JP3702989B2 - 冷間鍛造によるリング体の製造方法 - Google Patents

冷間鍛造によるリング体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、長さの短いリング体を冷間鍛造によって成形するのに好適なリング体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鍛造によってワークを成形して、精密部品を得る方法が知られているが、従来の鍛造方法によれば精度がそれほど高いものが得られない。例えば図20に示すようにリング状となった精密部品(リング体)を製造する場合には、その外径Aと内径Bとの精度があまり高いものではない。このため、このような精度があまり高くはない精密部品のワークに対しては図21に示すようにステップS1で冷間鍛造した後は、ステップS2で応力除去,球状化の処理を行った後、ステップS3により切削加工を必要としている。この切削加工からステップS4で焼き入れ、焼戻しの硬化工程を経た後、ステップS5により仕上げ研磨を行って、例えば軸受等に適する精密部品を得ている。一例として、外径Aと内径Bとの誤差、つまり振れが、0.03以下の高精度のものを得る場合には、精度が低いためにステップS3による余分な切削加工を必要としてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は上記図21において説明した鍛造工程によるリング体の製造方法では、例えば材質として軸受け鋼(一例としてSUJ材)のようなカーボンを1%程度含むワークは鍛造性が悪く、冷間鍛造後も荒仕上げ切削工程において内径Bの削り代が多く、このため歩留面の効率と生産性が悪くなっている。特に、上述したように、振れが0.03以下の高精度のものを得る場合余分な工程が必要となるので,生産性が悪くなる。また、ステップS3での切削工程特有のむしれや工具寿命及び切削作業中の構成刃先が原因となる黒皮残り不良を誘発する問題が見られている。また、軸受け等のリング体を冷間鍛造後に直接、研磨仕上げ工程に投入するのは困難であった。
【0004】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、荒仕上げによる切削工程を省略可能として歩留面の効率と生産性を良好とし、さらに黒皮残り不良をなくするようにし、従来の冷間鍛造方法に基づく問題点を解消するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷間鍛造によるリング体の製造方法は、ワーク(1)の中央側に形成された薄肉部(1m)を位置ずれさせる半抜き工程(第5鍛造工程)と、位置ずれした薄肉部をワークの一側から他側に打抜いてワークにワークの一側から他側に貫通する貫通穴を形成する穴抜き工程(第6鍛造工程)とを備え、穴抜き工程に使用する穴抜き用金型として、ワークの一側から薄肉部を押圧して薄肉部を打抜く先端部を有し、先端部が、穴抜き部とシェービング部(26a)とを有し、穴抜き部が、シェービング部よりも先端部の先端側に設けられ、穴抜き部の径(φ3)が、半抜き工程で使用した半抜き用金型(半抜きピン25)によってワークの一側に形成された半抜き穴の径(φ2)よりも小さい寸法に設定され、シェービング部(26a)の径(φ5)が、半抜き穴の径(φ2)よりも大きい寸法に設定された穴抜き用金型(穴抜きピン26)を使用し、穴抜き用金型の先端部を半抜き穴の穴内に挿入して穴抜き部で薄肉部を除去するとともに薄肉部の除去されたワークの貫通穴の内面をシェービング部で平滑化したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
まず、本発明の一実施の形態による冷間鍛造方法の概略を、図1ないし図6を用いて説明する。
【0009】
