JP3677328B2 - 排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタ及びこれを用いた炭素系微粒子装置 - Google Patents

排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタ及びこれを用いた炭素系微粒子装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼル内燃機関や加熱炉、ボイラなどの燃焼装置から排出される排気ガス中の炭素系微粒子を処理するためのフィルタ及びこれを用いた少なくとも1つ以上の処理ユニットからなる排ガス中の炭素系微粒子処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル内燃機関は、エネルギー効率が高く、また耐久性が優れているため、自動車などの輸送機用、一般動力用、発電用などに汎用されているが、排ガス中に主としてスート,カーボンミスト等からなる炭素系微粒子が含まれているため、環境上大きな問題となっている。
この対策として、自動車などの輸送機ではエンジンの改良、燃料噴射系の改良などが行われ、これによりディーゼル内燃機関より排出される炭素系微粒子をある程度低減することができている。しかしながら、これらの方法による炭素系微粒子の低減ではまだ十分ではないため、さらに炭素系微粒子を低減する方法として、酸化(燃焼)触媒を利用したり、セラミック製フィルタで炭素系微粒子を捕集した後、炭素系微粒子を電気ヒータ,バーナなどで着火させ、炭素系微粒子自体の燃焼熱で伝播燃焼させて除去する方法などが検討されている。
一方、定置式や産業用のディーゼルエンジン、加熱炉、コージェネレーションシステム,ヒートポンプ、ボイラ等の燃焼装置では、排ガス対策としてサイクロン,バグフィルタなどの集塵装置を用いる方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸化(燃焼)触媒を用いる方法やセラミック製フィルタで炭素系微粒子を捕集し燃焼除去する方法では性能、耐久性および経済性に問題がある。特に、セラミック製フィルタを用いる方法は、炭素系微粒子の捕集率は高いものの、再生の際に炭素系微粒子の燃焼に伴う発熱がフィルタ内で一様でなく高低の差があることや炭素系微粒子の燃焼温度が高いことにより、フィルタが破損したり溶解する問題や、排ガス中の灰分がフィルタ内に堆積し長時間使用できない問題などがある。
また、定置式や産業用のディーゼルエンジンや加熱炉やボイラ等の燃焼装置で用いられているサイクロン,バグフィルタなどの集塵装置は、処理能力が低かったり装置が高価であったり、捕集した炭素系微粒子を廃棄処理しなければならなかったりするなどの問題がある。
【0004】
本発明は上記問題点を解消するために研究して創案されたもので、その第1の目的は、ディーゼル内燃機関や燃焼装置から排出される排ガス中の炭素系微粒子の処理能力が高いとともにすぐれた耐久性を備え、また経済性やメンテナンス性も良好な排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、再生が容易かつ炭素系微粒子処理能力が高い処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】
上記第1の目的を達成するため本発明は、抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積してウエブにし、それを焼結および熱処理して焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形成した高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなる構成としたものである。
また第2の目的を達成するため本発明は、排ガスの導入部と排出部を有する器体と、抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積してウエブにしそれを焼結および熱処理して焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形成ししかも自由端に電極を取り付けた高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなる炭素系微粒子処理用フィルタと、要時に前記電極に通電して炭素系微粒子処理用フィルタを自己発熱させるための通電装置を備えた構成としたものである。
本発明の排ガス中の炭素系微粒子処理装置は、前記第2発明の構成を備えたものを1つの処理ユニットとし、これを複数配した形態を含む。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を添付図面に基いて説明する。
