JP3708798B2 - 気体浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体に含まれる塵埃を除去して清浄化する気体浄化装置に関する。
【従来の技術】
例えば、従来の家庭用空気清浄機(気体浄化装置)における集塵方式の主なものとしては、フィルタ方式と電気方式とがある。フィルタ方式では、ファンを回転させて室内の空気を吸引し、吸引した空気をフィルタに通過させ、空気中に含まれている塵埃(埃,カビ,細菌など)をフィルタにより捕集して室内の空気を清浄化するようになっている。また、電気方式の場合は、吸引した室内の空気に高電圧放電を行って塵埃を帯電させ、その帯電と逆極性の電位或いはアース電位に設定したフィルタに塵埃を付着させるものである。
【0002】
図17は、電気式集塵機の構成の一例を概念的に示す図である。即ち、ファン1を回転させて室内の空気を吸排気する経路の途中に、空気中の塵埃を帯電させる帯電用電極2と塵埃を捕集するフィルタ3とが配置されている。帯電用電極2には、高電圧トランス4により昇圧された高電圧が印加されており、フィルタ3は、帯電用電極2によって帯電された塵埃を電気的に捕集するようアースに接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これら何れの方式においてもフィルタを使用する構成となっているが、フィルタに捕集されて付着したカビや細菌等は時間の経過と共に繁殖する。そして、その繁殖がある程度進むと、フィルタ内を通過する空気の圧力損失を増加させることになる。また、フィルタ上を通過する空気の風速は上昇するため、その気流によりフィルタ表面の塵埃が脱落して再び室内に排出される、所謂再飛散現象が起こりやすいという問題がある。
【0004】
また、フィルタの目がある程度細かくなると空気中の水分も捕集するようになるため、カビや細菌などの繁殖を助長する環境となってしまう。特に、最近は、HEPA(High Efficiency Particulate Airfilter) と称する1μm以下の塵埃を捕集できるフィルタを備えた空気清浄機があるが、このような高性能のフィルタである程、カビや細菌等の繁殖や再飛散の問題も大きくなってしまう。
【0005】
そして、フィルタには寿命があるため、ユーザはフィルタを定期的に交換するというメンテナンスが必要であり、その手間が煩わしいという問題もある。加えて、ユーザがフィルタの交換を忘れたまま放置すると、再飛散現象が次第に顕著に発生するようになってしまう。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザのメンテナンスをより軽減すると共に、再飛散現象も抑制することができる気体浄化装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の気体浄化装置は、塵埃を含む気体に高電圧を印加して前記塵埃を帯電させる帯電部と、この帯電部によって帯電された塵埃を電気的作用により捕集する捕集部とを有する電気集塵部と、
前記気体に旋回運動を与えることで該気体に含まれる塵埃に遠心力を作用させる遠心力作用部と、この遠心力作用部によって気体より分離除去された塵埃を捕集する捕集部とを有する遠心力集塵部とを備えて構成される。
即ち、空気中に含まれる塵埃の粒径は、小さなものではウィルスレベルの0.01μmから大きなものでは花粉レベルの100μm程度まで、極めて広範囲である。このように粒径が広い範囲に渡る塵埃を捕集するために、従来の電気式集塵機でもフィルタを用いざるを得なかった。
これに対して、本発明によれば、比較的大きな塵埃については遠心力集塵部の機械的作用によって集塵される。即ち、粒径が大きく質量が大である塵埃は遠心力が印加されると気体から容易に分離されるので、主に遠心力集塵部において捕集されるようになる。そして、電気集塵部は、専ら粒径の小さい塵埃を捕集すれば良い。従って、これらのトータルで粒径が広範囲に異なる塵埃を捕集することができ、電気集塵部の捕集部においてもフィルタを使用することなく気体中の塵埃を捕集することが可能となるので、ユーザのメンテナンスがより軽減される。また、フィルタを用いないので塵埃の再飛散現象も抑制される。
【0008】
これに対して、本発明によれば、比較的大きな塵埃については遠心力集塵部の機械的作用によって集塵される。即ち、粒径が大きく質量が大である塵埃は遠心力が印加されると気体から容易に分離されるので、主に遠心力集塵部において捕集されるようになる。そして、電気集塵部は、専ら粒径の小さい塵埃を捕集すれば良い。従って、これらのトータルで粒径が広範囲に異なる塵埃を捕集することができ、電気集塵部の捕集部においてもフィルタを使用することなく気体中の塵埃を捕集することが可能となるので、ユーザのメンテナンスがより軽減される。また、フィルタを用いないので塵埃の再飛散現象も抑制される。
【0009】
そして、電気集塵部の少なくとも帯電部を、遠心力集塵部の前段に配置するので、塵埃を含んだ気体が遠心力集塵部に導入される前に塵埃を帯電させることができ、比較的粒径が大である塵埃をも帯電させて電気的作用により捕集させることを期待できる。
【0010】
また、帯電部を、遠心力作用部における気体入口の外周側で塵埃に帯電させるように構成する。即ち、塵埃を含む気体は、流体となって遠心力作用部に導入されることで旋回運動が加えられる。従って、遠心力作用部の気体導入部分においても、旋回運動の外周側で気体中に塵埃が含まれる濃度が高くなる傾向にある。従って、遠心力作用部における気体入口の外周側で塵埃に帯電させることで塵埃の捕集効率が向上する。また、比較的質量が大きい(即ち、粒径が大きい)塵埃にも帯電させることができる。
【0011】
更に、請求項に記載したように、帯電部と遠心力作用部との間に、気体の流れを整流する整流板を配置すると良い。斯様に構成すれば、遠心力作用部に導入される気体が整流板の作用により層流となるので、遠心力作用部における旋回運動は乱れを生じることなく高速に行われる。従って、塵埃の分離がより効率的に行われるようになる。
【0012】
また、この場合、請求項に記載したように、整流板を導電性材料で構成し、電気集塵部の捕集部とすると良い。斯様に構成すれば、比較的の粒径の小さい塵埃は、気体が遠心力作用部に導入される前に整流板によって捕集される。従って、遠心力集塵部における集塵効率が向上する。
