JP3704297B2 - 電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば暖房機、湯沸機など民生用の主として小形石油燃焼器へ灯油などの液体燃料を所定量供給するために、これに組付けられる用途に供する比較的低吐出圧力低吐出流量の電磁プランジャポンプの吐出性能調整検査を含む製造時の流量測定装置による吐出流量計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記したこの種の電磁プランジャポンプは図5に示す電磁プランジャポンプ1が最も知られている。その構成は殊更説明するまでもなく周知であるが、一応簡単に説明する。電磁コイル51を捲装したボビン52の軸心縦貫孔に挿嵌され、上部の下流側に吐出口70を有する上磁路と一体の吐出継手71を、下部の上流側には吸入口63を開口した吸入孔64を有する吸入継手65と一体の本体68をそれぞれ外嵌するシリンダ53の内部には、上下のばね55、56に挟持され、摺動往復自在に嵌装され、かつ吸入弁座62に吸入弁ばね60により押圧されてこれを閉塞する吸入弁体61が係設されてなる吸入弁機構を内蔵する電磁プランジャ54を備える。
【0003】
前記吐出継手71内には、吐出弁座59に吐出弁ばね57により押圧されて、これを閉塞する吐出弁体58が係設された吐出弁機構が備えられる。そして、この吐出弁座59と、前記本体要部に備える下ばね座67との間に、前記上下のばね55、56により電磁プランジャ54が挟設される。前記ボビン52の下部には、シリンダ53の下端部を筒状に突出させてこれに外嵌する磁路座金73が本体68との間に介設され、前記吐出継手71と本体68との間とを囲む外枠継鉄72を組付小ねじ69により螺締結して、ボビン52と共に挟着固定する。吸入継手65の吸入口63を覆うフィルタ66を備える。
【0004】
電磁コイル51に、図示しないが、駆動電源から断続パルス電流を付勢すると、そこに発生する磁力と通電周期の非導通期間に消滅した磁力に代わって反発する上ばね55の反発力によって、電磁プランジャ54の往復運動と、前記吸入、吐出弁機構の協同作用により、流体は矢印aのように吸入口63から吸引され、矢印bのように吐出口70から吐出されるわけである。
【0005】
前記したように、電磁プランジャ54は上下のばね55、56に挟設されたフリーピストンである。
【0006】
電磁プランジャポンプは、電磁コイル51の捲数と電流値の積の、いわゆるアンペアターンによる磁気吸引力が定まる。ポンプの吐出圧力を高めるためには、電流値を高める必要があり、吐出流量を増加させるためには、断続パルス電流の周波数を高めて電磁プランジャの単位時間あたりの衝程数を増加させるか、または電流値を増してアンペアターンを高めて電磁プランジャの衝程長を伸長させなければならない。 断続パルス電流の電流値を加減するのは、抵抗値を加減したり変圧して電磁コイルへの印加電圧を加減調整するか、電流の周波数を加減調整するか、または周期中の導通期間を加減し、いわゆるデューテイ比制御するか、位相制御するなどの方法があり、これらがこの種の電磁ポンプにおける電気的な吐出制御方法であり、これは周知である。
【0007】
このような構成の電磁プランジャポンプ1の電磁コイル51に前述した断続パルス電流を付勢すると、電磁プランジャ54はシリンダ53内を往復運動して吸入弁体61と吐出弁体58との協同作用のもとにポンプ作用を営み、吸入口63から矢印aのように吸入された流体はポンプ内を縦貫して吐出口70から矢印bに示すように吐出される。
【0008】
図6に示すのは、この電磁プランジャポンプ(以下単に電磁ポンプと称す)201により燃焼器222に燃料油を供給する装置の構成図である。
【0009】
燃料油槽211内の燃料油212は、電磁ポンプ201により矢印aのように吸引され、矢印bのように吐出されて送油管213により気化器220に導かれて、ここで電気ヒータ221により加熱気化されて、ノズル孔224から燃焼器222へ噴出し、燃焼用空気と混合し、着火されて燃焼する。
【0010】
ノズル孔224には、電磁弁225の電磁可動片226と連結連動するニードル223が係合して燃焼時には開口している。燃焼停止時には、電磁弁225も切電されて電磁可動片226は移動して、前記ニードル弁223がノズル孔224を閉じると共に、その反対側では戻り管227の開口部を開き、未燃燃料は戻り管227から矢印jのように油槽に戻される。図6に示す燃焼器は、いわゆるブンゼン方式の燃焼器であるが、エアジェット方式、ロータリ方式、ポット式の石油気化燃焼器であっても、燃焼時に火炉内の圧力が上昇かつ変動することはその程度の差はあるが同様である。
【0011】
