JP3680353B2 - 作業機の走行装置の伝動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業機の走行装置の伝動装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来公知の、特開平6−270112号公報には、エンジンの回転が伝達される入力軸と、該入力軸の回転が入力される可変式ポンプおよび可変式ポンプにより作動して回転を出力する可変式モーターからなる油圧式無段変速装置と、前記入力軸からと前記可変式モーターにより回転する軸との間には油圧式無段変速装置による最高出力回転数を出力するときに油圧式無段変速装置を介さないで、油圧式無段変速装置による最高速度より早く走行し得るギヤー伝動する機械式伝達経路を設けた構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知例は、油圧式無段変速装置の伝達する回転にはロス(馬力損失)があるので、この伝動経路とは別に機械式伝達経路を設け、馬力損失を回避して伝動効率を向上させるものであるが、油圧式無段変速装置の伝動からギヤー伝動への切替が油圧式無段変速装置の最高出力回転数の時に限定されるという課題がある。
即ち、油圧式無段変速装置による最高出力回転数とき以外にもギヤー伝動を可能にすると、一層伝動効率を向上させることができる。
また、油圧式無段変速装置による伝動とギヤー伝動との切替を、単にいつでも行えるようにすると、回転領域が相違していても行うことがあり、切替のショックが大きいという課題もある。
【0004】
【発明の目的】
任意の走行速度におけるHST伝動とギヤー伝動との切替の可能化、伝動効率の向上、エンジンの出力の有効利用。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンの回転が伝達される入力軸(2)の回転は油圧式無段変速装置(4)により無段階に変速されて左右のホイル軸(17)に伝達され、この伝動経路とは別に、前記入力軸(2)から左右のホイル軸(17)に至たる機械式伝達経路(X)を設け、油圧式無段変速装置(4)によるHST伝動と機械式伝達経路(X)によるギヤー伝動とに切替可能に構成し、前記機械式伝達経路(X)中には複数段に機械的変速し得る機械式変速装置(Y)を設け、前記油圧式無段変速装置(4)の出力軸(2)から前記ホイル軸(17)に出力する回転数が前記機械式変速装置(Y)による設定された前記複数段の内のいずれかの前記ホイル軸(17)に伝達する回転数の領域と一致したとき、ギヤー伝動による走行するように構成すると共に、該ギヤー伝動による走行中に、前記油圧式無段変速装置(4)の変速操作を行うHSTレバー(35)の前後いずれかの傾倒操作があったときには、前記ギヤー伝動から前記HST伝動に切替えるように構成し、前記入力軸(2)は前記油圧式無段変速装置(4)に回転を入力する入力軸として兼用すると共に、前記入力軸(2)には前記機械式伝達経路(X)に伝達する回転を入り切りする機械式伝動入力クラッチ(20)および機械式伝達経路(X)に回転出力する機械式出力歯車(21)と前記油圧式無段変速装置(4)に入力する回転を入り切りするHST伝動入力クラッチ(27)とを夫々設け、エンジンからの回転が油圧式無段変速装置(4)により変速されて出力される軸(7)には油圧式無段変速装置(4)からの出力回転を入り切りさせるHST伝動出力クラッチ(28)と前記機械式伝動入力クラッチ(20)からの回転を機械的に変速する前記機械式変速装置(Y)の複数の歯車(25)とを夫々設けた作業機の走行装置の伝動装置としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバイン等の作業機の走行装置にエンジンの回転を伝達するミッションケースであるが、本実施例ではコンバインの例にて説明する。ミッションケース1の上部には入力軸2を設ける。3はエンジンからの回転が伝達される入力プーリーである。前記ミッションケース1の側部には油圧式無段変速装置(ハイドロスタチックトランスミッション(HST)等)4を設ける。前記入力軸2はその回転を油圧式無段変速装置4の可変式ポンプ5に入力し、可変式ポンプ5は可変式モーター6に送油して回転を伝達する。可変式モーター6はミッションケース1に設けた第一中間軸7に回転を出力する。第一中間軸7には出力歯車8を固定し、出力歯車8には第二中間軸9に固定の中間歯車10を常時噛み合わせる。
