JP3677747B2 - モルタル材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スルホン酸金属塩基を有する不飽和ポリエステルと重合性単量体とを含む熱硬化性樹脂組成物関するものであり、水があっても硬化し、水との混合性(なじみ性)に優れるので、水のある状態や濡れた状態の場所の被覆または塗料用に有用であり、特に湿潤状態のコンクリートをはじめとする湿潤状態の各種構造物に塗布される塗膜の密着性の改善されたモルタル材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンクリート、モルタル、ALC(軽量コンクリート)等からなる構造物の防水施工を行う場合には、これら構造部位の下地に対する防水剤層の接着性を高めたり、防水剤層の「ふくれ現象」を防止するために、その塗布前に下地に対して塗布層をもうける、いわゆるプライマー処理が行われている。
【0003】
従来、このプライマー処理に使用されるプライマー組成物としては、イソシアネート基(−NCO)を含有する一液湿気硬化型ウレタンプライマー組成物、エポキシ系プライマー、不飽和ポリエステル系プライマー組成物、ビニルエステル系プライマー組成物、歴青系材料の有機溶剤溶液やエマルジョンが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウレタン系プライマー組成物は、下地の水分が多いときにその塗膜が発泡したり、架橋反応による硬化終了までの時間が長いため施工性に難点がある等の問題点があった。また、エポキシ樹脂系では硬化が遅いという問題点があり、不飽和ポリエステル系及びビニルエステル系プライマー組成物は、下地の水分が多い場合、下地との密着性が悪くなるという問題点がある。さらに歴青材料としてアスファルトを用いた有機溶剤溶液においてもその粘度を低くし、作業性を良くするために多量の溶剤を必要とし、塗膜の平滑性が十分でなく凹凸や亀裂が残るため、その塗膜の上に防水層を形成しても「ふくれ現象」を生じるという問題点がある。この「ふくれ現象」はエマルジョンのプライマー組成物を用いた場合でも同様に起こる。
【0005】
また、上記従来のプライマー組成物で処理した場合は、下地が湿潤状態の時にはプライマーと下地、及び上塗り防水剤との接着性が著しく劣るという致命的な欠点があった。これは、例えば下地が新設のコンクリートの場合、完全に養生が終わるまで防水塗装工程に移れないというように作業性を悪くしている。
【0006】
以上のように従来のコンクリート用プライマー組成物はその湿潤した下地の場合には下地との密着性が悪かったり、上塗り防水剤の「ふくれ現象」を生じるという問題点があり、その改善が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、(A)(a)スルホン酸金属塩基を有する原料を不飽和ポリエステルソリッド中に0.1〜20重量%用いたα、β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類の縮合反応で得られる不飽和ポリエステル 30〜80重量%、(b)重合性単量体20〜70重量%を含有する熱硬化性樹脂組成物 45〜95重量部、CaOが45〜75重量%、SiO 2 が15〜30重量%含まれる無機充填剤(B)成分を5〜60重量部、水を0〜50重量部の割合で含有することを特徴とするモルタル材を提供する。
【0008】
次に本発明を詳細に説明する。
【0009】
(構成)
本発明で用いられる不飽和ポリエステルは、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類の縮合反応で得られるもので、好ましくは分子量500〜5000の範囲のものである。
【0010】
不飽和ポリエステルを調整するにあたって使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ハロゲン化無水マレイン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。
【0011】
多価アルコ−ル類としては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を挙げることができる。
【0012】
また、不飽和ポリエステルにスルホン酸金属塩基を導入させる原料は、二塩基酸類または多価アルコール類(二塩基酸の場合はその縮合可能誘導体でも良い)であり、例えばスルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸(またはこれらの誘導体)のナトリウム塩及び下記構造式(化1、化2)のもの:
【0013】
【化1】
Figure 0003677747
【0014】
【化2】
Figure 0003677747
等が挙げられる。
【0015】
本発明の、不飽和ポリエステルにスルホン酸金属塩基を導入させる原料は、不飽和ポリエステルソリッド成分中に0.重量%〜20重量%、好ましくは3.0重量%〜5重量%用いられる。20重量%を越えると不飽和ポリエステルの製造が困難となり、また、樹脂の耐熱性が著しく低下する。一方、0.1重量%より少ないと十分な水の混合性、親水性を得ることができないので好ましくない。
【0016】