本実施の形態の冷間鍛造方法は、まず、第1鍛造工程において、図1に示すように外径よりも全長が比較的長い、例えばカーボンを1%程度含む金属材より成るワーク1に対し、両面より鍛造圧力を加えて据え込み加工を施すことにより図2に示すように、円板状となったワーク1を得る。
図1において、ワーク1として全長が長いものを用いるのはシャー切断性を良好とするためである。図2に示す第1の鍛造工程では、ワーク1の両面の外周縁にテーパ1a,1bを形成する。
【0010】
第2の鍛造工程で、図3に示すようにワーク1に対して片面に、円錐状に窪む凹部1jを、反対側の面に、外周テーパ面1n,平坦面1t,内周テーパ面1f及び円錐状窪みから成る凹部1wを形成する。上記凹部1wは、先端側1w1 の方が、後端側1w2 の方より角度が1/2程度小さくなっている。また、上記外周,内周のテーパ面1n,1fは傾斜角として40〜50度程度が好ましい。
円錐状の窪みから成る凹部1jは、次工程で鍛造するときのセンター位置の位置出しとして有用であり、また、円錐状の窪みから成る凹部1wは、次工程でのパンチのガイド用として有用である。すなわち、中央方向に尖鋭となっているので、金型で圧力を加えたときワーク1を金型の中央に正確に位置出しすることができる。
【0011】
第3鍛造工程では、上記ワーク1を反転させた後に、鍛造を行って、図4に示すように片面に段差1h付きの予備穴1qを設ける。この予備穴1qは、次工程での穴入れピンによる穴入れをスムースに行うための穴入れピンのガイド用の穴として機能する。反対の面の説明は上記第2の鍛造工程と同様である。
【0012】
第4の鍛造工程では、上記ワーク1を反転させた後に、図5に示すように上記予備穴1qが形成されていた側に、穴入れピン24を嵌入するように鍛造して、ワーク1の余肉部分を矢印に示す方向に逃がすようにして穴1qを形成する。なお、反対の面にはパンチで予備穴1rを形成する。
このようにして、円筒体1yの内部に薄肉部1mが形成された半製品を得ることができる。
【0013】
第5鍛造工程では、ワーク1を反転させた後に上記薄肉部1mを一定距離だけ円筒体1y内で中心軸に沿うように位置ずれさせて、半抜きを行う。薄肉部1mは円筒体1yと区間mでつながった状態で破断させることになる。
【0014】
第6の鍛造工程では、図19を用いて後述するように、半抜きさせた薄肉部1mを、半抜き方向と同一方向に打ち抜く。なお、この打抜き時に、同時に円筒体1yの穴の内面をシェービングして平滑化する。
以上が、本実施の形態1の概略である。
【0015】
図7ないし図18は本発明による冷間鍛造方法の一実施の形態の詳細を示す工程図であり、金型を用いて鍛造する場合の詳細を示す。本発明においては、まず、図1で説明した円柱状のワーク1を図7に示すような鍛造成形装置の一方の金型としてのノックアウトピン21と他方の金型としてのパンチ31で両側(左,右又は上,下)から鍛造圧力を加えて円板状のワーク1(図2参照)を得る。この場合、ノックアウトピン21は通常、成形後のワーク1を下から押上げて取出すためのもので、ダイ41の貫通孔41aに上,下動自在に位置される。そしてダイ41の凹部4aの形状はワーク1の両面の外周側にテーパ1aを成形するのに適する底面形状を有している。また、上側にもダイ41bが設けられ、このダイ41bの下面41cの形状についてもワーク1にテーパ面1bを形成するのに適する形状に設定されている。
【0016】