【0007】
前記中間歯車10はサイドクラッチ軸11に固定のセンターギヤ12に常時噛合わせる。サイドクラッチ軸11には左右クラッチ13を設ける。左右クラッチ13は、センターギヤ12の左右両側部にクラッチ爪をそれぞれ設け、センターギヤ12の左右両側に摺動のみ自在に設けたサイドクラッチギヤ14にクラッチ爪を設け、センターギヤ12とサイドクラッチギヤ14のそれぞれのクラッチ爪が継脱自在に係合するようにして構成する。
サイドクラッチ軸11の左右両側のミッションケース1には左右固定ドラム15を設け、左右固定ドラム15と左右のサイドクラッチギヤ14との間にそれぞれ左右ブレーキ16を設ける。前記左右ブレーキ16は、サイドクラッチギヤ14と共に回転する回転ディスクを、前記左右固定ドラム15内に設けた固定ディスクに接離自在に摺接するようにして構成する。左右のサイドクラッチギヤ14には左右のホイル軸17に設けたホイル歯車18を噛み合わせる。
【0008】
しかして、入力軸2の回転は油圧式無段変速装置4により無段階に変速されて左右のホイル軸17に伝達されるが、油圧式無段変速装置4の伝達する回転にはロス(馬力損失)があるので、この伝動経路とは別に、前記入力軸2から左右のホイル軸17に至たる機械式伝達経路Xを設け、油圧式無段変速装置4からの伝動(以下、HST伝動という)と機械式伝動(以下、ギヤー伝動という)とに切り替えて回転を伝達する。
即ち、図4のように、走行開始時は、条合わせなどのためHST伝動で走行し、刈取作業が安定したときギヤー伝動にすると、馬力損失がなくなって、脱穀室の負荷に対応でき、また、旋回するときなどは微妙な操作が必要であるのでHST伝動とする等が考えられ、作業状態に応じて伝動経路を切替えるのが理想である。
前記機械式伝達経路Xは、前記入力軸2に機械式伝動入力クラッチ20を設け、該機械式伝動入力クラッチ20を介して入力軸2に遊嵌した機械式出力歯車21に回転を伝達する。機械式伝動入力クラッチ20は入力軸2に設けたドラム22内に設けたディスクと入力軸2に遊嵌した前記機械式出力歯車21と一体回転するディスクとを接離自在に摺接するようにして構成する。
機械式出力歯車21は第一中間軸7に設けた中間歯車23に常時噛み合わせ、第一中間軸7に前記中間歯車23の回転により回転する複数の切替歯車25を摺動のみ自在に設け、シフタ(図示省略)により切替歯車25を摺動させて選択的に噛み合う歯車26群を第二中間軸9に設け、中間歯車10よりセンターギヤ12に回転を伝達するように構成している。
【0009】
しかして、前記切替歯車25および歯車26により機械式変速装置Yを構成する。
即ち、作業状態に応じて、適正な走行速度は相違するが、ギヤー伝動では設定したギヤ比による所定(固定)回転数しか伝達できないので、機械式伝達経路X中に前記機械式変速装置Yを設け、複数段階の所定速度のときにギヤー伝動できるように構成し、図5のように、種々の設定速度(速度域)のときにギヤー伝動への切替を可能にする。図1の実施例の機械式変速装置Yでは、2段変速となるが、これに限定されず、切替歯車25および歯車26をそれぞれ増加させると、多段変速となる。
前記HST伝動とギヤー伝動の切替にともない回転伝達を入り切りするクラッチを設ける。前記入力軸2には前記可変式モーター6への回転を継脱するHST伝動入力クラッチ27を設け、機械式出力歯車21に回転を伝達するときには油圧式無段変速装置4への入力を止め、馬力損失の発生を防止する。また、前記第一中間軸7にもHST伝動出力クラッチ28を設け、油圧式無段変速装置4を使用しないときの馬力損失の発生を防止する。
【0010】
しかして、前記HST伝動とギヤー伝動の切替は、予め設定した諸条件により制御部29が自動制御する自動モードと、所望の走行状態において作業者の意思でギヤー伝動とHST伝動とを選択し得る手動モードとを設け、この制御モードは制御モード切替スイッチ30により切替える。そして、前記制御モード切替スイッチ30により手動モードを選択したとき、ギヤー伝動とHST伝動とを選択し得る伝動選択スイッチ31を設ける。