本発明に使用される重合性単量体としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、クロロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、α−メチルスチレン、ジアリルフタレ−ト、アクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエステル等を挙げることができ、これらの単量体の1種又は2種以上を有効に使用できる。これらは、単独で使用しても併用しても良く、不飽和ポリエステル10〜70重量部、好ましくは30〜50重量部を共重合性単量体90〜30重量部、好ましくは70〜50重量部に溶解して組成物を形成する。またこの樹脂組成物に好ましくは、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどの重合禁止剤を混合物に、好ましくは10〜200ppm添加しうるものである。
【0017】
また、不飽和ポリエステルと重合性単量体とを含有する熱硬化性樹脂組成物には、その硬化を速めるために硬化剤を含有することも特に好ましく、これには有機過酸化物が挙げられる。具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等公知のものが使用され、混練条件、養生温度等で適宜選択できる。
【0018】
硬化剤の添加量は、不飽和ポリエステルと重合性単量体の合計量100重量部に対して、0.1−4重量部である。上記硬化剤は2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0019】
不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む熱硬化性樹脂組成物には、硬化促進剤を含有させることも好ましく、これには、金属石鹸類、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウムが挙げられ、金属キレート化合物としては、バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネートがある。またアミン類にはジメチルアニリン、N−n−ジエチルアニリン、N−n−ジメチルパラトルイジン、N−エチル−メタトルイジン、トリエタノールアミン、メタトルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等がある。
【0020】
硬化促進剤の添加量は、不飽和ポリエステルと重合性単量体の合計量脂100重量部に対して通常0.1−3重量部使用する。本発明においてはアミン系促進剤が好ましい。なお、硬化促進剤は予め樹脂に添加しておいても良いし、使用時に添加しても良い。
【0021】
本発明で使用される無機充填剤としては、水硬性ケイ酸塩材料、炭酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム、セルロース糸、硅砂、川砂、寒水石、大理石屑、砕石等が挙げられる。
【0022】
水硬性ケイ酸塩材料としては、CaO 45−75重量%、SiO2 15−30重量%、残りに例えばAl23、Fe23、MgO、SO3を含有するものが挙げられ、その代表的なものは、ポルトランドセメントである。その他早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩等の各種ポルトランドセメントも使用できる。また、混合セメントすなわち、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等も使用可能である。
【0023】
更に特殊セメント、例えば白色セメント、アルミナセメント、オイルウェルセメント、コロイドセメント、熱硬化性セメント、高硫酸塩スラグセメント、地熱セメント等も使用できる。
【0024】
本発明においては、水を加えても良く、この水には一般に使用される水道水、井戸水等であれば良く、海水や、硫酸塩を含む水等も使用可能である。好ましくは日本建設学会、建設工事標準仕様書・同解説JASS 5鉄筋コンクリート工事に合格するものであれば良い。
【0025】
このようにして得られる本発明の組成物は、水〜(不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む熱硬化性樹脂組成物)の系がスルホン酸金属塩基により非常に均一になり、水〜(不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む熱硬化性樹脂組成物)、水〜充填剤、充填剤〜(不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む熱硬化性樹脂組成物)の各系の分離が少ない組成物となる。
【0026】
本発明の組成物においては各成分の割合は、上記の熱硬化性樹脂組成物40−95重量部、好ましくは45−85重量部、無機充填剤5−60重量部、好ましくは8−40重量部の割合であり、また、水を0−50重量部、好ましくは0−15重量部の割合で含有しても良い。熱硬化性樹脂組成物が40重量部より少ないと、本発明の組成物の粘度が高くなりすぎ、塗布しにくくなり、配合成分の分離現象を生じ易くなる。また、水硬性ケイ酸塩材料等の無機充填剤が5重量部より少ないと、配合成分の分離現象が生じ、60重量部より多いと本発明の組成物の粘度が高くなり、混練工程で支障をきたす。また流動性も著しく悪くなるため、後の作業がやり難くなる。水が上記の割合より多いと水が分離し易く、均一な組成物とならないし、硬化不良を起こす。
