JP3701869B2 - 印刷装置のインクリボン移送機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、名刺やハガキ等の比較的小型サイズの用紙を印刷する際に用いて好適な印刷装置のインクリボン移送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、名刺やハガキ等の比較的小型サイズの用紙に印刷を行う印刷装置は、例えば、特開平2−206573号公報等で知られている。
【0003】
この種の印刷装置は、通常、多数の用紙がセットされた給紙機構から順次用紙が送り出されるとともに、送り出された用紙は前段搬送機構により印字機構まで搬送され、印字ヘッド(サーマルヘッド)及びインクリボンを用いた熱転写方式により印字される。そして、印字された用紙は後段搬送機構により搬送され、排紙トレイ上に排出される。この場合、用紙が印字機構まで搬送され、当該用紙がプラテン上に載ったら、リリース位置にある印字ヘッド及びインクリボンを含む印字部をセット位置まで変位させ、当該印字部を加圧スプリング(加圧部材)により用紙に圧接させて印刷を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の印刷装置では、印刷領域以外でのインクリボンの消費をできるだけ抑えて無駄となるインクリボンの発生を回避する必要がある。したがって、通常、印刷領域が終了したなら用紙から印字部を速やかにリリースさせるとともに、インクリボンの送り動作を停止させている。
【0005】
しかし、従来の印刷装置では、印字部をリリースする際に、用紙にインクリボンによる黒筋等の汚れが付着し、印刷品質を損ねてしまう問題があった。図7(a)は印刷動作時における印字部に付加される加速度Gの実測データを示したものであるが、リリース位置にある印字部を時刻toから変位させた場合、最初に、リリースモータの起動時における加速度Gaが発生し、この後、印字部がプラテン上の用紙に当接した際に加速度Gbが発生する。そして、印刷領域が終了して印字部をリリース動作させた際には、印字部が用紙から離れるときに加速度Geが発生し、このときの振動(衝撃)が汚れの大きな要因となる。なお、図7(b)は、印字部の基準位置を検出する基準位置センサの検出結果を示し、Xsは検出した基準位置を示す。さらに、図7(c)は、リリースモータの作動状態を示し、Zsはリリース位置にある印字部をセット位置へ変位させる際の作動期間、Zrはセット位置にある印字部をリリース位置へ変位させる際の作動期間を示す。
【0006】
一方、この問題を解決するため、通常、印字部を用紙に圧接させる際の加圧力や印字ヘッドに対する圧着性を高めるリボンテンションの大きさ等を調整しているが、インクリボンを巻取る巻取軸の回転速度(回転トルク)は、インクリボンの巻始めと巻終わりでは異なるため、例えば、リボンテンションを最適な値に設定(調整)しても、巻取軸の巻取量によって最適な状態からズレてしまう不具合があった。
【0007】
本発明はこのような従来の技術に存在する不具合を解決したものであり、巻取軸の回転トルクの変化を最適化し、インクリボンの巻始めから巻終わりまで略一定のリボンテンションを維持できるとともに、容易かつ低コストに実現できる印刷装置のインクリボン移送機構の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明は、供給軸2から供給され、かつ用紙Pに対して印刷を行ったインクリボン3を巻取軸4により巻取る印刷装置Mのインクリボン移送機構1を構成するに際して、巻取軸駆動モータ5と、この巻取軸駆動モータ5と巻取軸4間に介在させた回転伝達機構部6と、この回転伝達機構部6に設けることにより巻取軸4の回転速度が大きくなるほど発生する負荷トルクが大きくなるように巻取軸4の回転トルクを制限する速度依存形のオイル式ロータリダンパ7d(第一トルクリミッタ7)と、巻取軸4の回転トルクを制限する速度非依存形の第二トルクリミッタ8とを備えることを特徴とする。
