JP3672516B2 - 赤外線センサ装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、赤外線センサ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の量子型赤外線固体撮像装置(赤外線センサ装置)は、低温動作のための冷却機構を必要とすることが大きな欠点であった。これに対して近年、冷却機構を必要としない、非冷却型赤外線センサの開発が盛んになってきている。非冷却型赤外線センサにおいては、波長10μ程度の入射赤外線を吸収構造により熱に変換した上で、この微弱な熱により生じる感熱部の温度変化をなんらかの熱電変換手段により電気的信号に変換し、この電気的信号を読み出すことで赤外線画像情報を得る。
【0003】
この種の非冷却型の赤外線センサにおいては、入射赤外線を熱に変換する感熱部(赤外線吸収構造)とその熱を電気的信号に変換する熱電変換部からなる赤外線センサ部を熱的に周囲から分離し、熱電変換効率を向上することが、赤外線感度向上の上で必須となる。そのため一つの有効な方法として、シリコン基板上に形成した赤外線センサ部を、マイクロマシニング技術によりシリコン基板から浮いた状態にエッチング加工することにより、熱電変換部の支持基板への熱の拡散を抑える方法がある(例えば、Tomohiro Ishikawa, et al., Proc. SPIE Vol.3698,
p.556, 1999参照)。
【0004】
しかし、赤外線センサ部への電気信号の入出力及び、赤外線センサ部を支持基板上に中空状態で支持する支持構造は必要であり、この支持構造による熱伝導を最小限に抑えなくてはならない。そこで、上記文献の例では、低熱伝導率の材料からなる脚状の支持構造を、設計上可能な範囲でより細く、より長くレイアウトする方法が提案されている。しかし、画素サイズが40μm×40μm程度に微細化されると、支持構造も微細化が進み、その断面積も数十μm2程度と小さくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
支持構造の断面を微細にしても、熱分離の観点から長さはそれほど短縮できないことから、支持強度の低下とそれに伴う素子構造の変形が問題となる。例えば、赤外線センサ部周辺の空洞化エッチング処理工程後において、乾燥途中の純水の表面張力によって赤外線センサ部が支持基板に形成した空洞部へ沈み込み、支持基板に接触してしまう“沈み込み”現象や、乾燥中の支持構造の熱変形により赤外線センサ部と支持構造、もしくは、支持構造と支持基板とが張り付いてしまう“張り付き”現象等が発生する。これは、赤外線センサ部の熱分離性能を損ない、検出感度の低下をもたらす。また、支持強度の低下は、外部衝撃による赤外線センサ部の破壊を容易にし、赤外線センサ装置の歩留まりの低下、コストの増大を引き起こす。
【0006】
この発明は、赤外線センサ部の熱分離と中空支持を確実にする赤外線センサ装置とその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
この発明に係る赤外線センサ装置は、半導体基板と、この半導体基板上に複数の画素領域を区画するように配設された、内部に行列選択線が埋設された枠体部と、この枠体部により区画された各画素領域に、前記半導体基板上に空隙をおいて且つ前記枠体部により支持されて形成された、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収部及びこの赤外線吸収部で発生した熱を電気信号に変換する熱電変換素子を有する赤外線センサ部とを備え、前記赤外線センサ部の支持構造は、前記半導体基板上に空隙をおいて前記赤外線センサ部と前記枠体部の間を連結するため、前記枠体部から前記赤外線センサ部に亘って前記赤外線センサ部の少なくとも2辺に沿って巡るように設けられた、前記赤外線センサ部の読み出し配線を含む第1の支持ビームと、前記半導体基板上に空隙をおいて前記第1の支持ビームと前記赤外線センサ部との間、及び前記第1の支持ビームと前記枠体部との間の少なくとも一方の間を連結するように設けられた第2の支持ビームとを有することを特徴とする。
【0008】