一般に、ポンプの吐出側に例えば大気圧以上の雰囲気の圧力が存在する場合には、予めその圧力を考慮して、その圧力下で所定値の流量を確保するためにポンプの吐出能力を調整するように製造工程で実施するが、それでも実際に使用時には燃焼状態により流量の変動がある。特に燃料を気化するために、気化器で加熱してこれを燃焼させるブンゼン方式の燃焼器のようにポンプの吐出側の雰囲気圧力が比較的高い場合は、図4に示すような流量測定装置が調整および検査のために、製造工程において利用されていた。
【0012】
図4は、従来の流量測定装置の構成を示す説明図である。図において、電磁ポンプ1は油槽111の燃料油112を矢印aに示すように吸入して、矢印bのように吐出し、接続管113により調圧弁133に至り、吐出管130の流下口131から矢印b′で示すように、漏斗132からビューレット管122に入り、光センサ124から光センサ123に至る所定容量を満たす時間を測定して、分または時間あたりの流量を算出するのである。測定後ビューレット管内の液体は、電磁弁115を切電開成して矢印cに示すようにドレンが排出される。流量測定開始時には、電磁弁115は通電閉塞される。
【0013】
調圧弁133の構成は、弁本体134の弁座136に調圧螺桿139を回動加減することにより調圧ばね138の撓みを変えて調圧弁体137を押圧し、それによって前記ポンプの吐出側の雰囲気、すなわち燃焼器の内部圧力に相応した圧力の負荷状態に調圧するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術のポンプの流量測定装置には、次のような問題点がある。
(1) 電磁ポンプの吐出圧力流量は電流のパルスにより作動する脈動的動圧であり、この脈動の動圧の波高値付近で前記調圧弁133の調圧ばね138の荷重を超えて調圧弁体137を開成する荷重と平衡するのであるから、したがって実機の燃焼器の気化器および火炉の常に変動している内圧、すなわちポンプの吐出側の雰囲気負荷状態とは相違があり、したがって燃料の吐出流量も変動がある。
(2) また、ポンプの吐出側の雰囲気圧力が小さい場合、例えばエアジェット方式の燃焼器の場合に用いるのにもまた正確な流量設定が困難になる。
(3) 調圧ばね、調圧弁体、調圧弁座を備えた調圧弁による圧力調整器をポンプと流量測定装置、例えばビューレット管との間に備えたものは、流路が複雑になり、エアかみ込みを生じやすく、したがって正確な流量の計測が困難である。
(4) 大量生産で多数のポンプ、例えば20連で同時に流量を調整するときには、ポンプ毎に圧力調整器を備えかつその調整も必要で不経済であり、しかも構造複雑で取付けスペースも増す。
(5) ポンプの吐出側に調圧弁の弁機構があるためにポンプ自体の吐出弁が作動不良で閉止不能となったときにも、調圧弁の弁がポンプの吐出弁として作動し、正常な吐出状態を得るので、ポンプの機能不良を検知できない。
(6) 調圧弁の作動音が高く、被測定物であるポンプの作動音の検査の判定ができない。
【0015】
比較的燃焼器におけるポンプの吐出側の雰囲気圧力の低い方式のものには、実機の配管をこの検査装置に利用することもできるが、大量生産の場合、長時間にわたって多数のポンプの流量を測定する場合には、配管の内部にゴミ詰まりを生じ、流量設定か変動することおよび燃焼器の機種ごとに実機配管を変換しなければならず、しかもその配管の内径、内部表面アラサ、その他レイノルズ数により流動抵抗を考慮して標準の実機配管を選定してこれを取り付ける手数が煩雑である。
(7) また、燃焼器はポンプの吐出側の火炉等の雰囲気圧力のみならず、吸入側の配管の吸入ヘッドその他の負圧を生じる条件も吐出流量の変化を生ずるから、これに対処した措置も必要である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決する課題は、本発明により解決できる。すなわち、燃料槽から燃料を接続管を介して、燃焼器へ供給用のフリーピストン状に往復自在の電磁プランジャを備えた電磁プランジャポンプの吐出側と、流量測定装置の一方の開口部とを接続し、その下流の他方の開口部からは、前記燃焼器の燃焼時に気化燃料と燃焼空気等とにより加圧負荷されるものとほぼ同等の圧力を加えて前記電磁プランジャの作動に対して圧力抵抗を付与した負荷環境内における吐出流量を所定値に設定するために前記流量測定装置により前記ポンプの吐出性能調整検査を含む製造工程時に可変調整することを特徴とする電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法により解決できる。
【0017】
