JP3680617B2 - 吸着処理用部材 - Google Patents

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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理ガス中の被吸着成分を吸着処理する吸着処理用部材に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両室内には、燃料やオイル等の分解ガス、タバコに由来する燃焼生成物、内装用ボード類や車内装備の接合等に用いられる接着剤や断熱用発泡樹脂等から揮散する有機化合物等の悪臭又は無臭有毒な気体成分が存在している。また、住居内においても、タバコに由来する燃焼生成物はもとより、シックハウスが問題になっているように断熱材や合板材の接着剤から揮散する有害気体成分が存在している。このような気体成分中には、通常、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド等のカルボニル基含有化合物が含まれている。
【0003】
上記悪臭又は無臭有毒な気体成分を除去する方法としては、活性炭等の物理的吸着剤を利用する吸着処理方法がよく用いられているが、この方法では、特に上記カルボニル基含有化合物の吸着除去能力が不十分となる。また、活性炭等の物理的吸着剤は、被処理ガス中の被吸着成分を吸着しても、温度、湿度、被吸着成分の濃度等の環境変化によりその吸着した被吸着成分を放出してしまうという問題がある。
【0004】
そこで、従来、例えば特開平9−313828号公報に示されているように、活性炭やゼオライト等の担体に、アミン系やアンモニア系の化合物からなるアルデヒド類除去用薬剤を担持させた化学的吸着剤を用いることにより、アルデヒド類を除去して空気を清浄化するようにすることが提案されている。
【0005】
一方、物理的吸着剤であっても化学的吸着剤であっても吸着量には一定の限界があり、吸着能力が徐々に低下してやがては十分な吸着処理を行うことができなくなるため、例えば特開平10−202046号公報に示されているように、空気調和機に組み込まれる除塵脱臭フィルターのうちの脱臭フィルターを、空気調和機に対して着脱自在に取り付けることで、脱臭フィルターを再生可能にすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記前者の提案例(特開平9−313828号公報)の化学的吸着剤では、アルデヒド類を吸着処理することはできるものの、以下のような問題点がある。すなわち、アルデヒド類除去用薬剤のうち、トリエタノールアミン、ピリジン及びヘキサメチレンテトラミンは常温でアンモニアのような刺激臭を有し、カゼイン、カゼインナトリウム及びグリシンは常温で臭気を有し、尿素及びチオ尿素は高温(80〜100℃)で異臭を発し、これは水分の存在で激しくなる。また、アミン系又はアンモニア系の塩の場合は、臭気の問題は生じないものの、水分の作用により解離して、腐食性の高い酸イオンを生成したり(硫酸アンモニウム、EDTA、2Na等)、酸を遊離したり(ポリアリルアミン塩酸塩、硫酸アミノグアニジン、硝酸グアニジン、硫酸ヒドロヒシルアミン等)するという問題がある。さらに、ジメチルヒダントインの場合は、臭気や腐食の問題は生じないが、昇華性を有するために吸着剤としては使用し難いものである。このように、上記提案例のものはアルデヒド類除去用薬剤自体にかなり大きな問題があって、実用的ではない。
【0007】
一方、上記後者の提案例(特開平10−202046号公報)のように脱臭フィルターを空気調和機に着脱自在に取り付けて再生できるようにしても、吸着剤は、通常、被吸着成分を吸着しても外観的に変化しないため、その吸着能力が低下した状態にあるか否かを判断することは困難であり、再生時期を容易に検知することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被処理ガス中の被吸着成分を吸着処理する吸着処理用部材に対して、特に被吸着成分がアルデヒド類やケトン類のようなカルボニル基含有化合物である場合に、臭気や腐食の問題を生じさせることなくそのカルボニル基含有化合物を吸着し得るようにすると共に、その寿命の判定を容易に行えるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、水分の存在下で被処理ガス中の被吸着成分としてのカルボニル基含有化合物と化学的に反応して該カルボニル基含有化合物吸着する、レゾルシンからなる吸着性物質と、該吸着性物質を担持する吸水性担持材であって、上記被処理ガス中の湿分を吸収して、該吸着性物質に対し、上記カルボニル基含有化合物と吸着性物質との反応媒体としての水分を供給する吸水性物質とを含有する化学的吸着剤を備えると共に、吸着処理用部材の少なくとも一部に、上記吸着性物質の変色度合いを確認し得る変色確認部を設けるようにした。
