閉、スイッチ9押下(W1)」→「開、スイッチ9押下(W3)」である。この記録方法では、折畳型携帯電話機1は記録開始、終了時は必ず開状態にある。
【0078】
次に、メニュー選択により開閉・スイッチ操作を設定する方法について説明する。この方法では、折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ9操作による4種類の分類(前述のW1、W2、W3、W4)をメモリ11に予め登録しておき、ユーザがメニュー操作で4種類の分類パターンを組み合わせて開閉・スイッチ操作として登録する。
【0079】
この方法では、スイッチ9を押下したまま、2度開閉操作をすると(最初は折畳状態の場合)、メモリ11には次のように登録がされる。すなわち、折畳状態→「開、スイッチ9押下(W3)」→「閉、スイッチ9押下(W1)」→「開、スイッチ9押下(W3)」→「閉、スイッチ9押下(W1)」の場合、メモリ11には「W3→W1→W3→W1」として開閉操作回数4回と併せて記録される。
【0080】
次に、第3の実施の形態の動作について、図10のフローチャートと共に説明する。まず、機能設定の内容と機能設定毎の開閉・スイッチの特定操作を、例えば図9のフローチャートに従って折畳型携帯電話機内部のメモリ11に記録する(ステップF1)。続いて、開閉・スイッチ操作による機能設定の変更を有効にする(ステップF2)。ただし、開閉・スイッチ操作は操作内容が同じもの、操作内容が重なるものは同時に機能設定切り替えを有効にできない。例えば、機能設定▲1▼の操作内容が「→W3→W1→W3→W1」であり、機能設定▲2▼の操作内容が「→W3→W1→W3→W1→W3→W1」である場合、機能設定▲1▼の操作内容が機能設定▲2▼の操作内容に重なるため、機能設定▲2▼に設定変更することが不可能である。
【0081】
機能設定の変更を有効にした後、折畳型携帯電話機1は開閉操作時の開閉検出回路からの開閉検出信号のメモリ11への記録を開始する(ステップF3)。この記録開始後、折畳型携帯電話機1の開閉・スイッチ操作を行うと(ステップF4)、開閉検出回路5から開閉状態を示す開閉検出信号がCPU6へ送出される(ステップF5)。
【0082】
CPU6は、この開閉検出信号の論理値が開状態及び折畳状態のどちらを示しているかを判定し(ステップF6)、その判定結果とスイッチ9が押下されているか否かを示すスイッチ9からの信号とに基づいて、前述のように4種類の分類W1、W2、W3及びW4のいずれか一つに分類してその分類をメモリ11に記録する(ステップF7〜F12)。この記録は、開閉操作を行う毎に蓄積記録される。ただし、蓄積記録は設定した開閉・スイッチ操作と同じ操作回数分だけ行われる。
【0083】
ただし、複数の開閉・スイッチ操作が設定されている場合は、最も操作回数が多いものと同数回分の操作が記録される。例えば、開閉・スイッチ操作が「→閉→開→閉」の3回の操作であった場合、メモリ11には最新3回分の情報だけ記録され、4回目の情報は消去される。
【0084】
この記録は機能設定毎の開閉・スイッチ操作として記録した情報と開閉操作を行う毎に合致するかどうか照合され(ステップF14)、合致した場合、CPU6は折畳型携帯電話機1の合致した開閉・スイッチ操作に対応した機能設定に折畳携帯電話機1を変更する(ステップF15)。機能設定を変更した場合、メモリ11に逐次記録していた開閉・スイッチ操作の情報を消去後(ステップF16)、引き続き開閉操作時の開閉検出信号変化の記録、照合を繰り返す(ステップF4〜F14)。また、機能設定が2種類の場合のみ、1種類の開閉・スイッチ手順操作で機能設定を切り替えて行うことが可能である。
【0085】
開閉・スイッチ操作内容の設定例を下記に示す。2種類の設定を切り替える場合、「スイッチ9押下のまま2度開閉操作をする」を機能設定▲1▼とすると、その操作内容は「→W3→W1→W3→W1」であり、「スイッチ9未押下で1回開閉後、スイッチ9押下で1回開閉操作をする」を機能設定▲2▼とすると、その操作内容は「→W2→W4→W1→W3」である。
【0086】
また、同じ操作で2種類の設定を切り替える場合として、例えば、「スイッチ9押下のまま2度開閉操作をする」を機能設定▲1▼及び▲2▼とする例があり、その操作内容は「→W3→W1→W3→W1」であり、その同じ操作により機能設定▲1▼及び▲2▼の交互切り替えを行う。つまり、機能設定▲1▼にあるときに、スイッチ9押下のまま2度開閉操作をすると機能設定▲2▼に切り替わり、機能設定▲2▼にあるときに、スイッチ9押下のまま2度開閉操作をすると機能設定▲1▼に切り替わる。