【0013】
また、請求項に記載したように、遠心力集塵部の遠心力作用部及び捕集部を導電性材料で構成することで電気集塵部の捕集部の一部としても良い。斯様に構成すれば、遠心力集塵部の構成全体が、塵埃を電気的に捕集するために利用されることになる。
【0014】
加えて、請求項に記載したように、遠心力集塵部の遠心力作用部を絶縁性材料で構成し、遠心力集塵部の捕集部を導電性材料で構成することで電気集塵部の捕集部の一部としても良い。
【0015】
一般に、帯電した粒子は絶縁性材料で構成された部分には付着しにくくなる。即ち、絶縁性材料は、帯電した粒子が接触することによって粒子と同じ電位に帯電してしまうからである。そこで、請求項のように構成し、遠心力集塵部の捕集部の電位を帯電した粒子の電位よりも低くなるように設定すれば、遠心力集塵部の捕集部においても電気的作用によって塵埃が捕集されるようになる。
【0016】
更に、この場合、請求項に記載したように、遠心力集塵部の捕集部を、電気集塵部の捕集部と共通にすると良く、斯様に構成すれば、捕集部が1か所となるので、ユーザのメンテナンスが容易となる。
【0017】
また、請求項に記載したように、遠心力作用部を、プラスチックのブロー成形で形成すると良い。即ち、遠心力作用部には密閉構造が要求されるため、射出成形や押出成形などにより形成された部品の組合わせで構成すると、部品点数が多くなり密閉性を確保することも困難となる。そこで、請求項のように遠心力作用部をブロー成形で形成すれば、部品数が少なくなると共に密閉性が容易に確保される。また、遠心力作用部を薄肉に成形することも可能であり、装置全体が軽量化される。
【0018】
以上の場合において、請求項に記載したように、捕集部を、本体に対して着脱可能に構成すると良い。斯様に構成すれば、ユーザは、捕集部を本体から取り外して内部に捕集された塵埃を除去し、その後に、捕集部を本体に取り付けることができる。従って、捕集した塵埃を除去する際の取り扱いが容易となる。
【0019】
また、請求項に記載したように、帯電部を、塵埃を含む気体に負極性の高電圧を印加するように構成するのが好ましい。即ち、負極性の高電圧を印加することで、気体中の不活性ガスが電離して負イオンを発生し易くなり、ひいては、その負イオンの作用によってオゾンが発生し易くなる。オゾンは、強力な酸化力を有する活性酸素を生じるため、気体中に含まれている臭気成分や細菌等を酸化分解して脱臭や殺菌などの作用をなす。従って、斯様に構成すれば、気体は、脱臭,殺菌作用も施されて清浄化される。
【0020】
この場合、請求項1に記載したように、遠心力作用部の気体出口側に、オゾンを分解するオゾン分解手段を配置するのが好ましい。即ち、発生させたオゾンが未分解の状態で室内などに流出すると、その濃度がある程度上昇した場合には、ユーザがオゾン臭を感じる場合がある。従って、オゾン分解手段を加えて、気体中に含まれているオゾンを極力分解した状態で放出すれば、ユーザがオゾン臭を感じることを防止できる。
【0021】
請求項1に記載したように、電気集塵部を、遠心力集塵部の排気側に配置して、その電気集塵部を、遠心力集塵部の運転に伴う塵埃の再飛散を防止するように運転制御する制御手段を備えることが好ましい。
【0022】
即ち、遠心力集塵部の運転が過渡的に変化する場合はそれに伴って流体の運動状態も変化して、一時的に脈流や乱流が発生する。すると、その気流の乱れによって、一旦捕集した塵埃がまきあげられるなどして外部に排出されてしまう再飛散現象が発生し易くなる。そこで、そのような場合に遠心力集塵部の排気側に配置した電気集塵部を運転させることで、再飛散によって外部に排出されようとする塵埃は捕集される。従って、気体をより清浄にすることができる。
【0023】
この場合、請求項1に記載したように、制御手段を、少なくとも遠心力集塵部の運転停止時に電気集塵部を運転させる構成にすると良い。即ち、遠心力集塵部の運転を停止させると、流体の運動速度は漸次減少して速度ゼロに向かう。すると、その過程において気体中に含まれている塵埃に作用する遠心力も漸次低下すると共に気流に乱れが生じることから、一旦捕集した塵埃が外部に排出されようとする。そこで、制御手段が、電気集塵部を少なくとも遠心力集塵部の運転停止時に運転させることで、その運転停止時に再飛散しようとする塵埃を捕集して、外部に排出されないように阻止することができる。
【0024】
更に、請求項1に記載したように、制御手段を、遠心力集塵部の運転が停止される時点の所定期間前から、電気集塵部の運転を開始させる構成にするのが好ましい。斯様に構成すれば、遠心力集塵部の運転が停止される時点では、電気集塵部が定常運転状態になっているため、運転停止時に外部に排出されようとする塵埃を電気集塵部によってより確実に捕集することが可能となる。
【0025】
また、請求項1に記載したように、制御手段を、少なくとも遠心力集塵部の運転開始時に電気集塵部を運転させる構成にしても良い。即ち、遠心力集塵部の運転を開始させると、流体の運動速度は漸次増加して定常速度に向かい、その過程において気体中に含まれている塵埃に作用する遠心力も徐々に増加するが、この期間に作用する遠心力は塵埃を捕集するために十分なレベルには達しない。そして、気流の乱れも加わることから再飛散現象が発生する。そこで、制御手段が少なくとも遠心力集塵部の運転開始時に電気集塵部を運転させることで、その運転開始時に外部に排出されようとする塵埃を捕集することが可能となる。
【0026】
この場合、請求項1に記載したように、制御手段を、遠心力集塵部の運転が開始される時点の所定期間前から、電気集塵部の運転を開始させる構成にするのが好ましい。斯様に構成すれば、遠心力集塵部の運転が開始される時点では、電気集塵部が定常運転状態になっているため、運転開始時に外部に排出されようとする塵埃をより確実に捕集することが可能となる。
【0027】
また、請求項1に記載したように、制御手段を、少なくとも遠心力集塵部の運転レベルが切換わる時に電気集塵部を運転させる構成にしても良い。即ち、遠心力集塵部の運転レベル、例えば、気体の吸引速度や吸引量(風量)などを切り換えると、気流も過渡的に変化して乱れを生じるので、運転停止時や運転開始時などと同様に再飛散現象が発生するおそれがある。そこで、制御手段が少なくとも遠心力集塵部の運転レベルが切換わる時に電気集塵部を運転させることで、外部に排出されようとする塵埃を捕集することが可能となる。