【0010】
具体的には、請求項1の発明では、被処理ガス中の被吸着成分を吸着処理する吸着処理用部材を対象とする。
【0011】
そして、水分の存在下で上記被吸着成分としてのカルボニル基含有化合物化学的に反応して該カルボニル基含有化合物を吸着する、レゾルシンからなる吸着性物質と、該吸着性物質を担持する吸水性担持材であって、上記被処理ガス中の湿分を吸収して、該吸着性物質に対し、上記カルボニル基含有化合物と吸着性物質との反応媒体としての水分を供給する吸水性物質とを含有する化学的吸着剤を備え、少なくとも一部に、上記吸着性物質の被吸着成分吸着量に応じた変色度合いを確認し得る変色確認部が設けられているものとする。
【0012】
このことにより、レゾルシンは、アルデヒド類やケトン類のようなカルボニル基含有化合物に対する捕捉効果が非常に高く、しかも、アミン系やアンモニア系の化合物とは異なり、臭気を発したり腐食性の高いイオンを生成したりすることはなく、また、昇華性を有していないので、何の問題もなく吸着処理用部材に使用することができる。そして、このレゾルシンは、被吸着成分を吸着すると白色から黄色に変色し、その変色度合いは被吸着成分吸着量に応じて変化する。したがって、その変色度合いを変色確認部により確認することで、吸着処理用部材の吸着能力の程度が分かり、その寿命の判定を容易に行うことができる。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、吸着処理用部材は、被取付部材に対して着脱自在に取り付けられているものとする。このことで、変色確認部により変色度合いを確認して吸着能力が低下した状態にあると判断したときに、新しいものと容易に交換することができる。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、変色確認部は、化学的吸着剤が透明状の通気性部材により覆われてなるものとする。
【0015】
この発明により、変色度合いの確認を容易にしつつ、変色確認部における化学的吸着剤の吸着性物質の変色度合いを他の部分と略同じにすることができ、吸着処理用部材の寿命の判定を正確に行うことができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかの発明において、変色確認部は、本体部と別体に設けられてなるものとする。
【0017】
こうすることで、本体部を従来より用いられている公知の形態と略同じにすることができ、製造工程等を簡略化することができる。また、変色確認部の構成や配置の自由度を向上させることができる。
【0018】
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかの発明において、吸水性物質は、H型ゼオライトであるものとする。このことにより、吸着性物質の被吸着成分(特にカルボニル基含有化合物)に対する反応性を高めることができる。
【0019】
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかの発明において、吸水性物質は、ZSM5型ゼオライトであるものとする。このことで、請求項5の発明と同様の作用効果が得られ、特に吸水性物質がH型かつZSM5型ゼオライトであれば、吸着能力を最大限に高めることができる。
【0020】
請求項の発明では、請求項1〜のいずれか1つの発明において、吸着処理用部材は、さらに活性炭、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ、ベントナイト、ケイソウ土及びボーキサイトよりなる群から選択される少なくとも1種の物理的吸着剤を備えているものとする。
【0021】
この発明により、多種類の被吸着成分を吸着することができると共に、物理的吸着剤が、一旦吸着した被吸着成分を放出したとしても、この被吸着成分を化学的吸着剤により吸着させるようにすることができる。よって、吸着処理部材全体の吸着効果を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る吸着処理用部材としてのフィルタ部材1が設けられた車両空調装置31を示し、この空調装置31は、その空調通路41内に、送風機42と、該送風機42の下流側に設けられたエバポレータ43と、該エバポレータ43の下流側に設けられたヒータ44とを備えている。このヒータ44の直ぐ上流側には、ヒータ44を通過させる風量を調節する調節ダンパー45が設けられている。
【0023】
上記空調通路41の上流端には、外気導入口46と内気導入口47,47とが設けられ、切替ダンパー48,48により外気及び内気のいずれかが空調通路41内に導入されるようになっている。また、上記送風機42の上流側には除塵フィルタ49が配設され、この除塵フィルタ49により上記外気導入口46又は内気導入口47,47から空調通路41内に導入された空気中の塵や埃を除去するようになっている。一方、空調通路41の下流端には、空調空気をセンターコンソール等から車両室内に吹き出す吹出口50,50が設けられている。