【0087】
切り替え設定される機能種類数は3以上でも可能である。また、切替できる内容は機能設定だけでなく、モードの切替や機能制限状態への切り替えも可能である。モード切替は従来の「通常モード」及び「折畳モード」と、第1の実施の形態で説明した「発着信不可モード」、「簡易操作モード」、「選択メニューモード」の切り替え、第2の実施の形態で説明した機能制限とその解除の切り替えも可能である。下記はその例である。
【0088】
第1の実施の形態と同様に、スイッチ9の押下で開状態にした時のみ機能が切り替わる場合、「→W1 折畳モード」、「→W2 折畳モード」、「→W3 任意に設定したモード(前述の「発着信不可モード」、「選択メニューモード」等)」、「→W4 通常モード」である。機能制御は、開閉・スイッチ操作により、数種の機能制限状態と機能制限されていない状態を切り替える。機能制限できる内容は第2の実施の形態で説明した内容と同様である。
【0089】
下記はその設定例である。機能制限を特定の開閉・スイッチ操作で解除する場合、「スイッチ9押下のまま2度開閉操作をする」ことで機能制限を解除すると設定した場合、「→W3→W1→W3→W1」で機能制限が解除される。また、同じ操作で機能制限のオン/オフを行う場合、「スイッチ9の押下のまま2度開閉操作をする」ことで機能制限のオン/オフを行うように設定した場合、非機能制限時に「→W3→W1→W3→W1」で機能制限モードとなり、機能制限時に「→W3→W1→W3→W1」で機能制限解除モードとなる。
【0090】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例も包含するものである。例えば、スイッチ9は図1では下側筐体部2の側面に形成されているが、折畳状態で押下可能な位置であればどこでもよく、従って例えば、図11に示すように、上側筐体部3の側面に設けるようにしてもよい。これ以外にも上側筐体部3の側面以外の外側面(前面、後面、天面)、下側筐体部2の側面以外の外側面(前面、後面、底面)、ヒンジ機構4の側面などにスイッチ9を設けるようにしてもよい。また、スイッチ9は複数設けてどれを押下してもよいこととしてもよい。
【0091】
また、以上の実施の形態では、開閉検出信号が変化した瞬間のスイッチ9の押下状態で状態を判定する方法、又は開閉検出信号が変化してからユーザが設定した任意の時間内のスイッチ9の押下の有無で状態を判定する方法を説明したが、開閉動作中にスイッチ9を押し続けたり、瞬間的に押下したり、あるいは開閉動作中又は開閉検出信号が変化してからユーザが設定した任意の時間内のスイッチ9の押下回数により複数の状態のどれかを識別判定するようにしてもよい。
【0092】
この場合は、例えば第1の実施の形態では、開状態でスイッチ9押下時に発着信不可モード、簡易操作モード及び選択メニューモードの中から予め選択した一つのモードに切り替えているが、スイッチ9の押下回数を発着信不可モード、簡易操作モード及び選択メニューモードにそれぞれ割り当てることで、スイッチ9の押下回数でこれら3つのモードのどれかに選択することも可能である。更に、スイッチ9は押しボタンスイッチに限定されるものではなく、スライドスイッチ、レバースイッチ等の他の形態のスイッチでも使用可能であることは勿論である。
【0093】
また、図1では、上側筐体部3にディスプレイ8が設けられ、下側筐体部2に他の構成部品が内蔵されているが、それらの配置位置は上側筐体部3と下側筐体部2のどちらでもよい。また、開閉検出回路5は、磁石とリードスイッチを利用した構成以外に、メカニカルスイッチにより開閉状態を検出して開閉検出信号を出力する構成でもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、折畳状態か開状態かのいずれであるかの開閉情報とスイッチの操作の有無情報とに基づいて、少なくとも予め設定された3種類のモードのうちのいずれか一のモードに切り替え設定することにより、折畳型携帯電話機の必須操作である開閉動作に折畳型携帯電話機のモード選択の操作を付加するようにしたため、モード選択の操作の手順の削減と簡略化ができる。
