JP3672611B2 - 電解殺菌装置を有する浴水循環装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、浴水装置に係り、特に浴水の清浄化装置における浴水の殺菌装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
浴槽内の浴水を浄化、殺菌し循環ポンプで循環させ、再び清浄化された浴水を浴槽内へ送る装置が開発されている。
これら装置による浄化、殺菌は、活性炭、麦飯石等によるろ過槽で処理した後、紫外線ランプの内蔵された殺菌槽へ浴水を通過させて殺菌させる紫外線殺菌や高圧放電型のオゾン発生装置を用いてオゾンを発生させ、そのオゾンを浴水へ混入させて殺菌するオゾン殺菌を行っていた。
【０００３】
従来の浴水装置は、上記の様に単に浴水の汚れを取り除くだけではなく、殺菌や加熱保温も同時に行い、２４時間快適に入浴できる浴水装置を提供している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オゾン殺菌装置を用いて殺菌を行う場合、オゾンは水に難溶性のために高濃度のオゾンを用いなければならず、浴水中に未反応で残ったオゾンが浴槽から発散することもあり、このため高価な排オゾン処理装置を取付けなければならない等の問題があった。
【０００５】
また、紫外線ランプを用いる殺菌装置では、浴水を殺菌浄化するための時間が長くかかり常に殺菌しなければならないだけでなく、紫外線ランプに水垢等が付着し、その性能を低下させるため、常にランプの清掃を行わなければならなかった。また、これらの装置では、人体から発生する汗や脂等の除去が行えないために、汗や脂等が浴水に持ち込まれると、これらが原因で浴水に異臭が発生し、極めて不快であった。
【０００６】
本発明は、前記したような従来技術の欠点を改良し、入浴者に快適な環境の入浴を行うための装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、浴水を循環させる循環ポンプと、浴水を清浄化する浄化フィルター部と、浴水を加熱する加熱ヒータとが配備された浴水循環装置において、清浄処理後の浴水を無隔膜で電解する電解殺菌装置に取り込み、浴水を電気分解して殺菌のための塩素を発生させる電解殺菌装置と、前記電解殺菌装置に塩分を添加する塩分添加部と、塩分が添加された浴水を電気分解して殺菌のための塩素を所定量発生させるために前記電解殺菌装置に対する通電を制御する通電制御手段と、電解殺菌装置に通電させ、塩素を一定時間発生させるためのタイマー手段と、該タイマー手段の始動を指令する電解殺菌始動指令手段と、該電解殺菌始動指令手段の指令に応答して、塩分添加部よりの塩分の供給を制御する塩分添加制御手段とが配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、浴槽の浴水を循環ポンプで汲み上げて循環路を通して循環させて清浄処理、保温処理して浴槽へ戻す浴水循環装置において、清浄処理後の浴水を無隔膜で電解する電解殺菌装置に取り込み、該電解殺菌装置で取り込んだ浴水に塩分添加部により塩分を添加した浴水を電気分解して殺菌のための塩素を所定量発生させるために前記電解殺菌装置の動作を通電制御する通電制御手段と、所定の時間帯に電解殺菌を行うように設定された開始時刻に殺菌を開始する電解殺菌開始指令手段と、殺菌終了後、通常の浴水循環運転を継続するようにしたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、前記タイマー手段により設定される電解殺菌時間を任意の長さに設定可能にするための電解殺菌時間調節手段と、調節された電解殺菌時間を記憶するための調節時間記憶手段とが更に配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、前記タイマー手段により設定される電解殺菌時間を任意の長さに設定可能にするための電解殺菌時間調節手段と、調節された電解殺菌時間を記憶するための調節時間記憶手段と、電解殺菌時間調節手段により調節して設定された電解殺菌時間に対応した塩分添加量を演算して記憶する塩分添加量記憶手段と、前記塩分添加量記憶手段に記憶された塩分添加量データに基づいて塩分の添加量を