【0024】
上記空調装置31は、送風機ユニット32、クーリングユニット33及びヒータユニット34の3つのユニットからなっている。この送風機ユニット32は、上記空調通路41を形成する送風機ユニット本体36、上記送風機42、外気導入口46、内気導入口47,47、切替ダンパー48,48及び除塵フィルタ49を備えている。また、クーリングユニット33は、空調通路41を形成するクーリングユニット本体37及び上記エバポレータ43を備え、ヒータユニット34は、空調通路41を形成するヒータユニット本体38,上記ヒータ44、調節ダンパー45及び吹出口50,50を備えている。
【0025】
上記クーリングユニット本体37の空調通路41内において送風機42とエバポレータ43との間にはフィルタ取付部55が形成され、このフィルタ取付部55に、図2にも示すように、シート状の4つのフィルタ部材1,1,…が上下左右に2つずつ並ぶように取り付けられている。つまり、この各フィルタ部材1は、空調用空気(被処理ガス)が一方向(図1の左側から右側方向)に流動する部分に配設されて、該空気中の被吸着成分を吸着処理するものである。この各フィルタ部材1を通過した空気は、エバポレータ43及びヒータ44に送り込まれ、その空気をエバポレータ43は冷媒蒸発時の気化熱によって冷却する一方、ヒータ44はエンジンの冷却水を利用して加熱する。したがって、吹出口50,50からは、清浄されかつ空調された空気が車両室内に吹き出される。
【0026】
上記各フィルタ部材1は、図3に示すように、上側から見てジグザグ状(波形状)をなしている。また、この各フィルタ部材1の側面全周は、樹脂等からなる枠状部材8の内面に取付固定されており、各フィルタ部材1はこの枠状部材8により撓まないように支持されている。
【0027】
上記フィルタ取付部55直下のクーリングユニット本体37下面には、図4に示すように、上記各フィルタ部材1を枠状部材8と共に出し入れすることが可能なフィルタ出入孔56が形成されている。このフィルタ出入孔56は、図2の右側に位置するフィルタ部材1,1の真下に相当する部分に設けられており、左側に位置するフィルタ部材1,1を出し入れする際には、そのフィルタ部材1,1を左右方向にスライドさせて行う。
【0028】
上記フィルタ出入孔56の近傍には、2つの係止孔57,57とネジ58とが互いにフィルタ出入孔56に対して反対側に位置するように設けられている。この係止孔57,57には、フィルタ固定部材61の係止部61a,61aが係止され、上記ネジ58には、該フィルタ固定部材61の締付部61bを介してちょうナット59が螺合されている。このことで、フィルタ固定部材61は、フィルタ出入孔56を跨ぐようにクーリングユニット本体37下面に固定されている。このフィルタ固定部材61の左右両側にはフィルタ固定部61c,61cが形成され、このフィルタ固定部61c,61cにより、装填したフィルタ部材1が上記フィルタ取付部55に枠状部材8を介して取付固定されるようになっている。このことで、各フィルタ部材1は、クーリングユニット本体37(被取付部材)のフィルタ取付部55に対して着脱自在に取り付けられていることになる。
【0029】
上記各フィルタ部材1の厚み方向両面は、図5に示すように、濾紙や不織布等のように内部に繊維を有する2つの通気性部材16,16によって構成され、この両通気性部材16,16間には化学的吸着剤14,14,…が挟持されている。上記両通気性部材16,16の内側面には、熱溶着性の接着剤が塗布されており、化学的吸着剤14を通気性部材16,16間に挟持した状態で高温下において加圧することで、その接着剤により各通気性部材16と化学的吸着剤14とが接着されていると共に、各通気性部材16の周囲部(枠状部材8に接する部分)や周囲部以外の不特定の部分において両通気性部材16,16同士が接着されている。また、この加圧により各フィルタ部材1が上述の如くジグザグ状に形成されている。
【0030】
上記4つのフィルタ部材1,1,…のうち右下側に配置されたもの(フィルタ出入孔56に最も近いフィルタ部材1)は、図2及び図5に示すように、その一部(右下部)に、上記化学的吸着剤14の変色度合いを確認し得る変色確認部3を有している。すなわち、上流側の通気性部材16の変色確認部3に相当する部分は、多数の小孔が形成(ポーラス加工)されかつ通気抵抗が通気性部材16と略同じに設定された透明フィルム17で構成され、この透明フィルム17によりフィルタ部材1の外部から内部の化学的吸着剤14が見えるようになっている。つまり、変色確認部3は、化学的吸着剤が透明状の通気性部材としての透明フィルム17により覆われてなっている。そして、上記化学的吸着剤14は、水分の存在下で空調用空気中の被吸着成分と反応して該被吸着成分を吸着する、レゾルシンからなる吸着性物質と、上記反応時に該吸着性物質に水分を供給する吸水性物質とを含有しており、このレゾルシンからなる吸着性物質は、被吸着成分を吸着すると白色から黄色に変色し、その変色度合いは被吸着成分吸着量に応じて変化するので、その変色度合いを上記変色確認部3にて確認することができるようになっている。
