JP3683245B2 - 自動復帰ヒンジ及びドアシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉体同士間に介挿されてその開閉体の開閉動作をスムーズに行なわせる蝶番ユニットを用いたドアシステムに係り、特に、任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰する自動復帰ヒンジを有するドアシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蝶番は開き戸や折戸などのように開閉体を別の開閉体または固定体に開閉自在に取り付けることができ、至る所で頻繁に使われている。
【0003】
この内、最も一般的な蝶番の一例として図12に示す1点支点構造の蝶番100がある。この蝶番100は1本の共通の軸100aを中心に2枚の取付板100b,100cを互いに回動(回転)自在に組み合せたもので、2枚の取付板100b,100cが、例えば折戸101を成す2枚のパネル体101a,101bの対向する側面に取り付けられる。これにより、パネル体101a,101bが固定軸102を中心に実線および仮想線図示のように二つ折りに折れ曲がり、スライド軸103が図示しないレール体内を摺動して開閉自在になっている。
【0004】
この1点支点構造の変形として図13に示す2点支点構造の蝶番110も知られている。この蝶番110はパネル体111a,111bの側面の縦方向の全体に亘って取り付けられる、いわゆる「全体蝶番」(「通し蝶番」とも呼ばれる)になっている。この蝶番110はパネル111a,111bの回動を個別に担う2つの軸110a,110bと、この2つの軸110a,110bを中心に回動する取付板110c,110dと、2つの軸110a,110b間を繋ぐ連結部材110eとを有する。これにより折戸111を開けると、実線図示から仮想線図示の状態にパネル体111a,111bが二つ折りに折れながら回転する。
【0005】
さらに、別のタイプの蝶番の一例を図14に示す。この蝶番120も全体蝶番の構造を有し、しかも2点支点になっている。この蝶番120はパネル体121a,121bに取り付けられ、かつ一端が湾曲した1対の取付板120a,120bと、この取付板120a,120bを回動自在に連結する連結体120cとを備える。各取付板120a,120bの湾曲部の内外にギヤがそれぞれ形成され、取付板120a,120b同士がその外側ギヤで噛合している。連結体120cは横方向断面が図示のように凹状に形成され、この両突端内側に円筒部120d,120eが一体に形成されている。各円筒部120d,120eの円周部にはギヤが形成され、このギヤに前記取付板120a(120b)の湾曲部の内側ギヤが噛合するようになっている。この結果、実線(折戸の開状態)および仮想線(折戸の閉状態)で示すように、2つの円筒部120d,120eを中心にパネル体121a,121bを各々回動でき、折戸を開閉させることができる。
【0006】
しかしながら、上述した従来の蝶番には以下に示すような不都合があった。
【0007】
図12に示す1点支点の蝶番100は簡単な構造ではあるが、図示仮想線のようにドア開放時のパネル体101a,101b間の隙間W1 、すなわちデッドスペースが比較的多い。しかも、同図仮想線の状態から実線状態に折戸を閉めるとき、パネル体101a,101b間の隙間Pに指を挟む心配があり、特に子供などにおいて、そのことが懸念されていた。指を挟まないようにパネル体101a,101bの角部をテーパー状に成形したり、戸当りを付けたりすることもできるが、そのようにすると製造コストや体裁上の問題を生じる。
【0008】
また、図13に示す2点支点の蝶番110は、特に、仮想線で示すように、蝶番110の連結体110eの存在に因り、パネル体111a,111bを折り畳んだ状態でのデットスペースW2 が非常に大きくなるという問題がある。この問題は図14のものについても同様である。
【0009】
さらに、図12〜図14の構造に共通の未解決の課題としてドアの回動中心の問題がある。この問題は特に折戸に適用した場合に顕著になる。図12〜図14の場合の何れも、パネル体間の回動(回転)中心は、パネルの板厚方向の中心を通る中心線L1 (〜L3 )よりも開閉方向の一方にずれて位置する。
【0010】
このため、一方のパネル体101a(111a,121a)を開閉するとき、そのパネル体101a((111a,121a)の蝶番とは反対側の側端部は、図12で言えば仮想線Mのように、一度壁方向に拡がってから開くまたは閉まる軌跡を描く。このため、壁(固定体)とパネル体101a(111a,121a)との間にスペースWD を予め大きくとっておかなければならない。この隙間WD は通常使用の折戸で1cm程度は少なくとも必要で、ドアの隙間としてはかなり大きい値となり、仕切性が悪くなる。この仕切性の低下の問題は回動(回転)中心がドアの中心線から外れている構造の蝶番に特有のものである。この隙間WD を塞ぐために壁側に戸当りを付けたりする細工もできるが、体裁上の問題や製造コストの上昇の問題が発生してしまう。
【0011】
本願発明の発明者は、上述のような従来の蝶番の問題に鑑みて、簡単な構造で、指を挟む懸念も実際上無く、閉時の仕切性にも優れた蝶番ユニットおよびこの蝶番ユニットを用いたドアシステムを提供すべく、特許文献1及び特許文献2に記載する蝶番ユニットおよびこの蝶番ユニットを用いたドアシステムを提案した。