【0027】
本発明で使用する熱硬化性樹脂組成物の好ましい粘度は、ポイズVis0.5−20、ガードナー粘度Y以下、より好ましくはポイズVis0.5−5、ガードナー粘度T以下である。粘度が高い場合には混練が難しくなり、低い場合には配合成分の分離を生じ易くなる。
【0028】
この粘度及び下地に対する含浸性を改善するために、溶剤を添加してもよい。この溶剤としてはトルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のエーテル類、酢酸ブチル、酢酸アミル、セロソルブアセテート等のエステル類が挙げられ、1種または2種以上混合して使用される。これら溶剤の配合量は本発明のプライマーの使用目的、使用部位、作業性等を考慮して適宜決められるが、通常は不飽和ポリエステルと重合性単量体の合計量100重量部に対して10−200、好ましくは20−100重量部の範囲で用いられる。溶剤の使用量は低い方が作業環境の点で好ましい。
【0029】
本発明の組成物は、必要に応じて加えた硬化開始剤、硬化促進剤等を含有する熱硬化性樹脂組成物に充填剤を混合し、水を加えるか、逆に水を先に加えて混合してから充填剤を加えても良い。作業性の点からは、熱硬化性樹脂組成物と、水と無機充填剤(ケイ酸塩材料)の混合物とを予め別々に調製してから両者を混合することが好ましい。
【0030】
本発明の組成物は、好ましくは水のある湿潤な土木建築関係の被覆剤、塗料として用いられ、例えばプライマーとして使用する例としては、コンクリート駆体にウレタン樹脂塗装床材を施工する場合に、まず、コンクリート駆体のほこり、油汚れ、水たまり、その他汚染物質を除去する。この際、表面は、湿っている程度でも良く、その程度はケット水分計CH−2型で15%以下なら良い。ついで、プライマーをハケ、ローラ等で均一に塗布する。塗布量としては、50−1500g/m2が好ましい。放置して塗膜を硬化させた後、この上に、上塗り用ウレタン塗料を塗布硬化させる。
【0031】
また、コンクリート駆体の劣化状況が激しく、凹凸が大きい場合には、川砂、硅砂、石粉等の充填材を骨材として含有させた組成物を下地調整モルタル材として使用しても良い。この場合の塗布量は1000−10000g/m2が好ましい。また、被塗物が発泡コンクリートのように著しく、本発明の組成物を吸収するときには、2−4回の重ね塗りを行うことによりその表面上に平滑な硬化塗膜を形成できる。
【0032】
このようにして下地塗膜が形成されるが、その硬化は例えば一液湿気硬化型ウレタンプライマー、エポキシ系プライマー、エマルジョン系プライマーに比べ、塗膜形成時間すなわち硬化時間が非常に速く、上塗り塗装工程に移ること出来る時間は0.5−2時間であり、従来の8−48時間より大幅に向上する。本発明の組成物をプライマーとして用いた場合の上塗り塗料としては、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステエル、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルゴム等の塗料が用いられるが、これに限らず、塩化ビニル樹脂、加硫ゴム等のシート類、アスファルト系材料、ポリマーコンクリート、レジンコンクリートも上塗り塗料と同様に使用できる。
【0033】
上記はコンクリートにプライマーとして本発明組成物を塗布する場合に付いて説明したが、本発明の被塗物は、モルタル、木材、紙、金属、プラスチック、天然石等であっても良く、プライマーでなく直接塗布される塗料としても用いることができる。特に湿潤な面を有するものに塗布する場合、有用である。
【0034】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0035】
まず、熱硬化性樹脂組成物A、B、C、D、Eを次のようにして製造した。
(1) A樹脂組成物
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた3リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール749部、テレフタル酸365部、アジピン酸146部、無水フタル酸237部、無水マレイン酸196部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸54部を仕込み、210℃まで昇温し、16時間反応後、スチレンモノマー960部、トルハイドロキノン0.10部、5%ナフテン酸銅0.04部加え不揮発分61.4%、酸価18.3、ガードナー粘度Rの不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0036】
(2) B樹脂組成物
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた3リットルの四つ口フラスコにネオペンチルグリコール551部、プロピレングリコール201部、フマル酸580部、イソフタル酸378部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(Eastman Chemicals製)50部を仕込み、210℃まで昇温し、9時間反応後、スチレンモノマー1301部、ハイドロキノン0.12部、4−ターシャリーブチルカテコール0.17部、ナフテン酸銅0.12部を加え不揮発分54.8%、酸価7.2、ガードナー粘度Q−Rの不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0037】