【0028】
この場合、請求項17に記載したように、制御手段を、遠心力集塵部の運転レベルが切換えられる時点の所定期間前から、電気集塵部の運転を開始させる構成にするのが好ましい。斯様に構成すれば、遠心力集塵部の運転レベルが切換わる時点では、電気集塵部が定常運転状態になっているため、運転開始時に外部に排出されようとする塵埃をより確実に捕集することが可能となる。
【0029】
以上の場合において、請求項18に記載したように、電気集塵部を、遠心力集塵部に対して着脱可能に構成するのが好適である。斯様に構成すれば、ユーザは、電気集塵部を遠心力集塵部より取り外して、捕集された塵埃を清掃や洗浄などにより除去する作業を行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、空気清浄機(気体浄化装置)の構成を概略的に示す図である。ステンレス製のサイクロン(遠心力集塵部)11は、発電所のプラントなどでは集塵装置として一般的に使用されている周知のものであり、本実施例では一般家庭用の空気清浄機に適用するため小形に形成されている。
【0031】
サイクロン11は、主に、円筒部(遠心力作用部)11aとそれに続いて図1中下方側に延設されている円錐部(遠心力作用部)11b、及びその円錐部11bの先端(下方側)に配置される有底円筒状のダストボックス(捕集部)11cとで構成されている。円筒部11aの側方には、円周の一部を接線方向に延ばして形成され、室内の空気を吸気するための吸気口部11dが設けられている。また、円筒部11aの中心部には、より径小な円筒が上底部を貫通するように配置されて、図示しないファンによって空気を吸引するための吸引口部11eが設けられている。
【0032】
そして、吸気口部11dには帯電部12が配置されている。帯電部12は、図2に示すように、絶縁性材料で構成された矩形の枠体13の内部に略等間隔で配置された3つの針状電極14を有している。これらの電極14は、図示しない高電圧トランスによって昇圧された−7kV程度の電圧が印加されるようになっている(図1では、直流電源のシンボルで表現している)。
【0033】
一方、サイクロン11側はアースに接続されている。即ち、帯電部12とサイクロン11との間には負の強電界が印加されているため、その強電界中に導入された塵埃は負極性に帯電するようになる。尚、以上の構成においては、帯電部12とサイクロン11とが電気集塵部15を構成している。
【0034】
次に、本実施例の作用について図3及び図4をも参照して説明する。ファンが回転してサイクロン11の吸引口部11e側より空気を吸引すると、塵埃を含んでいる室内の空気は、吸気口部11dよりサイクロン11の内部に導入される。この場合、吸気口部11dにおける空気の流速が、約10m/sec程度となるように設定する。また、その時に空気中の塵埃は、帯電部12において負の電位に帯電される。
【0035】
また、この時負極性の高電圧を印加することで、空気中の不活性ガスが電離して負イオンが発生し易い状態となっており、ひいては、その負イオンの作用によってオゾンが発生し易い環境にある。オゾンは、強力な酸化力を有する活性酸素を生じるため、空気中に含まれている臭気成分や細菌等を酸化分解して脱臭や殺菌などの作用をなす。従って、空気清浄機に吸入された空気には、脱臭や殺菌等の作用も施されて清浄化されるようになる。
【0036】
それから、塵埃を含む空気は流体となり、円筒部11aの内周部に沿って旋回運動をしながら円錐部11bに向って下降して行く。すると、流体の旋回半径は次第に小さくなると共に、流体の運動における下向きベクトルの大きさも次第に小さくなり、流体がダストボックス11cに達すると下向きベクトルの大きさはゼロとなる。そこから、流体の運動は上向きに転じて円錐部11bの中心部を上昇し、吸気口部11dを介して外部(室内)に吐出される。尚、図中の矢印は、サイクロン11内部における流体の流れを表している。
【0037】
以上の流体運動のプロセスにおいて、空気中に含まれている塵埃の内比較的粒径が大であるもの(例えば、1μm以上)は、旋回運動時に作用する遠心力によって流体より分離され、ダストボックス11cの内部に落下して捕集される。また、サイクロン11自体がアースに接続されていることによって電気集塵部15としての捕集部も兼用しており、帯電部12によって負極性に帯電された塵埃の内比較的粒径が小であるものは、電位差により円筒部11aや円錐部11b及びダストボックス11cの内壁部分に付着して捕捉される。
【0038】
ここで、図3は、本実施例の空気清浄機と図13に示す従来の電気集塵方式による空気清浄機とを比較した実測結果を示すものである。同一条件の室内において両清浄機を夫々1000時間運転して集塵を行わせた後に停止させ、その時点から168時間後に運転を再開し、清浄機の空気排出口付近における粒径0.3μm以上の塵埃数をパーティクルカウンタによって測定した。尚、運転再開時において室内の空気に含まれている塵埃の数は約18000個である。
【0039】
図3において、従来の電気集塵方式による空気清浄機の方は(図3中“◆”)、運転再開後に塵埃数が約50000個まで上昇している。これに対して、本実施例の空気清浄機では(図3中“□”)その約半分の25000個程度であり、従来の電気集塵方式単独でフィルタを使用したものの方が、再飛散現象が顕著に現れている。
【0040】
また、図4は、容積1mの密閉ボックス内に本実施例の空気清浄機を配置すると共に、アンモニアを注入してその濃度変化(残存率[%])を測定した結果である(図4中“◆”)。即ち、空気清浄機を運転すると、先述したオゾンの脱臭作用によってアンモニアが次第に分解され、時間の経過と共に残存率が減少している。
【0041】
比較のため、帯電部12の電極14に+7kVの電圧を印加した場合における同様の測定結果をも示している(図4中“□”)。この場合には、−7kVの電圧を印加した時よりも脱臭作用が明らかに弱まっている。即ち、正極性の放電においてはオゾンの発生効率が低下することによる。
【0042】
