JP3446261B2 - 複合被覆構造体、土木建築物および複合被覆構造体施工法 - Google Patents

複合被覆構造体、土木建築物および複合被覆構造体施工法

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JP3446261B2
JP3446261B2 JP24113593A JP24113593A JP3446261B2 JP 3446261 B2 JP3446261 B2 JP 3446261B2 JP 24113593 A JP24113593 A JP 24113593A JP 24113593 A JP24113593 A JP 24113593A JP 3446261 B2 JP3446261 B2 JP 3446261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合被覆構造体、それ
を防水層とする土木建築物、防水複合被覆構造体の施工
方法に関する。
【0002】さらに詳細には、アスファルト、コンクリ
ートないしはモルタルを基体とした構造物、あるいは金
属駆体を基体とした構造物などの各種土木建築物に用い
られる、とりわけ、硬化乾燥性、表面乾燥性(耐皮張り
性)、接着強度、亀裂追従性、防水性、耐衝撃性、耐へ
こみ性、耐疲労性、駆体との一体性などに優れる複合被
覆構造体、それを防水層とする土木建築物、土木建築物
の複合被覆構造体の施工方法に関する。
【0003】
【従来の技術】コンクリート構造物や金属駆体などを基
体とした複合被覆構造体としては、基体上に伸びが30
%以上の高分子組成物層、さらに繊維強化熱硬化性樹脂
層用接着剤層、繊維強化熱硬化性樹脂層からなるもの
が、本発明者等により提案されている。(特開平3−2
61547号公報)これは、ポリウレタン樹脂層もしく
はアスファルト・エマルジョン層とFRP層とを接着剤
で複合化した被覆構造体に関し、駆体追従性、防水性、
遮塩性、耐擦傷性または炭酸ガスバリヤー性などを向上
せしめた構造体である。
【0004】一般に、防水施工を行う場合に適用される
防水材としては、土木建築物の基体素地面において、低
速および高速なる各種の伸縮運動や亀裂などが生じた場
合にあっても、形成された防水層自体は、容易に、亀裂
や剥離などを生じないように、伸縮性または接着強度に
優れた、さらには、耐久性などの優れたものであること
が要求される。
【0005】しかし、FRP系被覆構造体による防水層
は、一般に、亀裂追従性に劣るといった問題があって、
これが為に、土木建築物の屋上防水などにおける、いわ
ゆる一定間隔の目地切り部では、応力集中個所が発生
し、破断に繋がり易い。又、その上に、改めて、防水被
覆を行っても、亀裂が入り易いという問題が残る。
【0006】前記特開平3−261547号公報の複合
被覆構造体は、とりわけ、駆体追従性、防水性、遮塩
性、耐擦傷性、炭酸ガスバリヤー性などが、一段と改善
向上したものである。しかし、アスファルト・エマルジ
ョン組成物を使用する場合、次に掲げるような問題があ
った。
【0007】(1)塗膜型アスファルト・エマルジョン
の場合、水分による゛ふくれ゛が発生しやすく、その強
度に問題がある。即ち、アスファルト・エマルジョン
は、それ自体が一液型であるために、取扱い性にも優れ
るし、柔軟性付与下層防水材としても優れ、しかも、水
エマルジョン型のために、安全性が高く、火災の危険性
が無いなどの長所がある。
【0008】また、アスファルト・エマルジョンを用い
る最大の長所は、価格が、他の高分子組成物防水材に比
して、格段に安価であることも然ることながら、この材
料が、特異なる粘弾性の性状を保有するという処にあ
る。即ち、土木建築構造物の大きな動きでもって、アス
ファルト防水材層に破断部が発生したとしても、夏季の
気温上昇によって、粘性性状が強まり、破断部が、自然
と自己接着化するに到るという性状を保有する為であ
る。
【0009】しかし、水を蒸発させて塗膜を形成させる
という原理上、乾燥・硬化時間が長くなり、施工時間が
かかるという施工性の欠点がある。特に造膜温度の関係
により、冬期においては、著しく乾燥・硬化時間が延び
る(硬化乾燥性に劣る)。一方、夏期においては、高温
のために、塗膜表面のみが乾燥し、皮張り状態となり塗
膜内部の水分が封じこまれて乾燥出来ないという表面乾
燥性(耐皮張り性)の問題がある。即ち、これらの問題
は、防水材のふくれ発生という致命的な欠陥につながっ
てくる。しかも表面乾燥性の為に最高塗膜厚みは、0.
5mmが限界であるため、アスファルト・エマルジョン
は複合被覆構造体の柔軟層としては、塗膜厚みの点で不
適当である。
【0010】即ち、上記のように、アスファルト・エマ
ルジョンの場合、これを対象物に塗布し、皮膜形成する
場合、水の蒸発除去が必須となり、低温での使用、密閉
状態或は積層状態での使用、厚く塗布した場合は、表面
乾燥皮膜の形成が著しく遅れ、場合によっては実用に耐
えない。且つ、厚塗りの場合は、層内の乾燥速度の不平
等でクラックの発生などの皮膜の不均質が発生する。こ
れ等を防ぐために、硅弗化ソーダ或は金属塩類のごとき
エマルジョン破壊剤の添加による皮膜形成の促進が行わ
れている。しかし、この方法では、依然としてエマルジ
ョン破壊で生じた水の蒸発除去は必要であり、且つエマ
ルジョン破壊で生じた水分及び水溶性成分は、皮膜表面
及び下地界面に押し出され、耐水接着力を著しく阻害す
ると同時に、ふくれ発生の原因となる。
【0011】(2)アスファルト・エマルジョン層と繊
維強化熱硬化樹脂(FRP)層とを複合化接着する場合
に使用できる接着強度に優れた接着剤が、存在しなかっ
た。つまり、一般的には、アスファルト組成物用接着剤
としては、同質材料であるアスファルトないしは改質ア
スファルトを基本にした、ホット・メルト・アスファル
トや、アスファルト・エマルジョンなどが用いられてい
る。これを使用する理由は、これら汎用接着剤には各種
の溶剤類が混入されているために、アスファルトをカッ
ト・バックするという現象が発生し、その結果、接着性
が著しく低下し、接着剤としてはおよそ使用が不可能で
ある。特殊なケースとして接着性の良さとか、機械的強
度が高いことなどの特性を活かして、エポキシ樹脂が利
用される場合もある。しかし、一般にエポキシ樹脂は、
柔軟性に劣る処から柔軟性付与剤として、各種の可塑剤
や反応性希釈剤などを用いるために、これらの材料が、
長期暴露中に、飛散して柔軟性をなくし、その結果、接
着性が低下して来る。さらに、硬化時間が長いために、
施工生産性が悪く、特に、冬期ともなると、5℃以下の
施工においては、極端に、硬化性が悪くなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上層
防水材として強度物性に優れる繊維強化熱硬化樹脂組成
物(FRPと称する)防水材を用いる複合被覆構造体に
おいて、下層防水材としてアスファルト・エマルジョン
組成物を用いる場合の問題点、即ち、アスファルト・エ
マルジョン組成物の厚塗り時の硬化乾燥性と塗膜表面乾
燥性(耐皮張り性)及び施工性、アスファルト・エマル
ジョン組成物と該FRP層との接着強度の改善、複合被
覆構造体とした時の駆体追従性と強度性能の改善にあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意研究を重ね、FRP防水材を複合化する場
合に、水硬性珪酸塩を含有するアスファルト・エマルジ
ョン組成物を用いて硬化乾燥性を、さらに夏場の高温時
の施工に繊維材(C)を用いれば表面乾燥性(耐皮張り
性)及びFRP防水材との接着強度の向上した、耐へこ
み性、耐衝撃性、疲労性に優れた複合被覆構造体を得ら
れること見いだし本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、上から (A)上層防水材として繊維強化熱硬化樹脂組成物を用
いた層 (B)繊維強化熱硬化樹脂組成物を用いた層用接着剤層 (C)繊維材層 (D)下層防水材として水硬性珪酸塩を含有するアスフ
ァルト・エマルジョン組成物を用いた層 (E)プライマー層 (F)基体 を有する複合被覆構造体、更には上から (A)上層防水材として、請求項1記載の接着剤層
(B)用樹脂を用いた繊維強化熱硬化樹脂組成物を使用
した層 (C)繊維材層 (D)下層防水材として水硬性珪酸塩を含有するアスフ
ァルト・エマルジョン組成物を用いた層 (E)プライマー層 (F)基体 を有する複合被覆構造体を提供するものである。
【0015】更には、前記(D)層の水硬性珪酸塩を含
有するアスファルト・エマルジョン組成物が、ゴム−ア
スファルト・エマルジョンと水硬性珪酸塩と粘着樹脂と
からなるものであることを特徴とする複合被覆構造体。
前記(C)層の繊維材が、繊維強化材で、ガラス繊維、
あるいは有機質繊維であることを特徴とする複合被覆構
造体。前記(B)層の接着剤が、(イ)ビニルエステル
樹脂、(ロ)空乾性付与型重合体および(ハ)アクリロ
イル基ないしはメタクリロイル基を有するエチレン性不
飽和単量体から成る熱硬化樹脂組成物であることを特徴
とする複合被覆構造体を提供し、前記複合被覆構造体を
防水構造体とする土木建築物。さらに、基体(F)上
に、プライマー層(E)を施工し、次いでその上に下層
防水材として水硬性珪酸塩を含有するアスファルト・エ
マルジョン組成物を用いた層(D)を施工し、次にその
上に繊維材層(C)を施工し、繊維強化熱硬化樹脂組成
用いた層用接着剤層(B)を施工し、更にその上に繊
維強化熱硬化樹脂組成物を用いた層(A)を施工するこ