制御条件の一例としては、刈取部への回転伝達を入切する刈取クラッチが入りになったことを刈取クラッチセンサー32により感知後、設定時間内はHST伝動とし、次に、設定時間中に設定車速で走行して車速に変化がないときは、HST伝動からギヤー伝動に切替える(図6)。走行開始時は、条合わせなどのため微速走行や前後進の反復などを必要とするから、HST伝動で走行することにより操作性を向上させ、刈取作業が安定したときギヤー伝動にすると、脱穀装置に回転エネルギーを振り分けて効率の良い作業となる。
また、刈取部に穀稈有無検知部33を設け、穀稈有無検知部33が穀稈非検出のときはHST伝動とし、操作性を優先し、穀稈有無検知部33が穀稈を検出したときはギヤー伝動とし、脱穀負荷に対して油圧式無段変速装置4の馬力損失を回避して効率を優先する(図7)。また、前記刈取クラッチセンサー32が入りを検知したときは、ギヤー伝動とHST伝動とを任意に選択可能とするが、前記刈取クラッチセンサー32が切を感知したときはHST伝動とし、操作性を向上させる。即ち、刈取作業以外の作業といえば移動が主であり、移動するにはHST伝動でも十分であり、また、HST伝動の方が速度調節が微妙に行えるので操作性を向上させ、誤操作を防止する。
【0011】
また、機体走行速度を検出する車速センサー(回転数検知装置)34を設け、車速センサー34はバック(後進)も検知し得るように構成し、バック(後進)しているときはHST伝動のみとする。即ち、ギヤー伝動にはバックがなく、バック状態でギヤー伝動にすると前進になり、作業者の意図に反するからである。また、HST レバー35をバック操作すると、ギヤー伝動は解除する。図8において、36は操作部37に設けた前記HST レバー35の傾倒を案内する案内溝、38はHST レバー35の位置を検出するレバー位置検出部(ポテンショメータ)である。
また、HST レバー35の中立位置から設定した区間Lは、ギヤー伝動への切替不可ゾーンとする。そのため、設定速度以下の低速速度域においては、ギヤー伝動への切替をしない。即ち、低速走行の時は脱穀負荷も少ないから、馬力損失の影響も少なく、HST伝動による走行可能であり、また、機械式変速装置Yによる低速速度域におけるギヤー伝動への切替可能速度よりも、低速のときではHST伝動の回転数とギヤー伝動の回転数とのギャップが大きく、仮にギヤー伝動へ切り替えると、切替のショックが大きくなるので、ギヤー伝動への切替を規制することで、走行安定性を確保している。なお、ギヤー伝動への切替不可ゾーンの区間Lは、予め制御部29に設定すればよく、この設定値とレバー位置検出部38のデーターとを比較して判断するから、区間Lは、図8に限定されず、前記したバック(後進)の区間も切替不可ゾーンとすることもある。
【0012】
また、ギヤー伝動による走行中、この時のHST レバー35を前後いずれかに傾倒操作を行うと、ギヤー伝動からHST伝動に切替える。即ち、ギヤー伝動は、本来一定速度の走行であるから、このとき、作業者がHST レバー35を操作しようと思慮することは、速度を変化させたいときであるから、HST レバー35のわずかな操作をレバー位置検出部38で検知し、これによりHST伝動に切替える。したがって、操作性が向上するだけでなく、HST レバー35の操作による急減速、あるいは急停止も可能となり、緊急操作の応答性を向上させる。
また、操作部には、旋回操作を行うパワステアリングを設けているが、パワステアリングを設定時間以上継続操作すると、ギヤー伝動からHST伝動に切替える(図9)。即ち、パワステアリングによる旋回操作中は、走行速度も微妙な操作が要求されるので、HST伝動が適応する。また、パワステアリングの操作が設定時間以上ないときは、HST伝動からギヤー伝動に切替える。即ち、パワステアリングによる旋回操作がないとし、ギヤー伝動にする。
また、左右ブレーキ16のブレーキ圧が設定値より低くいとギヤー伝動に、高いとHST伝動に切替える。
【0013】