以上のように本実施例によれば、塵埃を含む室内の空気をサイクロン11に導入する前に帯電部12によって塵埃を帯電させ、流体に旋回運動を与えて塵埃を分離し捕集すると共に、サイクロン11をアースに接続することで塵埃を電気的にも捕集するようにして、粒径が比較的大きな塵埃についてはサイクロン11の機械的作用によって集塵し、粒径が比較的小さな塵埃については電気集塵部15によって捕集するようにした。
【0043】
従って、トータルで粒径が広範囲に異なる塵埃を捕集することができると共に、フィルタを使用することなく気体中の塵埃を捕集することが可能となり、ユーザのメンテナンス作業がより軽減される。また、フィルタを用いないので塵埃の再飛散現象も抑制することができる。
【0044】
そして、この場合、電気集塵部15の帯電部12を、サイクロン11の前段に配置したので、塵埃を含んだ空気がサイクロン11に導入される前に塵埃を帯電させることができるので、比較的粒径が大である塵埃をも帯電させて電気的作用により捕集させることができる。更に、サイクロン11全体を導電性材料で構成し、電気集塵部15の捕集部としても利用したので、より広い面積を有する部分を用いて塵埃を電気的に捕集することができる。
【0045】
また、本実施例によれば、帯電部12は、塵埃を含む空気に負極性の高電圧を印加するので、コロナ放電によりオゾンが発生し易くなり、そのオゾンが強力な酸化力を有する活性酸素を発生させて、空気中に含まれている臭気成分や細菌等を酸化分解して脱臭や殺菌などの作用も加えることができる。
【0046】
図5乃至図7は本発明の第2実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例では、帯電部16を、サイクロン11の内部、即ち、吸気口部11dの後段に配置したものである。また、図6は、帯電部16の正面図であるが、第2実施例では、帯電部16における電極17を、サイクロン11により流体に与えられる旋回運動の外周方向に配置している。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0047】
そして、図7は、電極17を帯電部16の▲1▼上方,▲2▼外周側,▲3▼内周側に夫々配置した場合における、大気塵の集塵効率(%)を測定した結果を示すものである。この図7から、電極17を帯電部16の外周側に配置した場合の集塵効率が98%と高い値を示している。これは、流体の旋回運動によって遠心力が作用することで塵埃の密度が外周側において高くなっており、より多くの塵埃に帯電させることができるため電気的作用による集塵効率が向上することによると考えられる。
【0048】
以上のように第2実施例によれば、帯電部16を、サイクロン11における流体入口の外周側で塵埃に帯電させるように電極17を配置したので、流体中において塵埃の密度が高くなる箇所で帯電させることで、塵埃の捕集効率を向上させることができる。また、比較的質量が大きい(即ち、粒径が大きい)塵埃も、帯電させて捕集することができる。
【0049】
図8及び図9は本発明の第3実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第3実施例では、サイクロン11の吸気口部11dの前段に、長さ100mm程度のステンレス性の整流板18が平行に3枚配置されており、それらの整流板(捕集部)18の間にタングステンワイヤによって逆U字状に形成された電極(帯電部)19が配置されている。
【0050】
整流板18は、サイクロン11に導入される流体を層流に整える作用をなすものである。その整流板18は、サイクロン11と共にアースに接続されている。従って、整流板18及び電極19とサイクロン11とが電気集塵部20を構成している。また、整流板18は、図示しない本体に対して着脱可能に構成されている。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0051】
次に、第3実施例の作用について図9をも参照して説明する。第3実施例の空気清浄機について、JIS規格の試験用粉体10種であるフライアッシュ(JIS-Z8901-10,中心径4.8〜5.7μm)を用いて集塵効率を測定したが、その結果効率は68%であった。また、比較のため、整流板18を取り除いて同様の測定を行ったが、効率は62%であった。
【0052】
図9は、双方のケースにおいて集塵した塵埃の粒径分布を測定した結果を示すものである。図8中“●”が整流板18を配置した場合であり、“○”が整流板18を取り除いた場合である。この図9より、整流板18を配置した場合は、比較的粒径の小さい塵埃の集塵効率が向上していることが分かる。
【0053】
以上のように第3実施例によれば、電極19とサイクロン11との間に、流体の流れを整流する整流板18を配置したので、サイクロン11に導入される流体が層流となり、サイクロン11における旋回運動は乱れを生じることなく高速となる。
【0054】
そして、整流板18を導電性材料で構成し、電気集塵部20の捕集部としたので、比較的の粒径の小さい塵埃はサイクロン11に導入される前に整流板18によって捕集される。従って、粒径の小さい塵埃の集塵効率が上昇するようになり、トータルでの集塵効率も向上させることができる。加えて、整流板18を本体に対して着脱可能としたので、ユーザは、整流板18を本体から取り外して付着した塵埃を除去することができ、取り扱いが容易となる。
【0055】
図10は、本発明の第4実施例を示すものである。第4実施例では、第1実施例のサイクロン11が同一形状のサイクロン(遠心力集塵部)21に置き換わっている。サイクロン21は、円筒部(遠心力作用部)22a及び円錐部(遠心力作用部)22b部分をポリエチレンテレフタレート(PET) のブロー成形により、平均肉厚が0.5mm程度で形成されている。また、吸気口部22d及び吸引口部22e部分は、PETの押出成形により形成されて、円筒部22aに接着固定されている。
【0056】
そして、ダストボックス(捕集部)23だけはステンレス製であり、円錐部22bの先端部分に着脱可能に取り付けられていると共に、アースに接続されている。即ち、帯電部12とダストボックス23とが電気集塵部24を構成している。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0057】
