JP3693940B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過負荷や出力短絡が生じたときに出力電流を制限する過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置として、たとえば図11に示す構成が挙げられる。このスイッチング電源装置では、入力段のコンデンサc1で平滑化された入力電圧vinがトランジスタtr1によってスイッチングされる。トランジスタtr1がONしている期間では、該トランジスタtr1のエミッタに現れた電圧voutによって、コイルl1、コンデンサc2および負荷rlに対してエネルギが供給される。トランジスタtr1がOFFしている期間では、コイルl1に蓄えられたエネルギが、ダイオードd1によって還流させられて負荷rlに与えられる。
【0003】
出力電圧voの制御は、該出力電圧voを抵抗r1・r2の抵抗値による所定の比率で分割した帰還電圧vadjと基準電圧源2の基準電圧vref1とに基づいて行なわれる。まず、差動アンプ1によって両電圧の差に応じた電圧が出力され、その電圧と発振器3から出力される100〔kHz〕の三角波とがコンパレータ4で比較される。すると、コンパレータ4からは、差動アンプ1の出力レベルに応じたパルス幅のPWM信号が出力される。
【0004】
次いで、このPWM信号が駆動回路5に与えられると、PWM信号のデューティサイクルに応じて該駆動回路5がトランジスタtr1のON/OFFを制御する。これによって、出力電圧voが、前記基準電圧vref1および抵抗r1・r2による分圧比で決定される一定電圧(たとえば5〔V〕)に制御される。
【0005】
上記の動作時においては、図12の(a)および(b)に示すように、コンパレータ4の出力電圧、すなわちPWM信号および電圧voutが破線で示すようなパルス幅となっている。トランジスタtr1のデューティDは、トランジスタtr1のON時間とOFF時間とをそれぞれtON、tOFF とすれば、
D=tON/(tON+tOFF ) =(vO /vIN)×100〔%〕 …(1)
となる。
【0006】
ところが、負荷rlが重くなると、コイルl1に流れるコイル電流ilが、同図の(c)で破線から実線に示すように増大する。やがて、コイル電流ilが過電流検出レベルiclを超えると、入力段に設けられた過電流検出回路6によって過電流状態が検出され、RSフリップフロップ回路7にセット信号が出力される。
【0007】
RSフリップフロップ回路7は、セット端子電圧が同図の(d)に示すようにハイレベルに変化してセットされる。セット端子電圧が一度ハイレベルとなるとラッチがかかり、出力をローレベルに保持する。このとき、リセット端子電圧は、ローレベルのままとなる。
【0008】
すると、コンパレータ4の出力電圧および電圧voutは、同図の(a)および(b)に破線で示すパルス幅であるにも関わらず、RSフリップフロップ回路7の出力がセット時からローレベルとなるため、実線で示すパルス幅まで狭められる。このようにしてトランジスタtr1のデューティが低下することによって、出力電圧voが低下して出力電流の増大が抑制される。そして、この結果、出力電流ioは、図13に示すようにA点で低下する。
【0009】
また、発振器3からRSフリップフロップ回路7へは、トランジスタtr1のOFF時にリセット信号が出力されており、同図の(e)に示すようにRSフリップフロップ回路7のリセット端子電圧が変化する。このとき、RSフリップフロップ回路7は、リセット端子電圧が一度ハイレベルとなるとラッチがかかり、セット端子電圧がハイレベルとなるときと逆に、出力をハイレベルに保持する。これによって、トランジスタtr1は、次のON時に通常のタイミングでONする。
【0010】
しかしながら、上記のスイッチング電源装置では、スイッチング電源の小型化や軽量化などのためにスイッチング周波数を高くしてゆく(約50〔kHz〕以上とする)と、以下に説明するように、過電流保護機能の動作に不都合が生じる。
【0011】
すなわち、図12に示すように、セット端子電圧がハイレベルになるまでの時間td1と、さらにセット端子電圧がハイレベルになってからトランジスタtr1がOFFするまでの時間td2との遅れが生じる。両時間td1・td2の和である遅延時間tdは、過電流検出からトランジスタtr1をOFFさせるまでの時間、すなわち過電流保護機能が動作するまでに要する時間である。上記の遅延時間tdは約1〔μsec〕にも達し、前記100〔kHz〕のスイッチング周波数、すなわち10〔μsec〕のスイッチング周期において、過電流保護動作時にスイッチングパルス幅が狭められると、保護動作に及ぶ影響が大きくなり、無視できなくなる。
【0012】
たとえば、入力電圧vin=40〔V〕、出力電圧vo=5〔V〕、コイルl1のインダクタンスL=200〔μH〕とすると、上記の遅延時間tdの間にコイル電流ilの変化分である電流Δiは、
Δi=〔(vin−vo)/L〕×td=0.175〔A〕 …(2)
となる。このため、コイル電流ilは、電流Δiによって過電流検出レベルiclを超えてしまう。そして、この電流変化分Δiが、平均電流、すなわち出力電流ioを増大させることになる。
【0013】
このときの出力特性は、前記図13に示すように、短絡状態(vo=0〔V〕)に近くなるほどエミッタ電流が増大し、絶対最大定格値(2.5〔A〕)を超えてしまい、垂下特性とならなくなる。このように、上記のスイッチング電源装置では、スイッチング周波数が高くなる程、過電流保護機能が確実に動作しなくなるという問題点があった。
【0014】
そこで、このような問題を解決する他の従来技術が、特開平7−46828号公報で示されている。この従来技術を図14および図15で示す。これらの図14および図15は、上述の図11および図13にそれぞれ対応しており、対応する部分には同一の参照符号を付して示す。注目すべきは、このスイッチング電源装置では、出力短絡などによる過電流時に発振周波数を低下させるために、コンパレータ8と、定電圧源9と、発振周波数変更回路10とがさらに設けられていることである。
【0015】
前記コンパレータ8の非反転入力には、前記抵抗r1・r2によって得られた電圧vadjが与えられ、反転入力には、定電圧源9が接続されている。前記基準電圧源2による基準電圧vref1は、たとえば1.25〔V〕であり、これに対して前記定電圧源9による基準電圧vref2は、たとえば0.6〔V〕である。コンパレータ8への帰還電圧vadjが前記0.6〔V〕となるときの出力電圧voは、次式により、
vo=0.6〔V〕×(r1+r2)/r2=2.4〔V〕 …(3)
となる。すなわち、コンパレータ8は、出力電圧voが上記の2.4〔V〕より低下したことを検出し、これに応答して発振周波数変更回路10は、前記発振器3が発生する三角波の発振周波数を、前記100〔kHz〕から20〔kHz〕にまで低下させるようになっている。
【0016】
したがって、負荷短絡等によって負荷rlの抵抗値が小さくなって出力電流ioが増大し、トランジスタtr1のコレクタ電流が増大して、コレクタ電流が過電流検出レベルを超えると、過電流検出回路6によって過電流状態が検出されて過電流保護機能が動作を開始し、過電流検出回路6から出力されるセット信号によってRSフリップフロップ回路7がセットされ、トランジスタtr1のスイッチングパルス幅が小さくなり、該トランジスタtr1のON時間が短くなって、図15において、前述のように出力電圧voがA点で低下する。
【0017】
さらに、負荷rlの抵抗値が小さくなると、出力電圧voは、同図に示すB点まで低下して2.4〔V〕となり、このときの帰還電圧vadjは、0.6〔V〕となる。これからさらに出力電圧voが低下して、帰還電圧vadjが基準電圧vref2の0.6〔V〕より低くなると、それまでハイレベルであったコンパレータ8の出力がローレベルになり、発振周波数変更回路10から発振器3に発振周波数を変更するように指令を与える電圧が出力され、発振器3は、発振周波数を100〔kHz〕から20〔kHz〕に低下させる。
【0018】
このような動作によって、通常の過電流保護動作によってスイッチングパルス幅が狭くされ、過電流検出から出力トランジスタtr1がOFFするまでの遅延時間tdによって決定されるスイッチングパルス幅の最小値に近付いたとしても、B点でコンパレータ8の出力が変化してスイッチング周波数が低下することによって、スイッチングパルス幅が広がることになる。
【0019】
たとえば、トランジスタtr1は、通常動作時、前述の式1から5〔V〕/12〔V〕≒41.7〔%〕のデューティDでスイッチングを行っており、前記B点で出力電圧voが2.4〔V〕となると、前記式1から20〔%〕になっているので、スイッチングパルス幅は、2〔μsec〕から10〔μsec〕にまで拡大する。それゆえ、過電流保護動作における前述の遅延時間tdの影響を従来の1/5に軽減することができる。
【0020】
したがって、図15に示すように、出力電流ioは、スイッチング周波数fsの低下が開始するB点から低下が終了するC点へは、正規の過電流ポイントまで戻るため低下してゆく。C点以降では、発振周波数が20〔kHz〕に固定されるため、負荷rlが小さくなるとスイッチングパルス幅が狭くなり、上記の遅延時間tdの影響が大きくなって出力電流ioが増大する。
【0021】
しかしながら、上記のようにB点からC点まで出力電流ioを低下させているので、該出力電流ioの増大を大幅に抑制することができる。これにより、出力電流ioは、前記の絶対最大定格値の2.5〔A〕を超えなくなる。なお、同図において破線で示したのは、前記図13で示す過電流保護特性である。
【0022】
一方、スイッチング電源には、小型化、低コスト化には依然として強い要望がある。この小型化、低コスト化のためには、前記トランジスタtr1を含めて前記スイッチング電源装置を集積回路化し、該集積回路に外付けされるコイルl1やコンデンサc2を小型化することが有効であり、そのためスイッチング周波数fsをさらに高周波化することが考えられる。一方、前記集積回路を比較的安価なバイポーラ素子で実現しても、前記スイッチング周波数fsとして300〔kHz〕程度まで対応することができる。
