JP3700862B2 - 多導体送電線のギャロッピング抑止装置 - Google Patents

多導体送電線のギャロッピング抑止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は多導体送電線のギャロッピングを抑止する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
架空送電線の風上側の側面に翼状に着氷が生ずるとこれに水平風が吹きつけた時に揚力が生じ、電線が上下振動を起こして0.1 HZ 〜1 HZ 程度の自励振動のギャロッピング振動が発生し、強風時には水平運動を含む大きな垂直振幅の最大垂直振幅10m以上にもなり、この大きな上下振動で上下の電線が接触して相間短絡事故が起こすことがある。
【0003】
前記のようなギャロッピング振動は、送電線を線路方向に対し垂直断面で図示した図6のように、架空送電線のより線導体▲1▼の風上側の側面に翼状に着氷iが生じてこれに水平風が吹きつけると、この着氷イの下面に風による揚力が生じて導体▲1▼が▲2▼のように上昇し、この上昇時にはより線導体が右方向に捻じれて着氷はイのように上向きになり、この導体▲2▼の上向きの着氷にさらに風による揚力が生じて導体は▲3▼まで上昇し、次いでこの上昇した導体▲3▼が▲4▼のように下降する時により線導体が左方向に捻じれて着氷はロのように下向きになり、この下向き着氷の導体▲4▼は風によりさらに下降して導体は▲5▼まで下降し、再び上昇に転じて前記の捻回と上下振動を繰り返し、このように上昇時にはさらに上向きの力が作用し下降時にはさらに下向きの力が作用するように上下振動を助長する捻回振動をすることにより、上下振動が大振幅のギャロッピング振動に発達する。
【0004】
前記のようなギャロッピング振動は単導体送電線よりも多導体送電線に発生し易く、4導体の場合は送電線方向に対し垂直断面で図示した図7のように、4条の素導体間にペーサSを取り付けた4導体送電線aの各素導体a1、a2、a3、a4の風上側の側面にそれぞれ着氷iが翼状に生じてこれに水平風が吹きつけると風による揚力が生じて4導体aが上昇するとともに右方向に捻回し、着氷iが上向きにって風によりこの4導体がさらに▲1▼−▲2▼のように上昇し、ついでこの4導体が下降するとともに各素導体が左方向に捻じれて着氷iが下向きになるとさらに風により下降して▲2▼−▲3▼−▲4▼のように下降し、次いで▲4▼−▲1▼−▲2▼のように上昇に転じてこれを繰り返し大振幅のギャロッピング振動に発達する。
【0005】
図8は前記のようなギャロッピング振動による導体の上下変位と水平変位と捻回変位を、各素導体の断面積が810mm2 の4導体送電線について実測値を示したものであり、捻回振動と上下振動は振動周期は一致しているがその位相は少しずれている。
【0006】
前記のようなギャロッピング振動を防止するために電線に振動防止ダンパを取り付けるが、ダンパだけでは多導体送電線の大振幅のギャロッピング振動を防止することはできないので、ギャロッピング振動による上相の電線と下相の電線の相間短絡を防止するために、磁器碍子製等の絶縁物製の相間スペーサを上相の電線と下相の電線の間に取り付けている。このような従来の相間スペーサは、複導体送電線の場合、たとえば図9に示したように、上相の2条の素導体A1−A2間のスペーサSaと下相の2条の素導体B1−B2間のスペーサSbの間に絶縁物製の相間スペーサSを取り付けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来の絶縁物製の相間スペーサの絶縁物には一般的に磁器碍子が使用されており、この相間スペーサは長尺のためスペーサ両端の両電線からの圧縮荷重により座屈して磁器碍子が折れないようにするために、太い軸径にする必要があるが、太い相間スペーサを取り付けると送電線に取り付ける磁器碍子製相間スペーサ全体の重量が大きくなり、電線張力の増大や相間スペーサ取付点の電線の歪の増大を招き、鉄塔強度が不足してその補強が必要となり余計な費用がかかる。このため磁器碍子製スペーサよりも重量が小さい樹脂製の相間スペーサが使用されるようになったが、径間の電線に取り付ける相間スペーサ全体の重量の軽量化が未だ不充分である。
【0008】