次に、第4実施例の作用について説明する。第4実施例の電気集塵機について、第3実施例と同様の試験用粉体10種を用いて集塵を行った結果、そのほとんどがダストボックス23の内部に捕集されていた。即ち、絶縁性材料のPETで形成された円筒部22aや円錐部22bなどでは、帯電した塵埃が接触することにより塵埃と同じ電位に帯電してしまうため塵埃が付着しにくくなっているため、流体中の塵埃は、アースに接続されたダストボックス23に集中して捕集されるようになっている。つまり、第4実施例では、遠心力集塵部の捕集部と電気集塵部24の捕集部とがダストボックス23で共通化されている。
【0058】
以上のように第4実施例によれば、サイクロン21の円筒部22a及び円錐部22b部分をPETのブロー成形により一体に形成したので、斯様に密閉構造が要求される部分を射出成形や押出成形などにより形成された部品の組合わせで構成する場合に比較して、少ない部品で密閉性を容易に確保することができる。また、円筒部22a及び円錐部22b部分を薄肉に成形することができるので、第1実施例のように全てをステンレスで一体成型する場合に比較して、サイクロン21の重量を約1/10程度にして軽量化することができる。
【0059】
そして、塵埃をダストボックス23に集中して捕集させることができ、そのダストボックス23を円錐部22bに対して着脱可能にすることで、ユーザは、ダストボックス23の1か所に捕集された塵埃の除去を、当該部分を取り外して容易に行うことができるようになり、メンテナンスの利便性が向上する。
【0060】
図11及び図12は本発明の第5実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分についてのみ説明する。第5実施例では、第2実施例における空気清浄機の清浄化した空気の排出口側に、オゾン分解触媒(オゾン分解手段)25を配置して、帯電部16側において発生し、清浄化された空気中に含まれているオゾンを分解してから室内に排出するようにしている。オゾン分解触媒25としては、例えば日揮ユニバーサル製のオゾン分解触媒(NHC-423,150X150X20mmt) を用いている。
【0061】
図12は、空気清浄機の排出口側でオゾン濃度を測定した結果を示すものである(図12中“□”)。また、比較のため、オゾン分解触媒25を設けない第2実施例の空気清浄機についても同様の測定を行った結果を示している(図12中“◆”)。この図から明らかなように、オゾン分解触媒25を配置した方は、排出される清浄化空気中に含まれるオゾン濃度が略ゼロとなっている。
【0062】
以上のように第5実施例によれば、サイクロン11の空気排出口側に、オゾン分解触媒25を配置したので、清浄化空気中に含まれているオゾンを極力分解した状態で放出することができる。従って、ユーザがオゾン臭を不快に感じることを防止できる。
【0063】
図13乃至図15は本発明の第6実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。第6実施例では、図13に示すように、サイクロン11の吸引口11e側にもう1つの電気集塵部26を配置している。この電気集塵部26は、電気集塵部15と略同様に構成されており、枠体27の内部に、略等間隔で配置された針状電極28と、これらの針状電極28を夫々両側から挟むように配置されている平板状の対極29とを有している。針状電極28には、+4kV程度の電圧が印加されるようになっており、対極29はアースに接続されている。また、電気集塵部26は、サイクロン11の吸引口11eに対して着脱可能となるように構成されている。
【0064】
電気的構成を示す図14において、制御部(制御手段)30は、空気清浄機の運転を制御するものであり、マイクロコンピュータを中心として構成されている。制御部30には、操作部31より始動スイッチや風速などの運転状態を設定するスイッチなどから出力される操作信号が与えられるようになっている。そして、制御部30は、操作部31より与えられるこれらの操作信号に応じて、吸気用のファン32,電気集塵部15の帯電部12及び電気集塵部26の駆動制御を行うようになっている。
【0065】
図15は、制御部30の制御内容を示すフローチャートである。制御部30は、操作部31からの操作信号を参照して、始動スイッチがONされるまで待機している(ステップS1)。そして、始動スイッチがONされると(「YES」)、電気集塵部26(図15では、第2電気集塵部)に通電を開始する(ステップS2)。即ち、針状電極28に+4kVの電圧を印加する。
【0066】
そして、制御部30は、その時点から0.5秒が経過するまで待ってから(ステップS3,「YES」)電気集塵部15の帯電部12にも通電を開始する(ステップS4)。それから、ファン32の運転を開始する(ステップS5)。続いて、所定時間が経過した後(ステップS6,「YES」)、電気集塵部26に対する通電を停止する(ステップS7)。以上までが、空気清浄機の始動時におけるシーケンスであり、その後、空気清浄機は定常運転される。
【0067】
上述の処理において、電気集塵部26は、空気清浄機の運転開始(ファン32の始動)に先立って通電が開始され、その通電開始から0.5秒が経過した時点で空気清浄機の運転が開始されるようになっている。これは、以下の理由による。ファン32が始動することによって、空気清浄機内部の空気は静止した状態から動き出し、流体となって運動を開始する。そのように、流体の運動状態が変化する場合には一時的に脈流や乱流が発生するため、その気流の乱れによって、空気清浄機のダストボックス23に捕集されている塵埃がまきあげられ、外部に排出されてしまう再飛散現象が発生し易くなる。
【0068】
そこで、そのような場合にサイクロン11の吸引口11e側に配置した電気集塵部26を通電させることで、再飛散して外部に排出されようとする塵埃は、電気集塵部26の対極29により捕集されるようになる。即ち、電気集塵部26は、主に再飛散現象を抑制するために運転されるものであり、再飛散現象が発生することが想定される期間だけ運転させる。
【0069】