制御する塩分添加制御手段とが更に配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、前記電解殺菌始動指令手段による電解殺菌始動指令を任意の時刻に発するためのクロック手段と、該クロック手段を任意の時刻に設定するための時刻設定手段と、設定された時刻を記憶するための設定時刻記憶手段と、タイマー手段の電解殺菌時間を任意の長さに設定可能とするための電解殺菌時間調節手段と、調節された電解殺菌時間を記憶するための調節時間記憶手段とが更に配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、電解殺菌を任意の時刻に実施させるためのクロック手段と、該クロック手段に基づいて電解殺菌を開始させる時刻及び終了させる時刻を設定するための開始時刻設定手段及び終了時刻設定手段と、設定された開始時刻及び終了時刻を記憶するための殺菌開始時刻記憶手段及び殺菌終了時刻時刻記憶手段と、前記殺菌開始時刻記憶手段及び殺菌終了時刻記憶手段に記憶された殺菌開始時刻及び殺菌終了時刻に基づく殺菌開始信号及び殺菌終了信号に応答して、前記塩分添加部よりの塩分添加時期を制御するための塩分添加制御手段とが更に配備れたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、前記電解殺菌装置による殺菌により生成され、浴水中に残留する残留塩素成分を吸着するための脱塩素フィルターが更に配備されたたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置とすることで課題を解決した。
【０００８】
【実施例】
本発明における請求項１の機能と基本構成の説明を図１および図２に基づいて説明する。
本発明の外観図（図１）において、浴水循環装置Ａには、本体装置前面に液晶パネルにより構成された表示装置９と種々の機能を選択、確定、変更等行うための操作スイッチが設けられている。
使用者は、この操作スイッチおよびキーを操作し、温度の設定等を行う。また、液晶パネルには、現在の時間や浴水の温度等が表示される。
【０００９】
本発明の内部構造における基本的な構成は、図２に示す如くであり、その機能的な基本となる浴水の流れを説明する全体の構成は図４に示す。浴槽１と浴槽内の浴水を吸い込むとともに髪等を除去するためのプレフィルター２ａと浴水を清浄化するための浄化フィルター部２ｂと、浴水を循環させるための循環ポンプ３と、浴水を加熱する加熱ヒーター５と、浴水を殺菌する電解殺菌装置７と、塩分添加部２３と浄化殺菌された浴水を再び浴槽へ戻すための吐出口であるジェットノズル２５により構成されている。
【００１０】
前記電解殺菌装置７の内部は、外面に２枚の陽極ケースを陽極板に挟んで接合して形成される陽極室の外側を、陰極板を保持した２枚の陰極ケースで接合した陰極室で覆い、２重の密室電極室構造の電解槽として形成される。
この電解殺菌装置７に、通電を行うと陽極板および陰極板に電流が流れ、浴水が電気分解され、塩素イオンが発生し、浴水の殺菌、脱臭が効率的に行われる。
【００１１】
本発明の請求項１の実施例の説明を図５のフローチャート図に基づき説明する。浴水循環装置Ａは、Ｓ１でまず浴水循環装置本体Ａの電源スイッチ１０により電源を投入し、運転を開始する。Ｓ２は、電源が投入されたことにより循環ポンプ制御部３ａにより循環ポンプ３の駆動が指示され、これにより浴水装置の浴水が循環される。
【００１２】
Ｓ３では、ゴミや汚れ等により浄化フィルター２や浴水循環のための配管が目詰まりしていないかを確認するための流量センサー４が設置され、その流量を検出する。流量センサー４で検出された流量が適正であるかをＴ１で確認し、正常である場合は、ＹＥＳへ、流量が不足する場合は、ＮＯでＳ６へ行く。
【００１３】
Ｓ６では、異常が発生したことを確認して、Ｓ７の浴水循環装置に設置された液晶パネルで構成された表示装置９に表示したり、警告ブザー等で流量に異常が発生したことを使用者に警告する。
【００１４】
適正な流量であった場合には、Ｓ４へ行き、加熱ヒーター５による加熱を行う。 Ｓ５では、その浴水温度を配管に設けられた温度センサー６によって検知し、温度設定キー６ａにより設定された温度より低い場合は、加熱制御用リレースイッチ５ａより信号を送り、ヒーター５のスイッチを入れ加熱する。