とを特徴とする複合被覆構造体施工方法を提供するもの
である。
【0016】(構成)以下本発明について詳細に説明す
る。
【0017】本発明の繊維強化熱硬化樹脂組成物を用い
層(A)に用いられる熱硬化性樹脂としては、不飽和
ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂等であり、好ましくは不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニルエステル樹脂である。
【0018】不飽和ポリエステル樹脂としては、α,βー
不飽和二塩基酸又はその酸無水物と、芳香族飽和二塩基
酸又はその酸無水物と、グリコール類の重縮合によって
製造され、場合によっては酸成分として脂肪族或いは脂
環族飽和二塩基酸を併用して製造された不飽和ポリエス
テル30〜80 重量部を、α,βー不飽和単量体70〜20重量
部に溶解して得られるものが挙げられる。また、ビニル
エステル樹脂とは、不飽和ポリエステルの末端をビニル
変性したもの、及びエポキシ樹脂骨格の末端をビニル変
性したものである。これらは、必要により硬化剤、硬化
促進剤、充填剤、増粘剤、低収縮化剤等を添加するが、
特に硬化剤、硬化促進剤の添加は有用である。
【0019】硬化剤としては、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂等に作用するもので、例えば、
アゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、ターシャ
リーブチルパーベンゾエート、ターシャリーパーオクト
エート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過
酸化物等を挙げることができ、不飽和ポリエステル樹脂
100重量部に対して通常0.3〜3重量部の範囲で用
いることができる。
【0020】硬化促進剤としては、すなわち、硬化剤た
る有機過酸化物を、レドックス反応によって分解し、活
性ラジカルの発生を容易にする作用のある物質として
は、コバルト系、バナジウム系またはマンガン系の如
き、各種の金属石鹸類をはじめ、第3級アミン類、第4
級アンモニウム塩またはメルカプタン類などが特に代表
的なものである。
【0021】熱硬化樹脂を補強するために用いる繊維強
化材とは、例えば、ガラス繊維、アミド、アラド、ビ
ニロン、ポリエステル、フェノール等の有機繊維、カー
ボン繊維、金属繊維、セラミック繊維あるいはそれらの
組合わせである。施工性、経済性を考慮した場合、好ま
しいのは、ガラス繊維、有機繊維である。繊維の形態
は、平織り、朱子織り、マット状等があるが、施工性、
厚み保持等よりマット状が好ましい。またガラスロービ
ングを20〜100 mmにカットして、チョップドストランド
にして使用することも可能である。
【0022】充填剤としては、炭酸カルシウム粉、クレ
ー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリ
カパウダー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化
アルミニウム、セルロース系、硅砂、川砂、寒水石、大
理石屑、砕石などの公知のものが挙げられ、なかでも硬
化時半透明性を与えるのでガラス粉、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウムなどが好ましい。
【0023】本発明の(B)層で用いられる繊維強化熱
硬化樹脂組成物を用いた層用接着剤とは、液状で塗布出
来る形態の接着剤により形成されるものである。好まし
くは、その組成は、(イ)ビニルエステル樹脂、(ロ)
空乾性付与型重合体および(ハ)アクリロイル基ないし
はメタクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体か
ら成る熱硬化樹脂組成物である。
【0024】上記ビニルエステル樹脂は、接着剤層とし
て用いる他に、請求項2に記載の如く、繊維強化熱硬化
樹脂層(A)用の樹脂としても使用することが出来る。
【0025】ビニルエステル樹脂(イ)としては、好ま
しくは、飽和ないしは不飽和ポリエステルの末端カルボ
キシル基と、不飽和グリシジル化合物とを付加反応せし
めた形の、飽和ないしは不飽和ポリエステル(メタ)ア
クリレートと指称されるものと、エポキシ骨格(エポキ
シ樹脂)の末端を、α,β−エチレン性不飽和二塩基酸
と、当量比で1対2となるように、反応せしめて得られ
るエポキシ・アクリレートと指称されるものとが挙げら
れるが、これらは単独使用でも、2種以上の併用でも良
い。
【0026】ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂と
は、一分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリル酸エ
ステル基を有する、飽和ないしは不飽和ポリエステル、
あるいは該(メタ)アクリル酸エステル基含有(不)飽
和ポリエステルと、重合性不飽和単量体類との混合溶液
を指称するものである。
【0027】ここにおいて、(不)飽和ポリエステル
は、グリコール成分を主体とする、トリオール成分との
ポリオール類と、二塩基酸を主体とする、三塩基酸成分
との多塩基酸類(ポリカルボン酸類)とのエステル反応
によって得られるようなものを指称する。そのさいに、
必要により、モノエポキサイド化合物、エポキシ化合物
および/またはイソシアナート化合物を併用しても良
い。
【0028】(不)飽和ポリエステル調製用のグリコー
ル類として特に代表的なもののみを挙げるにとどめれ
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジメチロールシクロヘキサン、2,4,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどに代表さ
れるアルキレングリコール類;
【0029】ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリプチレングリコールなどに代表されるポリ
アルキレングリコール類;ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノ
ールAなどに代表される2価フェノールと、エチレンオ
キサイドやプロピレンオキサイドに代表されるアルキレ
ンオキサイドとの付加反応生成物などが挙げられる。
【0030】トリオール類として特に代表的なもののみ
を挙げるにとどめれば、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタンまたは1,2,6−ヘキ
サントリオールなどである。
【0031】テトラオール単位としては、ペンタエリス
リトール、ジグリセロール、1,2,3,4−ブタンテ
トリオールなどが特に代表的なものである。
【0032】また、二塩基酸(無水物)として特に代表
的なもののみを挙げるにとどめれば、o−フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
テトラクロルフタル酸、テトラブロモフタル酸、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,1,2
−ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハ
イミッタ酸またはヘット酸などであるし、三塩基酸単位
として特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、ト
リメリット酸、アコニット酸、ブタントリカルボン酸ま
たは6−カルボキシ−3−メチル−1,2,3,6−ヘ
キサヒドロフタル酸などがあるし、四塩基酸単位として
は、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などが特
に代表的なものである。
【0033】モノエポキサイド単位として特に代表的な
もののみを挙げるにとどめれば、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、スチレン
オキサイドまたはフェニルグリシジルエーテルなどであ
る。
【0034】エポキシ化合物としては、いわゆるエポキ
シ樹脂なるものが、好適に使用することが出来るが、そ
の一例としては、プラスチック材料講座1「エポキシ樹
脂」(昭和11年5月10日、日刊工業新聞社の発行
で、縞本邦之編著)の第19〜48頁に記述されている
ようなエポキシ樹脂である。
【0035】イソシアナート化合物単位としては、ポリ
ウレタン業界で公知の多価イソシアネート化合物を、好
適に使用することが出来るが、その一例としては、同プ
ラスチック材料講座2「ポリウレタン樹脂」(昭和44
年6月30日、日刊工業新聞社の発行で、岩田敬治著)
第46頁、ならびに第175〜178頁に記述されてい
るような多価イソシアナート化合物である。
【0036】上記樹脂の製法としては、2価、3価また
は4価のグリコールと、アクリル酸および/またはメタ
クリル酸ならびに多塩基酸とのエステル化反応による
か、あるいは、(メタ)アクリル基および水酸基を有す
る化合物と、多塩基酸とのエステル化反応によるという
ような方法が挙げられる。
【0037】不飽和ポリエステルとは、たとえば、α,
β−エチレン性不飽和二塩基酸またはそれらの酸無水物