【0009】
この場合、好適な実施の形態により、第二トルクリミッタ8は、スプリング式スリップクラッチ8cを用いることができる。一方、供給軸2には、供給するインクリボン3に対して一定のバックテンションを付与する速度非依存形の第三トルクリミッタ9を付設することができ、この第三トルクリミッタ9には、スプリング式スリップクラッチ9cを用いることができる。
【0010】
これにより、巻取軸駆動モータ5(第二トルクリミッタ8)の回転出力は、一定の回転トルク特性となるが、オイル式ロータリダンパ(第一トルクリミッタ7)は、巻取軸4の回転速度が大きくなるほど、発生する負荷トルクが大きくなる特性を有するため、巻取軸4は、巻始めは小さく、巻終わりほど大きくなる理想の回転トルクを発生し、巻取軸4におけるインクリボン3の巻径に関係なく、巻始めから巻終わりまで略一定のリボンテンションが維持される。
【0011】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明の理解を容易にするため印刷装置Mの概要について、図6を参照して説明する。
【0013】
印刷装置Mは、本体下部71と、この本体下部71に対して後部のヒンジ部70を支点に上下に開閉する本体上部72を備える。図6に示す印刷装置Mは、右側が前面部Mfとなり、この前面部Mfに、給紙機構73を配設するとともに、この給紙機構73から後部に向かって、前段搬送機構74,印字機構75,後段搬送機構76及び排紙トレイ機構77を順次配設する。なお、78は制御ユニット、79は操作パネルを示す。
【0014】
給紙機構73は、多数の用紙P…をセットする給紙ガイド機構80と、この給紙ガイド機構80にセットされた多数の用紙P…から一枚ずつ用紙Pを送り出す給紙ローラ機構81を備える。給紙ガイド機構80は、給紙エレベータ機構部82により上昇し、かつマニュアル操作により下降させることができる給紙トレイ83を備え、この給紙トレイ83上に多数の用紙P…が積み重ねられてセットされる。セットできる用紙P…は、横置きした名刺Pa,縦置きしたハガキPb,縦置きした封筒Pcである。なお、用紙P…の上面位置はセンサにより検出され、給紙エレベータ機構部82が駆動制御されることにより、常に、一定範囲の高さに維持される。一方、給紙ローラ機構81は、セットされた用紙P…の最上面に当接し、用紙P…を搬送方向前方へ送り出すピックアップローラ84,ピックアップローラ84の搬送方向前方に配したフィードローラ85,フィードローラ85の下方に配したリタードローラ86を備え、フィードローラ85とリタードローラ86により、用紙Pが分離されて一枚ずつ前方に送り出される。
【0015】
前段搬送機構74は、テイクアウェイローラ機構87,プリレジストローラ機構88,レジストローラ機構89を順次水平方向に配設して構成し、給紙ローラ機構80から送り出された用紙P…を印字機構75まで搬送する機能を有する。なお、各ローラ機構87〜89の間隔は、搬送する用紙P…の最小サイズよりも短い間隔に設定される。特に、プリレジストローラ機構88とレジストローラ機構89は、回転動作の制御により、搬送する用紙P…の角度(向き)を一定に揃えるスキュー修正機能と、搬送する用紙P…の間隔が開いた場合に、その間隔を詰める搬送間隔修正機能を備えている。
【0016】
次に、本実施例に係るインクリボン移送機構1と組合わせて好適な印字機構75の構成について、図3及び図4を参照してさらに具体的に説明する。
【0017】
21は、給紙ローラ機構81の下方に配設した水平方向の支持シャフトであり、この支持シャフト21には、カセット装填フレーム22の一端部をベアリングを介して回動自在に取付ける。このカセット装填フレーム22には、インクリボン用カセットCを装填するカセット装填部22sを有する。
【0018】