浴水の温度が高い場合は、ヒーター５のスイッチをＯＦＦし、温度調節を行う。
【００１５】
また、浴水の温度が設定範囲を越えた場合には、ヒーターの異常加熱等のためＳ６で異常が発生したことを確認し、流量の異常発生の場合と同様にＳ７で警告する。浴水の適正温度範囲内であれば、プログラムは電解殺菌ルーチンへ移行する。
【００１６】
電解殺菌ルーチンは、図６に示すフローで行われる。
Ｓ９では、電解殺菌の開始にあたって塩分添加部２３の供給量制御のための調節弁２２が開放され、Ｓ１０で適量の食塩や食塩水が電解殺菌装置７に添加される。Ｓ１１では、電解殺菌装置７に一定電流が供給され、電解殺菌装置７の陽極および陰極の電極板により浴水が電気分解される。
塩分が添加されるとその塩分は、電解殺菌装置で塩素イオンとナトリウムイオンに分解され、塩分成分は浴水に流れることはなく、また各イオン成分は揮発してしまうため人体への影響はない。
【００１７】
Ｓ１２では、電極板に通電する電流を電流センサー８により検出し、Ｔ５で電流値が適正であるか判断を行う。
漏電等により所定の電流より多く流れた場合には、Ｓ１５へ行き異常が発生したことを確認し、Ｓ１６で通電を停止する。
次にＳ１７で前記流量の異常やヒーターの異常と同様に表示装置９に警告を表示する。
【００１８】
電流量は、人体に全く影響のない範囲の電流を使用するが、漏電等装置に異常が発生した場合には、安全のため警告表示より前にその通電を停止させる。
Ｔ６で漏電等の異常が確認され、その異常が解除されるとプログラムは、Ｓ９へ戻り、同様の作業が繰り返えされる。
Ｓ１３で電解殺菌が開始されると、プログラムはメインルーチンへ戻る。
浴水循環装置の運転は、Ｔ３において浴水循環装置本体Ａの電源スイッチ１０が切られるまで継続される。
【００１９】
次に請求項２の実施例の機能を図７に基づいて説明する。
本発明の基本的構成は、浴水を清浄化する浄化フィルター２と、浴水を加熱する加熱ヒーター５と、浴水を循環させる循環ポンプ３と、浴水を殺菌する電解殺菌装置７と塩分添加部２３と塩分添加制御用の調節弁２２で構成されている。
ここでは、電解殺菌時間をコントロールするためのタイマー装置１５と電解殺菌の開始を指令するための電解始動指令スイッチ１２が設けられている。
【００２０】
本発明の浴水循環の基本的な動作においては、図５に記載のものと同様のため本体装置Ａにおける基本フローの部分については説明を省略し、本発明の動作を図８のフローチャート図により、説明する。
【００２１】
Ｓ１８で電解殺菌のルーチンに移行する。Ｔ７では、使用者が任意の時間に殺菌を行う場合に、電解殺菌始動スイッチをＯＮ操作する。Ｓ１９では、電解殺菌装置７の始動スイッチの入力信号に応答して、塩分添加部２３の電磁弁よりなる塩分添加調節弁２２が開放される。
【００２２】
入力信号を受けた調節弁２２が開放されると食塩や食塩水を収納した塩分添加部２３より電解殺菌装置７に塩分を一定量添加供給する。次にＳ２１で、添加する食塩の量を調節するために前記調節弁２３ａを閉鎖する。
Ｓ２２は、前記電解殺菌始動スイッチの操作に伴い装置に内蔵されたタイマーが作動し、Ｓ２４で作動時間の計測が行われる。
タイマー装置が作動すると、Ｓ２４で、電解殺菌装置７に通電制御用リレースイッチ１１より通電のための信号が送られ、通電が開始される。
【００２３】
通電が開始されると、電解殺菌装置７の内部に設けられた電解槽の各電極板により浴水が電気分解され、塩素が発生し、その塩素が浴水と混合され浴槽へ供給され、殺菌が行われる。
Ｓ２５では、電極板に通電する電流を電流センサーや漏電センサー８により検出し、漏電事故を防止するために、所定の電流値より多く流れた場合には、Ｓ２８で異常発生を確認し、Ｓ２９で警告を行う。
【００２４】
Ｔ８で電流値が適正範囲で正常の場合には、Ｔ９へ行き、タイマー１５により電解殺菌に必要な、あらかじめ設定された時間を計測し、その時間が経過したかを検出する。
設定時間になった場合には、Ｓ２６で電解殺菌のための通電を停止し、設定時間に満たない場合には、再びＳ２３へ行き時間の計測とともに電解殺菌は継続される。
【００２５】
Ｓ２６で通電が停止されると、プログラムＳ２７で図５のフローへ戻る。浴水循環装置は、電解殺菌終了後も循環、濾過等の運転は行われ、Ｔ３で装置の運転停止が選択されるまで、連続的に運転される。