また、ギャロッピング振動は、電線が捻回して上下振動を助長しその捻回振動と上下振動の周波数が一致すると大振幅のギャロッピング振動に発達するが、従来のように電線の捻じれ防止ダンパを取り付けても大振幅のギャロッピング振動の発生を防止することはできず、従来は電線の上下振動を助長して大きなギャロッピング振動をひき起こす捻回振動を効果的に防ぐことができなかった。
【0009】
本発明は、前記の課題を解決し、電線の捻回を抑えて多導体送電線のギャロッピングを抑止することができ、かつ相間スペーサを軽量化することができる装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために本発明の多導体送電線のギャロッピング抑止装置は、導体数が複導体以上の多導体送電線であって、支持鉄塔間の径間における上相の多導体A、中相の多導体B、下相の多導体Cの各相の、上側にある相(B相に対するA相、C相に対するB相)の多導体とその下側にある相(A相に対するB相、B相に対するC相)の多導体との間に相間スペーサを取り付ける多導体送電線において、上側にある相の多導体における風に向かって前側(風上側)の素導体(多導体Aにおける素導体A1、素導体A1・A2、多導体Bにおける素導体B1、素導体B1・B2、多導体Cにおける素導体C1、素導体C1・C2)と、下側にある相の多導体における風に向かって後側(風下側)の素導体(多導体Aにおける素導体A2、素導体A3・A4、多導体Bにおける素導体B2、素導体B3・B4、多導体Cにおける素導体C2、素導体C3・C4)とを絶縁物製相間スペーサで連結し、前記上側の相の多導体の後側(風下側)の素導体と下側の相の多導体の前側(風上側)の素導体も絶縁物製相間スペーサで連結したことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の多導体送電線のギャロッピング抑止装置は、4導体(図3、図4)またはそれ以上の多導体の送電線において、上相の多導体A、中相の多導体B、下相の多導体Cの各相の多導体の素導体群(多導体Aの素導体A1・A2・A3・A4群、多導体Bの素導体B1・B2・B3・B4群、多導体Cの素導体C1・C2・C3・C4群)をそれぞれ、風に対して前側の素導体群と後側の素導体群の2群に分け(多導体Aにおいては前側の素導体A1・A2群と後側の素導体A3・A4群の前後の2群、多導体Bにおいては前側の素導体B1・B2群と後側の素導体B3・B4群の前後2群、多導体Cにおいては前側の素導体C1・C2群と後側の素導体C3・C4群の前後2群に分け)、この前側の素導体群(A1・A2群、およびB1・B2群、およびC1・C2群)と後側の素導体群(A3・A4群、およびB3・B4群、およびC3・C4群)にそれぞれ相間スペーサ取付杆(9、10、11、12、13、14、15、16)を取り付けて、この相間スペーサ取付杆に前記と同様に相間スペーサ(5、6、7、8)を取り付けるものである。すなわち、上側にある相の多導体における風に向かって前側の素導体群に取り付けた相間スペーサ取付杆と、その下側にある相の多導体における風下側の後側の素導体群に取り付けた相間スペーサ取付杆に絶縁物製相間スペーサを取り付けて、上側の相の前側の素導体群と下側の相の後側の素導体群とをこの相間スペーサで連結するとともに、前記上側の相の後側(風下側)の素導体群に取り付けた相間スペーサ取付杆と、下側の相の前側(風上側)の素導体群に取り付けた相間スペーサ取付杆に絶縁物製相間スペーサを取り付けて、上側の相の後側の素導体群と下側の相の前側の素導体群とをこの相間スペーサで連結したことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
図2において、多導体送電線に対する水平方向の風に向かって前側(風上側)の各素導体の側面に着氷iが生じてギャロッピング振動を起こす時に、上相、中相、下相の各相の多導体(各相の各素導体は導体間スペーサで連結されている)のうち、上側にある相の多導体A群(素導体群の前側と後側の素導体が導体間スペーサSaで連結されている素導体群)が矢印Rのように右方向に捻回(風上側の前側の素導体A1側が後側の素導体A2側に対し矢印R方向に上昇するような上相多導体A群の捻回)して風上側の前側の素導体A1が矢印R方向に上昇しようとすると、この上側にある相の多導体Aの前側の素導体(A1)はその下側にある相の多導体Bの風下側の後側の素導体(B2)に相間スペーサ1で連結されているので、下側の相の多導体Bの後側の素導体(B2)が相間スペーサ1を介して上方に引き上げられる。