【0023】
しかしながら、上記図14で示す従来技術においても、vin=24〔V〕、vo=5〔V〕としたとき、通常制御状態でのデューティDは前記式1から約20.8〔%〕であり、fs=300〔kHz〕(スイッチング周期T=3.33〔μsec〕)で、ON時間tONは、
ON=T×D=3.33×0.208=693〔nsec〕 …(4)
となり、前記遅延時間tdの1〔μsec〕よりも短くなってしまう。
【0024】
このため、前記図15において仮想線で示すように、A点で過電流を検出し、その保護動作を行っても、その保護動作がトランジスタtr1のON時間tONの経過後に行われることになり、該過電流保護動作が無効となって出力電流ioが増大してゆく。さらに、負荷rlが重くなり出力電流ioが増大し、トランジスタtr1の能力であるたとえば3.0〔A〕を超えると、トランジスタtr1のコレクタ−エミッタ間の電圧降下VCEが増大し始め、該トランジスタtr1での損失が大きくなって効率が低下し、出力電圧voが低下し始める。こうしてD点のvo=2.4〔V〕となると、前記発振周波変更回路10の動作によって前記スイッチング周波数fsが低下するので、通常の過電流保護動作が行われて前記C点に到達する。
【0025】
すなわち、前記点D−C間の短絡保護動作が行われてからのC点以下では過電流保護動作が行われるけれども、点A−D間では過電流保護動作が行われないことになってしまう。また、前記のような電圧降下VCEの増大によるトランジスタtr1の損失の増大によって、該トランジスタtr1の安全動作領域(ASO)を広くする必要が生じ、該トランジスタtr1のサイズやコストの増加を招くという問題もある。
【0026】
そこで、このような問題を解決するために、さらに他の従来技術として、特開2000−245142号公報が提案された。その従来技術を、図16で示す。この図16の構成において、前述の図11や図14の構成に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、この従来技術では、前記図11や図14の構成における発振周波変更回路10が第2の発振周波変更回路10bとなり、前記過電流検出回路11に応答して発振器3の発振周波数を低下させる第1の発振周波数変更回路10aが設けられていることである。
【0027】
前記発振器3は、発振周波数を、前記第1発振周波数変更回路10aの出力に応答して、第1の発振周波数である、たとえば300〔kHz〕から、第2の発振周波数である、たとえば100〔kHz〕にまで低下し、また第2発振周波数変更回路10bの出力に応答して、前記第2の発振周波数である100〔kHz〕から、第3の発振周波数である、たとえば20〔kHz〕にまで低下する。
【0028】
したがって、図17で示すように、発振器3は、定常負荷時にはfs=300〔kHz〕で動作しており、負荷rlが重くなり、その抵抗値が小さくなって出力電流ioが増大し、トランジスタtr1のコレクタ電流が増大して、図17のA点においてコレクタ電流が過電流検出レベルの2〔A〕を超えると、過電流検出回路6によって過電流状態が検出されて過電流保護動作が開始され、第1発振周波数変更回路10aはfs=100〔kHz〕の動作に切換える。また、RSフリップフロップ回路7がセットされ、トランジスタtr1のスイッチングパルス幅が小さくなり、該トランジスタtr1のON時間が短くなって、出力電圧voがこのA点で低下する。
【0029】
さらに、負荷rlの抵抗値が小さくなると、出力電圧voは、B点まで低下して2.4〔V〕となり、このときの帰還電圧vadjは、0.6〔V〕となる。これからさらに出力電圧voが低下して、該帰還電圧vadjが基準電圧vref2の0.6〔V〕より低くなると、第2発振周波数変更回路10bはfs=20〔kHz〕の動作に切換える。この動作によって、通常の過電流保護動作によってスイッチングパルス幅が狭くされ、前記遅延時間tdによって決定されるスイッチングパルス幅の最小値に近付いたとしても、B点でスイッチング周波数が再び低下することによって、スイッチングパルス幅が広がることになり、出力電流ioは、スイッチング周波数fsの低下が開始するB点から低下が終了するC点へは、正規の過電流ポイントの2〔A〕まで戻るため低下してゆく。
【0030】
C点以降では、発振周波数が20〔kHz〕に固定されるので、負荷rlが小さくなるとスイッチングパルス幅が狭くなり、上記の遅延時間tdの影響が大きくなって出力電流ioが増大する。しかしながら、上記のようにB点からC点まで出力電流ioを予め低下させているので、該出力電流ioの増大を大幅に抑制することができる。これによって、出力電流ioは、絶対最大定格値の、たとえば2.5〔A〕を超えなくなる。なお、図17において破線で示したのは、fs=100〔kHz〕に固定した場合の過電流保護特性である。
【0031】
このようにスイッチング周波数の低下を、出力短絡などによる出力電圧voの低下時だけでなく、過電流検出時点でも行うことによって、定常負荷時のスイッチング周波数fsをトランジスタtr1の動作周波数の上限である300〔kHz〕程度にまで高めて、外付けのコイルl1やコンデンサc2を小型化し、スイッチング電源装置の小型化、低コスト化を図っている。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成されるスイッチング電源装置では、スイッチング周波数の切換えにあたって、ハンチングを防止するために、コンデンサを用いた時定数回路が用いられている。その様子を、図18に詳細に示す。図18は、前記第1発振周波数変更回路10aおよび第2発振周波数変更回路10bの具体的構成を示す電気回路図である。なお、この図18には、前記過電流検出回路6の一部の構成である抵抗r11およびトランジスタq11と、発振器3における定電流回路3aとを合わせて示している。前記定電流回路3aからの出力電流i40が発振回路に与えられ、発振回路はその電流i40に対応した周波数で発振を行うことになる。
【0033】
まず、第1発振周波数変更回路10aは、定電流源f21と、コンデンサc21と、トランジスタq21〜q24と、抵抗r21,r22とを備えて構成されている。電源電圧vsが与えられる電源ラインl2と接地ラインl3との間には、定電流源f21とコンデンサc21との直列回路が介在されている。前記電源ラインl2,l3間にはまた、抵抗r21とトランジスタq21との直列回路と、定電流i21を作成するトランジスタq23と抵抗r22とトランジスタq22との直列回路とが接続されている。コンデンサc21と並列に前記トランジスタq11が介在されており、このコンデンサc21の出力電圧がトランジスタq21のベースに与えられることになる。抵抗r21とトランジスタq21との接続点は、トランジスタq22のベースに接続される。ダイオード接続されているトランジスタq23はトランジスタq24とカレントミラー回路を構成している。
【0034】
したがって、定格負荷時には、前記トランジスタq11がOFFしており、コンデンサc21は定電流源f21によって充電され、その充電電圧によってトランジスタq21がONし、トランジスタq22がOFFして電流i21が0となって、トランジスタq24からの出力電流i22も0となっている。これに対して、過電流状態となってトランジスタq11がONすると、コンデンサc21の充電電荷が放電され、トランジスタq21がOFFし、トランジスタq22がONして電流i21が流れ、該第1発振周波数変更回路10aから発振器3の定電流発生回路3aに出力電流i22が流し出される。
【0035】
ここで、トランジスタq23,q24のエミッタ面積比は1:1に形成されており、また電源電圧vsは2.6〔V〕に選ばれ、抵抗r22の抵抗値は46〔kΩ〕に選ばれている。したがって、
i22=i21=(vs−VBE−VSAT )/r22 …(5)
となる。ここで、VBEはトランジスタq23のベース−エミッタ間電圧であり、たとえば0.65〔V〕である。また、VSAT はトランジスタq22のON時の飽和電圧であり、たとえば0.1〔V〕である。したがって、前記式5から、i22=40〔μA〕の電流を流し出すことができる。
【0036】
第2発振周波数変更回路10bは、トランジスタq31〜q34と、抵抗r31,r32と、定電流源f31とを備えて構成されている。定電流源f31は、差動対を構成する一対のトランジスタq31,q32のエミッタに定電流i31を供給する。トランジスタq31のベースには前記帰還電圧vadjが与えられ、コレクタは接地されている。トランジスタq32のベースには、前記電源ラインl2,l3間に介在された分圧抵抗r31,r32によって作成される参照電圧vref3、たとえば0.6〔V〕が与えられる。トランジスタq32のコレクタは、ダイオード接続されたトランジスタq33を介して接地されている。トランジスタq33は、トランジスタq34とカレントミラー回路を構成している。
【0037】
トランジスタq33,q34のエミッタ面積比は1:3に選ばれており、またi31=20〔μA〕に選ばれている。したがって、定常負荷状態のvo=5〔V〕では、vadj=1.25〔V〕となってvref3<vadjとなり、トランジスタq31がOFFし、トランジスタq32,q33がONして、トランジスタq34は60〔μA〕の電流を引き抜く能力を有している。
【0038】
定電流発生回路3aは、トランジスタq41〜q48と、ダイオードd41〜d44と、定電流源f41とを備えて構成されている。前記電源ラインl2,l3間には、定電流源f41とダイオード接続されたトランジスタq41との直列回路が介在されており、該直列回路によって定電流i41が作成されている。トランジスタq41はトランジスタq42,q43,q44とカレントミラー回路を構成しており、各トランジスタq41,q42,q43,q44のエミッタ面積比は、1:1:2:1に形成されている。
【0039】