【0031】
上記化学的吸着剤14の吸水性物質は、上記吸着性物質に対して非反応性でかつ空気中の水分を吸収する性質を有するものであればその種類は特に限定されないが、吸水性無機物質及び吸水性ポリマーのうちの少なくとも1種であることが望ましい。上記吸水性物質は、水分存在下で行われる吸着性物質と被吸着成分との化学反応の場として用いられ、その吸水性によって空気中の水分を吸収するので、反応媒体となる水分を外部から補わなくても反応を効率良く行わせることが可能である。また、上記吸水性物質、上記吸着性物質を担持する吸水性担持材であり、これにより、取り扱い易くなると共に、反応場の提供の観点からも好ましく、しかも、吸着性物質が吸水性物質の周囲を取り巻くので、吸着性物質の変色度合いを確認し易くなる。
【0032】
上記吸水性無機物質としては、一般に無機質担体として用いられるシリカゲル、ゼオライト、アルミナ、ケイソウ土、活性炭等が好ましいものとして例示され、これらは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。ゼオライトは、イオンタイプによってNa型とH型(プロトン型)とに分類されるが、上記吸着性物質と被吸着成分(特にカルボニル基含有化合物)との反応性を高くできるという観点からは、H型ゼオライトの方が好ましい。また、ゼオライトは、結晶構造によってA型(平均細孔径:約2.5×10-10m)、ZSM5型(同5.5×10-10m)、Y型(同6×10-10m)、X型(同10×10-10m)等に分類されるが、上記と同じ観点からは、ZSM5型ゼオライトが好ましい。このH型かつZSM5型ゼオライトは、吸水性物質として最適なものである。尚、後述の如く、吸着性物質と共に弱酸性物質や弱塩基性物質を併用した場合には、水分を吸収したときにこれらの弱酸性物質や弱塩基性物質に由来して生じる酸やアルカリによって、空調装置31の酸腐食やアルカリ腐食が生じることも懸念されるので、吸水性物質として、H型ゼオライト等の固体酸性物質やNa型ゼオライト等の固体塩基性物質を使用することが推奨される。
【0033】
上記吸水性ポリマーとしては、アクリル酸又はその塩系、アクリルアミド系、マレイン酸系、エチレンオキサイド系、ビニルアルコール系の単独又は共重合体、変性澱粉、変性セルロース等が好ましいものとして例示され、より好ましい具体例としては、ポリアクリル酸塩、アクリル酸とビニルアルコールやアクリル酸エステルとの共重合体又はその塩、アクリルアミド系重合体、ポリエチレンオキサイド、マレイン酸−イソブチレン共重合体の塩、澱粉やカルボキシルセルロースのアクリル酸塩グラフト変性物等が挙げられ、これらは単独で使用することもでき、2種以上を適宜に組み合わせて使用することもできる。
【0034】
上記吸着性物質のレゾルシンは、特に、空気中の被吸着成分が、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド等のカルボニル基含有化合物である場合に、水分の存在下でその吸着能力を発揮するものであって、カルボニル基に対して付加反応性を示す活性水素を有し、化学反応によってカルボニル基含有化合物を吸着除去することができるものである。この吸着性物質により、カルボニル基含有化合物に対して非常に高レベルの吸着処理効率が得られると共に、一旦吸着処理した後は、反応物が吸水性物質中に取り込まれるため、被吸着成分が単独で放出されることはない。しかも、アミン系やアンモニア系の化合物とは異なり、吸着性物質自体が臭気を発したり腐食性の高いイオンを生成したりすることはなく、また、昇華性を有していないので、実用上何の問題もない。
【0035】
上記吸着性物質のレゾルシンと共に、蓚酸等の弱酸性物質や、炭酸ナトリウム等の弱塩基性物質を併用すると、アルデヒド等に対する捕捉効果が一段と高められ、より一層優れた吸着処理効果を発揮する。これは、上記弱酸性物質や弱塩基性物質がレゾルシンとアルデヒド等(特にホルムアルデヒド)との反応の触媒として作用するためと考えられる。
【0036】
上記吸着性物質と吸水性物質との重量比は、吸着処理活性、飽和担持量、求められる吸着能力等を考慮して設定すればよいが、吸着性物質の重量を吸水性物質の重量に対して0.1〜50%に設定することが望ましい。これは、吸着性物質の重量が吸水性物質の重量に対して0.1%よりも小さいと、吸着能力が十分に発揮されない一方、50%よりも大きいと、吸着性物質の使用量の割には吸着能力が向上しないからである。また、吸着性物質を多く加え過ぎると、後述の如く造粒する場合に造粒性が悪化する傾向が見られるからである。この重量比のより好ましい上限値は20%であり、さらに好ましい上限値は10%である。一方、より好ましい下限値は、吸着性能の観点から5%である。
