JP3022333B2 - 石油燃焼器用燃料供給電磁ポンプの製造方法 - Google Patents

石油燃焼器用燃料供給電磁ポンプの製造方法

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JP3022333B2
JP3022333B2 JP8194283A JP19428396A JP3022333B2 JP 3022333 B2 JP3022333 B2 JP 3022333B2 JP 8194283 A JP8194283 A JP 8194283A JP 19428396 A JP19428396 A JP 19428396A JP 3022333 B2 JP3022333 B2 JP 3022333B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暖房機などの民生
用の主として小型石油燃焼器へ、例えば白灯油などの液
体燃料を所定量供給するためにこれに組付けられる用途
に用いられる電磁ポンプの特に大量生産時の吐出流量を
所定値に調整する工程を含む製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記主として小形石油燃焼器への液体燃
料を定量供給して燃焼させるための送油ポンプとして電
磁ポンプが利用されるようになって久しい。否むしろ電
磁ポンプの開発によって、これら民生用の小形石油燃焼
機器を備えた暖房器、ボイラー或いは乾燥機が爆発的に
市場に提供されるようになった。
【0003】即ち1960年代には、ガンタイプ油バー
ナ用電磁ポンプとして比較的吐出圧力流量共に大きく、
圧力調整機構等を備え複雑な構成の電磁ポンプが、本願
出願人によって初めて市場に提供された。引続き、米,
麥等の穀類、煙草、食品等の乾燥用として含水率制御回
路などを備えた電磁ポンプが、さらに1970年代の初
頭において、強制給排気形暖房器、さらに石油ストーブ
(所謂石油ファンヒータ)の燃焼器への燃料ポンプとし
て本願出願人によって初めて市場に提供された。
【0004】そして該ファンヒータは、価格の低廉であ
ることから大いに市場において歓迎され、現在まで需要
は甚だしく増大した。しかるに現下の経済情勢から販売
価格競争も激しく販売価格は低減の一方で、これに組込
まれる電磁ポンプも甚だしい値下げを余儀なくされる趨
勢にある。しかもその吐出流量特性に対する要求も後述
するように甚だ厳しく、しかもその耐久性、信頼性に対
する保証の要求もまたきびしいものがある。
【0005】よって本願の狙いとするところは、電磁ポ
ンプ及びその燃焼器への組付け、燃料油の吐出流量を所
定値範囲に維持するための調整工程の合理化、省力化に
よる生産コストダウンと、その品質保証とである。そこ
で先ず前記小形燃焼器、即ち燃料油を霧化、加熱して気
化燃焼させるところのロータリ、又はエアジェット方式
或いは燃料油をヒータで加熱して気化噴射着火燃焼させ
るブンゼン方式等の燃焼器への燃料供給用の電磁ポンプ
は、最も小形構造簡単なものが従来から知られている。
【0006】その構成については殊更説明するまでもな
いが、本発明に利用される電磁ポンプの一例として、そ
の一部断面を表した説明図の図2によって簡単に説明す
る。図2において、電磁ポンプ1の電磁コイル20の軸
心縦貫孔に挿嵌された管柱シリンダ21内をその吐出接
手40側に備えた戻しバネ座34との間に戻しバネ23
と、他端の吸入接手37側との間に補助バネ24とをそ
れぞれ設けて、この両バネの間に圧支されていて、弁バ
ネ25、吸入弁26及び吸入弁座27とをもって成る吸
入弁機構を内蔵したフリーピストン状の電磁プランジャ
22は、前記管柱シリンダ21などを囲繞している電磁
コイル20へのパルス状断続電流の付勢によって発生す
る磁気吸引力と前記戻しバネ23の反発力とを交互に利
用して該管柱シリンダ21内を摺動往復し、前記吸入弁
機構と管柱シリンダ端部位に接続させる吐出オリフィス
41を備えた吐出接手40内に弁バネ28、吐出弁体2
9及び吐出弁座30をもって構成された吐出弁機構との
交互開閉作用と相まってポンプ作用を行ない、図におい
て吸入接手37の吸入口38を覆うフィルタ39から、
濾過された燃料油は該吸入口38、管柱シリンダ21内
を通過し、吐出接手40の吐出オリフィス41から吐出
され、図示しない燃焼器への接続配管を経て該接続配管
が臨む燃焼器の気化器又は火炉の気化室へ放出され、気
化燃焼する構成となる。
【0007】前記電磁コイル20へのパルス状断続電流
は、一般的に民生用小形石油燃焼器の燃料油供給電磁ポ
ンプの場合には、商用交流電源を整流しかつツェナダイ
オードを含む電圧安定化回路を経てパルス発振周期およ
び周期中の導通期間すなわちデューテイ比を加減調整す
る回路および該回路に抵抗器を介入させて電流波高値を
調整する等の電磁ポンプの駆動回路によってその吐出流
量を所定値に維持するように制御される。
【0008】前記電磁コイル20へ付勢するパルス状断
続電流は、その周波数が一定範囲の帯域内において、周
波数及びデューテイ比にほぼ比例し、かつ電流の波高値
に応じて電磁ポンプの単位時間あたりの吐出流量を増加
させることは既に従来技術の各文献に開示されて周知で
ある。即ち古くは、特公昭41−17264号の公報、
実公昭41−18863号の公報、特公昭56−387
96号の公報、特公昭57−12865号の公報、更に
は実公昭59−41377号の公報、実公昭63−39
430号の公報等に枚挙に暇がない程の電磁ポンプの吐
出流量制御回路が開示されている。
【0009】しかしてこれらの吐出流量制御回路は、少
なくとも10余年前迄は電磁ポンプに個々に組付け、要
求される吐出流量に調整し、さらにこれを石油燃焼器に
組込んだ後に更に燃焼状態に則して再調整することが一
般的であった。その直後、前記電磁ポンプも含む石油燃
焼器の製販コストダウンかつ省スペース、及び燃焼器を
ユーザに販売後に生じた不具合、故障などに対するメン
テナンスサービスにおけるポンプの吐出流量を燃焼器に
合わせて調整する作業を必要とせず、部品交換も最小限
度となる互換性と経済性とを求めて前記吐出流量制御回
路を該燃焼器全般の制御回路とを合わせて一体に組込む
方式が採用され始め、これが主流になった。この方式の
回路を以下単に燃焼制御回路と称する。
【0010】ところで前記燃焼制御回路と燃焼器と電磁
ポンプとはそれぞれの生産者が相違することが多い。そ
こで後で詳述するが、この燃焼制御回路における吐出流
量制御のためのパルス電流の電圧、周期及びデューテイ
比等は最もきびしい規制ができるが、それでも一定範囲
の許容差があり、電磁ポンプは、電磁コイルの所謂エナ
メル銅線の線径、絶縁被膜の厚さ、固有抵抗値、捲数及
び電磁ポンプの磁気回路の透磁率によって磁化力、磁束
密度の変化で磁力が左右され、ポンプ構成部品の寸法精
度、仕上げ面の表面粗さ、真円度、真直度による電磁プ
ランジャ作動時の摩擦抵抗やこれに加わる温度変化に伴
って燃料油の粘度と関連してのレイノルズ数の変動、バ
ネ定数の許容範囲内の微差などによっても、これらのバ
ラツキの集合によってポンプの吐出性能に甚だしく影響
し、さらに燃焼器に接続する配管とノズルの内径、内面
の粗さ及びそれぞれの長さの許容差内の微差及び燃焼器
自体の火炉内の圧力変化気流の状態によって、電磁ポン