定常運転中において、制御部30は、操作部31からの操作信号を参照し、始動スイッチがOFFされるまで待機している(ステップS8)。そして、始動スイッチがOFFされると(「YES」)、電気集塵部26に再び通電を開始し (ステップS9)、0.5秒が経過するまで待ってから(ステップS10,「YES」)ファン32の運転を停止させ(ステップS11)、続いて、帯電部12に対する通電を停止する(ステップS12)。
【0070】
それから、所定時間が経過した後(ステップS13,「YES」)、電気集塵部26に対する通電を停止し(ステップS14)、ステップS1に戻る。以上のステップS8〜S14までが空気清浄機の停止時におけるシーケンスであり、基本的に運転開始時と同様のシーケンスである。即ち、ファン32を停止させる場合も、空気清浄機内部の空気は、流体として運動している状態からその運動を停止する状態に向かうが、その際にも一時的に脈流や乱流が発生して再飛散現象が発生し易くなるからである。
【0071】
ここで、本発明の発明者らが行った実験結果を以下に示す。サイクロン11の内壁面に、第3実施例で用いたものと同様のJIS試験用粉体10種の塵埃を予め堆積させておき、上記ステップS1〜S7までの始動シーケンスを実行した場合に、空気清浄機の排気側(電気集塵部26の後段)に配置したパーティクルカウンタによって、粒径0.5μm以上の粒子(塵埃)の数をカウントした。また、比較のため、電気集塵部26を設けない構成についても同様の測定を行った。その結果、電気集塵部26を設けない構成では、カウント数が“884”であったのに対して、第6実施例の構成ではカウント数が“0”であった。
【0072】
また、同様に、JIS試験用粉体10種の塵埃を用いて、上記ステップS8〜S15までの停止シーケンスを実行した場合についても、パーティクルカウンタによって粒子数をカウントし、電気集塵部26を設けない構成についても同様の測定を行った。
その結果、電気集塵部26を設けない構成では、カウント数が“286”であったのに対して、第6実施例の構成ではカウント数が“1”であった。
これらの結果からも、第6実施例の構成によって捕集した塵埃の再飛散現象が確実に抑制されていることは明らかである。
【0073】
以上のように第6実施例によれば、サイクロン11の吸引口11e側に電気集塵部26を配置し、制御部30は、空気清浄機の運転開始時に、ファン32を始動させることに先立って電気集塵部26の通電を開始させるようにし、また、空気清浄機の運転停止時にも、ファン32を停止させることに先立って電気集塵部26の通電を開始させるようにした。
【0074】
即ち、ファン32の始動,或いは停止に伴って生じる空気清浄機内部の流体の乱れにより、ダストボックス23に捕集されている状態から再飛散して外部に排出されようとする塵埃を、電気集塵部26の対極29により捕集することができる。従って、塵埃の再飛散現象を確実に抑制して、室内の空気が常に清浄となるように維持することができる。
【0075】
また、電気集塵部26を、サイクロン11の吸引口11eに対して着脱可能に構成したので、ユーザは、電気集塵部26をサイクロン11より取り外して、捕集された塵埃を清掃や洗浄などにより除去する作業を容易に行うことができる。
【0076】
図16は、本発明の第7実施例を示すものであり、第6実施例と異なる部分についてのみ説明する。第7実施例の構成は、基本的に第6実施例と同等であり、制御部30の制御内容が異なっている。即ち、図16に示すフローチャートにおいて、制御部30は、ステップS7の実行後に、操作部31の操作信号を参照して、空気清浄機の運転時における風速の設定(運転レベル)が初期状態から切り換えられたか否かを判断する(ステップS15)。そして、設定の切換えがない場合は(「NO」)ステップS8に移行する。
【0077】
ステップS15において、例えば、風速の設定として、「強」,「中」,「弱」の三段階があり、ユーザが操作部31を操作して、設定を「中」→「強」,「強」→「中」などのように切り換えると、制御部30は「YES」と判断して、電気集塵部26に通電を開始し(ステップS16)、0.5秒が経過するまで待ってから(ステップS17,「YES」)風速の設定を切り換える(ステップS18)。即ち、ファン32の運転速度(回転数)を変化させる。そして、所定時間が経過した後(ステップS19,「YES」)、電気集塵部26に対する通電を停止してから(ステップS20)ステップS8に戻る。
【0078】
即ち、風速の設定を切り換えるためにファン32の回転数を変化させると、空気清浄機内部における流体の流速が変化するため、その際にも一時的に脈流や乱流が発生して再飛散現象が発生し易くなる。そこで、そのような場合も電気集塵部26を通電させて、再飛散して外部に排出されようとする塵埃を捕集する。
【0079】
以上のように第7実施例によれば、制御部30は、空気清浄機の運転時における風速を変化させる場合にも、その変化に先立って電気集塵部26の通電を開始させるようにしたので、ファン32の回転数の変化に伴って生じる塵埃の再飛散現象をも確実に抑制して、室内の空気を一層清浄にすることができる。
【0080】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
帯電部の電極には正極性の電圧を印加しても良い。
第2実施例のように、帯電部16の電極17を旋回運動の外周側に配置させるだけでなく、帯電部16自体の配置を旋回運動の外周側に配置させていることが好ましいことは言うまでもない。
また、第3実施例において、整流板18は、必ずしもアースに接続する必要はなく、整流板としての機能のみを持たせても良い。従って、絶縁性材料で構成しても良い。
サイクロン11や、ダストボックス23をアースに接続することなく、電気集塵部の捕集部は、遠心力集塵部の捕集部と別個独立に設けても良い。
第1,第3,第4,第6または第7実施例の構成においてもオゾン分解手段を設けても良い。
【0081】
第6実施例のように、電気集塵部26を空気清浄機の運転開始,運転停止に先立って通電させるものに限らず、運転開始,運転停止と略同時に通電させるように制御しても良い。また、第7実施例についても同様に、運転レベルの切り換えと略同時に電気集塵部26を通電させるように制御しても良い。