また、本発明の好ましい実施の形態において、前記電磁ポンプの吐出側を流量測定装置の一方の開口部に連通させ、かつその開口部ならびにその下流の他方の開口部を含む一体の前記流量測定装置および前記接続管の吐出側もしくはその流下口側を気密をもって収容して、前記燃焼器内が燃焼時に気化燃料と燃焼空気等により加圧負荷されるのとほぼ同等の圧力を加え得る加圧空気室を設けて、前記電磁プランジャの作動に圧力抵抗を負荷した上、前記流量測定装置により、吐出性能調整検査を含む前記ポンプ製造時の圧力負荷環境内における吐出流量を可変調整して所定値に設定することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の好ましい実施の形態において、前記流量測定装置はビューレット管を含み、その上下にその液位を検知する光センサを備えて、その間のビューレット管内の所定容量を満たす時間を計測して単位時間あたりのポンプの吐出流量を演算して求め、さらにそれによって前記圧力負荷環境下における吐出流量を可変調整して所定値に設定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の計測方法における流量測定装置の一実施の形態の構成説明図である。
【0021】
流量計測部には、4ヵ所の開口部があり、電磁ポンプ1によって油槽11の燃料油は矢印aのように吸入され、矢印bのようにその吐出側に接続された接続管13を経て第一の開口部14から流量計測部のビューレット管22の下部に連通する一方で、流量計測時に閉塞し、計測後に矢印Cで示されるように開成するドレン排出用の電磁弁15に接続されている。ビューレット管22の上部には、接手27が連結しており、これに設けられた第2、第3、第4の開口部16、17、18には、それぞれポンプの吐出側に負荷されるべき加圧空気供給用の電磁弁20、排気開閉用の電磁弁19、圧力計21がそれぞれ接続される。
【0022】
例えば、燃焼器の燃焼時に気化燃料と燃焼空気等とほぼ同等の負荷圧力を加えるときに、さらに燃料供給パイプの内径の大きさ、すなわち断面積、内面のアラサ程度、パイプの長さの相違、液体の粘度および温度変化によるその相違などレイノルズ数の変換に基づく流動抵抗の変動が影響する損失を換算して前記加圧負荷する圧力に加えることも考慮する必要がある。この加圧負荷する圧力側には、図示しないが、もちろん常に所定圧力を保持する調圧機構を備えなければならない。
【0023】
ポンプの吐出流量調整設定のため、流量計測時にポンプ1の始動と共に電磁弁20を開き、加圧空気を矢印eのように流量測定装置2に流入させると共に、電磁弁15、電磁弁19を閉塞して内部に負荷圧力を充填し、燃料油12をビューレット管22に流入させる。ビューレット管22の上下の管状小径部には、それぞれ光センサ23および24を備え、液体すなわち燃料油が光センサ24通過し、光センサ23に到達する所定容積を充満する時間を計測して例えばコンピュータで演算処理し、単位時間すなわち1時間もしくは1分あたりのポンプの吐出流量を計測するのである。流量計測後、電磁弁20を閉じ、電磁弁19を開いて矢印fのように排気し、さらに電磁弁15も開いて矢印cのようにドレンを排出する。圧力計21は計測時の流量測定装置の内部圧力を測定表示するものである。
【0024】
電磁プランジャポンプの大量生産の場合に、多数のポンプを同時に併列して流量を計測するときには、ビューレット管と電磁弁およびポンプ等の接続アタッチメントを多数配置し、空気圧供給用電磁弁20を一括してそれぞれのポンプの吐出側に圧力を負荷するようにすればよい。
【0025】
図2は、本発明の計測方法における流量測定装置の他の実施の形態の構成説明図である。図において、ビューレット管22を含む流量計測部分は加圧空気室30により密閉されており、これに加圧空気用電磁弁20、排気用電磁弁19、ドレン排出用電磁弁25、圧力計21がそれぞれ気密を保って取付け接続されている。
【0026】
ビューレット管22の流入側の開口部14に接続された計測時遮断兼ドレン排出用電磁弁15が備えられる。
【0027】
前記電磁弁20から図示しない圧力調整された加圧給気が加圧空気室30に矢印eのように弁開成時に供給される。流量測定終了時には、電磁弁20は閉塞、電磁弁19は開成して矢印fのように排気され、電磁弁15、25は共に開成して矢印c、矢印kのようにドレンは排出される。その他の符号の部品は図1に示したものと作用も共に同様である。
【0028】
図2に示すものも、図1のものと同様にポンプを多数同時に併列して流量を計測する場合は、加圧空気室30を共用の大きなものとして前記電磁弁19、20、25および圧力計21は共用となる。
【0029】
また、加圧給気用電磁弁20と排気用電磁弁19は1個の3方電磁弁を利用することも差し支えない。
【0030】