プの吐出流量制御、即ち燃焼器の燃焼量の設定は微妙に
相違するものがある。
【0011】民生用の石油燃焼器、例えば日本工業規格
に定められた強制通気形開放式石油ストーブ、即ち石油
ファンヒータは、外気温の上下に対応して室温を所望の
温度に保持するため及び容量によって燃焼させる燃料油
を凡そ1〜10ミリリットル毎分の範囲を無段階若しく
は数段の段階的に比例燃焼可能なように吐出制御し、し
かも所定燃焼量の公差は±10%以内に規定されてい
る。
【0012】しかして、電磁ポンプ自体は吐出流量制御
回路による調整前の個々のポンプの自然最大流量の幅は
凡そ20〜30%程度の上下のバラツキがある。前記制
御回路で吐出流量を調整する場合に、所定(基準)燃焼
量±10%にするには、ポンプ自体ははるかにきびしい
規制がされるのである。例えば燃焼器生産者は、電磁ポ
ンプ受入れの際の吐出流量を所定燃焼量の±6〜7%を
要求しており、電磁ポンプ生産者は、製造工程における
吐出流量調整は所定吐出流量の±2〜2.5%、出荷時
の検査は同じく±4〜5%に規制を必要とするものが多
い現状である。
【0013】前記電磁ポンプの電磁コイル及び各部品の
仕上げ寸法精度等は、相当にきびしい許容誤差をもって
管理生産される。例えば電磁プランジャ1つをとっても
その外径寸法は、機械工作及び減摩剤のコーティング処
理を施した上で、その許容差は数ミクロンであり、真円
度、真直度も同様である。この外径寸法等をミクロン以
下に規制するとすれば恐らく、この電磁プランジャのみ
の生産原価で電磁ポンプ1台の価格の10倍前後となる
であろう。それ故、電磁ポンプを構成する各部品の前記
した許容差を現在よりも更にきびしく規制することは、
前記した要求されているコストダウンに逆行するもので
あり、現時点では到底実施できるものではない。
【0014】電磁ポンプとこれを組込む燃焼器のそれぞ
れの所定の機種で大量生産されたものが、それらの何れ
を組合わせても所定燃焼量の許容範囲に収まるように、
予め電磁ポンプの吐出流量のバラツキを規制する調整作
業の能率を高めて生産効率の向上、コストの低減をはか
り、しかも石油燃焼器を一般使用者が燃焼量を勝手に調
整したことによって発生するおそれのある事故を未然に
回避するために電磁ポンプ外部に可変抵抗器などの吐出
流量調整機構を取付けない傾向が一般的になった。
【0015】このような従来技術に例えば、特公平7−
101033号の公報に開示されたものが知られてい
る。この従来技術は、その特許請求の範囲に記載されて
いる如く、「フリーピストン状のプランジャを納めたシ
リンダの外周に設けられた電磁コイルと、該電磁コイル
から2本のコイル端末を固定する第1、第2の端子、更
に前記第1の端子との間で固定抵抗器が接続される第3
の端子とを有し、石油燃焼器に組込まれた状態で該石油
燃焼器内の駆動回路から供給される駆動パルスが上記第
2、第3の端子間に供給されて燃料を所定の吐出量で吐
出する石油燃料器の燃料供給用電磁ポンプにおいて、上
記固定抵抗器のない状態で、上記石油燃焼器の駆動回路
から供給される駆動パルスに対して上記所定の吐出量以
上となるように、予め電磁ポンプを製造し、吐出量検査
用駆動回路からの駆動パルスを上記第1、第2の端子に
供給して上記電磁ポンプの吐出量を測定し、このときの
吐出量と基準流量とその偏差に応じて、上記電磁ポンプ
の吐出量に対する上記石油燃焼器に組込んだ状態で上記
所定の吐出量に対する許容範囲内に収まる抵抗値を有す
る固定抵抗値を選定し、該選定した固定抵抗器を上記第
1、第3の端子間に接続することを特徴とする石油燃焼
器の燃料供給用電磁ポンプ」である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平7−101
033号の公報に開示の従来技術において、フリーピス
トン状のプランジャを収めたシリンダの外周に設けた電
磁コイルへ、発振する周期中のデューテイ比を有する所
定断続パルス電流を付勢してポンプ作用を営み、このパ
ルス電流に直列の抵抗を付加して電流値を低減してポン
プの吐出量を減少方向に調整して所定吐出量を得る方法
は従来公知である。
【0017】即ち、このように電磁コイルへ付勢する電
流に直列の抵抗を与えて電流値を低減したり、或いはリ
リーフ弁、減圧弁などをポンプに備えて、その吐出圧力
や流量を低減することを可能にするためにポンプの吐出
能力を所定の吐出力以上になるように電磁ポンプを予め
製造することは、従来周知で実施されてきたものであ
る。
【0018】この点通常すべての機器は、その最大出力
以下で所定値に調整された出力で使用されることが当然
であるからである。次に、この従来例では、その特許請
求の範囲の欄で、「吐出量検査用駆動回路から駆動パル
スを上記第1、第2の端子に供給して上記電磁ポンプの
吐出量を測定し、」とあるが、第1の端子との間で固定
抵抗器が接続される第3の端子があっても、「上記固定
抵抗器のない状態で」との特定の有無にかかわらず、第
1、第2の端子間に通電するときは該固定抵抗器は短絡
されていて用をなさない。
【0019】しかるに、この従来例の公報明細書第7欄
第32〜35行に、「若しくは、ある特定の抵抗値の抵
抗器を介在させた状態でポンプの吐出量を測定し、この
測定流量から上述のようにして所定の固定抵抗器を選定
する」と記載されている。この記載では、ある所定の抵
抗値の抵抗器は一体何処に介在させるのかその記載は一
切無いので不明である。
【0020】またこの従来例の特許請求の範囲の記載
に、「上記電磁ポンプの吐出量を測定し、このときの吐
出量と基準流量とその偏差に応じて」とあるが、基準流
量とその偏差についての説明がなされていないし、これ
らの定義が明確でない。そして、「上記電磁ポンプの吐
出量に対する上記石油燃焼器に組込んだ状態で上記所定
の吐出量に対する許容範囲内に収まる抵抗値を有する固
定抵抗値を選定し、」とあるのは、この従来例の特許公
報の明細書第6欄第4〜7行及び第7欄第24〜35行
にそれぞれ記載された所定の固定抵抗器の選定方法によ
るものであろうが、上記状態でポンプの吐出量を測定
し、この測定流量の基準流量からの偏差に応じて予め実
験データから求めている流量と抵抗値の関係から定まる
固定抵抗器を選定するとあるのみで、該固定抵抗器の選
定に係る手段についての記載が無いので具体性を欠く。
【0021】また、前記従来例の特許公報の明細書に従
来技術として記載されているところの実開昭53−31
303号の公報に開示されたコイルに直列に可変抵抗器
を接続し、この可変抵抗器の抵抗値を調整することによ
り電磁ポンプの流量を所定流量に調整すること及び可変
抵抗器を用いて前記固定抵抗器を選定する所謂カットア
ンドトライ法は、その従来例の特許公報の明細書第7欄
第36〜39行で否定されているので採らざるところで
あろう。
【0022】また、抵抗値の異なる固定抵抗器をそれぞ
れ接点の端子に接続して、これをそれぞれ電磁コイルに
ロータリスイッチの回動により切換接続してポンプの吐
出流量を選定することもカットアンドトライ方法である
から、これも前記従来例の従来技術範囲から除外される
(特公平7−66294号の公報を参照)。さらに同一
の生産ロットであって、予め電磁コイルへ直列に付加す
る抵抗値によってその吐出量が凡そ定まる見込みのある
場合には、吐出流量の所定値に調整するために固定抵抗