このように円柱状のワーク1に対して図7に示す如く第1の鍛造工程で上側から鍛造圧力を加え、かつこのワーク1の両面の外周にテーパ面1a,1bを設けたワーク1を次の鍛造工程である図8の鍛造成形装置に供給する。図8に示す第2の鍛造工程においてワーク1の両面にノックアウトピン22,パンチ32による鍛造圧力を加えて成形するのであるが、このときワーク1の外径はダイ42に設けた凹部42aの内面形状によって成形され、しかも、その両面はパンチ32及び図9に示すノックアウトピン22によって成形される(図3参照)。この場合パンチ32,ノックアウトピン22は何れも、ワーク1の両面を円錐状に窪ませる先端部を有した柱体に形成された金型である。ノックアウトピン22は、先端部の円錐状の面が、ノックアウトピン22の中心軸22dに沿う方向に延長して設けられて中心軸22dとのなす角度の異なる複数の周面22a,22b,22cにより形成される。複数の周面22a,22b,22cは、先端部の先端に近くなるにつれて逃げ角を小さくする面に形成される。逃げ角は、ノックアウトピン22の中心軸22dに対し直交する線分22eに対する先端部の複数の周面22a,22b,22cのなす角である。厳密には、ノックアウトピン22の中心軸22dと直交する線分22eと、ノックアウトピン22の先端部の円錐状の面である複数の各周面22a,22b,22cの各稜線とのなす角である。即ち、ノックアウトピン22の先端部の円錐状の面を形成する複数の周面22a,22b,22cが、ノックアウトピン22の柱体の中心軸22dと直交する線分22eと柱体の先端部の円錐状の面を形成する複数の周面22a,22b,22cの稜線とのなす角である逃げ角αの大きさを決める。ノックアウトピン22の先端部の複数の周面22a,22b,22cは先端に近くなるにつれて逃げ角を小さくする面に形成される。具体的には、ノックアウトピン22の周面22bの稜線と中心軸22dと直交する線分22eとのなす角である逃げ角α2は、例えば5〜7度に設定されているが、ノックアウトピン22の先端部において、先端に一番近い周面22cの稜線と中心軸22dと直交する線分22eとのなす角である逃げ角α1は、逃げ角α2の1/2程度に設定されている。従って、図3に示す凹部1wの先端側1w1 は周面22cで、後端側1w2 は周面22bで形成される。しかも、ノックアウトピン22,パンチ32の先端は尖鋭となっており、ワーク1の上,下面の中心にくい込むことによりワーク1の前,後,左,右の振れを阻止するものである。このような図8に基づく鍛造成形装置の鍛造成形により、図3で説明した円錐状の凹部1jと、テーパ面1n,1f,平坦面1t及び円錐状の凹部1wを有するワークを得る。なお、図3において、外周テーパ面1nはダイ42で形成され、内周テーパ面1fはピン22の周面22aで形成される。このワーク1を図10に示す鍛造成形装置に反転してセットし、鍛造成形を行う。
【0017】
図10,図11において、ノックアウトピン23は、先端部の円錐状の面が、複数の周面23a,23b,23cにより形成され、複数の周面23a,23b,23cは、先端部の先端に近くなるにつれて逃げ角を小さくする面に成される。ノックアウトピン23の先端部の周面23cと線分22eとのなす角である逃げ角α3は、例えば3〜5度で周面23bと線分22eとのなす角である逃げ角α4はその2倍程度に設定されるまた、パンチ33についても、同様である。即ち、先端部の円錐状の面が、複数の周面33a,33b,33cにより形成され、複数の周面33a,33b,33cは、先端部の先端に近くなるにつれて逃げ角を小さくする面に成される。具体的には周面33bと線分22eとのなす角である逃げ角α6は7〜9度で先端の周面33cと線分22eとのなす角である逃げ角α5はそれよりも1/2程度小さく設定されている。この場合についても各周面の形成する逃げ角は図8で用いたノックアウトピン22の先端部の周面の形成する逃げ角よりも大きく設定されるものである。なお、面33aと面33bとの間に中心軸22dと平行となる立上がり壁面33dが設けられており、この立上がり壁面33dがワーク1の穴にくい込んで穴入れされることにより、図4に示す段差1h付きの予備穴(ガイド穴)1qを形成することができる。また、第2鍛造工程であらかじめ形成された凹部1jの中心にノックアウトピン22の中心がくい込むのでワーク1の心出しを確実に行うことができ、ワーク1の前,後,左,右方向の振れをより確実に阻止して鍛造成形を行うことが可能となる。このような鍛造成形装置によって成形されたワーク1は図12に示す鍛造成形装置6に反転してセットされ、次の段階での鍛造成形が行われる。