トランジスタq42は、ダイオード接続されたトランジスタq45と、ダイオードd41,d42とともに、前記出力電流i40を作成するための直列回路を構成し、前記電源ラインl2,l3間に介在されている。ダイオードd42とトランジスタq42との直列回路には、並列にダイオードd43と前記トランジスタq43との直列回路が介在されている。このトランジスタq43のコレクタに前記第1発振周波数変更回路10aからの出力電流i22が流し込まれる。
【0040】
また、トランジスタq44は、ダイオード接続されたトランジスタq46と直列に接続され、電源ラインl2,l3間に介在されている。一方、前記トランジスタq45とダイオードd41との直列回路と並列に、トランジスタq47とダイオードd44との直列回路が設けられている。トランジスタq46とトランジスタq47とはカレントミラー回路を構成しており、したがってトランジスタq44を流れるi44がトランジスタq46,q47で折り返されてダイオードd41のカソード側に流し込まれることになる。トランジスタq47のコレクタはまた、前記トランジスタq34のコレクタに接続されている。
【0041】
前記トランジスタq46とトランジスタq47とのエミッタ面積比は1:0.8に形成されている。定電流源f41によってトランジスタq41に供給される電流i41は10〔μA〕に選ばれている。したがって、トランジスタq42,q44を流れる電流i42,i44は10〔μA〕となり、トランジスタq43を流れる電流i43は20〔μA〕となり、トランジスタq47を流れる電流i45は8〔μA〕となる。トランジスタq45を流れる電流i46は、該トランジスタq45とカレントミラー回路を構成し、エミッタ面積比が1:1に形成されるトランジスタq48によって、前記出力電流i40として折り返されて出力される。
【0042】
このように構成される定電流発生回路3aにおいて、定常負荷時には、前記トランジスタq24がOFFし、i22=0〔μA〕となる。またこのとき、トランジスタq34がONし、トランジスタq47を流れる電源i45は十分に該トランジスタq34によって引き抜かれてバイパスされる。したがって、
i40=i46=i42+i43=30〔A〕 …(6)
となる。
【0043】
次に、過電流状態が検出されると、トランジスタq24がONし、電流i22が供給されることになる。トランジスタq43が通過させることができる電流i43よりもトランジスタq24が通過させることができる電流i22の方が大きいので、該トランジスタq43のコレクタ電位は、ほぼvs−VSAT のハイレベルとなりダイオードd43がOFFする。これによって、
i40=i46=i42=10〔μA〕 …(7)
となる。なおこのとき、トランジスタq34はONしたままである。
【0044】
さらに、出力電圧voが低下し、前記2.4〔V〕(vadj=0.6〔V〕)以下となると、トランジスタq34はOFFする。これによって、トランジスタq47を流れる電流i45がダイオードd41のカソード側に流れ込むことになり、
i40=i46=i42−i45=2〔μA〕 …(8)
となる。
【0045】
ここで、図示しない発振回路の発振周波数fsは、発振用コンデンサの静電容量Coscとし、発振波形の振幅をVoscとするとき、
fs=1/T=I40/2Cosc×Vosc …(9)
で表すことができる。
【0046】
したがって、Cosc=50〔pF〕とし、Vosc=1〔V〕とすると、前記発振周波数fsは、i40=30〔μA〕のときには前記300〔kHz〕となり、i40=10〔μA〕のときには前記100〔kHz〕となり、i40=2〔μA〕のときには前記20〔kHz〕となる。
【0047】
ここで、前記第1発振周波数変更回路10aにおいて、定電流源f21から供給される電流i23は、たとえば1〔μA〕に選ばれ、コンデンサc21の静電容量は150〔pF〕に選ばれる。トランジスタq11の通過電流は、たとえば〔mA〕オ−ダーであり、したがってトランジスタq21のOFF動作は、fs=300〔kHz〕動作時のスイッチング周期である約3〔μsec〕よりも充分短い、たとえば20〔nsec〕程度で終了する。これに対して、トランジスタq21のON動作は、定電流源f21がコンデンサc21を該トランジスタq21のON電圧(VBE=0.65 〔V〕)に充電するまでの遅延時間tdf1だけ要する。この遅延時間tdf1は、
Figure 0003693940
となる。
【0048】
したがって、fs=100〔kHz〕動作時のスイッチング周期である10〔μsec〕よりも十分長い。これによって、過電流発生時にはスイッチング周波数fsが速やかに低下され、過電流状態が解除されると100〔kHz〕動作の10サイクル分の時間が経過してからトランジスタq21がOFFし、fs=300〔kHz〕動作に自動復帰する。前記定電流i23およびコンデンサc21の静電容量などは、前記スイッチング周波数fsおよび所望とする遅延時間tdf1などに対応して適宜選ばれる。
【0049】
以上のように、上述のスイッチング電源装置では、外付けのコイルl1やコンデンサc2を小型化しているけれども、集積回路内に形成されるコンデンサc21には、或る程度の静電容量が必要になり、チップサイズが大きいという問題がある。なお、第2発振周波数変更回路10bは、コンデンサc2で平滑化されている帰還電圧vadjに基づいて発振器3の周波数を切換えるので、前記のようなハンチングを防止するための時定数回路は不要となっている。
【0050】
本発明の目的は、スイッチング周波数を切換え可能にして外付け部品を小型化するとともに、集積回路自体も小型化することができるスイッチング電源装置を提供することである。
【0051】
【課題を解決するための手段】
本発明のスイッチング電源装置は、発振手段からの発振信号に応答してスイッチング素子が入力直流電圧をスイッチングすることによって所望とするレベルの電圧出力を得ることができ、出力電流が予め定める値より大きくなったことが過電流検知手段で検知されると過電流保護手段がスイッチングパルス幅を狭くして前記出力電流を制限するようにしたスイッチング電源装置において、前記過電流検知手段からの過電流検知出力によりセットされ前記発振信号によりリセットされ、セットされると前記スイッチング素子をオフ状態にするラッチ手段を含み、当該ラッチ手段は、前記過電流検知手段からの過電流検知出力を前記過電流保護手段による保護動作の実現までの遅延時間より長い期間ラッチするとともに、さらに、前記ラッチ手段からの出力に応答して、定常時の第1の発振周波数から、該第1の発振周波数よりも低く、かつ前記遅延時間より長い周期の第2の発振周波数に前記発振手段の発振周波数を低下させる第1の発振周波数低下手段と、予め定めるレベルの出力電圧の低下を検出し、前記第2の発振周波数よりも低い第3の発振周波数に前記発振手段の発振周波数を低下させる第2の発振周波数低下手段とを含むことを特徴とする。
【0052】
上記の構成によれば、過電流保護手段の動作の開始にあたって、過電流状態であることが過電流検知手段によって検知されると、第1の発振周波数低下手段は、発振手段の発振周波数を、定常時の第1の発振周波数から第2の発振周波数に低下させる。前記第2の発振周波数は、過電流保護手段による保護動作の実現までの遅延時間より長い周期となっている。
【0053】
したがって、第1の発振周波数においては、定常状態でのスイッチングパルス幅が狭く、過電流保護動作によってスイッチングパルス幅をそれ以上狭くできない場合があるけれども、第2の発振周波数においては、過電流状態が検出されてからスイッチング素子がOFFするまでの遅延時間よりもスイッチング素子のON期間が長くなり、該過電流保護動作が有効に行われ、出力電流が減少する。
【0054】
同様に、第2の発振周波数低下手段は、出力短絡などで出力電圧が所定レベルより低下したことを検出すると、発振手段の発振周波数を、第3の発振周波数にさらに低下させる。これによって、前記第1の発振周波数から第2の発振周波数に発振周波数が一旦低下された後、過電流保護動作によって狭くなったスイッチングパルス幅が再び広くなり、上記の遅延時間の影響を小さくすることができる。こうして、上記の遅延時間の影響による出力電流の増大を防止することができる。
【0055】
したがって、前記第1の発振周波数を、前記遅延時間に係りなく、たとえばスイッチングトランジスタの動作周波数の上限付近まで高くすることができ、集積回路化される発振手段や過電流保護手段などに対して、外付けされるコイルやコンデンサなどを小型化し、スイッチング電源装置の一層の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、前記過電流検知手段からの過電流検知出力は、前記遅延時間より長い期間ラッチするラッチ手段を介して第1の発振周波数低下手段に与えられるので、前記第1の発振周波数でスイッチングパルスが出力されても、過電流検知出力は維持され、発振手段の発振周波数は確実に低下する。そして、発振手段の発振周波数が第1の発振周波数に復帰するには、過電流状態が解消し、出力段のコンデンサで平滑化された出力電圧が定常電圧に復帰してからになるので、ハンチングを防止するための時定数回路を不要にすることができる。これによって、外付けの部品だけでなく、集積回路自体のチップサイズも小型化することができる。
【0057】
また、本発明のスイッチング電源装置では、前記予め定めるレベルの出力電圧は、入力電圧に応じて設定されることを特徴とする。
【0058】
上記の構成によれば、入力電圧が大きいときには高い出力電圧から発振周波数を低下させ、入力電圧が小さいときには低い出力電圧から発振周波数を低下させることで、短絡時における電流値の著しい低下・増加の特性を改善することができる。
【0059】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、前記第2の発振周波数低下手段に関連して、入力電圧および出力電圧に応じて発振周波数を変化するように、調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0060】