器の選定は多小の熟練度が必要であり、吐出流量調整者
の所謂勘によっても可能であるが、これも前記従来例の
技術範囲には属さないのみならずポンプ一台毎の人手に
よる抵抗器の選定及び調整はコストアップとなる。
【0023】このように特公平7−101033号の公
報に記載の従来例は、前記所定の吐出量に対する許容範
囲内におさまる抵抗値を有する固定抵抗器を選定する手
段が明らかではないので具体性がない。実施不可能とも
考えられる。しかし前記従来例の技術は、その特許公報
の明細書の第6欄第40〜42行、同第7欄第36〜3
9行及び同第9欄第9〜10行に、「固定抵抗器の選定
及び固定抵抗器の接続固定作業が各電磁ポンプ毎に1回
の吐出量測定によって行われる。」との三度にわたる記
載がある。
【0024】これは同一機種の電磁ポンプが、その電磁
コイルに直列に介在させる付加抵抗値と吐出流量との関
係を、横軸に前記付加抵抗値を縦軸に吐出流量をとる
と、その関係線図はほぼ直線的で横軸に対する傾きもほ
ぼ一定の角度であることを前提としているものとみなさ
れる。これを図6に示すと、Q0 を通り横軸とθの傾斜
を有する直線がこれである。図において横X軸に前記付
加抵抗値RΩをとり、縦Y軸に吐出流量値ミリリットル
毎分をとる。X軸R0 は電磁コイルの固定抵抗値、o点
は電磁コイルへの付加抵抗値を増す毎の流量実測値であ
り、Q0 は電磁コイルへの付加抵抗の無いときの流量値
で、試料nの平均値から回帰分析によりY軸方向距離の
二乗和が最小となるようにして求めた最小自乗法による
回帰直線が前記Q0 を通りX軸とθの角度をなすR−Q
直線である。
【0025】そして所定流量QX に対応するための選定
された付加抵抗値がR′X でこれが求められる値であ
る。 今、付加抵抗値 R1 〜RN ; 説明変数 x これに対する流量値 Q1 〜QN ; 目的変数 yとすると
【0026】
【外1】
【0027】の各式からy,a,bはそれぞれ求められ
る。しかしながら、前述しさらに詳細に後述するところ
の磁力の変化をもたらす諸要因や電磁ポンプ構成部品の
許容差範囲の寸法精度、表面粗さ、摩擦抵抗、レイノル
ズ数の変化、バネ定数などの微差によるバラツキの集積
が互いに強め合ったり弱め合ったりしてポンプの吐出量
に影響し、前記R−Q直線の「一回の測定」による所謂
一点測定値Q0 ′、若しくはQ0 ″は変動し、しかもこ
のQ0 ′,Q0 ″を通り、所定流量QX に対応する付加
抵抗値を求めるために結んだ直線は一点鎖線、点線で示
すようにX軸との傾斜角θ′,θ″もそれぞれ相違し、
前記回帰直線に必ずしも平行しない。
【0028】このことは、前記した回帰分析の三式にお
けるa,b,yの値がそれぞれ相違するものとなり、一
回の流量測定で「所定の吐出量に対する許容範囲内に収
まる抵抗値を有する固定抵抗器を選定する」ことは不可
能となり、確率が低いものとなる。そこで先ず、電磁ポ
ンプの吐出性能を左右する磁力について考えると、磁化
力は電磁コイルの捲数と、そこに流れる電流値の相乗
積、即ちアンペアターンに基づき、このアンペアターン
により発生する磁束密度を磁化力で除した商が透磁率で
ある。従って磁力の強さはこれらによって設定され、こ
れに前述したポンプの部品の寸法精度、摩擦係数、流体
のレイノルズ数の変動、その他の要因が加味されて吐出
性能のバラツキをポンプ毎に生ずるのである。
【0029】今、電磁コイル固有抵抗値をR0 、付加抵
抗値をR1 〜RN 、印加電圧をE、付勢される電流値を
Aとし、コイルの捲数をTとすると、 E=(R0 +R1 〜RN )A 磁化力Fは、
【0030】
【外2】
【0031】となる。ここにおいて、電磁コイルの固有
抵抗値R0 に、付加抵抗値を順次増加させた場合の磁化
力A×Tの値を、本発明を適用する電磁ポンプの一例を
用いて求めたものの線図を図4に掲示し説明する。図4
は、横軸に付加抵抗値R1 〜RN をとり、縦軸に磁化力
アンペアターンをとったものである。この電磁コイルへ
の駆動電源からの電圧はDC23.5ボルト±0.05
ボルト、コイル線径0.25±0.005ミリメート
ル、捲数1600+0%〜−1%、コイルの固有抵抗値
31オーム±3% at 20°Cである。図4の場合
は上記電圧、抵抗値、捲数を基準値によって計算したも
ので、図示の通り付加抵抗値−アンペアターンの関係は
曲線となる。
【0032】電磁ポンプの同一機種ではこのような線図
となる筈であるが、生産ロット及びその中の個々のポン
プでは必ずしも相似の線図になるとは限らない。なぜな
らば、先ず駆動電源電圧、周期、デューテイ比にも極め
て微小の許容差があり、電磁コイルのエナメル被覆電線
及び捲線時のテンションの伸びによる断面積の縮小、被
覆の厚さによる許容差内の外径の増減による捲込み全長
の変動などによるコイルの固有抵抗値の変化、さらに雰
囲気温や燃焼器からの輻射熱による温度変化により、こ
の抵抗値は例えば20°Cから32°Cに上昇すれば本
例の場合、抵抗値は約5%上昇する。このようにしてコ
イルを付勢する電流値は変動し、その捲数にも許容差が
あるので、アンペアターンは、図4の場合に比してX軸
に対する傾斜角及び曲線も変化する。
【0033】そして前記した電磁プランジャ等の磁路を
構成する磁性材料は、予め磁気焼鈍してあっても切削、
研削、研磨、弁座圧入等の塑性加工によって組織が変化
して透磁率が実例として数十パーセント低下することが
あり、真空環境下などで、光輝磁気焼鈍することは、部
品寸法や真円度及び真直度を許容差内に保持することが
熱変形などのために不可能となるおそれがあって、これ
が実施できない等の理由と、これに加うるに前記したポ
ンプを構成する部品の寸法精度の経済性をもって定めら
れた許容差内のバラツキの集積と、さらに特にその縦寸
法の許容差の重合が、図2、図3に示す管柱シリンダ2
1と電磁コイル20との間でその両端部位にそれぞれ嵌
設され、かつ吐出接手40に外嵌するクリップ止輪35
を介して外枠継鉄31と取付けねじ42を螺締着するこ
とで電磁コイル20と共に挟設されている環状磁極32
と環状磁路座板33とによって構成された磁気回路のう
ち就中、前記環状磁極32の下端面と、電磁プランジャ
22の上端部間の磁気空隙gのバラツキ及び電磁コイル
20の縦軸方向の磁気中性点と電磁プランジャ22の磁
気中心点との距離fのバラツキを生じ、ポンプの吐出性
能に大きな影響を与える。
【0034】即ち、前記ポンプ構成部品の縦寸法の許容
差の重合集積と電磁プランジャ22を圧支する戻しバネ
23と補助バネ24のそれぞれの自由高さとバネ定数の
許容差内の異なる値によって前記磁気空隙gと距離fは
変化してくる。電磁プランジャ22に対する磁気吸引力
は磁気空隙の自乗に反比例するから、この磁気空隙gに
ついてのポンプの出力と重大な関係がある。
【0035】尚、この磁気空隙gや電磁プランジャを圧
支する2つのバネの力関係については、本発明者がかつ
て提案した特公昭57−12863号の公報に詳細に開
示されているので、その説明は省略する。以上説明した
ようにポンプを構成する部品が、個々のポンプの吐出性
能に影響を与える要因を多分に含んでいるので、前掲の
図4に示した線図は個々に大なり小なりの変化を生じ決
して一様ではない。
【0036】したがって一回の流量測定、即ち付加抵抗