と、芳香族飽和二塩基酸またはそれらの酸無水物と、グ
リコール類との重縮合反応によって製造され、場合によ
って、酸成分として、脂肪族ないしは脂環式の飽和二塩
基酸をも併用した形で製造されるようなものなどが挙げ
られる。
【0038】上記のα,β−不飽和二塩基酸またはそれ
らの酸無水物として特に代表的なもののみを挙げるにと
どめれば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸またはクロルマレイン酸、ある
いはこれらのエステル類などである。
【0039】芳香族飽和二塩基酸またはそれらの酸無水
物として特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、
フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸またはハロゲン化
無水フタル酸、あるいはこれらのエステル類などであ
り、脂肪族ないしは脂環式の飽和二塩基酸として特に代
表的なもののみを挙げるにとどめれば、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、グルタル酸またはヘキサヒドロ無水フタル酸、ある
いはこれらのエステル類などであり、それぞれ、単独使
用でも2種以上の併用でもよい。
【0040】グリコール類として特に代表的なもののみ
を挙げるにとどめれば、エステルグリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオ
ペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビス
フェノールA,エチレングリコールカーボネートまたは
2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)
プロパンなどであり、これらは単独使用でも、2種以上
の併用でもよいが、そのほかにも、エチレンオキサイド
やプロピレンオキサイドなどとの付加物も同様に使用で
きる。
【0041】また、グリコール類と、酸成分の一部とし
て、ポリエチレンテレフタレートなどの重縮合物も使用
できる。
【0042】不飽和グリジジル化合物として特に代表的
なもののみを挙げるにとどめれば、アクリル酸またはメ
タアクリル酸の如き、各種の不飽和一塩基酸のグリシジ
ルエステル類、たとえば、グリシジルアクリレートまた
はグリシジルメタクリレートなどである。
【0043】なお、かかる不飽和グリシジル化合物とし
て特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、グリシ
ジルアクリレートなどであり、就中、このグリシジルア
クリレートの使用が望ましい。
【0044】かかる不飽和ポリエステル・アクリレート
の数平均分子量としては、好ましくは、1,500〜
3,000、特に好ましくは1,800〜2,800な
る範囲内が適切である。分子量が1,500よりも小さ
いと、どうしても、得られる硬化物に粘着性が生じた
り、強度物性が低下したりするし、一方、3,000よ
りも大きいと、どうしても、硬化時間が長くなり、生産
性が劣って来るようになる。
【0045】本発明において用いられる、エポキシ・ア
クリレート樹脂とは、たとえば、ビスフェノール・タイ
プのエポキシ樹脂の単独を、あるいは、ビスフェノール
・タイプのエポキシ樹脂とノボラック・タイプのエポキ
シ樹脂との併用になるものを指称し、その平均エポキシ
当量が、好ましくは、150〜450なる範囲内にある
ようなエポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを、エステル
化触媒の存在下で、反応せしめて得られるエポキシビニ
ルエステルである。
【0046】ここで、上記したビスフェノール・タイプ
のエポキシ樹脂として特に代表的なもののみを挙げるに
とどめれば、エピクロルヒドリンと、ビスフェノールA
ないしはビスフェノールFとの反応によって得られる、
実質的に一分子中に2個以上のエポキシ基を有する、グ
リシジルエーテル型のエポキシ樹脂;
【0047】またはメチルエピクロルヒドリンと、ビス
フェノールAないしはビスフェノールFとの反応によっ
て得られる、ジメチルグリシジルエーテル型のエポキシ
樹脂;あるいは、ビスフェノールAのアルキレンオキサ
イド付加物と、エピクロルヒドリンまたはメチルエピク
ロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂な
どである。
【0048】また、上記したノボラックタイプのエポキ
シ樹脂として特に代表的なもののみを挙げるにとどめれ
ば、フェノール・ノボラックまたはクレゾール・ノボラ
ックと、エピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒ
ドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂などであ
る。
【0049】さらに、上記した不飽和一塩基酸として特
に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、アクリル
酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、
モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチ
ルマレート、またはモノ(2−エチルヘキシル)マレー
トなどがある。
【0050】なお、これらの不飽和一塩基酸は、単独使
用でも2種以上の併用でもよい。上記したエポキシ樹脂
と不飽和一塩基酸との反応は、好ましくは、60〜14
0℃、特に好ましくは、80〜120℃なる範囲内の温
度において、エステル化触媒を用いて行われる。
【0051】エステル化触媒としては、公知慣用の化合
物が、そのまま使用できるが、そのうちでも特に代表的
なもののみを挙げるにとどめれば、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルア
ニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き、各種の
3級アミン類;またはジエチルアミン塩酸塩などであ
る。
【0052】かかるエポキシ・アクリレート樹脂の数平
均分子量としては、好ましくは、900〜2,500、
特に好ましくは、1,300〜2,200なる範囲内が
適切である。分子量が900よりも小さい場合には、得
られる硬化物に粘着性が生じたり、強度物性が低下した
りするようになるし、一方、2,500よりも大きい場
合には、硬化時間が長くなり、生産性が劣って来るよう
になる。
【0053】本発明において用いられる、前記した(メ
タ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体
(ハ)としては、前述のビニルエステル樹脂(イ)と架
橋反応が可能なる、不飽和モノマー類または不飽和オリ
ゴマー類などが特に代表的なものとして挙げられるが、
就中、(メタ)アクリル酸エステルモノマー類の使用が
望ましい。
【0054】かかる(メタ)アクリロイル基を、一切、
含有しないモノマー類を使用し、しかも、その使用量が
多くなった場合には、どうしても、ビニルエステル樹脂
との共重合性が悪くなり、その結果、硬化時間が長くな
るという欠点が発生するようになる。
【0055】(メタ)アクリロイル基含有のエチレン性
不飽和単量体として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸2
−ハイドロキシエチル、アクリル酸2−ハイドロキシプ
ロピル、アクリル酸β−エトキシエチル、アクリル酸2
−シアノエチル、アクリル酸シクロヘキシルもしくはア
クリル酸ジエチルアミノエチル、
【0056】またはメタアクリル酸メチル、メタアクリ
ル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ヘ
キシル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ラウリ
ル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸2−ハ
イドロキシエチルもしくはメタアクリル酸2−ハイドロ
キシプロピル、
【0057】あるいは、フェニルカルビトールアクリレ
ート、ノニフェニルカルビトールアクリレート、ノニフ
ェノキシプロピルアクリレート、N−ビニルピロリド
ン、ポリカプロラクトンアクリレート、アクリロイルオ
キシエチルフタレートまたはアクリロイルオキシサクシ
ネートなどである。
【0058】さらに、樹脂硬化物の表面乾燥性を向上さ
せることの出来る、ジシクロペンタンジエン、シリシク
ロデカンまたはトリアジンの、各種の誘導体類として、
たとえば、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルオキシエチルアクリレート、トリシクロデカ
ニルアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌルアク
リレートなどが特に代表的な例である。
【0059】無論、架橋反応時の共重合性こそ、少々劣
るものの、これら以外のビニル系単量体を併用しても良
い。
【0060】そのような単量体として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、スチレン、酢酸ビニル、