上記の構成によれば、入力電圧が出力電圧に比べて大きいときにはデューティが小さいので、過電流保護動作が有効に行えるように、スイッチング素子のON期間を長くするためには、第2の発振周波数を特に低くする必要があるのに対して、出力電圧が大きいときには発振周波数を低くすると負荷電流が小さくなりすぎ、発振周波数を低くしない方が望ましいこともあるので、これに対応して、入力電圧だけでなく、出力電圧にも応じて、発振周波数を設定する。
【0061】
したがって、発振周波数を、より適切に設定することができる。
【0062】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記第1の発振周波数低下手段に関連して、起動時に該第1の発振周波数低下手段による発振周波数の変更動作を禁止させる遅延手段が設けられていることを特徴とする。
【0063】
上記の構成によれば、スイッチング電源装置では、出力平滑用に、大容量・低直列等価抵抗の出力コンデンサが使われることが多いので、起動時には、該出力コンデンサの充電のための突入電流によって過電流検出動作をしてしまうことが多く、この場合過電流保護動作によってスイッチング周波数が低下すると負荷電流値が低下し、低い電流しか流せなくなってしまうので、前記遅延手段によって発振周波数の変更動作を禁止させる。
【0064】
したがって、起動時における不所望な過電流保護動作を回避し、充分な負荷電流を供給することができる。
【0065】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、前記第1の発振周波数低下手段に関連して、前記ラッチ手段と該第1の発振周波数低下手段との間に、前記ラッチ手段による過電流検出出力を保持する保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0066】
上記の構成によれば、過電流保護動作によってスイッチング素子をOFF駆動すると、前記過電流検出手段による過電流状態の検出はなくなり、第1の発振周波数低下手段は発振周波数を定常時の周波数に復帰させようとするのに対して、保持手段が過電流検出出力を保持していることで、このように過電流が一時的に検出されなくなっても、発振周波数を低下したままで保持させることができる。
【0067】
したがって、スイッチングパルスのパルス幅や周期を安定させることができる。
【0068】
また、本発明のスイッチング電源装置は、前記ラッチ手段に関連して、リセット信号を分周する分周手段が設けられていることを特徴とする。
【0069】
上記の構成によれば、通常は、前記ラッチ手段はスイッチングパルス毎にリセットされるのに対して、リセット信号を分周することで、過電流状態におけるスイッチング周波数を発振周波数ではなく、リセット信号周波数に安定させることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0071】
図1は、本発明の実施の一形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。本例に係るスイッチング電源装置は、チョッパ型であり、後述するコイルL1および平滑用のコンデンサC1,C2を除いて、集積回路化されている。ただし、ダイオードD1および抵抗R1・R2は、集積回路化しないことも多い。
【0072】
このスイッチング電源装置は、図1に示すように、たとえば25〔V〕の入力電圧VinをスイッチングするNPN形のバイポーラのトランジスタTr1を備えている。入力端子から前記トランジスタTr1のコレクタへの電源ラインには、過電流検出回路11が直列に介在されており、この過電流検出回路11の前段には、脈流を平滑化するコンデンサC1が設けられている。
【0073】
前記過電流検出回路11は、たとえば入力端子から前記トランジスタTr1のコレクタへの電源ラインに直列に介在されて電流−電圧変換を行う検知抵抗と、その検知抵抗の端子間電圧が入力される差動増幅器とを備えて構成され、トランジスタTr1のコレクタ−エミッタ間に流れる電流が過電流検出レベルICLを超えると過電流状態であると検出し、これを後述するラッチ手段であるRSフリップフロップ回路12にセット信号として出力する。
【0074】
トランジスタTr1のエミッタには、コイルL1が直列に接続されている。このコイルL1の前記エミッタ側の一端にはダイオードD1のカソードが接続され、ダイオードD1のアノードは接地されている。また、コイルL1の他端は、出力平滑用のコンデンサC2の一端に接続されるとともに、直列に接続された抵抗R1・R2と、これらの抵抗R1・R2と並列に設けられた負荷RLとを介して接地されている。上記のコンデンサC2は、他端が接地されている。また、抵抗R1・R2は、抵抗値が、たとえばそれぞれ3〔kΩ〕と1〔kΩ〕とであり、出力電圧Voを1/4に分圧するようになっている。
【0075】
入力段のコンデンサC1で平滑化された入力電圧VinがトランジスタTr1によってスイッチングされると、トランジスタTr1がONしている期間では、該トランジスタTr1のエミッタに現れた電圧Voutによって、コイルL1、コンデンサC2および負荷RLに対してエネルギが供給される。トランジスタTr1がOFFしている期間では、コイルL1に蓄えられたエネルギが、ダイオードD1によって還流させられて負荷RLに与えられる。
【0076】
前記の抵抗R1と抵抗R2との接続点の電圧は、差動アンプ13の反転入力に、帰還電圧Vadjとして与えられる。また、この差動アンプ13の非反転入力には、たとえば前記抵抗R1・R2による分圧比が前記1/4であり、出力電圧Voが5〔V〕である場合、1.25〔V〕の基準電圧Vref1を発生する基準電圧源14が接続されている。差動アンプ13は、出力電圧Voが抵抗R1・R2によって分圧されて得られた帰還電圧Vadjと、上記の基準電圧Vref1との差に応じた電圧Vthを出力するようになっている。上記の差動アンプ13の出力は、コンパレータ15の非反転入力に接続されている。また、コンパレータ15の反転入力には、発振器16が接続されている。
【0077】
コンパレータ15は、差動アンプ13の出力電圧Vthをスレッシュレベルとして、発振器16からの三角波と該電圧Vthとを比較し、三角波のレベルが差動アンプ13の出力電圧Vthより低いときハイレベルを出力する一方、三角波のレベルが差動アンプ13の出力電圧より高いときローレベルを出力するようになっている。つまり、コンパレータ15は、トランジスタTr1をON/OFFさせるためのPWM信号を出力するようになっている。
【0078】
上記のコンパレータ15の出力は、前記駆動回路17に接続されている。駆動回路17は、コンパレータ15からのPWM信号に基づいて、トランジスタTr1をON/OFF駆動する回路である。また、RSフリップフロップ回路12は、過電流検出回路11からのセット信号でセットされるとともに、発振器16からのリセット信号によってリセットされ、セットされると、上記のPWM信号に拘わらずトランジスタTr1をOFFする動作を行うようになっている。
【0079】
出力電圧Voの制御は、該出力電圧Voを前記抵抗R1・R2の抵抗値で分割して得られる帰還電圧vadjと、基準電圧源14からの基準電圧Vref1とに基づいて行なわれる。まず、差動アンプ13によって両電圧の差に応じた電圧が出力され、その電圧と発振器16から出力される三角波とがコンパレータ15で比較される。すると、コンパレータ15からは、差動アンプ13の出力レベルに応じたパルス幅のPWM信号が出力される。
【0080】
次いで、このPWM信号が駆動回路17に与えられると、PWM信号のデューティDに応じて該駆動回路17がトランジスタTr1のON/OFFを制御する。これによって、出力電圧Voが、前記基準電圧vref1および抵抗R1・R2による分圧比で決定される一定電圧(5〔V〕)に制御される。
【0081】
前記発振器16は、三角波を発生するとともに、RSフリップフロップ回路12のリセット端子に与えるリセット信号を発生するようになっている。RSフリップフロップ回路12は、前記過電流検出回路11からのセット信号に応答して、トランジスタTr1のベースを駆動する駆動回路17にトランジスタTr1をOFFする信号を送出し、前記リセット信号が入力されるまで送出し続ける。
【0082】
また、発振器16は、前記三角波の発振周波数を、発振周波数変更回路18の出力に応答して、第1の発振周波数である、たとえば300〔kHz〕から、第2の発振周波数である、たとえば150〔kHz〕、さらに第3の発振周波数である、たとえば30〔kHz〕にまで低下するようになっている。前記第3の発振周波数は、可聴帯域外で、最も低い周波数に選ばれている。また、前記第2の発振周波数は、後述するように選ばれる。
【0083】
本発明で注目すべきは、前記発振周波数変更回路18は、前記RSフリップフロップ回路12からの出力に応答して発振器16の発振周波数を前記300〔kHz〕から150〔kHz〕に低下させることであり、前記RSフリップフロップ回路12がセットされている間、前記150〔kHz〕に発振周波数を低下させ、さらに前記帰還電圧Vadjが基準電圧源19からの基準電圧Vref2、たとえば0.5〔V〕より低下すると、前記150〔kHz〕から30〔kHz〕に低下させる。
【0084】
前記RSフリップフロップ回路12は、セット端子Sが前記過電流検出回路11に接続され、リセット端子Rが前記コンパレータ15の出力端子に接続され、反転出力端子/Qが前記発振周波数変更回路18に接続されている。このRSフリップフロップ回路12は、セット端子Sにハイレベルが入力されると反転出力端子/Qをローレベルとし、その状態をリセット端子Rにハイレベルが入力されるまで維持するものとし、リセット端子Rにハイレベルが入力されると反転出力端子/Qをハイレベルとし、セット端子Sにハイレベルが入力されるまで維持するものとする。また、セット端子Sとリセット端子Rとが同時にハイレベルとなると、反転出力端子/Qはローレベルとなる。
【0085】
