JPS6211148B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、壁面がわ側縁近くの縦軸心周りで揺
動開閉自在な第１戸板を設け、この第１戸板の横
側部に、閉じ姿勢にある前記第１戸板と面一ある
いはそれに近い状態で第２戸板を複数の吊下げ部
材を介して吊下げ支持し、前記第２戸板を、開き
姿勢にある第１戸板の横側部に略平行姿勢で並ぶ
開き状態に切換えるべく、開き姿勢にある前記第
１戸板に対する遠近方向にスライド移動自在に、
且つ、開き姿勢にある前記第１戸板がわへスライ
ド移動させた状態において縦軸心周りに揺動自在
に構成してある扉装置に関する。

上記扉装置は、部屋の仕切りや収納庫入口の開
閉等に利用されるものであり、そして、閉じ状態
において外観が美麗な面一状態に戸を位置させな
がら、第１戸板のみを単独で開閉扉として使用す
ることにより、人が容易に出入りすることがで
き、第１戸板を開いた状態で第２戸板をスライド
移動のみさせる、或いは、第２戸板が複数枚ある
ときはスライド移動させた第２戸板を順次適宜の
枚数だけ揺動させることによつて、所望の第２戸
板部分のみを開けておくというように、便利な使
い方をすることができ、しかも、下部に戸のガイ
ド溝が無いようにして掃除を容易に行なわせるこ
とができ、そのうえ、第１戸板と第２戸板の全て
を開いた状態において閉じ対象空間を戸に邪魔さ
れることなく極力大きく開かせることができる等
の利点を備えている。しかし、従来では、第２戸
板をスライド自在に、且つ、揺動自在に吊下げ支
持させるに、第２戸板に連設した複数の吊下げ部
材の全てをスライド自在に支持する案内レール
に、揺動時においてこれらの吊下げ部材を支持す
る別の案内レールを連設して行なうようにしてい
るが、この場合、案内レールにおける複数吊下げ
支持部材を揺動自在に支持する部分が、屈曲する
複雑な形状の高価なものになるきらいがあり、こ
のために、第２戸板に対する支持構造が高価にな
る不都合があつた。

本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、合理的な改造によつて、単独の開閉扉とし
ても使用できる第１戸板の本来の機能を損うこと
なく第２戸板に対する支持強度が低下するのを抑
制した状態で、上記不都合を解消させるようにせ
んとするものである。

本発明は、冒記扉装置において、前記第２戸板
に連設した複数の吊下げ部材をスライド移動のみ
自在に支持する案内レールを設け、前記吊下げ部
材のうちの前記第１戸板がわの吊下げ部材を第２
戸板に対して前記縦軸心周りで相対揺動可能に取
付けるとともに、前記案内レールに、第２戸板が
前記縦軸心周りで揺動して開き姿勢に姿勢変更さ
れる際の、前記案内レールからの前記縦軸心位置
以外の箇所の吊下げ部材の離脱を許容する切欠き
を形成し、更に、前記第２戸板の下部に、前記縦
軸心と同一軸心で被係止ピンを取付け、開き姿勢
にある第１戸板がわへの第２戸板のスライド移動
にともなつて前記被係止ピンを係入し、かつ、回
転自在に支持する係入用溝を備えた固定係止枠
を、前記第１戸板の揺動軸心周りで揺動自在に床
側に枢支して、前記案内レールに沿う姿勢と壁面
に沿う姿勢とに姿勢変更自在に構成してあること
を特徴とする。

すなわち、第２戸板を吊下げ支持するに、第２
戸板の連設の複数の吊下げ部材をスライドのみ自
在に支持する案内レールを設けて、第２戸板を開
き姿勢にある第１戸板に対して遠近方向にスライ
ド移動させるようにするとともに、複数吊下げ部
材のうちの第１戸板がわのものを、第２戸板に対
して縦軸心周りで相対揺動可能に取付け、且つ、
複数吊下げ部材のうちの第２戸板に対して相対揺
動可能に取付けた部材以外のものを、切欠きを通
して案内レールに対して係脱させるようにして、
第２戸板を開き姿勢にある第１戸板がわへスライ
ド移動させた状態において縦軸心周りに揺動させ
るようにしてあるから、案内レールを単に直線状
に沿う形状の安価なレールにすることができるの
である。しかも、固定係止枠に縦軸心周りに回転
自在に係止支持される被係止ピンを第２戸板の下
部に取付けてあるから、第２戸板の揺動時に、複
数の吊下げ部材のうちの回転する部材以外のもの
を案内レールから離脱させながらも、第２戸板を
その姿勢を一定化させるように支持した状態で良
好に揺動させることができるのである。そのう
え、固定係止枠を、第２戸板のスライド移動に伴
つて係止ピンを係脱する状態で設けてあるから、
係止ピンに対する特別な操作を要せずに、係止ピ
ンを固定係止枠に係脱させることができるのであ
る。