図3に示すものは、本発明の計測方法における流量測定装置のさらに他の実施の形態の構成説明図である。
【0031】
この場合には、電磁ポンプ1の吐出側の接続管の下流側の加圧空気室30に挿入されてビューレット管22に臨む流下口31に対向し、該ビューレット管22の上端部に形成した漏斗32を備えたものである。
【0032】
電磁ポンプ1により油槽11の燃料油12は矢印aより矢印bのように接続管13を経て流下口31から漏斗32に入り、ビューレット管22に至って前記説明通り流量が計測される。その他同一符号を付したものはその名称、作用共に前記した図1、図2のものと同様であり、多数併列して流量を計測する場合についても同様である。
【0033】
また、前記した電磁弁の一部または全部を手動の弁やコックを利用することも差し支えないが、手間がかかり、非能率的である。
【0034】
次に、本発明の計測方法の効果について、電磁プランジャポンプの流量計測を、従来の調圧弁式流量測定装置と比較実験を行い、流量計測装置としての性能を比較した。
【0035】
以下、本発明による計測方法を、流量測定装置として電磁プランジャポンプの吐出側に電磁プランジャの作動に対して圧力抵抗を付与するために加圧給気による負荷環境を設けた畧して空圧式流量測定検査方式とし、図4に示した従来の計測方法を調圧弁式流量測定検査方式としてその実績を以下対比説明する。
【0036】
先ず、計測器としての測定誤差を検証するために、同一のポンプを、各々の測定装置において、測定装置の負荷圧力を段階的に変化させたときの、それぞれの負荷圧力における計測流量との相関を見る、いわゆる圧力−流量特性における直線性を試験した。
【0037】
【表1】
【0038】
表1は負荷圧力がそれぞれ0 Kpa (無負荷) 、4.9 Kpa 、9.8 Kpa 、14 Kpa、19.1 Kpa 、24 Kpa 、29.1 Kpa における計測流量を、各々の測定装置ごとに示し、さらにそれぞれの圧力と計測流量より、統計的手法を用いて近似直線、いわゆる線形回帰直線を求めるための回帰計数(a) 、(b) および相関係数 (γ)を求めた。
【0039】
ちなみに、線形回帰直線とは、変数X1,X2,X3--- XnとY1,Y2,Y3・・・Ynの2変数を最小二乗法により、Y=aX+bとして表したものであり、(a) をその回帰直線の傾斜、(b) をその回帰直線の切片と呼ぶ。
【0040】
また、相関係数( γ)は変数X1,X2,X3・・・XnとY1,Y2,Y3・・・Ynの2変数についてXとYの共分散を、Xの標準偏差とYの標準偏差との積で割ったものであり、相関係数は−1から1までの間にあり、−1または1のときは、2変数間に完全な直線関係があることを示すものである。
【0041】
【表2】
【0042】
表2は、表1で求めた相関係数、(a) 、(b) を、前記した線形回帰直線の式Y=aX+bに代入し、変数Xである負荷圧力に対する、直線としての変数Yである計測流量値を求めたものであり、計測誤差がゼロであるときの計測流量値を示すものである。
【0043】
【表3】
【0044】
表3は表1に示す実測流量値の、表2で示す、計測誤差がゼロであるときの計測流量値に対する偏差を示したものであり、これが計測誤差である。
【0045】
図7は、表3に示す試験結果をグラフに表したものであり、明らかに本発明である、空圧式検査方式の方が誤差が小さい。
【0046】
次に、計測器としての安定性を検証するために、同一のポンプを、各々の測定装置において、一定の負荷圧力を加えて、流量を計測し、同一条件でこれを3回繰り返した。
【0047】
これを、負荷圧力が 0 Kpa (無負荷) 、9.8 Kpa 、19.1 Kpa、29.1 Kpa の5種類の圧力において実験した。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
表4、表5、表6および表7は、それぞれ負荷圧力が 0 Kpa (無負荷) 、9.8 Kpa 、19.1 Kpa、29.1 Kpa における、3回の繰り返し測定の計測流量および1回目の計測流量に対する2回目、3回目の偏差を示したものである。
【0053】
さらに、3回の計測流量の平均値から、3回の計測流量のうちの最大のものと最小のものとの差を減じ、それを、3回の計測流量の平均値で除算した、いわゆる再現率を示した。
【0054】
再現率は、全ての負荷圧力での実験結果において、本発明である、空圧式検査方式の方が大きい値を示し、本発明の計測方法が、安定性が良く、信頼性の高いことが証明された。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法は、該ポンプの吐出性能調整検査を含む製造工程時に所定の吐出流量に可変調整して設定するに当たり、従来の調圧弁を利用する図4に示す従来方法に比較して、図7および前記各表に示す通りその正確性を含むすべての点で優れている。もちろん、前記従来技術の問題点も解決した。