なお、帰還電圧Vadjが0.5〔V〕となるときの出力電圧Voは、次式により、
Vo=0.5〔V〕×(R1+R2)/R2=2.0〔V〕 …(11)
となる。すなわち、出力電圧Voが上記の2〔V〕より低下すると、発振器16の発振周波数は最も低い30〔kHz〕まで低下される。
【0086】
このスイッチング電源装置の内部の上記各回路には、前記入力電圧Vinから、内部定電圧回路20で作成された定電圧Vsが、電源電圧として供給される。
【0087】
図2は、上述のように構成されるスイッチング電源装置の動作を説明するための波形図である。この図2は、スイッチング周波数fsが、前記300〔kHz〕から150〔kHz〕に移行している状態を示している。図2(a)はコイルL1の電流ILを示し、図2(b)は発振器16の出力波形を示し、図2(c)はトランジスタTr1のON/OFF動作を示す。図2では、入力電圧Vin=25〔V〕、出力電圧Vo=5〔V〕、過電流検出レベルICL=2〔A〕、負荷抵抗RL=2〔Ω〕としており、Vo/RL=2.5〔A〕となり、過電流状態となっている。そしてそれを、図2(c)の最初のパルスで検出したものとする。
【0088】
図2(b)で示すように発振器16の発振周波数は低下してゆき、これに伴って図2(a)で示すコイル電流ILも低下してゆき、やがて過電流検出レベルICL以下となる。図2(c)で示すように、トランジスタTr1は、最初は発振器16の出力レベルが差動アンプ13の出力電圧Vth以下となるとONしている。このときのスイッチング周期は1/300〔kHz〕=3.33〔μsec〕、1周期におけるトランジスタTr1のパルス幅は、
3.33〔μsec〕×Vo/Vin=666〔nsec〕 …(12)
である。この時、過電流検出経路の遅延時間td(≒1〔μsec〕)>スイッチングパルス幅となっている。
【0089】
前記最初のパルスで過電流を検出すると、RSフリップフロップ回路12が発振器16からの三角波のピークでリセットされた時点でトランジスタTr1がONするようになり、スイッチング周期は低下すべきスイッチング周波数の150〔kHz〕に対応した6.66〔μsec〕へと広がってゆく。そして、パルス幅は、1.33〔μsec〕となり、td<スイッチングパルス幅として、前記過電流検出回路11およびRSフリップフロップ回路12による過電流保護動作を行うことができるようになる。
【0090】
すなわち、▲1▼の期間では、トランジスタTr1がONすると同時に過電流検出回路11が過電流を検出し、RSフリップフロップ回路12をセットする動作および遅延時間td経過後にはトランジスタTr1をOFFする動作が行われる。この動作では、高周波のままであり、トランジスタTr1のパルス幅<遅延時間tdであるので、前記パルス幅を小さくすることはできないけれども、RSフリップフロップ回路12がセットされると発振周波数が低く(図2(b)の発振器波形の傾きが緩やかに)なってゆくので、トランジスタTr1のOFF期間が長くなる。
【0091】
続いて、▲2▼の期間では、トランジスタTr1のOFF期間が長くなったので、トランジスタTr1のデューティが小さくなり、出力電圧Voが低下し、差動アンプ13の出力電圧Vthが増大し、Vth>発振器波形となるとトランジスタTr1はONする。
【0092】
▲3▼の期間では、差動アンプ13の出力電圧Vthがさらに増大し、発振器16の出力電圧の最大値よりも大きくなっており、この場合のスイッチング動作は、発振器出力の極大値で出力されるリセット信号がRSフリップフロップ回路12に入力されるとトランジスタTr1がONし、過電流検出回路11が過電流を検出し、出力されるリセット信号がRSフリップフロップ回路12に入力されると、トランジスタTr1が遅延時間td後にOFFされる動作となる。このときのスイッチング周波数は通常状態での周波数よりも低くなり、この低くなったスイッチング周波数を前述のように150〔kHz〕とすると、
Vo=Vin×1〔μs〕×150〔kHz〕=3.75〔V〕…(13)
となり、出力電圧Voおよび出力電流Ioが共に低下する。
【0093】
図2には、スイッチング周波数の切換えが行われなかった場合の波形を、参考までに破線で示している。スイッチング周波数の切換えを行わない場合は、過電流状態においてはトランジスタTr1がONすると同時に過電流を検出し、遅延時間td後にOFFする動作を行うけれども、トランジスタTr1の通常のON時間は前記のように666nsであり、スイッチングパルス幅を小さくできないので、出力電圧Voは低下せず、コイル電流ILも低下しない。負荷抵抗RLがさらに小さくなった場合は、負荷電流Ioが増大し、トランジスタTr1が破壊する可能性がある。
【0094】
図3は、前記発振周波数変更回路18および基準電圧源19の具体的構成を示す電気回路図である。前記発振器16は、この発振周波数変更回路18から出力されるバイアス電流IBIASに応じて、前記のように発振周波数を変化する。発振周波数変更回路18は、前記RSフリップフロップ回路12の反転出力/Qがベースに与えられてON/OFF動作を行うNPNトランジスタQ1と、前記帰還電圧Vadjがベースに与えられてON/OFF動作を行うPNPトランジスタQ2と、前記トランジスタQ2と共にコンパレータとして動作するPNPトランジスタQ3,Q4およびNPNトランジスタQ5,Q6と、出力用のNPNトランジスタQ7,Q8と、定電流源F1,F2と、逆流防止用ダイオードD11とを備えて構成されている。
【0095】
トランジスタQ3,Q4はエミッタが共通に前記定電流源F1に接続され、ベースには前記基準電圧Vref2が共通に与えられ、コレクタはトランジスタQ5,Q6のコレクタにそれぞれ接続されている。トランジスタQ5,Q6のベースはトランジスタQ6のコレクタに共通に接続されてカレントミラー回路を構成し、エミッタは共に接地されている。前記トランジスタQ2はトランジスタQ3,Q4と並列に設けられ、エミッタが前記定電流源F1に接続され、コレクタは接地される。トランジスタQ1は、トランジスタQ6へのコレクタ電流をバイパスするように設けられる。トランジスタQ3のコレクタ電流は、トランジスタQ5と並列に設けられるトランジスタQ7にも与えられ、該トランジスタQ7を流れる電流は、カレントミラー回路を構成するトランジスタQ8で折返されて、定電流源F2から引抜かれる。この定電流源F2からの電流と、トランジスタQ8を流れる電流との差分が、ダイオードD11を介して前記発振器16へのバイアス電流IBIASとなる。
【0096】
定常状態では、Vadj>Vref2であり、トランジスタQ3,Q4に電流が流れる。そして、RSフリップフロップ回路12の反転出力/QがハイレベルとなってトランジスタQ1はONし、トランジスタQ4からトランジスタQ6へ流れる電流はバイパスされる。したがって、トランジスタQ6,Q5のベース電流が0となって該トランジスタQ6,Q5を流れる電流も0となり、前記定電流源F2からの電流は総てトランジスタQ7,Q8を流れ、前記バイアス電流IBIASは0となる。
【0097】
これに対して、過電流状態となると、RSフリップフロップ回路12の反転出力/QがローレベルとなってトランジスタQ1はOFFし、トランジスタQ6,Q5に電流が流れ、トランジスタQ3のコレクタ電流の一部だけがトランジスタQ7、したがってトランジスタQ8に流れるので、トランジスタQ8のコレクタ電流は定常状態よりも制限され、前記定電流源F2の電流の一部から前記バイアス電流IBIASが供給される。さらに出力電圧Voが前記2.0〔V〕以下となる出力短絡状態では、トランジスタQ2がONし、トランジスタQ3,Q4、したがってトランジスタQ5,Q6を流れる電流がバイパスされ、トランジスタQ7,Q8を流れる電流がさらに減少し、前記バイアス電流IBIASは最も多くなる。
【0098】
こうして、バイアス電流IBIASを変化することで、前記発振周波数を変化することができる。なお、短絡を検知するトランジスタQ2には、前記帰還電圧Vadjではなく、出力電圧Voが直接与えられてもよい。
【0099】
前記第1の発振周波数である300〔kHz〕では、前記バイアス電流IBIASは0となるので、発振器16のトランジスタのエミッタ面積比等で、その第1の発振周波数となるように調整される。また、前記第2および第3の発振周波数には、さらにトランジスタQ3〜Q6のエミッタ面積比や定電流源F1,F2による電流値を調整することで、それらの発振周波数となるように調整される。たとえば、前記第2の発振周波数を前記150〔kHz〕とする場合、トランジスタQ3,Q4の面積比は3:1、トランジスタQ5,Q6の面積比は1:1に選ばれる。
【0100】
ここで、前記第2の発振周波数の選び方について説明する。過電流保護機能が動作する、すなわちスイッチングパルス幅が過電流検出経路の遅延時間tdよりも長くなる条件を満たすためには、上述のようにスイッチング周波数fsを低くすればよい。しかしながら、スイッチング周波数fsを低くすると、過電流保護動作時に、特に出力電圧Voが高い状態において、負荷電流Ioが小さくなる。したがって、前記第2の発振周波数は、出力電圧Voが所定の電圧よりも高いときにおいても負荷電流Ioの急激な低下を抑えることができる周波数とする必要がある。
【0101】
図4に過電流状態でのコイル電流ILを示す。過電流状態では、前述のように、トランジスタTr1は発振器16の発振周波数でONまたはRSフリップフロップ回路12からリセット信号が出力されるとONし、過電流検出レベルICLに達するとOFFする動作を行う。図4においてコイル電流ILの正の傾きは(Vin−Vo)/L、負の傾きは−Vo/Lとなり、スイッチング周波数fsによらず一定である。傾きが同じでスイッチング周波数fsが低くなるとき、コイル電流ILの平均値と等しくなる負荷電流値(図4の破線)は、スイッチング周波数fsが低くなる程、低下する。
【0102】
たとえば、Vin=12〔V〕、Vo=5〔V〕、L=10〔μH〕、ICL=2〔A〕とするとき、過電流状態でのリップル電流△IL、負荷電流Ioは、
△IL=Vo/L×Vo/Vin/fs …(14)
Io=ICL−△IL/2 …(15)