一方、カセット装填フレーム22の他端部の下方には、昇降駆動部23を配設する。昇降駆動部23は、ステッピングモータを用いたリリースモータ24と、偏心カム25と、リリースモータ24の回転を偏心カム25の回転軸25sに伝達する回転伝達ギア機構部26と、偏心カム25が係合するカセット装填フレーム22の下面に固定した従動部27を備える。従動部27は一定の間隔を空けて配した下面にV面を有する上係合部27uと、上面にV面を有する下係合部27dを備え、上係合部27uと下係合部27d間に偏心カム25が配される。これにより、リリースモータ24を駆動制御すれば、偏心カム25が回転し、カセット装填フレーム22の他端部側は偏心カム25の回転角度に応じて昇降変位する。また、回転軸25sには扇形のシャッタ31を固定するとともに、このシャッタ31により光路が開閉される透過型光センサ32を付設する。これにより、後述する印字ヘッド11とインクリボン3を含む印字部12の基準位置Xs(図7参照)を検出する基準位置センサ33が構成される。
【0019】
他方、35はヘッド支持フレームである。ヘッド支持フレーム35は、側面視をU形に形成し、一端部を、ベアリングを介して支持シャフト21に回動自在に取付けるとともに、他端部側は、カセット装填フレーム22の下方を経由して上方に至らせる。そして、図4に示すように、ヘッド支持フレーム35の他端部上端には、ヘッド支持機構部36を介して印字ヘッド11を支持する。この場合、ヘッド支持機構部36は、ヘッド支持フレーム35の他端部上端に形成したブラケット37…に、支持軸38を介して主ベース部39のブラケット40…を回動自在に支持し、この主ベース部39上に固定した補助ベース部15の一端に、印字ヘッド本体11oを有する印字ヘッド11の一端を軸部41を介して回動自在に支持する。また、主ベース部39には開口窓42…を形成し、この開口窓42…に、印字ヘッド11に設けた規制軸43を収容する。そして、補助ベース部15の他側と印字ヘッド11の他側間には、左右一対の補助加圧スプリング(補助加圧部材)14…を介在させる。なお、ヘッド支持機構部36は、印字ヘッド11に対する位置決め機能を有する。印字ヘッド11は、名刺やハガキ等の厚手或いは硬い用紙Pに対しても確実に印字できるように、C端面タイプのサーマルヘッドを使用する。また、C端面タイプのサーマルヘッドを用いた場合には、用紙Pにカールを生じやすいため、プラテン10にゴム硬度が80度以上のゴムローラを使用してカールを防止する。印字ヘッド11はプラテン10の直下に位置する。
【0020】
さらに、カセット装填フレーム22には、図4に示すように、下スプリング受部44を固定するとともに、ヘッド支持フレーム35には、下スプリング受部44に対して上方で対向する上スプリング受部45を固定し、この上スプリング受部45と下スプリング受部44間に左右一対の主加圧スプリング(主加圧部材)13…を介在させる。また、カセット装填フレーム22には、ヘッド支持フレーム35の上方への変位を規制するストッパ46を設けるとともに、固定されたシャーシとカセット装填フレーム22間には、図3に示すように、スプリング47を架設してカセット装填フレーム22を上方へ付勢する。
【0021】
この場合、補助加圧スプリング14は主加圧スプリング13よりも加圧力を十分に小さく設定する。図5は、印字機構75の一部を抽出した図4の模式図を示す。印字部12がリリース位置に変位している状態では、各加圧スプリング13…,14…の弾発力により上スプリング受部45がストッパ46に係止し、規制軸43の両端が開口窓42…の上辺に係止している。この状態から実線で示すセット位置、即ち、印字部12がプラテン10上の用紙Pに圧接する位置へ変位させれば、各加圧スプリング13…,14…は圧縮する。この場合、主加圧スプリング13…の圧縮量Em及び補助加圧スプリング14…の圧縮量Esは、共に2〔mm〕前後を目安に設定でき、このときの主加圧スプリング13…の加圧力は1〔MPa〕前後、補助加圧スプリング14…の加圧力は0.2〔MPa〕前後、つまり主加圧スプリング13…の1/5前後を目安に設定できる。