ビニルトルエン、αメチルスチレン、ジアリルフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジアリルテトラプロムフタレートなどのアリルモ
ノマー類;アクリルニトリル、グリシジルメタクリレー
ト、n−メチロールアクリルアミド−ブチルエーテル、
n−メチロールアクリルアミドまたはアクリルアミドな
どの、いわゆる硬質モノマー類などである。
【0061】本発明では、さらに、不飽和アルコールま
たは多官能不飽和モノマーを併用しても良い。
【0062】まず、上記の不飽和アルコールとは、アク
リロイル基と水酸基を有する化合物を指称するものであ
り、当該化合物の具体例としては、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルまたはアクリル酸ヒドロ
キシプロピルなどがある。
【0063】これらの化合物は、アスファルトを用いた
ものに対して、本発明組成物を用いる際に使用されるも
のである。
【0064】次いで、上記した多官能不飽和モノマー類
とは、一分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有
する化合物と定義されるものであり、当該化合物を指称
するものであって、とりわけ、硬化物表面の耐摩耗性、
耐擦傷性、耐摺動性ならびに耐薬品性などを向上せしめ
る目的で以て、好んで使用されるものである。
【0065】それらのうちでも特に好ましい化合物とし
ては、多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマー類
であり、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレートまたは1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレートの如き、各種のアルカンジオールジ(メ
タ)アクリレート類;
【0066】ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
またはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの
如き、各種のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メ
タ)アクリレート類;あるいは、
【0067】ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、
トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート
またはジアリルフマレートなどが特に代表的なものとし
て挙げられ、これらは単独使用でも、2種以上の併用で
も良いことは、勿論である。
【0068】本発明で用いられる前記した空乾性付与型
重合体(ロ)とは、不飽和ポリエステルまたはビニルエ
ステル樹脂などへ、必須の成分としての、空乾性成分
(空乾性付与成分)を導入せしめることによって得られ
るようなものを指称する。
【0069】上述した被架橋重合体としての、それぞ
れ、不飽和ポリエステルまたはビニルエステル樹脂など
に対して、空乾性成分を導入する方法としては、次のよ
うなものが挙げられる。
【0070】その一つが、グリコール成分に、−O−C
2−CH=CH2で示されるアリルエーテル基を有する
化合物を併用するという方法である。次に、酸成分に、
環状脂肪族不飽和多塩基酸またはそれらの誘導体から誘
導されるような化合物を併用するという方法である。
【0071】さらには、ジシクロペンタジエンを用いて
誘導されるような化合物を併用するという方法である
し、また、乾性油やエポキシ反応性希釈剤などを併用す
るという方法である。
【0072】これらの諸方法のうち、まず、アリルエー
テル基含有化合物としては、公知のものが、いずれも使
用できるが、それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、エチレングリコールモノアリル
エーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、
トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチ
レングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコ
ールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
アリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリル
エーテルもしくはポリプロピレングリコールモノアリル
エーテル、
【0073】または1,2−ブチレングリコールモノア
リルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリル
エーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、
オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロ
ールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロ
パンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテ
ル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトー
ルモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリ
ルエーテルの如き、多価アルコール類の各種のアリルエ
ーテル化合物、あるいはアリルグリシジルエーテルの如
き、オキシラン環を有する各種のアリルエーテル化合物
などである。
【0074】次いで、グリコール成分として、他に併用
されるものとしては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブチンジオ
ール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペ
ンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ビスフェノールA,水素化ビスフ
ェノールA、エチレングリコールカーボネートまたは
2,2−ジ(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プ
ロパンなどが挙げられ、単独使用でも2種以上の併用で
も良い。
【0075】さらに、その他のエチレンオキサイドやプ
ロピレンオキサイドなどの酸化物もまた、同様に使用で
きる。また、グリコール成分と酸成分との一部として、
ポリエチレンテレフタレートなどの重縮合物も使用でき
る。
【0076】また、上掲された如き、各種の環状脂肪族
不飽和多塩基酸またはそれらの誘導体からなる化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テ
トラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ
無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、α−
テルヒネン−無水マレイン酸付加物、ロジンまたはエス
テルガムなどである。
【0077】また、これらの環状脂肪族不飽和多塩基酸
またはそれらの誘導体と組合わせて使用される、まず、
α、β−エチレン性不飽和二塩基酸またはそれらの酸無
水物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸またはこれらのエ
ステルなどであり、次いで、芳香族飽和二塩基酸または
それらの酸無水物として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、ハロゲン化無水フ
タル酸またはこれらのエステルなどであり、さらに、脂
肪族ないしは脂環族飽和二塩基酸として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アセライン酸、グ
ルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸またはこれらのエ
ステルなどであり、それぞれ、単独使用でも2種以上の
併用でも良い。
【0078】さらに、グリコールと酸より合成される、
不飽和アルキッド樹脂の末端カルボキシル基と、グリシ
ジル基を有する反応性モノマー類とを反応させて得られ
る樹脂もまた、使用することが出来る。
【0079】かかるグリシジル基含有の反応性モノマー
類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、グリシジルアクリレートまたはグリシジメメタクリ
レートなどである。
【0080】また、シス−3−メチル−4−シクロヘキ
セン−シス−1,2−ジカルボン酸と、その無水物(以
下、これらをβ−PMAAと略記する。)なるβ−PM
AA単位化合物も使用できるが、該化合物とは、上記し
た如きβ−PMAAを指称するものであって、これらの
化合物は、トランス−ピペリレンと、マレイン酸無水物
との付加物、あるいは該付加物中の酸無水基が開環して
得られるものである。