【0013】
前記のように下側の相の多導体Bの後側の素導体(B2)が相間スペーサ1を介して上方に引き上げられると、下側にある相の多導体B群(素導体群の前側と後側の素導体が導体間スペーサSbで連結されている素導体群)は矢印Lのように左方向に捻回(後側の素導体B2が前側の素導体B1I対して矢印L方向に上昇するような中相多導体B群の捻回)させられる。このように上側にある相の多導体Aの捻回方向とその下側にある相の多導体Bの捻回方向は逆方向になり上側の多導体Aと下側の多導体Bの上下方向の運動は逆位相となるが、相間スペーサにより干渉されて定在波的なギャロッピングに発展しない。このようにして上相の多導体Aとその下側に位置する中相の多導体Bとの間の上下運動、および中相の多導体Bとその下側に位置する下相の多導体Cとの間の上下運動が抑止される。前記の上側にある相の多導体と下側にある相の多導体の間の上下運動の相殺は、風の方向が反対方向になって捻回方向が前記と逆になる場合でも、上側の相の多導体Aの後側の素導体(A2)と下側の相の多導体Bの前側の素導体(B1)が相間スペーサ2で連結されているので前記と同様である。
【0014】
前記の絶縁物製相間スペーサは、前記のように上側の相の多導体の捻回により下側の相の素導体を引き上げて相間スペーサの上下両端が把持した上側の相の多導体と下側の相の多導体の捻回方向を逆にするだけの強度があればよく、相間スペーサの上下両端の素導体からの圧縮荷重がかかった場合は撓んでもさしつかえないので、相間スペーサ杆体は軽量、安価なポリマー製の相間スペーサを使用することが可能になる。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面により説明する。本発明において多導体送電線の多導体とは各相の導体数が2導体以上であり、図1および図2は本発明の多導体送電線のギャロッピング抑止装置を各相の導体数が2導体の複導体送電線に適用した第1の実施例を示す。図1において、Aは支持鉄塔間の径間において上側に架線された上相の複導体、Cは下方に架線された下相の複導体、Bはこの上相の複導体Aと下相の複導体Cの間に架線された中相の複導体である。上相の複導体Aの素導体A1、A2のうちA1は風(矢印W)に向かって前側にある風上側の素導体、A2は風に向かって後側の風下側の素導体であり、中相の複導体Bの素導体B1、B2のうちB1は風上側の前側の素導体、B2は風下側の後側の素導体であり、下相の複導体Cの素導体C1、C2のうちC1は風上側の前側の素導体、C2は風下側の後側の素導体である。Saは上相の複導体Aの各素導体A1、A2を所定間隔に保持する導体間スペーサ、Sbは中相の複導体Bの各素導体B1、B2を所定間隔に保持する導体間スペーサ、Scは下相の複導体Cの各素導体C1、C2を所定間隔に保持する導体間スペーサである。
【0016】
前記の上側に架線された上相の複導体Aとその下側に架線された中相の複導体Bとの間、および中相の複導体Bとその下側の下相の複導体Cとの間には、それぞれ上側にある相の導体とその下側にある相の導体がギャロッピング振動により接触して相間短絡を起こすのを防止するために上下の各相の導体間隔を安全間隔に保つ絶縁体製の相間スペーサを取り付ける。1、2は上相の複導体Aと中相の複導体Bの間の絶縁体製相間スペーサ、3、4は中相の複導体Bと下相の複導体Cの間の絶縁体製相間スペーサである。
【0017】
前記の上相の複導体Aと中相の複導体Bの間の上中相間の2つの相間スペーサ1、2は、その一方の相間スペーサ1を、その上端の電線把持部1Uが上相の複導体Aの風上側の前側の素導体A1を把持し、下端の電線把持部1Dが中相の複導体Bの後側の素導体B2を把持するように取り付ける。またこの上中両相の複導体AB間の他方の相間スペーサ2は、その上端の電線把持部2Uが上相の複導体Aの風下側の後側の素導体A2を把持し、下端の電線把持部2Dが中相の複導体Bの前側の素導体B1を把持するように取り付ける。