しかも、前記固定係止枠は第１戸板を開閉する
軸心と同一軸心で、案内レールに沿う姿勢と壁面
に沿う姿勢とに揺動自在に設けてあるので、第１
戸板のみを開閉扉として使用するときに、この固
定係止枠を壁面に沿う姿勢に揺動しておけば通行
の邪魔にならず、開閉扉としての機能が損われる
ことがない。

もつて、これら利点の相剰により、極めて便利
に使用することが可能な扉装置を得るに至つた。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

例示図は、部屋を仕切るために設けた扉装置を
示し、第１図及び第２図に示すように、縦軸心Ｘ
周りに揺動開閉自在な第１戸板１を設けるととも
に、第１戸板１の横側部に、２枚の第２戸板２
ａ，２ｂを、閉じ状態において、全ての戸板１，
２ａ，２ｂを面一あるいはそれに近い状態で連ね
るよう設けてある。そして、両第２戸板２ａ，２
ｂを、開き状態における第１戸板１の横側部に略
平行姿勢で並ぶ開き状態に切換えるべく、後述の
如く、第１戸板１に対する遠近方向にスライド自
在に、且つ、第１戸板１がわへスライド移動させ
た状態において縦軸心Ya，Yb周りに揺動自在に
吊下げ支持してある。

第１図乃至第４図に示すように、前記両第２戸
板２ａ，２ｂを吊下げ支持するための直線状案内
レール３を設け、両第２戸板２ａ，２ｂ夫々の第
１戸板がわ端部に、案内レール３における受け面
Ｔに載置され、且つ、案内レール３におけるガイ
ド溝Ｓに係入される第１転輪を設け、第１転輪４
に対する支持片５を、第２戸板がわに埋設したナ
イロンナツト６に螺着されるボルト７に対して、
縦軸心周りに回転可能に、且つ、上方移動不能に
外嵌させ、両第２戸板２ａ，２ｂ夫々の第１戸板
１から離れるがわ端部に、前記受け面Ｔに載置さ
れる第２転輪８を、第２戸板がわにボルト固定し
た支持片９に取付けた状態で設け、もつて、第２
戸板２ａ，２ｂがスライド移動できるようにして
ある。

第２図乃至第５図に示すように、前記案内レー
ル３の受け面Ｔにおける第１戸板がわ端部近く
に、第１転輪４をそのスライド移動位置を規制す
るよう係合する凹部１０を備えた転輪受け枠１１
を取付け、前記両第２戸板２ａ，２ｂの下部に、
固定係止枠１４に前記縦軸心Ya，Yb周りに回転
自在に係止支持される被係止ピン１２ａ，１２ｂ
を取付け、前記案内レール３、及び、それに連設
のカバー体３Ａに、第２戸板揺動時に、前記第２
転輪８を係脱を許容する切欠き１３，１３Ａを形
成し、もつて、両第２戸板２ａ，２ｂが前記縦軸
心Ya，Yb周りで揺動できるようにしてある。

前記両第２戸板２ａ，２ｂ夫々に備える第１、
第２転輪４，８の横間隔を、前記両縦軸心Ya，
Ybの横間隔に相当する長さだけ、第１戸板がわ
の方が他方よりも長くなるように設定してあり、
前記切欠き１３，１３Ａを小さな横巾にすること
ができるようにしてある。