【0018】
図12に示す鍛造成形装置においてはダイ44に設けた貫通成形孔44aの中で穴入れピン24とパンチ34とでワーク1を、その両面側から圧力を加えて鍛造成形することにより、そのワーク1の中央側を、さらに、薄肉化するものである。つまり、第3鍛造工程の予備穴1qに、穴入れピン24で穴入れする(図5参照)。
【0019】
この場合、図13に示すように穴入れピン24は、外径φbが上記パンチ33の先端側の外径φaよりも数十μm小さくなって、後述するクリアランスを形成できる。また、その先端部は周面24cと面24bとから成るが、面24bが形成する逃げ角α8は例えば9〜11度、面24cが形成する逃げ角α7はその1/2程度に徐々に小さくなるように設定されるもので、何れの面24b,24cについても図10で用いたノックアウトピン23の先端部の周面23b,23cの形成する逃げ角よりも大きく設定されている。また、パンチ34の先端側の形状は図10において用いたパンチ33の先端側の形状とほぼ同様な形状を有しているのであるが、その面34bの形成する逃げ角α10は8〜10度、面34cの形成する逃げ角α9はその1/2程度に設定され、図11に示すパンチ33よりも、その逃げ角が大きくなるように設定される。
【0020】
このように本実施の形態では後工程で用いるノックアウトピン又はパンチの先端部の周面が形成する逃げ角を前工程で用いたノックアウトピン又はパンチの先端部の周面が形成する逃げ角よりも徐々に大きく設定することにより、図14に示すようにエアー又はオイル溜り1gをワーク1の成形面1Sとノックアウトピン又はパンチ等の型20との間を介してクリアランスL方向に逃がすことができる。すなわち、成形面1Sは前工程で成形された成形面であるが、後工程で用いるノックアウトピンあるいはパンチの型20の先端部の周面(円錐面)20hの形成する逃げ角を、前工程で使用したノックアウトピンあるいはパンチの先端部の周面の形成する逃げ角より大きくすることにより、前工程で成形された成形面1Sが形成する逃げ角よりも後工程の型20の円錐面20hが形成する逃げ角の方が大きくなるので、両者間にエアー溜り1gの逃げのルートを確保することができ、ワーク1に振れを生じさせることがなく、鍛造成形精度を向上させることができる。なお、クリアランスLについては、穴入れの時にかける荷重は、基本的には第1の鍛造工程で据え込み時にかかった荷重を超えないように管理すれば、ワークの変形は抑えられる。この穴入れピン24の径φbは、前工程で形成された予備穴1q(実際にはスプリングバックで少し予備穴の径は小さくなっている)の径φaより若干小さく、数十μmのクリアランスを持っているので、このクリアランスLからエアーやオイルを逃がしている。
【0021】
また、いずれの工程のピン,パンチの先端部も、先端部の円錐状の面が、中心軸に沿う方向に延長して設けられて中心軸とのなす角度の異なる複数の周面により形成され、複数の周面は先端部の先端に近くなるにつれて逃げ角を小さくする面に形成されたので、ワークが、小径のものであってもワークを、その中心側から周辺方向に比較的無理なく鍛造成形できる。
【0022】
図12,図13に示す第4鍛造工程においてはワーク1の中央側に生成される薄肉部1mはワーク1の片面に位置ずれした位置に形成されているのであるが、このワーク1を反転して図15に示す鍛造成形装置の中に反転してセットして半抜きの鍛造を行う(第5鍛造工程)。すなわち、ワーク1の薄肉部1mに対して、その中心軸方向に半抜きピン25の先端25cによって圧力を加える。この場合半抜きピン25の先端25c側によって薄肉部1mを図示上部方向に位置ずれさせる(図6参照)が、この位置ずれは、その上部に位置するパンチ35の下端面35cによって規制されるので薄肉部1mは一定距離位置ずれされるだけである。
【0023】