第6または第7実施例の構成において、帯電部12を取り除き、電気集塵部26を、電気集塵部15と同様に動作させても良い。また、それに加えて、第6または第7実施例と同様に、制御部30によって捕集した塵埃の再飛散現象を防止するための運転制御を行っても良い。
気体は空気に限らず、塵埃を含んでいる気体であれば良い。
【0082】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通りであるので、以下の効果を奏する。
請求項1記載の気体浄化装置によれば、比較的大きな塵埃については遠心力集塵部の機械的作用によって集塵することができ、比較的小さな塵埃については電気集塵部によって集塵することができる。従って、これらのトータルで粒径が広範囲に異なる塵埃を捕集することができると共に、フィルタを使用することなく気体中の塵埃を捕集することが可能となるので、ユーザのメンテナンスがより軽減され、塵埃の再飛散現象も抑制することができる。
【0083】
そして、電気集塵部の少なくとも帯電部を、遠心力集塵部の前段に配置するので、塵埃を含んだ気体が遠心力集塵部に導入される前に塵埃を帯電させることができる、比較的粒径が大である塵埃をも帯電させて電気的作用により捕集させることができる。
【0084】
また、帯電部は、遠心力作用部における気体入口の外周側で塵埃に帯電させるので塵埃の捕集効率が向上する。また、比較的質量が大きい塵埃にも帯電させることができる。
【0085】
請求項記載の気体浄化装置によれば、帯電部と遠心力作用部との間に、気体の流れを整流する整流板を配置するので、遠心力作用部に導入される気体が整流板の作用によって層流となり、遠心力作用部における旋回運動は乱れを生じることなく高速となる。従って、塵埃の分離をより効率的に行うことができる。
【0086】
請求項記載の気体浄化装置によれば、整流板を導電性材料で構成して電気集塵部の捕集部とするので、比較的の粒径の小さい塵埃は、気体が遠心力作用部に導入される前に整流板によって捕集される。従って、遠心力集塵部における集塵効率を向上させることができる。
【0087】
請求項記載の気体浄化装置によれば、遠心力集塵部の遠心力作用部及び捕集部を導電性材料で構成して電気集塵部の捕集部の一部とするので、遠心力集塵部の構成全体を、塵埃を電気的に捕集するために利用することができる。
【0088】
請求項記載の気体浄化装置によれば、遠心力集塵部の遠心力作用部を絶縁性材料で構成し、遠心力集塵部の捕集部を導電性材料で構成して電気集塵部の捕集部の一部とするので、遠心力集塵部の捕集部においても電気的作用によって塵埃が捕集されるようになる。
【0089】
請求項記載の気体浄化装置によれば、遠心力集塵部の捕集部を、電気集塵部の捕集部と共通にするので、捕集部が1か所となるので、ユーザによるメンテナンスを容易にすることができる。
【0090】
請求項記載の気体浄化装置によれば、遠心力作用部を、プラスチックのブロー成形により形成するので、部品数が少なくなると共に密閉性が容易に確保される。また、遠心力作用部を薄肉に成形することもできるので、装置全体を軽量化することができる。
【0091】
請求項記載の気体浄化装置によれば、捕集部を本体に対して着脱可能に構成するので、ユーザは、捕集部を本体から取り外して内部に捕集された塵埃を除去した後に、捕集部を本体に取り付けることができる。従って、捕集した塵埃を除去する際の取り扱いを容易にすることができる。
【0092】
請求項記載の気体浄化装置によれば、帯電部は、塵埃を含む気体に負極性の高電圧を印加するので、オゾンを発生させて気体中に含まれている臭気成分や細菌等を酸化分解させ脱臭や殺菌などの作用も加えて気体を清浄化することができる。
【0093】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、遠心力作用部の気体出口側に、オゾンを分解するオゾン分解手段を配置するので、ユーザがオゾン臭を不快に感じることを防止できる。
【0094】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、電気集塵部を、遠心力集塵部の排気側に配置して、制御手段は、その電気集塵部を、遠心力集塵部の運転に伴う塵埃の再飛散を防止するように運転制御するので、一旦捕集した塵埃を外部に排出させないように阻止して気体をより清浄にすることができる。
【0095】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、制御手段は、少なくとも遠心力集塵部の運転停止時に電気集塵部を運転させるので、運転停止時に再飛散しようとする塵埃を捕集することができる。
【0096】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、制御手段は、遠心力集塵部の運転が停止される時点の所定期間前から電気集塵部の運転を開始させるので、遠心力集塵部の運転が停止される時点で、電気集塵部を定常運転状態にして、運転停止時に外部に排出されようとする塵埃をより確実に捕集することができる。
【0097】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、制御手段は、少なくとも遠心力集塵部の運転開始時に電気集塵部を運転させるので、運転開始時に外部に排出されようとする塵埃を捕集することができる。
【0098】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、制御手段は、遠心力集塵部の運転が開始される時点の所定期間前から電気集塵部の運転を開始させるので、遠心力集塵部の運転が開始される時点では、電気集塵部が定常運転状態になっているため、運転開始時に外部に排出されようとする塵埃をより確実に捕集することができる。
【0099】
請求項1記載の気体浄化装置によれば、制御手段は、少なくとも遠心力集塵部の運転レベルが切換わる時に電気集塵部を運転させるので、例えば、気体の吸引速度や吸引量(風量)などの運転レベルを切り換えた場合に再飛散により外部に排出されようとする塵埃を捕集することができる。
【0100】
請求項17記載の気体浄化装置によれば、制御手段は、遠心力集塵部の運転レベルが切換えられる時点の所定期間前から電気集塵部の運転を開始させるので、遠心力集塵部の運転レベルが切替わる時点では、電気集塵部が定常運転状態になっているため、運転開始時に外部に排出されようとする塵埃をより確実に捕集することが可能となる。