図1ないし図3は本発明による排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタの実施態様を示している。1は炭素系微粒子処理用フィルタであり、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2と、これの自由端部に溶接などにより固着された電極3とを備えている。
前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は、図1(a)では帯板状をなしこれを所要の間隔ごとに波状に屈曲した形状となっている。(b)では周方向の一部が分離された円筒状をなしており、(c)では周方向の一部が分離した断面星形類似の筒状をなしている。もとよりこれら形状に限定されるものではなく、平板状、閉鎖断面の筒状、カップ状、皿状など任意である。
電極3は図1(b)(c)においては自由端部全体に設けられるかあるいは図示のように自由端部に沿って固着される帯状部30を有している。なお、目詰まりした場合の再生法が通電方式によらない場合には電極3は設けられなくてもよい。
【0007】
前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は、通電により抵抗発熱する材質のもの、たとえばFe-Cr-Al-REM系のステンレス鋼を用いることが望ましい。具体的には、重量比でCr:17〜21%、Al:2.5〜6.0%、REMとしてはLa,Y,Ceの一種または2種以上が用いられ、添加量は0.02〜0.25%である。
CrとAlが下限未満では後述する耐熱のためのアルミナ皮膜厚さが不十分なものとなり、上限を超える含有量では結晶構造が不安定になる。また、REMはアルミナ皮膜の安定性に寄与し、これが下限を下回る添加量では前記機能を発揮できず、上限を超える添加量は経済性を損なうため不適当である。
なお、他の組成として、C:0.008%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下を含有していてもよい。
【0008】
前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は、図2(a)のように高温耐熱性ステンレス鋼繊維20をランダムに配向して接触部を融着した多孔構造からなり、焼結されている各高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は、図2(b)のように軸方向と直角の断面が略四角形状をなし、表面には均一な厚さの薄いアルミナ皮膜21が析出されている。しかし、このアルミナ皮膜21は図2(c)のように高温耐熱性ステンレス鋼繊維20,20の交差接触部分200ではこれを囲むように形成され、交差接触部分200はメタルタッチとなっている。このように交差接触部分がメタルタッチであることにより高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は全体として均一な抵抗発熱回路状態が構成されている。
【0009】
各高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は、長さが10〜300mm、軸方向と直角の断面の1辺の長さ(幅tまたは厚さw)が5〜200μm、より好適には10〜100μmである。長さが10mm未満では繊維同士の絡み合いが少なくなり、500mmを超える長さでは不均一にかたまってしまい均一な通気孔を形成しにくくなる。
また、断面の1辺が5μm未満では、炭素系微粒子中や排ガス中の灰分が堆積して通気孔22の目詰まりを起こしやすく、また機械的強度や耐熱性が低くなる不都合がある。しかし、200μmを超える太さとした場合には、排ガス中の炭素系微粒子がほどんど通過してしまい、フィルタとしての基本機能が発揮されなくなるため不可である。
高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は、上記高温耐熱性ステンレス鋼繊維20を目付け重量で300〜5000g/m2有している。これは、目付重量が300g/m2以下であると気孔率が高すぎ、排ガス中の炭素系微粒子をほとんど処理できずに通過させてしまい、5000g/m2以上にした場合には、排ガス中の炭素系微粒子の処理能力はそれ以上変化せず、かえって高温耐熱性ステンレス鋼繊維20を大量に使用するので経済性が悪くなるからである。
【0010】
前記諸元の高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は、原料としての高温耐熱性ステンレス鋼がフェライト系であるため常温加工性が悪く、したがって、引抜き法による細線化が困難であるため、従来では実際上存在しなかった。また、溶融紡糸法でも高温耐熱性ステンレス鋼の繊維化が困難であり、ワイヤー切削法では繊維形状が特定できなく、歩止まりも悪い問題があり、びびり振動切削法も短繊維しか製造できない問題がある。
そこで本発明はこれを解消すべく、コイル材切削法にて高温耐熱性ステンレス鋼繊維20を得るのである。