【0022】
一方、制御ユニット78は、各種設定機能,記憶機能,演算機能及び制御機能を備えており、シーケンス制御により本実施例に係るリリース方法を実行する。制御ユニット78には、上述したリリースモータ24及び透過型光センサ32を接続するとともに、搬送される用紙Pの前端を検出するレジストセンサ48を接続する。
【0023】
以上の構成により、支持シャフト21,この支持シャフト21に支持され、かつ他端部に従動部27を設けたカセット装填フレーム22及び印字ヘッド11を支持するヘッド支持フレーム35は、インクリボン3と印字ヘッド11を一緒に変位させる伝達機構部49を構成する。この伝達機構部49は、昇降駆動部23による従動部27の昇降変位を、印字ヘッド11に伝達することにより、プラテン10上の用紙Pに対する印字ヘッド11の圧接及び圧接解除を行うリリース機構となる。
【0024】
次に、本実施例に係るインクリボン移送機構1の構成及び機能について、図1及び図2を参照して説明する。
【0025】
図1に示すインクリボン移送機構1において、50はカセット装填部22sに装填されたインクリボン用カセットCを駆動する巻取軸回転駆動部である。4はカセットCの巻取リールに装着する巻取軸、2はカセットCの供給リールに装着する供給軸を示す。巻取軸4には、一体の被動ギア51を有し、この被動ギア51には、巻取軸駆動モータ5の回転軸に設けた駆動ギア52の回転が回転伝達機構部6を介して伝達される。回転伝達機構部6は、第一ギア6a,第二ギア6b,第三ギア6c,第四ギア6d,第五ギア6e,第六ギア6f,第七ギア6gを備え、第一ギア6aに駆動ギア52が噛合し、第七ギア6gに被動ギア51が噛合する。
【0026】
また、第一ギア6aと第二ギア6b間には、速度非依存形の第二トルクリミッタ8を介在させる。第二トルクリミッタ8としては、スプリング式スリップクラッチ8cを用いることができる。これにより、回転伝達は行われるも設定された回転トルク以上の回転トルクが付与された場合にはスリップし、一定の回転トルクに制限する。さらに、第四ギア6dには、速度依存形の第一トルクリミッタ7の入力軸53に設けた入力ギア54を噛合させる。第一トルクリミッタ7としては、オイル式ロータリダンパ7dを用いることができる。オイル式ロータリダンパ7dは、内部にシリコーンオイルが封入され、図2にKdで示すように、巻取軸4の回転速度が大きくなるほど発生する回転トルク(負荷トルク)が大きくなる特性を有する。一方、第二トルクリミッタ8の回転出力は、図2にKoで示すように一定の回転トルク特性を示す。したがって、速度非依存形のスプリング式スリップクラッチ8cと速度依存形のオイル式ロータリダンパ7dを設けて両者の特性を組合わせれば、巻取軸4の回転速度が巻始めと巻終わりで異なっても、巻取軸4の回転トルクは、図2にKsで示すように、巻始めは小さく、巻終わりほど大きくなる。よって、リボンテンションを最適な値に設定(調整)すれば、巻取軸4におけるインクリボン3の巻径に関係なく、巻始めから巻終わりまで略一定となる理想的なリボンテンション(引張力)が維持される。
【0027】
なお、55は、供給軸2に設けた出力ギア56から回転が入力するスプリング式スリップクラッチ9cを用いたスリップクラッチ機構であり、供給するインクリボン3に対して一定のバックテンションを付与する第三トルクリミッタ9を構成する。また、57はインクリボン3をガイドするガイドシャフト,58はインクリボン3をガイドするガイドプレートを示す。
【0028】
次に、本実施例に係るインクリボン移送機構1を備える印字機構75の動作について、図1〜図6を参照して説明する。
【0029】
まず、電源投入時には、カセット装填フレーム22は図3に実線で示す下降位置にある。したがって、印字部12を構成するインクリボン3(カセットC)と印字ヘッド11は共に下降し、プラテン10から離間したリリース位置ある。