【００２６】
次に請求項３の実施例の機能を図９に基づいて説明する。浴水の基本的な流れは図４と同一である。本装置の基本的な動作は、図５に示すフローであり、内容については既に説明してあるので省略する。本発明を図１０のフローチャート図により、その動作を説明する。
【００２７】
Ｓ３１で電解殺菌ルーチンへ移行する。Ｔ１１では、電解殺菌の時間（タイマー）調節における変更を行うかの確認が行われる。
既に設定してある場合や変更のない場合には、ＮＯを選択し、Ｔ１３へプログラムを移行させる。
【００２８】
電解殺菌量を多くするため時間を長く延長する場合や浴水があまり汚れていない等により時間を短くする場合には、Ｓ３２で殺菌時間変更キー１３により、任意の時間を入力する。入力された時間は、Ｓ３３で表示装置９に表示される。
【００２９】
Ｓ３３で変更調節された殺菌時間が表示されると、使用者は表示装置９に表示された時間を確認し、Ｔ１２で確定キーを操作する。
確認により殺菌時間が確定されると、Ｓ３４で殺菌時間は変更時間記憶メモリー部（ＲＡＭ）１４に記憶される。
【００３０】
Ｔ１３では、変更時間記憶メモリー１４に記憶された殺菌時間に基づいて殺菌の開始指令が行なわれる。殺菌を行わない場合には、プログラムは、Ｓ４３へ行き、メインルーチンへ戻り、殺菌処理を行わない浴水循環装置の循環、浄化の運転が行われる。
【００３１】
Ｔ１３で殺菌を行う場合には、電解殺菌開始スイッチ１２を操作する。スイッチが操作されるとＳ３５で、電解殺菌装置７に食塩を添加するために塩分添加部２３の調節弁２２が開放され、Ｓ３６で塩素生成のために必要な一定量の食塩が供給される。
１回分の食塩がＳ３６で供給されるとＳ３７で調節弁２２は閉鎖し、食塩の供給は停止する。
【００３２】
次にＳ３８で記憶された殺菌時間に基づいてタイマーが作動し、Ｓ３９では、Ｓ３４で設定された時間が来るまで計測が行われる。
Ｓ４０では、タイマー作動中電解殺菌装置７に電流が流され、電解殺菌が行われる。Ｓ４１では、電流センサー８により電流値の検出を行う。
【００３３】
Ｔ１４で漏電等による異常が発生していない場合には、Ｔ１５でＳ３４で記憶された設定時間になったかを判断する。設定された時間にならない場合には、Ｓ３９へ戻り電解殺菌が継続される。
【００３４】
Ｔ１５で設定された時間になった場合には、Ｓ４２でリレースイッチがＯＦＦされ、電解装置への通電が停止される。通電停止により電解殺菌は終了する。
Ｓ４３でプログラムは再び図５のフローチャートへ戻る。
【００３５】
Ｔ１４で電流値に異常が発生した場合には、Ｓ４５で通電を停止し、Ｓ４６で表示装置９にその異常内容を表示させたり、警告音を発生させて異常が発生したことを使用者に警告する。
Ｓ４６の警告に伴い、発生した異常が解除されるとＴ１３へ移行して、再び殺菌処理作業の確認を行う。
【００３６】
次に請求項４の実施例の機能を図１１に基づいて説明する。浴水の基本的な流れは図４と同一である。本装置の基本的な動作は、図５に示すフローであり、内容については既に説明してあるので省略する。本発明を図１２のフローチャート図により、その動作を説明する。
【００３７】
Ｓ３４７電解殺菌ルーチンへ移行する。Ｔ１７では、電解殺菌の時間（タイマー）調節における変更を行うかの確認が行われる。
既に設定してある場合や変更のない場合には、ＮＯを選択し、Ｔ１３へプログラムを移行させる。
【００３８】
電解殺菌量を多くするため時間を長く延長する場合や浴水があまり汚れていない等により時間を短くする場合には、Ｓ４８で殺菌時間変更キー１３により、任意の時間を入力する。入力された時間は、Ｓ４９で表示装置９に表示される。
【００３９】
Ｓ３４８変更調節された殺菌時間が表示されると、使用者は表示装置９に表示された時間を確認し、Ｔ１８で確定キーを操作する。
確認により殺菌時間が確定されると、Ｓ５０で殺菌時間は変更時間記憶メモリー部（ＲＡＭ）１４に記憶される。
【００４０】
Ｓ５１では、Ｓ５０に記憶された時間に対応し添加する食塩の量を演算する。
Ｓ５２は、電解殺菌のための演算された添加量を記憶メモリー（ＲＡＭ）に記憶する。Ｔ１９では、変更時間記憶メモリー１４に記憶された殺菌時間に基づいて殺菌の開始指令が行なわれる。