すなわち、図3のように、板厚がたとえば5〜150μmの高温耐熱性ステンレス鋼の薄板(箔)11を旋削主軸12にタイトにコイル状に巻回し、このコイル材11の端面110を旋削主軸12と平行な送りを与えた工具13により所定の切り込みで切削することにより製造するのである。
これにより三次元的に適度にカールした高温耐熱性ステンレス長繊維束20”が工具すくい面に沿って後方に流出し、とぎれなく連続的に創成される。そして前記繊維束を幅方向に展張し、10mm〜300mmの長さに切断することで高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’とされる。
図4(a)(b)は上記方法で得られた1本の高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’を示しており、断面は四角形状をなし、一辺201はしわ状の粗面を有している。
上記コイル材端面切削法によれば、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’は、一辺(繊維幅W)が板厚に一致し、一辺(繊維厚さt)が工具送り量sによって決定される。したがって、高温耐熱性ステンレス鋼薄板11の厚さと切込み(工具送り量)を調整することで様々な寸法の繊維を製造することができる。
上記繊維製造条件としては、工具すくい角:15〜45°とし、切削速度:30〜95m/min、送り量s:5〜40μm/minなどから採用すればよい。
【0011】
本発明による高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は、前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維20を原料として次の工程で製造される。すなわち、前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’を目付け重量300g/m2〜5000g/m2に集積し、所望形状たとえば板状(場合によっては図1に例示するような形状にしてもよい)のウェブに成形する。
次に、前記ウェブを真空または非酸化性雰囲気中で800〜1250℃の範囲で10分〜10時間加熱して焼結する。この焼結時に荷重をかけることも好適である。こうして得られた焼結体から必要寸法のフィルタを切り出す。フィルタ形状が図1のようなものである場合には、この時点で曲げ加工などを施す。
そして、その後、空気などの酸化性雰囲気中にて600〜1100℃,1〜20時間の条件で熱処理する。この熱処理は焼結体自体の抵抗発熱性を利用して通電加熱によって行うこともできる。この熱処理により、図2(b)(c)に示すようなアルミナ被膜21が焼結繊維表面に析出される。熱処理温度が600℃以下ではアルミナ被膜21が十分に析出せず、1100℃を超える高温では異常酸化によりアルミナが剥離、飛散してしまう問題がある。
上記温度範囲であれば、700℃以下では、2(Fe,Cr,Al)+4.5O2→Fe2O3+Cr2O3+Al2O3の反応により、また、700℃以上では、Fe2O3+2Al→Al2O3+2Feの反応により各々耐久性被膜が生成される。しかも、組成としてREMが添加されているため、高温でのアルミナ皮膜の安定性が向上させられ、したがって、900℃以下の使用温度で良好な機械的特性を示す。
【0012】
本発明の炭素系微粒子処理用フィルタ1は、高温耐熱性ステンレス鋼のコイル材11を端面切削することによって低コストで製造される繊維を基材としているため、均一な形状寸法と高温耐熱性がありながらこれを低コストで製造できという特徴を有している。また、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’を集積してウェブにして焼結するだけでなく、焼結後に熱処理して繊維表面にアルミナ被膜21を生成させているので、高温耐久性、耐酸化性、機械強度が高い。
また、製造される繊維の径や集積してウェブにする際の集積する量を自由に変化させることで細孔径を調整できるため、排ガス中の炭素系微粒子の処理率を任意に変えることができるとともに、炭素系微粒子中や排ガス中の灰分を堆積しないようにすることができる。
さらに高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は寸法形状が揃っている上に表面積が大きく、かつ断面が四角形状であるため、排ガス中の炭素系微粒子を各辺のエッジで確実に捕捉することができる。
【0013】
次に本発明による排ガス中の炭素系微粒子処理装置の実施態様を説明する。
本発明による炭素系微粒子処理装置は、図5ないし図7に例示するような炭素系微粒子処理ユニット(以下単に処理ユニットと称す)5の少なくとも1つから構成される。図8は処理ユニット5を複数用いた炭素系微粒子処理装置を例示しており、(a)は排ガス流路に複数の処理ユニット5を並列に接続し、処理ユニット5の上流と下流に切換弁8を設けて排ガスを選択的に処理ユニット5に送って処理するようにしたものである。(b)は排ガス流路に複数の処理ユニット5を直列に接続し、排ガスを多段処理するようにしたものである。