この発明に係る赤外線センサ装置の製造方法は、半導体基板に絶縁層により分離されて形成された半導体層に前記半導体基板に達する深さの素子分離絶縁膜を形成して、素子形成領域を区画する工程と、前記素子形成領域に熱電変換素子となるpn接合ダイオードを形成する工程と、前記素子分離絶縁膜上に、前記pn接合ダイオードの端子に接続される読み出し配線を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜上に支持部材層を形成する工程と、前記読み出し配線及び支持部材層を覆って内部に行列選択線が埋設された層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上に赤外線吸収部を形成する工程と、前記行列選択線を含む枠体部を前記半導体基板に固定された状態に加工すると共に、前記枠体部に囲まれた前記赤外線吸収部と前記pn接合ダイオードにより構成される赤外線センサ部、前記読み出し配線を含んで前記赤外線センサ部と前記枠体部の間を連結する第1の支持ビーム部、及び前記支持部材層により形成されて前記第1の支持ビーム部と前記赤外線センサ部,前記枠体部の少なくとも一方との間を連結する第2の支持ビーム部を前記半導体基板から浮いた状態に加工するエッチング工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
この発明によると、赤外線センサ部を中空状態で支持する支持構造として、読み出し配線を含む第1の支持ビームの他に、この第1の支持ビームを、赤外線センサ部,行列選択線を含む枠体部の少なくとも一方に連結する第2の支持ビームを備えることにより、赤外線センサ部の熱伝導を極力抑えながら、十分な支持強度を得ることが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、一実施の形態による赤外線センサ装置の一画素部分のレイアウトを示し、図2はそのI−I’断面を示している。赤外線センサ装置は、画素が二次元配列されるが、この画素配列と別に、信号処理に用いられるトランジスタ等の能動素子、拡散抵抗、キャパシタ等の受動素子も、通常のLSIプロセスを用いて同時に形成される。
【0011】
図1及び図2に示すように、この装置は、半導体基板として単結晶シリコン基板(支持基板)1上に、空隙2をおいて赤外線センサ部3が形成される。画素選択を行う行選択線41、列選択線51が埋設された枠体部4,5は、マトリクス配列される画素領域を区画しており、シリコン基板1に固定された状態で配設される。赤外線センサ部3を中空状態に支持するために、赤外線センサ部3と枠体部4,5の間を連結する第1の支持ビーム6(6a,6b)が、やはり基板1から浮いた状態で形成される。この支持ビーム6は、赤外線センサ部3の信号端子を行列選択線に接続する読み出し配線8を内蔵している。
【0012】
第1の支持ビーム6は、熱伝導を抑えるために、赤外線センサ部3のほぼ3辺に沿って巡るように細長く配設されている。そして、この細長い第1の支持ビームの支持強度を補強するように、第1の支持ビーム6と赤外線センサ部3の間及び、第1の支持ビーム6と枠体部4,5の間を連結する第2の支持ビーム7(7a〜7d)が設けられている。第2の支持ビーム7は、横方向厚み(幅)が第1の支持ビーム6に比べて小さく、配線を含まないが、第1の支持ビーム6と同様に、基板1からは浮いた状態に配設される。従って、第2の支持ビーム7による熱伝導も抑えられている。
【0013】
図3は、第1の支持ビーム6と第2の支持ビーム7の連結部を示す拡大斜視図である。第1の支持ビーム6は、読み出し配線61が内蔵されたシリコン酸化膜からなる絶縁層により構成されている。第2の支持ビーム7は、この実施の形態ではシリコン窒化膜単層により構成されている。
【0014】
次にこの実施の形態の赤外線センサ装置の製造工程を、図4〜図12を参照して説明する。これらの図は、図2におけるほぼ右半分の断面に相当する断面図である。図4に示すように、支持基板として単結晶シリコン基板1に、厚さ140nmの埋め込みシリコン酸化膜101、厚さ400nmの単結晶シリコン層102が順次積層された、いわゆるSOI基板を準備する。このSOI基板に、図5に示すように、素子分離絶縁膜103をSTI(Shallow TrenchIsolation)により埋め込んで、シリコン層102に素子形成領域104を区画する。
【0015】
具体的には、レジストをパターンニングし、素子分離領域のシリコン層を、たとえばRIE(Reactive Ion Etching)等の技術によりエッチングした後、レジストを除去し、素子分離領域にシリコン酸化膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)等の技術により埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の技術で平坦化する。後に支持ビームが形成される領域は、素子分離領域である。