値−流量測定を該抵抗値の1つに対する流量の所謂一点
測定によって所定流量を調整制御しようとするときは、
そこに不正確で所定流量の許容範囲に設定して合格する
確率が低く、再度やり直す必要等の不経済性を招く。本
発明は、上記詳述したように、従来技術の欠陥を是正
し、電磁ポンプを大量生産する工程において、その吐出
流量を測定値に調整して製造する方法で、ポンプの構成
部品の上記した寸法精度等その他可能な限り極めてきび
しく許容差を規制することを避けて、ポンプの製造及び
メンテナンスのコストを上昇させることなく、そして更
にこの吐出流量を調整する方法の手数と、その増加によ
るコストアップを避けて、省力化により前記二律背反の
問題を解決して吐出性能その他のポンプの品質特性の安
定化により、その信頼性を高めて品質保証をなし、しか
も生産コストダウンを共に成し遂げることを目的とし、
その課題とするものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によ
り、特に、石油燃焼器用燃料供給電磁ポンプの製造方法
であって、摺動往復自在のフリーピストンを嵌着した管
柱シリンダの外周でこれを囲繞する電磁コイルと、該電
磁コイルの捲線の両端末をそれぞれ接続固定する端子A
並びにB、及び更に前記一方の端子Aから固定抵抗器を
介在して接続する端子Cとを備え、石油燃焼器に組込ま
れかつ該燃焼器に備えた駆動回路から供給される駆動パ
ルス状電流が上記端子Cと接続されない残余の端子Bと
端子C間に接続付勢されて、所定の燃料吐出量を維持す
る電磁ポンプであって、前記固定抵抗器を介さず端子
A,B間に前記駆動パルスを付勢時には、前記所定の燃
料吐出量を超えるように予め設計製造されている石油燃
焼器用燃料供給電磁ポンプにおいて、前記石油燃焼器に
備えるべき駆動回路と同等若しくは予め相関関係を測っ
て調整した吐出流量検査用駆動回路からの駆動パルスを
前記端子A,B間に供給するに際して該端子Aに、ポン
プの吐出流量を調整するために選定して付加固定抵抗器
を付加すべく、それぞれ異なる抵抗値を有する固定抵抗
器群のうちの抵抗値が前記付加固定抵抗器として予想さ
れる抵抗値より大及び小の、すなわち下限寄りと上限寄
りの2つの付設固定抵抗器を切換自在に介在させた抵抗
回路により、該切換られた付設固定抵抗器のそれぞれに
応じた電磁ポンプの吐出流量の二測定点を測定して付加
抵抗−流量線図上に二測定点を設定し、前記二測定点を
任意の直線による結合線により結んで、前記付加抵抗−
流量線図上にある所定の燃料吐出量を示す線と前記結合
線との交点から所定の抵抗値を求め、前記所定の燃料吐
出量の許容範囲内に収まるように前記固定抵抗器群のう
ちから上記所定の抵抗値に近似の抵抗値を有するものを
選定し、この選定抵抗器を端子Aと端子C間に仮接続し
て、前記吐出流量検査用駆動回路により前記抵抗回路か
ら切り換えて、残余の端子Bと端子C間に駆動パルスを
供給して、前記所定の燃料吐出量の許容範囲に収まるこ
とを確認したときにのみ前記仮接続した選定抵抗器を付
加固定抵抗器として本接続することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に添付した図面を用いて本発
明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実
施システム図で、即ち吐出流量を所定値に調整し設定す
る方法の基本的な1つの実施の形態であり、図2,図3
は、上記本発明実施の対象となるところの石油燃焼器用
燃料供給電磁ポンプの一例の一部断面を示す縦断説明図
と、その端子部分を表している平面図である。
【0039】図2の電磁ポンプについては、既にその構
成と作用が説明済であるが、図3において電磁コイル2
0の巻枠と一体の端子盤17には、端子A11,同B1
2,同C13が設けられ、電磁コイルの捲線の一方の端
末14は端子A11に、他方の端末15は端子B12に
それぞれ接続固定され、端子A11と端子C13との間
には、固定抵抗器16を接続可能としてある。
【0040】そこで前記図1について説明する。図にお
いて図示しない商用交流などの電源回路から入力され、
石油燃焼器に組み込まれる燃焼制御回路に含まれるもの
と同様の電磁ポンプの吐出量検査用駆動回路2から、所
定電圧、周波数、周期中の導通期間、即ちデューテイ比
が設定されたパルス電流が出力されるようになってい
る。
【0041】電磁ポンプ1から吐出燃料油は、図示しな
い接続配管ノズルを経て燃焼器の気化器や火炉に導かれ
るのであるが、この配管やノズルの内径寸法長さ、内径
の表面粗さ、燃料間の温度等によるレイノルズ数の変動
や、火炉内の気流、火焔の圧力変動等の要因の変化で、
吐出量が変動することがあるので、燃焼器のこれらの特
性に対して相関関係を予め測って調整した吐出流量検査
用駆動回路2でも、その都度前記パルスを再調整してこ
れを設定することがある。即ち、同一仕様、同機種の電
磁ポンプ及びこれを組込む石油燃焼器であってもそれぞ
れの生産ロット毎に若干の相違があるので、その都度該
相関関係の調整を必要とする現状である。
【0042】上述の通りこの種の電磁ポンプは、その吐
出性能に影響を与える要因が甚だ多く、最も廉価で圧
力、流量の調整機構を有せず、構造簡単、小形なフリー
ピストンポンプであるために、起磁力を発生するアンペ
アターン、燃料油のレイノルズ数の変動、電磁プランジ
ャの摺動抵抗、弁開閉時の流量損失などが、直ちに吐出
流量の変動となる電磁プランジャの行程長や油圧の変化
をもたらし、電磁プランジャや駆動する力の伝達は剛体
をもってなる構成ではなく、磁力とこれに対するバネの
反発力のみであり、吐出量の調整は、所望の吐出流量以
上に設計製造した電磁ポンプの電源に直列の抵抗値を付
加して電圧を逓降させることによって電流を減じて吐出
流量を所定値まで下降させてこれを保持する方法がポン
プ製造上の部品の前記許容差等の集積により生じる吐出
流量のバラツキを規制するのに構成上最も廉価な方法な
のである。
【0043】しかし、これに対して前述した付加抵抗値
の選定とこれに対するポンプの所定流量の確認作業の省
人省力化と能率向上によるコストダウンとを同時に計ら
なければならない課題となるのである。そこで、再び図
1の説明に戻る。吐出量検査用駆動回路2の一方の出力
端子6と、電磁コイル20の巻線の端末15を接続固定
する端子B12とを結ぶ一方の母線と、同じく他方の出
力端子5からリレー4を経て1つは端子dと前記端子C
13とを結ぶ母線と、リレー4により切替られる端子c
から後述する抵抗器群のうちの抵抗値が下限寄りの小さ
い第1の付設固定抵抗器R1 と、同じく抵抗値が上限寄
りの大きい第2の付設固定抵抗器R2 とをリレー3の端
子aとbとを切換自在に介在させた抵抗回路7を介して
電磁コイル20の他方の端末14が接続固定される端子
A11と結ぶ母線とがあり、前記端子C13と端子A1
1との間には、これも後述する付加固定抵抗器R16が
接続可能である。
【0044】今、吐出圧力検査用駆動回路(以下単に駆
動回路と称する)2から駆動パルスを供給するに当た
り、先ずリレー4の端子cを閉じ、抵抗回路7のリレー
3の端子a,bを切換えて、第1の固定抵抗器R1 と第
2の固定抵抗器R2 とを交互に切換え介して電磁コイル
20を付勢したときの電磁ポンプの第1及び第2の吐出