図5は図1(a)に示す炭素系微粒子処理用フィルタ1を使用した例を示している。50はステンレス鋼などの耐熱性材料からなる器体であり、長手方向一端にはガス導入部500が、他端には排出部501を有している。器体50には電気絶縁性と断熱性を有する内張り9が施されており、炭素系微粒子処理用フィルタ1は自由端の電極3,3が器体50から突出するようにガス導入部500と排出部501間の排ガス通路502に配置されている。実際上は器体は電極3,3を取り付けるため上下2分割されているが、図面では簡略化している。
Eは前記炭素系微粒子処理用フィルタ1を自己発熱させるための通電装置であり、電源6とコントローラ7を備えている。電源6から給電線60,60が前記電極3,3に接続され、電源6にはコントローラ7が電気的に接続されている。このコントローラ7は所定の時間ごとに電源6を作動させるタイマでもよいが、この実施例ではマイクロコンピュータが用いられ、ガス導入部500と排出部501の排ガス圧力検出器70,71の出力側を接続することにより、導入排ガスの圧力P1と排出ガスの圧力P2の差圧P3を検出し、その差圧P3が設定値に達したときに電源6を作動させ、あるいはさらに通電量を自動調整するようにしている。
【0014】
図6は図1(c)に示す炭素系微粒子処理用フィルタ1を使用した例を示し、図7は図1(b)に示す炭素系微粒子処理用フィルタ1を使用した例を示している。
これら例においては、排ガスGを側方に流通して炭素系微粒子を捕集するため炭素系微粒子処理用フィルタ1の下端外径側が閉止されると共に、上端に耐熱電気絶縁性の蓋部材10が固着されている。
なお、他の構成は前記図5と同様であるから、説明は省略する。
本発明における炭素系微粒子処理用フィルタ1は形状を自由に設定できるため、処理ユニット単位体積当たりの炭素系微粒子処理用フィルタ1の表面積を任意に変化させることができる。そのため、図8のように排ガス流路に前記処理ユニット5を複数連結した処理装置においても、ディーゼル内燃機関や燃焼装置に高い背圧をかけたり、燃焼状態が悪化するのを防ぐことができる。
このように炭素系微粒子処理装置が複数の処理ユニット5,5から構成される場合には、各処理ユニット5,5に対する通電タイミングを処理ユニット毎にずらしてもよい。これにより、一度に過大な電力を使わないようにすることができる。
なお、本発明における処理ユニット5への炭素系微粒子処理用フィルタ1の設置方法は前記した例に限られず、たとえば器体50中に多段に設置するなど任意である。
【0015】
本発明の炭素系微粒子処理装置の作用を説明すると、ディーゼル内燃機関や燃焼装置から排出され炭素系微粒子cを含む高温の排ガスGは排ガス導入部500から排ガス通路502を通り、図5ないし図7の矢印のように炭素系微粒子処理用フィルタ1を通過し、その間に炭素系微粒子cが捕集され、浄化された排ガスは排出部501から排出される。
本発明の炭素系微粒子処理用フィルタ1は高温耐熱性ステンレス鋼繊維を焼結した多孔性の高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2によって構成されており、しかも高温耐熱性ステンレス鋼繊維20の母地表面が安定したアルミナ皮膜21でコーティングされている。したがって、酸化性雰囲気においても機械的強度が高いとともにすぐれた耐熱性を発揮する。また、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は前記製造法の特徴から表面積が大きく、かつ断面形状が四角であるためそのエッジに炭素系微粒子cが引掛かりやすく、確実に炭素系微粒子cを捕集することができる。
【0016】
このように排ガスの処理を続けると、炭素系微粒子cは炭素系微粒子処理用フィルタ1の高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2の通気孔22を埋めるように堆積していく。これが図9(a)の状態であり、これにより通気抵抗が増して炭素系微粒子処理用フィルタ1の前後の差圧が上昇し、ディーゼル内燃機関や燃焼装置の燃焼状態が悪くなる。したがって、炭素系微粒子処理用フィルタ1に捕集した炭素系微粒子cを処理し、炭素系微粒子処理用フィルタ1を再生しなければならない。
炭素系微粒子処理用フィルタ1の再生は、前述のように処理用フィルタに付着している炭素系微粒子cを電気ヒータやバーナにより着火させて伝播燃焼させる方法や、排ガス流れと逆方向から圧縮空気を送り、炭素系微粒子を払い落とす方法などを用いることができるが、いずれも煩雑であるうえに確実性に乏しかったり、処理に時間がかかる。
【0017】