【0016】
次に、図6に示すように、各素子形成領域104に、n+型拡散層,p+型拡散層を形成して、熱電変換素子としてのpn接合ダイオード31を形成する。具体的にpn接合ダイオードは、一画素の赤外線センサ部に複数個配列形成され、これらが後に直列接続される。
【0017】
次に、図7に示すように、第1の支持ビーム6に内蔵されることになる読み出し配線61を形成する。具体的には、CVD法により200nmのポリシリコン膜61aを堆積し、これをRIE技術を用いてパターンニングする。この後、CVD法により100nmの酸化膜を堆積し、RIEにてエッチバックすることによりポリシリコン膜61aにサイドウォール62を形成する。この読み出し配線61は、図1に示すように、赤外線センサ部3のpn接合ダイオード列の一端と行方向の枠体部4の間、及びpn接合ダイオード列の他端と列方向の枠体部5の間に配設される。
【0018】
このプロセスは、周辺に形成されるトランジスタのゲート形成と同時に行うこともできる。また、実施の形態では、配線としてポリシリコンを用いているが、これに限定される訳ではなく、支持構造に要求される熱伝導度と抵抗値を考慮して、Al配線を用いることも可能であるし、Al配線とポリシリコンの併用も可能である。
【0019】
続いて、図7に示すように、第2の支持ビーム7を構成するための支持部材層70を堆積形成する。具体的に支持部材層70としては、図3で説明したように、シリコン窒化膜であり、CVDにより堆積形成する。この支持部材層70は、堆積後、pn接合ダイオードの端子拡散層部、及びポリシリコン膜61a上の部分をRIEを用いてエッチング除去する。そして、Ti/TiNをスパッタ法により厚さ25nm/15nmだけ堆積し、窒素雰囲気中700度30秒のRTA処理を行った後、硫酸と過酸化水素の混合液によりTi/TiNを除去し、再度窒素雰囲気中800度20秒のRTA処理を行う。これにより、pn接合ダイオードの端子拡散層領域、及び、ポリシリコン膜61a上にTiシリサイド61bを形成する。
【0020】
この実施の形態ではシリサイド材料としてTiを用いたが、これはpn接合ダイオード、及び、読み出し配線のシート抵抗を低減することが目的であり、Co、Ni等の他の金属でもよい。また、本プロセスは、周辺回路のトランジスタのソース・ドレイン上のシリサイド形成と同時に行うこともできる。
【0021】
次に、図8に示すように、CVD法を用いて第1の層間絶縁膜106を形成する。この層間絶縁膜106には、pn接合ダイオードの端子層上、読み出し配線61と後に形成されるAl配線とのコンタクト部分に、RIE等によりコンタクトホールを形成し、コンタクトプラグ107を埋め込む。具体的にコンタクトプラグ107は、スパッタ法によりTi/TiN/Tiをバリアメタルとして堆積した後、CVD法によりタングステン膜を基板全面に堆積し、CMPを行うことにより埋め込まれる。本プロセスは、周辺回路のトランジスタのソース・ドレイン上のコンタクト形成と同時に行うこともできる。
【0022】
この後、第1の金属配線層として、アルミニウムあるいはアルミニウム合金をスパッタ法により堆積し、パターンニングする。これにより、各センサ部でpn接合ダイオード間を接続する配線108と同時に行選択線41が形成される。図の断面には見えないが、更に層間絶縁膜を堆積して、Al膜により列選択線が形成されることになる。
【0023】
この後、層間絶縁膜109を堆積し、更に赤外線吸収体層32として、シリコン酸化膜32aとシリコン窒化膜32bとを積層形成する。この赤外線吸収層32は、周辺回路ではMOSトランジスタ等のパッシベーションを兼ねることができる。以上により、赤外線吸収部とこれにより発生される熱を検出する熱電検出素子からなる赤外線センサ部が形成される。この段階では、赤外線センサ部はまだパターニングされおらず、また支持基板からも分離されていない。
【0024】
