JP3667422B2 - ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポンプに関し、詳しくは、容器体の口頚部に固定して容器体内の液を液状,霧状或いは泡状に噴出する押し下げヘッド式のポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体注出用のポンプとして、例えば、胴部上端より口頚部を起立してなる容器体の内部に、下部の吸い込み弁付きシリンダを挿入して口頚部外周に嵌合させた装着筒により容器体に固定し、また、シリンダに嵌合させたピストンを下端外周より突設したステムの上端を装着筒の中央を貫通して容器体口頚部上方へ上方付勢状態で上下動可能突出させ、更に、該ステム上端にノズル付き押し下げヘッドを嵌着させてなるものが知られている。これらポンプは、上記ヘッドを押し下げることにより、シリンダ内の液をステムを介してノズルの噴出口より噴出し、ヘッドの上昇時には容器体内の液を吸い込み弁を介してシリンダ内に吸い上げる如く構成している。
【0003】
また、空気用のシリンダ及び液用のシリンダとを備えたシリンダ部材を容器体内に挿入してその上端を容器体口頚部に固定し、液用シリンダ内より容器体口頚部上方へ突出させたステムの上端にヘッドを嵌着させるとともに、ステム下部を各シリンダ内のピストンと連携させた噴出作動部材を設け、ヘッドの押し下げにより、液と空気とを混合した後内蔵した発泡用ネット等を介して発泡させ、ノズルの噴出口より噴出する如く構成した泡噴出用のポンプも知られている。
【0004】
一般にこれらポンプに於いては、ステムの上端部に吐出弁を設けている。この種のポンプの吐出弁は図6に示す如く、ステム50内上部に突設した弁座51上に玉状弁体52を載置し、また、この玉状弁体52の上下動の所定ストロークを規制するために、例えばヘッド53の縦筒54内より垂設した係止突起55を玉状弁体52上方に垂下させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種ポンプは、その組み付け時には弁座51上に玉状弁体52を載置し、上方からヘッド53を嵌着させて形成するのがごくごく一般的に行われている。その際、特に組み付け作業を手作業で行う場合に、ヘッド以外のポンプ本体部分を傾ける等して誤って玉状弁体を落してしまい、小さな玉状弁体が外れたのを知らずにヘッドを嵌着してしまう虞があった。
【0006】
本発明はこの様な点を考慮して、一旦装着した吐出弁はポンプ本体を傾けても外れる虞はなく、組み付け時に玉状弁体が外れて紛失することがなく、円滑な組み付け作業を行えるポンプを提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明のポンプは上記課題を解決するため、容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から液の噴出を行う如く構成してなる液噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に嵌着固定するとともに、内面下部にフランジ状弁座11を突設し、且つ、内面上部に係止突起12を突設してなる筒状部材8と、上記係止突起12を強制的に乗り越えて弁座11上に上下動可能に載置させた玉状弁体9とで吐出弁10を構成したことを特徴とする液噴出用のポンプとして構成した。
【0008】
また、請求項2発明のポンプは、容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から泡の噴出を行う如く構成してなる泡噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に嵌着固定するとともに、内面下部にフランジ状弁座11を突設し、且つ、内面上部に係止突起12を突設してなる筒状部材8と、上記係止突起12を強制的に乗り越えて弁座11上に上下動可能に載置させた玉状弁体9とで吐出弁10を構成したことを特徴とする泡噴出用のポンプとして構成した。
【0009】
また、請求項3発明のポンプは、容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から液の噴出を行う如く構成してなる液噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に突設したフランジ22を介して上方に立設した筒状弁座23と、該弁座上面を開閉可能に閉塞する弁板26をステム6内面に嵌着させた嵌合筒24より所定間隔をあけて突設した一対の弾性棒状のヒンジ25を介して突設した弁部材27とで吐出弁10を構成したことを特徴とする液噴出用のポンプとして構成した。
【0010】