【0037】
上記吸水性物質は、通常、微粉末で提供されるので、この微粉末の状態で用いてもよいが、取り扱い性が悪く、しかも、化学的吸着剤14を通気性部材16,16間に挟持して用いる際、通気性部材16の目が粗い場合にはその通気孔から抜け落ちることがある。したがって、結合剤を用いて吸着性物質と吸水性物質とを結合すると共に、吸水性物質同士をも結合することが望ましい。つまり、造粒して粒状体を形成すればよい。
【0038】
上記結合剤の重量は、吸水性物質の重量に対して1.3〜8%に設定することが好ましい。これは、結合剤の重量が吸水性物質の重量に対して1.3%よりも小さいと、造粒して粒状体を形成しても僅かな力で破砕されてしまう一方、8%よりも大きいと、結合剤により吸着性物質及び吸水性物質が覆われて吸着能力が低下するからである。また、後述の如く、結合剤として水溶性ポリマーを用いて吸着性物質の水溶液を添加して造粒作業を行う場合に、その水溶性ポリマーの重量が吸水性物質の重量に対して8%を越えると、系の粘度が上昇すると共に粘着性を帯びて、造粒作業が困難になるためである。この重量比のより好ましい上限値は5%であり、さらに好ましい上限値は3%である。
【0039】
上記結合剤としては、水溶性ポリマーが適している。この水溶性ポリマーを使用すれば、有機溶剤を使用することなく造粒作業を行うことができるからである。また、吸着性物質のレゾルシンが水溶性であるため、水に溶解させたポリマーと吸着性物質とを、吸水性物質と共に混合して造粒することにより、簡単に粒状体を形成することができるからである。水溶性ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等が挙げられるが、このうち、比較的少ない使用量でも強度の優れた粒状体が得られるという観点からポリビニルアルコールが最適である。尚、吸水性物質との濡れ性が劣る場合には、少量の界面活性剤を添加して造粒を行ってもよい。
【0040】
上記結合剤により造粒する方法としては、吸着性物質、吸水性物質及び結合剤を一度に混合して造粒する方法、吸着性物質と吸水性物質とを混合してから若干量の結合剤を添加して予備造粒を行った後、所定量となるように結合剤を添加して本造粒する方法、結合剤及び吸水性物質のみからなる粒状体を形成した後、吸着性物質の水溶液又はアルコール溶液に浸漬する方法、結合剤と吸着性物質とを、水溶液等を調製する等して混合した後、この混合物と吸水性物質とを混合して造粒する方法等が採用可能である。尚、造粒手段としては、押出成形や高速混合造粒等の公知の手段を用いればよい。
【0041】
上記化学的吸着剤14の粒状体中には水が残存していてもよく、水が残存していなくても、空気中の湿気を吸水性物質が吸収することによって補われるため、水分の補給の必要はない。但し、吸着処理の初期段階から高レベルの吸着能力を発揮させるには、当初から適量の水分を吸水性物質に吸収させておくようにすることが望ましい。
【0042】
上記造粒により形成した粒状体の大きさは、特に限定はされないが、吸着処理効率に影響する粒状体の表面積、通気抵抗及び取り扱い性の観点から、平均粒径を0.1〜1mmに設定することが好ましい。尚、公知の造粒手段により得られる粒状体の平均粒径が1mmよりも大きい場合には、粉砕して篩い分けを行えば、容易に上記範囲のものが得られる。
【0043】
このように化学的吸着剤14として粒状体のものを用いると、取り扱い性が向上すると共に、特に吸水性物質が通気性部材16の通気孔から抜け落ちるような不具合もない。また、結合剤の重量を、吸水性物質の重量に対して1.3〜8%に設定することで、良好な吸着性能が得られると共に、上述の如く化学的吸着剤14を通気性部材16,16間に挟持してから加圧しても、その化学的吸着剤14が破砕してしまうようなことはない。
【0044】
したがって、上記実施形態では、各フィルタ部材1が、レゾルシンからなる吸着性物質と吸水性物質とを含有する化学的吸着剤を備えているので、特にアルデヒド類やケトン類のようなカルボニル基含有化合物を、臭気、腐食性、昇華性等の問題を有することなく確実にかつ効果的に吸着処理することができる。また、このレゾルシンは、被吸着成分を吸着すると白色から黄色に変色し、被吸着成分の吸着量が多くなるにつれて黄変の程度が激しくなる。したがって、その変色度合いを見ればその寿命の判定を容易に行うことができる。そして、この実施形態では、その変色度合いを確認し得る変色確認部3が設けられているので、そのフィルタ部材1をクーリングユニット本体37のフィルタ出入孔56から取り出すだけで容易に交換時期を検知することができ、交換時期であると判断したときには、新しいものと容易に交換することができる。また、変色確認部3の透明フィルム17の通気抵抗は通気性部材16と略同じに設定されているので、変色確認部3における化学的吸着剤14の吸着性物質の変色度合いは、他の部分と略同じにすることができ、交換時期の判定を正確に行うことができる。