【0030】
今、前段搬送機構74から用紙Pが搬送されれば、レジストセンサ48により用紙Pの前端が検出される。これにより、制御ユニット78のタイマ機能により計時を開始する。そして、予め設定した第一設定時間Taが経過したなら、不図示のレジストモータにより駆動されるレジストローラ機構89の回転を停止させる。この後、さらに第二設定時間Tbが経過したなら、レジストローラ機構89を回転駆動する。このように、レジストローラ機構89の回転を一時的に停止させるため、用紙Pの前端は、停止しているレジストローラ機構89に当たるとともに、用紙Pに撓みを生じる。この際、用紙Pの前端がレジストローラ機構89に当たることによって、前端がレジストローラ機構89の軸方向に平行となるようにスキュー修正されるとともに、撓みはガイドプレートにより設けられた撓み許容空間Rw内に逃がされる。そして、この撓みが生じた後に、レジストローラ機構89が回転を開始し、用紙Pの搬送を開始する。したがって、第二設定時間Tbは、用紙Pに適度な撓みが生ずる時間を設定する。
【0031】
また、レジストセンサ48による用紙Pの検出から第三設定時間Tcが経過したなら、制御ユニット78はリリースモータ24を起動させる。これにより、偏心カム25が回転し、従動部27を上方へ変位させてカセット装填フレーム22を上昇させる。この場合、第三設定時間Tcは、搬送される用紙Pの前端が、プラテン10に対するインクリボン3の圧接位置よりも所定距離だけ搬送方向前方に位置する距離を考慮して設定する。これにより、カセット装填フレーム22を上昇させた際に、インクリボン3は常に用紙Pの下面に圧接することになり、特に厚手の用紙Pを使用した場合であっても、インクリボン3に用紙Pの前端が衝突して汚れる不具合が回避される。
【0032】
一方、偏心カム25の回転によりシャッタ31も一緒に回転する。シャッタ31が一定角度回転して透過型光センサ32によりシャッタ31の端部が検出されれば、この位置が基準位置Xs(図7参照)となる。基準位置Xsに達したことにより、リリースモータ24を予め設定した第一設定ステップ(パルス数)だけ作動させ、この後に停止させる。これにより、印字部12がセット位置まで上昇して用紙Pに圧接する。
【0033】
この場合、図5に示すように、カセット装填フレーム22に固定した下スプリング受部44は、最下降位置Xfから最上昇位置Xaまで上昇変位する。この際、最初に、印字ヘッド11がリリース位置Xgから上昇して、プラテン10上の用紙Pに当接する。さらに、下スプリング受部44が第二位置Xcから第一位置Xbまで上昇すれば、補助ベース部15は下降位置Xeから上昇位置Xdまで上昇し、加圧力の小さい補助加圧スプリング14が圧縮する。このときの圧縮量はEsとなり、補助加圧スプリング14の全長はLspからLsに圧縮する。この時点では、規制軸43が規制窓42…の下辺に係止する。さらに、下スプリング受部44が第一位置Xbから最上昇位置Xaまで上昇すれば、規制軸43が規制窓42…の下辺に係止しているため、主加圧スプリング13が圧縮する。このときの圧縮量はEmとなり、主加圧スプリング13の全長は、LmpからLmに圧縮する。この結果、印字ヘッド11は主加圧スプリング13によってのみ加圧され、印字ヘッド11は主加圧スプリング13により概ね1〔MPa〕の加圧力により用紙Pに圧接する。
【0034】