次に、図9に示すように、赤外線センサ部3の周辺に中空構造を形成することを目的として、単結晶シリコン支持基板1を露出させるために、エッチング用開口202を形成する。具体的には、図1に示す赤外線センサ部3、枠体部4,5、支持ビーム6,7の領域を覆うようにフォトリソグラフィーによりレジストマスク201をパターンニングし、RIEにより、基板1に達する開口202を形成する。第2の支持ビーム7は、支持部材層70がやはり絶縁層に上下から挟まれた状態で、好ましくは幅0.2〜0.5μmにパターニングされる。第1の支持ビーム6は、内蔵される読み出し配線61が予めパターニングされているが、この工程で読み出し配線61が絶縁層に埋め込まれた状態で、第2の支持ビーム7よりは幅広にパターニングされる。
【0025】
次に、図1の赤外線センサ部3と枠体部4,5の間、即ち支持ビーム6,7が配置される領域の絶縁層エッチングを行う。即ち、図10に示すように、レジストマスク203を赤外線センサ部3と枠体部4,5を覆うようにパターン形成して、赤外線センサ部3の周辺のシリコン窒化膜32b、シリコン酸化膜32a、層間絶縁膜109を、RIEによりエッチングする。図では、配線層下の層間絶縁膜106の一部までエッチングしているが、読み出し配線61が露出しない範囲でエッチング量を選択できる。
【0026】
次に、図11に示すように、開口202を介して単結晶シリコン基板1の表面を異方性エッチングによりエッチングして、赤外線センサ部3と基板1の間を分離する空隙2を形成する。この時のエッチャントとしては、たとえばTMAH(Tetra−Methyl−Ammonium−Hydroxide)等の薬液が望ましい。
【0027】
この後、支持ビーム6,7の熱伝導性を更に低減するため、これらの下部に残った絶縁層を、アルミニウムとの選択比が高いエッチャント、例えば酢酸と弗化アンモニウムの混合液を用いて除去する。配線を含まない第2の支持ビーム7の部分は、幅が0.2〜0.5μmと細いため、残存していた上下の絶縁膜106,103が側面からのエッチングにより完全に除去され、図12に示すように、線幅0.2〜0.5μm、厚さ35nmの支持部材層70のみによる支持ビーム7が形成される。
【0028】
次に、ウエットエッチング後の乾燥工程に入る。第2の支持ビーム7がない従来の支持構造では、乾燥途中の純水の表面張力によって赤外線センサ部が沈み込み支持基板に接触する割合が約30%、乾燥中の支持構造の熱変形による赤外線センサ部と支持構造、支持構造と支持基板との張り付きが約5%程度発生する。これに対しこの実施の形態では、配線を内蔵しない第2の支持ビーム7によって、第1の支持ビーム6と赤外線センサ部3の間、及び第1の支持ビーム6と枠体部4,5の間を連結することにより、沈み込みや張り付き現象を確実に抑えることができる。
【0029】
次に、この発明の別の実施の形態を説明する。赤外線センサ装置の一画素部分のレイアウト及びその断面構造は、先の実施の形態と同様であるので詳細説明は省く。図13は、この実施の形態での第1の支持ビーム6と第2の支持ビーム7の連結部の拡大斜視図を、先の実施の形態の図3に対応させて示している。第1の支持ビーム6は、先の実施の形態と同様に読み出し配線61が内蔵されたシリコン酸化膜からなる絶縁層により構成されている。第2の支持ビーム7は、シリコン窒化膜131,133の間にシリコン酸化膜132が挟まれた絶縁膜積層構造により構成されて、その断面はI型になっている。
【0030】
この実施の形態による赤外線センサ装置の製造工程は、先の実施の形態の図6までは同じである。この後、図14に示すように、第2の支持ビーム7を形成するための支持部材層130を堆積する。具体的に支持部材層130は、シリコン窒化膜131、シリコン酸化膜132及びシリコン窒化膜133を順次CVDにより積層した絶縁膜とする。この支持部材層130のパターニングは、シリコン窒化膜131及びシリコン酸化膜132はポリシリコン膜の側壁絶縁膜のエッチバック時に、シリコン窒化膜133はpn接合ダイオードの端子拡散層部及びポリシリコン膜61a上の部分のRIE時に行われる。
【0031】
そして、Ti/TiNをスパッタ法により厚さ25nm/15nmだけ堆積し、窒素雰囲気中700度30秒のRTA処理を行った後、硫酸と過酸化水素の混合液によりTi/TiNを除去し、再度窒素雰囲気中800度20秒のRTA処理を行う。これにより、pn接合ダイオードの端子拡散層領域、及び、ポリシリコン膜61a上にTiシリサイド61bを形成する。
この実施の形態ではシリサイド材料としてTiを用いたが、これはpn接合ダイオード、及び、読み出し配線のシート抵抗を低減することが目的であり、Co、Ni等の他の金属でもよい。また、本プロセスは、周辺回路のトランジスタのソース・ドレイン上のシリサイド形成と同時に行うこともできる。
【0032】