また、請求項4発明のポンプは、容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から泡の噴出を行う如く構成してなる泡噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に突設したフランジ22を介して上方に立設した筒状弁座23と、該弁座上面を開閉可能に閉塞する弁板26をステム6内面に嵌着させた嵌合筒24より所定間隔をあけて突設した一対の弾性棒状のヒンジ25を介して突設した弁部材27とで吐出弁10を構成したことを特徴とする泡噴出用のポンプ。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図面に示す如く本発明ポンプ1は、容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するとともに、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させて上方付勢状態で上下動可能に装着した噴出作動部材7を備えており、該噴出作動部材7の上下動により噴出口4より液の噴出を行う如く構成したもの、或いは噴出作動部材7の上下動により噴出口4より泡の噴出を行う如く構成したものである。
【0012】
液の噴出を行うポンプの場合、図示しないで説明するが、例えば、上端部を容器体口頚部に固定して容器体内に垂下させたシリンダと、該シリンダの下端部に設けた吸い込み弁を介してシリンダ内と容器体内底部とを連通させるパイプと、シリンダ内に摺動可能に嵌合させたピストンを下部外面より突設したステムの上端に噴出口付き押し下げヘッドを嵌着固定して上下動可能に装着した噴出作動部材と、該噴出作動部材を常時上方へ付勢させるコイルスプリングと、上記ステム内上部に設けた吐出弁等よりなるものが挙げられる。
【0013】
また、泡の噴出を行うポンプとしては、例えば、空気用のシリンダ及び液用のシリンダを備えたシリンダ部材を容器体内に垂下してその上端を容器体口頚部に固定し、上端部に突出した噴出口付き押し下げヘッドをステム上端に嵌着させて上方付勢状態で上下動可能に設けるとともに、ステム下部を各シリンダ内のピストンと連携させた噴出作動部材を設け、噴出作動部材の上昇時には空気用シリンダ内に外気を、液用シリンダ内に容器体内の液を、各々導入し、噴出作動部材の押し下げ時には各シリンダ内の空気及び液を合流させ、合流点下流に配置させたメッシュ等よりなる起泡層を通過させて発泡させ、噴出口より泡を噴出する如く構成したものが挙げられる。
【0014】
本請求項1発明及び請求項2発明は、この様な構成を有するポンプであって、しかも筒状部材8と玉状弁体9とからなる吐出弁10を備えている。上記筒状部材8は、ステム6内上部に嵌着固定するとともに、内面下部にフランジ状弁座11を突設し、且つ、内面上部に係止突起12を突設してなるものである。また、玉状弁体9は、上記係止突起12を強制的に乗り越えて弁座11上に上下動可能に載置させたものである。図1の例では、内方へ傾斜下降するフランジ状弁座11を突設し、また、半球状をなす係止突起12を周方向複数突設している。
【0015】
従って、組み付け時には、図2に示す如く、予め玉状弁体9を嵌着させた筒状部材8をステム6上端に嵌着させた後、ヘッド5を嵌着させれば良く、玉状弁体9が振動やポンプ本体の傾倒により外れる等の不都合は全く生ぜず、組み付け作業に支障を来す虞はない。
【0016】
図1に示す実施例は泡の噴出を行うポンプの例で、ポンプ1の形成は主として合成樹脂を使用し、必要に応じて部分的に金属,エラストマー等を併用して形成されたもので、上記容器体口頚部3外周に装着筒13を螺着させることにより容器体2に固定している。また、上記装着筒13に上部を固定した空気用の大径シリンダ14及び該大径シリンダ14底壁中央に上端を開口した液用の小径シリンダ15を容器体2内に挿入している。この小径シリンダ15の下端には吸い込み弁を配し、更にパイプ16の上端を嵌着させ、その下端を容器体内下端部に垂下させている。
【0017】
押し下げヘッド5は、下端開口の筒状をなす外ケース17内中央に一体に垂設した縦筒18の下端を、ステム6上端外周に嵌着させ、また、縦筒18上端より前方へ外ケース17を貫通してノズル19を突設してその先端に噴出口4を開口し、更に、ステム嵌着部分上方の縦筒18内にメッシュで構成された起泡層20を横設し、ステム上端周囲にはステム6内と大径シリンダ14内とを連通する空気通路21を設けている。
【0018】
上記大径シリンダ14内及び小径シリンダ15内には、図示しないが、大径ピストン,小径ピストン等がステム6の上下動に連動する如く配備され、そして、噴出作動部材7の上昇時には、大径シリンダ14内に外気が、小径シリンダ15内に吸い込み弁を介して容器体2内の液が、各々導入され、また、噴出作動部材7の押し下げ時には、各シリンダ内の空気及び液がステム内上部で合流して、合流点下流の起泡層20により発泡し、噴出口4より排出される如く構成している。
【0019】
本請求項3及び請求項4記載の発明は、上記した如き液の噴出或いは泡の噴出を行うポンプであって、図3に示す如く、ステム6内上部に突設したフランジ22を介して上方に立設した筒状弁座23と、該弁座周囲のステム6内面に嵌着させた嵌合筒24内面よりヒンジ25を介して筒状弁座23上面を開閉可能に閉塞する弁板26を一体に突設した弁部材27とから構成した吐出弁10を設けている。上記弁部材27は合成樹脂,エラストマー等の弾力性のある材質で形成すると良い。本実施例では、嵌合筒24内面に所定間隔をあけて突設した一対の弾性細棒状のヒンジ25を介して弁板26を一体に突設している。尚、その他の構成は図1の実施例と同様であるため、同様部分には同符号を付して説明を省く。