前記両被係止ピン１２ａ，１２ｂのうち第１戸
板がわのもの１２ａの外径を、他方のもの１２ｂ
の外径よりも小さくしてある。そして、前記固定
係止枠１４に、第２戸板スライド方向に沿うピン
係入用溝１５を、第１戸板１から離れる方向の端
部においてのみ開口する状態で、且つ、第１戸板
がわに向つて段階的に小巾となる状態に形成する
とともに、所望係止位置にある被係止ピン１２ｂ
が第１戸板１から離れる方向に移動するのを係止
阻止するストツパー１６を、被係止ピン１２ｂの
通過を許容すべく弾性変形させる状態で設け、も
つて、被係止ピン１２ａ，１２ｂが、第２戸板２
ａ，２ｂのスライド移動に伴つて固定係止枠１４
に係脱できるようにしてある。尚、固定係止枠１
４は、４つの被係止ピンを係止支持できる状態に
成形加工され、その後、所望の長さに切断される
ものである。そして、切断の容易化を図るべく、
予め凹溝Ａが成形加工されている。

第２図、第５図、及び、第１０図に示すよう
に、前記第１戸板１を取付けるに、案内レール３
の端部にビス止めした受け片１７Ａに回転自在に
係入する枢支ピン１７を設け、戸板１の下部に螺
着した枢支軸１８を下方移動不能に且つ回転自在
に支持するベアリング１９を設け、更に、枢支軸
１８に螺着した円盤状部材２０を内嵌支持する固
定筒状部材２１を前記ベアリング１９に付設して
ある。

前記固定係止枠１４を、第１戸板１の縦軸心Ｘ
周りで回転可能な状態で前記筒状部材２１に外嵌
し、固定係止枠１４に、それを第２戸板スライド
方向に沿う作用姿勢とそれから90度回転した非作
用姿勢とで固定すべく、前記筒状部材２１の周部
に形成した凹部２２に係脱自在に係合するボール
２３をスプリング２４にて係合がわへ付勢した状
態で取付け、もつて、第１戸板１のみを開閉させ
て使用する際に、固定係止枠１４を邪魔にならな
い状態で格納することができるようにしてある。

第２図及び第６図に示すように、前記両第２戸
板２ａ，２ｂのうち第１戸板がわのもの２ａにお
ける第１戸板がわ横側部に、第１戸板１にビス止
めした被接当部材２５を受止める部材２６をビス
止めし、被接当部材２５に、粉状磁性体が混入す
る緩衝用樹脂材２７を取付け、受止め部材２６
に、前記樹脂材２７に磁着可能な金属材２８を取
付け、もつて、第１戸板１の閉じがわへの揺動限
度を規制できるようにするとともに、第１戸板１
を閉じ状態に固定させることができることができ
るようにしてある。

第２図、第７図、及び、第８図に示すように、
前記両第２戸板２ａ，２ｂの一方に、戸板スライ
ドに伴つて他方の横端部に係脱自在に係合する係
止枠２９を設け、両第２戸板２ａ，２ｂ夫々の下
部、及び、第１戸板がわの第２戸板２ａの上部
に、係止杆３０を、床及び前記案内レール３に形
成した係合孔に係合する作用姿勢と戸内方がわへ
移動した非作用姿勢とに亘つて上下スライド自在
に支持させるとともに、係止杆姿勢規制用ボール
３１を、係止杆３０に係脱自在に係合させる状態
で、且つ、スプリング３２にて係合がわへ付勢す
る状態で設け、もつて、両第２戸板２ａ，２ｂを
閉じ状態で固定できるようにしてある。

第２図及び第９図に示すように、前記両第２戸
板２ａ，２ｂ夫々の下端部と床との間を閉じる板
状体３３を、閉じ作用姿勢と第２戸板２ａ，２ｂ
内に引退する格納姿勢とに切換えるよう、左右一
対の上下揺動アーム３４，３４に枢支した状態で
設け、板状体操作用ロツド状部材３５を、両揺動
アーム３４，３４と係止連結される状態で、且
つ、壁又は他方の戸板との接当により板状体３３
を閉じ作用姿勢に操作すべく後退スライド移動さ
れる状態で設け、更に、ロツド状部材３５を突出
がわへ復帰付勢するスプリング３６を設け、もつ
て、第２戸板２ａ，２ｂを閉じ状態に切換えるに
伴い、第２戸板下端部と床との間を自動的に閉じ
ることができるように構成してある。又、前記第
１戸板１に、第２戸板用板状体３３と同じ構造で
板状体３３を備えさせるとともに、板状体操作用
ロツド状部材３５を、第１戸板１の閉じがわへの
揺動に伴つて第２戸板１２ａの横側部にて接当押
圧操作される状態で設けてある。