この後、図11までは、先の実施の形態と同様である。この後、図15に示すように、支持ビーム6,7の熱伝導性を低減するため、これらの下部に残った絶縁層を、アルミニウムとの選択比が高いエッチャント、例えば酢酸と弗化アンモニウムの混合液を用いて除去する。配線を含まない第2の支持ビーム7の部分は、幅が0.2〜0.5μmと細いため、残存していた上下のシリコン酸化膜103,106が側面からエッチングされて完全に除去される。第2の支持ビーム7は、シリコン窒化膜131,133にシリコン酸化膜132が挟まれた構造であるため、弗酸系エッチャントのエッチングレートの差から、図13に示したように、第2の支持ビーム7は、酸化膜部がくぼんだI型断面構造とすることができる。
【0033】
シリコン酸化膜の熱伝導率は、シリコン窒化膜の1/10程度であるため、積層構造により断面積を先の実施の形態より大きくしたとしても、全体として熱伝導性を高めることなく、支持強度、特に上下方向に関する強度を高めることができる。
【0034】
この発明は、上記実施の形態に限られない。例えば実施の形態では、熱電変換素子としてpn接合ダイオードを用いたが、これに限定されるものではなく、たとえば、ボロメータ等を用いることもできる。
また実施の形態では、1画素当たり2本の読み出し配線を含む第1の支持ビーム6に対して、第2の支持ビーム7として、第1の支持ビーム6の二つのコーナー部でこれと赤外線センサ部3の間を連結するビーム7a,7bの組と、他の二つのコーナー部を枠体部4,5に連結するビーム7c,7dの組の二組を用いたが、支持構造によっては、これらの一方の組のみとすることもできる。例えば、実施の形態の場合、第1の支持ビーム6は、3コーナーを持つ長いビームとしたが、2コーナーの構造であれば、第2の支持ビーム7を減らすことができる。或いは逆に、第2の支持ビームを更に多く用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、赤外線センサ部を中空状態で支持する支持構造として、読み出し配線を含む第1の支持ビームの他に、この第1の支持ビームを、赤外線センサ部,枠体部部の少なくとも一方に連結する第2の支持ビームを備えることにより、赤外線センサ部の熱伝導を極力抑えながら、十分な支持強度を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による赤外線センサ装置の要部レイアウトを示す図である。
【図2】図1のI−I’断面図である。
【図3】同実施の形態の第1の支持ビームと第2の支持ビームの連結部の構造を示す拡大斜視図である。
【図4】同実施の形態の製造工程における出発基板の断面図である。
【図5】同実施の形態の素子分離工程を示す断面図である。
【図6】同実施の形態のpn接合ダイオードの製造工程を示す断面図である。
【図7】同実施の形態の読み出し配線及び支持部材層の形成工程を示す断面図である。
【図8】同実施の形態の金属配線及び赤外線吸収部の形成工程を示す断面図である。
【図9】同実施の形態の基板エッチング用開口の形成工程を示す断面図である。
【図10】同実施の形態の支持構造部の絶縁層エッチング工程を示す断面図である。
【図11】同実施の形態のシリコン基板エッチング工程を示す断面図である。
【図12】同実施の形態の第2の支持ビームを露出させる絶縁膜エッチング工程を示す断面図である。
【図13】別の実施の形態による赤外線センサ装置の第1の支持ビームと第2の支持ビームの連結部の構造を示す拡大斜視図である。
【図14】同実施の形態の読み出し配線及び支持部材層の形成工程を示す断面図である。
【図15】同実施の形態の第2の支持ビームを露出させる絶縁膜エッチング工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…空隙、3…赤外線センサ部、4,5…枠体部、6(6a,6b)…第1の支持ビーム、7(7a〜7d)…第2の支持ビーム、31…pn接合ダイオード(熱電変換素子)、32…赤外線吸収部、32a…シリコン酸化膜、32b…シリコン窒化膜、41,51…行列選択線、61…読み出し配線、70…支持部材層(シリコン窒化膜)、71,73…シリコン窒化膜、72…シリコン酸化膜、101…シリコン酸化膜、102…シリコン層、103…素子分離絶縁膜、104…素子形成領域、106,109…層間絶縁膜、107…コンタクトプラグ、108,41…Al配線、201,203…レジストマスク、202…エッチング開口、130…支持部材層、131,133…シリコン窒化膜、132…シリコン酸化膜。