となるので、図4で示すように、fs=300〔kHz〕での負荷電流Ioが約1.65〔A〕であるのに対して、たとえばfs=100〔kHz〕まで低下すると、負荷電流Ioは約1〔A〕まで低下することになる。
【0103】
このときの出力電圧Vo−出力電流Ioの特性を図5に示す。スイッチング電源として、立ち上がり時のコンデンサの突入電流や短時間の出力異常によって出力電流Ioが2〔A〕を超えた場合においても、異常状態から復帰したときには、出力電圧Voが元に戻ることが望ましい。定常負荷での負荷電流を1.5〔A〕とするとき、fs=300〔kHz〕では前記過電流状態での負荷電流は約1.65〔A〕であり、出力電圧Voが一旦低下しても、過電流状態が解消されれば、定常負荷での動作点Dに戻り、5〔V〕出力となる。しかしながら、fs=100〔kHz〕では、一旦過電流保護がかかると、動作点Eで過電流保護がかかったままとなることがある。
【0104】
すなわち、前記リップル電流△ILは、前記式14で示すように出力電圧Voの2乗に比例しているので、該出力電圧Voが高いときにスイッチング周波数fsを極端に低くすることは負荷電流Ioの低下につながり、好ましくない。したがって、出力電圧Voが所定の電圧を超える、すなわちVadj>Vref2の場合における前記第2の発振周波数は、前記過電流状態での負荷電流が定常負荷での負荷電流より大きくなるような周波数に選ばれる。
【0105】
次に、基準電圧源19について説明する。基準電圧源19は、入力電圧Vinを分圧して前記基準電圧Vref2として出力する抵抗R3・R4によって構成されている。たとえば、R3=19〔kΩ〕、R4=1〔kΩ〕に選ばれる。したがって、入力電圧Vinを1/20に分圧し、Vin=10〔V〕のときにはVref2=0.5〔V〕となり、Vin=20〔V〕のときにはVref2=1〔V〕となる。このように前記基準電圧Vref2を入力電圧Vinに応じて設定する。
【0106】
これまで述べてきたスイッチング電源装置の出力電圧Vo−出力電流Ioの動作特性は、前述の図17に類似しているけれども、前記図17に示す動作特性において、C点の電流値は、入力電圧Vinが低く、出力電圧Voが高い場合、スイッチング周波数fsが低いと小さくなり、過電流復帰が悪くなる。一方、B点の電流値は、入力電圧Vinが高く、出力電圧Voが低い場合、スイッチング周波数fsが高いと異常に大きくなり、好ましくない。
【0107】
たとえば、Vref2=1.25〔V〕、Vo=5〔V〕、R3=1〔kΩ〕、R4=〔3kΩ〕、L1=30〔μH〕、ICL=2〔A〕、第2の発振周波数を150〔kHz〕、第3の発振周波数を30〔kHz〕とする。ここで、Vref2=1.0〔V〕に固定してしまうと、Vo=4〔V〕となり、C点の電流値は、前記式14,15から、Vin=10〔V〕のときはIo=1.1〔A〕となり、Vin=20〔V〕のときはIo=1.6〔A〕となる。また、B点の電流値は、Vin=10〔V〕のときはIo=1.8〔A〕となり、Vin=20〔V〕のときはIo=1.9〔A〕となる。
【0108】
したがって、Vref2=1.0〔V〕に固定の場合は、Vin=10〔V〕のように入力電圧Vinが低い場合は、C点の電流値が小さくなり好ましくない。
【0109】
これに対して、Vref2=0.5〔V〕固定とすると、Vo=2〔V〕となり、Vin=10〔V〕のときC点での電流値は、Io=1.8〔A〕となり、問題はないけれども、B点での電流値は、Vin=20〔V〕のときには過電流保護の遅延時間を1〔μsec〕とすると、
Figure 0003693940
に対して、
出力電力=2〔V〕×Io …(17)
となり、入力電力>出力電力となってB点の電流値が極端に大きくなる。
【0110】
そこで、本発明では、入力電圧Vinを用いて基準電圧Vref2を作成し、入力電圧Vinが大きいときにはC点の電流値が小さくなりにくいことから基準電圧Vref2を高く設定し、高い出力電圧Voから周波数を低下させ、入力電圧Vinが小さいときにはB点の電流値が大きくなりにくいことから基準電圧Vref2を低く設定し、低い出力電圧Voから周波数を低下させることで、C点の電流値の低下およびB点の電流値の増加特性を改善している。
【0111】
このように本発明のスイッチング電源装置では、発振周波数変更回路18は、前記図16等で示す従来のスイッチング電源装置のように過電流検出回路11からの出力に応答して発振器16の発振周波数を低下させるのではなく、その過電流検出回路11からのセット信号でセットされるラッチ手段であるRSフリップフロップ回路12からの出力に応答して発振器16の発振周波数を低下させ、過電流検出経路による遅延時間tdを超える時間保持させている。
【0112】
したがって、第1の発振周波数でスイッチングパルスが出力されても、過電流検知出力は維持され、発振器16の発振周波数は確実に低下する。前記RSフリップフロップ回路12は、発振器16からの三角波のピーク毎にリセットされているけれども、発振器16の発振周波数が定常時の発振周波数に復帰するのは、図2(b)における差動アンプ13の出力電圧Vthが前記三角波のレベル以下となってからであり、それには平滑用のコンデンサC2で平滑化された出力電圧Voを分圧した帰還電圧Vadjが基準電圧Vref1と略等しくなる必要があり、過電流で低下した出力電圧Voが5〔V〕等の定常電圧に復帰してからとなる。
【0113】
したがって、発振周波数変更回路18には、図3で示す回路図からも明らかなように、過電流状態が解除されてから定常動作に復帰するまでのハンチングを防止するための時定数回路を不要にすることができる。これによって、前記300〔kHz〕の高周波を使用することによる外付けのコイルL1やコンデンサC2の小型化が可能なだけでなく、集積回路自体のチップサイズも小型化することができる。
【0114】
また、前記第2の発振周波数は、スイッチングパルス幅が過電流検出経路の遅延時間tdよりも長くなる条件を満たすだけでなく、スイッチング周波数fsが低くなっても、特に出力電圧Voが高い状態において、負荷電流Ioが大幅に小さくならないレベルとしている。したがって、前記のように出力電圧Voが所定の電圧よりも高くても、負荷電流Ioの急激な低下を抑えることができる。
【0115】
さらにまた、基準電圧源19は、入力電圧Vinを分圧して短絡検知のための基準電圧Vref2を作成している。したがって、入力電圧Vinが大きいときには高い出力電圧Voから発振周波数を低下させ、入力電圧Vinが小さいときには低い出力電圧Voから発振周波数を低下させ、短絡時における電流値の著しい低下・増加の特性を改善することができる。
【0116】
本発明の実施の他の形態について、図6および図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0117】
図6は、本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。このスイッチング電源装置は、前述の図1で示すスイッチング電源装置に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0118】
注目すべきは、このスイッチング電源装置では、入力電圧Vinだけでなく、出力電圧Voにも応じて発振周波数を変化するために、前記発振周波数変更回路18に関連して、調整回路21が設けられていることである。この調整回路21は、大略的に、入力電圧Vinを分圧する抵抗R11・R12と、その分圧値Vaと出力電圧Voとに応じた電圧Vbを作成する差動増幅器22とを備えて構成される。
【0119】
図7は、前記差動増幅器22の具体的構成を示す電気回路図である。前記差動増幅器22は、差動対を構成するPNPトランジスタQ11,Q12と、カレントミラー回路を構成するNPNトランジスタQ13,Q14と、出力用のトランジスタQ15と、定電流源F11とを備えて構成される。
【0120】
前記トランジスタQ11のベースには前記入力電圧Vinを抵抗R11・R12で分圧した分圧値Vaが入力され、トランジスタQ12のベースには前記出力電圧Voが入力され、エミッタには共通に定電流源F11からの電流が与えられる。トランジスタQ11のコレクタはトランジスタQ13を介して接地され、トランジスタQ12のコレクタはトランジスタQ14のコレクタおよびベースに接続されるとともに、トランジスタQ13のベースに接続される。トランジスタQ13のコレクタはトランジスタQ15のベースに接続され、トランジスタQ15のコレクタは前記図3で示す発振周波数変更回路18におけるトランジスタQ6のコレクタ側の点Pに接続される。
【0121】
たとえば、抵抗R11=6〔kΩ〕、抵抗R12=4〔kΩ〕、定電流源F11=10〔μA〕とし、図3における定電流源F2=27〔μA〕、定電流源F1=54〔μA〕、トランジスタQ3とQ4とのエミッタ比を5:4とし、通常状態での発振周波数は300〔kHz〕とし、コイルL1=30〔μH〕、過電流検出レベルICL=2〔A〕、遅延時間td=1〔μsec〕とし、Vin=20〔V〕、Vo=2〔V〕の条件にて過電流を検出すると、定電流源F11からの電流はトランジスタQ12からトランジスタQ14の側に流れ、トランジスタQ13のコレクタ電位、すなわちトランジスタQ15のベース電位が低くなり、該トランジスタQ15はOFFとなる。
【0122】
このとき、図3においてトランジスタQ3には30〔μA〕(=54〔μA〕×5/9)が流れ、トランジスタQ5には24〔μA〕、トランジスタQ7には6〔μA〕が流れる。したがって、バイアス電流IBIASには21〔μA〕流れることとなり、発振周波数は、たとえば90〔kHz〕となる。このとき、スイッチングパルス幅は、
Vo/Vin/90〔kHz〕=1.1〔μsec〕 …(18)
であり、スイッチングパルス幅が過電流検出経路の遅延時間tdよりも長くなる前述の条件を満足することができる。
【0123】