なお、半抜きピン25の先端25cの先端面は平坦となっており、また、パンチ35の下端面35cも平坦となっており、薄肉部1mを位置ずれさせやすい形状となっている。このような薄肉部1mが位置ずれされたワーク1を平行移動(反転しない)して図17に示す鍛造成形装置によって薄肉部1mを、半抜き時の位置ずれ方向と同方向に穴抜きピン26に基づいて圧力を加えて薄肉部1mをワーク1から分離する。
【0024】
この場合、穴抜きピン26には図18に示すように外周側に、リング状の突起から成るシェービング部26aが形成されており、このシェービング部26aは角状となって外周方向に突出してシェービング部をワーク1の内面に対して施すことになる。
【0025】
なお、この穴抜きピン26についても、また、図16に示す半抜きピン25及びパンチ35についても、その中心側に上,下に貫通するエア抜孔25f,35f,26fを有するので、このエア抜孔を介してワークの薄肉部1mの上,下面の空気を逃がすことが可能となる。
【0026】
以上の半抜き工程である第5鍛造工程及び穴抜き工程である第6鍛造工程を図19を用いて詳述すると、半抜き工程終了後は薄肉部1mが一部分mでつながった状態で破断し、一方向に位置ずれされている(図6参照)。この場合、ワーク1の円筒体1yの半抜き方向の内径φ1より、その反対側の内径φ2(半抜き穴の径)が数μm程度小さくなっている。
【0027】
穴抜き工程では、例えば外径φ4が上記ワーク1の入口側の内径φ2とほぼ等しい穴抜きピン26tを用いて薄肉部1mに鍛造圧力を加えて穴抜きした場合には、薄肉部1mのつながり部分mに発生するつながり跡maを一挙に切除できるものと考えられる。しかし、実際はつながり部分mを起点としてワーク1の出口側の内面1jまでも切除されてしまって、バリBが発生してしまうことがある。
【0028】
そこで、本実施の形態では穴抜きピン26の先端側の外径φ3(穴抜き部の径)をワーク1の内径φ2(半抜き穴の径)よりも数十μm程度小さくして、小径の穴抜きピン26を用いることとし、ピン26の先端より後方の部分の外周に上記シェービング部26aを設けて、このシェービング部26aの先端外径φ5を、ワーク1の入口側の内径φ2(半抜き穴の径)よりも数μm程度大きくする。
このようにすることにより、パンチ36側でワーク1の外径を押さえつつ穴抜きピン26で薄肉部1mを打抜くものとする。この穴抜き時に、同時にシェービング部26aでワーク1の内面全体にしごきを入れて、平滑化する。
【0029】
この方法によれば、穴抜きピン26の薄肉部1mを押圧する先端側の外径φ3が入口側の内径φ2より小さいのでワーク1の出口側の内面1jを切除してしまってバリBを発生させることがなく、しかも、つながり部分mに発生する段部から成るつながり跡maは、シェービング部26aで平滑化されるので、高精度の部品を得ることができ、後工程での、図3に示すステップS3による切削を必要としない。
実際の試作結果によれば、外径:内径=1.4:1のリング体のものについて、振れを0.03以内に抑えることが確認された。
【0030】
本発明によれば、高精度をもって精密部品を製造できるので、図20のステップに示すように従来の熱処理工程(ステップS2)、切削加工(ステップS3)を省略できるので、製造工程を短縮できる。
【0031】
以上説明したように本発明によれば鍛造形成の工程が進むに従って先端のテーパ面の角度が大きくなるようにしたので、エアー溜まり及び成形油圧を外部に逃がすことができ、これらの形成時の影響を少なくすることができる金型形状のワークへの転写を確実に行うことができる。また、先端形状を2段構成としたのでワークのセンターに対する金型のセンターが芯を拾い易くなるので、位置ずれ防止策として有効となる。