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    この半導体基板上に複数の画素領域を区画するように配設された、内部に行列選択線が埋設された枠体部と、
    この枠体部により区画された各画素領域に、前記半導体基板上に空隙をおいて且つ前記枠体部により支持されて形成された、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸収部及びこの赤外線吸収部で発生した熱を電気信号に変換する熱電変換素子を有する赤外線センサ部とを備え、
    前記赤外線センサ部の支持構造は、
    前記半導体基板上に空隙をおいて前記赤外線センサ部と前記枠体部の間を連結するため、前記枠体部から前記赤外線センサ部に亘って前記赤外線センサ部の少なくとも2辺に沿って巡るように設けられた、前記赤外線センサ部の読み出し配線を含む第1の支持ビームと、
    前記半導体基板上に空隙をおいて前記第1の支持ビームと前記赤外線センサ部との間、及び前記第1の支持ビームと前記枠体部との間の少なくとも一方の間を連結するように設けられた第2の支持ビームとを有する
    ことを特徴とする赤外線センサ装置。
  2. 前記熱電変換素子は、半導体層に形成されたpn接合ダイオードであり、前記赤外線吸収部は、前記pn接合ダイオード部上に積層形成されたシリコン酸化膜、シリコン窒化膜の少なくとも一方を含む絶縁膜であることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ装置。
  3. 前記第1の支持ビームの横方向厚みは、第2の支持ビームのそれより大きいことを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ装置。
  4. 前記第2の支持ビームは、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜の少なくとも一方或いはそれらの積層構造により構成されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ装置。
  5. 半導体基板に絶縁層により分離されて形成された半導体層に前記半導体基板に達する深さの素子分離絶縁膜を形成して、素子形成領域を区画する工程と、前記素子形成領域に熱電変換素子となるpn接合ダイオードを形成する工程と、前記素子分離絶縁膜上に、前記pn接合ダイオードの端子に接続される読み出し配線を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜上に支持部材層を形成する工程と、前記読み出し配線及び支持部材層を覆って内部に行列選択線が埋設された層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上に赤外線吸収部を形成する工程と、前記行列選択線を含む枠体部を前記半導体基板に固定された状態に加工すると共に、前記枠体部に囲まれた前記赤外線吸収部と前記pn接合ダイオードにより構成される赤外線センサ部、前記読み出し配線を含んで前記赤外線センサ部と前記枠体部の間を連結する第1の支持ビーム部、及び前記支持部材層により形成されて前記第1の支持ビーム部と前記赤外線センサ部,前記枠体部の少なくとも一方との間を連結する第2の支持ビーム部を前記半導体基板から浮いた状態に加工するエッチング工程と、を有することを特徴とする赤外線センサ装置の製造方法。
  6. 前記エッチング工程は、前記赤外線センサ部、前記枠体部、前記第1及び第2の支持ビーム部を覆うマスクを形成して、前記赤外線吸収部から前記半導体基板に達する開口を形成する工程と、前記赤外線センサ部及び前記枠体部を覆うマスクを形成して、前記第1の支持ビーム部上の前記層間絶縁膜を前記読み出し配線に達しない深さにエッチングする工程と、前記開口を介して前記半導体基板の表面をエッチングして前記赤外線センサ部及び前記第1及び第2の支持ビーム部と前記半導体基板との間に空隙を形成する工程と、前記第2の支持ビーム部の上の前記層間絶縁層及び下の前記素子分離絶縁膜をエッチングして前記支持部材層からなるのみによる第2の支持ビームを形成する工程とを有することを特徴とする請求項5記載の赤外線センサ装置の製造方法。
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