また、ギヤー伝動による走行中は、HST レバー35の操作を固定し、HST伝動へ切替えた後に操作可能に構成する。この場合、HST レバー35を前側(高速側)には操作できないが、後側にはシフト可能にすることもあり、HST伝動で最初の位置よりも低速側にすれば急減速し、中立にすると急停止でき、緊急時の操作性を向上させる。39はHST レバー35の操作を固定するブレーキライニング、40はブレーキライニング39を作動させるカム機構、41はカム機構40を作動させるモーターである。
以上のような制御条件があり、自動モードのときは、制御部29が条件に従って切替の全てを行い、作業者は機体走行速度を決定するだけであり、切替を気にすることなく作業操作に集中できる。また、手動モードのときは作業者の意思によりHST伝動とギヤー伝動とを選択可能で、このとき、穀稈有無検知部33のデーターのような条件は制御部29が無視する。
しかして、図示は省略するが、操作部に表示部を設け、表示部に走行速度とどのレベルのギヤー伝動への切替が可能かを表示するように構成し、手動操作を円滑にできるようにすることもある。
【0014】
しかして、図2は、前記切替制御の実施例を示し、制御部29は切替バルブ42のソレノイド43を操作して行う。
また、チャージポンプ44をミッションケース1に入力軸2を軸装した部分に設け、入力軸2により作動するようにすると共に、チャージポンプ44は油圧式無段変速装置4のチャージ用と各油圧クラッチの切替用とに共用する。そして、入力軸2によりチャージポンプ44は作動するから、エンジン始動時は常に可変式ポンプ5が回転するため、油圧式無段変速装置4停止時も可変式ポンプ5を回すことができ、各油圧クラッチ(HST伝動入力クラッチ27、HST伝動出力クラッチ28等)のポンプとしても使用可能である。
また、油圧式無段変速装置4の駆動オイルとミッションケース1の潤滑オイルを兼用とし、油圧式無段変速装置4の余剰油が油圧式無段変速装置ケース45本体より可変式モーター6を経由してミッションケース1内に循環する連通口46を可変式モーター6とミッションケース1の上部に設け、更に、HST伝動入力クラッチ27を冷却、潤滑させる位置に吐出するように吐出口47を設け、ミッションケース1の下部をオイル溜48とし、オイルを兼用することで、コンパクト化および低コスト化ができ、HST伝動入力クラッチ27の自己潤滑により耐久性を向上させる。49はフィルター、50は送油パイプである。
【0015】
エンジンの回転が入力プーリー3により入力軸2に伝達され、入力軸2の回転がHST伝動またはギヤー伝動を介して第二中間軸9に伝達され、第二中間軸9の回転が中間歯車10を介してサイドクラッチ軸11に固定のセンターギヤ12に伝達され、センターギヤ12の左右両側部のクラッチ爪にサイドクラッチギヤ14に設けたクラッチ爪を係合させると、左右クラッチ13が「入」となって、これによりサイドクラッチギヤ14が回転し、サイドクラッチギヤ14はホイル軸17に回転を伝達して走行装置を駆動させて、走行させる。
しかして、パワステレバーを左右のいずれかに傾倒操作すると、左右サイドクラッチギヤ14のいずれか一方のクラッチ爪を離脱させ、例えば、左クラッチ13を「切」とし、更に、クラッチ爪を完全に離脱させた中立位置をこえて左サイドクラッチギヤ14がサイドクラッチ軸11に対して摺動し、左ブレーキ16の回転ディスクをミッションケース1に固定の固定ディスクに当接させ、回転ディスクの回転に制動を与えると、左サイドクラッチギヤ14を介して左ホイル軸17の回転を減速させて、左旋回のピボットターン(ブレーキターン)を行なう。
【0016】
しかして、前記HST伝動は、入力軸2の回転をHST伝動入力クラッチ27を介して油圧式無段変速装置4の可変式ポンプ5に入力し、可変式ポンプ5は可変式モーター6に送油して回転を伝達し、可変式モーター6はHST伝動出力クラッチ28を介して第一中間軸7に出力する。この場合、可変式ポンプ5から可変式モーター6への送油量をHST レバー35により操作することにより、無段階に変速走行する。
また、ギヤー伝動により走行するときは、前記HST伝動入力クラッチ27およびHST伝動出力クラッチ28を切りにし、機械式伝動入力クラッチ20を入りにして入力軸2の回転を機械式出力歯車21に伝達し、切替歯車25と歯車26の噛み合いにより第二中間軸9に回転を伝達し、ホイル軸17を回転させて、走行する。