【0101】
請求項18記載の気体浄化装置によれば、電気集塵部を、遠心力集塵部に対して着脱可能に構成するので、ユーザは、電気集塵部を遠心力集塵部より取り外して、捕集された塵埃を清掃や洗浄などにより除去する作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、空気清浄機の構成を概略的に示す(a)は側面図、(b)は平面図
【図2】帯電部の構成を示す斜視図
【図3】本実施例及び従来の空気清浄機とを夫々運転した場合に、空気中に含まれる塵埃数の実測結果を示す図
【図4】本実施例の空気清浄機を運転した場合に、空気中に含まれるアンモニアの残存率の実測結果を示す図
【図5】本発明の第2実施例を示す要部の図1相当図
【図6】帯電部の正面図
【図7】帯電部の各部に電極を配置した場合における、集塵効率の測定結果を示す図
【図8】本発明の第3実施例を示す要部の斜視図
【図9】試験用粉体10種を用いて集塵効率を測定した結果を示す図
【図10】本発明の第4実施例を示す図1(a)相当図
【図11】本発明の第5実施例を示す図5(a)相当図
【図12】空気清浄機の排出口側でオゾン濃度を測定した結果を示す図
【図13】本発明の第6実施例を示す図1(a)相当図
【図14】電気的構成を示す機能ブロック図
【図15】制御部の制御内容を示すフローチャート
【図16】本発明の第7実施例を示す図15相当図
【図17】従来の電気式集塵機の構成の一例を概念的に示す図
【符号の説明】
11はサイクロン(遠心力集塵部,捕集部)、11aは円筒部(遠心力作用部)、11bは円錐部(遠心力作用部)、11cはダストボックス(捕集部)、12は帯電部、15は電気集塵部、16は帯電部、18は整流板(捕集部)、19は電極(帯電部)、20は電気集塵部、21はサイクロン(遠心力集塵部)、22aは円筒部(遠心力作用部)、22bは円錐部(遠心力作用部)、23はダストボックス(捕集部)、24は電気集塵部、25はオゾン分解触媒(オゾン分解手段)、26は電気集塵部、30は制御部(制御手段)を示す。

Claims (18)

  1. 塵埃を含む気体に高電圧を印加して前記塵埃を帯電させる帯電部と、この帯電部によって帯電された塵埃を電気的作用により捕集する捕集部とを有する電気集塵部と、
    前記気体に旋回運動を与えることで該気体に含まれる塵埃に遠心力を作用させる遠心力作用部と、この遠心力作用部によって気体より分離除去された塵埃を捕集する捕集部とを有する遠心力集塵部とを備え
    前記電気集塵部の少なくとも帯電部を、前記遠心力集塵部の前段に配置し、
    前記帯電部は、前記遠心力作用部における気体入口の外周側において塵埃を帯電させるように構成されていることを特徴とする気体浄化装置。
  2. 帯電部と遠心力作用部との間に、気体の流れを整流する整流板を配置したことを特徴とする請求項1記載の気体浄化装置。
  3. 整流板を導電性材料で構成し、電気集塵部の捕集部とすることを特徴とする請求項2記載の気体浄化装置。
  4. 遠心力集塵部の遠心力作用部及び捕集部を導電性材料で構成することで電気集塵部の捕集部の一部としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の気体浄化装置。
  5. 遠心力集塵部の遠心力作用部を絶縁性材料で構成し、遠心力集塵部の捕集部を導電性材料で構成することで電気集塵部の捕集部の一部としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の気体浄化装置。
  6. 遠心力集塵部の捕集部を、電気集塵部の捕集部と共通にしたことを特徴とする請求項4または5記載の気体浄化装置。
  7. 遠心力作用部を、プラスチックのブロー成形により形成したことを特徴とする請求項5または6記載の気体浄化装置。
  8. 集部を、本体に対して着脱可能に構成することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の気体浄化装置。
  9. 帯電部は、塵埃を含む気体に負極性の高電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の気体浄化装置。
  10. 遠心力作用部の気体出口側に、オゾンを分解するオゾン分解手段を配置したことを特徴とする請求項9記載の気体浄化装置。
  11. 電気集塵部を、遠心力集塵部の後段にも配置し、
    前記電気集塵部を、少なくとも遠心力集塵部の運転に伴う塵埃の再飛散を防止するように運転制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の気体浄化装置。
  12. 制御手段は、少なくとも遠心力集塵部の運転停止時に、電気集塵部を運転させることを特徴とする請求項11記載の気体浄化装置。
  13. 制御手段は、遠心力集塵部の運転が停止される時点の所定期間前から、電気集塵部の運転を開始させることを特徴とする請求項12記載の気体浄化装置。
  14. 制御手段は、少なくとも遠心力集塵部の運転開始時に電気集塵部を運転させることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の気体浄化装置。
  15. 制御手段は、心力集塵部の運転が開始される時点の所定期間前から、電気集塵部の運転を開始させることを特徴とする請求項14記載の気体浄化装置。
  16. 制御手段は、少なくとも遠心力集塵部の運転レベルの切換え時に、電気集塵部を運転させることを特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載の気体浄化装置。
  17. 制御手段は、心力集塵部の運転レベルが切換えられる時点の所定期間前から、電気集塵部の運転を開始させることを特徴とする請求項16記載の気体浄化装置。
  18. 電気集塵部は、遠心力集塵部に対して着脱可能に構成されることを特徴とする請求項11乃至17の何れかに記載の気体浄化装置。
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