流量Q1 ,Q2 をそれぞれ測定し、この測定した第1と
第2の吐出流量Q1 ,Q2 と前記第1及び第2固定抵抗
器R1 ,R2 のそれぞれの抵抗値とで図5に示す付加抵
抗値−流量線図上に、この二測定点P1 ,P2 を設定
し、この二測定点P1 ,P2 間を後述説明する結合線に
より結び、この付加抵抗値−流量値線間上にある前記所
定の吐出流量QX を示す線と前記結合線との交点Px
より付加すべき抵抗値RX を求め、前記所定吐出流量に
対して、例えば±2〜2.5%の許容範囲に収まるよう
にするために日本工業規格に定められたものを主体とす
る前記固定抵抗器群の中から前記抵抗値RX と近似の近
似値を有するものを一個の固定抵抗器として選定し、こ
の選定された固定抵抗器Rを前記端子A11と同C13
との間で仮接続すると共に、リレー4の端子cを開き、
端子dを閉じるように切換えて、電磁コイル20が所定
の吐出流量の許容範囲を満足したときのみ前記選定抵抗
器Rを付加固定抵抗器として本接続するものである。
【0045】この吐出流量調整及び付加固定抵抗器選定
方法の一実施の形態をフローチャートにより示したもの
が図7である。前記仮接続した固定抵抗器Rによって調
整されたポンプの吐出流量が所定の燃料吐出量の許容範
囲を外れたときは、再度ポンプについての付加抵抗値−
吐出流量特性を見直し、図8に示すフローチャートの通
りの手順によって処理する。また、上記した吐出流量検
査用の駆動回路2から駆動パルスを供給する際に、切換
えリレー4および抵抗回路7を省いて、端子A、11と
端子B、12に直接接続してその一方の母線に前記した
抵抗値の異なるR1 もしくはR2 の抵抗器を介設させ
て、これらの二つの付設固定抵抗器のそれぞれに応じた
電磁ポンプの吐出量の二測定点を測定し、付加抵抗−流
量線図上に二測定点を設定し、以下前記同様の手順手法
によって所定の燃料吐出量に対応した付加固定抵抗器を
選定して上記課題を解決する手段とすることができるも
のである。なお、図5は、前記所定の燃料吐出量に対す
る電磁コイル20の付加抵抗値を求めるために、横軸に
付加抵抗値オームを取り、縦軸に流量値ミリリットル/
分をとって求めた前記結合線の一例であって、これら結
合線については添付の表1〜12についての説明に際し
て後に詳述する。
【0046】そこで、図4において説明した電磁コイル
20を備えた図2に示した構成の電磁ポンプ1によっ
て、以下その電磁コイル20に付加抵抗値を加えて流量
を所定値に調整する方法を表1〜表12によって比較説
明する。この場合には、電磁ポンプ1を構成する電磁コ
イル20をはじめすべての部品の寸法精度ほか規定され
た基準値になるべく近いものを選定して組み立てた母集
団Nのうちからランダムに抜き取ったn20台の電磁ポ
ンプによってそれぞれの流量調整を行なった。これは流
量特性を揃えたいねらいによる。n20としたのは、品
質管理、抜取検査における前記Nを大きさにかかわら
ず、抜取数nを20、合否判定個数Cを最小限の一定
値、例えばOとしたときに横軸にそのロットの不良率を
とり、縦軸にこのロットが合格するときの確立をとった
O−C曲線がほぼ類似であり、ロットの大きさNはなる
べく大きくした方が相対的な試料nの大きさは小さくて
すむ点を参考として、nの値を20としたものである。
【0047】この20台の電磁ポンプを以下述べる流量
調整方法の実験のすべてに供したものである。ただし、
この電磁ポンプが燃料油中に含まれる繊維状その他のフ
ィルタ39を通過するような極めて微細なゴミやポンプ
内の金属の切粉やプラスチックなどの極微小片等の夾雑
物によって、吐出オリフィス41、配管、ノズル内部な
どに付着滞留して燃料油の流動を阻害したり、弁体に付
着してその機能を損ねたり、電磁プランジャ22の摺動
往復作動を妨げて、流動変動することを防止するために
ポンプ内部の清掃等十分留意して実験を行った。
【0048】尚、この外に吸入接手37を含むポンプ内
部が、ポンプ始動時に空である所謂初期吸引時及び燃料
油中の溶存ガスの分離によって発生する電磁プランジャ
22の乱調などの吐出脈動のための流動変動のなるべく
発生しないようにすることを含み、予めポンプ作動時に
は、所謂馴らし運転を実施後、前記流量測定及び所定流
量調整時の流量測定等の実験を行ったものである。 (1)そこで試料n20台の電磁ポンプについて、流量
調整用付加抵抗器の抵抗値がそれぞれ0.0, 2.0,4.3,
6.2, 8.0, 10.0 Ωのときを各計測点としてそれぞれの
計測点のそれぞれの流量を測定したときの付加抵抗値−
吐出流量とそのバラツキを示したものが表1に掲示して
ある。O オームとは、付加抵抗値を付けない電磁コイル
20の固有抵抗値のみの場合である。
【0049】表中、xm は平均値、HENSAは標準偏
差、MAXは最大値、MINは最小値、Rはネハバをそ
れぞれ示し、以下各表とも共通である。回帰係数は、前
述した最小自乗法により回帰分析をしたときの値であ
り、aは横軸に付加抵抗値R1 〜Rn をとり、縦軸には
これに対応する流量Q1 〜Qn をとった付加抵抗値−吐
出流量線図の傾きであり、bはこの線図の切片を表すも
ので数値の負号の付されているのは、該線図が右肩下が
りであるためである。γは相関係数である。即ち、前記
Rをx、Qをyで表すときは、
【0050】
【外3】
【0051】となる。表2は、回帰式換算流量で平均値
が示される。このように、前記した通り電磁ポンプの構
成部品の寸法精度その他の許容差をその標準値になるべ
く近いものを選択して組込んでも、個々のポンプには、
このような吐出流量のバラツキがあり、その3σ(標準
偏差)/xm の100分率は±12%程度である。
【0052】これらの数値の算出等については後述す
る。表3は、実測流量の回帰分析による換算流量に対す
る変化率で付加抵抗値にそれぞれ対応するものを示す。 (2)次に、前記付加抵抗値−吐出流量線図(以下単に
線図と称する。)を図5によって説明する。
【0053】図5において、付加抵抗値として予想され
る予想値より大きいものと小さいものとの二つを測定点
として選び、そのときの第一および第二の固定抵抗器R
1 ,R 2を付加したときのポンプの吐出流量を図5上に
1 およびQ2 としてとり、R1 −Q1 、R2 −Q2
結合点P1 ,P 2(計測点P1 (2.0Ω)、P
2 (8.0Ω)が選ばれる)を得、これらを二つの測定
点とする。これらの測定点P1 ,P2 を通る直線の換算
式は、 そして付加抵抗値がR1 とR2 に対する流量値Q1 ,Q
2 よりaとbの値を求めると、
【0054】
【外4】
【0055】
【外5】
【0056】この二式により求められた流量変数a,b
の値を上記換算式に代入して、付加抵抗値R1 〜RN
対する流量Q1 〜Qn を求め、描いた線図により所定流
量Qx を得べき付加抵抗値Rx を得ることができる。
【0057】しかし、これらの換算式の適用は二つの測
定点に固有のものであって、計測点が同じとみなされて
も、同じ結果は得られない。すなわち、二つの測定点を
得た場合は、n=20台の平均的回帰直線は利用でき
ず、個別に二つの測定点を任意の直線による結合線によ
り結んで、この結合線を付加抵抗−流量線図上の付加抵
抗−流量線の仮想線とするしかない。表4のn=20台
の実測値を二つの測定点P1 (2.0Ω)、P2 (8.