【0018】
同様に中相の複導体Bとその下側にある下相の複導体Cの間の中下両相間の2つの相間スペーサ3、4の一方の相間スペーサ3は、その上端の電線把持部3Uが中相の複導体Bの風上側の前側の素導体B1を把持し、下端の電線把持部3Dが下側にある下相の複導体Cの後側の素導体C2を把持して取り付ける。また他方の相間スペーサ4は、その上端の電線把持部4Uが中相の複導体Bの風下側の後側の素導体B2を把持し、下端の電線把持部4Dが下相の複導体Cの前側の素導体C1を把持して取り付ける。
【0019】
前記の上中両相の複導体AB間の相間スペーサ1、2、および中下両相の複導体BC間の相間スペーサ3、4は、互いに接触、衝突しないように相間スペーサ1、2間の間隔D1および3、4間の間隔D1を数メートルの間隔に離して取り付ける。また上中両相の複導体AB間の相間スペーサ1、2と中下両相の複導体BC間の相間スペーサ3、4との間の間隔D2は10メートル以上離して取り付けると中相の複導体Bに無理な力がかからない。このように取り付けた各相間スペーサを電線方向にみると図2に示したように、上中両相の複導体AB間において相間スペーサ1と相間スペーサ2が互いに斜めに交叉し、中下両相の複導体BC間の相間スペーサ3、4も互いに斜めに交叉した状態になる。
【0020】
前記のように相間スペーサを取り付けた複導体送電線は、図2に示したように水平方向の風(矢印W)に向かって風上側の各素導体の側面に着氷iが生じてギャロッピング振動を起こす時に、前後の各素導体A1、A2が複導体スペーサSaで連結されている上側の上相複導体Aが右方向(矢印R)に捻回しようとしてその前側の素導体A1が矢印R方向に立ち上がると、この上相複導体Aの前側の素導体A1は相間スペーサ1により下側の中相複導体Bの後側の素導体B2に連結されているので、下側の中相複導体Bの後側の素導体B2が相間スペーサ1を介して矢印L方向に引き上げられる。このため前後の各素導体B1、B2が複導体スペーサSbで連結されている下側の中相複導体Bは左方向(矢印L)に捻回させられる。したがって上側の上相複導体Aの捻回方向とその下側の中相複導体Bの捻回方向は逆方向になり、相間スペーサ1により連結された上側の複導体Aと下側の複導体Bの捻回位相は逆位相になる。このため捻回運動と同期して起こる上下運動の位相も上側の上相複導体Aと下側の中相複導体Bの位相とは上下で逆位相となり、上側の上相複導体Aと下側の中相複導体Bは相間スペーサにより干渉を起こし定在波的な安定したギャロッピング振動にはならず、ギャロッピングが防止される。
【0021】
前記の上側の上相複導体Aが前記とは逆に左方向に捻回しようとする時も、その後側の素導体A2が左捻回方向に立ち上がると、この後側素導体A2に相間スペーサ2により連結されている下側の中相複導体Bの前側の素導体B1が相間スペーサ2を介して右捻回方向に引き上げられ、上側の上相複導体Aとその下側の中相複導体Bの捻回位相が逆位相になって、捻回運動と同期して起こる上下運動の位相も上側の複導体Aと下側の複導体Bの位相が逆位相となり、上側の複導体Aと下側の複導体Bは相間スペーサにより干渉を起こし定在波的な安定したギャロッピング振動にはならず、ギャロッピングが防止される。前記のように上側位置にある複導体と下側位置にある複導体が相間スペーサを介して干渉を起こし、定在波的な安定したギャロッピング振動にはならずギャロッピング振動が抑止されることは、相間スペーサ3、4で連結されている中相複導体Bとその下方にある下相複導体Cについても同様である。
【0022】
図3および図4は本発明を4導体(多導体)送電線に適用した第2の実施例を示す。この第2の実施例は、4導体またはそれ以上の多導体送電線においてその上相、中相、下相の各相の素導体群をそそれぞれ、風に対して前側の群と後側の群の2群に分け、この前側の群と後側の群にそれぞれ相間スペーサ取付杆を取り付けて、これに以下のように相間スペーサを取り付ける。図3において、Aは支持鉄塔間の径間において上側に架線された上相の4導体(多導体)であり、A1、A2、A3、A4はその4条の素導体で、A1、A2は風(矢印W)に向かって風上側の前側の素導体、A3、A4は後側の素導体である。Cは下方に架線された下相の4導体であり、C1、C2、C3、C4はその4条の素導体、C1、C2はその風上側の前側の素導体、C3、C4は後側の素導体である。Bはこの上相の4導体Aと下相の4導体Cの間に架線された中相の4導体であり、B1、B2、B3、B4はその4条の素導体、B1、B2はその風上側の前側の素導体、B3、B4は後側の素導体である。Saは上相の4導体Aの各素導体A1、A2、A3、A4間を所定間隔に保持する4導体用スペーサ、Sbは中相の4導体Bの各素導体B1、B2、B3、B4間を所定間隔に保持する4導体用スペーサ、Scは下相の4導体Cの各素導体C1、C2、C3、C4間を所定間隔に保持する4導体用スペーサである。