殺菌を行わない場合には、プログラムは、Ｓ６１へ行き、メインルーチンへ戻り、殺菌処理を行わない浴水循環装置の循環、浄化の運転が行われる。
【００４１】
Ｔ１９で殺菌を行う場合には、電解殺菌開始スイッチ１２を操作する。スイッチが操作されるとＳ５３で、電解殺菌装置７に食塩を添加するために塩分添加部２３の調節弁２２が開放され、Ｓ５４では、塩素生成のためにＳ３６に記憶された最適な量の食塩が添加供給される。
塩素発生のための食塩がＳ５４で供給されるとＳ５５で調節弁２２は閉鎖し、食塩の供給は停止する。
【００４２】
次にＳ５６で記憶された殺菌時間に基づいてタイマーが作動し、Ｓ５７では、Ｓ５０で設定記憶された時間が来るまで計測が行われる。
Ｓ５８では、タイマー作動中電解殺菌装置７に電流が流され、電解殺菌が行われる。
【００４３】
Ｓ５９では、電流センサー８により電流値の検出を行う。
Ｔ２０で漏電等による異常が発生していない場合には、Ｔ２１でＳ５０で記憶された設定時間になったかを判断する。設定された時間にならない場合には、Ｓ５７へ戻り電解殺菌が継続される。
【００４４】
Ｔ２１で設定された時間になった場合には、Ｓ６０でリレースイッチがＯＦＦされ、電解装置への通電が停止される。通電停止により電解殺菌は終了する。Ｓ６１でプログラムは再び図５のフローチャートへ戻る。
【００４５】
Ｔ２０で電流値に異常が発生した場合には、Ｓ６３で通電を停止し、Ｓ６４で表示装置９にその異常内容を表示させたり、警告音を発生させて異常が発生したことを使用者に警告する。
Ｓ６４の警告に伴い、発生した異常が解除されるとＴ２２へ移行して、再び殺菌処理作業の確認を行う。
【００４６】
次に請求項５の実施例の機能を図１３に基づいて説明する。浴水の基本的な流れは図４と同一である。本装置の基本的な動作は図１４のフローチャート図により、その動作を説明する。Ｓ６５で浴水循環装置の電源１０が投入されると本体装置Ａは駆動する。電源投入と同時に装置にＳ６６で内蔵された時計１７に電源が投入され時計機能が開始される。Ｓ６７で時計１７は、投入時の状況に対応する時間等の情報を表示装置９に表示する。
【００４７】
使用者は、その表示を確認し、Ｔ２３で時刻が誤っている場合には、Ｓ８１でクロック設定キー１６により正しい時刻にリセットし、時計１７を正常な状態にする。次にＴ２４で、使用者は、自分の所望する殺菌の開始時刻が既に設定されている場合には、そのまま次の工程に進み、新規に設定する場合には内蔵時計設定キー１６による入力によりＳ６８で設定を行う。時刻はＳ６９で浴水循環装置の表示装置９に表示され、使用者はその表示を確認しながら設定する。
【００４８】
Ｔ２５では、開始時刻を確定するかを確認し、確定の場合には、ＹＥＳを、再度設定する場合にはＮＯを選択する。
確定されるとＳ７０で殺菌開始時刻は、電解殺菌時刻記憶メモリー部（ＲＡＭ）１８に記憶される。
【００４９】
Ｓ７１では、Ｓ８１でリセットされた時計の時刻を計測する。ここにいう計測とは、通常の目覚まし時計と同じように本装置に内蔵された時計が駆動するものである。Ｓ７２で、浴水循環装置の循環ポンプ、加熱ヒーター等の運転が開始される。
【００５０】
Ｔ２６では、電解殺菌装置７の電解開始時刻になったかを確認する。これは、Ｓ７１における内蔵された時計による時間の計測がＳ６８で設定された設定時刻と同じになったことを意味し、同じになった場合には、Ｓ７６にプログラムは移行する。
【００５１】
Ｓ７６では、電解殺菌の開始に伴い、タイマー１５が作動する。このタイマー１５は、電解殺菌の時間をコントロールのためのものである。タイマー１５が作動するとＳ７７でタイマーの時間計測が行われる。
【００５２】
Ｓ７８では、電解殺菌装置７に通電が行われ、殺菌が開始する。Ｔ２７では電解殺菌装置７に通電する電流値の測定を行い、適正な電流であるかを判断する。
電流値が正常である場合には、そのままＴ２８へ行き、タイマー１５に設定されている時間が経過したか判断する。
【００５３】
Ｓ７７での計測値と設定されている所定の時間とが同じになった場合に、Ｓ７９へ行き、電解殺菌装置７への通電が停止され、Ｓ８０で電解殺菌は終了する。
浴水循環装置の運転を継続する場合には、プログラムは、Ｓ７２へ戻り、次の電解殺菌開始時間が来るまで、浴水循環および加熱のための運転がなされる。
【００５４】