0Ω)として、それぞれ二つの測定点を任意の直線によ
る結合線により結び、この結合線による各計測点の流量
を仮想したのが表5である。表4の実測値と表5の仮想
値との比較が表6に示してある。表6において、表4の
各計測点のうちの2.0Ωと8.0Ωとは表5の測定点
として用いられるので、その差は0.00として示して
ある。各電磁ポンプにおいて、各二つの測定点を結ぶ任
意の直線による結合線と、求める所定流量Qx との交点
x に対応する抵抗値となる。このような測定方法は、
二つの測定点を用いるので、いわゆる二点測定法と呼ば
れ、電磁ポンプを大量生産する際に有効である。 (3)次に、前記測定点P1 とP2 とを結ぶ結合線を曲
線として、さらに実測値に近似する付加抵抗−流量線図
を仮想し、所定吐出流量に調整する付加抵抗−流量線図
を仮想し、所定吐出流量に調整する付加抵抗器の選定方
法を図4、図5および表7、表8、表9によって以下説
明する。
【0058】ところで、前述した図4の説明の際に述べ
た電磁コイルの固定抵抗値RO は、単なる直流抵抗値の
みでなく、断続パルス電流が付勢されるときにはインピ
ーダンスとなり、総合的な抵抗値は増大する。この値を
cとし、付加抵抗値r1 〜rn ,R1 〜Rn ,Rx 等を
Xとし、前記したアンペアターンA×Tに電動機として
の電気的および機械的なポンプの効率を乗じた値をaと
し、そして補正係数をbとしたときに、前記付加抵抗値
に対する流量Qは次の換算式から求められる。
【0059】
【外6】
【0060】この式から、反対に所定流量を得べき付加
抵抗値xを選定することもでき、上記二点測定法におけ
る換算流量を算出する換算式となるのである。図5に示
す付加抵抗値対吐出流量の実測値の線図から前記c,
a,bも求められる。すなわち、
【0061】
【外7】
【0062】そこで電磁ポンプのそれぞれ個々に相違す
る前記実測流量のデータにより次の各式からそれぞれの
係数は求められる。
【0063】
【外8】
【0064】
【外9】
【0065】次に、(1)式に前記(2)、(3)
(4)により得られたc,a,bの値を代入すれば、個
々のポンプにおける付加抵抗値に対する吐出流量の関係
が換算流量となる。
【0066】表7は、電磁ポンプの生産ロッドごとの母
集団Nからランダムに抜き取った試料n=20における
付加抵抗値に対する吐出流量のバラツキを実測記録した
もので、その各計測点0.0,2.0,4.3,6.
2,8.0,10.0Ωにおける実測値は表1,表4と
同じである。表7のa,b,cの平均値xを(1)式に
代入して得た曲線が図5に示されている。この曲線の離
れた三つの計測点p1(0.0Ω),p2 (6.2Ω),
3 (10.0Ω)を選ぶと、図5に示すように、横軸
に附加抵抗値r1,r2, r3 を、電磁コイル固定抵抗値R
o (図6の説明において前述した)に加えたときの、そ
れぞれの流量の平均値q1 ,q2 ,q3 を縦軸にとっ
て、この両軸の各点を通る線の結合線が前記計測点p1,
2,p3 となる。これらの三つの計測点のうち、p1
2 およびp2 とp3 をそれぞれ結ぶ辺の各中点から立
ち上げた垂線の交点が曲率中心となり、この曲率中心と
前記三つの計測点を結ぶ線が曲率半径ρで、その曲率半
径ρの円弧で前記三つの計測点を結ぶと、その結合線は
前記(1)式に代入して得た曲線と近似する。
【0067】この生産ロット母集団Nの電磁ポンプのそ
れぞれに対して、前述した図1に示す駆動回路(2)か
ら駆動パルスを供給するにあたり、第一および第二の固
定抵抗器R1 ,R2 を付加したときのポンプの吐出流量
を図5上にQ1 およびQ2 をとり、R1 −Q1 ,R2
2 の結合点P1 ,P2 を得る。この結合点P1 ,P2
は計測点のうちの2.0Ωと8.0Ωの二点が選ばれ、
これらが二つの測定点となる。その選び方は求める付加
抵抗器として予想される抵抗値より大きいものと小さい
ものとの二つがよい。この二つの測定点P1 ,P2 を前
記曲率半径ρをもつ円弧の結合線で結ぶと、この結合線
は付加抵抗−流量線図上の付加抵抗−流量線の仮想線と
することができる。この仮想線を用いて、試料n=20
に適用した計測点の各々の流量が表8に示されている。
表7の実測値と表8の仮想値との比較が表9に示してあ
る。表9において、表7の各計測点のうち2.0Ωと
8.0Ωとは表8の測定点として用いられているので、
その差は0.00として示してある。この結合線と求め
る所定流量QX との交点Px に対応する抵抗値Rx が求
める理論上の付加する付加抵抗値となる。そして、前記
(1)式に表7のa,b,cの平均値を代入して得た曲
線の流量値Qが前記QX に該当し、付加する抵抗値xが
前記Rx に該当することとなる。
【0068】それから前述の通り、固定抵抗器群の中か
ら、前記抵抗値RX と近似の抵抗値を有するものを一個
の付加すべき固定抵抗器Rとして選定して、これを図1
に示す端子A11、同C13間に仮に接続して、端子C
13、同B12間に駆動回路2からパルス電流を電磁コ
イル20に付勢して、電磁ポンプ1が所定流量( 例えば
毎分6.63ミリリットル±7%受入れ、製造工程間の許容
誤差±2〜2.5 %、DC23.5 ±0.05 V,20℃) の条件を
満足したときのみ、前記固定抵抗器Rを本接続する。こ
の所定流量許容範囲を逸脱した電磁ポンプは、図5、図
8に示すように、新たに付加抵抗値R3 に対応する流量
3 を測り、この両者の線図上の結合点P3 と、前記P
1 、P2 を通る曲率円を求める作業を再度繰り返して、
付加すべき固定抵抗器を選定する。ひるがえって、二つ
の測定点P1 とP2 の外にその中間にある新たに付加抵
抗値R3 に対応する流量Q3 を測り、これら三つの点P
1 、P2 、P3 を用いて円弧を想定し、この円弧を測定
点P1 、P2 の結合線として用いるならば、図5に示す
曲線から円弧を求める必要がなく、単に三点を測定して
その円弧を用いるということで、二点法の変形として簡
単に付加すべき固定抵抗器を選定することができる。 (4)表10〜12は前記したいわゆる一点測定法によ
るデータである。
【0069】まず、表10は、一点測定すなわち付加抵
抗値RO で付加抵抗値のないときの流量QO を基準とし
て、これに付加抵抗値Rをそれぞれ加えたときの流量Q
1 の変化率、つまり線図の傾きaは、
【0070】
【外10】
【0071】となり、切辺bは付加抵抗値OΩのときの
流量値となる。そして流量値Q−付加抵抗値x(R)と
の関係を示す換算流量は、 Q=b−ax 表10はその実測流量でのバラツキを示している。これ
らを平均化したのが表2であって、これが回帰式換算流
量となる。表11はこの回帰式換算流量から得られる直
線に平行な直線を表10の0Ωの各計測点を通るように
移行させ、その直線により得られた各計測点の流量を換
算流量として示す。したがって、表12では計測点0Ω
が0.00となっている。
【0072】表12は前記換算流量に対する実測流量の
変化を示す。すなわち、換算流量値と実測データ値との
誤差を%で示したもので、この誤差が大きいことを証明
している。以上詳述した(1)〜(4)の各流量関係の