【0012】
この蝶番ユニットおよびこの蝶番ユニットを用いたドアシステムによれば、支柱体,歯車,および連結体を主要部とする簡単な構造ながら、開状態から閉状態に移行するときの物の挟み込みを無くすることができ、開状態におけるデッドスペースを減らし、さらには閉状態での封止性能を上げて仕切性を向上させることができるという優れた効果を発揮できる。
【0013】
この蝶番ユニットを用いた折戸形式のドアシステムは、さらに、ドアの回動中心をパネルの板厚方向の中心線上に置けば、押しても引いてもドアを開くことができる、言い換えれば、室内側へも室外側へもドアを開くことができるという長所を有する。したがって、両手に荷物を持っていて塞がっていても、体の一部をドアパネルの端部に預けることによってドアを押して開けることが可能である。
【0014】
しかしながら、ドアを通過した後に、両手が塞がった状態でドアを閉じるには、もう一度体の一部を折戸の開いて突出した端部に預けることによってドアを押して閉じる必要がある。両手が塞がっている状態で、ドアを通過するという所期の目的を達成した後に、これを閉じるという作業は健常者であっても億劫であるところ、車椅子生活者にとっては、車椅子を180度回転させて向きを変えてドアを閉じ、前へ進むためにはもう一度車椅子を180度回転させて向きを変えなければならず、負担は小さくない。特に、トイレや廊下等の狭小な場所ではことさら難渋な作業となる(元来折戸はこのような狭小な場所に設けられることが多い)。そこで、この蝶番ユニットを用いた折戸を自閉式の折戸とすることが求められる。
【0015】
また、自閉式の折戸の中でも、全開後直ちに元の位置に復帰し始めるのではなく、全開状態で停止して開いた状態を保ち、必要時に僅かな力を加えることによってドアを閉じることができるものが好適な場合がある。
【0016】
一方、例えば公共施設のトイレブースのドアは、不使用時には空いていることが一目で判るように開いていることが望ましいが、常時全開にして便器がトイレブースの外から丸見えになるのは美観上好ましくないという場合がある。そのような場合に、不使用時にはドアを全開と全閉との中間の所定の位置で静止でき、使用時にはそのドアを押すまたは引くことによりドアを閉じ、ラッチを掛けることにより閉じた状態を保ちまたはサムターンで施錠し、使用後にラッチを外しまたはサムターンを解錠すれば自動的にドアが元の所定の位置に戻るようにできれば便宜である。
【0017】
このような自動復帰ヒンジとしては、従来、特許文献3に記載のものが知られている。この自動復帰ヒンジは、ドア側に取り付けられる枢着金具内に、可動カム筒を回転可能に嵌入すると共に、摺動カム筒のカム面と反対側の端部とリングキャップとの間に弾設した大径コイルスプリングにより常時可動カム筒と当接状態に付勢した摺動カム筒を上下動可能に且つ枢着金具と一体となって回転するよう嵌入し、可動カム筒と摺動カム筒に対して軸線方向に摺動可能に嵌挿し可動カム筒と一体に回転する多角形軸を枢着金具の上方に、多角形軸の係合段部とリングキャップとの間に弾設した小径コイルスプリングにより、突出状態に付勢し、該多角形軸の先端をドア枠側に取り付けられる支持金具の多角形孔にドアの復帰位置を選択的に設定可能に嵌挿してなるものである。
【0018】
【特許文献1】
特許第2728642号公報
【0019】
【特許文献2】
特開平9−273350号公報
【0020】
【特許文献3】
実用新案登録第2604809号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に記載の自動復帰ヒンジには、復帰位置の精度が完全ではないという問題がある。特許文献3に記載の自動復帰ヒンジは、上述の枢着金具に設けたガイド溝に係合するガイド突起を突設した摺動カム筒を上下に摺動させることによりドアを自動的に復帰位置に復するものであるが、このガイド溝とガイド突起との間には、上下にスライドさせるという機構上どうしても隙間、すなわち遊びが生じる。この遊びにより生ずる誤差は、吊元においては小さなものであってもドアパネル先端ではその距離に比例して拡大し、例えば全閉状態に復帰せず、施錠をしなくてもある程度仕切性を要する部屋では看過できない場合がある。逆に、戸当りを設ければこれを防止することも可能となるが、室外側と室内側のどちらにも開く構造の自在戸では採用することを得ない。
【0022】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、蝶番ユニットを用いた折戸システムに係り、任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰する自動復帰ヒンジを有するドアシステムを提供することを目的とする。
【0023】
本発明の他の目的は、上記ドアシステムにおいて、さらに全開状態を保持し得る機構を備えるドアシステムを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動復帰ヒンジは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、この自動復帰ヒンジ機構は、前記筐体に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されものである。