【0081】さらに、ジシクロペンタンジエンを有する
化合物として特に代表的なものとしては、ヒドロキシ化
ジシクロペンタンジエンなどが挙げられる。
【0082】また、乾性油として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、アマニ油、大豆油、綿実油、
やし油または落花生油などの諸脂肪油をはじめ、さらに
は、これらの脂肪油と、グリセリンなどの多価アルコー
ルとの反応物などである。
【0083】エポキシ反応性希釈剤としては、モノエポ
キシ化合物やポリエポキシ化合物などが、特に代表的な
ものである。前者の例に属するものとしては、アリルグ
リシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタアクリル酸
エステルまたは「カージュラ E」(オランダ国シェル
社製品)などが挙げられるし、後者の例に属するものと
しては、「ユノックス206」(アメリカ国ユニオン・
カーバイド社製品)、「エピコート 812」[大日本
インキ化学工業(株)製品]またはDGE(ジグリシジ
ルエーテル)などが挙げられる。
【0084】不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹
脂、エポキシビニルエステル樹脂を製造する際には、ゲ
ル化を防止する目的や、生成樹脂の保存安定性あるいは
硬化性の調整の目的で重合禁止剤を使用することが推奨
される。
【0085】ここで、使用される上記重合禁止剤として
代表的なものを挙げれば、ハイドロキノン、p−t−ブ
チルカテコール若しくはモノ−t−ブチルハイドロキノ
ンなどのハイドロキノン類;ハイドロキノンモノメチル
エーテル若しくはジ−t−ブチル−p−クレゾールなど
のフェノール類:p−ベンゾキノン、ナフトキノン若し
くはp−トルキノンなどのキノン類;ナフテン酸銅の如
き銅塩などがある。
【0086】本発明に係わる当該樹脂組成物には、前記
の硬化剤、硬化促進剤のほかに、増粘剤や、低収縮剤な
どを添加してもよいが、特に硬化促進剤と、硬化剤とを
含有することは好ましい。
【0087】硬化剤としては、有機過酸化物などが挙げ
られる。具体的には、ジアシルパーオキサイド系、パー
オキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアル
キルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パー
オキシケタール系、アルキルパーエステル系またはパー
カーボネート系などの、公知慣用のものが使用され、混
練条件や養生温度などに応じて、適宜、選択される。
【0088】その添加量は、通常、使用されている量で
あり、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂組成物の1
00重量部に対して0.01〜4重量部であり、上記の
如き各種の硬化剤は、適宜、組合わせて使用されても良
い。
【0089】本発明において用いられる不飽和ポリエス
テル樹脂組成物には、硬化収縮を低減せしめる目的で以
て、低収縮剤を添加することが出来る。かかる低収縮剤
としては、熱可塑性の樹脂が挙げられ、そのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メチルメ
タクリレートエチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、メチルアクリレートまたはエチルアクリレートの
如き、アクリル酸ないしはメタクリル酸の、各種の低級
アルキルエスル類;スチレン、塩化ビニルまたは酢酸ビ
ニルなどの種々の単量体の単独重合体ないしは共重合体
類;あるいは、
【0090】前掲された如き、各種のビニル単量体の少
なくとも1種と、ラウリルメタクリレート、イソビニル
メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
ヒドロキシルアルキル−アクリレートないしは−メタク
リレート、アクリニトリル、メタクリルロニトリル、ア
クリル酸、メタクリル酸またはセチルステアリルメタク
リレートの如き、各種の単量体の少なくとも1種との共
重合体などをはじめ、
【0091】さらには、セルロースアセテートブチレー
トもしくはセルロースアセテートプロピオネートまたは
ポリエチレンもしくはポリプロピレン、あるいは飽和ポ
リエステルなどである。
【0092】本発明の前記(C)層の繊維材とは、夏場
等の高温時にアスファルト・エマルジョンを施工した場
合の表面乾燥性を防止する(耐皮バリ性)効果のあるも
のであれば良く、更に湿潤時養生におけるアスファルト
・エマルジョン層の補強効果、FRP層(A)との接着
強度の向上効果のあるもので、好ましくは、目付量15
〜450g/m2のものである。具体的には繊維強化材
が使用でき、例えば、ガラス繊維、アミド、アラド、
ビニロン、ポリエステル、フェノール等の有機質繊維、
カーボン繊維、金属繊維、セラミック繊維あるいはこれ
らの組み合わせたものである。施工性、経済性を考慮し
た場合、好ましいのはガラス繊維、有機繊維である。繊
維の形態は、平織り、朱子織り、マット状等があるが、
施工性、アスファルト・エマルジョン組成物を用いた
(D)への繊維のアンカー効果を考慮するとマット状が
好ましい。特に有機質繊維の不織布が、好ましい。
【0093】本発明の水硬性珪酸塩を含有するアスファ
ルト・エマルジョン組成物を用いた層(D)とは、具体
的には、次のようなものである。即ち、アスファルト・
エマルジョン組成物とは、好ましくは、ゴム−アスファ
ルト・エマルジョンと粘着樹脂とを含有するものであ
り、使用時に水硬性珪酸塩の粉体を配合添加した組成物
である。
【0094】本発明のゴム−アスファルトエマルジョン
は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれでも
良いが、水硬性珪酸塩を添加、混合し、塗布作業を行う
のに充分なエマルジョン安定性を持つ必要がある。ゴム
−アスファルト中のゴムとしては、天然ゴム、スチレン
−ブタジエン共重合ゴム、ブチルゴム、ポリブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エチレン−酢
酸ビニル共重合体などがあるが、好ましくはスチレン−
ブタジエン共重合ゴム或はカルボキシル変性スチレン−
ブタジエン共重合体を主成分とすることが、ゴム−アス
ファルト・エマルジョン固体層として性能的にも経済的
にも優れている。
【0095】ゴム−アスファルト中のアスファルトとし
ては、例えば、天然アスファルト、ストレートアスファ
ルト、ブローンアスファルトなどがあり、そのいずれも
使用し得る。ゴム−アスファルト中のゴム成分含有量
は、特に制限されるものではないが、ゴム−アスファル
ト・エマルジョン全固形分に対して、5〜50重量%が
性能的には好ましい。
【0096】粘着樹脂は、改質配合剤としてアスファル
ト・エマルジョンの強度発現が劣る湿潤下地に対する密
着性の向上、及びセメントの存在により低下したアスフ
ァルト・エマルジョンの特徴である低温時の柔軟性を向
上させるものであれば良い。即ち、ゴム−アスファルト
と相溶性が良く、ゴム−アスファルトとの密着性を向上
させ、その皮膜性能を大きく低下させないことが必要で
ある。具体例を挙げれば、、各種天然樹脂、ロジン誘導
体樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン
系樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体樹脂など
で、特にロジン、水添ロジングリセリンエステル、C5
系およびC9系石油樹脂が好適である。この粘着樹脂の
軟化点は、150℃以下であって、特に60〜120℃
のものが好適である。軟化点が、これ以上の樹脂は、ゴ
ム−アスファルトとの相溶性が悪く、ゴム−アスファル
ト皮膜の性能を広い温度範囲に亘つて保ち難い。これら
は、少量の有機溶剤が添加されていても良い。
【0097】粘着樹脂の使用量は、好ましくはゴムとア
スファルトの合計100重量部に対し1〜30重量部で
あり、より好ましくは5〜15重量部である。粘着樹脂
の最適量は、ゴム−アスファルトの組成、樹脂の種類な
どで異るが、1重量部未満では樹脂の添加効果がなく、
30重量部をこえるとゴム−アスファルト皮膜の柔軟性
を損ない、粘着性が強くなり過ぎ、ゴム−アスファルト
の本来の特性を失うことになる。
【0098】本発明に使用される水硬性珪酸塩として
は、粉末形状のものであり、施工時に容易に添加・混合
できる粒径であることが好ましい。又、水硬反応終了時
により多くのエトリジャイト生成物を生じるような水硬
性珪酸塩が好ましいが、普通ポルトランドセメント、早
強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメン
ト、中庸ポルトランドセメント、ジェットセメント、高
炉セメント、シリカセメント、フライアツシユセメント
などが使用できる。水硬性珪酸塩粉末は、ゴム−アスフ
ァルトエマルジョンと混合し、ゴム−アスファルトエマ
ルジョンを硬化させるに当って、ゴム−アスファルトエ
マルジョンに均一に分散すること、その混合組成物の施
工作業中に充分な流動性を保ち、施工後はできるだけ早
く、この混合組成物を凝結、硬化皮膜形成させる性能を
有するものであることが好ましい。これらの要求性能を
達成させるには急水硬性が強く、水に分散した直後は凝