【0023】
前記の上相の4導体Aと中相の4導体Bの間、および中相の4導体Bと下相の4導体Cの間には、上側にある相の導体とその下側にある相の導体とがギャロッピング振動により接触して相間短絡を起こすのを防止するために、上相の4導体と中相の4導体の間隔、および中相の4導体Bと下相の4導体Cの間隔を安全な間隔に保つ絶縁体製の相間スペーサを取り付ける。5、6は上相の4導体Aと中相の4導体Bの間の相間スペーサ、7、8は中相の4導体Bと下相の4導体Cの間の相間スペーサである。
【0024】
前記の上相の4導体Aと中相の4導体Bの間の2つの相間スペーサ5、6の取り付けは、上相の4導体Aの風に向かって前側の素導体群A1、A2に相間スペーサ取付杆9を取り付け、中相の4導体Bの風下側の後側の素導体群B3、B4にも相間スペーサ取付杆10を取り付けておき、一方の相間スペーサ5の上端の取付部5Uを前記の上相の4導体Aの風上側の前側の相間スペーサ取付杆9に取付ボルト等で取り付け、この相間スペーサ5の下端の取付部5Dを前記の中相の4導体Bの後側の相間スペーサ取付杆10に取付ボルト等で取り付ける。また上相の4導体Aの風下側の後側の素導体群A3、A4にも相間スペーサ取付杆11を取り付けるとともに、中相の4導体Bの風上側の前側の素導体群B1、B2にも相間スペーサ取付杆12を取り付けておき、この上相の4導体Aの後側の相間スペーサ取付杆11に前記の他方の相間スペーサ6の上端の取付部6Uを取付ボルト等で取り付け、この相間スペーサ6の下端の取付部6Dを前記の中相の4導体Bの前側の相間スペーサ取付杆12に取付ボルト等で取り付ける。
【0025】
同様に中相の4導体Bと下相の4導体Cの間の2つの相間スペーサ7、8の取り付けも、前記と同様に中相の4導体Bの風上側の前側の素導体群B1、B2に相間スペーサ取付杆13を取り付けるとともに、下相の4導体Cの後側の素導体群C3、C4にも相間スペーサ取付杆14を取り付けておき、前記一方の相間スペーサ7の上端の取付部7Uを中相の4導体Bの前側の相間スペーサ取付杆13に取付ボルト等で取り付け、この相間スペーサ7の下端の取付部7Dを前記の下相Cの後側の相間スペーサ取付杆14に取付ボルト等で取り付ける。また、中相の4導体Bの風下側の後側の素導体群B3、B4に相間スペーサ取付杆15を取り付けるとともに、下相の4導体Cの前側の素導体群C1、C2にも相間スペーサ取付杆16を取り付けておき、この中相の4導体Bの後側の相間スペーサ取付杆15に前記の他方の相間スペーサ8の上端の取付部8Uを取付ボルト等で取り付け、この相間スペーサ8の下端の取付部8Dを前記の下相の4導体Cの前側の相間スペーサ取付杆16に取付ボルト等で取り付ける。
【0026】
前記のように取り付けた各相間スペーサを電線方向に見ると図4に示したように、上相の4導体Aと中相の4導体Bの間において相間スペーサ5、6が互いに斜めに交叉し、中下両相の4導体BC間において相間スペーサ7、8が互いに斜めに交叉した状態になる。前記のように相間スペーサを取り付けた4導体送電線も、水平方向の風Wに向かって風上側の各素導体の側面に着氷iが生じてギャロッピング振動を起こす時に、上側の上相の4導体Aが捻回しようとすると、これに相間スペーサ5、6で連結されている下側の中相の4導体Bの捻回方向が逆方向になり、上側の4導体Aの捻回運動と下側の4導体Bの捻回運動が逆位相になって、捻回運動と同期して起こる上下運動の位相も上側の上相複導体Aと下側の中相複導体Bの位相とは上下で逆位相となり、上側の上相複導体Aと下側の中相複導体Bは相間スペーサにより干渉を起こし定在波的な安定したギャロッピング振動にはならず、ギャロッピングが防止される。同様に中下両相の4導体BC間においても、上側の中相の4導体Bとその下側の下相の4導体Cは、その捻回運動が逆位相になり相間スペーサを介して干渉を起こし、定在波的な安定したギャロッピング振動にはならずギャロッピング振動が抑止される。