しかしながら、発振周波数を、たとえば100〔kHz〕としても、そのままの構成をVin=10〔V〕、Vo=5〔V〕の条件で使用すると、前記式14,15から、Io=1.2〔A〕となり負荷電流を大きくできなくなる。そこで、調整回路21は、入力電圧Vinおよび出力電圧Voを検出し、過電流検出時のスイッチング周波数を適切に決定する。
【0124】
前記Vin=10〔V〕、Vo=5〔V〕の条件にて過電流を検出すると、定電流源F11からの電流はトランジスタQ11に流れ、トランジスタQ15のベース電流となり、該トランジスタQ15はONとなる。このとき、トランジスタQ4の電流が総て該トランジスタQ15に流れる。これによって、トランジスタQ7のコレクタ電流は30〔μA〕流れ、ダイオードD11には電流が流れなくなる。このときの発振周波数は300〔kHz〕のままであるが、スイッチングパルス幅は1.6〔μsec〕であるから、前述の条件を満たすので、過電流保護機能は動作する。また、前記式14,15から、Io=1.86〔A〕となり、負荷電流が小さくなることもない。
【0125】
このように入力電圧Vinが出力電圧Voに比べて大きいときにはパルス幅が短くなるので、発振周波数を特に低くする必要があるのに対して、出力電圧Voが大きいときには発振周波数を低くしない方が望ましいこともあり、調整回路21は、入力電圧Vinだけでなく、出力電圧Voにも応じて、発振周波数をより適切に設定することができる。
【0126】
また、このスイッチング電源装置において注目すべきは、起動時に発振周波数変更回路18による変更動作を禁止させる遅延回路23が設けられていることである。スイッチング電源装置では、コンデンサC2に、大容量・低直列等価抵抗の出力コンデンサ(容量:10〜2200〔μF〕、直列等価抵抗:0.001〜0.1〔Ω〕)が使われることが多いので、起動時には、前記出力コンデンサの充電のための突入電流によって、過電流検出動作をすることが多い。過電流保護動作によってスイッチング周波数が低下すると、前述したように負荷電流値が低下することがある。そこで、前記遅延回路23によって発振周波数の変更動作を禁止させ、不所望な過電流保護動作を回避する。
【0127】
前記遅延回路23は、前記内部定電圧回路20によって発生された定電圧Vsを電源として、定電流を供給する定電流源F21と、前記定電流源F21からの定電流によって充電されるコンデンサC21と、基準電圧源24と、前記コンデンサC21の充電電圧と前記基準電圧源24からの基準電圧とを比較するコンパレータ25と、前記コンパレータ25からの出力を前記図3の発振周波数変更回路18の点Pに与える出力トランジスタQ21とを備えて構成される。
【0128】
したがって、電源が投入され、定電流源F21からの定電流によって充電されたコンデンサC21の充電電圧が基準電圧源24からの基準電圧以下の間は、コンパレータ25は出力トランジスタQ21をONし、発振周波数変更回路18におけるトランジスタQ4の電流を該出力トランジスタQ21によって総てバイパスさせ、トランジスタQ6が動作しないようにして、発振周波数の低下を禁止する。コンデンサC21が充電され、充電電圧が基準電圧源24からの基準電圧よりも大きくなると、コンパレータ25は出力トランジスタQ21をOFFし、発振周波数の低下を許容する。
【0129】
たとえば、定電流源F21の電流を10〔μA〕、コンデンサC21の静電容量を1〔μF〕、基準電圧源24の基準電圧を2〔V〕とすると、コンデンサC21の充電電圧Vcは、
Vc=10〔μA〕÷1〔μF〕×t …(19)
となるから、t=0.2〔sec〕後に前記2〔V〕を超える。したがって、電源投入から前記0.2〔sec〕の起動時は、過電流検出に応答したスイッチング周波数の低下が生じないので、前記のような起動時の問題を解消することができる。
【0130】
本発明の実施のさらに他の形態について、図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0131】
図8は、本発明の実施のさらに他の形態のスイッチング電源装置におけるRSフリップフロップ回路12の出力段から発振周波数変更回路18の入力段の構成を示す電気回路図である。RSフリップフロップ回路12の出力段は、前記内部定電圧回路20で作成された定電圧Vsを電源電圧とし、電源ライン間にプルアップ抵抗R31および出力トランジスタQ31の直列回路が接続されて構成されており、出力トランジスタQ31のコレクタ電圧が前記発振周波数変更回路18の入力段のトランジスタQ1のベースに与えられることになる。そこで、本実施の形態では、このトランジスタQ31のコレクタ−エミッタ間、すなわちトランジスタQ1のベース−エミッタ間に、保持手段であるコンデンサC31を設け、一時的に過電流検出回路11が過電流を検出しなくなっても、発振周波数変更回路18を動作させ続ける。
【0132】
前記RSフリップフロップ回路12において、定常時にはトランジスタQ31はOFFし、前述のようにトランジスタQ1はONしている。これに対して、過電流時には、トランジスタQ31はONし、前述のようにトランジスタQ1はOFFする。このとき、トランジスタQ31がONすると、コンデンサC31の電荷は放電され、過電流が検出されなくなってトランジスタQ31がOFFしても、コンデンサC31の充電電圧がトランジスタQ1をONさせるまでには所定の遅延時間を要することになる。したがって、過電流が一時的に検出されなくなっても、発振周波数変更回路18は発振器16を直ちに定常の発振周波数に復帰させるのではなく、発振周波数を低下したままで保持させることができる。
【0133】
一方、発振周波数変更回路18は、過電流検出回路11からのセット信号でセットされると、トランジスタTr1をOFFし、発振器16の発振周波数を低下させるけれども、トランジスタTr1がOFFしている間は過電流検出回路11による検知は行えないので、発振器16からのリセット信号でリセットされると、発振器16の発振周波数は定常時の周波数に復帰してしまう。このため、前述の図2(b)で示すように、発振周波数が一定せず、図2(c)で示す出力電圧波形のパルス幅や周期が一定せず、出力電圧Voが不安定となる可能性がある。
【0134】
そこで、前記コンデンサC31によって発振周波数を低下したままで保持させることで、出力電圧Voの安定性を向上することができる。
【0135】
なお、たとえばプルアップ抵抗R31=80〔kΩ〕、コンデンサC31=80〔pF〕、トランジスタQ1がONとなるベースーエミッタ間電圧=0.6〔V〕、Vs=1〔V〕とすると、過電流が検出されなくなってから実際に発振周波数が復帰するのは、
Figure 0003693940
が経過してからとなる。
【0136】
したがって、安定した波形を得ることができる。ここで、集積回路内にコンデンサC31を追加することになるけれども、静電容量は、前述の従来技術のコンデンサc21の150〔pF〕に比べて、大幅に小さくすることができ、前述のチップサイズの縮小化を図ることができる。
【0137】
本発明の実施の他の形態について、図9および図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0138】
図9は、本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装置における分周回路41の構成を示すブロック図である。この分周回路41は、前記発振器16からRSフリップフロップ回路12へのリセット信号の経路に介在される。この分周回路41は、RSフリップフロップ回路42に、さらにANDゲートGが追加されて構成されている。その他の構成は前述の図1の構成と同様である。
【0139】
前記発振器16からのリセット信号はRSフリップフロップ回路42のセット端子Sに入力されるとともにANDゲートGの一方の入力に与えられ、ANDゲートGの他方の入力にはRSフリップフロップ回路42の出力端子Qからの出力が与えられ、該ANDゲートGの出力が分周されたリセット信号として前記RSフリップフロップ回路12に与えられるとともに、前記RSフリップフロップ回路42のリセット端子Rに帰還される。
【0140】
図10は、分周回路41の動作を説明するための波形図である。図10(a)は前記発振器16からのリセット信号であり、このリセット信号が遅延時間を持ったRSフリップフロップ回路42のセット端子Sに入力されることで、該RSフリップフロップ回路42は、図10(b)に示すように、たとえば500〔nsec〕後に出力端子Qをハイレベルとし、リセット端子Rにハイレベルの信号が入力されるまで出力端子Qからハイレベルを出力し続ける。
【0141】
したがって、ANDゲートGは、図10(c)に示すように、次のリセット信号の入力によってハイレベルを出力し、RSフリップフロップ回路42は前記500〔nsec〕後に出力端子Qをローレベルとする。こうして、図10(a)と図10(c)とを比較して明らかなように、前記発振器16からのリセット信号が1/2に分周される。
【0142】
前述の図1の構成では、発振器16からRSフリップフロップ回路12へ出力されるリセット信号の周波数は、発振器16の発振周波数と同じであるのに対して、この分周回路42を用いることで、上述のように1/2に設定することができる。前述のように、定常状態では発振器16の発振周波数でスイッチングが行われるのに対して、過電流状態ではスイッチング周波数は発振周波数ではなく、リセット信号の周波数に依存する。
【0143】
したがって、リセット信号の周波数を発振周波数の1/2に分周することで、過電流状態ではスイッチングOFF期間が2倍になり、等価的にスイッチング周波数が低くなる。たとえば、スイッチングON時間がスイッチングOFF期間に比べて充分短い場合には、スイッチング周波数を定常時の1/2にすることができる。
【0144】
なお、他の構成を用いることによって、他の分周比に設定されてもよい。
【0145】
【発明の効果】