【0095】
また、本発明によれば、モード選択により選択されるモードのうち任意モードを選択できるようにしたため、個別のユーザに各々対応したモード選択ができ、ユーザ個々に併せた環境を設定できる。
【0096】
また、本発明によれば、ユーザが予め設定した機能制限状態を、ユーザが決定して記憶手段に記憶されている分類列と同じ分類列が入力されるように、開閉操作及びスイッチ操作を行わない限り、機能制限状態が解除されないようにすることにより、ユーザ以外の第三者では機能制限状態を解除できないため、セキュリティ機能を向上することができる。
【0097】
また、本発明によれば、予め用意された複数種類の機能設定のうち、ユーザが決定して記憶手段に記憶されている分類列と同じ分類列が入力されるように、開閉操作及びスイッチ操作を行うことにより、入力した分類列に対応する機能設定に切り替えるようにしたため、簡単な操作により所望の機能設定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる折畳型携帯電話機の一実施の形態の概略外観斜視図である。
【図2】本発明になる折畳型携帯電話機の一実施の形態のブロック図である。
【図3】開状態から折畳状態に変更した時の第1の実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における通常モードと任意モードに変更するときのスイッチと開閉検出信号の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における折畳型携帯電話機の開閉・スイッチ操作による開閉検出信号の分類を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるスイッチと開閉検出信号の関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図8】図7中の機能制限の内容、機能制限解除操作の記録ステップの詳細説明用フローチャートである。
【図9】開閉・スイッチ操作を行い、その操作情報をメモリ11に記録する方法の説明用フローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図11】本発明になる折畳型携帯電話機の他の実施の形態の概略外観斜視図である。
【符号の説明】
1 折畳型携帯電話機
2 下側筐体部
3 上側筐体部
4 ヒンジ機構
5 開閉検出回路
6 中央処理装置(CPU)
7 ボタンスイッチ
8 ディスプレイ
9 スイッチ
10 無線部
11 メモリ
Claims (9)
- 内側面に少なくともディスプレイが配置された上側筐体部と、内側面に少なくともダイヤル入力や機能選択のための各種キーが配置された下側筐体部とが、各々の端部で回動自在に回動機構により結合され、前記上側筐体部と前記下側筐体部の各内側面が密接した折畳状態か、各内側面が離間した開状態のいずれかとされる折畳型携帯電話機において、
前記上側筐体部と前記下側筐体部とが前記折畳状態か前記開状態かを検出して開閉検出信号を出力する開閉検出手段と、
前記折畳状態でも操作可能な位置に配置されたスイッチと、
使用可能な全機能のうち、予め所望の機能を制限する機能制限状態に設定する機能制限手段と、
前記折畳状態か前記開状態かのいずれであるかの開閉状態と前記スイッチの操作の有無状態の組み合わせに対応して状態を4種類に分類し、該4種類の分類を重複を許して任意の順番で選択された任意の数の分類からなる分類列と該分類列を構成する分類の数を記憶する記憶手段と、
前記開閉検出手段からの前記開閉検出信号と前記スイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号とを入力として受け、前記折畳状態及び前記開状態のいずれであるかの開閉判定と、前記スイッチの操作の有無判定とを行う開閉・スイッチ操作判定手段と、
前記開閉・スイッチ操作判定手段の判定結果を入力として受け、現在の状態が前記4種類の分類のいずれであるか判定することを繰り返して得られる分類列及び該分類列を構成する分類の数と、前記記憶手段に記憶されている前記分類列及び該分類列の数とを比較照合して、一致するとき前記機能制限手段による機能制限状態を解除する機能制限解除手段と