また、エア抜孔25a,35a,26aを設けたので、鍛造成形工程における金型の負荷を軽減できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、先端部に、穴抜き部とシェービング部とを有し、穴抜き部が、シェービング部よりも先端部の先端側に設けられ、穴抜き部の径が、半抜き工程で使用した半抜き用金型によってワークの一側に形成された半抜き穴の径よりも小さい寸法に設定され、シェービング部の径が、半抜き穴の径よりも大きい寸法に設定された穴抜き用金型を使用し、穴抜き用金型の先端部を半抜き穴の穴内に挿入して穴抜き部で薄肉部を除去するとともに薄肉部の除去されたワークの貫通穴の内面をシェービング部で平滑化したので、薄肉部を正確に除去できて、後工程での切削加工を不要とでき、また、薄肉部の除去とともにワークの貫通穴の内面をシェービングしたので、バリを発生させることなく高精度のリング体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態の概要を示す斜視図である。
【図2】 この発明の一実施の形態の概要を示す第1の工程図である。
【図3】 この発明の一実施の形態の概要を示す第2の工程図である。
【図4】 この発明の一実施の形態の概要を示す第3の工程図である。
【図5】 この発明の一実施の形態の概要を示す第4の工程図である。
【図6】 この発明の一実施の形態の概要を示す第5の工程図である。
【図7】 この発明の一実施の形態を示す第1の工程図である。
【図8】 この発明の一実施の形態を示す第2の工程図である。
【図9】 この発明の一実施の形態を示す第2の工程に用いるノックアウトピンを示す側面図である。
【図10】 この発明の一実施の形態を示す第3の工程図である。
【図11】 この発明の一実施の形態を示す第3の工程に用いるノックアウトピンとパンチの詳細を示す側面図である。
【図12】 この発明の一実施の形態を示す第4の工程図である。
【図13】 この発明の一実施の形態を示す第4の工程に用いるノックアウトピンとパンチの詳細を示す側面図である。
【図14】 この発明の一実施の形態を説明するための断面図である。
【図15】 この発明の一実施の形態を示す第5の工程を示す図である。
【図16】 この発明の一実施の形態を示す第5の工程に用いるノックアウトピンとパンチの詳細を示す側面図である。
【図17】 この発明の一実施の形態を示す第6の工程を示す図である。
【図18】 この発明の一実施の形態を示す第6の工程に用いるノックアウトピンの詳細を示す側面図である。
【図19】 この発明の一実施の形態の動作を説明するための図である。
【図20】 従来及び本発明の一実施の形態を示す工程によって製造されるワークを示す断面図である。
【図21】 従来及び本発明のワークの形成工程を示す図である。
【符号の説明】
1 ワーク、21,22,23 ノックアウトピン、24 穴入れピン、 25 半抜きピン、26 穴抜きピン、31,32,33,34,35,36 パンチ

Claims (1)

  1. ワーク中央側に形成された薄肉部を位置ずれさせる半抜き工程と、位置ずれした薄肉部をワークの一側から他側に打抜いてワークにワークの一側から他側に貫通する貫通穴を形成する穴抜き工程とを備え、穴抜き工程に使用する穴抜き用金型として、ワークの一側から薄肉部を押圧して薄肉部を打抜く先端部を有し、先端部が、穴抜き部とシェービング部とを有し、穴抜き部が、シェービング部よりも先端部の先端側に設けられ、穴抜き部の径が、半抜き工程で使用した半抜き用金型によってワークの一側に形成された半抜き穴の径よりも小さい寸法に設定され、シェービング部の径が、半抜き穴の径よりも大きい寸法に設定された穴抜き用金型を使用し、穴抜き用金型の先端部を半抜き穴の穴内に挿入して穴抜き部で薄肉部を除去するとともに薄肉部の除去されたワークの貫通穴の内面をシェービング部で平滑化したことを特徴とする冷間鍛造によるリング体の製造方法
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