しかし、本発明においては高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2が良好な熱伝導率を有することに加えて通電による抵抗発熱性を有している。しかも高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は繊維交差部が母地同士接合しているから、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は全体で均一な抵抗発熱性を有している。
そこで、上記のように差圧が高くなったときに通電装置Eの電源6から電極3,3を通して炭素系微粒子処理用フィルタ1に電気を流せば、図9(b)のように炭素系微粒子処理用フィルタ1自体がジュール熱により全体が均一に発熱し、その熱により高温耐熱性ステンレス鋼繊維20の目に捕集されている炭素系微粒子cが確実に着火され、燃焼除去させられる。これにより炭素系微粒子処理用フィルタ1の前後の差圧は初期の状態に戻る。
このように、炭素系微粒子処理用フィルタ1へ通電し、それ自体の発熱により再生を行うため炭素系微粒子の燃え残りは生じず、かつ高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は上記したように表面のアルミナ皮膜21によりすぐれた耐熱性があるため炭素系微粒子処理用フィルタ1の破損や溶融が起こらない。
前記再生操作は、コントローラ7がタイマである場合には、あらかじめ実験などで測定した結果に基いて設定した時間間隔で自動的に電源6が作動することによって行われ、また、差圧検出系を有している場合には、排ガス圧力検出器70,71からの信号から差圧を求め、それがある設定した差圧Psになったときに自動的に電源6が作動することによって行われる。
【0018】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。
実施例1
1)C:0.004%、Si:0.14%、Mn:0.13%、Cr:20.02%、Al:4.9%、La:0.08%残部鉄及び不可避的不純物からなる厚さ20μmのFe-Cr-Al-REM系ステンレス薄板を主軸にコイル状に巻き、回転させながら工具の送り量を10μm/minで切削して、断面が30μm×15μmのFe-Cr-Al-REM系ステンレス長繊維を製作した。その長繊維を長さ150mmに切断した後、2000g/m2になるように集積してウェブを作った。このウェブを非酸化性雰囲気で1120℃、2時間で40g/m2の荷重をかけて焼成した。その後、空気雰囲気で1000℃で6時間熱処理し、形状が長方形で、寸法が500×900×0.8mmの炭素系微粒子処理用フィルタを得た。
2)上記炭素系微粒子処理用フィルタを直噴式ディーゼルエンジンの排ガス配管の途中に取り付け、温度300℃の排ガス中の炭素系微粒子の捕集試験を行った。
炭素系微粒子処理用フィルタの差圧が水柱で200mmになったときの炭素系微粒子の捕集率は61%であった。炭素系微粒子の捕集率は、炭素系微粒子処理用フィルタの入口と出口の排ガス中の炭素系微粒子の濃度より算出した。
【0019】
実施例2
1)実施例1の方法によって厚さ0.8mm、幅25mm、長さ900mmの平面帯状の焼結体を作り、これを波付け加工した後、前記条件で熱処理し、図5(a)のような形状の炭素系微粒子処理用フィルタ本体を製作し、両端に銅製の電極を取り付けて炭素系微粒子処理用フィルタを得た。
この処理用フィルタをステンレス製の容器に絶縁材及び断熱材を介して配置し、電極には制御回路と電源を取り付け、制御回路には排ガス入口と出口の差圧を計測する差圧計を接続した。
上記のように作製した炭素系微粒子処理装置を直噴式ディーゼルエンジンの排ガス配管の途中に取り付けて排ガスを処理する試験を行った。その試験結果を図10に示す。
図10に示したように、炭素系微粒子処理用フィルタが排ガス中の炭素系微粒子を捕集するにつれて、炭素系微粒子処理装置の装置差圧は次第に上昇し、装置差圧が設定差圧に達したときに、制御回路から電極を通じて炭素系微粒子処理用フィルタへ100Aの電流を印加したところ、炭素系微粒子処理装置の装置差圧は初期の差圧近くまで減少した。この操作を1000回繰り返し行ったが、同様の差圧の変化を示した。このとき、炭素系微粒子の処理率は60〜70%であった。また、炭素系微粒子処理用フィルタは溶融や破損などが何ら生じなかった。