他方、用紙Pに対しては印字部12により印刷が行われる。そして、印刷(印刷領域)が終了すれば、印刷終了指令が出力してリリース動作が開始する。まず、印刷終了指令の出力により、リリースモータ24を起動させる。この際、リリースモータ24は予め設定した第二設定ステップ(パルス数)だけ作動させた後に一旦停止させ、予め設定した休止時間Tsの経過後に、リリースモータ24を再起動させる。この場合、リリースモータ24を停止させるタイミングは印字部12が用紙Pから離れる直前に設定する。即ち、リリースモータ24の起動により偏心カム25が回転し、カセット装填フレーム22が下降するも、補助加圧スプリング14及び主加圧スプリング13の弾性復帰により、印字部12は用紙Pに圧接した状態を維持し、カセット装填フレーム22が前述した圧縮量Es+Emだけ下降した位置から印字部12が用紙Pから離れるため、カセット装填フレーム22がEs+Em下降し終わる直前にリリースモータ24の作動を停止させる。なお、カセット装填フレーム22の下降位置は、基準位置Xsに基づいて正確に知ることができる。また、休止時間Tsは、加圧スプリング13の弾性復帰に伴う振動(衝撃)を消滅できればよいため、比較的短い時間を設定できる。よって、印字部12のリリース動作は、用紙Pから離れる直前に休止時間Tsだけ停止するため、加圧スプリング13の弾性復帰に伴う振動(衝撃)は当該休止時間Ts内に吸収される。
【0035】
一方、リリースモータ24の起動により、偏心カム25が回転し、カセット装填フレーム22が下降する。カセット装填フレーム22の下降により下スプリング受部44が下降し、下スプリング受部44が最上昇位置Xaから第一位置Xbまで下降すれば、最初に、主加圧スプリング13が伸張する。即ち、主加圧スプリング13の全長は、LmからLmpへ伸張する。この時点では、上スプリング受部45がストッパ46に係止する。さらに、下スプリング受部44が第一位置Xbから第二位置Xcまで下降すれば、主加圧スプリング13はこれ以上伸張しないため、補助加圧スプリング14が伸張する。即ち、補助加圧スプリング14の全長は、LsからLspへ伸張する。この時点では、規制軸43が規制窓42…の上辺に係止する。
【0036】
この後、さらに、下スプリング受部44が第二位置Xcから最下降位置Xfまで下降すれば、印字部12が用紙Pから離間してリリース位置に至る。即ち、印字ヘッド11は、圧接したセット位置からストロークLrだけ下降したリリース位置Xgに至る。なお、リリースモータ24は、上述した再起動後、予め設定した第三設定ステップ(パルス数)だけ作動させ、この後に停止させる。
【0037】
このような印字機構75によれば、印字部12のリリース動作時には、最初に、主加圧スプリング13…が弾性復帰し、この後、補助加圧スプリング14…が弾性復帰するため、印字部12が用紙Pから離れる際に発生する振動(衝撃)は、加圧力の小さい補助加圧スプリング14…のみに基づき、加圧力の大きい主加圧スプリング13…のみを用いた際に発生する振動(衝撃)に対して大幅に低減される。したがって、インクリボンの無駄を排して資源節減及びランニングコスト削減を図れることに加え、用紙に対する汚れの付着を排して印刷品質を向上させることができるとともに、容易かつ低コストに実現できる。特に、リリース動作時に、前述した休止時間Tsを設定すれば、補助加圧スプリング14…の弾性復帰に伴う振動は、さらに、当該休止時間Ts内にも吸収されるため、補助加圧スプリング14…を設けたことと休止時間Tsを設定したことに伴う相乗効果が得られる。
【0038】
ところで、印字機構75には、本実施例に係るインクリボン移送機構1を備えるため、更なる好ましい相乗効果が得られる。即ち、本実施例に係るインクリボン移送機構1を用いなければ、リリース動作時には巻取軸4の巻取量に応じてリボンテンションが異なるため、上述した加圧スプリング13…,14…や休止時間Ts等に対して最適な調整を行ったとしても、巻取量によって最適な状態からズレてしまう不具合を生じる。しかし、本実施例に係るインクリボン移送機構1では、速度非依存形のスプリング式スリップクラッチ8cと速度依存形のオイル式ロータリダンパ7dを設けることにより、両者の特性を組合わせたため、巻取軸4の回転トルクの変化を最適化することができ、リボンテンションを巻始めから巻終わりまで略一定に維持することができる。したがって、印字機構75に、本実施例に係るインクリボン移送機構1を設けることにより、加圧スプリング13…,14…或いは休止時間Ts等に対する設定(調整)を、巻取軸4の巻取量に左右されることなく常に最適な状態に維持することができる。