【0025】
次に、上述した課題を解決するために、請求項2に係る自動復帰ヒンジの多段多角形軸は、横断面が六角形に形成されたものである。
【0026】
そして、上述した課題を解決するために、請求項3に係るドアシステムは、ドア枠側の上枠下部にドア開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールでパネル体をスライド自在に吊持する吊り車と上部ピボット及び下部ピボットとからなる支持機構を備え、2枚のパネル体を、隣接する側端面同士をその長手方向に沿って互いに突き合わせ、かつ、互いに相手のパネル体に対して回動自在にヒンジ結合する蝶番ユニットを備え、前記両パネル体を折戸形式に開閉するドアシステムにおいて、前記上部ピボットは、ドア側に取り付けられた筐体内に、自動復帰ヒンジ機構を備え、このヒンジ機構は、上部に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたものである。
【0027】
また、上述した課題を解決するために、請求項4に係るドアシステムは、前記吊りレール内における前記吊り車の上部ピボット側端部に当接する位置にマグネットを取着し、前記吊り車をマグネットの引力により駐止し、前記ドアを全開位置で保持するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係る蝶番ユニット及び自動復帰ヒンジを用いたドアシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、本実施の形態に係る蝶番ユニット及び自動復帰ヒンジを用いたドアシステムの全体の構成を説明する。なお、本実施の形態では、全閉時を復帰位置に設定して説明する。
【0029】
図1に示すように、3方枠体11および床面12により部屋の出入り口を成す開口部OPが画成される。3方枠体11は、上枠11uと、その両側の縦枠11s,11sとが一体に形成されて成る。3方枠体11の内側に、ドアシステム1が開閉自在に取り付けられる。
【0030】
このドアシステム1は、2枚のパネル体からなる折戸20と、この折戸20を開閉可能に支持する支持機構18とを備える。この支持機構18は、吊りレール14、上部ピボット15、下部ピボット16及び6輪吊り車17を含み、吊設機構を兼ねている。
【0031】
3方枠体11の上枠11uは、図1に示すように、その幅方向の2/3以上の所定領域を切除し、この切除部分に吊りレール14を埋め込んでいる。
【0032】
図1において、吊りレール14の左端部内に上部ピボット15が固設される一方、この上部ピボット15の真下の対向する床面12上に下部ピボット16が埋設される。上部ピボット15はピボット構造に構成され、回転竪柱21内に収められた自動復帰ヒンジ30が折戸20を上枠11uに回動自在に連結する。
【0033】
一方、回転竪柱21の下端面には、この回転竪柱21をピボット構造で回転可能に軸支するための軸受が、床面から立設されるピボット軸を挿入されるように取り付けられている。
【0034】
また、6輪吊り車17は図1及び図11に示すように吊りレール14内に収容され、その長手方向に沿って自在に移動できるように配設されている。この6輪吊り車17からは回動自在な車軸17aが垂下されている。この車軸17aはパネル体20bの上端面の所定の位置に固設されている。この固設位置は、図4に示すように、ドア全開時において通行可能幅が最大となるように、折戸20が3方枠体11と垂直になるような所定の位置に設定されている。この6輪吊り車17は、少なくとも、パネル体20bの吊り荷重を支持できる強度を有している。ドアの開閉に伴って、6輪吊り車17も吊りレール14内を転動して移動し、パネル体20bのスライド動作を許容するとともに、車軸17aの回転がパネル体20bのスイング動作を許容する。なお、吊りレール14の側面はカバー19により目隠しされる。また、この6輪吊り車17は、吊りレール内を滑らかに、かつ左右にぶれることなく転動するものであれば、6輪でなくてもよい。
【0035】
このドアシステム1において、折戸20は開口部OPを開閉する開閉体の主要部を成すものであり、2枚のパネル体20a,20bと、このパネル体20a,20b間に装備された蝶番ユニット22、及びパネル体20aの一側に固着された支柱部分としての回転竪柱21とから成る。パネル体20a,20bの各々の主要部はここでは木製材料で成り、所定厚さ,サイズに形成されている。
【0036】
回転竪柱21は、上部ピボット15及び下部ピボット16によりパネル体20aをスイング可能に支持する機能を担うものである。なお、パネル体20aの荷重は上部ピボット15、及び下部ピボット16で支えられ、パネル体20bの荷重は主に6輪吊り車17により吊り下げられる他、両者の荷重は、蝶番ユニット22を介して相互に他のパネルにも伝達される。
【0037】
蝶番ユニット22は、図1〜図3に示すように、2本の支柱体23a,23bを備える。この支柱体23a,23bは各々、ここではアルミ製の材料を断面略半円状の棒状あるいは柱状に形成したもので、その長さは前記パネル体20a,20bの高さにほぼ合致させるとともに、その最大径がパネル体20a,20bの厚さに合致させている。
【0038】