Ｔ２９で浴水循環装置の運転を終了するため本体Ａの電源が切られると、本装置はすべて停止する。
ただし、内蔵されている時計装置については、内部に小型の蓄電池等を設け、正確な時刻を測定することは可能である。
【００５５】
本発明の請求項６の実施例の機能を図１５に基づいて説明する。浴水の基本的な流れは図４と同一である。本装置の基本的な動作の説明を図１６のフローチャートに基づいて説明する。Ｓ８５において、浴水循環装置の電源が投入される。次にＴ３１では、電解殺菌の時間設定について判断が行われる。装置内部の時計１７に対し、既に時間が設定されている場合には、プログラムは、Ｓ９１の浴水循環装置の運転へ移行する。
【００５６】
電解殺菌の開始、終了時刻は、表示装置９に表示され、使用者は、その表示された時刻を確認して、再設定の作業を行う。
設定されていない場合や新たに時間の設定を行う場合には、ここでＮＯを選択し、電解殺菌時刻の設定を行う。
【００５７】
Ｓ８６では、まず電解殺菌の開始時刻について設定を行う。開始時刻は、本体Ａに内蔵された時計１５に対応し、開始時刻設定キー１９により入力を行う。Ｓ８６で開始時刻が設定されるとＳ８７で設定された開始時刻が開始時刻記憶メモリー部１８に記憶される。記憶メモリー部１８は、書き換え可能なようにＲＡＭ等で構成されている。
【００５８】
開始時刻が設定されると、次に終了時刻をＳ８８にて設定する。終了時刻の調節は、殺菌時間の長さを使用者が任意に設定するためのものである。
浴水の汚れがひどい場合には、その殺菌時間を長くし、清潔にすることが可能である。終了時刻の設定は、前記開始時刻の設定と同様に、終了時刻設定キー２０を操作して行われる。
【００５９】
Ｓ８８で終了時刻が設定されると、Ｓ８９で終了時刻記憶メモリー部２１にその終了時刻が記憶される。設定時刻は、表示装置９に表示され、使用用者は変更がないか等の確認を行う。
【００６０】
Ｔ３２では、設定された時間に変更があるかを確認する。変更等がない場合には、ＮＯを選択し、Ｓ９０で設定時刻が確定される。設定時刻が確定されると、Ｓ９１で浴水循環装置の運転が開始される。
運転が開始されると、Ｔ３３ではＳ８６で設定された電解殺菌開始時刻になったかが判断される。
【００６１】
設定された開始時刻になった場合には、Ｓ９２へ行き、電解殺菌装置７に食塩を添加するために塩分添加部２３の調節弁２２が開放され、Ｓ９３で塩素生成のために必要な一定量の食塩が供給される。１回分の食塩がＳ９３で供給されるとＳ９４で調節弁２２は閉鎖し、食塩の供給は停止する。
【００６２】
次にプログラムは、Ｓ９５で電解殺菌装置７に信号が送られ、電解殺菌が開始される。
電解殺菌は、Ｓ８８で設定された終了時刻まで行われ、Ｔ３４で終了時刻になったかの判断がされる。
終了時刻になった場合には、リレースイッチ７ａがＯＦＦされ、通電が停止する。Ｓ９６で電解殺菌は終了するがプロググラムは、Ｓ９１へ戻りとともに次の電解殺菌開始時刻が来るまで、通常の浴水循環運転を継続する。
【００６３】
本発明の請求項７の実施例の説明を図１７の機能ブロック図に基づいて説明する。本発明の基本的構成は、浴槽１と浴水を清浄化するための浄化フィルター２と、浴水を循環させるための循環ポンプ３と、浴水を加熱する加熱ヒーター５と、浴水を殺菌する電解殺菌装置７と電解殺菌装置７における電解効率を上げるための塩分添加部２３で構成されている。
【００６４】
浄化フィルター２ｂは、浴水の汚れを除去するための通常フィルター２６と浴水中のトリハロメタンを除去するための脱塩素フィルター２７により構成されている。
【００６５】
浴水循環装置において、運転が開始されると、電解殺菌装置７により浴水の殺菌が開始される。浴水は、電解殺菌装置７により浴水を電気分解し、それにともなって発生する塩素を浴水に混入する。混入された浴水は、浴槽１に浴水と噴出され、浴槽内の浴水と混合し、浴水の塩素殺菌が行なわれる。
浴水に混入した塩素成分は、異臭の原因となるタンパク質や尿成分を除去し、清潔かつ安全な浴水を生成する。
【００６６】
浄化フィルター２における通常フィルター２６は、通常の汚れを除去するためのものであり、塩素除去フィルター２７は、電解殺菌後の浴槽内の残留塩素を除去し、入浴時における塩素臭の除去を行うためのものである。この脱塩素フィルターは、亜硫酸カルシウムや過酸化ニッケルや活性炭等から構成され、効果的に浴水中に発生するトリハロメタンを除去するものである。