(3) C樹脂組成物
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた3リットルの四つ口フラスコに、プロピレングリコール717部、無水フタル酸666部、フマル酸522部を仕込み、205℃まで昇温し、16時間反応後、スチレンモノマー1026部、トルハイドロキノン0.14部加え、不揮発分65.0、酸価26.7、ガードナー粘度Rの不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0038】
(4) D樹脂組成物
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた3リットルの四つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール656部、フマル酸232部、イソフタル酸664部を仕込み、205℃まで昇温し、10時間反応後、スチレンモノマー1181部、トルハイドロキノン0.13部、不揮発成分55.5%、酸価15.6、ガードナー粘度P−Qの不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0039】
(5) E樹脂組成物
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量189のエピクロン850(大日本インキ化学工業(株)製エポキシ樹脂)458部、メタクリル酸215部、ハイドロキノン0.35部及びトリエチルアミン2.1部を加えて、110℃間で昇温し、6時間反応後、酸価6のビニルエステル樹脂を得た。これにスチレンモノマー300部を加え、不揮発成分63.5%、酸価10、ポイズVisPのビニルエステル樹脂を得た。
【0040】
実施例1−12、比較例1−6
上記で得られた組成物を表1の各実施例、各比較例の欄に示す他の成分とともに23゜C、65%相対湿度のもとで200ccのポリエチレン性ビーカー中で混合し、30分後のビーカー中の状態を観察した結果、及び30分経過した試料に更にベンゾイルパーオキサイドを1.5%添加したものをスレート板(厚さ2.7mm)に塗布した後の状態を指触により評価した結果を表1〜3に示す。表中、配合は重量部を示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003677747
なお、表中、容器中の混合状態の各符号は次のことを示す。
【0042】
○・・・配合成分の分離なし
△・・・水が少し浮きでて2層に分離
×・・・完全に2層に分離
【0043】
また、表中、スレート板の塗布物の状態の各符号は次のことを示す。
○・・・硬化(指に付着せず)
△・・・粘着性がある
×・・・粘着性大きい(指に付着)
【0044】
【表2】
Figure 0003677747
【0045】
【表3】
Figure 0003677747
【0046】
実施例13−22、比較例7−12
湿潤面駆体との接着状態を評価するため、次のようなコンクリート供試体を作製した。
【0047】
すなわち、表4のような配合のコンクリートを(株)マイル製傾胴型コンクリートミキサー(MIC−109−0−0−2型)にて混練し、第1図のような3mm厚さの一面解放のステンレス製型枠1に打設した。
【0048】
表中、Cは普通ポルトランドセメント、Sは兵庫県西島の砕石で粗粒率6.64の粗骨材、Gは岡山県児島の川砂で粗粒率2.66の細骨材を表す。
このようにして得られた試験体1個の重量は27−28kg,厚みは500mmであった。この厚みは土木構造用コンクリートを想定して決めた。
【0049】
打設後開放面を上面にして、20℃、65%相対湿度の恒温室に入れて気中養生した。コンクリートの湿潤程度は養生時間を変えることで変化させた。
コンクリート表面の含水率はケット(株)のCH−2型高周波水分率計を用いた。参考のためにはかった市販のJIS歩道板は8−9%であった。
【0050】
各設定の養生時間終了後開放面を#40のサンドペーパーで研磨し、上記実施例について表5に示す硬化剤を用いたプライマーをハケ塗りした。2時間放置後各プライマーが硬化した後(乾燥後)上塗り塗料またはシート被膜処理を行った。
【0051】
上塗り塗料は、大日本インキ化学(株)製「ディック・ウレタンN」を用い、その配合は主剤2:硬化剤1の比率で行い、コテを用いて塗布して塗布量を2kg/m2にした。塗布後3日以上放置し、型枠を外してコンクリート試験片について単軸引張り接着試験を第2図に示すような方法で行った。結果を表5〜7に示した。
【0052】
すなわち、コンクリート2の上記プライマー塗膜に上塗り塗膜またはシートからなる防水層3を有するコンクリート試験片に切溝4をいれ、40×40mm調製治具4をエポキシ系接着剤5により接着させ、接着剤が硬化した後、山本工重機(株)製油圧式接着試験機を用い、20℃で載荷速度1kgf/cm2/秒で試験した。引張り接着強度は次の式より求め、その結果を表5〜7に示す。表中、配合は重量部を示す。
【0053】
引張り接着強度(Kgf/cm2) = 接着荷重(kgf)/接着面積(cm2)
【0054】