この支柱体23a,23bの上下の端面には、図2及び図3に示すように、固定軸24a,24bを介して平歯車25a,25bが各々固着されている。この平歯車25a,25bの各々は例えば樹脂製で、軸方向の厚さが例えば1cm程度と薄いものが使われている。両平歯車25a,25bは互いに噛合可能で、その噛合状態で薄板状の連結板26によってその上端(または下端)側が互いに連結されている。この連結板26の両端部は、平歯車25a,25bの軸方向中心位置に固設したボルト27a,27bに回動可能に取り付けられている。このため、平歯車25a,25b同士は噛合状態のまま連結され、かつ互いに自由に回動(回転)できるようになっている。平歯車25a,25bが回動すると、これに固設している支柱体23a,23bも一体に、その縦方向の中心軸の周りに回動する。なお、平歯車25a,25b、すなわち支柱体23a,23bは、ボルト27a,27bのストッパ機構により、縦方向には互いにずれないようになっている。
【0039】
また支柱体23a,23bは、平歯車25a,25bの径、歯の高さなどを適宜に選択することによって、その間隔が約1mm程度と極めて狭く設定されている。
【0040】
本実施例のドアシステム1は以上のように構成され、機能する。このため、ドアを開くときには、パネル体20bの回転竪柱21とは反対側の側端部寄りを手等で押せばよい。これにより、図4に示すように、折戸20のパネル体20a,20bは蝶番ユニット22を中心に二つ折りに折れ曲がりながら、回転竪柱21側にスイングしスライドしてドア開状態となる(同図の仮想線I参照)。ドアはその後、自動復帰ヒンジの働きにより自動的に、同図の仮想線Iに示す経路を戻ってドア閉状態になる。
【0041】
また、本発明に係る本実施形態によれば、図4に示すように、室内側へも室外側へも同じようにドアを押すことにより開くことができるので、ドアを引くという動作は原則として不要である。したがって、ドアノブも不要となり、パネル体側面からの突起物がないので、より広い有効通行幅を確保することができる。もっとも、引く動作によっても開くことができるように、パネル体20bの回転竪柱21とは反対側の側端部寄りの所定高さ位置で、室外側、室内側の所定位置にドアノブを取り付けることも可能である。
【0042】
このように開閉するときのパネル体の移動に伴う占有スペースは、通常のスイングドアに比べて小さくて済む。したがって、車椅子の利用者などにとっても容易に開閉操作できる。
【0043】
平歯車25a,25bの中心がパネル体20a,20bの板厚方向の中心位置と合致しているため、この開閉動作に伴う蝶番ユニット22の仮想的な折れ曲がり中心Coの位置は図4に示すように、パネル体20a,20bの中心線Lo上に在る。これにより開閉時のパネル体20a,20bの端部の移動軌跡が従来とは異なり、外側にはみ出すことはない。したがって、縦枠11s,11sとパネル体20a,20bとの間の隙間Wa,Wbを極めて小さく設定することができる。
【0044】
このため隙間隠しの戸当りなどを付けなくとも、仕切性を格段に向上させることができる。また、ドア開状態におけるパネル体20a,20b間の隙間Woはほぼ零となり、デッドスペースは殆ど無くなるから、より広い通路などを確保できる。
【0045】
ドア閉状態における縦枠11s,11sとパネル体20a,20bとの間の隙間、およびパネル体20a,20b間の隙間は元々極めて小さいが、さらに封止部材を付着すれば殆ど完全に封止される。これにより、従来に比べて格段に良好な仕切性が達成される。
【0046】
次に、本実施の形態に係るドアシステムの上部ピボット15の構成について、図5〜図10を参照して説明する。上部ピボット15は、回転竪柱21内に収納された自動復帰ヒンジ30と、この自動復帰ヒンジ30を3方枠11に連結する連結部50とから構成される。
【0047】
図5は、折戸20が、全閉状態、すなわち、所定の復帰位置にある場合の自動復帰ヒンジ30の内部を示し、図6は、折戸20が、所定の復帰位置から90度回転した全開状態をとる場合の自動復帰ヒンジ30の内部を示している。また、図7は、自動復帰ヒンジ30の分解斜視図である。
【0048】
自動復帰ヒンジ30は、図5〜図7に示すように、大別して、金属製例えば鋳鉄製の円筒状あるいはスリーブ状筐体33中にダブルの山形カム部60、復帰ばね部40及びこれらを連通貫挿する多段多角形軸48を組込んだヒンジ本体31と、ヒンジ本体31の頂部から水平に突設され、パネル体20aの上端に接続するパネル体取付アーム32とから構成される。ヒンジ本体31は、パネル体取付アーム32によりパネル体20aの上端隅部に固定される。
【0049】
円筒状の筐体33は下方が開いたままに形成される一方、頂面は一旦閉じられたうえで、ダブルの山形カム部60の上側カム61頂部に突設された正四角柱状の凸部64を嵌合挿入するための正方形状の孔34が穿設される。また、パネル体取付アーム32には、パネル体20aを取り付けるためにビス孔35が複数穿設されている。
【0050】
ダブルの山形カム部60は、図6及び図7に示すように、上側カム61と下側カム65とから成り、内周側及び外周側にダブルのカム面を備え、ダブルカム機構を構成している。
【0051】
上側カム61は、図8に示すように、外周層62と内周層63の2層に構成される。また上側カム61の上端面には、例えば正四角柱状の凸部64が形成され、この凸部64が円筒状筐体33の頂部に穿設された正四角形状の孔34に嵌合しており、上側カム61は、円筒状の筐体33と一体となって回動せしめられる。