表1〜表12に示したデータは、この実験に供した電磁
ポンプが、その構成部品の寸法、精度その他の数値がそ
の許容範囲の基準値に近いものをもって構成したもので
あるにもかかわらず、なお上記した流量のバラツキがあ
る。このような許容範囲の基準値に近い部品を選択して
構成することは、コスト高を伴い、経済上困難であるか
ら、現時点で原価的に許されるコストで収まる前記許容
差内の構成部品をもって組み立てた電磁ポンプでは、そ
の吐出流量特性、すなわ付加抵抗値対流量変化のバラツ
キはさらに大きくなるものである。
【0073】この実験の表1〜表12に示すデータにつ
いてさらに説明する。 (1)の表1〜表3に示したポンプの前記吐出流量特性
のバラツキは前述したように、3σ(シグマ、標準偏
差, HENSA 以下3σという)3σ/xm の100 分率は±
12%程度となる。
【0074】これは表1〜表3より求めたもので、n=
20台のポンプについて、付加抵抗値0.0, 2.0, 4.3,
6.2, 8.0, 10.0Ωに対するそれぞれの流量を測定し、そ
のバラツキを求めたものである。サンプル(n=20)
の流量の標準偏差の3倍3σを流量の平均値xm で除す
と、99.7%の信頼度で母集団の最大バラツキを求めるこ
とができるのである。
【0075】実際の計算は、各付加抵抗値ごとの流量の
平均値および標準偏差の平均値を求め、上記の3σ/x
m ×100 の式により求めた。すなわち、 xm の平均値=6.960 ml/M, HENSAσの平均値=0.2774 ml/M, 3σ/xm ×100 =11.96 % (2)つぎに、前記いわゆる二点測定法で線図を直線と
みなしたとき、3σ+xm は約±2%程度である。
【0076】すなわち、表4のデータより、該二点測定
法による線図を求め、その線図よりそれぞれの抵抗値に
おける流量を概算したものが表5の換算流量で、この換
算流量と表4の実測流量の変化率すなわち誤差率を示し
たものが表6である。つまり、二点測定法により求めた
線図(直線)と実際の実測流量との差がそのポンプの流
量設定精度となる。
【0077】実際の計算は、各付加抵抗値ごとの流量の
平均値および標準偏差の平均値を求めて、3σによる母
集団の前記バラツキを推定する。表6には、データが計
算値と誤差率(%)で表されているから、3σ+xm
母集団における推定最大バラツキが求められる。 xm の平均値0.0893 (%) 、δの平均値 0.6256 ( %) 故に、3σ+xm =±1.966 % (3)前記二点測定法において、線図を曲線とした表7
〜表9に示すものは、前記(2)の説明通りの手法によ
り算出して、表9から次のとおり求められる。
【0078】3σ+xm =±1.69% (4)いわゆる、一点測定法で表10〜表12に示され
るものは、3σ+xm =約±4%程度である。表10の
データの平均値より抵抗−流量特性の線図の傾きを求
め、そのときの傾きはすべて一定であるものとして、そ
れぞれの付加抵抗値における流量を演算して求めた概算
流量表11と表10の実測流量との差が、そのポンプの
設定精度となる。
【0079】実際の計算はそれぞれの付加抵抗値におけ
る流量の平均値と標準偏差の平均値を求めて、3σによ
る母集団のバラツキを推定する。この場合の抜き取った
試料をnとすると、標準偏差はσn-1 によって求められ
る。なお、本願の明細書で各表に記載されている標準偏
差は、σn であって、これは前記付加抵抗値に対応する
流量測定を試料n=20について実測流量と回帰分析も
しくは他の本願発明の方式による換算流量値と対比し、
解析し説明しているからである。なお、標準偏差σn
対してσn-1 の値はきわめて僅少な増加があることは周
知である。表12は、表11に示される流量の概算値と
表10に示される実測値との誤差(%)を表す。よっ
て、3σ+xm で最大バラツキが推定される。
【0080】表12より、xm の平均値−0.688(%) 、
σの平均値 1.5574 ( %) 故に、3σ+xm =±3.98 (%) となるのである。 以上説明したように、(4)の一点測定法では、3σ+
m ≒±4(%)程度であって、本願発明の(2)、
(3)の二点測定法と比較すると、それぞれ2.0倍、2.3
5倍に誤差が拡大される。
【0081】したがって、従来技術であるところの
(4)の一点測定法を利用した場合には、不良率が高く
なり、そのために再調整作業等の手間がかかり、それに
よる不経済性を伴うのみならず、製造工程間における許
容範囲からはみ出す流量のポンプが比較的多いことは、
不合格率が高くなることを意味し、この不合格率が例え
ば100 PPM あったとすれば、この生産ロットの製品が出
荷検査を通過して市場に提供された場合にも、やはり同
率近い不具合品の発生するおそれがあり、品質保証上の
も問題が残り、その信頼性を損なう懸念が大きい。
【0082】本願発明による前記(2)、(3)の二点
測定法を使用して所定流量に調整の場合、実測流量に対
する換算流量の誤差は1.69〜1.96%であり、これは流量
の許容範囲内に収まるので、不良率はほとんど皆無とな
るものである。このように、本発明による石油燃焼器用
燃料供給電磁ポンプの製造方法は、上述の説明によるよ
うに吐出流量を所定値に確保するのに信頼性が高く、か
つそれによって再調整や市場クレームの発生を防いで経
済性にも高い利点をもたらすものである。
【0083】なお、このような電磁ポンプの製造工程間
の流量調整測定は、少なくとも20連以上の流量調整測
定検査装置(以下単に検査装置という)により実施し、
前記した流量測定、これに伴う諸式の演算はじめ、所定
流量の許容範囲に調整する付加固定抵抗器の選択から、
その取付け後の流量の確認およびその記録まですべてコ
ンピュータ処理を伴うもので省人、省力化はもちろん、
その処理時間もきわめて短く、その作業時間も短縮され
る。前記検査装置への電磁ポンプの装脱および電源接続
と切り離しも含めて自動化できる。
【0084】流量計もしくは流量測定装置は、瞬時読み
取り式の精密流量測定装置もあるが、その取付けスペー
スが大きく、非常に高価であり、しかも本願の場合に
は、電磁ポンプの上記したように少ない流量を図るには
不適なことがあり、本願発明に用いる流量測定装置とし
ては、例えばビューレット(Burette)管を利用する。こ
れにより、所定容量例えば5 〜10ミリリットルを満たす
時間を、電磁弁、光電センサ、時間計等により測定し、
コンピュータで瞬時に流量を計算する方法が採られる。
【0085】この流量計測の所要時間を、付加抵抗値R
1 ,R2 についてそれぞれの流量Q1 ,Q2 および選定
された固定抵抗器Rを接続したときの流量Qの3回の流
量測定と付帯時間を含めて3分間、180秒としても2
0台でこれを割れば、1台当たり9秒である。順次に流
量の測定、調整、確認を行なえば、マニュアルで電磁ポ
ンプを検査装置に装脱しても充分時間的に余裕がある。
【0086】つまり、人手によって1台ごとに処理する
時間の1/20で足りるわけで、したがって本発明の前
記(2)の表4〜表6、(3)の表7表9で述べた二点
測定法は、前記したように確認を含めて3回の流量測定