結しないように調整された水硬性珪酸塩粉末、例えば、
水硬反応終結時により多くのエトリンシャイト生成物を
生じるような化学成分として、Al23およびSO2
各々10重量%以上含むセメント珪酸塩が好ましい。
【0099】水硬性珪酸塩粉末の添加量は、ゴムとアス
ファルトの合計100乾燥重量部に対し20〜150重
量部である。水硬性珪酸塩の割合が、上記範囲より多過
ぎると、形成皮膜のクラック発生の危険性、伸びの低下
など、性能の低下を来す。また、水硬性珪酸塩の添加の
割合が上記範囲より少な過ぎると、ゴム−アスファルト
エマルジョン組成物の凝結が遅くなり、遊離水が捕獲さ
れ難く硬化乾燥性が劣る。
【0100】該アスファルト・エマルジョン組成物は、
水の蒸発、除去のみによらずに、主として、水硬性珪酸
塩の結晶水としての内部保持による硬化皮膜形成性を有
し、更に広い温度範囲及び養生条件において、安定した
強度と伸びを保持し且つ、下地との密着性を向上させる
ことができる。
【0101】前記(D)層のゴム−アスファルトエマル
ジョン組成物の製造方法は、種々あるが、それによって
本組成物の性能が大きく左右されるものではない。製造
方法としては、(1)溶融アスファルトを乳化剤を使用
して、水性エマルジョン化し、これにゴムラテックス又
はエマルジョン、樹脂エマルジョンを添加混合し、改質
ゴム−アスファルトエマルジョンを作成し、使用前に、
水硬性珪酸塩粉末を混合する。(2)アスファルトにゴ
ム及び樹脂を溶融、混合により、均一化し、しかる後
に、乳化剤により水性エマルジョン化し、改質ゴム−ア
スファルト・エマルジョンを製造し、使用前に、水硬性
珪酸塩粉末を混合する。(3)溶融アスファルトをゴム
ラテックス又はエマルジョン及び乳化剤で水性エマルジ
ョン化し、しかる後、樹脂エマルジョンを添加、混合
し、改質ゴム−アスファルト・エマルジョンを作成し、
使用前に、水硬性珪酸塩粉末を混合する方法などがあ
る。
【0102】これら製造方法において、樹脂のエマルジ
ョン化、ゴム及び樹脂のアスファルトへの触媒などにお
いて、有機溶剤を使用することは有用であり、ゴム−ア
スファルトの粘着性付与及び皮膜の柔軟性を増す働きを
するものである。しかし、溶剤の使いすぎは、安全上、
性能上、その使用量はできるだけ押え、ゴムとアスファ
ルトの合計100重量部に対し、30重量部以下が好ま
しい。
【0103】有機溶剤としては、例えば、前記のビニル
エステル樹脂及び不飽和ポリエステルの原料モノマー
類、前記エチレン性不飽和単量体、通常の溶剤類(キシ
レン、トルエン、酢酸ビニル)、アルコール類、グリコ
ール類等が挙げられる。
【0104】本組成物において、界面活性剤は重要な要
素になっている。ゴム−アスファルトエマルジョンの乳
化安定剤、粘着樹脂の乳化安定性を充分に保つと共に、
水硬性珪酸塩粉末を安定に混合し、且つ、塗工域は吹付
け作業が、容易に行えるだけの安定性を付与する必要が
ある。しかし、形成した皮膜の接着強度、耐水強度等を
維持するには、その量はできるだけ少ないことが望まし
い。
【0105】界面活性剤としては脂肪酸塩、高級アルコ
ール硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォサイ
シネート、アルキルフォスフェート塩、ポリオキシエチ
レンサルフェート塩、アルキルアミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどのイ
オン型表面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアミンエステ
ル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックポリマー
などのごとき非イオン型界面活性剤などがあり、これら
は単独もしくは混合して用いることができる。界面活性
剤の使用量は、特定できないが、必要最低量に限ること
が必要である。界面活性剤はすでに述べた製造方法によ
って、その種類、量、使用時期は異っているが、水硬性
珪酸塩粉体を加えるに当たっては、非イオン型界面活性
剤の使用が好ましい。
【0106】前記(D)層のアスファルト・エマルジョ
組成物には、必要に応じて、各種添加剤剤、老化防止
剤、可塑剤、充填剤、骨材、増粘剤などを添加する事が
できる。特に増粘剤は塗工に必要な粘度、粘性を調整
し、得るために必要な添加剤である。
【0107】更に水硬性珪酸塩を含有するアスファルト
・エマルジョン組成物を用いた層(D)のこて切れ施工
性や加熱による温度依存性を減少低下させるため、硅砂
等の骨材を混合することは極めて有用である。当該骨材
には、天然骨材と人工骨材とがある。
【0108】前者として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、川砂利、川砂、山砂利、山砂、海砂利
または海砂などであるし、一方、後者とは、岩石、粘土
または産業副産物などを原料として、これらを加工せし
めた形のものを指称し、それらのうちでも特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、砕石、砕砂、硅砂、
スラグ砕石・砕砂または人工軽量骨材などである。ま
た、骨材の一部に、下記するような充填材を併用しても
良い。
【0109】充填材として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、炭酸カルシウム粉、クレー、アルミ
ナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダ
ー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニ
ウム、セルロース糸、硅砂、川砂、寒水石、大理石屑ま
たは砕石などの、公知慣用ののものが挙げられるが、就
中、炭酸カルシウム、ガラス粉、水酸化アルミニウムま
たは硫酸バリウムなどの使用が望ましい。
【0110】施工方法としては、対象となる基体(下
地)(F)プライマー層()を設けた後、ハケ、
コテなどで塗布するか、もしくは適当なポンプ加圧によ
り、エアガンまたはエアレスガンによる吹付施工する。
冬場には、加熱温風乾燥機を援用すれば、更に皮膜形を
促進することができる。
【0111】プライマー層()には、公知慣用のプラ
イマー組成物が使用できる。例えば次の様なものがあ
る。すなわち日本建築学会発行の建築工事標準仕様書・
同解説(JASS23吹き付け工事)8ページ2・2記
載の下地調整材合成樹脂系シーラー。あるいはアスファ
ルト、クロロプレン等の合成ゴム、アクリル、ウレタ
ン、エポキシ、ポリエステル等の樹脂組成物を溶剤系、
水性にしたものがあるがあるが、上アスファルト組成
物との適合性より水性アスファルト系が好ましい。
【0112】本発明に用いられる基体()としては、
特に代表的なもののみを例示すれば、セメントコンクリ
ート、アスファルトコンクリート、JIS A−540
3(石綿スレート)、ALC板、PC板、FRP、プラ
スチック、木質物または金属などの、単独あるいは組み
合わせによって構成されたものなどであり、その形状
は、いずれのものであっても良く、構造物の表面であれ
ば、球面、曲面、延長面、平面または斜面などの、いず
れでも良い。
【0113】通常は、セメントコンクリートまたはアス
ファルトコンクリートの平面ないしは斜面である。コン
クリートや金属などの、堅固なる基体は、必要に応じ
て、下地処理あるいはプライマー処理などを行うことを
推奨する。
【0114】本発明の複合被覆構造体は、前述した
(E)〜(A)層を形成する組成物を用いて、土木建築
物の基体に、次のようにして施工される。すなわち、基
体(F)の上に、まず、プライマーと称されるものを塗
布する工程が挙げられるが、かかるプライマーとして
は、アスファルト系、ウレタン系、エポキシ系またはポ
リエステル系などの、種々のものがあって、施工性や基
体状況などの面から、適宜、選択される。
【0115】プライマーが乾燥したのち、水硬性珪酸塩
を含有するアスファルト・エマルジョン組成物を用いた
層(D)を被覆施工せしめる。アスファルト・エマルジ
ョン組成物と水硬性珪酸塩、場合により骨材との混合法
は、モルタル混合機等公知慣用の方法を用いる。施工法
としては対象下地にハケ、コテ、レーキなどで塗布する
か、適当なポンプ加圧により、エアガンまたはエアレス
ガンによる吹付塗工することができる。加熱温風乾燥を
援用すれば、更に皮膜形を促進することができる。
【0116】高温雰囲気での施工下でのふくれ防止対策
としての(C)層を形成する繊維材配設作業は、ふく
れ防止と接着効果を上げるため、アスファルト・エマル
ジョン防水層の施工作業と平行しながら進める。
【0117】アスファルト・エマルジョン組成物の乾燥
硬化後、規定の硬化剤を配合した接着剤層(B)を施工
する。この時接着剤は、下層に繊維材がある場合、樹脂
が繊維に含浸する様な状況になる。その施工法として
は、ハンドレーアップ法やスプレーアップ法などの公知
慣用の方法に従えば良い。
【0118】繊維強化熱硬化樹脂組成物を用いた
(A)を施工する場合、一般的には不飽和ポリエステル
樹脂をガラスマット等に含浸させながら施工する。そ
の施工法としては、上記同様ハンドレーアップ法やスプ
レーアップ法などの公知慣用の方法に従えば良い。
【0119】本発明では必要に応じて繊維強化熱硬化樹
脂組成物を用いた層(A)の上に表面層を併設しても良
い。ここで言う「表面層」とは、目的ならびに用途によ