【0039】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、加圧部材は、加圧スプリング13…,14…を例示したが、加圧用板バネ等の他の加圧部材により置換できる。リリースモータ24としてステッピングモータを用いたが、他型式モータの使用を排除するものではない。また、速度依存形の第一トルクリミッタ7と速度非依存形の第二トルクリミッタ8の双方を用いた場合を示したが、速度依存形の第一トルクリミッタ7に速度非依存形のトルクリミッタ機能を含むような場合には、第一トルクリミッタ7のみであってもよい。さらに、第二トルクリミッタ8及び第三トルクリミッタ9として、スプリング式スリップクラッチ8c及び9cを使用した場合を例示したが、それぞれ同一機能を有する他の機能部品により置換できる。
【0040】
【発明の効果】
このように、本発明に係る印刷装置のインクリボン移送機構は、巻取軸駆動モータと、この巻取軸駆動モータと巻取軸間に介在させた回転伝達機構部と、この回転伝達機構部に設けることにより巻取軸の回転速度が大きくなるほど発生する負荷トルクが大きくなるように巻取軸の回転トルクを制限する速度依存形のオイル式ロータリダンパと、巻取軸の回転トルクを制限する速度非依存形の第二トルクリミッタとを備えるため、巻取軸の回転トルクの変化を最適化し、リボンテンションを巻始めから巻終わりまで略一定に維持することができるとともに、容易かつ低コストに実現できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るインクリボン移送機構の構成図、
【図2】同インクリボン移送機構の作用説明図、
【図3】同インクリボン移送機構を備える印字機構及び制御系を含む動作説明図、
【図4】同印字機構の要部を抽出した一部断面拡大図、
【図5】同印字機構の作用を説明するための図4の模式図、
【図6】同インクリボン移送機構を備える印刷装置の概要図、
【図7】従来の技術に係る印字機構を用いた際における各部の状態を示すタイミングチャート、
【符号の説明】
1 インクリボン移送機構
2 供給軸
3 インクリボン
4 巻取軸
5 巻取軸駆動モータ
6 回転伝達機構部
7 第一トルクリミッタ
7d オイル式ロータリダンパ
8 第二トルクリミッタ
8c スプリング式スリップクラッチ
9 第三トルクリミッタ
9c スプリング式スリップクラッチ
P 用紙
M 印刷装置

Claims (4)

  1. 供給軸から供給され、かつ用紙に対して印刷を行ったインクリボンを巻取軸により巻取る印刷装置のインクリボン移送機構において、巻取軸駆動モータと、この巻取軸駆動モータと前記巻取軸間に介在させた回転伝達機構部と、この回転伝達機構部に設けることにより前記巻取軸の回転速度が大きくなるほど発生する負荷トルクが大きくなるように前記巻取軸の回転トルクを制限する速度依存形のオイル式ロータリダンパ(第一トルクリミッタ)と、前記巻取軸の回転トルクを制限する速度非依存形の第二トルクリミッタとを備えることを特徴とする印刷装置のインクリボン移送機構。
  2. 前記第二トルクリミッタは、スプリング式スリップクラッチを用いることを特徴とする請求項1記載の印刷装置のインクリボン移送機構。
  3. 前記供給軸に、供給するインクリボンに対して一定のバックテンションを付与する速度非依存形の第三トルクリミッタを付設することを特徴とする請求項1記載の印刷装置のインクリボン移送機構。
  4. 前記第三トルクリミッタは、スプリング式スリップクラッチを用いることを特徴とする請求項3記載の印刷装置のインクリボン移送機構。
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