このことから本発明は炭素系微粒子を含む排ガス処理能力が高く、耐久性も良好であるこことがわかる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によれば、排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタが高温耐熱性ステンレス鋼のコイル材を切削して低コストに製造された繊維を集積してウェブにした後に、焼結、熱処理して得た高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなっており、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体の繊維表面にアルミナ皮膜を有しているため、機械的強度が良好である上にすぐれた高温耐熱性と高い熱伝導率を備え、しかも、高温耐熱性ステンレス鋼繊維の断面形状にエッジを有している。したがって、ディーゼル内燃機関や燃焼装置から排出される高温の排ガス中の炭素系微粒子を効率よく捕集することができ、耐久性も良好であるというすぐれた効果が得られる。また、高温耐熱性ステンレス鋼繊維の径や集積してウエブにする際の集積量によって通気孔径を調整できるため、炭素系微粒子や排ガス中の灰分を堆積しないようにすることができ、従って長時間使用可能であるというすぐれた効果が得られる。
請求項2と請求項3によれば、高温の排ガス中の炭素系微粒子を効率よく捕集することができるうえに、炭素系微粒子処理用フィルタ自体に通電して全体を均一に自己発熱させることができるため炭素系微粒子を燃え残りなく確実に燃焼除去することができ、したがって、短時間で簡単、確実に再生を行うことができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炭素系微粒子処理用フィルタを例示する斜視図である。
【図2】 (a)は本発明による炭素系微粒子処理用フィルタの部分的拡大図、(b)(c)は高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体繊維の拡大断面図である。
【図3】高温耐熱性ステンレス鋼繊維の製造法を示す説明図である。
【図4】 (a)は図3の方法で得られた高温耐熱性ステンレス鋼繊維の拡大斜視図、(b)はその拡大断面図である。
【図5】 (a)は本発明による排ガス中の炭素系微粒子処理装置の実施例を示す縦断側面図、(b)はその横断面図である。
【図6】(a)は本発明による炭素系微粒子処理装置の実施例を示す縦断側面図、(b)はその横断面図である。
【図7】(a)は本発明による炭素系微粒子処理装置の実施例を示す縦断側面図、(b)はその横断面図である。
【図8】 (a)(b)は複数の処理ユニットを使用した本発明装置の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の作用を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明による炭素系微粒子処理装置の実験結果を示す線図である。
【符号の説明】
1 炭素系微粒子処理用フィルタ
2 高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体
3 電極
5 炭素系微粒子処理ユニット
6 電源
20 高温耐熱性ステンレス鋼繊維
21 アルミナ皮膜
E 通電装置

Claims (3)

  1. 抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積してウエブにし、それを焼結および熱処理して焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形成した高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなることを特徴とする排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタ。
  2. 排ガスの導入部と排出部を有する器体と、抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積してウエブにしそれを焼結および熱処理して焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形成ししかも自由端に電極を取り付けた高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなる炭素系微粒子処理用フィルタと、要時に前記電極に通電して炭素系微粒子処理用フィルタを自己発熱させるための通電装置を備えていることを特徴とする排ガス中の炭素系微粒子処理装置。
  3. 排ガスの導入部と排出部を有する器体と、抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積してウエブにしそれを焼結および熱処理して焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形成ししかも自由端に電極を取り付けた高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなる炭素系微粒子処理用フィルタと、要時に前記電極に通電して炭素系微粒子処理用フィルタを自己発熱させるための通電装置を備えた処理ユニットを複数備えていることを特徴とする排ガス中の炭素系微粒子処理装置。
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