って、前述した構造体を土木建築物上に施工した後、種
々の材料を施工し、各種の機能を付与せしめるという形
で利用される。
【0120】防水層として用いられる場合には、この片
の上に耐候性に優れる、フッ素系、アクリル系、ウレタ
ン系またはアクリル・シリコン系などの、公知慣用の上
塗り塗料が塗布され、表面層となる。
【0121】また、本発明の土木建築用防水複合被覆構
造体を、駐車場、運動場または屋上庭園などとして利用
する場合には、当該表面層は、施工法としても種々のも
のがある。たとえば、土壌層またはモルタル層や、すべ
り止め層などを、表面層として施工するというものであ
る。
【0122】これらの表面層施工法として、特に負荷の
大きい使われ方に対して好ましいものは、滑り止め樹脂
/骨材、あるいはセメントモルタル/骨材からなるもの
である。その厚みとしては、好ましくは、1〜30mm
なる範囲内が、特に好ましくは3〜15mmなる範囲内
が適切である。
【0123】上記した樹脂/骨材とは、充填材と樹脂と
の混合物に、骨材を添加せしめた形のものであり、好ま
しくは、樹脂の100重量部に対して、骨材が200〜
900重量部となるような割合で、特に好ましくは、3
00〜500重量部となるような割合で添加せしめたも
のである。
【0124】本発明で着色する場合、着色剤としては、
従来公知の有機及び無機の染料、顔料がいずれも使用で
きるが、なかでも耐熱性、透明性に優れ、かつ不飽和ポ
リエステル等の硬化を著しく妨害することのないものが
好ましく用いられる。
【0125】本発明の複合被覆構造体ならびに施工方法
は、道路舗装体をはじめ、さらには、競輪やオートレー
スなどの、各種のバンク構造体とか、建築物の屋根と
か、屋上とか、開放廊下とか、あるいは、ベランダ、外
壁、地下外壁、室内または水槽類のメンブレン防水構造
体などとして、利用し適用することが出来る。
【0126】特に、屋外防水では、人や車などが、その
上に乗っても、充分なる耐久性を保持できるので、重歩
行防水や駐車場などに利用できる。また、アスファルト
層による下地クラック追従性に対して効果があるので、
耐地震構造体として、土木分野あるいは建築分野など
で、大いに、活用され利用され得る。
【0127】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明するが、文中「部」および
「%」は、特に断りの無い限り、すべて重量基準である
ものとする。
【0128】ここにおいて、実験の手順、ならびに諸性
能評価試験の結果について説明することにする。本発明
用の樹脂としては、それぞれ、ビニルエステル樹脂重合
体(以下、VE樹脂と略記する。)として、エポキシア
クリレート(VE−1)および飽和ポリエステルアクリ
レート(UPA−1)を;空乾性付与型重合体(以下、
これを空乾性付与樹脂と略記する。)として、空乾性付
与型不飽和ポリエステル(UPE−1)を調製した。
【0129】合成例 1〔エポキシアクリレート(VE
−1)の調製例〕 温度計、攪拌機および冷却器を具備した三ツ口フラスコ
に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応に
よって得られた、エポキシ当量が470なる「エピクロ
ン 1050」〔大日本インキ化学工業(株)製のエポ
キシ樹脂〕の4,600g(エポキシ基10個相当
分)、メタクリル酸の860g(カルボキシル基10個
相当分)、ハイドロキノンの1.36gおよびトリエチ
ルアミンの10.8gを仕込んで、120℃まで昇温
し、同温度で10時間、反応を続行せしめた処、酸価が
3.5で、二重結合力価が536で、かつ、色数が2な
る、液状のエポキシアクリレートが得られた。以下、こ
れを「VE−1」と略記する。
【0130】合成例 2〔飽和ポリエステルアクリレー
ト(UPA−1)の調製例〕 ジエチレングリコールの3モルと、トリエチレングリコ
ールの7モルと、オルソフタル酸の10モルと、トルハ
イドロキノンの50ppmとを、200〜20℃で加熱
縮合せしめて、酸価が28になった時点で、140℃に
なるまで冷却した。
【0131】次いで、グリシジルメタクリレートの2モ
ルを仕込み、140℃で10時間、反応せしめて、二重
結合力価が1,476なる、目的の飽和ポリエステルア
クリレート(UPA−1)を得た。
【0132】合成例 3〔空乾性付与型不飽和ポリエス
テル(UPE−1)の調製例〕 β−PMAAの2モルと、フマル酸の2.5モルと、ジ
エチレンダリコールの5.25モルとを、公知の条件
で、加熱脱水縮合せしめて、二重結合力価が450で、
かつ、酸価が18なる、目的とする不飽和ポリエステル
(UPE−1)を得た。
【0133】合成例 4〔不飽和ポリエステル(UPE
−2)の調製例〕 オルソフタル酸の7モル、無水マレイン酸の3モル、ジ
エチレングリコールの3モルおよびトリエチレングリコ
ールの7モルと、トルハイドロキノンの50ppmと
を、200〜220℃で加熱縮合せしめて、二重結合力
価が838なる、対照用の不飽和ポリエステルを調製し
た。以下、これをUPE−2と略記する。
【0134】合成例 5〔アスファルト・エマルジョン
(As・Em)の調製例〕 濃度85%のスチレン−ブタジエン共重合物による変性
アスファルト・エマルジョン(組成比率:スチレン−ブ
タジエン共重合物/ストレートアスファルト/水=25
/35/30)120部に対して、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル系界面活性剤(商品名:エマルゲン9
10・花王製)の30%水溶液15部を加え安定化し、
さらに石油樹脂(商品名レジン90・東邦石油樹脂製)
の70%乳化液20部及び適量の老化防止剤を加え、攪
拌機で均一に攪拌して改質アスファルト・エマルジョン
を製造した。
【0135】実施例 1〜6ならびに比較例 1〜4 表−1に示されるような配合割合に従って、各種の接着
剤樹脂組成物を得た。
【0136】<試験方法> <接着剤用樹脂とアスファルト・エマルジョン組成物と
の適合性試験方法>これらの接着剤樹脂組成物とアスフ
ァルト・エマルジョン防水層との適合性を評価するため
に、JIS S−6040に基づく剥離接着力試験を実
施した。
【0137】試験したアスファルトエマルジョン組成物
としては、合成例5のアスファルト・エマルジョン10
0部に、ジェットセメント50部添加したものであり、
これをコンクリート基体の上に3mm厚みで塗布した。
20℃/65%で12時間養生後、その上に繊維材を施
工した場合と、施工しない場合のものの2種類を用い
て、接着剤用樹脂との試験をした。
【0138】使用した繊維材は、目付け量80g/m2
のポリエステル不織布である。
【0139】それぞれ、剥離接着力試験 (水硬性珪
酸塩含有アスファルト・エマルジョン層のみ)および剥
離接着力試験 (水硬性珪酸塩含有アスファルト・エ
マルジョン層上に繊維材を施工)を行なった。それらの
結果を、まとめて表−1に示した。
【0140】なお、上記した樹脂組成物の剥離接着力試
験を行ない易くするために、450g/m2 なるガラス
・チョップド・ストランドに、該樹脂組成物を含浸せし
めたものを用いた。
【0141】また硬化させるための配合組成は次の通り 樹脂の100PHRに対し、BPOペースト(50%溶
液)の2PHRと、DMAの0.5PHR。但しスチレ
ンを用いた比較例−3のみ、樹脂の100PHRに対
し、MEKPOの1.0PHRと、6%ナフテン酸コバ
ルトの0.4PHRと、DMA(ジメチルアニリン)の
0.1PHRとを混合せしめて用いた。
【0142】<アスファルト・Em組成物の表面乾燥性
試験法>2種類の塗膜を、10℃、30℃各室温のガラ
ス板上に、アプリケーターを用いて作製 し、表面乾燥
性を評価するために、指触試験を実施した。
【0143】評価方法は、脱脂綿を約2〜3cm3 なる
量の脱脂綿を、塗膜表面に押しつけても、脱脂綿が、粘
着によって、塗膜表面に残らなくなるまでの時間を測定
することによって行った。
【0144】<アスファルト・Em組成物と基体との接
着性試験法>アスファルト・Em組成物がの下地基材の
種類及び状態の違いでの、接着性を評価するため一軸引
張接着試験を実施した。試験材料は湿潤の場合、下地基
材試験体を1週間水に浸せきし、引き上げ直後に試験体
上に3mm厚さで塗布。常態は20℃/65%に試験体
を養生しその後、前記同様試験材料を塗布した。塗布2
4時間後、一軸引張接着試験を実施した。接着試験は2
0℃/65%の雰囲気下で、試験材料に、切り込みを入
れて40mm×40mmの鋼製治具をエポキシ系樹脂剤を用
いて接着した。接着剤が硬化した後、山本扛重機株製油
圧式接着試験機を用い、20℃で載荷速度約1kgf/cm2
/秒で 試験した。尚下地基材はJISコンクリート歩道
版(300mm×300 mm×70mm)、密粒度アスコン(300mm×300
mm×60mm)の2種類である。
【0145】引張り接着強度の計算方法は次の通りであ
る。
【0146】<アスファルト・Em組成物のふくれ発生
評価試験法>スレート板(400×400×3mm)上に約2mm
の材料を塗布、繊維材は塗布直後に 塗布材料上面に
配設。各々の規定温度恒温槽に3時間放置し、ふくれ発
生数 を目視観察し判定評価した。
【0147】
【表1】 《表ー1の脚注》 MMA……………………メチルメタクリレート EMA……………………エチルメタクリレート HEMA…………………β−ヒドロキシエチルメタクリ
レート