【0056】
そして次のような効果がある。
【0057】
(a) ポンプの吐出側に負荷を加える方法が空気圧で静圧なので、燃焼器の実機の燃焼時に近い負荷を加えて燃料油の流量の計測ができる。特に低負荷において安定した負荷状態を得る。
【0058】
(b) 前記負荷が流量測定時にのみ加わり、ポンプの予備運転時には負荷から開放されるので、ポンプの内部および計測流路の空気の排出が良好で、エアカミのロックが無いので、燃料油吐出流量計測の精度が高い。
【0059】
(c) ポンプの大量生産時に、同時に多数を併列その流量を計測する場合に、一括して同一圧力をその吐出側に加えることができるので、該負荷圧力の調節が簡単であり、そのバラツキも生じない。また、この圧力の調整制御、吐出流量の計測をすべて電気的に操作できるので、コンピュータによる自動計測、演算が容易である。
【0060】
(d) ポンプの吐出流路途中に弁機構を有する圧力調整器を介在させていないので、ポンプの吐出弁に異常があったときもその不良検出が確実に行い得る。
【0061】
(e) 前記負荷圧力調整器をポンプの近くに配設する必要がないので、該調整器の作動音の影響を受けることがなく、ポンプの作動音に異常音が発生したときに良否判定が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法に用いられる流量測定装置の一実施の形態の構成説明図である。
【図2】同じく流量測定装置の他の実施の形態の構成説明図である。
【図3】同じく流量測定装置のさらに他の実施の形態の構成説明図である。
【図4】従来の流量測定装置の構成説明図である。
【図5】本発明の吐出流量測定装置によって流量を計測される電磁プランジャポンプの一例の一部断面を表す縦断説明図である。
【図6】 電磁プランジャポンプにより燃焼器に燃料油を供給する装置の一例の構成図である。
【図7】 横軸にポンプの吐出側の雰囲気環境のいわゆる負荷圧力Kpa をとり、縦軸にポンプの吐出流量の偏差%をとったグラフであり、実測流量に対する変化率が直線性を表すことを示す。
【符号の説明】
1 電磁プランジャポンプ
2 流量測定装置
11 油槽
12 燃料油
13 接続管
15,19,20 電磁弁
22 ビューレット管
23,24 光センサ
25 電磁弁
30 加圧空気室
Claims (3)
- 燃料槽から燃料を接続管を介して、燃焼器へ供給用のフリーピストン状に往復自在の電磁プランジャを備えた電磁プランジャポンプの吐出側と、流量測定装置の一方の開口部とを接続し、その下流の他方の開口部からは、前記燃焼器の燃焼時に気化燃料と燃焼空気等とにより加圧負荷されるものとほぼ同等の圧力を加えて前記電磁プランジャの作動に対して圧力抵抗を付与した負荷環境内における吐出流量を所定値に設定するために前記流量測定装置により前記ポンプの吐出性能調整検査を含む製造工程時に可変調整することを特徴とする電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法。
- 燃料槽から燃料を接続管を介して燃焼器に供給用のフリーピストン状に往復作動自在の電磁プランジャを備えた電磁プランジャポンプの吐出側を流量測定装置の一方の開口部に連通させ、かつその開口部ならびにその下流の他方の開口部を含む一体の前記流量測定装置および前記接続管の吐出側もしくはその流下口側を気密をもって収容して、前記燃焼器内が燃焼時に気化燃料と燃焼空気等により加圧負荷されるのとほぼ同等の圧力を加え得る加圧空気室を設けて、前記電磁プランジャの作動に圧力抵抗を負荷した上、前記流量測定装置により、吐出性能調整検査を含む前記ポンプ製造時の圧力負荷環境内における吐出流量を可変調整して所定値に設定することを特徴とする電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法。
- 前記流量測定装置はビューレット管を含み、その上下にその液位を検知する光センサを備えて、その間のビューレット管内の所定容量を満たす時間を計測して単位時間あたりのポンプの吐出流量を演算して求め、さらにそれによって前記圧力負荷環境下における吐出流量を可変調整して所定値に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁プランジャポンプの吐出流量計測方法。
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