【0052】
上側カム61の円筒状の外周層62は、下端面に傾斜カム面70が形成され、円筒状の外周層62の内側に形成される内周層63の下端面には、上記傾斜カム面70,70に交差する方向に傾斜する傾斜カム面71が形成される。上側カム61の軸芯側に円形中心孔72が軸孔として形成される。この円形中心孔72は、多段多角形軸48と接することなく回動可能に遊挿するよう多段多角形軸の外径より大きな直径を有する。外周層62の傾斜カム面70,70は対称形で最も低い底部73から左右に振分けて最も高い頂部74まで連続するなだらかなカム面が通常直線勾配状に形成される。底部73は境界が直線であり、頂部74には下向きに溝75が穿設されている。また、内周層63の傾斜カム面71,71も対称形で最も低い底部76から左右に振分けて最も高い頂部77まで連続するなだらかなカム面が直線勾配状に形成される。底部76は境界が直線であり、頂部77には下向きに溝78が穿設されている。ここで頂部74,77の溝75,78は、下側カム65の製品精度、変形及び摩耗等による影響を防ぐ逃げのために設けられている。
【0053】
下側カム65も同様に、外周層と内周層の同心円状の2層構造に構成され、下端面は、復帰ばね部40のばね受け上部固定リング41と当接するように平面に形成される。
【0054】
下側カム65は、上端面に傾斜カム面80,80をもった円筒状の外周層66と、円筒状の外周層66の内側に上端面に傾斜カム面81,81を持ち軸芯部に多段多角形軸48が嵌挿される多角形の中心孔82を有する円筒状の内周層67とが一体に形成されている。ここで下側カム65は多段多角形軸48と回転一体となって、上側カム61がドアの開閉に伴って回転しても回転は抑止され、多段多角形軸48に沿って上下に摺動するものであるため、中心孔82は、多段多角形軸48とスライド可能に係合している。外周層66の傾斜カム面80,80は対称形で最も高い頂部83から左右に振分けて最も低い底部84まで連続するなだらかなカム面が通常直線勾配状に形成され、頂部83は直線の稜線にとられ底部84には上向きの溝85が穿設されている。また、内周層の傾斜カム面71,71は対称形で最も高い頂部86から左右に振分けて最も引き低い底部87まで連続するなだらかなカム面が通常直線勾配状に形成され、頂部86は直線の稜線を成し、底部87には上向きの溝88が穿設されている。外周層66の傾斜カム面80,80と内周層67の傾斜カム面81,81とは頂点が対峙するように、位相が180度ずれて配設されている。ここで底部84,87の溝85,88は、下側カム65の製品精度、変形及び摩耗等による影響を防ぐ逃げのために設けられている。
【0055】
山形カム部60の下側カム65の下方には、復帰ばね部40が設けられる。この復帰ばね部40は、ばね受け上部固定リング41、コイルばね43及びばね受け下部固定リング44から構成される。
【0056】
ばね受け上部固定リング41は、基部41aと基部41aから下側へ突設された突起部41bとから成り、軸芯部には、多段多角形軸48に遊挿される余裕を持って外接する直径の円形中心孔42を有し、下面にばね受け部を形成している。基部41aは下側カム65底面と当接し、下側カム65が下方へ摺動する時の圧力を受け止め、この圧力をコイルばね43に伝達する。突起部41bは、コイルばね43の内側へ嵌挿され、コイルばね43が左右へぶれて円筒状筐体33の内壁に接触することを防止し、また、下側カムからの圧力がばね受け部に正しく真下に伝わるようにするものである。
【0057】
ばね受け下部固定リング44は、基部44aと基部44aから上側へ突設された突起部44bとから成り、その上面にばね受け部を構成している。軸芯部には、多段多角形軸48のボルト部48dが遊挿する直径の円形中心孔45を有する。ばね受け下部固定リング44は、多段多角形軸48のボルト部48dに螺合された長ナット46及びナット47により底面が支持され、下方への移動が拘束され、コイルばね43の復元力を確保する。それと同時に、長ナット46及びナット47の位置を調整することによりコイルばね43の反発力を調整することができる。基部44aの底面は直接自動復帰ヒンジ本体31の底面を形成する。突起部44bは、コイルばね43の内側へ嵌挿され、コイルばね43が左右へぶれて円筒状筐体33の内壁に接触することを防止する。
【0058】
ばね受け上部固定リング41とばね受け下部固定リング44とに挟持されたコイルばね43は、折戸20の回動と一体に回動する上側カム61に従動して下降してくる下側カム65をその復元力を利用して押し戻す方向へばね付勢するものである。このコイルばね43のばね作用及び上側カム61と下側カム65とのダブルカム機構のカム作用により、折戸20は元の位置に復帰する方向へ、すなわち、全閉位置側に自動的にばね付勢される。
【0059】
多段多角形軸48は上から円形部48a、面取り多角形部48b、多角形部48c及びボルト部48dに分けられ、上端には軸調整金具51をビスを用いて取り付けるためのねじ孔49が螺設されている。そして、この軸調整金具51が、吊りレール14に取付金具を介して固定されることから、多段多角形軸48は折戸20が開閉されても回動することはない。
【0060】