を行なうにもかかわらず、前記(4)の表10〜表12
で述べたような従来技術の一点測定法における一回測定
および流量の確認を含む2回の流量測定を行なう流量調
整設定方法に比較して、ポンプ1台についてわずか数秒
の時間差があるのみである。しかしながら、この二点測
定法は、前記したように流量調整誤差がきわめて少な
く、実質的にはほとんど所定流量の許容範囲に入り、こ
れを満足させ、品質保証上の信頼性がきわめて高い利点
があり、流量測定、調整、設定、確認の作業所要時間も
前述の通り従来技術のものに比較してほとんど数秒の差
で問題とするに当たらず、かえって再調整設定などの手
間をほとんど必要としないことおよびポンプを構成する
部品お寸法精度その他の標準値に対する許容差をいっそ
うきびしくしてコスト高を招くことがないので経済的で
ある。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるいわ
ゆる二点測定法を用いた石油燃焼器用燃料供給電磁ポン
プの製造方法は、二測定点を付加抵抗器として予想され
る抵抗値より大および小の、すなわち下限寄りと上限寄
りとの抵抗器を選んで測定して得ると共に、この二測定
点を直線の結合線により結び、この結合線を利用して所
定の抵抗値を求めたことにより、前記したように流量調
整誤差がきわめて少なく、実質的にはほとんど所定流量
の許容範囲に入り、これを満足させ、品質保証上の信頼
性がきわめて高い利点があり、流量測定、調整、設定、
確認の作業所要時間も二測定点を切り換え自在に介在さ
せた二つの抵抗器をもつ抵抗回路により求め、仮接続の
抵抗器の合否の確認もこの抵抗回路からの切り換えで行
なうことにより、前述の通り従来技術のものに比較して
ほとんど数秒の差で問題とするに当たらず、かえって再
調整設定などの手間をほとんど必要としないことおよび
ポンプを構成する部品および寸法精度その他の標準値に
対する許容差をいっそうきびしくしてコスト高を招くこ
とがないので経済的である。
【0088】また、本発明の電磁ポンプの製造方法にお
いては、付加抵抗値の選定とこれに対するポンプの所定
流量の確認作業がすべてコンピュータ処理を伴うもの
で、省人、省力化と、能率向上によるコストダウンとを
同時に計ることができる。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】
【0098】
【表10】
【0099】
【表11】
【0100】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態で、電磁ポンプの吐出流
量を所定値に調整して設定する方法の回路図である。
【図2】図1の本発明の実施の対象となる、石油燃焼機
器用燃料供給電磁ポンプの一例の一部断面を表す縦断説
明図である。
【図3】図2の電磁ポンプにおけるその端子部分を表し
ている平面図である。
【図4】横軸に付加抵抗値をとり、縦軸にアンペアター
ンをとった電磁ポンプの電磁コイルによる磁力の関係線
図である。
【図5】横軸に付加抵抗値をとり、縦軸に吐出流量をと
った、電磁ポンプにおけるこの両者の関係を示す線図で
ある。
【図6】横軸に付加抵抗値をとり、縦軸に吐出流量をと
った電磁ポンプにおけるこの両者の関係を回帰分析によ
る回帰直線によって求めた線図である。
【図7】本発明による電磁ポンプの吐出量調整および付
加抵抗器を選定する製造方法のフローチャートである。
【図8】本発明による電磁ポンプの吐出量調整および付
加抵抗器を選定する製造方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 電磁ポンプ 2 吐出量検査用駆動回路 3 リレー 4 リレー 5,6 端子 7 抵抗回路 a,b,c,d 端子 R1,R 2 固定抵抗器 11 端子A 12 端子B 13 端子C 16 固定抵抗器R 20 電磁コイル
フロントページの続き (72)発明者 御苑 輝雄 東京都大田区池上5丁目23番13号 太産 工業株式会社内 (72)発明者 千葉 泰常 東京都大田区池上5丁目23番13号 太産 工業株式会社内 (72)発明者 五十嵐 健二 東京都大田区池上5丁目23番13号 太産 工業株式会社内 (56)参考文献 特公 平7−101033(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 1/00 - 23/14 F04B 49/00 - 51/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動往復自在のフリーピストンを嵌着し
    た管柱シリンダの外周でこれを囲繞する電磁コイルと、
    該電磁コイルの捲線の両端末をそれぞれ接続固定する端
    子A並びにB、及び更に前記一方の端子Aから固定抵抗
    器を介在して接続する端子Cとを備え、 石油燃焼器に組込まれかつ該燃焼器に備えた駆動回路か
    ら供給される駆動パルス状電流が上記端子Cと接続され
    ない残余の端子Bと端子C間に接続付勢されて、所定の
    燃料吐出量を維持する電磁ポンプであって、 前記固定抵抗器を介さず端子A,B間に前記駆動パルス
    を付勢時には、前記所定の燃料吐出量を超えるように予
    め設計製造されている石油燃焼器用燃料供給電磁ポンプ
    において、 前記石油燃焼器に備えるべき駆動回路と同等若しくは予
    め相関関係を測って調整した吐出流量検査用駆動回路か
    らの駆動パルスを前記端子A,B間に供給するに際して
    該端子Aに、ポンプの吐出流量を調整するために選定し
    て付加固定抵抗器を付加すべく、それぞれ異なる抵抗値
    を有する固定抵抗器群のうちの抵抗値が前記付加固定抵
    抗器として予想される抵抗値より大及び小の、すなわち
    下限寄りと上限寄りの2つの付設固定抵抗器を切換自在
    に介在させた抵抗回路により、該切換られた付設固定抵
    抗器のそれぞれに応じた電磁ポンプの吐出流量の二測定
    点を測定して付加抵抗−流量線図上に二測定点を設定
    し、 前記二測定点を任意の直線による結合線により結んで、
    前記付加抵抗−流量線図上にある所定の燃料吐出量を示
    す線と前記結合線との交点から所定の抵抗値を求め、 前記所定の燃料吐出量の許容範囲内に収まるように前記
    固定抵抗器群のうちから上記所定の抵抗値に近似の抵抗
    値を有するものを選定し、この選定抵抗器を端子Aと端
    子C間に仮接続して、前記吐出流量検査用駆動回路によ
    り前記抵抗回路から切り換えて、残余の端子Bと端子C
    間に駆動パルスを供給して、前記所定の燃料吐出量の許
    容範囲に収まることを確認したときにのみ前記仮接続し
    た選定抵抗器を付加固定抵抗器として本接続する、 特に大量生産工程において燃焼器に組込む際、所定の燃
    料吐出量の許容範囲に保持可能かつ互換性を有すること
    を特徴とする石油燃焼器用燃料供給電磁ポンプの製造方
    法。
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