【0045】
尚、上記実施形態では、変色確認部3に透明フィルム17を設けて内部の化学的吸着剤14が見えるように構成したが、上流側の通気性部材16における上流側表面の一部に、内部の化学的吸着剤14と同じものを直接担持させるようにしてもよい。この場合には、内部のものと変色度合いが異なるが、それらの対応関係を実験等により調べておけば問題はない。
【0046】
また、上記実施形態では、フィルタ部材1の一部を変色確認部3に設定したが、上流側の通気性部材16全体を透明フィルム17に代える等してフィルタ部材1の略全体を変色確認部3に設定してもよい。
【0047】
さらに、変色確認部3において、上流側だけでなく下流側にも透明フィルム17を設けるようにしてもよい。こうすれば、フィルタ部材1の厚みが大きい場合に、化学的吸着剤14の変色度合いが上流側と下流側とで異なっても、交換時期の判定を正確に行うことができる。
【0048】
また、変色確認部3を、例えば図6に示すように、枠状部材8の角部の切り欠いた部分に設ける等して、吸着処理を行う本体部2とは別体に設けるようにしてもよい。この変色確認部3は、図7に示すように、空調用空気の流動方向に延びかつ両端が開口された断面矩形状(断面円形状でもよい)の透明容器18(ガラスや樹脂等からなる)と、該透明容器18の内部に装填された化学的吸着剤14(本体部2内部と同じもの)と、この化学的吸着剤14の両側に配設された通気性部材19,19とで構成する。一方、本体部2は、上記実施形態におけるフィルタ部材1(透明フィルム17がないもの)と同じ構成でよい。そして、本体部2と変色確認部3との通気抵抗は略同じに設定しておく。こうすれば、透明容器18内の化学的吸着剤14が上流側から順に変色していくので、時間の経過に伴ってインジケータのように変色した部分の長さが大きくなり、交換時期の判定がより一層容易となる。そして、このように変色確認部3を本体部2と別体に設けるようにすれば、変色確認部3の配置の自由度が向上し、例えばクーリングユニット本体37の一部を透明にしておくことで、フィルタ部材1を取り出さなくても変色度合いを確認できる位置に配置することができる。また、別体にすれば、変色確認部3の構成の自由度も向上し、化学的吸着剤14を透明状の通気性部材により覆った構成は勿論のこと、種々の構成を採用することができる。
【0049】
さらに、上記実施形態では、フィルタ部材1が化学的吸着剤14のみを備えるようにしたが、化学的吸着剤14に加えて、さらに活性炭、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ、ベントナイト、ケイソウ土及びボーキサイトよりなる群から選択される少なくとも1種の物理的吸着剤を備えるようにしてもよい。このようにすれば、多種類の被吸着成分を吸着することができると共に、物理的吸着剤が、温度、湿度、被吸着成分の濃度等の環境変化により、一旦吸着した被吸着成分を放出したとしても、その被吸着成分は化学的吸着剤14により吸着される。そして、この場合、上記物理的吸着剤と化学的吸着剤14とを互いに近傍に配置すれば、物理的吸着剤から放出された被吸着成分が化学的吸着剤14により確実に吸着され、フィルタ部材1全体の吸着能力をより一層向上させることができる。このように物理的吸着剤と化学的吸着剤14とを備える場合には、両吸着剤を上記実施形態におけるフィルタ部材1内に配置するようにしてもよく、上記フィルタ部材1の上流側や下流側に物理的吸着剤のみを備えたフィルタ部材を別個に設けるようにしてもよい。
【0050】
また、各フィルタ部材1と除塵フィルタ49とを分離しないで、エバポレータ43の上流側や送風機42の上流側に積層状態で配置してもよく、各フィルタ部材1の通気性部材16に除塵フィルタ49の機能を兼用させるようにしてもよい。このように通気性部材16に除塵フィルタ49の機能を兼用させれば、構造を簡略化することができると共に、空気の通気抵抗を低減することができる。
【0051】
加えて、上記実施形態では、吸着処理用部材を車両空調装置31のフィルタ部材1に適用したが、家庭用空調装置、空気清浄装置、脱臭装置等のフィルタ部材として使用することもできる。そして、フィルタ部材のように一方向に被処理ガスを通過させるものでなくてもよく、車両や住宅の室内の天井部や壁部等に敷設するものや、透明容器等に化学的吸着剤14を装填してなる置物等のような形態のものであってもよい。
【0052】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0053】
先ず、本発明の化学的吸着剤がアセトアルデヒドをどの程度吸着除去し得るかを以下の実施例1,2で示す。
【0054】
(実施例1)