多段多角形軸48の最上部に位置する円形部48aは、軸調整金具51の軸受孔52に遊挿され、これを六角穴付止めねじ53を用いて固定する。このように、軸受け孔52に遊挿される部分が円形であるため、軸受け孔52内で多段多角形軸48を自由に回動させて、復帰位置を任意の位置に設定することが可能となる。
【0061】
円形部48aの直下に位置する面取り多角形部48bは、横断面が多角形であるが、ベアリング部54を外嵌するために、多角形の角部は面取りがされている。ベアリング部54の中心孔58の直径は上記円形部48aよりは大きく、多角形部48cに外接する外接円の直径よりは小さく穿設されているので、多段多角形軸48をベアリング部54の中心孔58に挿通すると、円形部48aと面取り多角形部48bとは挿通可能であるが、下に位置する多角形部48cにまで挿入することはできない。したがって、取付け作業が容易となり、効率が良くなる。
【0062】
面取り多角形部48bの下の多角形部48cは、多段多角形軸48の主要部を成すものであり、具体的には、折戸20が、延いては山形カム部60の上側カム61が回動しても、この多段多角形軸48は下側カム65と一体となって下側カム65の回転を阻止し、それでいて回動する上側カム61に押された下側カム65を上下に摺動させるものである。したがって、例えば多角形部48cの断面形状が八角形では回転させようとする上側カム61の力の方が強くなり下側カム65の中心孔82と多段多角形軸48表面とで滑りを生じ易く、下側カム65が回転するおそれがある。一方、多角形部48cの断面形状が四角形では、下側カムの中心孔82と多段多角形軸48表面との上下方向の滑りが悪くなり、摺動がスムーズに行き難くなる。したがって、多角形部48cの断面計上は、多角形の中でも六角形前後が好適である。また、かかる目的から、下側カム65の中心孔82の大きさは、多段多角形軸48の多角形部48cと密着するものであってはならず、また、ルーズであってもいけない。
【0063】
最下部に位置するボルト部48dは、多角形部48c等よりは細い棒状に形成され、復帰ばね部40に内挿された端部において長ナット46及びナット47を螺合するようにねじが螺刻されている。
【0064】
ダブルの山形カム部60と復帰ばね部40及びこれらを連通貫挿する多段多角形軸48はこのように構成されているので、これを筐体33に組込むには、筐体33の下方より、上側カム61、下側カム65、ばね受け上部固定リング41、コイルばね43、ばね受け下部固定リング44の順に挿入し、多段多角形軸48をこれに挿通させて、上側カム61上部の凸部64を筐体33上部に穿設された正方形状の孔34に嵌合させた後、長ナット46及びナット47のダブルナットで多段多角形軸48のボルト部48dに緩みが生じないように螺合させる。これにより、上側カム61は筐体33に従って回動可能なように筐体33内に嵌合され、下側カム65は多段多角形軸48により回動が防止されつつ上下に摺動可能に筐体33内に嵌合され、コイルばね43に圧力を加え、その反発力によって下側カムを押し戻す方向に付勢され、その力により上側カム61に回転が与えられた方向とは逆方向に回転する力を加えることによって、この折戸20を元の位置に復帰させるものである。
【0065】
続いて、この自動復帰ヒンジ30を3方枠11に連結する連結部50について、図を参照して説明する。連結部50は、折戸20の復帰位置を設定する軸調整金具51と、この軸調整金具51と自動復帰ヒンジ30の筐体33の上部とに挟装されるベアリング部54と軸調整金具51を吊レール14に取り付ける取付金具部90から構成される。
【0066】
軸調整金具50は、図9に示すように、平たい直方体の金属ブロックで、平面上の一方の短辺側に偏った位置の上下方向に、多段多角形軸48の円形部48aを挿通させる軸受孔52が穿設される。そして、この軸受孔52に近接する3つの側面から軸受孔52の中心へとねじ孔59が穿設されている。このねじ孔59に六角穴付止めねじ53を螺嵌し、挿通された多段多角形軸48の円形部48aを3方から押圧し、回転できないように固定する。これにより、折戸20の復帰位置を任意に定めることが可能となる。
【0067】
この軸調整金具51の側面のうち残りの短辺中央と、2つの長辺の多段多角形軸48を挿通させる軸受孔52とは反対側に偏った位置には、軸調整金具51を吊りレールに取り付ける取付孔90が穿設される。図9に示すように、アングル状の取付金具91がねじ92を用いて取り付けられ、この取付金具91を吊レール14に取り付けられたやはりアングル状の取付補助金具93にボルト止めすることにより吊レール14に取付け固定される。この場合の取付高さは、取付金具91の取付補助金具93側に穿設された縦長のルーズホール94で調節する。これにより、軸調整金具51及びこれに固設された多段多角形軸48は、折戸20が開閉されても回転することなく一定の位置に静止する。連結部を別の角度から見たところを図10に示す。
【0068】
ベアリング部54は、この回転しない軸調整金具51と、折戸20の開閉に伴って回動する自動復帰ヒンジ30の筐体33頂部との間に挟装されて、自動復帰ヒンジ30の筐体33の回動を滑らかにするものであり、上下のワッシャ55,57とそれらに挟装されたスラストベアリング56とから成る。
【0069】