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】 《表−3の脚注》−印は塗膜表面未硬化のため測定不可
【0150】
【表4】 《表−4の脚注》1・単位(hr)、x印は乾燥塗膜出
来ず。
【0151】
【表5】 表−5 下地状態と接着
強さ 《表−5の脚注》 比較例−7----JIS2類ウレタン防水材 比較例−8---- 実施例−2のビニルエステル樹脂
【0152】
【表6】 表−6 繊維材を配設時のふくれ防止
効果 《表−6の脚注》1)評価基準 ○----異常なし △----少し発生 ×----全面に多数発生 2)繊維材の種類 繊維材1--80g/m2ポリエステル不織布 繊維材2--360g/m2ガラスマット 繊維材3--230g/m2ガラスクロス
【0153】次に、屋上防水材としての実用性と、特
に、露出防水工法としての性能評価とに重点をおいた評
価を行なうために、次に掲げる、実施例18および19
ならびに比較例9、10および11の複合被覆構造体に
ついて、それぞれ、試験 および は、日本建築学
会 JASS 「防水工事」(1986年)の「メンブ
レン防水層の性能評価試験方法」に準じ、試験 は、
JIS A−1436の「建築用被覆状材料の疲労試
験」に準じて行なった。
【0154】露出防水工法としての性能評価に重点をお
くために、次の3項目についてもまた、試験を行った。 へこみ試験 鋼性円板に、45kgの荷重をかけて、防水層が破断す
るか否かの別を調べる。
【0155】 耐衝撃性試験 鋼球を、1.5mの高さから落下し、防水層が破断する
か否かの別を調べる。40℃なる雰囲気温度で以て、測
定を行った。
【0156】 疲労試験 2.5〜5mmまでの移動距離を、2分/サイクルの速
度で以て、300回(300サイクル)の繰り返し往復
移動を行って、防水層が破断するか否かの別を調べた。
測定温度は20℃とした。
【0157】実施例 18 アスファルト防水層の仕様は、下記の用に実施した。す
なわち、上記した3種類の試験を行なう、それぞれの試
験体については、なる「へこみ試験」は、JIS A
−5304に規定されている通りのコンクリート平板
に、なる「疲労試験」は、8mmなるサイズの石綿ス
レート板に、工程1のアスファルト・プライマーを塗布
し、次いで、実施例9の配合割合に従ったアスファルト
・エマルジョン組成物を、2mm厚さとなる塗布量を塗
布せしめて、その上に80g/m2不織布を配設し、ア
スファルト・エマルジョン防水層を施工した。
【0158】また、なる「耐衝撃試験」は、プライマ
ーの塗布を、一切、行わずに、アスファルトエマルジョ
ン組成物及び80g/m2不織布を配設し、施工するこ
とによって、防水層を得た。
【0159】次いで、かくして出来上がった、それぞれ
の防水層上に、実施例2の配合割合に従った接着剤樹脂
(B)を、0.4kg/m2の塗布量になるように塗布
し硬化せしめた。
【0160】しかるのち、これに、不飽和ポリエステル
樹脂「ポリライト FR−200」にナフテン酸コバル
トの0.4%と、MEKPOの1.2%とを加え、攪拌
したものを、450g/m2 なる量のチョップド・スト
ランド・ガラス・マットの1枚に、含浸せしめたFRP
(A)を積層硬化することによって、それぞれの防水層
にFRP熱硬化性樹脂層を形成せしめて、試験体と為し
た。含浸物の樹脂含有量は1.2kg/m2であった。
【0161】この試験体を用いて、上記した諸試験を行
った結果を、まとめて、表−7に示した。
【0162】実施例 19 不飽和ポリエステル樹脂の代わりに、実施例2の配合割
合に従った接着剤樹脂(B)を用いるように変更した以
外は、実施例18と同様にして、アスファルト・エマル
ジョン層(D)および繊維強化熱硬化性樹脂組成物層
(A)(FRP層)を形成せしめた、それぞれの試験用
の試験体を得た。
【0163】この試験体を用いて、上記した諸試験を行
った結果を、まとめて、表−7に示した。
【0164】比較例 8 アスファルト防水層の仕様は、日本建築学会 JASS
8 「防水工事」(1986年)の表8.1.3に記
載の種別 A−PFの工程8までを施工したものを試験
体とした。
【0165】この試験体を用いて、上記した諸試験を行
った結果を、まとめて、表−7に示した。
【0166】比較例 9 上掲のJASS 8「防水工事」(1986年)の表
8.1.7の塗膜防水層種別 L−UFを採用してウレ
タン防水層を形成した。
【0167】なお、当該L−UFより、工程3の補強材
工程5を省略した。これについても、実施例18と同様
にして、諸試験を行なった。それらの結果を、まとめ
て、表−7に示した。
【0168】比較例 10 実施例18の熱硬化性樹脂FRP層のみの硬化物試験体
を作製し、実施例18と同様にして、試験した結果を、
まとめて表−7に示した。
【0169】
【表7】
【0170】備考). 1 クラック追従性試験 基板にスレートを用いこれに被覆体を設けた 試験体を
作製し、島津オートグラフ(IS-5000) (島津製作所)
を用いて荷重〜伸び曲線を測定した。評価は基板上に設
けた被覆体2が破断もしくは基板と剥離するときの荷重
と伸びで行った。
【0171】2 疲労試験 試験体を用い、建築工事標準仕様書・同解説 JASS8 防
水工事(1986)の疲労試験条件(表)に従って測定した。
試験機は株鷺宮製作所製の「油圧サーボ建築仕上げ材疲
労試験機」を用いた。
【0172】
【発明の効果】本発明は、アスファルト・エマルジョン
に水硬性珪酸塩を混合する組成物を用いることで、塗膜
内部の残存水分は著しく減少でき、硬化乾燥性の改善に
よりふくれ防止効果がある。しかも夏場、施工するコン
クリート表面は60℃近く迄温度が上昇するため、アス
ファルト・エマルジョン層表面は極めて短時間で皮バリ
現象が発生し、あばた状のふくれ発生につながる。この
改良策としてアスファルト・エマルジョン層の上に繊維
材(C)を配設することで、表面皮バリ現象の発生(耐
皮張り性)の改善することができ、更にこの繊維材は、
アスファルト・エマルジョン層にアンカー効果的に配設
されるので、アスファルト・エマルジョン層の補強効
果、FRP層(A)との接着強度の向上にも寄与するこ
とができる。また、エマルジョン型組成物を用いている
ので、基体が湿潤面でも施工性に優れる。
【0173】従って、本発明によれば、有用なる土木建
築用の複合被覆構造体、ならびに土木建築物、その防水
複合被覆構造体施工方法を提供することが出来るので、
アスファルト層と、熱硬化性樹脂組成物層または繊維強
化熱硬化性樹脂組成物層との柔軟性により、コンクリー
トなどの基体に亀裂が生じても、これらの被覆材に亀裂
は生ぜず、かつ、基体の変形に追従して、いわゆる亀裂
追従性を付与せしめることが出来る。
【0174】このようにして、基体の変形によっても、
亀裂が生ぜず、従って、漏水が無く、防水性を高めるこ
とが出来るのみならず、熱硬化性樹脂組成物を用いるこ
とによる、その他の諸性能にも優れる複合被覆構造体を
提供することが可能となる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上から (A)上層防水材として繊維強化熱硬化樹脂組成物を用
    いた層 (B)繊維強化熱硬化樹脂組成物を用いた層用接着剤層 (C)繊維材層 (D)下層防水材として水硬性珪酸塩を含有するアスフ
    ァルト・エマルジョン組成物を用いた層 (E)プライマー層 (F)基体を有する複合被覆構造体。
  2. 【請求項2】 上から (A)上層防水材として、請求項1記載の接着剤層
    (B)用樹脂を用いた繊維強化熱硬化樹脂組成物を使用
    した層 (C)繊維材層 (D)下層防水材として水硬性珪酸塩を含有するアスフ
    ァルト・エマルジョン組成物を用いた層 (E)プライマー層 (F)基体を有する複合被覆構造体。
  3. 【請求項3】 前記(D)層の水硬性珪酸塩を含有する
    アスファルト・エマルジョン組成物が、ゴム−アスファ
    ルト・エマルジョンと、水硬性珪酸塩粉体と、粘着樹脂
    とからなる組成物であることを特徴とする請求項1〜2
    いずれかに記載の複合被覆構造体。
  4. 【請求項4】 前記(C)層の繊維材が、繊維強化材
    で、ガラス繊維、あるいは有機質繊維であることを特徴
    とする請求項1〜3いずれかに記載の複合被覆構造体。
  5. 【請求項5】 前記(B)層の接着剤が、(イ)ビニル
    エステル樹脂、(ロ)空乾性付与型重合体および(ハ)
    アクリロイル基ないしはメタクリロイル基を有するエチ
    レン性不飽和単量体から成る熱硬化樹脂組成物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の複合被覆
    構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜いずれかに記載の複合被覆
    構造体を防水構造体とする土木建築物。
  7. 【請求項7】 基体(F)上に、プライマー層(E)を
    施工し、次いでその上に下層防水材として水硬性珪酸塩
    を含有するアスファルト・エマルジョン組成物を用いた
    層(D)を施工し、次にその上に繊維材層(C)を施工
    し、繊維強化熱硬化樹脂組成物用いた層用接着剤層
    (B)を施工し、更にその上に繊維強化熱硬化樹脂組成
    を用いた層(A)を施工することを特徴とする複合被
    覆構造体施工方法。
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