また、上記した液噴出用のポンプの場合には、そのノズル先端部に公知の霧形成機構を設ければそのまま霧の噴出も可能となる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明のポンプは、上端部に突出した噴出口付き押し下げヘッドをステム上端に嵌着させてなる噴出作動部材を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により噴出口から液或いは泡を噴出する如く構成してなるポンプであって、ステム内上部に嵌着固定するとともに、内面下部にフランジ状弁座を突設し、内面上部に係止突起を突設してなる筒状部材と、係止突起を強制的に乗り越えて弁座上に上下動可能に載置させた玉状弁体とからなる吐出弁を設けたので、ポンプ組み付け工程の最終段階であるヘッド嵌着の際に、従来ポンプの如き玉状弁体を紛失したまま気付かずにヘッドを嵌着してしまう等の虞はなく、円滑かつ確実な組み付けを行える。
【0021】
また、ステム内上部に突設したフランジを介して上方に立設した筒状弁座と、該弁座周囲のステム内面に嵌着させた嵌合筒内面よりヒンジを介して弁座上面を開閉可能に閉塞する弁板を突設してなる弁部材とからなる吐出弁を設けたものも、同様に円滑かつ確実な組み付けを行える。更に、この弁部材の嵌着時には、該部材の上下何方から嵌着しても吐出弁を形成することができ、この点から更に円滑な組み付けを行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す一部切欠き要部側面図である。
【図2】 同実施例のステム上端部分の要部拡大断面図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示す一部切欠き要部側面図である。
【図4】 同実施例のステム上端部分の要部拡大断面図である。
【図5】 同実施例の弁部材の平面図である。
【図6】 ヘッド嵌着前の従来ポンプの一例を示す一部切欠き側面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…口頚部,4…噴出口,5…押し下げヘッド,6…ステム,
7…噴出作動部材,8…筒状部材,9…玉状弁体,10…吐出弁,11…弁座,
12…係止突起,22…フランジ,23…筒状弁座,24…嵌合筒,25…ヒンジ,
26…弁板,27…弁部材
Claims (4)
- 容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から液の噴出を行う如く構成してなる液噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に嵌着固定するとともに、内面下部にフランジ状弁座11を突設し、且つ、内面上部に係止突起12を突設してなる筒状部材8と、上記係止突起12を強制的に乗り越えて弁座11上に上下動可能に載置させた玉状弁体9とで吐出弁10を構成したことを特徴とする液噴出用のポンプ。
- 容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から泡の噴出を行う如く構成してなる泡噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に嵌着固定するとともに、内面下部にフランジ状弁座11を突設し、且つ、内面上部に係止突起12を突設してなる筒状部材8と、上記係止突起12を強制的に乗り越えて弁座11上に上下動可能に載置させた玉状弁体9とで吐出弁10を構成したことを特徴とする泡噴出用のポンプ。
- 容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から液の噴出を行う如く構成してなる液噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に突設したフランジ22を介して上方に立設した筒状弁座23と、該弁座上面を開閉可能に閉塞する弁板26をステム6内面に嵌着させた嵌合筒24より所定間隔をあけて突設した一対の弾性棒状のヒンジ25を介して突設した弁部材27とで吐出弁10を構成したことを特徴とする液噴出用のポンプ。
- 容器体2の口頚部3を閉塞して装着固定するポンプであって、上端部に突出した噴出口4付き押し下げヘッド5をステム6上端に嵌着させてなる噴出作動部材7を上方付勢状態で上下動可能に備え、該噴出作動部材の上下動により上記噴出口から泡の噴出を行う如く構成してなる泡噴出用のポンプに於いて、上記ステム6内上部に突設したフランジ22を介して上方に立設した筒状弁座23と、該弁座上面を開閉可能に閉塞する弁板26をステム6内面に嵌着させた嵌合筒24より所定間隔をあけて突設した一対の弾性棒状のヒンジ25を介して突設した弁部材27とで吐出弁10を構成したことを特徴とする泡噴出用のポンプ。
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