【0027】
前記のように上側にある相の多導体と下側にある相の多導体の間に取り付ける相間スペーサは、複導体の場合の相間スペーサ1、2、3、4、および4導体の場合の相間スペーサ5、6、7、8のいずれも、上側の相の多導体の捻回により下側の相の素導体を引き上げて相間スペーサの上下両端が把持した上側と下側の多導体の捻回方向を逆にするだけの強度があればよく、スペーサ両端の電線からの圧縮荷重がかかった場合は撓んでもさしつかえないので、相間スペーサ杆体は細く軽量なポリマー製の相間スペーサを使用することが可能になる。前記の絶縁物製の相間スペーサは、たとえば図5に示したように、テンションメンバーとしてFRPロッドを用い、このFRPロッド芯材の周囲にシリコンゴム等のプラスチック碍子部21を一体にモールドして設け、この碍子部21の外周表面にリーケージパスを増長する傘部22を設け、上下両端に取付部23、24を設けてコンポジツト碍子の相間スペーサ20を構成する。このようなコンポジツト碍子の相間スペーサは、FRPロッド芯材の引張強度が100kg/mm2 以上もありたとえば外径10mm程度のロッドでも引張強度は約8tにもなって引張強度が大である。かつ相間スペーサの両端に電線からの圧縮荷重を受けても相間スペーサは撓むだけで折れることがなく、細径にすることが可能で柔軟、軽量となり、本発明の多導体送電線のギャロッピング抑止装置に最適である。
【0028】
また、前記のように相間スペーサ杆体の芯材としてFRPロッドを用いるかわりに、細いFRPロッドの集合体を用いて絶縁物製の相間スペーサを構成し、あるいは相間スペーサ杆体をケプラー繊維等をより合わせたロープ状の絶縁体に傘部22を設けた構成としてもよく、これにより安価、軽量なギャロッピング防止装置を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】
前記のように本発明の多導体送電線のギャロッピング抑止装置は、多導体送電線の上側に位置している相の風上側の前側の素導体とその下側に位置している相の風下側の後側の素導体とを絶縁物製相間スペーサで連結するとともに、上側の相の後側の素導体とその下側の相の前側の素導体も絶縁物製相間スペーサで連結したので、多導体送電がギャロッピング振動を起こすときに、上側の相の多導体とその下側の相の多導体の上下運動が逆位相になり相間スペーサにより干渉を起こして定在波的なギャロッピング振動に発展せず、ギャロッピング振動を抑止することができる。
【0030】
また、絶縁物製相間スペーサは、圧縮荷重に対しては撓んでもさしつかえなく上側の相の多導体の捻回により下側の相の素導体を引き上げて上側と下側の各相の多導体の捻回方向を逆にするだけの強度があればよいから、軽量、安価な相間スペーサを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す図
【図2】本発明の動作の説明図
【図3】本発明の他の実施例を示す図
【図4】本発明の他の実施例の相間スペーサの取付状態を示す図
【図5】本発明における相間スペーサを示す図
【図6】ギャロッピング振動の説明図
【図7】多導体のギャロッピング振動の説明図
【図8】従来の多導体のギャロッピング振動の実測値を示す図
【図9】従来の相間スペーサを示す図
【符号の説明】
A、B、C 多導体
A1、A2、A3、A4、B1、B2、B3、B4、C1、C2、C3、C4 素導体
1、2、3、4、5、6、7、8、20 相間スペーサ
W 風

Claims (1)

  1. 径間に張られた多導体送電線の上、中、下各相の、上側にある相の多導体における風に向かって前側の素導体とその下側にある相の多導体における風に向かって後側の素導体とを絶縁物製相間スペーサで連結し、前記上側の相の後側の素導体と下側の相の前側の素導体も絶縁物製相間スペーサで連結したことを特徴とする多導体送電線のギャロッピング抑止装置。
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