【００６７】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１では、本発明を用いた装置を使用することにより、脱臭効果が高く、従来では、浴水より異臭が発生した場合には、浴水を交換しなければならない等の作業がなくなり経済的にも効果が発揮される。
電解殺菌は、紫外線殺菌やオゾン殺菌に比べ、殺菌処理時間が短くてもその効果は高く、効率がよいため急速な殺菌が要求される場合や人が入浴しない時間に限定した殺菌が行える。
本発明は、これら電解殺菌による効果をより効率的に行うため、食塩や食塩水など塩類を電解殺菌装置に添加供給し、塩素発生効率を高め、電解殺菌を有効に行える。
また、請求項２の発明では、電解殺菌の開始時間を任意に操作、設定することができるため、異臭が発生したり、浴水を誤って汚した場合等における急速殺菌が行えるとともに、殺菌時間に対応して食塩が添加されることにより効率のよい殺菌ができる。
また、請求項３の発明は、電解殺菌の時間の長さを任意に設定でき、浴水の汚染度に対応した殺菌処理が行え、殺菌開始とともに食塩が添加供給されるため効率の良い殺菌が行える。
また、請求項４の発明は、電解殺菌の時間の長さを任意に設定が行えるとともに、殺菌時間に対応して供給する食塩の量を演算し、最適な量にすることにより浴水の汚染度に対応した殺菌処理が行える。
請求項５の発明では、電解殺菌の開始時刻を本体に内蔵した時計とリンクさせると伴にその電解殺菌時間の調節を行えるようにしたために、各家庭毎の入浴者数に対応した、殺菌が行えるものである。
請求項６の発明では、電解殺菌の開始および終了時刻を任意に設定することができるため、深夜等入浴者の入浴しない時間に限っての殺菌が行えるだけでなく、浴水が汚れる時間や汚れの度合いに応じて適切な殺菌時間の管理と塩素発生のために添加する食塩の量をコントロールするために、極めて効率よく殺菌が行えるものである。
請求項７の発明では、上記請求項１から６までの装置に浄化フィルターの他に脱塩素フィルターを設けたことにより、浴水中の塩素臭やトリハロメタンを除去することができ、塩素殺菌に対応した安全な装置にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す外観図
【図２】本発明の一実施例の装置内部を示す外観図
【図３】本発明の一実施例を示す制御ブロック図
【図４】本発明の一実施例を示す機能ブロック図
【図５】本発明の一実施例を示す浴水循環のフローチャート図
【図６】本発明の一実施例を示す電解殺菌フローチャート図
【図７】本発明の請求項２の一実施例を示す機能ブロック図
【図８】本発明の請求項２の一実施例を示す電解殺菌フローチャート図
【図９】本発明の請求項３の一実施例を示す機能ブロック図
【図１０】本発明の請求項３の一実施例を示すフローチャート図
【図１１】本発明の請求項４の一実施例を示す機能ブロック図
【図１２】本発明の請求項４の一実施例を示すフローチャート図
【図１３】本発明の請求項５の一実施例を示すブロック図
【図１４】本発明の請求項５の一実施例を示すフローチャート図
【図１５】本発明の請求項６の一実施例を示す機能ブロック図
【図１６】本発明の請求項６の一実施例を示すフローチャート図
【図１７】本発明の請求項７の一実施例を示す機能ブロック図
【符号の説明】
Ａ：浴水循環装置、Ｂ：制御部（ＣＰＵ）、１：浴槽、２：浄化フィルター、２ａ：プレフィルター３：循環ポンプ、３ａ：循環ポンプ制御手段、４：流量センサー、５：加熱ヒーター、５ａ：加熱制御手段、６：温度センサー、６ａ：温度設定キー、６ｂ：温度記憶部、６ｃ：温度比較部手段、７：電解殺菌装置、
８：電流センサー、９：液晶表示装置、１０：浴水循環装置電源スイッチ、１１：通電制御手段（リレースイッチ）、１２：電解殺菌開始指令スイッチ、１３：殺菌時間（タイマー）変更キー、１４：変更時間記憶メモリー（ＲＡＭ）、
１５：タイマー、１６：クロック（内蔵時計）設定キー、１７：クロック手段内蔵時計、１８：殺菌開始時刻記憶メモリー（ＲＡＭ）、１９：開始時刻設定キー、２０：終了時刻設定キー、２１：終了時刻記憶メモリー（ＲＡＭ）、２２：塩分添加制御用調節弁、２３：塩分添加部、２４：添加量記憶メモリー部（ＲＡＭ）