この場合、ギヤー伝動経路中には機械式変速装置Yを設けているから、ギヤー伝動は種々の設定速度を伝達できるので、それぞれの作業状態に応じた走行速度においても、ギヤー伝動により走行可能となって、馬力損失をなくし、エンジンの限られたエネルギーを振り分けて効率の良い作業を行える。
【0017】
しかして、前記HST伝動とギヤー伝動の切替は、予め設定した諸条件により自動制御する自動モードと、所望の走行状態において作業者の意思でギヤー伝動とHST伝動とを選択し得る手動モードとに、制御モード切替スイッチ30により切替可能であるから、自動モードのときは、HST伝動とギヤー伝動の切替およびギヤー伝動経路中の機械式変速装置Yによる変速に伴う伝動経路の切替を自動制御し、機械式変速装置Yの変速操作および切替操作を気にすることなく作業操作に集中できる。また、作業によっては手動モードを選択して機械式変速装置Yの変速操作および切替操作することで、より作業者の意思に沿った走行が行え、操作性を向上させ、作業を容易に行える。
この場合、前記した制御の諸条件は、自動モードと手動モードのいずれかのみに適用されるものではなく、総合的に各種データーに基づいて制御部29が行うように構成し、また、手動モードであっても、機械式変速装置Yの変速操作および切替の適否、切替のタイミング等を考慮して制御部29は制御するが、作業者の意思に沿わない可能性の高い前記した穀稈有無検知部33からの信号等による制御はキャンセルし、総合的に走行の安定化を図っており、この点では手動モードであっても、制御部29による一部自動制御は行われており、単なる表現の相違によっては制御内容は限定されない。
【0018】
【効果】
本発明は、エンジンの回転が伝達される入力軸(2)の回転は油圧式無段変速装置(4)により無段階に変速されて左右のホイル軸(17)に伝達され、この伝動経路とは別に、前記入力軸(2)から左右のホイル軸(17)に至たる機械式伝達経路(X)を設け、油圧式無段変速装置(4)によるHST伝動と機械式伝達経路(X)によるギヤー伝動とに切替可能に構成し、前記機械式伝達経路(X)中には複数段に機械的変速し得る機械式変速装置(Y)を設け、前記油圧式無段変速装置(4)の出力軸(2)から前記ホイル軸(17)に出力する回転数が前記機械式変速装置(Y)による設定された前記複数段の内のいずれかの前記ホイル軸(17)に伝達する回転数の領域と一致したとき、ギヤー伝動による走行するように構成すると共に、該ギヤー伝動による走行中に、前記油圧式無段変速装置(4)の変速操作を行うHSTレバー(35)の前後いずれかの傾倒操作があったときには、前記ギヤー伝動から前記HST伝動に切替えるように構成し、前記入力軸(2)は前記油圧式無段変速装置(4)に回転を入力する入力軸として兼用すると共に、前記入力軸(2)には前記機械式伝達経路(X)に伝達する回転を入り切りする機械式伝動入力クラッチ(20)および機械式伝達経路(X)に回転出力する機械式出力歯車(21)と前記油圧式無段変速装置(4)に入力する回転を入り切りするHST伝動入力クラッチ(27)とを夫々設け、エンジンからの回転が油圧式無段変速装置(4)により変速されて出力される軸(7)には油圧式無段変速装置(4)からの出力回転を入り切りさせるHST伝動出力クラッチ(28)と前記機械式伝動入力クラッチ(20)からの回転を機械的に変速する前記機械式変速装置(Y)の複数の歯車(25)とを夫々設けた作業機の走行装置の伝動装置としたものであるから、油圧式無段変速装置による最高出力回転数ときは勿論のこと、それ以外の任意の走行速度(予め設定されている)ときにも機械式伝達経路X中の機械式変速装置Yによりギヤー伝動における回転数を変更することでギヤー伝動への切替を可能にでき、一層伝動効率を向上させることができ、エンジンの出力を有効利用でき、省エネルギーにも貢献するという効果を奏する。
また、油圧式無段変速装置4の回転数が機械式変速装置Yによる設定された複数段のうちのいずれかの回転数の領域と一致したとき、ギヤー伝動による走行するように構成したから、回転領域が極端に相違した状態で伝動経路が切替わるのを防止して、切替のショックが大きくなるのを防止でき、走行安定性を向上させ、また、切替のタイミングを誤まる誤操作も防止でき、操作性を向上させる。