を有することを特徴とする折畳型携帯電話機。 - 前記記憶手段は、前記分類列が得られるように、実際に前記折畳状態又は前記開状態とする開閉操作を繰り返して得られた分類列と、該開閉操作の操作回数とを共に記憶部に記憶する手段であることを特徴とする請求項1記載の折畳型携帯電話機。
- 前記記憶手段は、前記4種類の分類をメニュー選択により選択された分類を選択順に、かつ、選択数を前記分類列と該分類列を構成する分類の数として記憶部に記憶する手段であることを特徴とする請求項1記載の折畳型携帯電話機。
- 内側面に少なくともディスプレイが配置された上側筐体部と、内側面に少なくともダイヤル入力や機能選択のための各種キーが配置された下側筐体部とが、各々の端部で回動自在に回動機構により結合され、前記上側筐体部と前記下側筐体部の各内側面が密接した折畳状態か、各内側面が離間した開状態のいずれかとされる折畳型携帯電話機において、
前記上側筐体部と前記下側筐体部とが前記折畳状態か前記開状態かを検出して開閉検出信号を出力する開閉検出手段と、
前記折畳状態でも操作可能な位置に配置されたスイッチと、
前記折畳状態か前記開状態かのいずれであるかの開閉状態と前記スイッチの操作の有無状態の組み合わせに対応して状態を4種類に分類し、該4種類の分類を重複を許して任意の順番で選択された任意の数の分類からなる分類列と該分類列を構成する分類の数を、予め用意された複数種類の機能設定のうち選択した機能設定に対応させて記憶する記憶手段と、
前記開閉検出手段からの前記開閉検出信号と前記スイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号とを入力として受け、前記折畳状態及び前記開状態のいずれであるかの開閉判定と、前記スイッチの操作の有無判定とを行う開閉・スイッチ操作判定手段と、
前記開閉・スイッチ操作判定手段の判定結果を入力として受け、現在の状態が前記4種類の分類のいずれであるか判定することを繰り返して得られる分類列及び該分類列を構成する分類の数と、前記記憶手段に記憶されている前記分類列及び該分類列の数とを比較照合して、一致するとき該記憶手段に記憶された該分類列に対応する前記選択した機能設定に切り替える機能設定切替手段と
を有することを特徴とする折畳型携帯電話機。 - 前記機能設定切替手段は、前記記憶手段に同一の分類列に対応して異なる複数の機能設定が記憶されているときには、前記比較照合により該同一の分類列に一致する毎に、前記複数の機能設定を順次巡回的に切り替えることを特徴とする請求項4記載の折畳型携帯電話機。
- 前記機能設定切替手段は前記記憶手段に記憶する前記複数の機能設定として、前記ディスプレイの電源オフ及び前記各種キーのキー入力を無効とする折畳モードと、すべての機能が使える通常モードと、予めユーザが任意に設定した任意モードのうちの少なくとも一つのモードを含むことを特徴とする請求項4記載の折畳型携帯電話機。
- 前記機能設定切替手段は、前記記憶手段に分類列に対応して前記機能設定として所望の機能を制限する機能制限が記憶されているときには、前記比較照合により前記記憶手段に記憶されている前記分類列に一致する毎に、前記機能制限の設定と該機能制限の設定解除とを交互に切り替えることを特徴とする請求項4記載の折畳型携帯電話機。
- 前記開閉・スイッチ操作判定手段は、前記開閉検出手段からの前記開閉検出信号が変化した時点の、前記スイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号の論理値に基づいて、前記折畳状態及び前記開状態のいずれであるかの開閉判定と、前記スイッチの操作の有無判定とを行うことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の折畳型携帯電話機。
- 前記開閉・スイッチ操作判定手段は、前記開閉検出手段からの前記開閉検出信号が変化した時点から予め任意に設定された時間内の、前記スイッチからのスイッチ操作状態を示す操作信号の論理値に基づいて、前記折畳状態及び前記開状態のいずれであるかの開閉判定と、前記スイッチの操作の有無判定とを行うことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の折畳型携帯電話機。
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