本実施の形態に係るドアシステム1の上部ピボット15はこのように、回転しない軸調整金具51、多段多角形軸48及び下側カム65と、折戸20の開閉に伴って回動する自動復帰ヒンジ30の筐体33及び上側カム61とに大別され、この両者の相互作用によって復帰ばね部40のコイルばね43が圧縮され、そのコイルばね43の復元力によって折戸20が自動的に元の位置に復帰されるように構成されている。
【0070】
本実施の形態に係る蝶番ユニット及び自動復帰ヒンジを用いたドアシステム1は上記のように構成されており、以下その動作について説明する。
【0071】
パネル体20bを押して、折戸20を開くと、パネル体20aに固定されたパネル体取付アーム32が回転する。このパネル体取付アーム32の回転により、自動復帰ヒンジ30の筐体33が同じ角度だけ同じ方向に回転する。この筐体33頂部に穿設された正方形状の孔34に頂部の凸部64が嵌合された山形カム部60の上側カム61もそれに従動して同様に回転する。
【0072】
一方、山形カム部60の下側カム65は、多段多角形軸48に上下摺動可能、回転不能に外嵌されており、多段多角形軸48は、軸調整金具51に固定されており、その軸調整金具51は、取付金具91等を介して吊レール14に固定されているため、回転しない。そこで、上側カム61は、回転することにより下側カム65と当接する傾斜カム面を介して下側カム65に圧力を加える。ここで下側カム65は回転運動が拘束されて回転できず、下方へと摺動する。
【0073】
下側カム65が下方に摺動すると、復帰ばね部40をコイルばね43のばね力に抗して押し下げる圧力が加えられることになるが、復帰ばね部40は下部がナット57等で固定されているため、コイルばね43が収縮して下側カム65の下部を押圧する。
【0074】
したがって、パネル体20bを押す力が解除されると、復帰ばね部40のコイルばね43に蓄えられたエネルギーが解放され、コイルばね43の復元力によって、ばね受け上部固定リング41を介して下側カム65が上方へ押し上げられる。この下側カム65の押し上げ力により、折戸20を開く場合とは逆にカム作用し、上側カム61の傾斜カム面を介して上側カム61を元に復帰させる力が作用する。
【0075】
上側カム61は上部を固定されているため、下側カム65と当接する傾斜カム面のダブルカム作用により折戸20を開く場合とは反対の向き、すなわち、閉じる方向に回転し、元の位置に戻ろうとする。
【0076】
この場合、上下のカムの内外周層の傾斜カム面の頂部及び底部は先端が凸または凹に尖っており、ずれることなく咬合する。例えば、上側カム61の外周層の底部73は凹に尖っており、下側カム65の外周層の頂部83は凸に尖っている。
【0077】
そして、所定の復帰位置にあるとき、両者は咬合し、コイルばね43に付勢されているため、図5に示すように、下側カム65は移動が拘束されて咬合がずれることはない。この状態からパネル体を押す或いは引くと、上側カム61の回転により、上側カム61と下側カム65は傾斜カム面70,80に沿って滑り、図6に示すように、上側カム61の外周層の底部73と下側カム65の外周層の頂部83とは離れていく。
【0078】
ここで、パネル体20bを押す或いは引く力を解除すると、コイルばね43の復元力により、上側カム61は逆方向に回転し、上側カム61と下側カム65は傾斜カム面70,80に沿って先ほどとは逆方向に滑り、上側カム61の外周層の底部73と下側カム65の外周層の頂部83とは確実に元の咬止した位置に戻り、それ以上行き過ぎることはない。すなわち、たとえ最初は復帰力が大きいために加速がついて行き過ぎることがあっても、この力はやがて減衰し、ばねの強さにも拠るが、極く短時間のうちに元の位置に確実かつ精度良くスムーズに復帰する。
【0079】
これにより、本実施の形態に係るドアシステム1によれば、例えば一般住宅のトイレのようなところにも、不使用時に内部が見えるというようなことがない自閉式ドアを提供することができる。
【0080】
また、例えば公共施設のトイレのように幾つものトイレブースが並んでいる場合に、トイレブースのドアを不使用時にはドアを全開と全閉との中間の所定の位置で静止させるようにしたときでも、本実施の形態に係るドアシステムによれば、不使用のトイレブースのドアが、ばらつくことなく同一の角度で開いた状態に保たれ、整然とした印象を与えることができる。
【0081】
次に、本発明に係る自動復帰ヒンジ及び蝶番ユニットを用いたドアシステムの第2の実施形態について、図11を参照して説明する。
【0082】
本実施の形態のドアシステムは、図11に示すように、全開状態を保持し得る機構を備える点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0083】
図11は、本実施の形態に係るドアシステム2の折戸20が全開状態にある場合の、上部ピボット15廻りの断面を示すものである。
【0084】
図4においても説明したように、本実施の形態によれば、全開時においては、パネル体20a,20b間の隙間Woは十分に小さくすることが可能である。この場合、パネル体20aと20bとは殆ど接するまで近づき、したがって、6輪吊り車17も、吊りレール14内をこれ以上縦枠11s側に摺動することができない。この6輪吊り車17は、前後に2列並んだ垂直に配置された車17bと、その下部に水平に取り付けられた車17c及びこれらの車を一体に結合するシャーシ17dとから構成される。この内、垂直及び水平の車17b,17cはプラスティック等の材料でできており、シャーシ17dは、例えば垂直断面がU字状に形成された磁性体でできている。