また、ギヤー伝動による走行中に、前記油圧式無段変速装置4の変速操作を行うHSTレバー35の前後いずれかの傾倒操作があったときには、前記ギヤー伝動から前記HST伝動に切替えるように構成しているから、操作性が向上するだけでなく、HSTレバー35の操作による急減速、あるいは急停止も可能となり、緊急操作の応答性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミッションケースの展開状態の断面図。
【図2】 制御の実施例図。
【図3】 走行状態説明図。
【図4】 切替状態の一例を示す説明図。
【図5】 機械式変速装置Yによるギヤー伝動とHST伝動との関係を示す説明図。
【図6】 フロー図。
【図7】 フロー図。
【図8】 HST レバーの一部斜視図。
【図9】 フロー図。
【図10】 フロー図。
【図11】 HST レバーの一部斜視図。
【図12】 同背面図。
【図13】 油圧式無段変速装置の油圧回路図。
【符号の説明】
1…ミッションケース、2…入力軸、3…入力プーリー、4…油圧式無段変速装置、5…可変式ポンプ、6…可変式モーター、7…第一中間軸、8…出力歯車、9…第二中間軸、10…中間歯車、11…サイドクラッチ軸、12…センターギヤ、13…左右クラッチ、14…サイドクラッチギヤ、15…左右固定ドラム、16…左右ブレーキ、17…ホイル軸、18…ホイル歯車、20…機械式伝動入力クラッチ、21…機械式出力歯車、22…ドラム、23…中間歯車、25…切替歯車、26…歯車、27…HST伝動入力クラッチ、28…HST伝動出力クラッチ、29…制御部、30…制御モード切替スイッチ、31…伝動選択スイッチ、32…刈取クラッチ、33…穀稈有無検知部、34…車速センサー、35…HST レバー、36…案内溝、37…操作部、38…レバー位置検出部、39…ブレーキライニング、40…カム機構、41…モーター、42…切替バルブ、43…ソレノイド、44…チャージポンプ、45…油圧式無段変速装置ケース、46…連通口、47…吐出口、48…オイル溜、49…フィルター、50…送油パイプ。

Claims (1)

  1. エンジンの回転が伝達される入力軸(2)の回転は油圧式無段変速装置(4)により無段階に変速されて左右のホイル軸(17)に伝達され、この伝動経路とは別に、前記入力軸(2)から左右のホイル軸(17)に至たる機械式伝達経路(X)を設け、油圧式無段変速装置(4)によるHST伝動と機械式伝達経路(X)によるギヤー伝動とに切替可能に構成し、前記機械式伝達経路(X)中には複数段に機械的変速し得る機械式変速装置(Y)を設け、前記油圧式無段変速装置(4)の出力軸(2)から前記ホイル軸(17)に出力する回転数が前記機械式変速装置(Y)による設定された前記複数段の内のいずれかの前記ホイル軸(17)に伝達する回転数の領域と一致したとき、ギヤー伝動による走行するように構成すると共に、該ギヤー伝動による走行中に、前記油圧式無段変速装置(4)の変速操作を行うHSTレバー(35)の前後いずれかの傾倒操作があったときには、前記ギヤー伝動から前記HST伝動に切替えるように構成し、前記入力軸(2)は前記油圧式無段変速装置(4)に回転を入力する入力軸として兼用すると共に、前記入力軸(2)には前記機械式伝達経路(X)に伝達する回転を入り切りする機械式伝動入力クラッチ(20)および機械式伝達経路(X)に回転出力する機械式出力歯車(21)と前記油圧式無段変速装置(4)に入力する回転を入り切りするHST伝動入力クラッチ(27)とを夫々設け、エンジンからの回転が油圧式無段変速装置(4)により変速されて出力される軸(7)には油圧式無段変速装置(4)からの出力回転を入り切りさせるHST伝動出力クラッチ(28)と前記機械式伝動入力クラッチ(20)からの回転を機械的に変速する前記機械式変速装置(Y)の複数の歯車(25)とを夫々設けた作業機の走行装置の伝動装置。
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