なお、表中、ウレタンゴム系防水材はウレタンゴム系2類防水材ディックウレタンNであり、DPルーフシートは大日本インキ化学工業(株)製の塩化ビニル系シート防水材である。硬化剤の使用量は熱硬化性樹脂組成物に対する重量%である。
【0055】
表中、FR−200ガラスマットは、上記と同様に表5のプライマーをコンクリートに塗布し、硬化させた後被覆剤としてFRP積層を行った。FRP材料は大日本インキ化学工業(株)製不飽和ポリエステル樹脂ポリライトFR−200、硬化剤としてMEKPO、補強剤としてガラスチョップマット#450を用いた。 また、DPルーフシートは、上記と同様に表5のプライマーを塗布後、ニトリルゴム系接着剤DPボンドNをそのシート裏面とコンクリートの両方に均一に塗布し、オープンタイム15分をとり、厚着した。塗布量は500g/m2であった。
【0056】
また、目視による膨れ現象の観察を行った。
目視により評価した。
○・・・膨れ発生なし。
【0057】
×・・・直径3cm以上のふくれあり。
【0058】
【表4】
Figure 0003677747
【0059】
【表5】
Figure 0003677747
【0060】
【表6】
Figure 0003677747
【0061】
【表7】
Figure 0003677747
【0062】
比較例13−16
一液湿気硬化型ウレタンプライマー(プライディックT−117)を上記実施例と同様に塗布して0.2kg/m2の厚さの塗膜を形成し、上記実施例と同様にして評価した結果を表8に示す。
【0063】
比較例17、18
エポキシ系プライマー(大日本インキ化学工業(株)製エピクロン系のもの(主剤5300−42、硬化剤B−3150−45)を上記実施例と同様に塗布して0.3kg/m2の厚さの塗膜を形成し、上記実施例と同様にして評価した結果を表8に示す。 表8中、配合は重量部を示す。
【0064】
【表8】
Figure 0003677747
【0065】
実施例23−26、比較例19−24
湿潤状態の影響を評価する方法としてJISコンクリート歩道板(旭コンクリート(株)製)を3ヶ月間浸漬し、取り出した後表面の水滴を軽く拭き取り、第3図のような半水中状態にし、上記実施例、及び比較例について表9〜10に示す硬化剤を用いたプライマーをハケ塗りした。1日放置し、充分に硬化させた後、単軸引張り接着試験を上記実施例及び比較例と同様の方法で行った。結果を表9〜10に示した。なお、図中7は容器、8は厚さ10mmの標準砂層、9は上記と同様の組成の厚さ60mmのコンクリート歩道板である。コンクリート歩道板9の55mmまで水10が満たされ、その5mmが空中に露出している。また、寒熱繰り返しによる収縮剥離が問題となっているため、熱冷サイクル試験(−20℃×4h、+40℃×4hで1サイクル)を行った。
【0066】
まず、200×100×8mmのスレート板11上に2mmバッカー12で180×80の枠を作り、上記実施例、及び比較例について表4に示す配合の試験用コンパウンド13を枠に流し込んだ。1日放置後、プラチナスフシファーPL−3GM恒温恒湿機(タバイエスペック(株)製)中で熱冷サイクル試験(−20℃×4h、40℃×4h)を100サイクル行った。結果を表9〜10に示した。
【0067】
【表9】
Figure 0003677747
○・・・接着
×・・・剥離
【0068】
【表10】
Figure 0003677747
【0069】
【発明の効果】
本発明の組成物は、多少水があっても硬化し、水との混合性(なじみ性)に優れるので、水のある状態や濡れた状態の場所の被覆または塗料用に有用であり、特にコンクリート未硬化状態表面のような湿潤面や、さらに、水に濡れた状態のコンクリート面に対する接着性を向上し、この上に塗布される上塗り塗料やシート等の基材に対する接着性を向上し、その塗膜あるいはシートを平滑に設けることができる。 また、硬化が速く、接着も速いので、本発明の組成物を塗料、特にプライマーとして使用するときには、次の上塗り工程に移行するまでの時間を短くでき、塗装作業性を向上することができる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】 塗料を塗布する被塗布体としてのコンクリート打設用型枠である。
【図2】 塗膜の接着試験を行うときの具体的構造図である。
【図3】 コンクリート歩道板の湿潤状態を作る装置の断面図である。
【図4】 熱冷サイクル試験片の具体的構造図である。
【符号の説明】
1 ステンレス製型枠
2 コンクリート
3 防水層
4 切溝
5 治具
6 接着剤
7 容器
8 標準砂層
9 コンクリート歩道板
10 水
11 スレート板
12 発泡体板
13 試験用組成物

Claims (1)

  1. (A)(a)スルホン酸金属塩基を有する原料を不飽和ポリエステルソリッド中に0.1〜20重量%用いたα、β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類の縮合反応で得られる不飽和ポリエステル 30〜80重量%
    (b)重合性単量体20〜70重量%を含有する熱硬化性樹脂組成物 45〜95重量部、CaOが45〜75重量%、SiO 2 が15〜30重量%含まれる無機充填剤(B)成分を5〜60重量部、水を0〜50重量部の割合で含有することを特徴とするモルタル材
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