第２図及び第１０図に示すように、前記案内レ
ール３における第１戸板がわ端部近くに、前記第
１転輪４を上下方向に係脱する切欠き３７を形成
し、もつて、前記受止片１７Ａを取外した状態に
おいて、第２戸板２ａ，２ｂの組付けを、先ず戸
板２ａ，２ｂを上方移動させながら、第１転輪４
を切欠き３７を通して案内レール３に載せ付け、
次に、戸板２ａ，２ｂを揺動させながら、第２転
輪８を切欠き１３，１３Ａを通して案内レール３
に載せ付ける手順で行なえるようにしてある。

尚、本発明を実施するに、１枚の第２戸板２ａ
のみを設けるようにしたり、３枚以上の第２戸板
２ａを設けるようにしてもよい。

又、吊下げ部材４，８としては、転輪の他、案
内レール３に対して摺動する形態のもの等、その
他各種のものが使用できる。そして、第１戸板が
わ吊下げ部材４を、案内レール３に対して縦軸芯
Ya周りに回転させる状態で設けてもよい。又、
吊下げ部材４，８を、３個以上設けるようにして
もよい。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る扉装置の実施例を示し、第
１図イ，ロは扉装置の斜視図、第２図は同装置の
一部省略切欠き正面図、第３図は第２図における
―線断面図、第４図は第２図における―
線断面図、第５図は固定係止枠の一部切欠き平面
図、第６図乃至第１０図の夫々は、第２図におけ
る―，―，―，―，―線断
面図である。 １……第１戸板、２ａ，２ｂ……第２戸板、３
……案内レール、４，８……吊下げ部材、１２
ａ，１２ｂ……被係止ピン、１３……切欠き、１
４……固定係止枠、Ｘ，Ya，Yb……縦軸心。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 壁面がわ側縁近くの縦軸心Ｘ周りで揺動開閉
   自在な第１戸板１を設け、この第１戸板１の横側
   部に、閉じ姿勢にある前記第１戸板１と面一ある
   いはそれに近い状態で第２戸板２ａ，２ｂを複数
   の吊下げ部材４，８を介して吊下げ支持し、前記
   第２戸板２ａ，２ｂを、開き姿勢にある第１戸板
   １の横側部に略平行姿勢で並ぶ開き状態に切換え
   るべく、開き姿勢にある前記第１戸板１に対する
   遠近方向にスライド移動自在に、且つ、開き姿勢
   にある前記第１戸板１がわへスライド移動させた
   状態において縦軸心Ya，Yb周りに揺動自在に構
   成してある扉装置であつて、前記第２戸板２ａ，
   ２ｂに連設した複数の吊下げ部材４，８をスライ
   ド移動のみ自在に支持する案内レール３を設け、
   前記吊下げ部材４，８のうちの前記第１戸板１が
   わの吊下げ部材４を第２戸板２ａ，２ｂに対して
   前記縦軸心Ya，Yb周りで相対揺動可能に取付け
   るとともに、前記案内レール３に、第２戸板２
   ａ，２ｂが前記縦軸心Ya，Yb周りで揺動して開
   き姿勢に姿勢変更される際の、前記案内レール３
   からの前記縦軸心Ya，Yb位置以外の箇所の吊下
   げ部材８の離脱を許容する切欠き１３を形成し、
   更に、前記第２戸板２ａ，２ｂの下部に、前記縦
   軸心Ya，Ybと同一軸心で被係止ピン１２ａ，１
   ２ｂを取付け、開き姿勢にある第１戸板１がわへ
   の第２戸板２ａ，２ｂのスライド移動にともなつ
   て前記被係止ピン１２ａ，１２ｂを係入し、か
   つ、回転自在に支持する係入用溝１５を備えた固
   定係止枠１４を、前記第１戸板１の揺動軸心Ｘ周
   りで揺動自在に床側に枢支して、前記案内レール
   ３に沿う姿勢と壁面に沿う姿勢とに姿勢変更自在
   に構成してあることを特徴とする扉装置。