本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、過電流が検知されると、過電流保護手段がスイッチングパルス幅を狭くして出力電流を制限するようにしたスイッチング電源装置において、過電流状態であることが過電流検知手段で検知されると、第1の発振周波数低下手段が発振手段の発振周波数を定常時の第1の発振周波数から第2の発振周波数に低下させ、また出力短絡などで出力電圧が所定レベルより低下したことを検出すると、第2の発振周波数低下手段が第3の発振周波数にさらに低下させる。
【0146】
それゆえ、第1の発振周波数においては、定常状態でのスイッチングパルス幅が狭く、過電流保護動作によってスイッチングパルス幅をそれ以上狭くできない場合があるけれども、第2の発振周波数においては、過電流状態が検出されてからスイッチング素子がOFFするまでの遅延時間よりもスイッチング素子のON期間が長くなり、該過電流保護動作が有効に行われ、出力電流が減少する。同様に、第3の発振周波数でも、前記第1の発振周波数から第2の発振周波数に発振周波数が一旦低下された後、過電流保護動作によって狭くなったスイッチングパルス幅が再び広くなり、上記の遅延時間の影響を小さくすることができる。こうして、上記の遅延時間の影響による出力電流の増大を防止することができる。
【0147】
また、前記過電流検知手段からの過電流検知出力は、前記遅延時間より長い期間ラッチするラッチ手段を介して第1の発振周波数低下手段に与えられるので、前記第1の発振周波数でスイッチングパルスが出力されても、ラッチ期間中スイッチング素子はオフ状態となって過電流検知出力は維持され、発振手段の発振周波数は確実に低下する。そして、発振手段の発振周波数が第1の発振周波数に復帰するには、過電流状態が解消し、出力段のコンデンサで平滑化された出力電圧が定常電圧に復帰してからになるので、ハンチングを防止するための時定数回路を不要にすることができる。これによって、外付けの部品だけでなく、集積回路自体のチップサイズも小型化することができる。
【0148】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記第2の発振周波数低下手段が第3の発振周波数に低下させるための出力電圧のレベルを、入力電圧に応じて設定する。
【0149】
それゆえ、入力電圧が大きいときには高い出力電圧から発振周波数を低下させ、入力電圧が小さいときには低い出力電圧から発振周波数を低下させることで、短絡時における電流値の著しい低下・増加の特性を改善することができる。
【0150】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記第2の発振周波数低下手段に関連して、入力電圧および出力電圧に応じて発振周波数を変化する調整手段を設ける。
【0151】
それゆえ、入力電圧が出力電圧に比べて大きいときにはパルス幅が短くなるので、発振周波数を特に低くする必要があるのに対して、出力電圧が大きいときには発振周波数を低くすると負荷電流が小さくなりすぎ、発振周波数を低くしない方が望ましいこともあるので、これに対応し、発振周波数を、より適切に設定することができる。
【0152】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記第1の発振周波数低下手段に関連して、起動時に該第1の発振周波数低下手段による発振周波数の変更動作を禁止させる遅延手段を設ける。
【0153】
それゆえ、スイッチング電源装置に設けられる大容量・低直列等価抵抗の出力コンデンサの起動時の突入電流による不所望な過電流保護動作を回避し、充分な負荷電流を供給することができる。
【0154】
さらにまた、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記第1の発振周波数低下手段に関連して、前記ラッチ手段と該第1の発振周波数低下手段との間に、前記ラッチ手段による過電流検出出力を保持する保持手段を設ける。
【0155】
それゆえ、過電流保護動作によってスイッチング素子をOFF駆動し、過電流が一時的に検出されなくなっても、発振周波数を低下したままで保持させることができ、スイッチングパルスのパルス幅や周期を安定させることができる。
【0156】
また、本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、前記ラッチ手段に関連して、リセット信号を分周する分周手段を設ける。
【0157】
それゆえ、過電流状態におけるスイッチング周波数を発振周波数ではなく、リセット信号周波数に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1で示すスイッチング電源装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】図1で示すスイッチング電源装置における発振周波数変更回路および基準電圧源の具体的構成を示す電気回路図である。
【図4】図1で示すスイッチング電源装置の過電流状態でのコイル電流を示す波形図である。
【図5】図1で示すスイッチング電源装置の動作特性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図6で示すスイッチング電源装置における差動増幅器の具体的構成を示す電気回路図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態のスイッチング電源装置におけるRSフリップフロップ回路の出力段から発振周波数変更回路の入力段の構成を示す電気回路図である。
【図9】本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装置における分周回路の構成を示すブロック図である。
【図10】前記分周回路の動作を説明するための波形図である。
【図11】典型的な従来技術のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】図11で示すスイッチング電源装置の動作を説明するための波形図である。
【図13】図11で示すスイッチング電源装置の動作特性を示すグラフである。
【図14】他の従来技術のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】図14で示すスイッチング電源装置の動作特性を示すグラフである。
【図16】さらに他の従来技術のスイッチング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図17】図16で示すスイッチング電源装置の動作特性を示すグラフである。
【図18】図16で示すスイッチング電源装置における第1発振周波数変更回路および第2発振周波数変更回路の具体的構成を示す電気回路図である。
【符号の説明】
11 過電流検出回路(過電流検知手段)
12 RSフリップフロップ回路(過電流保護手段・ラッチ手段)
13 差動アンプ
14,19,24 基準電圧源
15,25 コンパレータ
16 発振器(発振手段)
17 駆動回路
18 発振周波数変更回路(第1および第2の発振周波数低下手段)
20 内部定電圧回路
21 調整回路(調整手段)
22 差動増幅器
23 遅延回路(遅延手段)
41 分周回路(分周手段)
42 RSフリップフロップ回路
C1,C2,C21 コンデンサ
C31 コンデンサ(保持手段)
D1,D11 ダイオード
F1,F2,F11,F21 定電流源
G ANDゲート
L1 コイル
Q1〜Q8;Q11〜Q15;Q31 トランジスタ
Q21 出力トランジスタ
R1〜R4;R11,Q12 抵抗
R31 プルアップ抵抗
RL 負荷
Tr1 トランジスタ

Claims (6)

  1. 発振手段からの発振信号に応答してスイッチング素子が入力直流電圧をスイッチングすることによって所望とするレベルの電圧出力を得ることができ、出力電流が予め定める値より大きくなったことが過電流検知手段で検知されると過電流保護手段がスイッチングパルス幅を狭くして前記出力電流を制限するようにしたスイッチング電源装置において、
    前記過電流検知手段からの過電流検知出力によりセットされ前記発振信号によりリセットされ、セットされると前記スイッチング素子をオフ状態にするラッチ手段を含み、当該ラッチ手段は、前記過電流検知手段からの過電流検知出力を前記過電流保護手段による保護動作の実現までの遅延時間より長い期間ラッチするとともに
    さらに、前記ラッチ手段からの出力に応答して、定常時の第1の発振周波数から、該第1の発振周波数よりも低く、かつ前記遅延時間より長い周期の第2の発振周波数に前記発振手段の発振周波数を低下させる第1の発振周波数低下手段と、
    予め定めるレベルの出力電圧の低下を検出し、前記第2の発振周波数よりも低い第3の発振周波数に前記発振手段の発振周波数を低下させる第2の発振周波数低下手段とを含むことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記予め定めるレベルの出力電圧は、入力電圧に応じて設定されることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記第2の発振周波数低下手段に関連して、入力電圧および出力電圧に応じて発振周波数を変化するように、調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記第1の発振周波数低下手段に関連して、起動時に該第1の発振周波数低下手段による発振周波数の変更動作を禁止させる遅延手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記第1の発振周波数低下手段に関連して、前記ラッチ手段と該第1の発振周波数低下手段との間に、前記ラッチ手段による過電流検出出力を保持する保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記ラッチ手段に関連して、リセット信号を分周する分周手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッチング電源装置。
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