図8に示すように、化学的吸着剤14を内容量1000ccのフラスコ71内に入れ、このフラスコ71内にアセトアルデヒドを注射器72を用いて1000ppmとなるように注入して密閉した。このとき、上記化学的吸着剤14は、以下の方法で調製した吸着剤A〜Eを用いた。そして、20〜30℃下で1時間放置した後、アセトアルデヒドの除去率を調べた。
【0055】
〔吸着剤の調製〕
吸着剤A:吸着性物質としてのレゾルシン1gを、吸水性物質としてのシリカゲル(平均粒径0.05〜0.2mm)10gと共に粉砕混合して、粒径5〜50μmの粉末状吸着剤Aを調製した。
【0056】
吸着剤B:レゾルシン1gを、蓚酸0.2g及び上記シリカゲル10gと共に粉砕混合して、粒径5〜50μmの粉末状吸着剤Bを調製した。
【0057】
吸着剤C:レゾルシン1gを、炭酸ナトリウム0.2g及び上記シリカゲル10gと共に粉砕混合した後、打錠して同じサイズの吸着剤C(錠剤)を調製した。
【0058】
吸着剤D:レゾルシン1gを、H型かつZSM5型ゼオライト(ケイバン比:SiO2 /Al23(モル比)=80、粒径5〜10μm)10gと共に攪拌混合した後、打錠して同じサイズの吸着剤D(錠剤)を調製した。
【0059】
吸着剤E:レゾルシン1gを、Na型ゼオライト(平均粒径5〜10μm)10gと共に攪拌混合した後、打錠して同じサイズの吸着剤E(錠剤)を調製した。
【0060】
上記吸着剤A〜Eのアセトアルデヒド除去率(重量%)の結果を表1に示す。このことより、いずれの吸着剤A〜Dもアセトアルデヒドに対して優れた吸着性能を有していることが判る。また、レゾルシンと共に少量の弱酸性物質や弱塩基性物質を添加すると、アセトアルデヒドに対する吸着性能をより一層高くすることができ、特に弱酸性物質を添加すればその効果は顕著となることが判る。一方、これら弱酸性物質や弱塩基性物質を添加すると、吸水時に酸やアルカリ劣化を招く虞れがあるが、H型ゼオライトやNa型ゼオライトを使用すれば、これら弱酸性物質や弱塩基性物質を添加しなくても吸着効果を高めることができ、酸やアルカリ劣化の問題を確実に解消することができる。
【0061】
【表1】
Figure 0003680617
【0062】
(実施例2)
続いて、レゾルシン1gとH型かつZSM5型ゼオライト(吸着剤Dと同じもの)10gとを用いて吸着剤M〜Qを調製した。このとき、結合剤としてポリビニルアルコールを添加することで造粒し、そのときの添加量を5段階に変化させた。つまり、ポリビニルアルコールの重量を、ゼオライトの重量に対して1.7%(吸着剤F)、2%(吸着剤G)、2.5%(吸着剤H)、3%(吸着剤I)、5%(吸着剤J)とした。そして、上記実施例1と同様にしてアセトアルデヒドの除去率を調べた。但し、この実施例2では、アセトアルデヒド除去率を5分毎に30分経過するまで調べた。
【0063】
この結果を、図9に示す(尚、比較のために、活性炭の場合の結果を併せて示す)。このことより、ポリビニルアルコールの添加量が多くなると、吸着能力が経時的に低下する割合が多くなり、吸着能力の観点からは、ポリビニルアルコールの添加量が少ない方が良好であることが判る。特に3%以下であれば、全く問題はない。しかし、ポリビニルアルコールの重量をゼオライトの重量に対して5%にしたとしても、活性炭に比べると低下率は非常に少ない。
【0064】
(実施例3)
次に、図10(a)〜(c)に示すように、物理的吸着剤13と化学的吸着剤14とを併用した場合の効果を調べた。すなわち、物理的吸着剤13として活性炭を、化学的吸着剤14として上記実施例1の吸着剤Dと同じもの(レゾルシン+H型かつZSM5型ゼオライト)をそれぞれ使用し、この物理的吸着剤13(0.1g)と化学的吸着剤14(0.1g)とを細いガラス管75の中に装填した。そして、図10(a)では、物理的吸着剤13を後述のアセトアルデヒドの流動方向の上流側(同図の左側)に、化学的吸着剤14を下流側(同図の右側)にそれぞれ装填し、図10(b)では、逆に、化学的吸着剤14を上流側に、物理的吸着剤13を下流側にそれぞれ装填し、図10(c)では両吸着剤13,14を均一に混合した状態で装填した。一方、比較のために、図10(d)に示すように、物理的吸着剤13(0.1g)のみを装填したものを作製した。尚、これら両吸着剤13,14を装填した部分の両側には通気性部材16,16を設けている。
【0065】
続いて、上記各ガラス管75内に、アセトアルデヒド濃度が30ppmとなるように調製した空気を1L/minで5分間流した。その後、各ガラス管75を容積1Lのエアバッグ内に入れ、このエアバッグ内の温度を80℃にした状態で20分間放置した。次いで、そのエアバッグ内のアセトアルデヒドの濃度を調べた。このアセトアルデヒド濃度が高いほど、活性炭が一度吸着したアセトアルデヒドを多く放出していることになる。
【0066】