【0085】
ここで、全開状態に開いた折戸20のパネル体20aに加えている力を解除すれば、折戸20は自動的に予め設定された所定の復帰位置へと戻る。しかし、引き続いて人がこのドアを通過する場合や、このドア廻りで作業をする場合等、ドアを開放状態に保っておきたい場合がある。このような場合に、マグネット95をマグネット取付金具96を介して、吊りレール14の、ドア全開位置にある6輪吊り車17の上部ピボット15側の端部に当接する位置に取り付ければ、簡易に全開状態を保持することが可能となる。また、マグネット95は吊りレール14内に収められているので、外部からは見えず、美観を損なうこともない。
【0086】
本発明に係る自動復帰ヒンジ30は、蝶番ユニット22を備える折戸形式のドアシステムを、自動的に、かつ精度良く元の位置に復帰させることを目的として開発されたものであり、したがって、蝶番ユニット22を備える折戸に用いるのが最も好適であるが、他の種類の開き戸、例えばパネル体が室内側及び室外側に180度開閉する片開き自在戸や両開き自在戸においても採用することが可能である。
【0087】
これらの場合においても、本発明に係る自動復帰ヒンジを備えた自在戸では、精度良く元の位置に復帰するので、仕切性を要求される部屋にも使用することができる。特に従来の両開き自在戸であれば、2枚の扉パネルが全閉の位置に静止せず、各々バラバラの位置で静止しているのが時々見られるが、これは美観上も好印象を与えるものではない。しかし、本発明に係る自動復帰ヒンジを採用すれば、このような不都合も生じない。
【0088】
【発明の効果】
本発明に係る自動復帰ヒンジを用いたドアシステムによれば、任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰する自動復帰ヒンジを有するドアシステムを提供することができる。
【0089】
また、以上述べたように、本発明に係るドアシステムにおいては、さらに全開状態を保持し得る機構を備えるドアシステムを提供するが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のドアシステムの一例を示す正面図。
【図2】蝶番ユニットの歯車部分の部分拡大図。
【図3】図2の歯車部分の平面図。
【図4】折戸の開閉動作の軌跡を示す図。
【図5】折戸が所定の復帰位置にある場合の自動復帰ヒンジの内部を示す図。
【図6】折戸を所定の復帰位置から90度回転させた場合の自動復帰ヒンジの内部を示す図。
【図7】自動復帰ヒンジの分解斜視図。
【図8】ダブルの山形カムを説明する図であり、(a)は上側カムの平面図、(b)は同正面図、(c)は同底面図、(d)、(e)、(f)は下側カムのそれぞれ平面図、側面図、底面図。
【図9】軸受け調整金具の平断面図。
【図10】連結部を説明する断面図。
【図11】全開保持機構を示す図。
【図12】従来の1点支点の蝶番の例を示す動作図。
【図13】従来の2点支点の蝶番の例を示す動作図。
【図14】従来の全体蝶番の例を示す部分動作図。
【符号の説明】
1,2 ドアシステム
14 吊りレール
15 上部ピボット
16 下部ピボット
17 6輪吊り車
20 折戸
20a,20b パネル体
21 回転竪柱
22 蝶番ユニット
30 自動復帰ヒンジ
31 ヒンジ本体
33 円筒状筐体
40 復帰ばね部
43 コイルばね
48 多段多角形軸
51 軸調整金具
54 ベアリング部
56 スラストベアリング
60 山形カム部
61 上側カム
65 下側カム
95 マグネット

Claims (4)

  1. ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、この自動復帰ヒンジ機構は、前記筐体に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたことを特徴とする自動復帰ヒンジ。
  2. 前記多段多角形軸は、横断面が六角形に形成されたことを特徴とする請求項1記載の自動復帰ヒンジ。
  3. ドア枠側の上枠下部にドア開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールでパネル体をスライド自在に吊持する吊り車と上部ピボット及び下部ピボットとからなる支持機構を備え、2枚のパネル体を、隣接する側端面同士をその長手方向に沿って互いに突き合わせ、かつ、互いに相手のパネル体に対して回動自在にヒンジ結合する蝶番ユニットを備え、前記両パネル体を折戸形式に開閉するドアシステムにおいて、前記上部ピボットは、ドア側に取り付けられた筐体内に、自動復帰ヒンジ機構を備え、このヒンジ機構は、上部に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたことを特徴とするドアシステム。
  4. 前記ドアが全開状態において、前記吊りレール内における前記吊り車の上部ピボット側端部に当接する位置にマグネットを取着し、前記吊り車をマグネットの引力により駐止し、前記ドアを全開位置で保持することを特徴とする請求項3記載のドアシステム。
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