２５：ジェットノズル、２６：通常フィルター部、２７：脱塩素フィルター部

Claims (7)

1. 浴水を循環させる循環ポンプと、浴水を清浄化する浄化フィルター部と、浴水を加熱する加熱ヒータとが配備された浴水循環装置において、清浄処理後の浴水を無隔膜で電解する電解殺菌装置に取り込み、浴水を電気分解して殺菌のための塩素を発生させる電解殺菌装置と、前記電解殺菌装置に塩分を添加する塩分添加部と、塩分が添加された浴水を電気分解して殺菌のための塩素を所定量発生させるために前記電解殺菌装置に対する通電を制御する通電制御手段と、電解殺菌装置に通電させ、塩素を一定時間発生させるためのタイマー手段と、該タイマー手段の始動を指令する電解殺菌始動指令手段と、該電解殺菌始動指令手段の指令に応答して、塩分添加部よりの塩分の供給を制御する塩分添加制御手段とが配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。
2. 浴槽の浴水を循環ポンプで汲み上げて循環路を通して循環させて清浄処理、保温処理して浴槽へ戻す浴水循環装置において、清浄処理後の浴水を無隔膜で電解する電解殺菌装置に取り込み、該電解殺菌装置で取り込んだ浴水に塩分添加部により塩分を添加した浴水を電気分解して殺菌のための塩素を所定量発生させるために前記電解殺菌装置の動作を通電制御する通電制御手段と、所定の時間帯に電解殺菌を行うように設定された開始時刻に殺菌を開始する電解殺菌開始指令手段と、殺菌終了後、通常の浴水循環運転を継続するようにしたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。
3. 請求項１において、前記タイマー手段により設定される電解殺菌時間を任意の長さに設定可能にするための電解殺菌時間調節手段と、調節された電解殺菌時間を記憶するための調節時間記憶手段とが更に配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。
4. 請求項１において、前記タイマー手段により設定される電解殺菌時間を任意の長さに設定可能にするための電解殺菌時間調節手段と、調節された電解殺菌時間を記憶するための調節時間記憶手段と、電解殺菌時間調節手段により調節して設定された電解殺菌時間に対応した塩分添加量を演算して記憶する塩分添加量記憶手段と、前記塩分添加量記憶手段に記憶された塩分添加量データに基づいて塩分の添加量を制御する塩分添加制御手段とが更に配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。
5. 請求項１において、前記電解殺菌始動指令手段による電解殺菌始動指令を任意の時刻に発するためのクロック手段と、該クロック手段を任意の時刻に設定するための時刻設定手段と、設定された時刻を記憶するための設定時刻記憶手段と、タイマー手段の電解殺菌時間を任意の長さに設定可能とするための電解殺菌時間調節手段と、調節された電解殺菌時間を記憶するための調節時間記憶手段とが更に配備されたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。
6. 請求項１において、電解殺菌を任意の時刻に実施させるためのクロック手段と、該クロック手段に基づいて電解殺菌を開始させる時刻及び終了させる時刻を設定するための開始時刻設定手段及び終了時刻設定手段と、設定された開始時刻及び終了時刻を記憶するための殺菌開始時刻記憶手段及び殺菌終了時刻時刻記憶手段と、前記殺菌開始時刻記憶手段及び殺菌終了時刻記憶手段に記憶された殺菌開始時刻及び殺菌終了時刻に基づく殺菌開始信号及び殺菌終了信号に応答して、前記塩分添加部よりの塩分添加時期を制御するための塩分添加制御手段とが更に配備れたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。
7. 請求項１又は２又は３又は４又は５又は６において、前記電解殺菌装置による殺菌により生成され、浴水中に残留する残留塩素成分を吸着するための脱塩素フィルターが更に配備されたたことを特徴とする電解殺菌装置を有する浴水循環装置。

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