この結果を図11に示す。尚、図11の(a)〜(d)は、図10の(a)〜(d)の場合にそれぞれ対応している。このことより、物理的吸着剤と化学的吸着剤とを併用すれば、物理的吸着剤のみの場合に比べてアセトアルデヒドの放出量が少ないことが判る。これは、物理吸着剤から放出されたアセトアルデヒドが、化学的吸着剤に吸着されたからである。尚、物理的吸着剤を上流側に配置した方が下流側に配置する場合よりも悪い結果となっているが、これは、アセトアルデヒドを流している間に上流側に位置する場合の方がそれだけ多くのアセトアルデヒドを吸着し、高温時にその分だけ多くのアセトアルデヒドを放出したためと考えられ、この結果からはどちらが良いか悪いかを判断することはできない。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の吸着処理用部材によると、水分の存在下で被処理ガス中の被吸着成分としてのカルボニル基含有化合物化学的に反応して該カルボニル基含有化合物を吸着する、レゾルシンからなる吸着性物質と、該吸着性物質を担持する吸水性担持材であって、上記被処理ガス中の湿分を吸収して、該吸着性物質に対し、上記カルボニル基含有化合物と吸着性物質との反応媒体としての水分を供給する吸水性物質とを含有する化学的吸着剤を備え、少なくとも一部に、上記吸着性物質の被吸着成分吸着量に応じた変色度合いを確認し得る変色確認部を設けるようにしたことにより、特にアルデヒド類やケトン類のようなカルボニル基含有化合物を、臭気、腐食性、昇華性等の問題を有することなく確実にかつ効果的に吸着処理することができると共に、変色確認部により吸着性物質の変色度合いを確認することで、吸着処理用部材の寿命の判定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る吸着処理用部材としてのフィルタ部材が設けられた車両空調装置を示す概略断面図である。
【図2】 図1のII方向矢示図である。
【図3】 図2のIII −III 線断面図である。
【図4】 図1のIV方向矢示図である。
【図5】 フィルタ部材の変色確認部近傍の拡大断面斜視図である。
【図6】 変色確認部の変形例を示すフィルタ部材の部分斜視図である。
【図7】 図6のフィルタ部材における変色確認部の断面図である。
【図8】 実施例1の試験の要領を示す概略説明図である。
【図9】 実施例2の試験の結果を示すグラフである。
【図10】 実施例3の試験の要領を示す概略説明図である。
【図11】 実施例3の試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フィルタ部材(吸着処理用部材)
2 本体部
3 変色確認部
14 化学的吸着剤
17 透明フィルム(透明状の通気性部材)
37 クーリングユニット本体(被取付部材)

Claims (7)

  1. 被処理ガス中の被吸着成分を吸着処理する吸着処理用部材であって、
    水分の存在下で上記被吸着成分としてのカルボニル基含有化合物化学的に反応して該カルボニル基含有化合物を吸着する、レゾルシンからなる吸着性物質と、該吸着性物質を担持する吸水性担持材であって、上記被処理ガス中の湿分を吸収して、該吸着性物質に対し、上記カルボニル基含有化合物と吸着性物質との反応媒体としての水分を供給する吸水性物質とを含有する化学的吸着剤を備え、
    少なくとも一部に、上記吸着性物質の被吸着成分吸着量に応じた変色度合いを確認し得る変色確認部が設けられていることを特徴とする吸着処理用部材。
  2. 被取付部材に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の吸着処理用部材。
  3. 請求項1又は2記載の吸着処理用部材において、
    変色確認部は、化学的吸着剤が透明状の通気性部材により覆われてなることを特徴とする吸着処理用部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の吸着処理用部材において、
    変色確認部は、本体部と別体に設けられてなることを特徴とする吸着処理用部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の吸着処理用部材において、
    吸水性物質は、H型ゼオライトであることを特徴とする吸着処理用部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の吸着処理用部材において、
    吸水性物質は、ZSM5型ゼオライトであることを特徴とする吸着処理用部材。
  7. さらに活性炭、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ、ベントナイト、ケイソウ土及びボーキサイトよりなる群から選択される少なくとも1種の物理的吸着剤を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の吸着処理用部材。
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